説明

比較的低いpHを有する、低刺激性で透明な洗浄組成物

【課題】皮膚洗浄組成物を提供する。
【解決手段】本発明の方法及び組成物は、低刺激性と共に1つ又は2つ以上の追加の特性、例えば比較的高い透明性、比較的高い起泡性、及び/又はこれらの組み合わせを有する組成物、並びにこのような組成物の製造方法及び使用方法に関する。これらの組成物は低pH値を有し、かつ皮膚の洗浄に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の方法及び組成物は、低刺激性と共に1つ又は2つ以上の追加の特性、例えば比較的高い透明性、比較的高い起泡性、及び/又はこれらの組み合わせを有する組成物、並びにこのような組成物の製造方法及び使用方法に関する。これらの組成物は低pH値を有し、かつ皮膚の洗浄に有用である。
【背景技術】
【0002】
カチオン性、アニオン性、両性、及び非イオン性界面活性剤などの洗浄用合成界面活性剤が、各種洗剤及び洗浄組成物に洗浄特性を付与するために幅広く使用されている。加えて、パーソナルケア組成物(シャンプー及び洗剤が挙げられる)などのある種の組成物では、比較的大容量の起泡体積及び/又は比較的高い起泡安定性を達成するのに十分な組み合わせ及び濃度の界面活性剤を使用することが望ましい場合がある。
【0003】
しかしながら、当該技術分野において認識されるように、合成洗剤は皮膚及び目に対して刺激性である傾向がある。これらの組成物に増加した洗浄及び起泡特性を付与するためにパーソナルケア組成物中のこのような洗剤の濃度を増加させるにつれて、かかる組成物に付随する刺激性も増加し、パーソナルケア組成物を、皮膚及び/若しくは目に、又はその付近に使用するのに望ましくないものにする。
【0004】
より穏やかな洗浄組成物を製造するある試みとしては、比較的少量のアニオン性界面活性剤(比較的高い起泡性を有するが、同時に刺激性も比較的高い傾向がある)と、比較的低刺激性の界面活性剤(非イオン性及び/又は両性界面活性剤など)とを組み合わせることが挙げられる。例えば米国特許番号第4,726,915号を参照されたい。穏やかな洗浄組成物を製造するための他のアプローチは、界面活性剤複合体を得るために、アニオン性界面活性剤を両性又はカチオン性化合物と会合させるものである。例えば米国特許第4,443,362号;同第4,726,915号;同第4,186,113号;及び同第4,110,263号を参照されたい。不都合なことに、どちらにせよ、このような方法を介して製造した穏やかな洗浄組成物は、起泡性能及び洗浄性能が比較的乏しいものになる傾向がある。
【0005】
更に、ある種の用途については、消費者は洗浄組成物が比較的透明であることを望むと認識されてきた。具体的には、透明な組成物は多くの場合、清潔さに関する美観的指標を消費者に提供するために有利に使用される。しかしながら、従来のパーソナルケア組成物(例えば高分子増粘剤が挙げられる)に一般的に使用される成分の多くが、組成物を濁ったもの、又は不透明なものにする傾向がある。洗剤としての使用に好適であり、かつ高い透明度も呈する組成物を作り出すために、ポリマー、界面活性剤及び他の任意の成分を組み合わせ得るということは、容易には予測されない。
【0006】
透明な組成物を作り出すことについての他の複雑な要因は、ある種の高分子増粘剤が、パーソナルケア組成物中で透明性と安定性を維持するためにより高いpHを必要とすることである。
【0007】
米国特許第6,897,253号(‘253)は、実質的に不溶性の化合物を、安定化すなわち懸濁させるような、実質的に架橋されたアルカリ膨潤性アクリレートコ高分子レオロジー改質剤、水、アルカリ性材料、及び有効量の界面活性剤を開示する。開示の高分子レオロジー改質剤は、pHが約5、又は6、又はそれ以上に達するまでは、実質的な粘性を構築し始めることはない。より低いpHを有する組成物を配合することは困難であるが、しかし‘253は、低pH(約pH 4.5〜5)にてアクリレート系レオロジー改質剤と、高濃度の界面活性剤(約9.8%活性成分を超える)とを含む透明な洗浄系を得るための、「酸性に戻す(Back-Acid)」増粘法を議論している。この方法は、より高いpHにて配合することで適切な粘度と安定性とを得、次いで有機酸によりゆっくりとpHを低下させることを含む。
【0008】
米国特許第2008/0113895号は、穏やかな洗浄系のための、低分子量のアクリルポリマーとアニオン性界面活性剤ラウレス硫酸ナトリウム及びトリデセス硫酸ナトリウムとの使用を記載する。透明な洗浄系が得られるが、pH 6.5超においてのみである。
【0009】
米国特許第2008/0112913号は、刺激性を緩和するための低分子量のアクリルポリマーの使用を記載し、かつ低分子量の疎水変性ポリマーを含む透明な洗浄系を作り出すことの困難さを指摘する。透明な系は、低分子量のアクリルポリマーを、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、又はコカミドプロピルベタインのいずれかと組み合わせることで得られるが、この組成物のpHは6.5でなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
洗浄組成物を含むスキンケア組成物を配合するためには、この組成物が可能な限り皮膚及び目に対して穏やかであることが望ましい。1つの方法では、皮膚及び目に適合するpHを有する組成物を用いることにより、この目的が達成される。加えてこのような組成物に、比較的高い透明性、好ましい起泡特性及び/又は他の好ましい美観特性を呈させる必要がある。スキンケア組成物の更なる態様は、安全で適合性のある防腐系を伴う。
【0011】
本発明のスキンケア組成物の成分は、特定のpHパラメーターも必要とし得る。例えば、サリチル酸などのある種の活性成分は、活性のために低いpHを必要とする。
【0012】
一部の防腐系の、酸形態で機能し、かつ塩形態(例えば安息香酸ナトリウム又はソルビン酸カリウム)では機能しない防腐剤では、有効性のために組成物のpHが低いものである必要がある。防腐効率は、防腐剤のpKaに基づいてpHが上昇するにつれて低下する。したがって、低pHで配合することで最大効率を提供しながらも、皮膚及び目に対するpH適合性を維持することが望ましい。
【0013】
加えて、皮膚に対して中性なpH(約5〜約6)を有する組成物を配合することが望ましい。皮膚のpH(約4〜約5)を下回るpHを有する洗剤は、酵素機能を増強しかつ皮膚の微生物相を変更することを目的として、皮膚のpHを低くするのに望ましいものであり得る。
【0014】
本発明のスキンケア組成物は低いpHを有するが透明度は高い。この組成物は低刺激性でありかつ透明である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の皮膚洗浄組成物は、好ましくは以下:
(a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)スキンケア組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含み、本質的にこれらからなり、及びこれらからなり、この皮膚洗浄組成物に充填される界面活性剤の合計量は、皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、この皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、皮膚洗浄組成物は光散乱試験において70kcts/s以下のカウントを有する。
【0016】
加えて、本発明の皮膚洗浄組成物は、好ましくは以下:
(a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)皮膚洗浄組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含み、本質的にこれらからなり、及びこれらからなり、
(c)この皮膚洗浄組成物に充填される界面活性剤の合計量は、皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、この皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、皮膚洗浄組成物の光透過率は約90%を超える。
【0017】
本発明の方法はまた、低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマーを含有する、皮膚洗浄組成物を利用することで、非エトキシル化アニオン性界面活性剤を含有する皮膚洗浄組成物に透明性を付与することに関し、ここでこの皮膚洗浄組成物に充填される界面活性剤の合計量は、皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、このスキンケア組成物のpHは約6.2以下である。本発明は更に、皮膚に対してこのような方法及び組成物を使用する方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本出願において、本出願者らは、見込まれるpHよりも低いpH(皮膚に適合性のpH)において、比較的低刺激でありかつ比較的透明性が高いことが含まれる、独特でありかつ予期されない特性の組み合わせを、本発明の組成物が呈することを発見した。このことは、本発明を、乳幼児の肌を含むスキンケア用、化粧用又は洗浄用組成物にとって理想的なものにする。本組成物は低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマーと、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む。驚くべきことに、低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマーに結合させるために選択された界面活性剤群を用いることで、これまで可能であると考えられてきたpHよりも低いpHにて透明である組成物が得られた。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「低pH」には、ASTMメソッドE70−07「水溶液のpHについてのガラス電極による標準試験法(Standard Test Method for pH of Aqueous Solutions With the Glass Electrode)」により、約6未満であるものとして測定されるpH測定値が含まれるものとする。好ましい実施形態では、pH範囲は約3.5〜約6.2である。より好ましい実施形態では、pH範囲は約4〜約6である。最も好ましい実施形態では、pH範囲は約4.5〜約5である。pHはある種の防腐系及び界面活性剤系でもあることは以前より既知であった。例えば高pHは防腐系の有効性を低下させる。例えば、以下に記載のように、適切なpHが維持されない場合には、有機酸系防腐系は無効なものになり得る。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「透明な組成物」は、「方法」の項で定義されるような透明度試験により測定されるとき、組成物が、約90%を超える、より好ましくは約90.5%を超える、及び最も好ましくは約95%を超える光透過率を有することを意味するものとする。本明細書で使用するとき、用語「透明な組成物」は、「方法」の項で定義されるような光散乱試験により測定されるとき、組成物が、約70kcts/s未満の、より好ましくは約50kcts/s未満の、及び最も好ましくは約40kcts/s未満のカウント率を有することを意味するものとする。
【0021】
高分子材料
本明細書で使用するとき、用語「低分子量」ポリマーとは、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定された約100,000以下の数平均分子量(M)を有するポリマーを指す。特定の好適な実施形態においては、低分子量ポリマーは約5,000〜約80,000M、より好適には約10,000〜約50,000M、及びより好適には約15,000〜40,000Mの範囲にわたる分子量を有するものである。
【0022】
本発明の方法において有用な高分子材料は、好適にはアニオン性及び/又は両性界面活性剤がそれと会合するのに適した組成物であり、実質的に粘度を上昇させず、界面活性剤系に典型的に付随する障害のある皮膚障壁損傷を緩和する非架橋の直鎖アクリルコポリマーである。非架橋の直鎖ポリマーは、好適には、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)による測定で、100,000以下の数平均分子量を有する低分子量のものである(本明細書で使用するとき、特に指示されない限り全ての数平均分子量(M)は、かかる様式で測定された分子量を指す)。コポリマー性緩和剤は少なくとも2つのモノマー性成分から重合される。第1のモノマー性成分は少なくとも1つのカルボン酸基を含む1種又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和モノマーから選択される。これらの酸基は、一塩基酸又は二塩基酸、ジカルボン酸の無水物、二塩基酸のモノエステル、及びそれらの塩から誘導することができる。第2のモノマー性成分は、疎水的に修飾され(第1のモノマー性成分と比較して)、かつ(メタ)アクリル酸の直鎖及び分岐鎖C〜Cアルキルエステル、直鎖及び分岐鎖C〜C10カルボン酸のビニルエステル、並びにそれらの混合物を含み、C〜Cアルキル基を含む1種又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和非酸モノマーから選択される。本発明の一態様では第2のモノマー性成分は下式で表される:
CH=CRX
式中、Rは水素又はメチルであり;Xは−C(O)OR又は−OC(O)Rであり;Rは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルであり;Rは水素又は直鎖若しくは分岐鎖C〜Cアルキルである。本発明の他の態様では、R及びRは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルであり、及び更なる態様では、R及びRは直鎖又は分岐鎖C〜Cアルキルである。
【0023】
例示的な第1のモノマー性成分としては(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、及びそれらの混合物が挙げられる。例示的な第2のモノマー性成分としては、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、1−メチル酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ピバル酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書で使用するとき、用語「(メタ)アクリル」酸及び「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸の対応するメチル誘導体及び対応するアクリル酸アルキルを含むことを意味する。例えば、「(メタ)アクリル」酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を指し、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸アルキル及び/又はメタクリル酸アルキルを指す。
【0024】
より好ましくは、上記第1のモノマー性成分は、(メタ)アクリル酸からなる群から選択され、上記第2のモノマー性成分は、少なくとも1つのC1〜C9アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
【0025】
本発明の、非架橋の直鎖アクリルコポリマー緩和剤は、当分野で周知のフリーラジカル重合技法により合成され得る。本発明の一態様では、利用される第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する量は、重合媒体中の全てのモノマーの合計重量に基づき、約20:80重量%〜約50:50重量%の範囲にわたる。他の態様では第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する重量比は重合媒体中のモノマーの合計重量に基づき、約35:65重量%であり、更なる態様では第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する重量比は約25:75重量%である。
【0026】
他の態様では乳化重合技法を、本発明の非架橋の直鎖アクリルコポリマー緩和剤の合成に用い得る。典型的な乳化重合では、モノマーの乳化物を調製するために、開示されたモノマーの混合物が、混合撹拌とともに、適切な反応器中の、適切な量の水の中の、例えばアニオン性界面活性剤(例えば、脂肪アルコール硫酸塩又はスルホン酸アルキル)などの乳化界面活性剤溶液に加えられる。窒素拡散などの任意の便利な方法により乳化物から酸素を除去し、次いで過硫酸ナトリウム又は乳化重合技術において周知の、他の任意の適切な付加重合触媒などの重合触媒(開始剤)の添加により重合反応が開始される。重合が完了するまで、重合媒体は、典型的には約4〜約16時間撹拌される。開始剤の添加に先立ち、所望であれば、モノマーエマルションを約70〜約95℃の範囲の温度まで加熱できる。未反応のモノマーは、乳化重合技術において周知のように、より多くの触媒の添加により除去できる。生成するポリマーエマルション産物は、反応器から排出され、貯蔵又は使用のために包装することができる。任意に、エマルションのpH又は他の物理的及び化学的特性は反応器からの排出に先立ち調整され得る。通常、エマルション産物は、約10重量%〜約50重量%の範囲の合計固体含量を有する。通常、エマルション産物の合計ポリマー含量(ポリマー固形分)は約15重量%〜約45重量%の範囲であり、一般的には約35重量%は超えない。
【0027】
一態様では、本発明の直鎖コポリマー性緩和剤の、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)標準により較正されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC)により測定される数平均分子量(M)は、100,000以下である。本発明の他の態様では、分子量は約5,000〜約80,000Mの範囲であり、更なる態様では約10,000〜50,000Mであり、及びなお更なる態様では約15,000〜40,000Mである。
【0028】
本発明の一態様では、直鎖コポリマー性緩和剤は、脱イオン水中5重量%のポリマー固体濃度において、18重量%のNaOH溶液によりpH 7に中和して、500mPa・s以下の粘度を有する(Brookfield RVT、20rpm、スピンドルno.1)。粘度は、他の態様では約1〜約500mPa・s、更なる態様では約10〜約250mPa・s、及びなお更なる態様では約15〜約150mPa・sの範囲にわたり得る。
【0029】
好ましくは、低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマーはアクリル酸カリウムコポリマーである。
【0030】
本方法の好適な実施形態に従う洗浄組成物を生成させるために、任意の様々な非エトキシル化アニオン性界面活性剤を本発明の高分子材料と組み合わせ得る。非エトキシル化アニオン性界面活性剤は、負電荷を有し、かつ任意のエトキシル化部分を含有しない、すなわち界面活性剤上に−(C−C−O)部分が存在しない界面活性剤である。特定の実施形態に従うと、好適な非エトキシル化アニオン性界面活性剤としては、以下の界面活性剤の部類から選択されるものが挙げられる:アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、アルキルモノグリセリドスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルホスクシネート、アルキルスルホスクシナメート(alkyl sulfosuccinamates)、アルキルカルボキシレート、脂肪族アルキルスルホアセテート、アルキルホスフェート、アシルグルタメート、サルコシネート、タウレート、及びこれらの2種又は3種以上の混合物。しかるべき好ましいアニオン性界面活性剤の例としては:
下式のアルキルサルフェート
R’−CHOSOX’;
下式のアルキルモノグリセリドサルフェート
【化1】

下式のアルキルモノグリセリドスルホネート
【化2】

下式のアルキルスルホネート
R’−SOX’;
下式のアルキルアリールスルホネート
【化3】

下式のアルキルスルホサクシネート:
【化4】

アルキルホスフェート
(式中、
R’は約7〜約22個、好ましくは約7〜約16個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R’は約1〜約18個、及び好適には約8〜約14個の炭素原子を有するアルキル基であり、
R’は天然又は合成のI−アミノ酸置換基であり、
X’はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、並びにそれぞれが1〜4個の炭素原子を有するアルキル基及び約2〜約4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基からなる群から選ばれる、同一又は異なる約1〜約3個の置換基により置換されたアンモニウムイオンからなる群から選ばれたものであり、かつ、
wは0〜20の整数である);
及びそれらの混合物が挙げられる。
【0031】
特定の実施形態に従うと、本発明のアニオン性界面活性剤は好ましくは、下式の構造からなる非エトキシル化SOアニオン性界面活性剤である。
【化5】

式中、SOはアニオン性親水基であり、Mは一価のカチオン(NH、Na、K、(HOCHCHなど)であり、Rは任意の様々な疎水基と、所望によりa)親水性の部分及び疎水性の部分に結合する官能基及び/又はb)追加の親水基を含む。例としては以下のものが挙げられる。
・アルキルスルホン酸塩(RはC〜C20アルキル(線状又は分枝鎖状で、飽和又は不飽和)であり、好ましくはC10〜C18、及び最も好ましくはC12〜C17である。)具体的な例としては、C13〜C17アルカンスルホン酸ナトリウム(R=C13〜C17アルキル、M=Na)及びC14〜C17アルキル2級スルホン酸ナトリウム(R=s−C13〜C17アルキル、M=Na)が挙げられる。
・αオレフィンスルホネート(ここでRは
【化6】

及び
の混合物に等しく、R=C〜C16アルキル又はこれらの混合物であり、好ましくはC6〜C12であり、より好ましくはC8〜C12であり、最も好ましくはC10〜C12である。)具体的な例としては、C12〜14オレフィンスルホン酸ナトリウム(R=C〜C10アルキル、M=Na)及びC14〜16オレフィンスルホン酸ナトリウム(R=C10〜C12アルキル、M=Na)が挙げられる。
・アルキルサルフェートエステル(R=C〜C20
【化7】

(線状又は分枝鎖状で、飽和又は不飽和)、好ましくはC12〜C18、より好ましくはC12〜C16、及び最も好ましくはC12〜C14。)具体的な例としてはラウリル硫酸アンモニウム(R=ラウリル,C1225、M=NH)、ラウリル硫酸ナトリウム(R=ラウリル、C1225,M=Na)、及びココ硫酸ナトリウム(R=ココアルキル、M=Na)が挙げられる。
【0032】
任意の好適な量の高分子材料及び界面活性剤を本発明の組成物及び方法を踏まえて使用することができる。特定の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、0超〜約6重量%の高分子材料(組成物の合計重量に含まれる、活性な高分子材料の量に基づく)を含み、これらから本質的になり、これらからなる。特定のより好適な実施形態では、組成物は約0.1〜約4.5重量%の高分子材料、より好適には約0.1〜約3.5重量%の高分子材料、及び更により好適には約0.2〜約2.5重量%の高分子材料を含む。
【0033】
特定の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、組成物の総重量中の活性な界面活性剤の総重量に基づき約2重量%超〜約9重量%未満のアニオン性界面活性剤を含み、これらから本質的になり、これらからなる。特定のより好ましい実施形態では、組成物は約2〜約7重量%の界面活性剤を含む。好ましい実施形態の配合では、界面活性剤の合計は約2重量%〜約5重量%である。
【0034】
本発明の組成物で有用な、非架橋で線状のアクリルコポリマーは、当該技術分野において既知のフリーラジカル重合技法により合成され得る。本発明の一態様では、利用される第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する量は、重合媒体中の全てのモノマーの合計重量に基づき、約20:80重量%〜約50:50重量%の範囲にわたる。他の態様では第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する重量比は重合媒体中のモノマーの合計重量に基づき、約35:65重量%であり、更なる態様では第1のモノマー性成分の第2のモノマー性成分に対する重量比は約25:75重量%である。
【0035】
製造された洗浄組成物、並びに高分子材料と本方法に従って混合工程で混合される少なくとも1種のアニオンとを含有する任意の組成物は、更に任意の様々な他の成分を含んでもよく、非排他的に、他の成分としては、例えば着色剤、香料、防腐剤、pH調整剤及び同様物などの、組成物の外観、感触及び香りを高める添加材が挙げられる。
【0036】
任意の各種市販の、揮発性シリコーンなどの第2のコンディショナー(毛髪に光沢を与えるなど追加の特性を付与するもの)は、本発明での使用に好適である。一実施形態では、揮発性シリコーンコンディショニング剤は約220℃未満の大気圧沸点を有する。揮発性シリコーンコンディショナーは組成物の総重量に基づき、約0重量%〜約3重量%、例えば約0.25重量%〜約2.5重量%又は約0.5重量%〜約1.0重量%の量で存在し得る。適切な揮発性シリコーンの例としては、非排他的に、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシクロシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、Dow Corning Corporation(Midland,Michigan)から「DC−345」の商品名で市販されているポリジメチルシクロシロキサンなどのシクロメチコン流体、及びそれらの混合物が挙げられ、並びに好適にはシクロメチコン流体が挙げられる。
【0037】
パーソナル洗浄組成物に加湿及びコンディショニング特性を提供することができる、任意の様々な市販の保湿剤が本発明での使用に好適である。保湿剤は、組成物の総重量に基づいて、約0%〜約10%の量、例えば約0.5%〜約5%、又は約0.5%〜約3%の量で存在してよい。好適な保湿剤の例としては、非排他的に、1)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール及びこれらの混合物を含む群から選ばれる水溶性液体ポリオール、2)式:HO−(R”O)−Hのポリアルキレングリコール(式中、R”は約2〜約3個の炭素原子を持つアルキレン基であり、bは約2〜約10の整数である)、3)式:CH−C10−(OCHCH−OHのメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル(式中、cは約5〜約25の整数である)、4)尿素、及び5)これらの混合物が挙げられ、グリセリンが好ましい保湿剤である。
【0038】
好適なキレート化剤の例としては、本発明の組成物を保護し防腐することができるキレート化剤が挙げられる。好適には、キレート化剤はエチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)であり、より好適にはDow Chemical Company(Midland,Michigan)から「Versene 100XL」の商品名で市販されているEDTA四ナトリウムであり、組成物の合計重量に基づき、約0〜約0.5%又は約0.05%〜約0.25%の量で存在する。
【0039】
好適な防腐剤としては、安息香酸及びアルカリ金属並びにこれらのアンモニウム塩(例えば安息香酸ナトリウム)、ソルビン酸及びアルカリ金属並びにそれらのアンモニウム塩(例えばソルビン酸カリウム)、p−アニス酸及びアルカリ金属並びにこれらのアンモニウム塩、並びにサリチル酸及びアルカリ金属並びにこれらのアンモニウム塩が挙げられる、有機酸系防腐剤が挙げられる。組成物のpHは、クエン酸、酢酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、又は塩化水素酸などの、化粧品に許容可能な任意の市販の有機又は無機酸を用いることで、適切な酸性値に調整することができる。
【0040】
組成物の一実施形態では、組成物中に組成物の総重量に基づき約0〜約0.5重量%の量で安息香酸ナトリウムが存在している。他の実施形態では、組成物中に組成物の総重量に基づき約0〜約0.6重量%、より好ましくは約0.3〜約0.5重量%の量でソルビン酸カリウムが存在している。
【0041】
本発明の方法は、本明細書で上記に記載の1種又は2種以上の任意選択の成分を、高分子材料を含む組成物と一緒に、又は高分子材料を含む組成物の中に、混合又は導入するための任意の様々な工程を、上記の混合工程の前、後、若しくは同時に、更に含むことができる。特定の実施形態では、混合の順序は決定的に重要なものではないが、他の実施形態においては、香料及び非イオン性界面活性剤などの特定の成分を、高分子材料及び/又はアニオン性界面活性剤を含む組成物に加える前に、予備混合することが好適である。
【0042】
本発明の洗浄方法は、従来の毛髪及び皮膚を洗浄することに関連する、例えば、泡立て工程、すすぎ工程などを含む様々な追加的な随意的な工程のいずれかを更に含むことができる。
【0043】
本出願人は任意の特定の操作理論によって、又は特定の操作理論へ束縛されることを望まないが、低分子量の疎水的に修飾されたポリマー(hm−ポリマー)と会合する界面活性剤は、ミセルとして存在する界面活性剤よりも安定であると考えられている。したがって、低分子量の疎水的に修飾されたポリマーと会合している場合と比べて、ミセル構造に含まれる界面活性剤は、より迅速にミセル外に分散する。
【0044】
本発明の方法において有用であり得る前述の低分子量の疎水性ポリマー並びに組成物に関する情報は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第2008/0112913号、同第2006/0257348号、及び同第20070111910号で説明される。
【0045】
本明細書に例示的に開示されている本発明の方法及び組成物は、本明細書に具体的に開示されていない任意の構成要素、成分、又は工程が欠如していても好適に実用可能である。本発明の本質及びその実施方法を更に説明するためにいくつかの実施例を以下に示す。しかし、本発明がこれらの詳細に限定されると見なすべきではない。
【0046】
方法
透明度試験:
各試料の透明度を、透明度試験により測定した。この手順は、測定する組成物の1cmセル試料を調製することと、かかる試料に関する光透過率%を、1cmのセルにAgilent 8453 UV−可視分光光度計を800nmの波長で用いて測定することと、を含む。希釈せずに各洗浄組成物の透明度を測定した。結果は%Tとして報告し、この透過率%は1cmセル中の洗浄組成物によるものである。
【0047】
光散乱試験:
洗剤の透明度を、光を散乱するコロイド状の会合体によって測定した。通常、洗剤は透明であるほど含まれるコロイド状会合体がほんの少量になる。1/3オーダーの光波長では、より大きいコロイド状会合体は、光を散乱し、溶液を濁らせ又は不透明なものにする。
【0048】
洗剤試料を、Zetasizer Nano ZS DLS装置(Malvern Instruments,Inc.,Southborough,MA)を用いて25.0℃で操作して解析した。この装置はMalvern Dispersion Technologyソフトウェアと統合されている。未濾過の試料溶液を3%に希釈し、10mmの印までキュベットに分配して(12mm正方形型ポリスチレン製キュベット、DTS0012)カバーした。測定は4.65mmの位置で4mW He−Ne、633nmレーザーにより吸光係数7で実施した。温度は25℃で一定に保った。測定は3つ組でそれぞれ11回実施した。
【0049】
レーザー(633nmでの)は洗浄組成物に入射した後に、コロイド状会合体により散乱して検出器へと戻ってくる。濁った洗浄溶液はより大量により大きなコロイド状粒子を有することから、検出器へのより多量の分散光を生じ、より高いカウント率を有すると考えられる。
【実施例】
【0050】
(実施例1)
比較例C1〜C4:洗浄組成物の調製
C1〜C4の洗浄組成物を、表1に記載された材料及び量に従い調製した。
【表1】

重量/活性成分重量%で示す
【0051】
表1の組成物のそれぞれを、独立して以下のように調製した:水(50.0部)をビーカーに加えた。次いでビーカーに以下の材料を単独で加え、その後得られるそれぞれの混合物が均質になるまで撹拌した:hm−ポリマー(Ex.968,Aqua SF−1,Inutec SP−1などを実施例により)、Cedepal TD403MF−D、Tegobetaine L7−V、Merquat S、Versene 100XL、及びNipasept。次に、生成した溶液のpHを、クエン酸又は水酸化ナトリウムの20%溶液で所望の最終pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。同様の成分を含むがpHは異なる配合物を、全て独立に作製した。
【0052】
(実施例2)
異なるpHのC1〜C4試料の透明度試験の結果:
C1〜C4組成物の透明度を、透明度試験に従って測定した。
【表2】

【0053】
表2は、表1に記載の一連の低分子量hm−ポリマーと、界面活性剤トリデセス硫酸ナトリウム及びコカミドプロピルベタインとを含有する一連の洗浄組成物の透明度試験の結果を示す。洗浄組成物は、約6.3付近の高いpHでは透明(すなわち透明度試験により測定されるものとして、約90%を超える透過率%を有する)である一方で、低いpHでは透明度はかなり低くなった。米国特許第2008/0112913号では、洗浄系はトリデセス硫酸ナトリウム又はラウレス硫酸ナトリウムを含有していた。一方で米国特許第2008/0112913号は低分子量で線状のアクリルポリマーと、これらの界面活性剤とを含む透明な洗浄系を示すが、これらの同様の系では、低いpH(pH約6.2を下回る)で調製した場合に、洗浄組成物は透明さを損ない、濁って不透明になった。
【0054】
(実施例3)
比較例C5〜C7:洗浄組成物の調製
C5〜C7の洗浄組成物を、表3に記載された材料及び量に従い調製した。
【表3】

重量/活性成分重量%で示す
【0055】
表3の組成物のそれぞれを、独立して以下のように調製した:水(50.0部)をビーカーに加えた。次いでビーカーに以下の材料を独立に加え、その後得られるそれぞれの混合物が均質になるまで撹拌した:hm−ポリマーのアクリル酸カリウムコポリマー(Ex.968,Lubrizol,Brecksville,OH)、次いで参照されるように界面活性剤のコカミドプロピルヒドロキシスルタイン又はデシルグルコシド。次に、生成した溶液のpHを、水酸化ナトリウム又はクエン酸の20%溶液で所望の最終pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。同様の成分を含むがpHは異なる配合物を、全て独立に作製した。
【0056】
(実施例4)
異なるpHのC5〜C7試料の透明度試験の結果:
C5〜C7組成物の透明度を、透明度試験に従って測定した。
【表4】

【0057】
表4に示されるように、4.0の低pHの、界面活性剤は不含で低分子量のhm−ポリマー含有のC5は、透明度が低かった。表2に示されるように、透明な洗浄組成物は、予め、低分子量で線状のアクリルポリマー、アクリル酸カリウムコポリマー、及び複数の異なる種類の界面活性剤系について適切なpHで調製されている(pH約6.3〜6.6)。表4は、低又は高pHでは、低分子量で線状のアクリルポリマー、アクリル酸カリウムコポリマー、並びに両性及び非イオン性界面活性剤(それぞれコカミドプロピルヒドロキシスルタイン及びデシルグルコシド)の洗浄組成物は透明ではない(%Tが約90%未満である)ことを示す。
【0058】
(実施例5)
比較例C8〜C12と本発明の実施例E13〜E14:洗浄組成物の調製
C8〜C12及びE13〜E14の洗浄組成物を、表5に記載された材料及び量に従い調製した。
【表5】

重量/活性成分重量%で示す
【0059】
表5の組成物のそれぞれを、独立して以下のように調製した:水(50.0部)をビーカーに加えた。次いでビーカーに以下の材料を独立に加え、その後得られるそれぞれの混合物が均質になるまで撹拌した:hm−ポリマーのアクリル酸カリウムコポリマー(Ex.968,Lubrizol,Brecksville,OH)、次いで参照されるように界面活性剤のトリデセス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、αオレフィンスルホン酸ナトリウム、又はココ硫酸ナトリウム。次に、生成した溶液のpHを、水酸化ナトリウム又はクエン酸の20%溶液で所望の最終pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。同様の成分を含むがpHは異なる配合物を、全て独立に作製した。
【0060】
(実施例6)
異なるpHのC8〜C12、E13〜E14試料の透明度試験の結果:
C8〜C12、E13〜E14組成物の透明度を、透明度試験に従って測定した。
【表6】

【0061】
表2に示されるように、透明な洗浄組成物は、予め、低分子量で線状のアクリルポリマー、アクリル酸カリウムコポリマー、及び複数の異なる種類の界面活性剤系について適切なpHで調製されている(pH約6.3〜約6.6)。しかしながら、表2ではこれらの洗浄組成物は低いpH(pH約6.2よりも低い)をとると透明度を損なっていた。加えて、濃度範囲を超えてエトキシル化アニオン性界面活性剤を含有している、低いpHの洗浄組成物C8〜C10では、低いpHにおいて透明な系を得られたものはなかった。
【0062】
低分子量で線状のアクリルポリマー、アクリル酸カリウムコポリマー、並びに少量の非エトキシル化アニオン性界面活性剤のαオレフィンスルホン酸ナトリウム及びココ硫酸ナトリウムを含有している洗浄組成物、C11及びC12は、それぞれ同様に透明度が低かった。しかしながら、低分子量で線状のアクリルポリマー、アクリル酸カリウムコポリマー、及び非エトキシル化アニオン性界面活性剤を含有している洗浄系、E13及びE14は、高い透明度を達成した。十分に透明な配合物を得るためには、約2.0%活性成分を超える十分な量のアニオン性界面活性剤が必要とされる。
【0063】
(実施例7)
本発明の実施例E15〜E21:洗浄組成物の調製
E15〜E21の洗浄組成物を、表7に記載された材料及び量に従い調製した。
【表7】

重量/活性成分重量%で示す
【0064】
表7の組成物のそれぞれを独立して以下のように調製した:水(50.0部)をビーカーに加えた。次いでビーカーに以下の材料を独立に加え、その後得られるそれぞれの混合物が均質になるまで撹拌した:hm−ポリマーのアクリル酸カリウムコポリマー(Ex.968,Lubrizol,Brecksville,OH)、次いで参照されるように界面活性剤のラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、又はトリデシル硫酸ナトリウム。次に、生成した溶液のpHを、水酸化ナトリウム又はクエン酸の20%溶液で所望の最終pHが得られるまで調整した。次に水の残部が溶液に加えられた。同様の成分を含むがpHは異なる配合物を、全て独立に作製した。
【0065】
(実施例8)
異なるpHの本発明の実施例E13〜E21試料の透明度試験の結果:
E13〜E21組成物の透明度は、透明度試験に従って測定した。
【表8】

【0066】
両性、非イオン性及び/又はエトキシル化アニオン性界面活性剤を含有している従来の洗浄組成物、C1〜C4及びC6〜C10、並びにpH約6.2を下回る低いpHを有する全ての洗浄組成物は、低い透明度を有することを示した。表8の、E13〜E21の洗浄組成物の全ては低分子量のhm−ポリマー、アクリル酸カリウムコポリマー、及び2.0%活性成分を超える濃度範囲の非エトキシル化アニオン性界面活性剤を含有し、並びにこれらの洗浄組成物の全ては高い透明度を有した。驚くべきことに、低分子量のhm−ポリマーと非エトキシル化界面活性剤を約9.0重量%活性成分〜約2.0重量%活性成分の濃度で含む洗浄組成物では、組成物の透明度は、低いpHにおいてさえも高いものであることを発見した。
【0067】
(実施例9)
選択された試料(E15、E17、E18及びC8、C10、C11)に関する光散乱試験の結果
カウント率は吸光係数7で測定した。
【表9】

【0068】
表9は光散乱試験の結果を示す。より高いカウント率は、洗剤が、より光を散乱するより大きな会合体を含んでいることを意味する。3つの実施例、E15、E17及びE18は、光散乱試験において低いカウント率を有していることが示された。対照的に、比較例C8、C10及びC11は、光散乱試験において高いカウント率を有していた(約70kcts/sを超える)。
【0069】
〔実施の態様〕
(1) (a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)皮膚洗浄組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含む皮膚洗浄組成物であって、前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量は、前記皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、前記皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、前記皮膚洗浄組成物は光散乱試験において70kcts/s以下のカウントを有する、皮膚洗浄組成物。
(2) 前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量が、前記皮膚洗浄組成物の約7重量%以下である、実施態様1に記載の皮膚洗浄組成物。
(3) 前記皮膚洗浄組成物の透過率が約90%を超える、実施態様1に記載の皮膚洗浄組成物。
(4) 前記皮膚洗浄組成物のpHが約4〜約6.2である、実施態様1に記載の皮膚洗浄組成物。
(5) 前記皮膚洗浄組成物が、最大約5重量%のエトキシル化界面活性剤を含有する、実施態様1に記載の皮膚洗浄組成物。
(6) 前記組成物が50kcts/s以下のカウントを有する、実施態様1に記載の皮膚洗浄組成物。
(7) 前記組成物が40kcts/s以下のカウントを有する、実施態様6に記載の皮膚洗浄組成物。
(8) 前記組成物が、最大約1重量%のエトキシル化界面活性剤を含有する、実施態様5に記載の皮膚洗浄組成物。
(9) 前記低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマーが、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する1種又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和モノマーからなる群から選択される第1モノマー成分と、(メタ)アクリル酸の線状及び分枝状C〜Cアルキルエステル、線状及び分枝状C〜C10カルボン酸のビニルエステル及びこれらの混合物が挙げられる、C〜Cアルキル基を含有する1種又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和非酸系モノマーからなる群から選択される第2疎水変性モノマー成分と、を含有するコポリマーを含む、実施態様1に記載の皮膚洗浄組成物。
(10) (a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)スキンケア組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含む皮膚洗浄組成物であって、
(c)前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量は、前記皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、前記皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、前記皮膚洗浄組成物の透過率は約90%を超える、皮膚洗浄組成物。
【0070】
(11) (a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)皮膚洗浄組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含む皮膚洗浄組成物であって、前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量は、前記皮膚洗浄組成物の約7重量%以下であり、前記皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、前記皮膚洗浄組成物は光散乱試験において70kcts/s以下のカウントを有する、皮膚洗浄組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)皮膚洗浄組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含む皮膚洗浄組成物であって、前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量は、前記皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、前記皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、前記皮膚洗浄組成物は光散乱試験において70kcts/s以下のカウントを有する、皮膚洗浄組成物。
【請求項2】
前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量が、前記皮膚洗浄組成物の約7重量%以下である、請求項1に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項3】
前記皮膚洗浄組成物の透過率が約90%を超える、請求項1に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項4】
前記皮膚洗浄組成物のpHが約4〜約6.2である、請求項1に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項5】
前記皮膚洗浄組成物が、最大約5重量%のエトキシル化界面活性剤を含有する、請求項1に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項6】
前記組成物が50kcts/s以下のカウントを有する、請求項1に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項7】
前記組成物が40kcts/s以下のカウントを有する、請求項6に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項8】
前記組成物が、最大約1重量%のエトキシル化界面活性剤を含有する、請求項5に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項9】
前記低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマーが、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する1種又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和モノマーからなる群から選択される第1モノマー成分と、(メタ)アクリル酸の線状及び分枝状C〜Cアルキルエステル、線状及び分枝状C〜C10カルボン酸のビニルエステル及びこれらの混合物が挙げられる、C〜Cアルキル基を含有する1種又は2種以上のα,β−エチレン性不飽和非酸系モノマーからなる群から選択される第2疎水変性モノマー成分と、を含有するコポリマーを含む、請求項1に記載の皮膚洗浄組成物。
【請求項10】
(a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)スキンケア組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含む皮膚洗浄組成物であって、
(c)前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量は、前記皮膚洗浄組成物の約9重量%以下であり、前記皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、前記皮膚洗浄組成物の透過率は約90%を超える、皮膚洗浄組成物。
【請求項11】
(a)低分子量で非架橋の線状アクリルコポリマー、及び
(b)皮膚洗浄組成物の約2重量%を超える、少なくとも1種の非エトキシル化アニオン性界面活性剤、
を含む皮膚洗浄組成物であって、前記皮膚洗浄組成物に充填される前記界面活性剤の合計量は、前記皮膚洗浄組成物の約7重量%以下であり、前記皮膚洗浄組成物のpHは約6.2以下であり、前記皮膚洗浄組成物は光散乱試験において70kcts/s以下のカウントを有する、皮膚洗浄組成物。

【公開番号】特開2012−6926(P2012−6926A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−139259(P2011−139259)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】