説明

毛髪化粧料

【課題】毛髪に塗布してから洗い流す濯ぎ時に亘って、充分な滑らか感、柔軟性や平滑性、さらに油性感を付与し、また乾燥後の毛髪に充分な滑らかさ、櫛通りのよさを付与できる毛髪化粧料の提供。
【解決手段】式(1)で表される3級アミン、ピロリドンカルボン酸、および高級アルコールを配合してなる、毛髪化粧料。


(式(1)中、R5はC数8〜30のアルキル基、Aはアミド基又はエーテル基、mは0又は1、Aがアミド基のときR6はC数2〜4のアルキレン基又はヒドロキシアルキレン基、Aがエーテル基のときR6はC数2〜4のアルキレン基、R7はアミド基又はエーテル基で分断されていてもよいC数8〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、あるいはC数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、R8はC数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、染毛剤、ムースなどの毛髪化粧料には、使用時の毛髪保護や感触の向上とともに、毛髪に柔軟性や平滑性、油性感を与え、乾燥後の毛髪に滑らかさ、櫛通りのよさ、しなやかな感触等を付与することが求められている。
【0003】
このような要求から、従来の毛髪化粧料には、カチオン界面活性剤として、種々の第4級アンモニウム塩やアミン塩が配合されている。これらの塩の対イオンとしては、Cl-などのハロゲンイオン(特許文献1)、またはメチル硫酸やエチル硫酸などの短鎖アルキル硫酸イオン、酢酸や酒石酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸、および長鎖アルキル基を有するカルボン酸やスルホン酸などの有機酸イオン(特許文献2、3)を用いる技術が報告されている。しかしながら、これらは毛髪への塗布、すすぎ時の使用感と、乾燥後の髪質改善の両方を同時に充分に満足するものではなかった。さらに、特定のエーテルアミン化合物を有機酸とともに用いることで、コンディショニング効果を高めることが提案されている(特許文献4、5、6、7)が、使用時の感触およびすすぎ後の髪質の改善において更なる向上が望まれている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−9346号公報
【特許文献2】国際公開第99/11226号パンフレット
【特許文献3】特開平9−118606号公報
【特許文献4】特開2004−2261号公報
【特許文献5】特開2004−67534号公報
【特許文献6】特開2004−323495号公報
【特許文献7】特開2007−161605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、毛髪に塗布してから洗い流す濯ぎ時に亘って、充分な滑らか感、柔軟性や平滑性、さらに油性感を付与し、また乾燥後の毛髪に充分な滑らかさ、櫛通りのよさを付与できる毛髪化粧料を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、カチオン界面活性剤としての特定の3級アミン化合物とピロリドンカルボン酸とを組み合わせて使用することで、毛髪に塗布してから濯ぎ時に亘って滑らか感や柔軟性、平滑性、油性感を付与し、乾燥後の毛髪にも、柔軟性、滑らかさ、櫛通りのよさを付与できることを見出した。
【0007】
本発明によれば、(a)下記一般式(1)で表される3級アミン、(b)ピロリドンカルボン酸、および(c)高級アルコールを配合してなる、毛髪化粧料が提供される。
【0008】
【化1】

【0009】
(上記一般式(1)中、R5は炭素数8〜30のアルキル基、−A−はアミド基またはエーテル基、mは0または1、−A−がアミド基のときR6は炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、−A−がエーテル基のときR6は炭素数2〜4のアルキレン基、R7はアミド基またはエーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、R8は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
【発明の効果】
【0010】
本発明の毛髪化粧料によれば、毛髪に塗布してから洗い流す濯ぎ時に亘って、充分な滑らか感、柔軟性や平滑性、さらに油性感を付与し、また乾燥後の毛髪にも、充分な柔軟性、滑らかさ、櫛通りのよさを付与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の毛髪化粧料は、下記成分(a)〜(c)を配合してなるものである。
(a)下記一般式(1)で表される3級アミン、
(b)ピロリドンカルボン酸、および
(c)高級アルコール
【0012】
【化2】

【0013】
(上記一般式(1)中、R5は炭素数8〜30のアルキル基、−A−はアミド基またはエーテル基、mは0または1、−A−がアミド基のときR6は炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、−A−がエーテル基のときR6は炭素数2〜4のアルキレン基、R7はアミド基またはエーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、R8は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
【0014】
成分(a)および(b)は、毛髪化粧料中において、該当する3級アミンのピロリドンカルボン酸塩の形態で存在していてもよい。また、これらの成分の毛髪化粧料への配合手順に特に制限はない。具体的には、成分(a)と成分(b)を別々に配合して毛髪化粧料としてもよい。また、成分(a)と成分(b)をあらかじめ混合して3級アミンのピロリドンカルボン酸塩を形成させてから毛髪化粧料中に配合してもよい。
以下、成分(a)〜(c)のそれぞれについて具体的に説明する。
【0015】
(成分(a))
本発明において、成分(a)の3級アミンは、疎水基を有し、水系中、酸性条件下でプロトンを付加してカチオン化し、界面活性を示す。上記一般式(1)で表される成分(a)を用いることにより、塗布からすすぎ時の使用感をより一層安定的に向上させることができる。
【0016】
上記一般式(1)において、毛髪に塗布した時の滑らか感と油性感の観点から、R5は炭素数10〜28のアルキル基が好ましく、炭素数14〜24のアルキル基がさらに好ましい。
【0017】
上記一般式(1)において、R7はアミド基またはエーテル基で分断されていてもよい炭素数14〜24の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基が好ましい。また、R7は、炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基およびヒドロキシアルキル基からなる群から選択される一種であることがさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基およびヒドロキシエチル基が挙げられる。
また、R8は、メチル基、エチル基およびヒドロキシエチル基からなる群から選択される一種であることが好ましく、メチル基またはエチル基がさらに好ましい。
なお、R7とR8とは、同じ基であってもよいし、異なる基であってもよい。
【0018】
上記一般式(1)において、−A−はアミド基またはエーテル基を示す。
また、mは0または1であり、乾燥後の滑らかさ、櫛通りのよさの観点から、m=1が好ましい。
【0019】
さらに、毛髪に塗布してから濯ぎ時に亘っての油性感と柔軟性とのバランスをより一層向上させる観点から、上記一般式(1)においてm=1かつ−A−がエーテル基であることが好ましく、このとき、上記一般式(1)は、下記一般式(1−1)となる。
【0020】
【化3】

【0021】
(上記一般式(1−1)において、R5からR8は、それぞれ、上記一般式(1)におけるR5からR8と同じである。)
【0022】
上記一般式(1−1)において、さらに具体的には、R5が炭素数14〜24のアルキル基であり、R6が炭素数2〜4のアルキレン基であり、R7およびR8が、それぞれ独立して、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基からなる群から選択される一種の基であるものが好ましい。こうすれば、毛髪に塗布してから濯ぎ時に亘って滑らか感をさらに確実に付与できる。
【0023】
また、m=1かつ−A−がアミド基であってもよく、このとき、上記一般式(1)は、下記一般式(1−2)となる。
【0024】
【化4】

【0025】
(上記一般式(1−2)において、R5からR8は、それぞれ、上記一般式(1)におけるR5からR8と同じである。)
【0026】
また、上記一般式(1)において、m=0であってもよい。このとき、上記一般式(1)は、下記一般式(1−3)となる。
【0027】
【化5】

【0028】
(上記一般式(1−3)において、R5からR8は、それぞれ、上記一般式(1)におけるR5からR8と同じである。)
【0029】
上記一般式(1)で表される3級アミンの具体例としては、ベヘニルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン等のm=0の化合物;
パルミトキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン等のm=1、−A−がエーテル基の化合物;および
ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド等のm=1、−A−がアミド基の化合物などが挙げられる。
【0030】
なお、本発明における毛髪化粧料は、成分(a)3級アミンとして、1種類の化合物を配合したものであってもよいし、2種以上の化合物を配合したものであってもよい。たとえば、上記一般式(1)において−A−がエーテル基であり、mが1である化合物と、前記一般式(1)において−A−がアミド基であり、mが1である化合物とを組み合わせて用いてもよい。
【0031】
また、本発明における毛髪化粧料には、成分(a)つまり上記一般式(1)で表される3級アミンに加えて、他の3級アミンがさらに配合されていてもよい。他の3級アミンとして、たとえば、ステアロキシヒドロキシプロピルジメチルアミン等のヒドロキシエーテル型の3級アミンが挙げられる。
【0032】
(成分(b))
本発明において、成分(b)は、D体および/またはL体であるピロリドンカルボン酸(以下、「PCA」とも呼ぶ。)であり、上記一般式(1)で表される3級アミンを中和することで、3級アミンをカチオン性活性剤として作用させる。ピロリドンカルボン酸はピログルタミン酸と呼ばれることもある。成分(b)は、D−ピロリドンカルボン酸/L−ピロリドンカルボン酸=50/50等のDL混合物であってもよいし、L−ピロリドンカルボン酸またはD−ピロリドンカルボン酸を単独で含んでいてもよい。
【0033】
(成分(c))
本発明において、成分(c)は、具体的には炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有する高級アルコールであり、毛髪に塗布した時の滑らか感と油性感の観点から、炭素数10〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有する高級アルコールが好ましく、炭素数12〜26の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基を有する高級アルコールがさらに好ましい。
【0034】
成分(c)の具体例としては、セタノール(セチルアルコール)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等が挙げられる。これらは1種以上を混合して用いることができる。
【0035】
(成分(d))
本発明における毛髪化粧料は、さらに、特定の有機溶剤(d)を含んでもよい。特定の有機溶剤として、具体的には、次の(d1)〜(d6)から選ばれる有機溶剤が用いられる。
(d1):下記一般式(2)で表される化合物
【0036】
【化6】

【0037】
(上記一般式(2)中、R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または基R21−Ph−R22(R21:水素原子、メチル基またはメトキシ基、R22:結合手または炭素数1〜3の飽和もしくは不飽和の二価の炭化水素基、Ph:フェニレン基)を示し、YおよびZは、それぞれ独立して、水素原子または水酸基を示し、p、qおよびrは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、R1は水素原子および基R21−Ph−のいずれでもなく、Zは水酸基である。)
(d2):窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基が結合したN−アルキルピロリドン
(d3):炭素数2〜4のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート
(d4):分子量100〜5000のポリプロピレングリコール
(d5):下記一般式(3)、(4)または(5)で表されるラクトンまたは環状ケトン
【0038】
【化7】

【0039】
(上記一般式(3)〜(5)中、Xは、メチレン基または酸素原子を示し、R3およびR4は、相異なる置換基を示し、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1を示す。)
【0040】
(d6):下記一般式(6)で表されるジオール類
【0041】
【化8】

【0042】
(上記一般式(6)中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜6の整数を示す。)
【0043】
本発明において、成分(d)である有機溶剤のうち、(d1)としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、プロピルカルビトール、ブチルカルビトール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリン等が挙げられる。
【0044】
(d2)としては、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドン等が挙げられる。
【0045】
(d3)としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。
【0046】
(d4)のポリプロピレングリコールとしては、毛髪に塗布した後にすすぐ時の滑らか感と柔軟性の観点で、分子量100〜1000のものが好ましい。
【0047】
(d5)において、上記一般式(3)〜(5)中のR3およびR4としては、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、水酸基、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基、フェニル基、スルホアルキル基、リン酸アルキル基、カルボキシアルキル基等が好ましく、中でも、γ−ラクトンの場合にはγ位、δ−ラクトンの場合にはδ位(すなわちヘテロ酸素原子の隣接メチレン)に置換した、炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等が好ましい。
【0048】
また、上記一般式(3)〜(5)に示した化合物の水溶性を増大させたい場合には、R3またはR4として、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシ基等の酸性基やこれらが置換したアルキル基を有するのが好ましい。
【0049】
(d5)のうち、ラクトンとしては、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、δ−カプロラクトン、δ−ヘプタノラクトン等が挙げられるが、ラクトンの安定性の点から、γ−ラクトン、特にγ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトンが好ましい。
【0050】
(d5)のうち、環状ケトンとしては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、4−メチルシクロヘプタノン等が挙げられる。
【0051】
(d6)としては、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール等が好ましい。
【0052】
特に好ましい成分(d)として、ベンジルアルコール、2−ベンジルオキシエタノール、プロピレンカーボネート、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールおよび1,3−ブタンジオールが挙げられる。
【0053】
成分(d)は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、使用感、ツヤおよび柔軟性の向上の点から、本発明の毛髪化粧料中の0.01〜50質量%が好ましく、さらには0.1〜35質量%、特に0.5〜10質量%が好ましい。
【0054】
(毛髪化粧料)
本発明における毛髪化粧料は、上述した成分(a)〜成分(c)を配合してなる。3級アミン塩の対イオンとしてピロリドンカルボン酸を使用し、成分(c)を含む構成とすることで、3級アミン塩および高級アルコールより形成される2分子膜が、毛髪に塗布してから濯ぎ時に亘って、滑らか感や柔軟性、平滑性、油性感と、乾燥後の柔軟性、滑らかさ、櫛通りのよさを付与するのに寄与すると考えられる。
本発明における毛髪化粧料は、より好適には、成分(a)〜成分(d)が配合されたものである。成分(d)を配合することにより、毛髪の空洞補修効果をさらに向上させ、乾燥後の滑らかさまたは櫛通りのよさをより一層向上させることができる。
【0055】
本発明の毛髪化粧料は、毛髪にツヤ、柔軟性、まとまり、しなやかさを付与する観点より、毛髪に適用する際のpH(水で20質量倍に希釈時、25℃)が2〜5であるのが好ましく、さらにpH2.5〜4、特にpH3〜4であるのが好ましい。
【0056】
本発明の毛髪化粧料において、成分(a)の配合量は、毛髪に良好な感触を与える観点から、0.1〜20質量%が好ましく、0.2〜15質量%がさらに好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
また、成分(b)の配合量は、成分(a)と成分(b)とで塩を形成させて、毛髪に良好な感触を与え、また製品の分層、固化等を抑制し良好な安定性を得る観点から、成分(a)に対し0.1〜20モル倍が好ましく、0.3〜10モル倍がさらに好ましく、0.5〜5モル倍が特に好ましい。
【0057】
上記成分(a)および(b)により形成される3級アミンのピロリドンカルボン酸塩の毛髪化粧料全体に対する含有量は、毛髪に良好な感触を与える観点から、たとえば0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上とする。また、毛髪に塗布するのに良好な形態を有する観点では、毛髪化粧料全体に対する3級アミンのピロリドンカルボン酸塩の含有量を、たとえば20質量%以下、好ましくは15質量%以下とする。
【0058】
また、本発明における毛髪化粧料において、成分(c)の配合量は、毛髪の良好な感触や乳化/分散安定性の観点から、本発明の毛髪化粧料中に0.01〜30質量%が好ましく、0.5〜25質量%がさらに好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
【0059】
本発明の毛髪化粧料は、さらに毛髪に与える感触をさらに向上させるため、成分(c)以外の油性成分を含有することが好ましい。かかる油性成分としては、エステル油、両親媒性アミド化合物、シリコーン、分岐脂肪酸またはその塩、炭化水素類等が挙げられる。
【0060】
本発明に用いられるエステル油としては、炭素数8〜40の脂肪酸と炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステル類、好ましくは炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数1〜3の直鎖または分岐鎖のアルコールとのエステル類であり、具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル等が挙げられる。
【0061】
本発明に用いられる両親媒性アミド化合物としては、下記一般式(7)で表されるジアミド化合物から選ばれるものが挙げられる。
【0062】
【化9】

【0063】
(上記一般式(7)中、R9は水酸基および/またはアルコキシ基が置換していてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖の炭化水素基を示し、R10は炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の二価炭化水素基を示し、R11は炭素数1〜22の直鎖または分岐鎖の二価炭化水素基を示す。)
【0064】
上記一般式(7)において、R9としては、水酸基および炭素数1〜6のアルコキシ基から選ばれる1から3個が置換していてもよい炭素数1〜12の直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましい。中でも、無置換の炭素数1〜12のアルキル基、または水酸基が1または2個、炭素数1〜6のアルコキシ基が1個、もしくは水酸基と炭素数1〜6のアルコキシ基が1個ずつ置換した、炭素数2〜12のアルキル基がより好ましい。
【0065】
上記一般式(7)において、R10としては、炭素数2〜5、さらには炭素数2または3の直鎖または分岐鎖のアルキレン基が好ましい。R11としては、炭素数2〜22の直鎖または分岐鎖の二価炭化水素基が好ましく、さらには炭素数11〜22の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、および1から4個の二重結合を有するアルケニレン基が好ましい。
【0066】
より好ましい上記一般式(7)で表されるジアミド化合物は、R9、R10およびR11として、それぞれ上で挙げた好ましい基を組み合わせた化合物であり、その具体例として、以下の化合物が挙げられる。
【0067】
【化10】

【0068】
両親媒性アミド化合物は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、損傷を回復または抑制させる効果の観点から、本発明の毛髪化粧料中に0.01〜10質量%が好ましく、さらには0.05〜5質量%が好ましい。
【0069】
本発明に用いられるシリコーンとしては、シリコーンゴム、シリコーン油、官能基変性シリコーンなどを含み、たとえば以下の(A)〜(E)等のシリコーンが挙げられる。
(A)下記一般式(8)で表されるジメチルポリシロキサン
【0070】
【化11】

【0071】
(上記一般式(8)中、aは3以上の数を表す。)
ジメチルポリシロキサンの具体例としては、たとえばSH200Cシリーズ、10cs、50cs、200cs、1000cs、5000cs、BY11−003、BY11−026、BY22−019(東レ・ダウコーニング社製)、KF−96シリーズ、1000cs、5000cs、KF−9008、KF−9013(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0072】
高分子量のジメチルポリシロキサンを本発明の毛髪化粧料中に配合する場合、液状油に溶解して配合するか、予めカチオン性界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性界面活性剤水溶液中で調製したエマルションや分散液を使用することが好ましい。液状油としては、上記一般式(8)においてaが3〜650であるものや環状シリコーンまたはイソパラフィン系炭化水素等を挙げることができる。
【0073】
(B)下記一般式(9)で表されるアミノ変性シリコーン
【0074】
【化12】

【0075】
(上記一般式(9)中、R12はメチル基、R13はR14と同一の基またはメチル基または水酸基を表し、R14は−R15−Q(ここでR15は炭素数3〜6の2価の炭化水素基を表し、Qは1から3級アミノ基含有基またはアンモニウム基含有基を示す。)で表される反応性官能基を示し、bおよびcは正の整数で、b+cは分子量に依存する。)
【0076】
上記一般式(9)において、好ましい平均分子量は3000〜100000である。
上記一般式(9)に示したシリコーンとして、たとえばSS−3551、BY22-079(東レ・ダウコーニング社製)、KF-8004(信越化学工業製)が挙げられる。アミノ変性シリコーンを水性乳濁液として用いる場合、該水性乳濁液中に含まれるアミノ変性シリコーンの量は20〜60質量%が好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。好ましいアミノ変性シリコーン水性乳濁液としては、SM8904 COSMETIC EMULSION(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
【0077】
(C)ポリエーテル変性シリコーン
ポリエーテル変性シリコーンとしては、たとえばSH3771M、SS−2801、BY22−008、FZ−2222(東レ・ダウコーニング社製)、KF−6011、KF−6017(信越化学工業製)等が挙げられる。
(D)フッ素変性シリコーン
(E)アルキル変性シリコーン
【0078】
本発明に用いられる分岐脂肪酸またはその塩としては、下記一般式(10)で表される分岐脂肪酸またはその塩から選ばれるものが挙げられる。
【0079】
【化13】

【0080】
(上記一般式(10)中、R16はメチル基またはエチル基を示し、dは3〜36の整数を示す。)
【0081】
上記一般式(10)で表される分岐脂肪酸は、たとえば、LIPIDS、vol.23、No.9、p.878〜881(1988年)の記載に従い、毛髪などから分離、抽出することもできるが、特開平4−173719号公報、国際公開第98/30532号パンフレットに記載の方法に従って合成することもできる。
【0082】
上記一般式(10)において、総炭素数が7〜40、さらには8〜40、特に10〜22であるものが好ましい。このような脂肪酸として、具体的には、18−メチルエイコサン酸、14−メチルペンタデカン酸、14−メチルヘキサデカン酸、16−メチルヘプタデカン酸、17−メチルオクタデカン酸等が挙げられる。
【0083】
上記一般式(10)で表される分岐脂肪酸の塩の具体例としては、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩;トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩等の有機アミン塩;リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩が挙げられる。
【0084】
分岐脂肪酸は、合成品であっても抽出品であってもよく、抽出品としては、ラノリンからの抽出物、すなわちラノリン脂肪酸およびその塩が挙げられる。ラノリン脂肪酸は、イソ脂肪酸、アンテイソ脂肪酸と呼ばれるメチル分岐長鎖脂肪酸を50質量%程度含有する。具体的には、クロダシッド18−MEA(クローダジャパン(株))、スクライロ(クローダジャパン(株))、FA−NH(日本精化(株))が挙げられる。
【0085】
上記一般式(10)で表される分岐脂肪酸は、2種以上を併用してもよい。また、合成品と抽出品を組み合わせて使用してもよい。
【0086】
上記一般式(10)で表される分岐脂肪酸は、成分(a)の3級アミンの塩を形成する有機酸として用いてもよい。また、あらかじめ3級アミンと分岐脂肪酸とを混合して中和し、酸付加塩として用いてもよい。なお、本発明の毛髪化粧料において、成分(a)と分岐脂肪酸とは疎水性の複合体を形成すると推定される。
【0087】
本発明に用いられる炭化水素類としては、流動イソパラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
【0088】
これら油性成分は、2種以上を併用してもよく、本発明の毛髪化粧料における油性成分の含有量は、毛髪に良好な感触を与え、かつ他の配合成分との兼ね合いに応じて適宜選択することができるが、一般的には0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜25質量%がさらに好ましく、0.1〜20質量%が特に好ましい。
【0089】
本発明の毛髪化粧料は、さらに毛髪へのつやを付与するためおよびpHを調整するために、前記の分岐脂肪酸およびピロリドンカルボン酸以外の有機酸を配合することができる。かかる有機酸としては、炭素数10以下の有機酸が好ましく、アルキルリン酸、アルキルスルホン酸、アルキル硫酸等の炭素数10以下の短鎖アルキル基を有する酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の酸性アミノ酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸等の芳香族酸、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸等が挙げられる。
【0090】
このうち、ヒドロキシ酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、パントテン酸等のモノヒドロキシカルボン酸、リンゴ酸、酒石酸等のヒドロキシジカルボン酸、クエン酸等のヒドロキシトリカルボン酸が挙げられる。
【0091】
ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸等が挙げられる。
【0092】
中でも、毛髪に対する保湿および柔軟化効果をもたらすという点から、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸、酸性アミノ酸が好ましく、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、グルタミン酸、アスパラギン酸がさらに好ましく、リンゴ酸、乳酸、グルタミン酸およびグリコール酸からなる群から選択される一種以上の有機酸を含むことがより一層好ましい。本発明の毛髪化粧料において、特に、成分(b)のピロリドンカルボン酸とリンゴ酸とを併用することにより、毛髪の空洞補修効果および乾燥後のツヤをさらに向上させることができる。PCAとリンゴ酸を組み合わせて用いる場合、毛髪化粧料中に配合されるPCA対リンゴ酸の比率は、モル比で1:1〜8:1、特に2:1〜8:1とすることが、塗布時からすすぎ時に亘っての使用感の向上と乾燥後の髪の滑らかさまたは櫛通りのよさをより一層向上させることができるので好ましい。
なお、本発明において、グルタミン酸は、ピロリドンカルボン酸中の不純物として、毛髪化粧料中に含有されることがある。
【0093】
本発明の毛髪化粧料には、カチオン界面活性剤を配合することができる。
カチオン界面活性剤としては、化粧品原料として用いられるものであれば特に限定されず、たとえば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウムなどの塩化アルキルトリメチルアンモニウム;
塩化ジセチルジメチルアンモニム、塩化ジラウリルジメチルアンモニム、塩化ジステアリルジメチルアンモニムなどの塩化ジアルキルジメチルアンモニウム;
塩化ベンザルコニウム等を例示することができる。これらの1種を単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0094】
毛髪に良好な感触を与える観点では、上記したカチオン界面活性剤のうち、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等の塩化アルキルトリメチルアンモニウムを用いるのが好ましい。
【0095】
本発明の毛髪化粧料には、さらに、平均分子量1000〜1000万の水溶性高分子を配合することができる。
かかる水溶性高分子としては、たとえばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール共重合体、ポリエチレングリコール等が挙げられる。これらの水溶性高分子のうち、特にヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコールが好ましい。これらの水溶性高分子は2種以上を併用してもよい。
【0096】
水溶性高分子の含有量は、本発明の毛髪化粧料組成物中、毛髪に塗布した後濯ぐ時の滑らか感の観点では、0.01〜5質量%が好ましく、0.01〜2質量%がさらに好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
【0097】
本発明の毛髪化粧料には、上記成分のほか、通常の毛髪化粧料に用いられる成分を目的に応じて適宜配合できる。このような成分としては、たとえばグリチルリチン酸ジカリウムなどの抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;ソルビトール、パンテノール等の保湿剤;染料、顔料等の色素または着色剤;粘土鉱物;前述の有機酸のほか、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸等)、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等)等のpH調整剤;植物エキス類;パール化剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;その他エンサイクロペディア・オブ・シャンプー・イングリーディエンツ(ENCYCLOPEDIA OF SHAMPOO INGREDIENTS (Hunting, Anthony L.L.著、1983年発行、MICELLE PRESS))に記載されている成分等が挙げられる。
【0098】
また本発明の毛髪化粧料は、リンスインシャンプー、トリートメント、コンディショナー(リンス)および、ブロー剤等のスタイリング剤が好ましく、特にリンス組成物とするのが好ましい。
【0099】
本発明の毛髪化粧料によれば、毛髪に塗布してから洗い流す濯ぎ時に亘って、充分な滑らか感、柔軟性や平滑性、さらに油性感、また乾燥後に充分な滑らかさ、櫛通りのよさを付与することができる。また、たとえば、増粘性(ゲル形成性)と経時安定性に優れたものとすることも可能となる。また、たとえば、乾燥後の毛髪にしなやかな感触およびつやを付与することも可能となる。
【実施例】
【0100】
以下、例中の%は、特記しない限り質量%である。
以下の例で用いた3級アミン(a−1)〜(a−4)の化学式をまとめて表1に示す。
【0101】
【表1】

【0102】
(a−1)日光ケミカルズ(株)製のNIKKOLアミドアミンMPS
(a−2)ベヘノイルアミドプロピルジメチルアミン、R:C1735/C1939/C2143/C2347=1/7/89/2%
(a−3)ステアロキシプロピルジメチルアミン、花王(株)製のファーミンDM−E80
(a−4)3−オクタデシルオキシ−2−ヒドロキシプロピルジメチルアミン
これらの3級アミンのうち、(a−1)〜(a−3)は、上記一般式(1)で表される3級アミンに該当する。
【0103】
(実施例1〜3および比較例1〜3)
3級アミン(成分(a))として(a−3)を、成分(b)としてD−PCAおよびL−PCAを、比較の酸として乳酸、L−グルタミン酸又は塩酸を、成分(c)としてステアリルアルコールを、成分(d)としてジプロピレングリコールをそれぞれ用い、表2に示す組成のヘアリンス剤を常法により調製した。これらのヘアリンス剤について、下記の方法により毛髪への塗布時、濯ぎ時および乾燥後の性能を評価した。結果を表2に示す。
【0104】
<評価方法>
コールドパーマ等の化学処理をしていない日本人女性の毛髪20g(長さ20cm、平均直径80μm)を束ね、シャンプー5gを用いて洗浄した。このシャンプー組成は、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12)エーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシド平均付加モル数2.5)15%、ジエタノールアミド3%、残部は水である。
その後、ヘアリンス剤の2.0gを平均に塗布し、30秒間約40℃の流水で濯いだ。この塗布時および濯ぎ時の柔軟性、塗布時の油性感、濯ぎ時の平滑性、および乾燥後の柔軟性、櫛通り感について、専門パネラー10人で、下記基準で官能評価した。
◎:8人以上が効果あると回答
○:6〜7人が効果あると回答
△:3〜5人が効果あると回答
×:2人以下が効果あると回答
【0105】
【表2】

【0106】
(実施例4〜8、参考例1):3級アミンの種類
表3に示す3級アミン、酸および成分(c)、(d)を用い、表3に示す組成のヘアリンス剤を常法により製造した。これらのヘアリンス剤について、実施例1と同様にして毛髪への塗布時、濯ぎ時および乾燥後の性能を評価した。結果を表3に示す。
【0107】
【表3】

【0108】
(実施例9〜15、比較例4〜7):有機酸の併用
表4に示す3級アミン、酸および成分(c)、(d)を用い、表4に示す組成のヘアリンス剤を常法により製造した。これらのヘアリンス剤について、実施例1と同様にして毛髪への塗布時、濯ぎ時および乾燥後の性能を評価した。結果を表4に示す。
【0109】
【表4】

【0110】
(実施例16〜21、比較例8〜10):有機酸の併用
表5に示す3級アミン、酸および成分(c)、(d)を用い、表5に示す組成のヘアリンス剤を常法により製造した。
これらのヘアリンス剤について、実施例1と同様にして毛髪への塗布時、濯ぎ時および乾燥後の性能を評価した。結果を表5に示す。
【0111】
【表5】

【0112】
実施例1〜21のヘアリンス剤は、いずれも、塗布時の感触がよく、充分な増粘性(ゲル形成性)を有していた。また、乾燥後についても、しなやかな感触で、つやも良好であった。
また、実施例1〜21のヘアリンス剤について、室温(25℃)で1ヶ月保存した後の粘度上昇を確認したところ、使用に不都合な程度の著しい増粘は認められなかった。
【0113】
成分(a)としてエーテルアミン型の(a−3)を用いることにより、アミドアミン型の(a−1)および(a−2)を用いた場合に比べて、毛髪に塗布してから濯ぎ時に亘っての油性感と柔軟性とのバランスがより一層向上した。
また、エーテルアミン型の3級アミンとして(a−3)を用いることにより、ヒドロキシエーテルアミン型の(a−4)を用いた場合に比べて、毛髪に塗布してから濯ぎ時に亘っての柔軟性がより一層向上した。
【0114】
(実施例22)
下記組成のヘアコンディショナーを製造した。このヘアコンディショナーは、塗布時、濯ぎ時の柔軟性や平滑性、油性感を付与し、乾燥後の毛髪に充分な滑らかさと艶があり、櫛通りも良好であった。
【0115】
<組成>
(a−3) 1.50%
(a−2) 0.25%
DL−PCA*1 1.05%
グリコール酸 0.20%
ステアリルアルコール 5.50%
ベンジルアルコール 0.50%
ジプロピレングリコール 2.50%
イソステアリン酸コレステリル 0.10%
ヒドロキシエチルセルロース*2 0.10%
ジメチルポリシロキサン*3 2.00%
ジメチルポリシロキサン*4 2.00%
アミノ変性シリコーン*5 0.50%
香料 適量
精製水 残量
(pH3.3)
*1 味の素(株)製 AJIDEW A−100
*2 ダイセル化学工業(株)製 HECダイセル SE850K
*3 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−026
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
【0116】
(実施例23)
下記組成の抗フケ効果のあるヘアコンディショナーを製造した。このヘアコンディショナーは、塗布時、濯ぎ時の柔軟性や平滑性、油性感を付与し、乾燥後の毛髪に充分に滑らかで櫛通りも良好であり、抗フケ効果も確認できた。
【0117】
<組成>
(a−3) 1.50%
DL−PCA*1 1.00%
リンゴ酸 0.50%
ステアリルアルコール 4.00%
グリチルリチン酸ジカリウム*2 0.10%
ベンジルオキシエタノール 1.00%
パルミチン酸イソプロピル 0.50%
ハイブリッドヒマワリ油 0.50%
ヒドロキシエチルセルロース*3 0.30%
ジメチルポリシロキサン*4 3.00%
アミノ変性シリコーン*5 0.20%
香料 適量
精製水 残量
(pH3.7)
*1 味の素(株)製 AJIDEW A−100
*2 (株)常盤植物化学研究所製 グリチノンK2
*3 ダイセル化学工業(株)製 HECダイセル SE850K
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
【0118】
(実施例24)
下記組成のヘアトリートメント剤を製造した。このヘアトリートメント剤は、塗布時、濯ぎ時の柔軟性や平滑性、油性感を付与し、乾燥後の毛髪に充分な滑らかさがあり、櫛通りも良好であった。
【0119】
<組成>
(a−3) 2.50%
DL−PCA*1 1.30%
リンゴ酸 0.20%
乳酸 0.20%
ステアリルアルコール 8.00%
ベンジルアルコール 1.00%
ジプロピレングリコール 5.00%
18−メチルエイコサン酸*2 0.10%
ジペンタエリトリット脂肪酸エステル 0.30%
ポリプロピレングリコール*3 0.20%
ジメチルポリシロキサン*4 3.00%
ジメチルポリシロキサン*5 2.00%
アミノ変性シリコーン*6 0.50%
(ビスイソブチルPEG−15/アモジメチコン)コポリマー*7 0.20%
香料 適量
精製水 残量
(pH3.3)
*1 味の素(株)製 AJIDEW A−100
*2 クローダジャパン(株)製 クロダシッド18MEA
*3 ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製 ポリオックスWSR N−60K
*4 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−040
*5 東レ・ダウコーニング(株)製 BY11−026
*6 東レ・ダウコーニング(株)製 SM8904 COSMETIC EMULSION
*7 東レ・ダウコーニング(株)製 DOW CORNING TORAY SS−3588
【0120】
なお、以上の実施例では、毛髪化粧料中に特定の量の成分(a)を配合したが、成分(a)の配合量を、毛髪化粧料全量に対してたとえば0.1〜20質量%の範囲とした場合にも、塗布から濯ぎ時、乾燥後の使用感に優れる毛髪化粧料を得ることができる。
また、以上の実施例では、成分(b)と成分(a)の配合比を特定の値に設定したが、成分(b)の配合量を、成分(a)に対してたとえば0.1〜20モル倍の範囲とした場合にも、塗布から濯ぎ時、乾燥後の使用感に優れる毛髪化粧料を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記一般式(1)で表される3級アミン、
(b)ピロリドンカルボン酸、および
(c)高級アルコール
を配合してなる、毛髪化粧料。
【化1】

(上記一般式(1)中、R5は炭素数8〜30のアルキル基、−A−はアミド基またはエーテル基、mは0または1、−A−がアミド基のときR6は炭素数2〜4のアルキレン基またはヒドロキシアルキレン基、−A−がエーテル基のときR6は炭素数2〜4のアルキレン基、R7はアミド基またはエーテル基で分断されていてもよい炭素数8〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あるいは炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基、R8は炭素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはヒドロキシアルキル基を示す。)
【請求項2】
前記(a)3級アミンが、前記一般式(1)において−A−がエーテル基であり、mが1である化合物と、前記一般式(1)において−A−がアミド基であり、mが1である化合物との組合せである、請求項1に記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
さらに、下記成分(d)を含有する、請求項1または2に記載の毛髪化粧料。
(d):次の(d1)〜(d6)から選ばれる有機溶剤
(d1):下記一般式(2)で表される化合物
【化2】

(上記一般式(2)中、R1は、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または基R21−Ph−R22(R21:水素原子、メチル基またはメトキシ基、R22:結合手または炭素数1〜3の飽和もしくは不飽和の二価の炭化水素基、Ph:フェニレン基)を示し、YおよびZは、それぞれ独立して、水素原子または水酸基を示し、p、qおよびrは、それぞれ独立して、0〜5の整数を示す。ただし、p=q=0であるときは、R1は水素原子および基R21−Ph−のいずれでもなく、Zは水酸基である。)
(d2):窒素原子に炭素数1〜18のアルキル基が結合したN−アルキルピロリドン
(d3):炭素数2〜4のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート
(d4):分子量100〜5000のポリプロピレングリコール
(d5):下記一般式(3)、(4)または(5)で表されるラクトンまたは環状ケトン
【化3】

(上記一般式(3)〜(5)中、Xは、メチレン基または酸素原子を示し、R3およびR4は、相異なる置換基を示し、aおよびbは、それぞれ独立して、0または1を示す。)
(d6):下記一般式(6)で表されるジオール類
【化4】

(上記一般式(6)中、sおよびtはそれぞれ独立して0〜6の整数を示す。)
【請求項4】
さらに、リンゴ酸、乳酸、グルタミン酸およびグリコール酸からなる群から選択される一種以上の有機酸を含む、請求項1乃至3いずれかに記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
水で20質量倍に希釈したときの25℃におけるpHが2〜5である、請求項1乃至4いずれかに記載の毛髪化粧料。

【公開番号】特開2009−161452(P2009−161452A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340021(P2007−340021)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】