説明

毛髪処理剤

【課題】カチオン化高分子を配合する毛髪処理剤に更に植物由来抽出物を配合する場合であっても、植物由来抽出物の配合によって生じる析出が抑制される毛髪処理剤の提供。
【解決手段】カチオン化高分子と共に毛髪処理剤に配合する植物由来抽出物として、オウゴン由来の抽出物、コーヒーノキ種子由来の抽出物、大豆胚軸由来の抽出物、大豆種子由来の抽出物、ブドウつる由来の抽出物、及びジオウ由来の抽出物から選択された一種又は二種以上を用いる。この植物由来抽出物の配合量は、0.005質量%以上でも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント等として用いられる毛髪処理剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャンプー等の毛髪処理剤に植物由来抽出物を配合することは周知の事実であり、特許文献1には、ボダイジュエキス又はアロエエキスを配合することが開示されており、特許文献2には、ツユクサの抽出物を配合することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−262043号公報
【特許文献2】特開2007−145739号公報
【0004】
ところで、植物由来抽出物を毛髪処理剤に配合することは上述の通り公知のことではあるが、カチオン化高分子を併せた植物由来抽出物の配合により毛髪処理剤に目視確認できる程度の濁りが生じることがあった。また、植物由来抽出物の配合が少量であるときには濁りが生じなくとも、その量を増やしたときには濁りが生じることがあった。その濁りは植物由来抽出物の析出を示していると考えられ、毛髪処理剤使用後の髪の均質化のためには、植物由来抽出物の少量配合によって生じる虞のある視認できない析出を抑えると共に、その配合量を増やしたときに生じる濁りを抑制し、毛髪処理剤に植物由来抽出物を十分に分散させることが望まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カチオン化高分子を配合する毛髪処理剤に更に植物由来抽出物を配合する場合であっても、植物由来抽出物の配合によって生じる析出が抑制される毛髪処理剤の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等が鋭意検討を行った結果、カチオン化高分子を配合する毛髪処理剤に、更に配合する植物由来抽出物が特定のものであれば、その植物由来抽出物の配合による析出物生成を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係る毛髪処理剤は、オウゴン由来の抽出物、コーヒーノキ種子由来の抽出物、大豆胚軸由来の抽出物、大豆種子由来の抽出物、ブドウつる由来の抽出物、及びジオウ由来の抽出物から選択された一種又は二種以上の植物由来抽出物と、カチオン化高分子とが配合されたことを特徴とする。
【0008】
前記植物由来抽出物の配合量は、0.005質量%以上であっても良い。公知の毛髪処理剤においては、植物由来抽出物の配合量が一般的に0.005質量%未満と極めて少量であるが、本発明に係る毛髪処理剤においては、特定の植物由来抽出物の配合量を0.005質量%未満に設定できるだけではなく、配合量設定の自由度を高くするために必要な0.005質量%以上にすることが可能である上に、析出物生成を抑制できる。
【0009】
前記カチオン化ポリマーは、例えば、半合成カチオン化高分子から選択された一種又は二種以上である。
【0010】
本発明に係る毛髪処理剤は、外観が透明のものであると良い。外観が透明の毛髪処理剤に生じた濁りは、その剤の品質不安を需要者に与えかねないものであるが、本発明に係る毛髪処理剤は、濁りが抑えられるから、そのような品質不安の発生頻度を低くする。
【0011】
アニオン界面活性剤を本発明に係る毛髪処理剤に配合しても良い。このアニオン界面活性剤を配合した本発明の毛髪処理剤は、例えば、シャンプーとして用いられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る毛髪処理剤は、カチオン化高分子と共に配合される植物由来抽出物が特定の抽出物なので、析出物生成が抑制されたものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態の毛髪処理剤に基づき、本発明を以下に説明する。
本実施形態の毛髪処理剤は、特定の植物由来抽出物と、カチオン化高分子が水に配合されたものである(水の配合量は、例えば40質量%以上)。また、実使用上許容されるのであれば、更に公知の毛髪処理剤原料を任意に配合しても良い。
【0014】
(植物由来抽出物)
本実施形態の毛髪処理剤に配合する植物由来抽出物は、オウゴン由来、コーヒーノキ種子由来、大豆胚軸由来、大豆種子由来、ブドウつる由来、又はジオウ由来の抽出物である。これらの抽出物の一種又は二種以上を配合する。
【0015】
上記特定の植物由来抽出物は、当該抽出物を含む原料として市販されている。オウゴン由来抽出物を含む市販品としては、丸善製薬社製「オウゴン抽出液−J」、池田糖化工業社製「オウゴン抽出液B」、一丸ファルコス社製「オウゴンリキッドB」等があり、コーヒーノキ種子由来抽出物を含む市販品としては、オリザ油化社製「生コーヒー豆エキス−PC」、一丸ファルコス社製「カフェノアージュ」等があり、大豆胚軸由来抽出物を含む市販品としては、不二製油社製「ソヤフラボンE」、不二製油社製「ソヤフラボンHG」等があり、大豆種子由来抽出物を含む市販品としては、一丸ファルコス社製「フラボステロンSB」、香栄興業社製「大豆エキスSK」等があり、ブドウつる由来抽出物を含む市販品としては、サンブライト社製「レスベラトロールSK」等があり、ジオウ由来抽出物を含む市販品としては、丸善製薬社製「ジオウ抽出液J」、一丸ファルコス社製「ファルコレックス
ジオウ」等がある。
【0016】
また、上記特定の植物由来抽出物は、溶媒を用い、常温又は加熱、及び、減圧、常圧又は加圧の抽出条件により得られる。抽出のために用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、水、これら二種以上の混合溶媒などが挙げられる。被抽出対象となる植物部位は公知の通りであり、例えば、オウゴン由来抽出物を得るためには、コガネバナ(Scutellaria baicalensis Georgi)の根を用い、コーヒーノキ種子由来抽出物を得るためには、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabica L.)の種子、ベンジャミンコーヒー(Coffea
bengalensis (Roxb.) Heyne)の種子、又はロブスタコーヒーノキ(C. canephora
Pierr ex Froeh)の種子を用い、大豆胚軸由来抽出物を得るためには、大豆(Glycin max
Merrill)の種子における胚軸を用い、ブドウつる由来抽出物を得るためには、ブドウ(vitis
vinifera)の蔓を用い、ジオウ由来抽出物を得るためには、アカヤジオウ(Rehmannia
glutinosa)の根を乾燥したものである乾地黄を用いる。
【0017】
植物由来抽出物の中でも、オウゴン由来、コーヒーノキ種子由来、大豆胚軸由来、大豆種子由来、又はブドウつる由来の抽出物を用いれば、毛髪の滑らかさを良好にでき、オウゴン由来抽出物を用いれば、毛髪の滑らかさを特に良好にできる。また、オウゴン由来、コーヒーノキ種子由来、大豆胚軸由来、又はジオウ由来の抽出物を用いれば、毛髪のハリ感を良好にできる。
【0018】
上記の毛髪の良好な滑らかさ、ハリ感についての確認方法及び結果を示すと以下の通りである。
<確認方法>
下記表1記載の植物由来抽出物0.05質量%、1,3−ブチレングリコール30質量%の水溶液を試料液として調製し、1,3−ブチレングリコール30質量%の水溶液を基準液(1,3−ブチレングリコール以外を配合しなかった液)として調製した。また、染毛処理の経歴がある毛髪を過酸化水素0.3質量%、アンモニア1.5質量%の水溶液に20分間浸漬し、乾燥、結束した約1.5gの毛束を毛髪試料とした。毛髪試料を90mlの試料液又は基準液に浸漬させた後、40℃、9時間の条件で試料液又は基準液を振とうさせた。その後、毛髪試料を流水で約30秒間すすぎ、風乾させた。
【0019】
上記風乾後の毛髪試料の「滑かさ」と「ハリ」について、基準液で処理した毛髪試料を「基準」として官能評価した。評価基準は、以下の通りとした。
滑らかさの評価基準
◎:基準より滑らか。
○:基準よりやや滑らか。
―:基準と同等。
△:基準よりややごわつく。
×:基準よりごわつく。
ハリの評価基準
○:基準よりハリがある。
―:基準と同等。
【0020】
<結果>
結果は、次表1の通りであった。
【表1】

【0021】
本実施形態の毛髪処理剤において、オウゴン由来抽出物等の特定の植物由来抽出物の配合量は、例えば、0.005質量%以上2質量%以下である。植物由来抽出物の配合量が多いほど当該抽出物による効果が顕在化する一方で毛髪処理剤が高価となってしまうので、植物由来抽出物の配合量は、0.01質量%以上1質量%以下が良く、0.1質量%以上0.8質量%以下が好ましい。
【0022】
(カチオン化高分子)
カチオン化高分子とは、陽イオン化する置換基を有する高分子であり、その置換基は、アミノ基、アンモニウム基等がある。本実施形態の毛髪処理剤には、公知の水溶性カチオン化高分子から選定した一種又は二種以上を配合する。
【0023】
カチオン化高分子は、半合成カチオン化高分子、合成カチオン化高分子等に分類される。半合成カチオン化高分子としては、例えば、ポリクオタニウム−4(塩化ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウム)、ポリクオタニウム−10(塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース)等のカチオン化セルロース;グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等のカチオン化グアーガム;が挙げられる。また、合成カチオン化高分子としては、例えば、ポリクオタニウム−7、ポリクオタニウム−52等のジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体;ポリクオタニウム−16等のビニルピロリドン・メチルビニルイミダゾリウム共重合体;が挙げられる。以上に例示したカチオン化高分子の中で、本実施形態に係る毛髪処理剤をシャンプーとして用いる場合、毛髪の感触を良好にするものとしては、例えばカチオン化セルロース及びカチオン化グアガムから選択した一種又は二種以上である。
【0024】
本実施形態の毛髪処理剤におけるカチオン化高分子の配合量は、毛髪処理剤の用途に応じて適宜設定されるものであるが、例えば0.01質量%以上2質量%以下である。この毛髪処理剤がシャンプーとして用いられるものである場合、カチオン化高分子の配合量は、0.02質量%以上1質量%以下が良い。
【0025】
(任意原料)
本実施形態の毛髪処理剤に配合される任意原料は、この毛髪処理剤の用途、目的に応じて、公知の毛髪処理剤原料から選択される。この毛髪処理剤原料は、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、アルコール、多価アルコール、糖類、エステル油、油脂、脂肪酸、炭化水素、ロウ、シリコーン、高分子化合物、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤などである。
【0026】
本実施形態の毛髪処理剤をシャンプーとして用いる場合、界面活性剤の中でも洗浄性に優れたアニオン界面活性剤の一種又は二種以上を配合すると良い。このアニオン界面活性剤としては、例えば、N−アシルアミノ酸塩、脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸アミドエーテルカルボン酸塩、脂肪酸アミドエーテルカルボン酸、アシル乳酸塩などのカルボン酸系アニオン界面活性剤;アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、アシルイセチオン酸塩、アルキルグリシジルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン塩などのスルホン酸系アニオン界面活性剤;アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸塩などの硫酸系アニオン界面活性剤;アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、アルキルアリールエーテルリン酸塩、脂肪酸アミドエーテルリン酸塩などのリン酸系アニオン界面活性剤;が挙げられる。アニオン界面活性剤を配合するときの配合量は、特に限定されないが、例えば5〜20質量%であり、7〜16質量%が通常である。
【0027】
上記同様、本実施形態の毛髪処理剤をシャンプーとして用いる場合、両性界面活性剤を一種又は二種以上配合すると良い。両性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジヒドロキシエチルアミノ酢酸ベタイン等の酢酸ベタイン型両性界面活性剤;N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−プロピルスルホン酸塩、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩、N−脂肪酸アミドプロピル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−(2−ヒドロキシプロピル)スルホン酸塩等のスルホベタイン型両性界面活性剤;2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリンベタイン型両性界面活性剤;が挙げられる。両性界面活性剤の配合量は、特に限定されるものではないが、泡立ち等を向上させるには、2質量%以上6質量%以下が良い。
【0028】
また、本実施形態の毛髪処理剤をシャンプーとして用いる場合、非イオン界面活性剤をも配合すると洗浄力が向上する。非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトールテトラ脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルが挙げられる。非イオン界面活性剤を配合するときの配合量は、特に限定されないが、例えば1〜10質量%である。
【0029】
(剤型)
使用直前における本実施形態に係る毛髪処理剤の剤型は、例えば、液状、クリーム状、ワックス状、ゲル状、霧状が挙げられる。
【0030】
(pH)
本実施形態の毛髪処理剤の用途に応じて、当該毛髪処理剤のpH調整が必要になる場合がある。このpHは、例えばpHを5.0以上8.0以下に設定すると良い。このpHは、毛髪処理剤の透明性実現と、液状としての適度な粘度実現に適する。なお、pH調整が必要な場合には、クエン酸、リン酸等の酸、水酸化ナトリウム等のアルカリを配合すると良い。
【0031】
(用途)
本実施形態に係る毛髪処理剤の用途は、特に限定されず、ヘアケア剤、パーマ剤、カラーリング剤、ブリーチ剤、スタイリング剤等である。
【0032】
「ヘアケア剤」とは、毛髪の手入れ、手当て等を行うために用いられる毛髪処理剤である。ヘアケア剤としては、例えばシャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント(例えば、洗い流さないトリートメント、洗い流すトリートメント、整髪兼用トリートメント、多剤式トリートメントの一構成剤、パーマの前処理のためのトリートメント、パーマの後処理のためのトリートメント、カラーリングの前処理のためのトリートメント、カラーリングの後処理のためのトリートメント、ブリーチの前処理のためのトリートメント、ブリーチの後処理のためのトリートメント)が挙げられる。「パーマ剤」とは、還元反応、酸化反応等の化学反応を利用して毛髪形状を変化させるために用いられる毛髪処理剤である。パーマ剤としては、例えば、毛髪をウェーブ状に形成するためのウェーブ剤、ウェーブ状等の毛髪を直毛に近づけるためのストレート剤が挙げられ、1剤式パーマ剤、2剤式パーマ剤の還元剤が配合された第1剤及び2剤式パーマ剤の酸化剤が配合された第2剤のいずれも本実施形態に係る毛髪処理剤に該当する。「カラーリング剤」とは、毛髪を着色するために用いられる毛髪処理剤である。カラーリング剤としては、例えば、直接染料が配合された染毛料、毛髪の染毛時に反応が必要になる反応型染料が配合された染毛剤、毛髪への着色を一時的に施す毛髪着色料が挙げられる。「ブリーチ剤」とは、毛髪の色素を脱色させるために用いられる毛髪処理剤である。「スタイリング剤」とは、髪型を一時的に保持するために用いられる毛髪処理剤である。
【実施例】
【0033】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0034】
(実施例1〜6、比較例1〜8)
基本シャンプーを製造し、この基本シャンプーに下記表2に記載の植物由来抽出物0.05質量%(市販品の配合濃度ではなく、植物由来抽出物としての濃度を意味する。)を配合したものを実施例1〜6及び比較例1〜8のシャンプーとした。上記基本シャンプーは、カチオン化セルロース、及びこれら以外の原料を水に配合したものである。この配合における各濃度は、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース0.4質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム5質量%、ラウリル硫酸トリエタノールアミン4質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム2質量%、ラウリン酸アミドプロピルベタイン4質量%、ラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム1質量%、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド3質量%、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド0.1質量%、1,3−ブチレングリコール0.2質量%、酸化防止剤0.1質量%、キレート剤0.2質量%、防腐剤0.3質量%、及び香料0.2質量%とした。
【0035】
実施例1〜6のシャンプーに植物由来抽出物を配合するために用いた市販品は、以下の通りである。
オウゴン由来抽出物の配合のための市販品:一丸ファルコス社製「オウゴンリキッドB」
コーヒーノキ種子由来抽出物の配合のための市販品:一丸ファルコス社製「カフェノアージュ」
大豆胚軸由来抽出物の配合のための市販品:不二製油社製「ソヤフラボンHG(含有する大豆胚軸抽出物は、エタノールで大豆胚軸から抽出したもの。イソフラボン含量が50質量%以上。)」
大豆種子由来抽出物の配合のための市販品:香栄興業社製「大豆エキスSK(含有する大豆種子エキスは、水で大豆種子から抽出したもの。)」
ブドウつる由来抽出物の配合のための市販品:サンブライト社製「レスベラトロールSK(含有するブドウつるエキスは、水及びエタノール混合液でブドウの蔓から抽出したもの。)」
ジオウ由来抽出物の配合のための市販品:一丸ファルコス社製「ファルコレックスジオウ」
【0036】
製造した実施例1〜6のシャンプーは、25℃のpHが6.0〜7.0の範囲内であった。同シャンプーのB型粘度計で測定した粘度は、測定条件を25℃、ローターNo.3、ローター回転数12rpm、測定開始から60秒後の粘度を読み取りの条件としたとき、4000〜6500mPa・sの範囲内であった。また、比較例1〜8のシャンプーについては、pHが6.0〜7.0の範囲内、粘度が4000〜6500mPa・sの範囲内であった。
【0037】
実施例1〜6及び比較例1〜8のシャンプーを目視観察し、濁りの有無を確認した。確認基準は、次の通りとした。
○:透明で濁りは認められなかった。
△:僅かに濁りが認められた。
×:濁りが認められた。
【0038】
濁りの有無を確認した結果を、下表2に示す。
【表2】

【0039】
(実施例7)
実施例7の毛髪処理剤として、水に次の配合濃度の透明シャンプーを製造した。このシャンプーのpHは6.1であり、目視による濁りが確認されなかった。
大豆胚軸抽出物0.5質量%、カチオン化セルロース(ポリクオタニウム−10)0.5質量%、オリーブ油PEG−7カルボン酸ナトリウム7質量%、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アシルグルタミン酸ナトリウム6質量%、ラウロイルシルクアミノ酸ナトリウム1質量%、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン3質量%、アルキル(C8〜16)グルコシド7質量%、ポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド3質量%、ラウリン酸スクロース0.4質量%、親油型モノオレイン酸グリセリン0.3質量%、抗炎症剤0.2質量%、防腐剤0.6質量%、キレート剤0.1質量%、香料0.3質量%
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明によれば、特定の植物由来抽出物の配合による析出生成を抑制できるので、その植物由来抽出物による毛髪全体への効果の均質化を期待できる。よって、ヘアケア剤等の毛髪処理剤全般に本発明を適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オウゴン由来の抽出物、コーヒーノキ種子由来の抽出物、大豆胚軸由来の抽出物、大豆種子由来の抽出物、ブドウつる由来の抽出物、及びジオウ由来の抽出物から選択された一種又は二種以上の植物由来抽出物と、
カチオン化高分子とが配合されたことを特徴とする
毛髪処理剤。
【請求項2】
前記植物由来抽出物の配合量が、0.005質量%以上である請求項1に記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
前記カチオン化ポリマーが、半合成カチオン化高分子から選択された一種又は二種以上である請求項1又は2に記載の毛髪処理剤。
【請求項4】
外観が透明である請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
【請求項5】
アニオン界面活性剤が配合された請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。
【請求項6】
シャンプーとして用いられる請求項5に記載の毛髪処理剤。



【公開番号】特開2011−190221(P2011−190221A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58624(P2010−58624)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(592255176)株式会社ミルボン (138)
【Fターム(参考)】