説明

毛髪ケラチン還元性又は酸化性活性成分を含有する組成物を噴霧するための製品放出システム

(a)耐圧包装、(b)毛管を含むスプレーヘッド及び(c)噴射剤含有組成物を有する、組成物を噴霧するための製品放出システムについて記載している。前記噴霧は、前記毛管を使用して生じ、且つ前記組成物が、毛髪ケラチン還元性化合物から選択されるか又は酸化剤から選択される少なくとも1つの反応剤を含有する。前記毛管は好ましくは、0.1〜1mmの直径及び5〜100mmの長さを有する。噴射速度は、好ましくは0.01〜5g/sである。特に、前記噴射剤を除いた組成物は、ゲル様、ろう状、非流体、又は固形であることができ、且つ永続的毛髪再構成のための方法において使用することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種応用分野例えば、化粧品、歯科技術、医薬品、繊維処理、及び洗浄剤において、ケラチンの還元又は酸化処理を実施するための製品に関する。本発明の製品は、特に美容上の毛髪トリートメント、例えば永続的毛髪再構成、漂白、又は酸化性染毛等と共に使用するのに適している。本発明の目的は、耐圧包装、毛管を含むスプレーヘッド及び噴射剤含有組成物を有する組成物を噴霧するための製品放出システムであって、前記組成物が、毛髪ケラチン還元性化合物から選択されるか又は酸化剤から選択される、少なくとも1つの反応性成分を含有する製品放出システムである。本発明の目的は更に、毛髪トリートメント、特に永続的毛髪再構成のための製品放出システムの使用に加えて、永続的毛髪再構成の対応する方法である。
【背景技術】
【0002】
このような剤の必要性は、以下、毛髪/美容上の応用分野の例を使用して示す。酸化剤含有毛髪トリートメント剤が、前記化粧品/毛髪産業における各種用途のために使用され、ここで、過酸化水素が最も一般的にその中に含有される酸化剤である。これらの酸化性毛髪トリートメント剤は、一連の美容上の毛髪トリートメント、例えば漂白、酸化性染毛において、及び永続的毛髪再構成における安定剤として、重要な役割を果たす。皮膚刺激の恐れをできるだけ少なくするためには、酸化性処方が、可能な範囲で毛髪へ正確に塗布され、垂れ出したり、頭皮に到達しなかったり又は僅かしか到達しなかったりすることがないようにすることが重要である。前記の望ましくない液垂れは、高度に増粘した、極めて粘稠な組成物、例えばゲル又はエマルション形式のクリームを使用することによりできるだけ少なくすることができる。これらの極めて粘稠な、高度に増粘した製品の欠点は、手に接触することなく所望の部位へ局部化することが困難であり、良好に分与できず、及び毛髪上への分配性が貧弱且つ不均一であることである。目標とした且つ均一な処理を確実にするためにブラシが多く使用されるが、これは非常に厄介なことである。
【0003】
永続的毛髪再構成において、通常、先ず、毛髪はケラチン還元化合物を基材とした再構成剤で処理され、それが、毛髪ケラチンのジスルフィド架橋を開く原因となり、その後、毛髪を所望の形状にセットさせる。メルカプトカルボン酸の塩又はエステル等のケラチン還元メルカプト化合物が通常、再構成成分として使用される。引き続いて、前記毛髪を水ですすぎ且つ次に酸化剤を含有する安定剤により、酸化的に処理する。この工程で、先に分裂したジスルフィド架橋は、新しい形態で再結合される。皮膚刺激の恐れをできるだけ少なくするためには、還元性再構成剤が同様に、毛髪へ正確に塗布され、垂れ出したり、頭皮に到達しなかったり又は僅かしか到達しなかったりすることがないようにすることが重要である。毛髪のある部位だけを目標とした塗布においてもまた、毛根の再構成だけを行う場合、又は毛根及び毛尖間の構造的相違を再構成中に考慮すべきである場合、毛髪の様々な部位が異なる濃度のケラチン還元性成分を有する種々の組成物と正確に接触するようにするのが望ましい。製品が、毛髪の意図しない部位へ液垂れ又は拡散することもまた、これらの目標とする塗布のためには望ましくない。増粘した、極めて粘稠な組成物、例えばクリーム又はジェルの形態であるものは、液垂れの恐れを確かに低減させるが、塗布が困難及び/又は唯一ブラシを使用して辛うじて塗布することができるという欠点を有する。従来においては、低粘度製品において実現できることと同様に、高粘度の、増粘した、又は非流体である還元性又は酸化性配合物を包装から分与し、且つそれらを、簡単な方法で、正確且つ均一な分布をもたらすよう塗布することは可能ではなかった。
【0004】
液体噴霧プロセスは、毛管を使用して噴霧が形成されているPCT国際公開特許WO03/051523A1により既知である。液体組成物の噴霧に関する適用のみが、記載されている。液体製品を噴霧するための付属品は、毛管を使用して噴霧が形成されているPCT国際公開特許WO03/051522A2に記載されている。更に極めて粘稠にすることができ、5,000mPa・sが最大噴霧可能粘度として言及されている液体組成物の使用のみが、噴霧のために記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、改良された分与性、より良い分配性、及び塗布中に望ましくない領域へ液垂れの恐れが低減されたより快適な塗布性を有する、ケラチン還元性又は酸化性製品に対する要求があった。還元性及び/又は酸化性効果は、従来の極めて粘稠な又は非流体生成物の効果に対応すべきものであるし、又は更にこれまでに知られている製品の効果に勝るべきものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、組成物を噴霧するための製品放出システムである。前記製品放出システムは、以下の特徴;
(a)耐圧包装、
(b)毛管を含むスプレーヘッド及び
(c)噴射剤を含有する組成物、
を有し、ここで、前記噴霧は、前記毛管を使用して生じ、且つ前記組成物が、毛髪ケラチン還元性化合物から選択されるか又は酸化剤から選択される、少なくとも1つの反応剤(reactive agent)を含有する。前記組成物は、好ましくは毛髪トリートメントに適した化粧品組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
用語「噴霧化する」とは、散逸粒子の形態での製品放出を意味すると理解されている。散逸粒子は、各種形状、コンシスタンシー、及びサイズを有することができる。前記噴霧粒子の特性としては、微細エアゾール噴霧スプレーから液滴、雪状態の小滴、固体スプレーフレーク及びスプレーフォームまでのものをすべて挙げることができる。
【0008】
以下に示された成分量(例えば、重量%)は各々、特に明示的に指示しない限り、噴射剤を除く基本組成物に基づいている。噴射剤の量は、噴射剤を含有する全組成物に基づいている。
【0009】
コンシスタンシーに関連している本発明に係わり使用される組成物の性質は、噴射剤を除く基本組成物に基づいている(特に明示的に指示しない限り)。本発明の非液体又は非流体組成物は、特に流動性の無い組成物であり、これは例えば、25℃の温度で45度に傾斜したガラス表面から流れ落ちないという事実によって決定できる。非液体組成物は、例えば固体、ペースト状、又はクリーム状にすることができる。ゲル組成物は、25℃にて典型的測定範囲(0.01〜40Hz)でオシログラフ測定したメモリ・モジュールG’がロス・モジュールG’’より大きいことを特徴とする。
【0010】
組成物は、好ましくは25℃にて非液体であり、及び/又は25℃の温度及び12.9s-1のせん断速度にて、ハーケ(Haake)社製VT−550レオメーター、SV−DIN検体で測定した場合、200mPa・sより大きな、又は特に500mPa・sより大きい、又は1,000mPa・sより大きい、且つ100,000mPa・s以下、50,000mPa・s以下、又は特に好まれている35,000mPa・s以下の粘度を有する。非液体組成物は、例えば非流体、ゲル形式、ろう状、エマルション形式、クリーム状、ペースト状、又は固形であり、ここでは粘度測定がもはやできない場合がある。
【0011】
金属又はプラスチックを材料として作製したエアゾールスプレー缶を、耐圧包装として使用することが可能である。好ましい金属は、スズ鋼板及びアルミニウムであり、一方、好ましいプラスチックは、ポリエチレンテレフタレートである。
【0012】
毛管収容スプレーヘッドを備え、スプレーが、毛管を使用して形成される、好適なスプレーシステムが、PCT国際公開特許WO03/051523A1及びWO03/051522A2に開示されている。毛管は、好ましくは0.1〜1mm、又は特に0.2〜0.6mmの直径、及び好ましくは5〜100mm、又は特に5〜50mmの長さを有する。スプレー原理もまた、「エアゾール・ヨーロッパ(Aerosol Europe)」(第13巻、第1号、2005年、6〜11頁)に記載されている。スプレーシステムは、毛管噴霧原理に基づいている。従来のスワールノズル並びに、必要であれば、吸い上げチューブを毛管で置き換える。エネルギーを消費し且つ噴射剤を集中させて缶の内容物を渦巻きにさせ、且つ製品を溶媒で所要の高比率に希釈することは従来のスプレーシステムと比べてそれほど必要ではない。少量の噴射剤のみが使用された場合であっても、製品は、吸い上げチューブ毛管の壁を上昇し、スプレーヘッドの(より幅広の)毛管のバルブから、出口開口部の方向へ噴射される。このようにして、流出する噴射剤からの小液滴は、液体表面から引き離され、エアゾールとして流出し続ける。製品の流れを抑止する渦流室も、利用可能な噴霧ノズルも無いため、システム内のエネルギーは、所望のスプレーを生成するため、より一層効率的に使用することが可能である。噴射速度は、噴射剤又は噴射剤混合物によって生じる内部空間圧力と併せて毛管形状を選択することによって調整することができる。好ましい噴射速度は、0.01〜0.5g/sで、特に0.1〜0.3g/sである。噴霧により生成される噴霧液滴のサイズは、組成物の内部空間圧力又は粘度と併せて毛管形状を選択することにより調整することができる。好適な毛管噴霧システムは、ベーリンガー・インゲルヘイム・マイクロパーツ・ゲーエムベーハー(Boehringer Ingelheim microParts GmbH)からのトラスプレー(TRUSPRAY)(登録商標名)と呼ばれる製品として得ることができる。
【0013】
好ましい滴径分布は、dv(50)値が、最大200ミクロンで、例えば50〜200ミクロンで最大100ミクロンが特に好ましく、例えば70〜90ミクロン及び/又はdv(90)値が最大160ミクロンで、例えば90〜160ミクロンのもので、最大150ミクロンが特に好ましく、例えば、115〜150ミクロンであるようなものである。dv(50)値又はdv(90)値は、液滴の50%又は90%が有する最大直径を提供する。滴径分布は、例えばレーザービーム回折に基づく粒子測定装置(例えば、マルバーン社(Malvern)製粒子サイズ測定装置)を用いて同定することができる。毛管スプレーシステムから出てくる雪のようなコンシスタンシーのフレーク又はフォーム(スプレーフォーム)を形成する組成物もまた好ましい。
【0014】
使用される噴射剤は、低級アルカン類、特にC3〜C5炭化水素類、例えばn−ブタン、i−ブタン、及びプロパン、或いは更にこれらの混合物など、並びにジメチルエーテル類又はフッ素炭化水素類、例えばF152a(1,1−ジフルオロエタン)又はF134(テトラフルオロエタン)並びに考慮される圧力で存在する他のガス状噴射剤、例えば、N2、N2O、及びCO2など並びに上述した噴射剤の混合物から選択することができる。噴射剤は、好ましくはプロパン、n−ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、フッ素化炭化水素類、及びこれらの混合物から選択される。加えて、噴射剤の含有量は、好ましくは15〜85重量%であり、25〜75重量%が特に好ましい。
【0015】
本発明の製品放出システムは、毛髪トリートメントのために使用することができる。酸化剤を含有する前記組成物は、例えばパーマネント・ウェーブ安定剤、漂白剤、又は酸化性染毛剤とすることができる。ケラチン還元化合物を含有する前記組成物は、例えばパーマネント・ウェーブ剤又は毛髪スムージング剤とすることができる。
【0016】
一実施形態は、毛髪を恒久的に再構成するための剤に関する。永続的再構成としては、ウェーブの追加並びに毛髪のスムージングが挙げられる。次に、前記組成物は、少なくとも1つのケラチン還元化合物を含有する。前記ケラチン還元性成分は、前記噴射剤を除いた組成物に対して、好ましくは0.5〜25重量%、1〜20重量%、又は5〜15重量%の量で含有される。ケラチン還元性成分は、例えば亜硫酸塩又はメルカプト化合物類、特にメルカプトカルボン酸類例えばメルカプト酢酸若しくはチオ乳酸、又はメルカプトカルボン酸類の塩類例えば、メルカプト酢酸又はチオ乳酸のアンモニウム及びグアニジン塩類など;並びにメルカプト酢酸のグリセロールエステル類、チオグリコール酸(thioglycol acid)アミド類、チオグリセロール、3−メルカプトプロピオン酸、システイン、システイン誘導体類例えば、システイン−2−ヒドロキシエチルエステル、N−アセチル−L−システイン、システアミン、ホモシステイン、アルキル又はアシルシステイン類、メルカプトアセトアミド類、2−メルカプトプロピオン酸アミド類又はこれら化合物の塩類若しくは誘導体類、特に、チオグリコール酸アンモニウムである。メルカプト酢酸、システイン、チオ乳酸及びその塩類が、特に好ましい。上述したケラチン還元性化合物類の混合物も又、含有することができる。
【0017】
永続的再構成剤が更に、毛髪ケラチン還元性チオール、特にジチオグリコレートのジスルフィドを含有することが有利である。前記ジスルフィドの好ましい使用量は、1重量%〜20重量%で、好ましくは2重量%〜10重量%であり、ここで、前記毛髪ケラチン還元性化合物対前記ジスルフィドの比は、2:1〜1:2で、特に2:1〜1:1が好ましい。
【0018】
前記再構成剤のpH値は、好ましくは7〜10であり、この際、前記pHは好ましくはアンモニア、有機アミン類例えば、モノエタノールアミン、アンモニウム及びアルカリカーボネート類又は重炭酸塩類等によって設定される。有効含有量の亜硫酸塩又はメルカプトカルボン酸エステル類又はメルカプトカルボン酸アミド類を水性媒体中に有する中性又は酸性の(pH4.5〜7、好ましくは6.5〜6.9)毛髪再構成剤も考慮することができる。メルカプトカルボン酸のエステル類は、例えばモノチオグリコール酸のグリコール(glycolic)エステル類又はグリセロールエステル類である。メルカプトアセトアミド類又は2−メルカプトプロピオン酸アミド類(2〜14重量%の濃度にて)、又は、硫酸塩類、例えばナトリウム、アンモニウム、又はモノエタノールアンモニウム亜硫酸塩(3〜8重量%(SO2として計算)の濃度にて)を使用するのが好ましい。
【0019】
一実施形態は、毛髪酸化処理剤、例えば永続的毛髪再構成剤使用後の酸化性後処理(安定化)に関する。次に、前記組成物は、少なくとも1つの酸化剤を含有する。前記酸化剤は、前記噴射剤を除いた組成物に対して、好ましくは0.1〜25重量%、0.5〜20重量%、2〜14重量%、又は4〜12重量%の量で含有される。前記処方のpH値は、特に過酸化物を用いる場合には、2〜6、あるいは好ましくはpH3〜5である。臭素酸塩を用いる場合のpH値は、好ましくは6〜9、特に好ましくは7〜8.5である。酸化剤は、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、臭素酸塩、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過酸化物、ヨウ素、特にアルカリ臭素酸塩、例えば、ナトリウム及びカリウム臭素酸塩、アンモニウム臭素酸塩、アルカリ土類臭素酸塩、アルカリ過硫酸塩類、アルカリ土類過硫酸塩類、過硫酸アンモニウムなど、アルカリ過ホウ酸塩類、例えば、過ホウ酸ナトリウム、アルカリ土類過ホウ酸塩類、アンモニウム過ホウ酸塩、アルカリ過炭酸塩、アルカリ土類過炭酸塩類、アンモニウム過炭酸塩、過酸化カルシウム、並びにヨウ素酸ナトリウムなどである。過酸化水素を使用するのが好ましい。
【0020】
本発明の酸化性組成物は、好ましくは1以上の過酸化物安定剤類を、好ましくは0.01〜2重量%又は0.05〜0.3重量%の量で含有する。過酸化物安定剤類は、例えば、ジアルカリリン酸水素、例えば、リン酸一水素二ナトリウムなど、p−アセトアミドフェノール、オキシキノリン塩類、8−ヒドロキシキノリンサルフェート、サリチル酸及びその塩類、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、四ナトリウム−1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(CAS3794−83−0;CTFA:四ナトリウムエチドロネート)、イミノジコハク酸四ナトリウム(CAS144538−83−0)、エチレンジアミン酢酸四ナトリウム(INCI:EDTA)、並びにN−(4−エトキシフェニル)アセトアミド(CTFA:フェナセチン)である。
【0021】
一実施形態では、使用される組成物(噴射剤を除いた)は、ゲル様で且つ少なくとも1つの増粘剤又はゲル形成剤を好ましくは、0.01〜20重量%又は0.1〜10重量%、0.5〜8重量%又は特に好ましくは1〜5重量%の量で含有する。国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)(第10版、2004年)に示されている「粘度増加剤(Viscosity Increasing Agent)」機能を持つ材料が、基本的には好適である。前記増粘剤又はゲル形成剤は、好ましくは増粘ポリマー(thickened polymer)であり、特に好ましくは、アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、アクリル酸とエトキシ化脂肪族アルコールとのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーとからのコポリマー類;架橋ポリアクリル酸;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、アクリル酸とC10〜C30アルコール類とのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーとからの架橋コポリマー類;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、イタコン酸とエトキシ化脂肪族アルコールとのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーとからのコポリマー類;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、イタコン酸とエトキシ化C10〜C30アルコールとのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーと、C1〜C4アミノアルキルアクリレート類から選択される第3の種類のモノマーとからのコポリマー類;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類から選択される2以上のモノマー類からのコポリマー類;ビニルピロリドン及びアンモニウムアクリロイルジメチルタウレートからのコポリマー類;アンモニウムアクリロイルジメチルタウレートと、メタクリル酸とエトキシ化脂肪族アルコール類とのエステル類から選択されるモノマー類とからのコポリマー類;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルグアー;グリセリルポリアクリレート;グリセリルポリメタクリレート;少なくとも1つのC2、C3、又はC4アルキレン及びスチレンからのコポリマー類;ポリウレタン類;ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート;ポリアクリルアミド;無水マレイン酸及びメチルビニルエーテルからの、デカジエンで架橋したコポリマー;ローカストビーンガム;グアーガム;キサンタン;デヒドロキサンタン;カラギーナン;カラヤゴム;加水分解コーンスターチ;ポリエチレンオキシド、脂肪族アルコール類、及び飽和メチレンジフェニルジイソシアネートからのコポリマー類(例えば、PEG−150/ステアリルアルコール/SMDIコポリマー)から選択される。
【0022】
一追加実施形態では、前記組成物はろう状であり、且つ25℃にて固体である少なくとも1つのワックスを、好ましくは10〜80重量%、特に20〜60重量%、又は25〜50重量%の量で含有し、並びに必要に応じて、室温で液体である他の非水溶性物質を含有する。ろう状コンシステンシィーは、好ましくは針入度番号(測定単位0.1mm、検査分銅100g、試験時間5s、試験温度25℃;DIN 51 579に従う)が、好ましくは2〜70、特に3〜40であり、及び/又は前記組成物が溶融されることができ且つ25℃超の、好ましくは30〜70℃の範囲内の、特に好ましくは40〜55℃の範囲内の凝固点を有することを特徴とする。
【0023】
基本的には、先行技術で公知の任意のワックスは、ワックス又はろう状物質として使用することが可能である。これらのワックス類としては、動物性、植物性、鉱物性、及び合成ワックス類、微結晶ワックス類、顕晶質ワックス類、固形パラフィン、石油ゼリー、ワセリン、オゾケライト、モンタン・ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリオレフィンワックス類、例えば、ポリブテン、蜜ロウ、羊毛脂、及びその誘導体例えば、羊毛脂アルコール類、キャンデリラワックス、オリーブワックス、カルナウバワックス、和ろう、リンゴワックス、硬化油脂類、脂肪酸エステル類、40℃超の凝固点を有する脂肪酸グリセリド類、シリコーンワックス類又は親水性ワックス類例えば、800〜20,000、好ましくは2,000〜10,000g/モルの分子量を有する高分子量ポリエチレングリコールワックス類が挙げられる。前記ワックス類又はろう状物質は、25℃超の、あるいは好ましくは40℃又は55℃超の凝固点を有する。針入度番号(測定単位0.1mm、検査分銅100g、試験時間5s、試験温度25℃;DIN 51 579に従う)は、好ましくは2〜70、特に3〜40の範囲内である。
【0024】
別の実施形態では、前記組成物はエマルション様であり、この際前記コンシステンシィーはクリーム状が好ましい。前記エマルションは、油中水型エマルジョン、水中油型エマルション、マイクロエマルション、又はより高いエマルションとすることができる。水に加えて、好ましくは、室温25℃にて液体の、少なくとも1つの脂肪族アルコール又は1つの疎水性油並びに少なくとも1つの乳化剤が含有される。脂肪族アルコール及び/又は油の含有量は、好ましくは1〜20重量%、特に2〜10重量%である。乳化剤含有量は、好ましくは0.01〜30重量%、特に0.1〜20重量%又は0.5〜10重量%である。
【0025】
6〜C30、あるいは好ましくはC10〜C22、及び特に好ましくはC12〜C22炭素原子を含有する飽和、モノ又はポリ−不飽和、分枝又は非分枝脂肪族アルコール類を、脂肪族アルコール類として使用することが可能である。例えば、デカノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルカアルコール、リシノールアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、及びベヘニルアルコール、並びにこれらのゲルベ(Guerbet)アルコール類を本発明の観点から使用することが可能であり、ここで、当該一覧は例示と考えるべきであり、制限されるものではない。しかし、前記脂肪族アルコール類は、好ましくは天然脂肪酸類から誘導され、ここで脂肪酸類のエステル類からの還元による回収を想定できる。天然に生じるトリグリセリド、例えば牛脂、パーム油、ピーナッツ油、ターニップ油、綿実油、大豆油、ヒマワリ種子油、及び亜麻仁油の還元によって、又は対応するアルコール類と一緒に生じる脂肪酸エステル類とのそれらのエステル交換生成物から生成される、脂肪族アルコール部分は、本発明によれば使用することが可能であり、従ってそれは異なった脂肪族アルコール類の混合物を意味する。羊毛脂アルコール類も、本発明によれば使用できる。
【0026】
好適な液体、疎水性油は、25℃未満の融点及び好ましくは250℃超、特に300℃超の沸点を有する。揮発性油も使用できる。原則としては、当業者に一般に知られている任意の油を使用することが可能である。好適な油は、植物又は動物油類、鉱油類(液体パラフィン)、シリコーンオイル類又はそれらの混合物である。炭化水素油、例えばパラフィン又はイソパラフィン油類、スクアラン、脂肪酸類及びポリオール類からの油類、特にトリグリセリドが好適である。好適な植物油類は、例えばヒマワリ油、ココヤシ油、ヒマシ油、ラノリン油、ホホバ油、コーン油、大豆油である。
【0027】
好適な乳化剤類としては、非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は双性イオン性界面活性剤を挙げることができる。好適な非イオン性界面活性剤は、例えば以下の通り。
【0028】
−エトキシ化脂肪族アルコール類、脂肪酸類、脂肪酸グリセリド類、又はアルキルフェノール類、特に、2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は1〜5モルのプロピレンオキシドの、C8〜C22脂肪族アルコール類、C12〜C22脂肪酸類、又は8〜15個の炭素原子をアルキル基内に有するアルキルフェノール類への追加の生成物
−グリセロールへの1〜30モルのエチレンオキシド付加生成物の、C12〜C22脂肪酸モノ−及びジエステル類
−ヒマシ油又は硬化ヒマシ油への、5〜60モルのエチレンオキシドの追加の生成物
−脂肪酸糖エステル類、特にスクロース及び1つ又は2つのC8〜C22脂肪酸類からのエステル類、INCI:スクロースココエート、スクロースジラウレート、スクロースジステアレート、スクロースラウレート、スクロースミリステート、スクロースオレエート、スクロースパルミテート、スクロースリシノレエート、スクロースステアレート
−ソルビタン及び1、2又は3個のC8〜C22脂肪酸類からの且つ4〜20のエトキシ化度を有するエステル類
−特に1個、2個、又はそれ以上のC8〜C22脂肪酸類及び好ましくは2〜20個のグリセリル単位を有するポリグリセロールからのポリグリセリル脂肪酸エステル類
−C8〜C22アルキル基、例えばデシルグルコシド又はラウリルグルコシドを有するアルキルグルコシド類、アルキルオリゴグルコシド類、及びアルキルポリグルコシド
好適なアニオン性界面活性剤類は、例えばカルボン酸類の塩類及びエステル類、アルキルエーテルサルフェート類及びアルキルサルフェート類、脂肪族アルコールエーテルサルフェート類、スルホン酸及びそれらの塩類(例えば、スルホサクシネート類又は脂肪酸イセチエネート類)、リン酸エステル類及びそれらの塩類、アシルアミノ酸類及びそれらの塩類である。これらのアニオン性界面活性剤についての包括的記述は、前記出版物「フィールダー(FIEDLER)補助剤用語集(FIEDLER - Lexikon der Hilfsstoffe; FIEDLER - Lexicon of Adjuvants)」第1巻、第5版(2002年刊)、97〜102頁に見出され、これを明確に参照している。好ましい界面活性剤は、C8〜C22脂肪族アルコール類への2〜30モルのエチレンオキシドの追加の生成物を有するリン酸のモノ−、ジ−、又はトリエステル類である。
【0029】
好適な両性界面活性剤は、例えば、以下の化学式を有する、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体類である。
【0030】
【化1】

【0031】
ここで、R1は、8〜18個の炭素原子及び0〜約10個のエチレンオキシド単位及び0〜1個のグリセロール単位を有する、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルケニル、又はヒドロキシアルキル基を表し、Yは、N−、P−又はS−含有基であり、R2は、1〜3個の炭素原子を有する、アルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり、Yがイオウ原子の場合、x+yの合計は2に等しく、Yが窒素原子又はリン原子の場合、x+yの合計は3に等しくなり、R3は、1〜4個の炭素原子を有する、アルキレン又はヒドロキシアルキレン基であり、Z(−)は、カルボキシレート、サルフェート、ホスホネート、又はホスフェート基を表す。他の両性界面活性剤例えば、ベタイン類もまた好適である。ベタイン類の例としては、C8〜C18アルキルベタイン類、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチル−α−カルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマカルボキシプロピルベタイン、及びラウリル−ビス−(2−ヒドロキシプロピル)−アルファ−カルボキシエチルベタイン;C8〜C18スルホベタイン類、例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリル−ビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン;イミダゾールのカルボキシル誘導体類、C8〜C18アルキルジメチルアンモニウムアセテート、C8〜C18アルキルジメチルカルボニルメチルアンモニウム塩類、並びにC8〜C18脂肪酸アルキルアミドベタイン類、例えばココヤシ脂肪酸アミドプロピルベタイン及びN−ココヤシ脂肪酸アミドエチル−N−[2−(カルボキシメトキシ)エチル]−グリセリン(CTFA名:ココアンホカルボキシグリシネート)が挙げられる。
【0032】
好適なカチオン性界面活性剤は、溶液中で正電荷を帯び、且つ次の一般式で表され得る、アミノ基又は四級化親水性アンモニウム基を含有する。
(+)1234(-)
(式中、R1〜R4は互いに独立して、1〜22個の炭素原子を有する脂肪族基、芳香族基、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、アリール基、又はアルカリール基を表し、少なくとも1つのラジカルが、少なくとも6個、好ましくは少なくとも8個の炭素原子を有し、X-はアニオンを表し、例えば、ハロゲン、酢酸、リン酸、硝酸、又はアルキルサルフェートであるが、好ましくは塩化物である。)炭素原子及び水素原子に加えて、前記脂肪族基はまた架橋化合物(cross-compounds)、又は例えば追加のアミノ基のような他の基も含有することができる。好適なカチオン性界面活性剤の例は、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩の塩化物又は臭化物、例えば、セチルトリメチルアンモニウムの塩化物又は臭化物、テトラデシルトリメチルアンモニウムの塩化物又は臭化物、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムの塩化物又は臭化物、ジアルキルジメチルアンモニウムの塩化物又は臭化物、アルキルピリジニウム塩、例えばラウリル−又はセチルピリジニウムの塩化物、アルキルアミドエチルトリメチルエーテル硫酸アンモニウム、並びに、アミンオキシドのようなカチオン性を有する化合物、例えば、アルキルメチルアミンオキシド、又はアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシドである。特に好ましいのは、C8〜C22アルキルジメチルベンジルアンモニウム化合物類、C8〜C22アルキルトリメチルアンモニウム化合物類、特に、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、C8〜C22アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム化合物類、ジ−(C8〜C22アルキル)−ジメチルアンモニウム化合物類、C8〜C22アルキルピリジニウム塩類、C8〜C22アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート類、C8〜C22アルキルメチルアミンオキシド類、及びC8〜C22アルキルアミノエチルジメチルアミンオキシド類である。
【0033】
本発明で使用される化粧品組成物は、毛髪又は皮膚/頭皮のための、少なくとも1つの追加の活性化粧品成分又は添加剤を含有することもできる。本活性成分又は添加剤は、例えばヘアコンディショニング物質、ヘアセッティング物質、シリコーン化合物、光防御物質(light-protection material)、防腐剤、顔料、直接浸透毛髪染料、粒子状物質、及び酸化性染毛剤前駆体生成物から選択することができる。前記活性成分及び添加物は、種類及び使用目的に応じて、好ましくは0.01〜20重量%、特に0.05〜10、又は0.1〜5重量%の量で含有される。
【0034】
一実施形態では、本発明の剤は、ヘアコンディショニング又はヘアセッティング添加剤として、アニオン基又は好ましくは0.01〜20重量%、又は0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の量でアニオン化することができる基を有する少なくとも1つのポリマーを含有する。イオン化することができる基は、酸性基、例えば、カルボン酸、スルホン酸、又はリン酸基を意味するものと理解され、典型的な塩基、例えば、有機アミン類又はアルカリ若しくはアルカリ土類水酸化物類を使用して脱プロトン化することができる。前記アニオン性ポリマーは、アルカリ性中和剤により部分的に又は完全に中和することができる。酸性基が、ポリマー内で50〜100%まで、特に好ましくは70〜100%まで中和されたような剤の種類が、好まれる。有機又は無機塩基を中和剤として使用することができる。塩基の特定例は、例えば、アミノメチルプロパノール(AMP)、トリエタノールアミン、又はモノエタノールアミンなどのアミノアルカノール類、またとりわけ、アンモニア、NaOH、及びKOHである。
【0035】
アニオン性ポリマーは、天然又は合成供給源から誘導される酸性基含有モノマー単位を有するホモポリマー又はコポリマーとすることができ、必要であれば、酸性基を含有しないコモノマーで重合することができる。考慮され得る酸性基は、スルホン酸、リン酸、及びカルボン酸基であり、その中でもカルボン酸基が好まれる。好適な酸性基含有モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸、マレイン酸モノエステルであり、特にマレイン酸のC1〜C7のアルキルモノエステル、並びにアルデヒドカルボン酸、又はケトカルボン酸である。酸性基で置換されていないコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、ビニルカプロラクトン、ビニルピロリドン、ビニルエステル、ビニルアルコール、プロピレングリコール、又はエチレングリコール、例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、及びモノアルキルアミノアルキルメタクリレートなどのアミン置換ビニルモノマーであり、ここでこれらのモノマーのアルキル基は、好ましくはC1〜C7のアルキル基であり、C1〜C3のアルキル基が特に好ましい。
【0036】
酸性基を有する好適なポリマーは、特に、アクリル酸又はメタクリル酸のホモポリマー、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、及びビニルピロリドンから選択されるモノマーを有するアクリル酸又はメタクリル酸のコポリマー、クロトン酸のホモポリマー、並びに、多官能性剤と非架橋又は架橋するビニルエステル、アクリル酸又はメタクリル酸エステル、アクリルアミド及びメタクリルアミドから選択されるモノマーを有するクロトン酸のコポリマーである。好適な天然ポリマーは、例えば、セラックである。
【0037】
好ましい酸性基を有するポリマーは、
アクリル酸、アクリル酸アルキル、及びN−アルキルアクリルアミド(INCI表記:アクリレート/アクリルアミドコポリマー)からのターポリマー類、特にアクリル酸、アクリル酸エチル及びN−第3−ブチルアクリルアミドからのターポリマー類;架橋型又は非架橋型ビニルアセテート/クロトン酸コポリマー類(INCI表記:VA/クロトネートコポリマー);1以上のC1〜C5アルキルアクリレート類、特にC2〜C4アルキルアクリレート類及びアクリル酸又はメタクリル酸から選択される少なくとも1つのモノマーからのコポリマー類(INCI表記:アクリレートコポリマー)、例えば、第3ブチルアクリレート、エチルアクリレート及びメタクリル酸からのターポリマー類;ポリスチレンスルホン酸ナトリウム;酢酸ビニル/クロトン酸/アルカン酸ビニルコポリマー類、例えばビニルアセテート、クロトン酸及びビニルプロピオネートからのコポリマー類;ビニルアセテート、クロトン酸及びネオデカン酸ビニルからのコポリマー類(INCI表記:VA/クロトネート/ビニルプロピオネートコポリマー、VA/クロトネート/ネオデカン酸ビニルコポリマー);アミノメチルプロパノールアクリレートコポリマー類;ビニルピロリドン並びにアクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの更なるモノマー並びに、必要に応じて、アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類からのコポリマー類;メチルビニルエーテル及びマレイン酸モノアルキルエステル類からのコポリマー類(INCI表記:PVM/MAコポリマーのエチルエステル、PVM/MAコポリマーのブチルエステル);メタクリル酸アリル並びにアクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの更なるモノマー並びに、必要に応じて、アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類からのコポリマー類のアミノメチルプロパノール塩類;アクリル酸エチル及びメタクリル酸からの架橋コポリマー類;酢酸ビニル、モノ−n−ブチルマレエート及びアクリル酸イソボルニルコポリマー類;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される2つ又はそれ以上のモノマー並びに必要に応じてアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類からのコポリマー類;オクチルアクリルアミド並びにアクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つのモノマー並びに、必要に応じて、アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類からのコポリマー類;ジグリコールからのポリエステル類、シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸及びスルホイソフタル酸である。(こここで、上述したポリマー類のアルキル基が、一般に好ましくは1、2、3、又は4個の炭素原子を有する。)
【0038】
一実施形態では、本発明に係わる剤は、ヘアコンディショニング又はヘアセッティング添加剤として、少なくとも1つの双性イオン性及び/又は両性ポリマーを、好ましくは0.01〜20重量%、又は0.05〜10重量%、又は特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有する。双性イオン性ポリマー類は、少なくとも1つのアニオン性電荷及び少なくとも1つのカチオン性電荷を同時に有する。両性ポリマー類は、少なくとも1つの酸性基(例えば、カルボン酸又はスルホン酸基)及び少なくとも1つのアルカリ性基(例えば、アミノ基)を示す。酸性基は、典型的な塩基例えば、有機アミン類又はアルカリ若しくはアルカリ土類水酸化物類を使用して脱プロトン化できる。
【0039】
好ましい双性イオン性又は両性ポリマー類は、
アルキルアクリルアミド、アルキルアミノアルキルメタクリレート、並びにアクリル酸及びメタクリル酸からの2つ又はそれ以上のモノマー類、並びに、必要に応じて、それらのエステル類、特にオクチルアクリルアミド、アクリル酸、ブチルアミノエチルメタクリレート、メチルメタクリレート及びヒドロキシプロピルメタクリレートから形成されたコポリマー類(INCI表記:オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー);四級アミノ基を有する第1形式モノマーの少なくとも1つ及び酸性基を有する第2形式モノマーの少なくとも1つから形成されるコポリマー類;脂肪族アルコールアクリレート類、メタクリル酸アルキルアミンオキシド及びアクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つのモノマー、並びに、必要に応じて、アクリル酸エステル類及びメタクリル酸エステル類からのコポリマー類、特にアクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸エチルアミンオキシド、及びアクリル酸及びメタクリル酸、並びに必要であればそれらのエステル類から選択される少なくとも1つのモノマーからのコポリマー類;メタクリロイルエチルベタイン並びにメタクリル酸及びメタクリル酸エステル類から選択される少なくとも1つのモノマーからのコポリマー類;アクリル酸、アクリル酸メチル及びメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドからのコポリマー類(INCI表記:ポリクオタニウム−47);アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及びアクリレート類からのコポリマー類又はアクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2−アミドプロピルアクリルアミドスルホネート、及びジメチルアミノプロピルアミンからのコポリマー類(INCI表記:ポリクオタニウム−43);四級クロトノイルベタイン類又は四級クロトノイルベタインエステル類から生成可能なオリゴマー類又はポリマー類である。
【0040】
一実施形態では、本発明に係わる剤は、ヘアコンディショニング又はヘアセッティング添加剤として、少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含有する。前記カチオン性ポリマーは、本発明に係わり使用される組成物中に、好ましくは0.01〜20重量%又は0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有される。前記ポリマーは、合成又は天然ポリマー類であることができる。前記ポリマー類は、膜も同様に形成することが好ましい、ヘアセッティング及び/又はヘアコンディショニングポリマー類である。天然ポリマー類は、天然起源の化学的に改質したポリマー類も含むと考えられている。ヘアセッティングポリマー類は、0.01〜5%水性、アルコール性、又は水性アルコールの溶液若しくは分散体にて使用された場合、毛髪のセッティング効果又は髪型の安定化効果を示すことができるようなものであると考えられている、例えば水によるウェーブを基準としてカール保持力を向上させるもの、特に「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)」(第10版、2004年)に記載の「毛髪揮発保留剤」機能を示すものである。ヘアコンディショニングポリマー類は、0.01〜5%水性、アルコール性、又は水性アルコールの溶液若しくは分散体にて使用された場合、毛髪コンディショニング又は毛髪のコンディショニング効果を示すことができるようなものであると考えられている、例えば櫛通り能力を向上させるか又は光沢を増大させるようなもの、特に「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)」(第10版、2004年)に記載の「毛髪コンディショニング剤」機能を示すようなもである。膜形成ポリマー類は、0.01〜5%水性、アルコール性、又は水性アルコール溶液若しくは分散体にて使用された場合、乾燥後に毛髪上に高分子フィルムを付着させることができるようなもの、特に「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)」(第10版、2004年)に示されている「膜形成剤」機能を示すことができるようなものと考えられている。前記ポリマー類はまた、「膜形成」、「ヘアセッティング」及び「ヘアコンディショニング」として知られている性質のうち、2つ又は3つを同時に有することができる。
【0041】
カチオン性ポリマーは、カチオン性基又はアミン基(特に、一級、二級、三級、又は四級アミン基)を有するポリマーである。カチオン電荷密度は、好ましくは1〜7meq/gである。
【0042】
好適な合成カチオン性ポリマー類は、以下のモノマー類の少なくとも1つから成るホモ又はコポリマー類である:ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルアミノメタクリレート、モノアルキルアミノアルキルアクリレート、及びモノアルキルアミノアルキルメタクリレート、トリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウム、並びにカチオン性窒素を含有する環状基を有する四級ビニルアンモニウムモノマー類。
【0043】
好適なカチオン性ポリマーには、好ましくは四級アミノ基が含有されている。カチオン性ポリマーは、ホモ又はコポリマーとすることができ、四級窒素基がポリマー鎖中に、又は好ましくは1つ以上のモノマー上の置換基として含有される。アンモニウム基含有モノマーは、非カチオン性モノマーと共重合されてよい。好適なカチオン性モノマーは、ラジカル重合を起こすことができる不飽和化合物であり、少なくとも1つのカチオン性基、特に、例えばトリアルキルメタクリルオキシアルキルアンモニウム、トリアルキルアクリルオキシアルキルアンモニウム、ジアルキルジアリルアンモニウムなどのアンモニウム置換ビニルモノマー、及び、ピリジニウム、イミダゾリウム、又は四級ピロリドン、例えば、アルキルビニルイミダゾリウム、アルキルビニルピリジニウム、又はアルキルビニルピロリドン塩などの環状カチオン性窒素含有基を有する四級ビニルアンモニウムモノマーを持つ。これらのモノマーのアルキル基は、好ましくは、例えば、C1〜C7アルキル基などの低級アルキル基であり、特に好ましいのは、C1〜C3アルキル基である。
【0044】
アンモニウム基含有モノマーは、非カチオン性モノマーと共重合されてよい。好適なコモノマーは、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、アルキル及びジアルキルアクリルアミド、アルキル及びジアルキルメタクリルアミド、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、ビニルカプロラクトン、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルアルコール、プロピレングリコール、又はエチレングリコールであり、これらのモノマーのアルキル基は、好ましくはC1〜C7アルキル基であり、特に好ましいのは、C1〜C3アルキル基である。
【0045】
四級アミノ基を有する好適なポリマーは、例えばCTFAの「化粧品成分辞典(Cosmetic Ingredient Dictionary)」に、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドンコポリマー(ポリクオタニウム16)、又は四級化ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー(ポリクオタニウム11)などのポリクオタニウムという名称で記載されているポリマー、並びに例えば四級末端基を有するシリコーンポリマー(クオタニウム−80)などの四級シリコーンポリマー又はシリコーンオリゴマーである。
【0046】
好ましい合成由来のカチオン性ポリマーは、
ポリ(ジメチルジアリル塩化アンモニウム)(INCI:ポリクオタニウム−6);アクリルアミド及びジメチルジアリル塩化アンモニウムからのコポリマー類;ジエチルサルフェート、並びにビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレートからの1コポリマー、特にビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートメトサルフェートコポリマー(例えば、ガフクァット(登録商標名)755N、ガフクァット(登録商標名)734)の反応により形成される四級アンモニウムポリマー類;メチルビニルイミダゾリウムクロリド及びビニルピロリドンからの四級アンモニウムポリマー類(例えば、ルビクアット(LUVIQUAT)(登録商標名)HM550);ポリクオタニウム−35;メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマー(INCI:ポリクオタニウム−37);ポリクオタニウム−57;トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリドからのポリマー;ジメチルジアリル塩化アンモニウム、アクリル酸ナトリウム、及びアクリルアミドからのターポリマー類(例えば、メルクァット(Merquat)(登録商標名)プラス3300);ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、及びメタクリルロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリドからのコポリマー類;ビニルピロリドン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、及びビニルカプロラクタムからのターポリマー類(例えば、ガフィックス(Gaffix)(登録商標名)VC713);ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマー類(例えば、ガフクァット(登録商標名)HS100)、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレートからのコポリマー類;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドからのコポリマー類;少なくとも1つの第1形式モノマー(少なくとも1つの四級アンモニウム基で置換されたヒドロキシ酸から選択される)から形成されるポリ−又はオリゴエステル類;並びに四級アンモニウム基で末端置換されたジメチルポリシロキサンである。。
【0047】
天然ポリマー類から誘導される好適なカチオン性ポリマー類は、特に多糖類のカチオン性誘導体、例えば、セルロース、デンプン、又はグアーのカチオン性誘導体である。更に、キトサン及びキトサン誘導体もまた好適である。カチオン性多糖類は、例えば、以下の一般式で表される。
G−O−B−N+abc-
Gは無水グルコース残基、例えば、デンプン又はセルロースの無水グルコースであり、
Bは二価結合基、例えば、アルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレンであり、
a、Rb、及びRcは互いに独立して、アルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリールであり、そのいずれもが最大18個の炭素原子を有することができ、Ra、Rb、及びRcの総炭素原子数は、好ましくは最大20であり、
Xは、公知の対アニオン、例えばハロゲン化物、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、又はアルキルサルフェート、好ましくは塩化物である。カチオン性セルロースは、例えば、INCI名がポリクオタニウム4、ポリクオタニウム10、又はポリクオタニウム−24のセルロースである。好適なカチオン性グアー誘導体は、例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのINCI名を持つ。
【0048】
特に好ましいカチオン性活性物質は、キトサン、キトサン塩類、及びキトサン誘導体類である。本発明に係わり使用可能なキトサン類は、全面的に又は部分的に脱アセチル化キチン類とすることができる。例として、分子量は、20,000〜500万g/モル、例えば30,000〜70,000g/モルの広い範囲で分布させることができる。しかし、分子量は、好ましくは100,000g/モル超であり、特に好ましいのは200,000〜700,000g/モルである。脱アセチル化度は、好ましくは10〜99%、特に好ましくは60〜99%である。好ましいキトサン塩は、ピロリドンカルボン酸キトソニウム、例えば、分子量約200,000〜300,000g/モル且つ脱アセチル化度70〜85%のキタマール(Kytamer)(登録商標名)PCである。考慮され得るキトサン誘導体としては、四級化、アルキル化又はヒドロキシアルキル化誘導体、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル又はヒドロキシブチルキトサンが挙げられる。キトサン類又はキトサン誘導体類は、好ましくはそれらが中和された又は部分的に中和された形態で存在する。中和度は、遊離塩基性基(base groups)の数に基づいて計算すると、好ましくは少なくとも50%となり、特に好ましくは70〜100%であろう。中和剤には、原則として化粧品に相溶する、例えば、ギ酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、塩酸などのような、任意の無機又は有機酸を使用することができ、その中ではピロリドンカルボン酸が特に好ましい。
【0049】
好ましい天然起源から誘導されるカチオン性ポリマーは、
ヒドロキシエチルセルロース及びジアリルジメチル塩化アンモニウムからのカチオン性セルロース誘導体類、ヒドロキシエチルセルロース及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドからのカチオン性セルロース誘導体類(deviates)、キトサン及びその塩類、ヒドロキシアルキルキトサン類及びそれらの塩類、アルキルヒドロキシアルキルキトサン類及びそれらの塩類、N−ヒドロキシアルキルキトサンアルキルエーテル類である。
【0050】
別の好ましい実施形態では、本発明に係わる剤は、0.01〜15重量%、あるいは好ましくは0.5〜10重量%の少なくとも1つの合成又は天然非イオン性膜形成ポリマーを含有する。天然ポリマー類は、天然起源の化学的に改質したポリマー類も含むと考えられている。膜形成ポリマー類は、0.01〜5%水性、アルコール性、又は水性アルコール溶液で塗布した場合に、毛髪上に高分子フィルムを付着させることが可能なポリマー類であると考えられている。好適な合成非イオン性ポリマー類は、以下のモノマー類の少なくとも1つから成るホモ又はコポリマー類である:ビニルラクタム類、例えば、ビニルピロリドン又はビニルカプロラクタムなど、ビニルエステル類、例えば、ビニルアセテートなど、ビニルアルコール、ビニルホルムアミド、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アルキルアクリルアミド類、ジアルキルアクリルアミド類、アルキルメタクリルアミド類、ジアルキルメタクリルアミド類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アルキルマレイミド類、例えば、エチルマレイミド又はヒドロキシエチルマレイミド、及びアルキレングリコール類、例えば、プロピレングリコール又はエチレングリコールなど。こここで、これらモノマー類のアルキル又はアルキレン基は、好ましくはC1〜C7アルキル基であり、C1〜C3アルキル基が特に好ましい。
【0051】
好適なホモポリマー類は、例えば、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン又はN−ビニルホルムアミドのホモポリマーである。更に好適な合成、非イオン性ポリマーは、例えばポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマー類、ビニルピロリドン及びビニルアセテートからの共重合体(copolymerides)、ビニルピロリドン、ビニルアセテート、及びビニルプロピオネートからのターポリマー類、ポリアクリルアミド類、ポリビニルアルコール類並びにポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールコポリマー類である。好適な天然膜形成ポリマー類は特に、糖、好ましくはグルカン類、例えばセルロース及びその誘導体に基づくものである。好適な誘導体類は特に、アルキル及び/又はヒドロキシアルキル置換基を有するものであり、ここで、前記アルキル基が、例えば、1〜20、あるいは好ましくは1〜4個の炭素原子を有することができ、例えばヒドロキシアルキルセルロースである。好ましい非イオン性ポリマーは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー類、ポリビニルアルコール、イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシエチルマレイミドコポリマー、ビニルピロリドン、ビニルアセテート、及びビニルプロピオネートからのコポリマー類である。
【0052】
一実施形態では、本発明に係わる剤は、ヘアコンディショニング成分として、少なくとも1つのシリコーン化合物を、好ましくは0.01〜15重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の量で含有する。前記シリコーン化合物類としては、揮発性及び不揮発性シリコーン類並びに前記剤に可溶性及び不溶性のシリコーン類が挙げられる。一実施形態は、25℃にて0.001m2/s(1,000cSt)〜2m2/s(2,000,000cSt)、あるいは好ましくは0.01m2/s(10,000cSt)〜1.8m2/s(1,800,000cSt)又は0.1m2/2(100,000cSt)〜1.5m2/s(1,500,000cSt)の粘度を有する高分子量シリコーンである。前記シリコーン化合物類としては、ポリアルキル及びポリアリールシロキサン類、特にメチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル、及びフェニルメチル基を有するものが挙げられる。ポリジメチルシロキサン類、ポリジエチルシロキサン類、及びポリメチルフェニルシロキサン類が好ましい。光沢を与える、少なくとも1.46又は少なくとも1.52の屈折率を有するアリール化シリコーン類が更に好ましい。前記シリコーン化合物類としては、特にシクロメチコーン、ジメチコン、ジメチコノール、ジメチコンコポリオール、フェニルトリメチコン、アモジメチコン、トリメチルシリルアモジメチコン、ステアリルシロキシシリケート、ポリメチルシルセスキオキサンのINCI表記を持つ物質、並びにジメチコンクロスポリマーが挙げられる。高度に架橋したシロキサン類である、シリコーン樹脂及びシリコーンエラストマーもまた好適である。同時に架橋型シリコーンを使用して、好ましくはクリーム状、固形、又は極めて粘稠な組成物へコンシステンシィーを提供することが可能である。架橋型シリコーンは、例えばアクリレート類/ビス−ヒドロキシプロピルジメチコンクロスポリマー、ブチルジメチコンメタクリレート/メチルメタクリレートクロスポリマー、C30〜C45アルキルセテアリルジメチコンクロスポリマー、C30〜C45アルキルジメチコン/ポリシクロヘキセンオキシドクロスポリマー、セテアリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー−2、ジメチコンクロスポリマー−3、ジメチコン/ジビニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、ジメチコン/PEG−10/15クロスポリマー、ジメチコン/PEG−15クロスポリマー、ジメチコン/PEG−10クロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー、ジメチコン/チタン酸塩クロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルトリメチルシロキシシリケートクロスポリマー、ジメチコノール/メチルシラノール/ケイ酸塩クロスポリマー、ジフェニルジメチコンクロスポリマー、ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、ジビニルジメチコン/ジメチコンクロスポリマー、ラウリルジメチコンPEG−15クロスポリマー、ラウリルジメチコン/ポリグリセリン−3クロスポリマー、メチルシラノール/ケイ酸塩クロスポリマー、PEG−10ジメチコンクロスポリマー、PEG−12ジメチコンクロスポリマー、PEG−10ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、PEG−10/ラウリルジメチコンクロスポリマー、PEG−15/ラウリルジメチコンクロスポリマー、シリコーンクオタニウム−16/グリシドキシジメチコンクロスポリマー、スチレン/アクリレート類/ジメチコンアクリレートクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/PEG−10ジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコンクロスポリマー、トリフルオロプロピルジメチコン/ビニルトリフルオロプロピルジメチコン/シルセスキオキサンクロスポリマー、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコンクロスポリマー、トリメチルシロキシシリケート/ジメチコノールクロスポリマー、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー、及びビニルジメチル/トリメチルシロキシシリケートステアリルジメチコンクロスポリマーのINCI表記を有するものである。
【0053】
好ましいシリコーン類は、環状ジメチルシロキサン類、線状ポリジメチルシロキサン類、ポリジメチルシロキサン並びに及びポリエチレンオキシド及び/又はポリプロピレンオキシドからのブロックポリマー類、末端又は側部にポリエチレンオキシド又はポリプロピレンオキシド残基を有するポリジメチルシロキサン類、末端ヒドロキシル基を有するポリジメチルシロキサン類、フェニル置換ポリジメチルシロキサン類、シリコーンエマルション類、シリコーンエラストマー類、シリコーンワックス類、シリコーンガム類、アミノ置換シリコーン類、四級アンモニア基で置換されたシリコーン類、並びに架橋型シリコーン類である。
【0054】
一実施形態では、本発明に係わる剤は、好ましくは0.01〜10重量%、又は0.1〜5重量%、特に好ましくは0.2〜2重量%の量で、光防御物質(light-protection material)を含有する。前記光防御物質(light-protection material)としては、欧州特許第1 084 696号にて言及されているすべての光防御物質(light-protection material)が挙げられる。以下のものが好ましい:4−メトキシケイ皮酸ー2−エチルヘキシルエステル、メチルメトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンー5−スルホン酸、及びポリエトキシレート化p−アミノベンゾエート。
【0055】
一実施形態では、本発明の剤は、ベタイン;パンテノール;パンテニルエチルエーテル、ソルビトール;タンパク質加水分解物;植物抽出物;アルキルアクリレート類及びアルキルメタクリレート類からのA−Bブロックコポリマー類;アルキルメタクリレート類及びアクリロニトリルからのA−Bブロックコポリマー類;ラクチド及びエチレンオキシドからのA−B−Aブロックコポリマー類;カプロラクトン及びエチレンオキシドからのA−B−Aブロックコポリマー類;アルキレン又はアルカジエン化合物類、スチレン及びアルキルメタクリレート類からのA−B−Cブロックコポリマー類;アクリル酸、スチレン及びアルキルメタクリレート類からのA−B−Cブロックコポリマー類;星型ブロックコポリマー類;超分岐ポリマー類;デンドリマー類;本質的に導電性の3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン類及び本質的に導電性のポリアニリン類から選択される少なくとも1つのヘアコンディショニング添加剤を0.01〜20重量%、特に好ましくは0.05〜10重量%、更に極めて好ましくは0.1〜5重量%、含有する。
【0056】
一実施形態では、本発明に係わる剤は、0.01〜5重量%、又は特に好ましくは0.05〜1重量%の少なくとも1つの保存剤を含有する。好適な防腐剤は、「防腐剤」機能と共に「国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)」(第10版)に列挙されているような物質、例えばフェノキシエタノール、ベンジルパラベン、ブチルパラベン、エチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、ヨードプロピニルブチルカルバメート、メチルジブロモグルタロニトリル、及びDMDMヒダントインである。
【0057】
本発明に係わり使用される組成物は、毛髪トリートメント剤に標準的な任意の添加剤構成成分、例えば香料油、乳白剤、例えばエチレングリコールジステアレート、スチレン/PVPコポリマー類又はポリスチレン類、保湿剤類、光沢付与剤類、製品染料類、酸化防止剤類を更に含有することができる。各々は、好ましくは0.01〜10重量%の量であり、総量が10重量%を超えないことが好ましい。
【0058】
前記組成物は、美容的に許容可能な溶媒、好ましくは水性、アルコール性、又は水性アルコール溶媒を含有する。1〜4個の炭素原子を有する低級アルコール類、例えばエタノール及びイソプロパノールが、アルコール類、特に美容上の目的のために典型的に使用されるようなものとして含有することができる。追加の共溶媒、有機溶剤又は400℃未満の沸点を持つ溶媒の混合物が、0.1〜15重量%又は好ましくは1〜10重量%の量で含有され得る。非分岐又は分岐の炭化水素類、例えばペンタン、ヘキサン、イソペンタン、並びに環状炭化水素、例えばシクロペンタン及びシクロヘキサンが、追加の共溶媒として特に好適である。これらの揮発性炭化水素類は、噴射剤としても使用できる。他の、特に好ましい水溶性溶媒は、30重量%以下の量の、グリセロール、エチレングリコール、プロパントリオール、及びプロピレングリコールである。
【0059】
本発明の目的は、永続的毛髪再構成のための2段階製品でもある。前記2段階製品は、
(A)前記製品放出システムの組成物が、少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有し、且つ非流体であるか又は極めて粘稠であるか又は特にゲル様若しくはクリーム状である、本発明の製品放出システム及び
(B)少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有し、且つ流体であり、且つ製品放出システム(A)の組成物よりも低粘度である追加の組成物を含む。
【0060】
本発明の目的は、
(A)少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有する第1組成物及び
(B)少なくとも1つの酸化剤を含有する第2組成物を含む、永続的毛髪再構成のための組み合わせ製品であって、組成物(A)及び(B)の一方又は両方が、本発明に係わる製品放出システムの形態で存在する組み合わせ製品にある。
【0061】
本発明の目的は、毛髪を所望の形状に整髪する前及び/又は後に、毛髪を毛髪ケラチン還元性再構成剤により処理し、毛髪の永続的再構成に十分な作用期間後に、必要に応じて毛髪を水ですすぎ、次に、毛髪に酸化性後処置を施し、再度水ですすぎ、整髪し、次に乾燥させる永続的毛髪再構成のための方法において、本発明の製品放出システムを、毛髪ケラチン還元性再構成剤として使用し、ここで、前記製品放出システム内に含まれる組成物が、少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有し、及び/又は、本発明に係わる製品放出システムを、前記酸化性後処置のために使用し、ここで、前記製品放出システム内に含まれる組成物が、少なくとも1つの酸化剤を含有する永続的毛髪再構成のための方法にある。
【0062】
本発明に係わる製品は、優れた、目標を定めた塗布性及び優れた分布能力によって、本発明に係わり使用される特別なエアゾール・スプレーシステムによる特別の塗布によって制約されることを特徴とする。前記塗布の利点は、快適な塗布、より経済的な分注、及び消費者がより快適だと感じるコンシステンシィーによって説明される。本発明に係わる製品の追加の利点は、異なるスプレー特性が、噴射剤、噴射剤組成物、又は噴射剤圧力を単に変化させることにより、正確に調整できることであり、これらのスプレー特性は以前は、下層の活性成分組成物のために利用できなかった。前記スプレー特性としては、微細エアゾール噴霧スプレー及び雪状態の小滴からスプレーフレーク及びスプレーフォームまでのすべてが挙げられる。
【0063】
以下の実施例は、本発明の更なる目的の例証を提供するであろう。
【実施例】
【0064】
以下の実施例では、個々の活性成分組成物は、個別に指示された噴射剤とともに、耐圧エアゾール缶内に充填し、毛管スプレーシステムを取り付けた。噴射剤としては、例えば、ベーリンガー・インゲルヘイム・マイクロパーツ・ゲーエムベーハー(Boehringer Ingelheim microParts GmbH)から「トラスプレー」(TRUSPRAY)(登録商標)商品名で、入手することができる。異なったサイズのバルブ直径及び弁球を使用することが可能であるが、以下のサイズが好ましい。
【0065】
【表1】

【0066】
(実施例1):
【0067】
【表2】

【0068】
【表3】

粘度:1,000〜1,200mPa・s(25℃)
pH値:8.6
【0069】
【表4】

【0070】
ブラシを用いる時間がかかる塗布は、もはや必要としない。前記製品は更に、目標とした毛根再構成のための毛根クリームとして特に有効であり得る。前記製品は更に、パーマネント・ウェーブ手順中に、毛根と毛尖との間の構造的相違に最適に目標を定めた、水性、非粘稠パーマネント・ウェーブローションと共に使用することに特に良好に適している。
【0071】
(実施例2):
【0072】
【表5】

粘度:400〜1,000mPa・s(せん断速度12.9s-1、25℃)
pH値:2.2〜2.8
【0073】
【表6】

【0074】
(実施例3):
【0075】
【表7】

粘度:2,000〜3,000mPa・s(25℃)
pH値:9.0
【0076】
【表8】

【0077】
(実施例4):
【0078】
【表9】

粘度:4,000〜6,000mPa・s(せん断速度12.9s-1、25℃)
pH値:2.0〜2.6
【0079】
【表10】

【0080】
実施例1〜4のクリーム状組成物は、それらが塗布において非常にユーザーフレンドリーであること、即ち、それらを直接に且つ正確に、処理すべき毛髪部分又は毛根上に、ブラシをぎこちなく使うことなく噴霧できることを意味する。
【0081】
(実施例5):
【0082】
【表11】

pH8.6;粘度:2,700mPa・s)(ハーケ社(Haake)製粘度計VT550、SV DIN、せん断速度12.9s-1、25℃)
【0083】
エアゾール充填:
前記活性成分組成物は、ジメチルエーテルと共に、活性成分:噴射剤=50:50及び60:40の重量比にて充填される。
【0084】
根元パーマのタッチアップのための毛髪処理:
タッチアップした根毛上へ前記製品放出システムを使用してジェルをスプレーし、作用期間(8〜15分)後にすすぎ洗いし、次に定着させる。根元のパーマのみをタッチアップする。
【0085】
結果:毛根領域内の新規ウェーブ及びムーブメント;毛髪中間部分及び先端は穏やかな処理をする。それらは、再パーマしないためである。この結果は、次の通り:毛髪内での優れた保持及び非常に良好な櫛通り性、ウェーブ剤ジェルの落下安定性による消費者にとっての利便性及び安全性、増粘したパーマネント・ウェーブ剤のユーザーフレンドリーな適用、及びブラシを使った面倒な塗布はもはや不要。
【0086】
(実施例6):
【0087】
【表12】

pH8.2
【0088】
【表13】

pH8.6;粘度:2,700mPa・s(ハーケ社(Haake)製粘度計VT550、SV DIN、せん断速度12.9s-1、25℃)
【0089】
段階1は、低粘性ローションとして使用される。段階2は、使用される噴射剤と共に本発明に係わる製品放出システム内に充填される。
【0090】
段階2のエアゾール充填物:
共通の噴射剤を使用することが可能である。ジメチルエーテルを使用するのが好ましい。前記活性成分組成物は、活性成分:噴射剤=50:50及び60:40の重量比にて充填される。
【0091】
段階2を使用することで、毛根から毛尖までの毛髪内の大きな構造的相違を均等化させることができる。
【0092】
毛髪トリートメント:ウェーブ剤の液段階1を巻き上げた毛髪へ塗布し、次に本発明に係わる製品放出システムを使用して増粘したジェル段階2を巻き上げた毛根へスプレーし、作用期間(6〜15分)後にすすぎ洗いし、次に定着させる。
【0093】
結果:毛根から先端までのウェーブ、毛尖の穏やかな処理であっても、毛髪内での優れた保持及び非常に良好な櫛通り性;段階2の増粘パーマネント・ウェーブ剤のユーザーフレンドリーな塗布、さもなければ、ブラシを用いたいつもながらの且つ非常に手間のかかる塗布の省略。
【0094】
(実施例7):
【0095】
【表14】

pH3.5;粘度:750mPa・s(ハーケ社(Haake)製粘度計VT550、SV DIN、25℃)
【0096】
エアゾール充填:
共通の噴射剤を使用することが可能である。ジメチルエーテルを使用するのが好ましい。前記活性成分組成物は、活性成分:噴射剤=50:50、60:40、及び70:30の重量比にて充填される。
【0097】
毛髪トリートメント:
前記ウェーブ剤をすすぎ洗いした後、本発明に係わる製品放出システムにて巻き上げた毛根上に前記定着ジェルをスプレーし、作用期間(5〜12分)後にすすぎ洗いし、巻きを解いた後に再度前記安定剤を毛髪(定着後)に再適用し、2〜5分の別の作用期間後にすすぎ洗いする。
【0098】
利点:前記増粘安定剤のユーザーフレンドリーな塗布。混合用ボウル及びブラシを用いる非常に手間のかかる前記剤の塗布は、もはや必要としない。
【0099】
(実施例8):
【0100】
【表15】

pH9.0;粘度:5,100mPa・s(ハーケ社(Haake)製粘度計VT550、SV DIN、せん断速度12.9s-1、25℃)
【0101】
エアゾール充填:
共通の噴射剤を使用することが可能である。ジメチルエーテルを使用するのが好ましい。前記活性成分組成物は、活性成分:噴射剤=50:50及び60:40の重量比にて充填される。
【0102】
毛髪トリートメント:
前記ジェルを乾燥した毛髪上に本発明に係わる製品放出システムにてスプレーして、櫛で毛髪のスムージングをし(櫛をアプリケーターの一部とすることもできる)、作用期間(10〜30分)後にすすぎ洗いし、次に定着させ(安定剤の作用期間は、5〜12分)、次に必要に応じて熱いアイロンを使用する。
【0103】
結果:優れた保持及び非常に良好な櫛通り性にて毛髪をスムージングする。本発明に係わる製品放出システムは、滴れたり頭皮上を垂れたりしない極めて粘稠なジェルの塗布を可能にする。それによって、消費者にとっての利便性及び安全性大幅に改良された。前記増粘パーマネント・ウェーブ剤のユーザーフレンドリーな塗布。ブラシを用いる時間がかかる塗布は、もはや必要としない。
【0104】
(実施例9):
【0105】
【表16】

pH3.5;粘度:3,550mPa・s(ハーケ社(Haake)製粘度計VT550、SV DIN、せん断速度12.9s-1、25℃)
【0106】
エアゾール充填:
共通の噴射剤を使用することが可能である。ジメチルエーテルを使用するのが好ましい。前記活性成分組成物は、活性成分:噴射剤=50:50、60:40、及び70:30の重量比にて充填される。
【0107】
毛髪トリートメント:
前記還元剤含有スムージング剤をすすぎ落とした後、本発明に係わる製品放出システムの助けを借りて前記定着ジェルをスムージングした毛髪上へスプレーし、作用期間(5〜12分)後に前記定着ジェルをすすぎ洗いし、続いて必要に応じて熱いアイロンを使用する。
【0108】
利点:本発明に係わる製品放出システムは、滴れたり頭皮上を垂れたりしない極めて粘稠な酸化剤含有ジェルの塗布を可能にする。それによって、消費者にとっての利便性及び安全性大幅に改良された。追加の利点は、前記増粘安定剤のユーザーフレンドリーな使用である。ブラシを用いる時間がかかる塗布は、もはや必要としない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の、
(a)耐圧包装、
(b)毛管を含むスプレーヘッド及び
(c)噴射剤を含有する組成物
を有する、組成物を噴霧するための製品放出システムであって、前記噴霧が、前記毛管を使用して生じ、且つ前記組成物が、毛髪ケラチン還元性化合物から選択されるか又は酸化剤から選択される少なくとも1つの反応剤を含有する製品放出システム。
【請求項2】
前記組成物が、メルカプト酢酸、システイン、チオ乳酸、及びそれらの塩類から選択される少なくとも1つの毛髪ケラチン還元性化合物を含有する請求項1に記載の製品放出システム。
【請求項3】
前記毛髪ケラチン還元性化合物が、噴射剤を除いた前記組成物に対して0.5重量%〜25重量%の量で含有される請求項1又は2に記載の製品放出システム。
【請求項4】
前記組成物が、毛髪ケラチン還元性化合物のジスルフィドを含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項5】
前記組成物が、噴射剤を除いた前記組成物に対して0.1重量%〜25重量%の量で含有され、且つ過酸化水素、臭素酸塩、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過酸化物、及びヨウ素酸塩から選択される少なくとも1つの酸化剤を含有する請求項1に記載の製品放出システム。
【請求項6】
前記組成物が、臭素酸塩を含有する場合に6〜9のpHを有し、臭素酸塩を含有しない場合に2〜6のpH値を有する請求項5に記載の製品放出システム。
【請求項7】
前記組成物が、少なくとも1つの過酸化物、及び追加として少なくとも1つの過酸化物安定剤を含有する請求項5又は6に記載の製品放出システム。
【請求項8】
前記安定剤が、噴射剤を除いた前記組成物に対して0.01重量%〜2重量%の量で含有され、且つジアルカリリン酸水素、p−アセトアミドフェノール、オキシキノリン塩類、サリチル酸及びその塩類、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸四ナトリウム、イミノジコハク酸四ナトリウム、エチレンジアミン酢酸四ナトリウム、並びにN−(4−エトキシフェニル)アセトアミドから選択される請求項7に記載の製品放出システム。
【請求項9】
前記毛管が、0.1〜1mmの直径及び5〜100mmの長さを有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項10】
前記噴霧速度が、0.01〜5g/sである請求項1〜9のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項11】
前記噴射剤が、プロパン、ブタン、ジメチルエーテル、フッ素化炭化水素類、及びこれらの混合物から選択される請求項1〜10のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項12】
前記組成物が、非流体、ゲル様、ろう状、エマルション様、クリーム状、ペースト状、又は固形である請求項1〜11のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項13】
前記組成物が、噴射剤を除いた前記組成物に対して0.01重量%〜20重量%の量で少なくとも1つの増粘剤又はゲル形成剤を含有する請求項5に記載の製品放出システム。
【請求項14】
前記増粘剤又はゲル形成剤が、アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、アクリル酸とエトキシ化脂肪族アルコールとのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーとからのコポリマー類;架橋ポリアクリル酸;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、アクリル酸とC10〜C30アルコール類とのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーとからの架橋コポリマー類;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、イタコン酸とエトキシ化脂肪族アルコールとのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーとからのコポリマー類;アクリル酸及びメタクリル酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーと、イタコン酸とエトキシ化C10〜C30アルコールとのエステル類から選択される少なくとも1つの第2の種類のモノマーと、C1〜C4アミノアルキルアクリレート類から選択される第3の種類のモノマーとからのコポリマー類;アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類から選択される2以上のモノマー類からのコポリマー類;ビニルピロリドン及びアンモニウムアクリロイルジメチルタウレートからのコポリマー類;アンモニウムアクリロイルジメチルタウレートと、メタクリル酸とエトキシ化脂肪族アルコール類とのエステル類から選択されるモノマー類とからのコポリマー類;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルグアー;グリセリルポリアクリレート;グリセリルポリメタクリレート;少なくとも1つのC2、C3、又はC4アルキレン及びスチレンからのコポリマー類;ポリウレタン類;ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート;ポリアクリルアミド;無水マレイン酸及びメチルビニルエーテルからの、デカジエンで架橋したコポリマー;ローカストビーンガム;グアーガム;キサンタン;デヒドロキサンタン;カラギーナン;カラヤゴム;加水分解コーンスターチ;ポリエチレンオキシド、脂肪族アルコール類、及び飽和メチレンジフェニルジイソシアネートからのコポリマー類から選択される増粘ポリマーである請求項13に記載の製品放出システム。
【請求項15】
前記組成物が、25℃、せん断速度12.9s-1において少なくとも200mPa・sの粘度を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項16】
前記組成物が、油中水型、水中油型、又はマイクロエマルションであり、且つ噴射剤を除いた前記組成物に対して0.1重量%〜30重量%の量の少なくとも1つの乳化剤と、噴射剤を除いた前記組成物に対して1重量%〜20重量%の量の脂肪族アルコール類及び油類から選択される少なくとも1つの疎水性材料と、水とを含有する請求項1〜15のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項17】
前記脂肪族アルコール類及び油類が、シリコーンオイル類、鉱油類、イソパラフィン油類、パラフィン油類、スクアラン、植物油類、デカノール、オクタノール、オクテン、ドデカノール、ドデセノール、デセノール、オクタジエノール、ドデカジエノール、デカジエノール、オレイルアルコール、エルカアルコール、リシノールアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ベヘニルアルコール、及びガーベット(Guerbet)アルコール類から選択される請求項16に記載の製品放出システム。
【請求項18】
前記乳化剤が、2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は1〜5モルのプロピレンオキシドをC8〜C22脂肪族アルコール類に付加した生成物、2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は1〜5モルのプロピレンオキシドをC12〜C22脂肪酸類に付加した生成物、2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は1〜5モルのプロピレンオキシドを、8〜15個の炭素原子をアルキル基内に有するアルキルフェノール類に付加した生成物、1〜30モルのエチレンオキシドをグリセロールに付加した生成物のC12〜C22脂肪酸モノエステル類及びジエステル類、5〜60モルのエチレンオキシドをヒマシ油又は硬化ヒマシ油に付加した生成物、リン酸と2〜30モルのエチレンオキシドをC8〜C22脂肪族アルコール類に付加した生成物とのモノ−、ジ−、又はトリエステル類、スクロースと1つ又は2つのC8〜C22脂肪酸類とのエステル類、ソルビタンと1つ、2つ又は3つのC8〜C22脂肪酸類とからの、4〜20のエトキシ化度のエステル類、1つ、2つ、又はそれ以上のC8〜C22脂肪酸類と2〜20個のグリセリル単位を有するポリグリセロールとからのポリグリセリル脂肪酸エステル類、アルキルグリコシド類、C8〜C22アルキルジメチルベンジルアンモニウム化合物類、C8〜C22アルキルトリメチルアンモニウム化合物類、C8〜C22アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム化合物類、ジ−(C8〜C22アルキル)−ジメチルアンモニウム化合物類、C8〜C22アルキルピリジニウム塩類、C8〜C22アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート類、C8〜C22アルキルメチルアミンオキシド類、C8〜C22アルキルアミノエチルジメチルアミンオキシド類、アミドアミン類、並びに四級化アミドアミン類から選択される請求項16又は17に記載の製品放出システム。
【請求項19】
前記組成物が、少なくとも1つのカチオン性ポリマーを含有する請求項1〜18のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項20】
前記カチオン性ポリマーが、カチオン性基又はカチオン化可能な基を有し、噴射剤を除いた前記組成物に対して0.01〜5重量%の量で使用され、且つヒドロキシエチルセルロース及びジアリルジメチル塩化アンモニウムからのカチオン性セルロース誘導体類;ヒドロキシエチルセルロース及びトリメチルアンモニウムで置換されたエポキシドからのカチオン性セルロース誘導体類;ポリ(ジメチルジアリル塩化アンモニウム);アクリルアミド及びジメチルジアリル塩化アンモニウムからのコポリマー類;ジエチルサルフェートとビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレートからのコポリマーとの反応により形成される四級アンモニウムポリマー類;メチルビニルイミダゾリウムクロリド及びビニルピロリドンからの四級アンモニウムポリマー類;ポリクオタニウム−35;トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリドからのポリマー;ポリクオタニウム−57;四級アンモニウム基で末端置換されたジメチルポリシロキサン;ビニルピロリドン、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、及びメタクリロイルアミノプロピルラウリルジメチルアンモニウムクロリドからのコポリマー;キトサン及びその塩類;ヒドロキシアルキルキトサン類及びその塩類;アルキルヒドロキシアルキルキトサン類及びその塩類;N−ヒドロキシアルキルキトサンアルキルエーテル;ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、及びジメチルアミノエチルメタクリレートからのコポリマー;ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレートからのコポリマー類;ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、及びジメチルアミノプロピルアクリルアミドからのコポリマー類;少なくとも1つの四級アンモニウム基で置換されたヒドロキシ酸から選択される少なくとも1つの第1の種類のモノマーから形成されるポリ−又はオリゴエステル類、並びにメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウムクロリドホモポリマーから選択さる請求項19に記載の製品放出システム。
【請求項21】
前記組成物が、ヘアコンディショニング物質、ヘアセッティング物質、シリコーン化合物、光防御物質、防腐剤、顔料、直接浸透毛髪染料、粒子状物質、及び酸化性毛髪染料前駆体生成物から選択される少なくとも1つの追加の活性成分又は添加剤を含有する請求項1〜20のいずれか1項に記載の製品放出システム。
【請求項22】
前記活性成分又は添加剤が、噴射剤を除いた前記組成物に対して0.01〜20重量%の量で含有される請求項21に記載の製品放出システム。
【請求項23】
毛髪トリートメントのための請求項1〜22のいずれか1項に記載の製品放出システムの使用。
【請求項24】
(A)請求項1〜22のいずれか1項に記載の製品放出システムであって、前記製品放出システムの前記組成物が、少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有し、且つ非流体であるか又は極めて粘稠である製品放出システム及び
(B)少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有し、且つ流体であり、且つ製品放出システム(A)の前記組成物よりも低粘度である追加の組成物を含む、永続的毛髪再構成のための2段階製品。
【請求項25】
(A)少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有する第1組成物及び
(B)少なくとも1つの酸化剤を含有する第2組成物
を含む、永続的毛髪再構成のための組み合わせ製品であって、組成物(A)及び(B)の一方又は両方が、請求項1〜22のいずれか1項に記載の製品放出システムの形態で存在する組み合わせ製品。
【請求項26】
毛髪を所望の形状に整髪する前及び/又は後に、毛髪を毛髪ケラチン還元性再構成剤により処理し、毛髪の永続的再構成に十分な作用期間後に、必要に応じて毛髪を水ですすぎ、次に、毛髪に酸化性後処置を施し、再度水ですすぎ、整髪し、次に乾燥させる永続的な毛髪再構成のための方法において、
請求項1〜22のいずれか1項に記載の製品放出システムを毛髪ケラチン還元性再構成剤として使用し、ここで、前記製品放出システム内に含まれる組成物が、少なくとも1つのケラチン還元性物質を含有し、及び/又は、
請求項1〜22のいずれか1項に記載の製品放出システムを前記酸化性後処置のために使用し、ここで、前記製品放出システム内に含まれる組成物が、少なくとも1つの酸化剤を含有する永続的な毛髪再構成のための方法。

【公表番号】特表2008−543937(P2008−543937A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518300(P2008−518300)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/023919
【国際公開番号】WO2007/002044
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】