説明

毛包メラノサイトの保護剤としてのドーパクローム異性化酵素(TRP−2)活性を真似る薬剤の使用とその使用

本発明は、白髪の発達を予防および/または制限および/または阻止する手段、さらにはグレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な着色を維持する手段を提供するものであり、毛包のメラノサイトを保護する薬剤として、ドーパクローム異性化酵素を真似る薬剤を使用することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛包のメラノサイトを保護する薬剤として、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の美容的使用に関する。特に、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、毛球の活性メラノサイトおよび毛包上部領域の休止メラノサイトの集団を維持および/または再生することにより、毛包のメラノサイトの消失を処置することが意図される。
【背景技術】
【0002】
毛包は、真皮の深層にまで伸びる表皮の管状陥入部である。その底部、すなわち毛球そのものは、毛乳頭のある陥入部を含む。この毛球底部は細胞増殖の領域であり、ここで毛髪を構成するケラチン化細胞の前駆体が見られる。これらの前駆体から誘導された上昇する細胞は、毛球の上部で徐々にケラチン化され、ケラチン化細胞のこの群は毛幹を形成する。
【0003】
頭髪および体毛の色は、二つの群のメラニン、すなわちユーメラニン(黒色・褐色の色素)およびフェオメラニン(赤色・黄色の色素)の、様々な量および比率での存在に特に依存する。頭髪および体毛の色素沈着は、毛包の毛球におけるメラノサイトの存在を必要とする。これらのメラノサイトは、活性状態にあって、メラニンを合成する。これらの色素は、毛幹形成が意図されるケラチノサイトへと輸送され、着色した頭髪または体毛の成長を誘導する。この構造は、以下において、“毛包の色素沈着の単位”と称する。
【0004】
哺乳動物において、メラニン形成は、少なくとも3つの酵素、すなわちチロシナーゼ、ドーパクローム異性化酵素(TRP-2、すなわちチロシナーゼ関連タンパク2)、およびDHICAオキシダーゼ(TRP-1、すなわちチロシナーゼ関連タンパク1)に関連する。
【0005】
チロシナーゼは、メラニンの生合成を開始する酵素である。これは、メラニン形成を制限する酵素であるとも記載されている。
【0006】
TRP-2は、ドーパクローム5,6-ジヒドロキシインドール-2-カルボン酸(DHICA)の互変異性化を触媒する。TRP-2の不在下では、ドーパクロームは、自発的脱カルボキシル反応を受けて、5,6-ジヒドロキシインドール(DHI)を形成する。
【0007】
DHICAおよびDHIは、いずれも色素の前駆体であり、TRP-1はDHICA分子を酸化してキノン誘導体を形成する(Pawelek JMとChakraborty AK. The enzymology of melanogenesis. Nordlund JJ, Boissy RE, Hearing VJ, King RA, Ortonne J-P. The Pigmentary System: Physiology and Pathophysiology. New York: Oxford University Press; 1998. p.391-400)。
【0008】
これらの3つの酵素、すなわちチロシナーゼ、TRP-2、およびTRP-1は、メラニン形成に特に関連すると考えられている。さらに、これら3つの酵素の活性は、ユーメラニンの生合成の最大活性に必須であることが記載されている。
【0009】
TRP-2の発現は、毛球の活性メラノサイトおよび外側上皮鞘の休止メラノサイトの両方において、黒色マウスの毛に観察されている。さらに、ドーパクローム異性化酵素活性は、黒色マウスの成長期に増えることが知られている。しかしながら、TRP-2の発現と色素沈着の強度との間に明確な関係は確立されていない(Sturmら,1995)。
【0010】
さらに、TRP-2は、それを発現するメラノサイトに、シス-ジアンミンジクロロ白金(II)のようなDNA損傷剤に対する耐性を付与するとも記載されている(Chuら 2000およびPakら 2000)。これらの結果は、TRP-2がメラニン形成とは独立した機能にも関係しうることを示唆している。この酵素は、細胞保護的役割を演じうる。
【0011】
頭髪および体毛は毛周期を有する。この周期は、成長期、退行期、および休止期(この後に新たな成長期が開始される)を含む。この毛周期のために、そして、表皮の色素沈着単位とは相違して、毛包色素沈着単位は周期的に更新されなければならない。
【0012】
このプロセスは、最近になって、ヒトについて記載されている(Commo S.およびBernard B.,2000,Pigment Cell Res.13:253-259)。休止期−成長期の移行の際に、休止期カプセル中に含まれる一部の不活性メラノサイトが増殖し、発生毛球(nascent bulb)の真皮乳頭の周りに配置されるようになり、メラニン合成に必要な酵素の発現を開始する:メラノサイトの係る集団が毛球の活性メラノサイトに対応する。平行して、その他のメラノサイトは、毛包上部において不活性のままである:この集団のメラノサイトは、毛包の上部領域の休止メラノサイトに対応する。
【0013】
これらのメラニン合成酵素は、成長期の全期間にわたって毛球のメラノサイトに発現されるが、退行期および休止期には発現されない。ヒトの毛包におけるメラノサイトの正常周期は、毛包の上部領域、すなわち“貯蔵所(reservoir)”とも呼ばれる領域に静止メラノサイトの存在を必要とする。これは、毛包着色の単位を再生するために周期的に活性化される。色素沈着の維持に関与する細胞再生の係るメカニズムは、毛包の色素沈着の単位に特異的であり、表皮色素沈着の単位には見られない。
【0014】
白髪(毛髪の自然な白色化)は、毛幹におけるメラニンの低減と関連する。係る低減の原因は、これまでに解明されていない。いくつかの仮説が挙げられているが、これらの仮説は、皮膚の色素沈着のメカニズムから類推してメラニン生成活性の低下に関与しうるというもの、並びに、メラニン輸送における欠陥、または毛球のメラノサイト数の低下に関与しうるというものである(TobinとPaus, 2001)。しかし、これらの仮説を確認することができる毛髪色素沈着に関する実証は何ら得られていない。
【0015】
本出願人は、白髪が、毛球における活性メラノサイト数の低下、および毛包の上部領域における休止メラノサイト数の低下に関連しうるという仮説を初めて実証する二つの結果を証明した。このメラノサイトの係る早期低下および/または消失は、毛包に特異的であり、表皮に目に見える影響を与えない。
【0016】
これまで、休止メラノサイトは、白髪の毛包に存在すると考えられていた(Takadaら,1992, Horikawaら1996,JennerとRandall 2000)。
【0017】
本出願人は、白髪の進行が、制限された数でではあるが、メラニンを合成および輸送する毛球におけるメラノサイト数の低下に関与することを観察した。本出願人は、予期せぬことに、そして驚くべきことに、ヒトの毛包の上部領域における休止メラノサイトの集団(“貯蔵所”とも呼ばれる)も白髪のプロセスで低減することを観察した。この白髪の近傍の漏斗状部(infundibulum)および表皮とは異なり、白髪は、ほんの僅かのメラノサイトしか有さないか、あるいは全く有さない。係る消失は、毛髪に含まれるメラノサイトに早期的かつ特異的に影響する。
【0018】
それゆえ、ヒト毛包のメラノサイトの消失を処置する必要がある。このプロセスは、白髪に対処するために、毛球の活性メラノサイトと毛包上部領域の休止メラノサイトとの両方に影響を与える。
【0019】
さらに、本出願人は、白人、アジア人、アフリカ人において、着色(褐色、黒、および赤)したヒト毛包のメラノサイトにおいて酵素TRP-2が発現されないことも、予期せず観察した。この酵素は、毛球の活性メラノサイトにも、ヒト毛包の上部領域の休止メラノサイトにも検出されないが、白人、アジア人、アフリカ人の表皮および漏斗状部には発現される。TRP-2の欠損は、それを発現しないメラノサイト、すなわち毛包の上部領域の休止メラノサイトおよび毛球の活性メラノサイトの早期消失に関与する。
【0020】
本出願人は、表皮色素沈着の単位におけるメラニン生成(メラニンの合成)において役割を演じるTRP-2が、異なる、そして、これまで未知であった役割を、毛包色素沈着の単位において演じうることを証明した。すなわち、TRP-2類似活性を有する化合物の存在が、毛包の上部領域の休止メラノサイト集団、および毛球の活性メラノサイト集団を維持および/または再生することを可能にし、かくして、頭髪、睫毛、および/または体毛の色素沈着の維持を確実にする毛包単位の周期的再生を促進する。
【0021】
本出願人は、毛髪の色素沈着に重要な毛包のメラノサイト集団を維持および/または再生する手段を同定した。すなわち、TRP-2活性を真似ることができることを示した。さらに、毛包のメラノサイトのアポトーシスおよび/または老化を誘導する条件下で、TRP-2を真似る薬剤の細胞保護活性を評価した。
【非特許文献1】Pawelek JMとChakraborty AK. The enzymology of melanogenesis. Nordlund JJ, Boissy RE, Hearing VJ, King RA, Ortonne J-P. The Pigmentary System: Physiology and Pathophysiology. New York: Oxford University Press; 1998. p.391-400
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
かくして、白髪の発達を予防および/または制限および/または阻止する手段、さらにはグレーまたは白い頭髪および/または体毛の自然な着色を維持する手段を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0023】
かくして、本発明の第一の主題は、毛包のメラノサイトを保護する薬剤として、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の美容的使用に関する。
【0024】
表現「毛包のメラノサイトを保護する薬剤」とは、特に、毛包のメラノサイトの老化および/またはアポトーシスに重要な細胞毒性剤から、毛包のメラノサイトを保護することができる薬剤を意味するものと理解される。係る細胞毒性剤の中で、TNFα、リポフスチン、TGFβ、Fas/CD95リガンド、IL1β、鉄および銅イオン、遺伝毒性化学化合物、例えばシスプラチンおよびオキサロプラチン、またはシクロホスファミドのような化合物などの、遺伝毒性を有する分子および酸化的ストレスを誘導する分子を挙げることができる。
【0025】
「ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤」という用語は、メラノサイトの代謝および生存に対するドーパクローム異性化酵素の影響を再現することができる化合物を意味すると解される。
【0026】
特に、本発明に係るドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、毛球の活性メラノサイトおよび毛包の上部領域の休止メラノサイトの集団を維持および/または再生することにより、毛包のメラノサイトの消失に対処することを意図した薬剤である。
【0027】
本発明に係るドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、毛包色素沈着の単位の周期的再生を促進することも意図される。
【0028】
特に、本発明の主題は、白髪の発達を予防および/または制限および/または停止させるための、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の使用である。
【0029】
また、本発明の主題は、グレーの頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持するための、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の使用でもある。
【0030】
ドーパクローム異性化酵素(TRP-2)活性を真似る薬剤は、特に、以下の化合物:
−SOD(Metaphore)を真似る合成分子、例えば、US5637578、5610293、5874421に記載されているマンガン複合体;
−抗酸化化合物:例えば5,6,7,8-テトラ-ヒドロ-1-ナフタンオール誘導体、特にEP0404640に記載されているもの、酸化ベンゾ複素環誘導体(特許EP0685473参照)、シクロデキストリン誘導体(EP0778287参照)、アスコルビン酸から誘導されたケイ素含有化合物(特許WO01/30784参照)、リシンまたはアルギニンピロリドンカルボキシラート(EP0511118参照)、tert-ブチルベンジリデンカンファー誘導体(特許US4952391参照)、ベンジリデンシクラノン誘導体(特許FR2636531参照)、修飾ジオルガノポリシロキサン(特許EP0370868参照)、ベンジリデンカンファーの親油性誘導体(特許EP0390681参照)、ベンジリデンカンファーの親水性誘導体(特許EP0390682参照)、ベンジルシクラノン誘導体(特許EP0390683参照)、特許US4281192に記載されている抗酸化ポリマー、ケイ皮酸とビタミンCのモノ-およびジ-エステル類の組み合わせ(特許EP0664290参照)、ポリアミン、例えばプトレッシン、スペルミジン、スペルミン、ジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類;没食子酸プロピル、クエルセチン、トロロックス、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、金属キレート剤(21-アミノステロイド類)、サレン-マンガン複合体(例えば、EUK-8)、α-フェニル-tert-ブチルニトロール(PBN)(並びにこれから誘導された化合物)、またはエブセレン;
−非抗酸化化合物、例えば、MIFおよびその類似体(Macrophage Migration Inhibiting Factor, Rosengrenら,Mol.Med.,1996,2(1):143-9を参照)
から選択することができる。
【0031】
本発明に係る別の主題は、化粧品に許容できる媒体中に、少なくとも一つの上記ドーパクローム異性化酵素(TRP-2)活性を真似る薬剤を少なくとも一つ含む、白髪を処理するための組成物である。
【0032】
本発明に係る組成物は、容量あたり0.001から10重量%、好ましくは容量あたり0.01から5重量%、更に好ましくは容量あたり0.1から1重量%のドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤を含む。
【0033】
本発明に係る組成物は、経口投与、または皮膚(毛で覆われた皮膚のあらゆる領域)および/または頭皮に適用することができる。
【0034】
経口経路では、本発明に係る組成物は、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤、任意に香味付けされた水性または水性-アルコール性溶液のような飲用流体における溶液状の活性化合物を含むことができる。これらは、摂取可能な固形の賦形剤に取り込まれてもよく、また、例えば、顆粒、錠剤、タブレット、または糖衣錠の形態で提供することができる。これらは、摂取可能なカプセルに任意に収容された飲用流体において溶液状で配置されてもよい。
【0035】
投与方式に依存して、本発明に係る組成物は、特に美容術において通常用いられるガレノス形態のいずれかで提供されてもよい。本発明の好ましい組成物は、頭皮および/または皮膚に対する局所的適用に適した化粧品組成物である。
【0036】
局所的適用では、本発明に従って用いることのできる組成物は、特に、水性、水性-アルコール性、または油性溶液の形態、あるいはローション型またはセラム型分散物の形態、ミルクタイプの液体または半液体の粘度のエマルションであって、水相における脂肪相の分散(O/W)またはその逆(W/O)のエマルションの形態、あるいは、水性または無水性クリームまたはゲルタイプの柔軟な粘度を有する懸濁液またはエマルションの形態、もしくはマイクロカプセルまたはマイクロ粒子の形態、あるいはイオン性および/または非イオン性の小胞分散物の形態とすることができる。かくして、軟膏(salve)、チンキ剤、クリーム、軟膏(ointment)、粉末、パッチ、含浸パッド、溶液、エマルションまたは小胞分散物、ローション、ゲル、スプレー、懸濁液、シャンプー、エアゾール、またはフォームの形態で提供することができる。これらは、無水性でも水性であってもよい。クレンジングソープまたはケークを構成する固形調製物でもよい。
【0037】
これらの組成物は、慣例的な方法に従って調製される。
【0038】
本発明に従って用いられる組成物は、特に、ヘアケア用組成物、特にシャンプー、ヘアセッティングローション、トリートメントローション、ヘアスタイリングクリームまたはゲル、任意に染色シャンプーの形態の染色(特に酸化染色)組成物、毛髪の再構成ローション、またはマスクとすることができる。
【0039】
本発明に係る化粧品組成物は、好ましくはヘアクリームまたはローション、シャンプーまたはコンディショナーである。
【0040】
本発明に従って用いることができる組成物の種々の成分の量は、当該技術分野において通常用いられる量である。
【0041】
本発明に従って用いられる組成物がエマルションである場合、脂肪相の比率は、組成物の全重量に対して5から80重量%、好ましくは5から50重量%の範囲とすることができる。エマルション形態の組成物に用いられる油、ロウ、乳化剤および共乳化剤は、化粧品分野で通常用いられるものから選択される。乳化剤および共乳化剤は、組成物の全重量に対して、0.3から30重量%、好ましくは0.5から20重量%の範囲の比率で組成物中に存在する。エマルションは、脂質ベシクルをさらに含むことができる。
【0042】
本発明に従って用いられる組成物が溶液または油性ゲルの場合、脂肪相は、組成物の全重量の90%より多くを占めることができる。
【0043】
本発明の変形では、組成物は、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤がミクロスフィアー、ナノスフィアー、オレオソーム、またはナノカプセルのようなコーティングにカプセル内包されるようなものであり、このコーティングは、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の化学的性質に従って選択される。
【0044】
例えば、ミクロスフィアーは、特許出願EP0375520に記載されている方法に従って調製することができる。
【0045】
ナノスフィアーは、水性懸濁物の形態で提供することができ、特許出願FR0015686およびFR0101438に記載された方法に従って調製することができる。
【0046】
オレオソームは、水相に分散したラメラ液晶コーティングを有する油性顆粒からなる水中油型エマルションを構成する(特許出願EP0641557およびEP0705593を参照)。
【0047】
ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、シリコーン界面活性剤から得られたラメラコーティングからなるナノカプセルにカプセル内包されてもよく(特許出願EP0780115参照)、ナノカプセルは、水分散性ポリスルホン酸エステルに基づいて調製されてもよい(特許出願FR0113337参照)。
【0048】
ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、サイズに拘わらず、カチオン性油状顆粒の表面で複合体を形成してもよい(特許出願EP1010413、EP1010414、EP1010415、EP1010416、EP1013338、EP1016453、EP1018363、EP1020219、EP1025898、EP1120101、EP1120102、EP1129684、EP1160005およびEP1172077参照)。
【0049】
ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、ラメラコーティングを有し(EP0447318およびEP0557489を参照)、かつ、表面でカチオン性界面活性剤を含む(カチオン性界面活性剤に関する上記引用文献参照)ナノカプセルまたはナノ粒子の表面で最終的に複合体形成してもよい。
【0050】
特に、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤がカプセル内包されるコーティングが10μm以下の直径を有するような組成物が好ましい。コーティングが球形ベシクルを形成しない場合、直径はそのベシクルの最大寸法を意味すると解される。
【0051】
周知の通りに、本発明に係る組成物は、化粧品分野における通常のアジュバント、例えば、親水性または親油性ゲル化剤、親水性または親油性添加剤、防腐剤、酸化防止剤、溶媒、香料、フィラー、スクリーニング剤、消臭剤、および着色料を含んでもよい。これらの種々のアジュバントの量は、化粧品分野で通常用いられるものであり、例えば、組成物の全重量の0.01から10%である。これらのアジュバントは、それらの性質に依存して、脂肪相、水相、および/または脂質小球に導入されてもよい。
【0052】
本発明で用いることができる油またはロウとして、鉱物油(流動パラフィン)、植物油(シアバターの液体画分、ヒマワリ油)、動物油(ペルヒドロスクアレン)、合成油(パーセリン油)、シリコーン油またはロウ(シクロメチコーン)およびフッ化油(ペルフルオロポリエーテル)、ミツロウ、カルナウバロウまたはパラフィンロウを挙げることができる。これらの油に、脂肪アルコールおよび脂肪酸(ステアリン酸)を加えることもできる。
【0053】
本発明で用いることができる乳化剤として、例えば、グリセリルステアラート、ポリソルバート60、およびGattefosse社からTefose(登録商標)63の商品名で市販されているPEG-6/PEG-32/グリコールステアラート混合物を挙げることができる。
【0054】
本発明において用いることができる溶媒として、低級アルコール、特にエタノールおよびイソプロパノール、プロピレングリコールを挙げることができる。
【0055】
本発明で用いることができる親水性ゲル化剤として、カルボキシビニルポリマー類(カーボマー)、アクリルコポリマー類、例えばアクリラート/アルキルアクリラートコポリマー類、ポリアクリルアミド類、ポリサッカリド類、例えばヒドロキシプロピルセルロース、天然ゴムおよびクレーを挙げることができ、且つ、親油性ゲル化剤として、ベントンなどの変性クレー、脂肪酸の金属塩、例えばアルミニウムステアラートおよび疎水性シリカ、エチルセルロース、ポリエチレンを挙げることができる。
【0056】
本発明に従って用いることができる組成物は、TRP-2活性を真似る薬剤の少なくとも一つと、他の活性剤とを組み合わせることができる。これらの活性剤としては、例えば、以下のものを含む。
−皮膚の細胞の分化および/または増殖および/または色素沈着を変更する薬剤、例えばレチノールとそのエステル、ビタミンDとその誘導体、エストラジオールのようなエストロゲン、cAMP修飾因子、例えばPOMC誘導体、アデノシンまたはフォルスコリンとその誘導体、プロスタグランジンとその誘導体、トリヨードトリオニンとその誘導体;
−植物抽出物であって、例えばイソフラボンを含むまたは含まない、アヤメ属またはダイズ由来の植物抽出;
−微生物由来の抽出物;
−抗フリーラジカル剤、例えば、α-トコフェロールまたはそのエステル、スーパーオキシドジスムターゼまたはその類似物質、一部の金属キレート剤、またはアスコルビン酸とそのエステル;
−抗脂漏剤、例えば一部の硫黄アミノ酸、13-cis-レチノイン酸、酢酸シプロテロン;
−頭皮の落屑性状態を処置するための他の薬剤、例えばジンクピリチオン、二硫化セレン、クリンバゾール、ウンデシレン酸、ケトコナゾール、ピロクトンオラミン(オクトピロックス)、およびシクロピロクトン(シクロピロックス);特に、毛髪再生および/または抜け毛の減速促進を刺激する活性剤。また、制限することなく特に以下を挙げることができる:
−ニコチン酸エステル、特にトコフェリルニコチナート、ベンジルニコチナート、およびC−Cアルキルニコチナート、例えばメチルまたはヘキシルニコチナートを含む;
−ピリミジン誘導体、例えば2,4-ジアミノ-6-ピペリジノピリミジン3-オキシド、または特許US4,139,619およびUS4,596,812に記載されている“Minoxidil”;WO96/09048に記載されているAminexilすなわち2,4-ジアミノピリミジン3-オキシド;
−リポキシゲナーゼを阻害または毛髪再生を促進するシクロオキシダーゼを誘導する薬剤、例えば欧州特許出願EP0648488に記載されているもの;
−抗菌剤、例えばマクロライド、ピラノシド、およびテトラサイクリン、特にエリスロマイシン;
−カルシウムアンタゴニスト、例えばシンナリジン、ニモジピン、およびニフェジピン;
−ホルモン、例えばエストリオールまたは類似体、あるいはチロキシンとその誘導体;
−抗アンドロゲン剤、例えばオキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロール、およびフルタミド;
−5-α-レダクターゼのステロイド性または非ステロイド性阻害剤、例えば欧州特許出願EP0964852およびEP1068858において本出願人により記載されているもの、またはフィナステリド;
−ATP依存性カリウムチャネルアゴニスト、例えばクロマカリム(cromakalim)とニコランジル;
−色素沈着促進活性を有する植物抽出物、例えばFR2768343に記載されているキク抽出物、およびFR2782920に記載されているワレモコウ抽出物。
【0057】
好ましくは、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤は、頭皮の落屑性状態を処置する薬剤、毛髪再生を促進する薬剤、色素沈着促進活性を有する植物抽出物から選択される他の活性剤と組み合わせられる。
【0058】
本発明の別の主題は、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の少なくとも一つを含む上記組成物を、処理すべき領域に投与または適用することを特徴とする、白髪の美容処理方法に関する。
【0059】
本発明は、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の少なくとも一つを含む上記組成物を、処理すべき領域に投与または適用することを特徴とする、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持することを意図した美容処理方法にも関する。
【0060】
白髪の処理、並びにグレーまたは白色の頭髪および/または体毛を色素沈着する方法は、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の少なくとも一つを含む組成物を摂取することからなってもよい。
【0061】
処理すべき領域は、例えば、そして非限定的に、頭皮、眉毛、口ひげおよび/または顎髭、および毛で覆われた皮膚のあらゆる領域とすることができる。
【0062】
特に、白髪の美容処理、およびグレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着の方法は、以下から選択されるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の少なくとも一つを含む組成物を適用することからなる:
−SOD(Metaphore)を真似る合成分子、例えば、US5637578、5610293、5874421に記載されているようなマンガン複合体;
−酸化防止化合物:例えば5,6,7,8-テトラ-ヒドロ-1-ナフタネオール誘導体、特にEP0404640に記載されているもの、酸化ベンゾへテロサイクル誘導体(特許EP0685473)、シクロデキストリン誘導体(特許EP0778287)、アスコルビン酸から誘導されたケイ素含有化合物(特許WO01/30784参照)、リシンまたはアルギニンピロリドンカルボキシラート(特許EP0511118参照)、tert-ブチルベンジリデンカンファー誘導体(特許US4952391参照)、ベンジリデンシクラノン(特許FR2636531参照)、変性ジオルガノポリシロキサン(特許EP0370868参照)、ベンジリデンカンファーの親油性誘導体(特許EP0390681参照)、ベンジリデンカンファーの親水性誘導体(特許EP0390682参照)、ベンジルシクラノン誘導体(特許EP0390683参照)、特許4281192に記載されている酸化防止ポリマー、ケイ皮酸とビタミンCのモノ-およびジ-エステルの組み合わせ(特許EP0664290参照)、ポリアミン、例えばプトレッシン、スペルミジン、スペルミン、ジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類;没食子酸プロピル、クエルセチン、トロロックス、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、金属キレート剤(21-アミノステロイド類)、サレン-マンガン複合体(例えば、EUK-8)、α-フェニル-tert-ブチルニトロール(PBN)(並びにこれから誘導された化合物)、またはエブセレン;
−非抗酸化化合物、例えば、MIFおよびその類似体(Macrophage Migration Inhibiting Factor, Rosengrenら,Mol.Med.,1996,2(1):143-9を参照)。
【0063】
白髪処置、および/または、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着の維持のための美容処理方法は、例えば、頭髪および頭皮に組成物を適用することからなる。これは、夜に、組成物を一晩中適用したままにし、そして任意に朝にシャンプーするか、あるいは、この組成物で髪を洗浄し、濯ぎの前に数分間接触させたままにする。本発明に係る組成物は、任意に濯がれるヘアローション形態で適用されるか、あるいはシャンプー形態で適用される場合でも、特に有利である。
【0064】
別の主題では、本発明は、ドーパクローム異性化酵素を発現するメラノサイト集団と比較して、ドーパクローム異性化酵素を発現しないメラノサイトにおける細胞死の誘導を低減する化合物の能力を調べることからなる、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤を同定する方法に関する。この方法は、以下の工程を含む:
a−メラノサイトの集団を培養する;
b−工程(a)の最後に得られたメラノサイトの集団を二つの集団に分ける。これらはそれぞれMel-AとMel-Bと称する。Mel-Aは、メラノサイトがドーパクローム異性化酵素をほとんどあるいは全く発現しない培地Aで培養し、Mel-Bは、ドーパクローム異性化酵素の発現を促進する少なくとも一つのファクターを含む培地Bで培養する;
c−Mel-A集団を、ドーパクローム異性化酵素を真似る活性を調べたい化合物の存在下(Mel-A(+)集団)または不在下(Mel-A(-)集団)での培養中にアポトーシスまたは老化を誘導する条件に曝露する;
d−ドーパクローム異性化酵素を調べたい化合物の不在下において、工程(c)で選択された条件と同じ培養中にアポトーシスまたは老化を誘導する条件にMel-B集団を曝露する;
e−Mel-A(+)とMel-A(-)、並びに、Mel-A(+)とMel-Bを、アポトーシスまたは老化応答について比較する;
f−前記応答が、Mel-A(+)試験で観察された細胞毒性がMel-A(-)試験で観察される値よりも低く、かつ、Mel-A(+)試験で観察された細胞毒性がMel-B試験で観察される値に近いような化合物を選別する。
【0065】
本発明に係る特定の実施態様では、メラノサイトはM2培地(PromoCell, Heidelberg, D)において工程(a)で培養される。工程(a)における培養は、種々の様式に従って実施することができる。
−細胞がプラスチック上に直接接種される単相培養系;
−細胞がコラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニンのような一以上の細胞外マトリックス化合物上に接種されてもよい;
−細胞が三次元系、例えば切り裂かれた髪(dissected hair)、根絶された髪(uprooted hair)、in vitroで再構築された皮膚において、培養されてもよい。
【0066】
当該工程(a)は、細胞の付着に必要な2〜18時間の間で実施されるのが好ましい。
【0067】
次の工程を行うために、工程(a)の培養培地を、試験に適した培地で置換する。
工程(b)については、以下の通りである。
Mel-Aメラノサイトの集団に関しては、TRP-2の発現を促進しない培地、またはMel-A集団に対してドーパクローム異性化酵素の発現を抑制するファクターを含有する培地、このファクターは、適切なヌクレオチド配列の助けを借りて、TRP2をコードするメッセンジャーRNAを中和するファクター(アンチセンス方法、siRNA)とすることができる;
TRP-2の発現を促進する培地のMel-Bメラノサイトの集団に関しては、この培地は、ドーパクローム異性化酵素の発現を誘導するファクターを含んでもよい。例えば、このファクターは、ヘキサメチレンビスアセトアミド(HMBA)、グリシルリチン、ジエチルスチルベストロール、エストラジオール、ケンペロール、フォルスコリンから選択することができる。
【0068】
TRP2の発現は、適切なあらゆるファクター(例えば:pcDNA(登録商標)Vector, invitrogen,Groningen, CH, N)に、TRP-2noヒト遺伝子のコード領域(例えば、genebank No.S69231, No.NM 001922, No.AJ000503に記載されている)をトランスフェクトした後に得ることができる。この場合、試験は、メラノサイト、またはあらゆる他のタイプの哺乳動物細胞(例えば、繊維芽細胞、ケラチノサイト)において実施される。
【0069】
特定の実施態様によれば、Mel-Aメラノサイト集団について、適切なヌクレオチド配列の助けを借りて、TRP2をコードするメッセンジャーRNAを中和するファクター(アンチセンス方法、siRNA)を含有する培地が、工程(b)で用いられる。
【0070】
TRP2をコードするメッセンジャーRNAの消衰を引き起こすことが可能な二重鎖オリゴヌクレオチドとして、以下の3つのヌクレオチド配列(TRP2をコードする遺伝子の838、1589、および2164位)を用いることが可能である。
【0071】
奇数の配列番号の配列はアンチセンス鎖の5’に対応し、偶数の配列番号の配列はセンス鎖の5’に対応する。
【0072】
[配列1]

[配列2]

【0073】
TRP2の特異的阻害剤としてのこれらのSiRNA配列の機能性は、二重鎖形態でのこれらSiRNA(アンチセンス鎖とセンス鎖)の存在下で、メラノサイトにおけるTRP2発現の消衰のウェスタンブロット測定により確認される。
【0074】
工程(c)および(d)を実施するために、Mel-AおよびMel-B集団は、培養中にアポトーシスまたは老化を誘導する条件に曝される;これは、例えば、アポトーシス促進ファクター(TNFα)、生存ファクター(IGF−1)の欠乏、シスプラチン処理(Pak B.J.ら, 2000, Melanoma Res.10:499-505)、またはオキサリプラチン処理、毒性剤(シクロホスファミド)、酸化ストレス(H、マレイン酸ジエチル)である(Vaux D.L. & Strasser A.,1996,Proc.Natl.Acad.Sci.93:2239-2244参照)。
【0075】
工程(e)を実施するために、アポトーシスまたは老化を視覚化するための以下の方法を用いることができる。
−細胞アポトーシスを視覚化することを可能にするあらゆる方法、例えば、アガロースゲル電気泳動の後にDNAの断片化を同定、“TUNEL”法によりDNA断片のラベル化(Gavrieli Yら, J Cell Biol 1992;119:493-501)、アネキシンVの視覚化(ApoAlert Annexin V Apoptosis Kit(1996) CLONTECHniques XI(3):9-11 (BD Biosciences, Belgium))、カスパーゼ活性の測定(ApoAlert Caspase Assay Kit (BD Biosciences, Belgium))などによってアポトーシス反応を調べることができる。特に、アポトーシスは、提供元から示されたプロトコールに従って用いられる“Cell Death Detection ELISA plus”キットの助けを借りて定量することができる(Roche 1774425)。
−老化反応は、細胞老化を視覚化することを可能にするあらゆる方法、例えば、テロメアの短縮の測定、テロメラーゼ活性の測定(TRAPezeキット,Intergen)、サイクリンEレベル低下の測定、リン酸基転移したP105Rbタンパクレベルの低下の測定(Bandyopadhyay Dら Experimental Gerontology 2001;36;1265-1275)、βガラクトシダーゼ活性の測定(Dimri GPら PNAS 1995;92;9363-9367)などによって調べることができる。
【0076】
また本発明は、白髪の発達を予防および/または制限および/または阻止するための、かつ/または、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持するための美容処理方法における、上記方法により同定することができるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の使用に関する。
【0077】
本発明は、白髪の発達を予防および/または制限および/または阻止するための、かつ/または、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持するための化粧品組成物の調製のための、上記方法により同定することができるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の使用に関する。
【0078】
また本発明は、上記方法により同定することができるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の細胞保護的活性を評価する方法にも関し、当該方法は以下の工程を含む。
a−TRP-2の発現を低い基底の発現に制限する培地中でメラノサイトの集団を培養する;
b−この培養培地にドーパクローム異性化酵素活性を真似る化合物を添加する;
c−アポトーシスまたは老化を誘導する条件に細胞を曝露する;
d−細胞毒性を測定する;
e−細胞保護効果を有するドーパクローム異性化酵素活性を真似る化合物を選択する。
【0079】
特定の実施態様では、細胞培養はインキュベーターにおいて、37℃、5% COにおいて実施される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0080】
特に、工程(a)は、以下のプロトコールに従って実施できる。すなわち、メラノサイトをD0に、M2培地(PromoCell, Heidelberg, D)を用いて接種する。2から18時間の細胞付着に必要な期間の後に、この培地をメラノサイトがTRP-2をほとんどまたは全く発現しない培地で置換する(低い基底の発現):DMEM:F12(Gibco BRL - 42400-044)、Ultroser G(Gibco BRL - 15950-017)0.5%、PC-1(BioWhittaker 344022)0.5%、bFGF(Pepro Tech Inc 100-18B)5ng/ml、ヘパリン(Sigma H-3149)75ng/ml、1%抗生物質、1%グルタミン。これらの細胞を、この培養培地に、TRP-2の発現を低減するのに必要な12から72時間維持する。
【0081】
工程(b)は、以下のプロトコールに従って実施してもよい。すなわち、メラノサイトを、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る化合物を用いた培養で処理する。
【0082】
工程(c)葉、例えば以下のプロトコールに従って実施できる。すなわち、細胞を、アポトーシスの誘導に必要な時間にわたって培養培地中でシスプラチン(例えば5から50μM)を用いて処理する。この期間は、一般に12から24時間の間である。
【0083】
工程(d)は、例えば以下のプロトコールに従って実施できる。すなわち、細胞毒性を、供給元により与えられたプロトコールに従って用いられる“Cell Proliferation Kit II(XTT)”キット(Roche 1-465-015)の助けを借りて測定してもよい。アポトーシスは、提供元から示されたプロトコールに従って用いられる“Cell Death Detection ELISA plus”キットの助けを借りて定量することができる(Roche 1774425)。
【実施例】
【0084】
実施例1−pMel−17タンパク質のラベリングによる、各種の段階の白色化での毛包におけるメラノサイトの免疫組織化学的視覚化
49から71歳の年齢の8人のドナーから得られた生検から単離された120より多い毛包を研究した。
【0085】
A−毛包全体を単離するためのプロトコール(Commo S及びBernard BA Pigment Cell Res 2000; 13: 253-259)
生検の断片を、+04℃で一晩ディスパーゼ(2.4U/ml, Boehringer Mannheim, D)とインキュベートした。双眼顕微鏡下でピンセットを使用して毛髪の束を単離した。
【0086】
B−毛包全体に対するイムノラベリングプロトコール(Commo S及びBernard BA Pigment Cell Res 2000; 13: 253-259)
毛髪の束全体を-20℃で10分間エタノールで固定する。固定及びラベリング方法の各段階に引き続き、リン酸バッファー(pH7.4(PBS))-0.05%のTween 20での洗浄を実施する。他に記載がなければ、全ての工程は室温で実施される。10分間0.1%過酸化水素溶液中でサンプルをインキュベートすることによって、サンプル中の内因性のペルオキシダーゼを中和する。非特異的な結合部位をブロックするために、15分間1%スキムミルクとサンプルをインキュベートする。タンパク質pMel−17を特異的に認識する一次抗体(Ab)NK1−beteb(Monosan, Paris, F)を、10%正常血清(X0907, DAKO, Trappers, F)を含むPBS−0.05%Tweenで1/40に希釈する。一次Abを+04℃で毛髪の束に対して18時間インキュベートする。ビオチンを結合した二次Ab(E-433, DAKO, Trappers, F)を1/400に希釈し、30分間インキュベートする。次いで毛髪をストレプトアビジン-ビオチン-ペルオキシダーゼ(K-0377, DAKO, Trappers, F)の存在下でインキュベートし、最後に3-アミノ-9-エチルカルバゾール(AEC)(AEC Kit-101, Sigma, Saint Quentin Fallavier, F)の存在下で、イムノラベリングを視覚化する。
【0087】
図1の(B1)から(B5)の画像を比較することによって、毛髪の色素沈着の減少は、突起部のメラニンの減少、及び突起部のメラノサイトの減少と相関することが観察される(C1からC5参照)。メラニンの欠乏した幹部を有する白色の毛髪(B6)は、突起部にメラノサイトを含んでいない(C6)。灰色及び白色の毛髪は、外側上皮鞘部の上部に各種の量のメラノサイトを含み、この量は、色素沈着した毛髪(A1及び2)とは異なり、白色の毛髪(A3から6)の場合で0にさえなり得る。
【0088】
実施例2−白色人種の毛包及び表皮のメラノサイトにおけるドーパクローム異性化酵素の特異な発現の指摘
A−共焦点レーザー顕微鏡によって分析された免疫組織化学的研究
A.1−毛包の凍結切片の生産(Commo S及びBernard BA Pigment Cell Res 2000; 13: 253-259)
毛包を含む頭皮生検の断片を、組織-TeK-COT(Miles, Naperville, IL, USA)に埋め込み、次いでドライアイスで凍結する。次いで凍結生検を、クライオスタット(CM3050, Leica, Rueil-Malmaison, F)を使用して切片化する(7μm)。
【0089】
A.2−毛包全体及び皮膚の上皮断片の単離のためのプロトコール(Commo S及びBernard BA Pigment Cell Res 2000; 13: 253-259)
生検の断片を、+04℃で一晩ディスパーゼ(2.4U/ml, Boehringer Mannheim, D)においてインキュベートする。双眼顕微鏡下でピンセットを使用して、真皮から上皮区分を分離する。次いで毛包と表皮を分離するために、上皮構造を顕微解剖して貯蔵する。
【0090】
A.3−毛包全体、皮膚断片、及び凍結切片に対するイムノラベリング
毛包全体、皮膚の上皮断片、及び凍結切片を、-20℃で10分間エタノールで固定する。固定及びラベリング方法の各段階に引き続き、リン酸バッファー(pH7.4(PBS))-0.05%のTween 20での洗浄を実施する。他に記載がなければ、全ての工程は室温で実施される。10分間0.1%過酸化水素溶液中でサンプルをインキュベートすることによって、サンプル中の内因性のペルオキシダーゼを中和する。非特異的な結合部位をブロックするために、15分間1%スキムミルクとサンプルをインキュベートする。一次抗体(Ab)を10%正常血清(X0907, DAKO, Trappers, F)を含むPBS−0.05%Tweenで希釈する。タンパク質pMel−17を特異的に認識する一次AbのNK1−beteb(1/40, Monosan, Paris, F)、及びヒトタンパク質TRP−2を特異的に認識するαPEP8h(1/2000, Dr VJ Hearing, NIH, Bethesda, MD, USA)(Virador等, 2001)を、毛包全体及び皮膚の上皮断片について+04℃で18時間、凍結切片について室温で30分間、同時にインキュベートする。Cy3に結合したイムノグロブリン(Ig)G2bに対して向けられたヤギ二次Ab(M32410, TEBU, le Parray en Yveline, F)を1/80に希釈し、Cy5に結合したIgに対して向けられた二次Ab(111-175-144, Jackson Immunoresearch Lab. Inc. West Grove, PA, USA)を1/500に希釈し、それらを同時にサンプルと共に30分間インキュベートする。共焦点レーザー顕微鏡(LSM510, Carl Zeiss, Oberkochen, D)により、イムノラベリングを分析する。
観察の結論:図2において、表皮のメラノサイトにおけるTRP−2の存在が観察される;他方でこの酵素は、毛包の上皮鞘部のメラノサイト、または毛髪突起部のメラノサイトのいずれにおいても発現されていない。
【0091】
B−ウエスタンブロット分析による生化学的研究
B.1−ヒト毛包及びメラノサイトからのタンパク質の抽出のプロトコール(Commo S等, Differentiation 2000; 66: 157-164)
− 毛包からのタンパク質抽出:+04℃で一晩ディスパーゼ(2.4U/ml, Boehringer Mannheim, D)で頭皮生検を処理した後、毛包を単離する。単離後、毛髪突起部を単離するために毛包を顕微解剖する。かくして単離された80の毛髪突起部を、タンパク質抽出とウエスタンブロット分析のため適切な溶解バッファーに配置する。
− メラノサイトのカルチャーからのタンパク質抽出:M2倍地(PromoCell, Heidelberg, D)で培養したメラノサイトを、タンパク質抽出のため同じ適切な溶解バッファーで溶解し、ウエスタンブロッティングにより分析する。
【0092】
以下の抗体を使用して、ウエスタンブロッティングを実施する(Maniatis等のプロトコールを参照):Dr VJ Hearing (NIH, Bethesda, USA)によって提供されたヒトTRP−2に特異的なポリクローナル抗体であるαPEP8h、及びヒトチロシナーゼに特異的であるモノクローナル抗体であるT311(Novocastra, Newcastle, UK)。
【0093】
チロシナーゼは毛髪突起部の抽出物中で検出されることが観察される(図3).この酵素は、外側上皮鞘部の抽出物では検出されない。チロシナーゼの発現は調節されている。この酵素は、不活性なメラノサイト(メラニンを生産していない)ではほとんどまたは全く発現されていない;これは、白色人種の濾胞間の頭皮に含まれるメラノサイトの場合に当てはまる。
【0094】
さらに、ドーパクローム異性化酵素(TRP−2)は、突起部抽出物、または外側上皮鞘部抽出物のいずれでも検出されない。TRP−2の発現はチロシナーゼの発現、及びメラニン形成の誘導に従わない;それは毛髪突起部の活性なメラノサイトでは発現されない。
【0095】
実施例3−組成物
− ヘアローション
ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤 0.5g
プロピレングリコール 20g
エタノール、95% 30g
水 100gとする残部
【0096】
このローションを、処理される領域、好ましくは頭皮全体に、少なくとも10日間、好ましくは1から2ヶ月間、毎日適用する。白色または灰色の毛髪の出現の減少、及び灰色の毛髪の脱色素化の減少が観察される。
【0097】
− トリートメントシャンプー
ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤 1.5g
ポリグリセリル3−ヒドロキシアリールエーテル 26g
Hercules社によりKlucell Gの名称で市販されている 2g
ヒドロキシプロピルセルロース
防腐剤 適量
エタノール、95% 50g
水 100gとする残部
【0098】
このシャンプーは、約1分間のリーブイン時間で洗浄のたびに使用される。2ヶ月のオーダーの長期的な使用により、灰色の毛髪の段階的な色素再沈着が導かれる。
このシャンプーは、毛髪の白色化を遅延するために予防的に使用されても良い。
【0099】
− トリートメントゲル
ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤 0.75g
ユーカリ精油 1g
エコナゾール 0.2g
ラウリルポリグリセリル6セテアリール 1.9g
グリコエーテル
防腐剤 適量
BF Goodrich Corporation社により市販されている 0.3g
カルボポール934P
中和剤 pH7とする適量
水 100gとする残部
【0100】
このゲルは、最終マッサージと共に一日2回(朝と晩)処理される領域に適用される。適用後3ヶ月で、処理された領域の体毛または頭髪の色素再沈着が観察される。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】図1は、顕微鏡で顕視化した組織再生期の間の毛包におけるメラノサイトの配置を表す各種の写真を合わせたものである。(A)は40倍の倍率の外側上皮鞘部の一連の画像であり、(B)は20倍の倍率の外側上皮鞘部(幹部に絞られている)の一連の画像であり、(C)は20倍の倍率の突起部の一連の画像である。(1)は非常に黒色の毛髪を表し、(2)はやや色素の沈着した毛髪を表し、(3)から(5)は各種の色合いの灰色の毛髪を表し、(6)は白色の毛髪を表す。
【図2】図2は、表皮と毛髪のメラノサイトにおけるTRP−2の発現を顕視化した写真である(外側上皮鞘部及び毛髪突起部)。免疫組織化学的研究により、共焦点レーザー顕微鏡で分析した。
【図3】図3は、実施例2Bに記載されたウエスタンブロッティング試験を実施した後に得られた結果を表す写真である。
【配列表】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛包のメラノサイトを保護する薬剤としての、ドーパクローム異性化酵素を真似る薬剤の美容的使用。
【請求項2】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤が、毛球の活性メラノサイトおよび毛包上部領域の休止メラノサイトの集団を維持および/または再生することにより、毛包のメラノサイトの消失を処置することを意図することを特徴とする、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤が、毛包色素沈着単位の周期的更新を促進することを意図することを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤が、白髪の発達を予防および/または制限および/または停止することを意図することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
ドーパクローム異性化酵素の発現を誘導する薬剤が、グレーの頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持することを意図することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤が、
−SOD(Metaphore)を真似る合成分子;
−酸化防止化合物:5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフタネオール誘導体、酸化ベンゾへテロサイクル誘導体、シクロデキストリン誘導体、アスコルビン酸から誘導されたケイ素含有化合物、リシンまたはアルギニンピロリドンカルボキシラート、tert-ブチルベンジリデンカンファー誘導体、ベンジリデンシクラノン誘導体、変性ジオルガノポリシロキサン、ベンジリデンカンファーの親油性誘導体、ベンジリデンカンファーの親水性誘導体、ベンジルシクラノン誘導体、酸化防止ポリマー、ケイ皮酸とビタミンCのモノ-およびジ-エステルの組み合わせ、ポリアミン、例えばプトレッシン、スペルミジン、スペルミン、ジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類;没食子酸プロピル、クエルセチン、トロロックス、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、金属キレート剤(21-アミノステロイド類)、サレン-マンガン複合体(例えば、EUK-8)、α-フェニル-tert-ブチルニトロール(PBN)(並びにこれから誘導された化合物)、またはエブセレン;
−非抗酸化化合物、例えば、MIFおよびその類似体
から選択されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
化粧品に許容できる媒体中に、SOD(Metaphore)を真似る合成分子;酸化防止化合物、例えば5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフタネオール誘導体、酸化ベンゾへテロサイクル誘導体、シクロデキストリン誘導体、アスコルビン酸から誘導されたケイ素含有化合物、リシンまたはアルギニンピロリドンカルボキシラート、tert-ブチルベンジリデンカンファー誘導体、ベンジリデンシクラノン誘導体、変性ジオルガノポリシロキサン、ベンジリデンカンファーの親油性誘導体、ベンジリデンカンファーの親水性誘導体、ベンジルシクラノン誘導体、酸化防止ポリマー、ケイ皮酸とビタミンCのモノ-およびジ-エステルの組み合わせ、ポリアミン、例えばプトレッシン、スペルミジン、スペルミン、ジアミン類、トリアミン類、テトラアミン類;没食子酸プロピル、クエルセチン、トロロックス、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、金属キレート剤(21-アミノステロイド類)、サレン-マンガン複合体(例えば、EUK-8)、α-フェニル-tert-ブチルニトロール(PBN)(並びにこれから誘導された化合物)、またはエブセレン;もしくは、非抗酸化化合物、例えば、MIFおよびその類似体から選択されるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の少なくとも一つを含む、白髪を処理するための化粧品組成物。
【請求項8】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤が、頭皮の落屑性状態を処置する薬剤、毛髪再生を促進する薬剤、色素沈着促進活性を有する植物抽出物から選択される他の活性剤と組み合わせられることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
容量あたり0.001から10重量%、好ましくは容量あたり0.01から5重量%、更に好ましくは容量あたり0.1から1重量%のドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤を含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
経口投与に適していることを特徴とする、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
頭皮および/または体毛で覆われた皮膚の領域に局所適用するのに適していることを特徴とする、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
ヘアスタイリングクリームまたはゲル、ヘアローション、特にヘアセッティングローション、トリートメントローション、または毛髪の再構成ローション、染色組成物、シャンプー、またはコンディショナーであることを特徴とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤が、ミクロスフィアー、ナノスフィアー、オレオソーム、またはナノカプセルのようなコーティングにカプセル内包されることを特徴とする、請求項7ないし12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤がカプセル内包されるコーティングが、10μm以下の直径を有することを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
請求項7ないし14のいずれか一項に記載の組成物を、処理すべき領域に適用もしくは投与することを特徴とする、白髪の美容処理方法。
【請求項16】
請求項7ないし14のいずれか一項に記載の組成物を、処理すべき領域に適用もしくは投与することを特徴とする、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持することを意図した美容処理方法。
【請求項17】
以下の工程:
a−メラノサイトの集団を培養する工程;
b−工程(a)の最後に得られたメラノサイトの集団を二つの集団に分ける工程であって、これらをそれぞれMel-AとMel-Bと称し、Mel-Aは、メラノサイトがドーパクローム異性化酵素をほとんどあるいは全く発現しない培地Aで培養し、Mel-Bは、ドーパクローム異性化酵素の発現を促進する少なくとも一つのファクターを含む培地Bで培養する工程;
c−Mel-A集団を、ドーパクローム異性化酵素を真似る活性について調べたい化合物の存在下(Mel-A(+)集団)または不在下(Mel-A(-)集団)での培養でアポトーシスまたは老化を誘導する条件に曝露する工程;
d−ドーパクローム異性化酵素を調べたい化合物の不在下において、工程(c)で選択された条件と同じ培養でアポトーシスまたは老化を誘導する条件にMel-B集団を曝露する工程;
e−Mel-A(+)とMel-A(-)、並びに、Mel-A(+)とMel-Bを、アポトーシスまたは老化応答について比較する工程;
f−前記応答が、Mel-A(+)試験で観察された細胞毒性がMel-A(-)試験で観察される値よりも低く、かつ、Mel-A(+)試験で観察された細胞毒性がMel-B試験で観察される値に近いような化合物を選別する工程
を含む、ドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤を同定する方法。
【請求項18】
白髪の発達を予防および/または制限および/または阻止するための、かつ/または、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持するための美容処理方法における、請求項17に記載の方法により同定することができるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の使用。
【請求項19】
白髪の発達を予防および/または制限および/または阻止すること、かつ/または、グレーまたは白色の頭髪および/または体毛の自然な色素沈着を維持することを意図した化粧品組成物の調製のための、請求項17記載の方法により同定することができるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の使用。
【請求項20】
以下の工程:
a−TRP-2の発現を低い基底の発現に制限する培地中でメラノサイトの集団を培養する工程;
b−前記培養培地にドーパクローム異性化酵素活性を真似る化合物を添加する工程;
c−アポトーシスまたは老化を誘導する条件に細胞を曝露する工程;
d−細胞毒性を測定する工程;
e−細胞保護効果を有するドーパクローム異性化酵素活性を真似る化合物を選択する工程
を含むことを特徴とする、請求項17記載の方法により同定することができるドーパクローム異性化酵素活性を真似る薬剤の細胞保護的活性を評価する方法。
【請求項21】
前記工程(c)が、細胞をシスプラチンで処理することからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−512285(P2006−512285A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−510737(P2004−510737)
【出願日】平成15年6月10日(2003.6.10)
【国際出願番号】PCT/FR2003/001729
【国際公開番号】WO2003/103616
【国際公開日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】