説明

毛髪化粧料

【課題】安定したゲル形成能を示し、さらに使用感触の優れた毛髪化粧料を提供する。
【解決手段】本発明の毛髪化粧料は、(a)下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.1〜60質量%と、(b)揮発性炭化水素油または/および揮発性シリコーン油0.1〜99質量%と、(c)シリコーン誘導体と、(d)水0.1〜10質量%を含み、油分が連続相であることを特徴とする。
(化1)
O−[(AO)(EO)(AO)]−R (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、l、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R及びRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子である。より好ましくは、R及びRが同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧料に関する技術分野の発明である。より具体的には、本発明は、油性毛髪化粧料に関する発明であり、特に適用後に水で洗い流さないで使用される油性毛髪化粧料に関する発明である。更に詳細には、使用感が良好で、櫛通り性も良く、毛髪になめらかな感触を付与し、かつ良好な整髪力を保持させるとともに、毛髪に対して優れた光沢を与えることができる油性毛髪化粧料に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪化粧料においては、髪の指通り性を良くし、艶を付与するとともに、べたつきのない良好な使用感などが要望されている。
【0003】
一方、おしゃれ意識や清潔意識の向上に伴い、洗髪頻度の増加や女性のヘアパーマ、ヘアカラー、ヘアドライヤーなどの使用頻度が増加するとともに、毛髪損傷の問題が大きくなってきている。特に毛髪の損傷により、毛先のパサツキが生じるとか、櫛通りが悪くなる、艶がなくなるなどの問題が発生している。
特に近年は、軽さ、ナチュラル感、動きのあるヘアスタイルを実現するために、繰り返しのヘアカラーやパーマなどにより、髪の傷みはかなり深刻化しているのが現状である。
【0004】
そこで、毛髪にコンディショニング効果を付与したり毛髪の損傷を和らげたりするために種々のアミノ酸およびアミノ酸誘導体を用いた数々の技術が公開されている。例えば、塩基性アミノ酸を配合することで毛髪の摩擦を低下させブローによるダメージを防止する技術(例えば、特許文献1)や毛髪の指通りをよくし乾燥後のつやや滑らかさを与える技術(例えば、特許文献2)、パーマネントウェーブによる毛髪損傷を和らげ、ウェーブを良好に保つ技術(例えば、特許文献3)などが開示されてきている。
【0005】
一方、ヘアオイルのような油性毛髪化粧料は、表面が親水化したダメージ毛に対し塗布することで擬似的に毛髪表面を疎水化し、髪の指通り性を良くし、なめらか感を付与することが知られている。
しかしながら、これらヘアオイル基剤は、毛髪塗布時のたれ落ちや、油性成分による手のべたつきという欠点を有している。
そこで、化粧品等の分野において、使用感触や安定性を向上させるために、油分をゲル化させることが有効な手段として用いられている。
【0006】
すなわち、上記問題点を改善すべく種々の油性のゲル組成物が開発されており、例えば油分ゲル化剤として、12−ヒドロキシステアリン酸を用いた技術(例えば、特許文献4)、N−アシルアミノ酸アミド(例えばN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドなど)またはN−アシルアミノ酸アミン塩(例えばNα,Nω−ジラウロイル−L−リジンステアリルアミン塩など)を用いた技術(例えば、特許文献5)、ポリエーテル変性シリコーンを用いた技術(例えば、特許文献6)、パルミチン酸デキストリン等のデキストリン脂肪酸エステルを用いた技術(例えば、非特許文献1)などが提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−278630号公報
【特許文献2】特開平5−262623号公報
【特許文献3】特開平6−107528号公報
【特許文献4】特開平1−163111号公報
【特許文献5】特公昭53−27776号公報
【特許文献6】特開平7−100358号公報
【非特許文献1】吉村淳「液状油脂ゲル化剤の開発と応用」、フレグランス・ジャーナル、No.33(1978)、26〜31頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら従来のゲル化剤には、系は増粘するものの、粘度が低すぎる、ボソボソした固まりになる、温度安定性が悪い、配合する界面活性剤との相性が悪い、などの問題点があり、また使用感触も満足できるものではなかった。
本発明は上記問題点に鑑み行われたものであり、安定したゲル形成能を示し、さらに使用感触の優れた毛髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体、揮発性炭化水素油および/または揮発性シリコーン油、シリコーン誘導体、及び水とを含有した油系の毛髪化粧料が、使用時にたれ落ちを起こさない程度のゲル状を保持し、毛髪損傷改善効果を有するとともに、のびの軽さ、べたつき感のなさ、なめらかさにおいて優れた使用感触を発揮し、且つ低皮膚刺激性であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の毛髪化粧料は、
(a)下記式(1)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体を0.1〜60質量%と、
(b)揮発性炭化水素油または/および揮発性シリコーン油0.1〜99質量%と、
(c)シリコーン誘導体
(d)水0.1〜10質量%とを含み、油分が連続相であることを特徴とする。
(化1)
O−[(AO)(EO)(AO)]−R (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、l、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R及びRは、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子である。)
また、前記毛髪化粧料において、極性油を含有することが好適である。
さらに、前記毛髪化粧料において、ゲル状であることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明にかかる毛髪化粧料は、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体、揮発性油、シリコーン誘導体、及び水とを配合することにより、使用感触が良好で、櫛通り性も良く、毛髪になめらかな感触を付与し、かつ良好な整髪力を保持させるとともに、毛髪に対して優れた光沢を与えることができる。
また、本発明にかかる毛髪化粧料は、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体を用いることにより、従来のゲル化剤では粘度が低い、もしくは固まりが生じるなどの理由から達成できなかった安定性の高いゲル状の毛髪化粧料を簡易に形成することができる。それにより、使用時のたれ落ちのない使い易い剤型で製品を提供することができる。さらに、たれ落ちがないことで使用量に無駄が減り、効率よく使用できると考えられる。
また、本発明にかかる毛髪化粧料はその含有油分の分散性が高く、従来品よりもダメージ毛へのなじみの良い優れた使用感触が得られる。なお、髪に塗布した毛髪化粧料を洗い流す際も、シャンプーやリンスなどにより容易に洗浄することができる。
また、本発明にかかる毛髪化粧料は、従来では経時的に白濁するなどして為し得なかった高い透明性の外観を呈するため、見た目にも優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
(a)ブロック型アルキレンオキシド誘導体
本発明の毛髪化粧料に含まれるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、下記式(I)で示される。
(化1)
O−[(AO)(EO)(AO)]−R (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、l、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R及びRは、同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基または水素原子である。)
【0012】
上記式(I)において、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、具体的には、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、より好ましくは、オキシブチレン基である。なお、EOはオキシエチレン基である。
mはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは5≦m≦55である。l、nは炭素数3〜4のオキシアルキレン基の平均付加モル数であり、1≦l+n≦70、好ましくは2≦l+n≦50である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基またはオキシエチレン基が0であるとなめらかさが落ち、70を超えると洗浄後のべたつき感がでてくる傾向にある。
【0013】
及びRは炭素数1〜4の炭化水素基もしくは水素原子で、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。炭素数5以上の炭化水素基では親水性が低下し、潤い感が低下する傾向にある。
また、R及びRはそれぞれ同種のものを用いても、炭素数1〜4の炭化水素基と水素原子とが混在しても、異種の炭素数1〜4の炭化水素基が混在してもよい。より好ましくは、R及びRが同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。R及びRが共に水素原子、又は炭化水素と水素原子が混在するものでは、洗い流し後のべたつき感がやや劣る。
【0014】
本発明のアルキレンオキシド誘導体としては、具体的にはPOE(9)POP(2)ジメチルエーテル、POE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(15)POP(5)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(9)POB(2)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル、POE(52)POB(32)ジメチルエーテル、POE(64)POB(32)ジメチルエーテル、POE(34)POB(14)ジメチルエーテル、POE(35)POB(32)ジメチルエーテル、POE(35)POP(30)グリコール、POE(35)POB(32)グリコール等が挙げられる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。
【0015】
ブロック型アルキレンオキシド誘導体の本発明の毛髪化粧料における配合量は、0.1〜60質量%が好適であり、より好ましくは3〜30質量%である。配合量が0.1質量%未満では、配合による効果の発現が十分でない場合があり、また60質量%を超えると洗浄後、べたつき感を生じる場合がある。
本発明のブロック型アルキレンオキシド誘導体は公知の方法で製造することができる。例えば、水酸基を有している化合物にエチレンオキシド及び炭素数3〜4のアルキレンオキシドを付加重合した後、ハロゲン化アルキルをアルカリ触媒の存在下にエーテル反応させることによって得られる。
【0016】
(b)揮発性炭化水素油および/または揮発性シリコーン油
本発明の毛髪化粧料において、揮発性炭化水素油および/または揮発性シリコーン油とは、化粧品、医薬品、医薬部外品等に通常使用され得るもので、且つ上記アルキレンオキシド誘導体及びシリコーン誘導体を溶解、分散することのできる揮発性の油分を示す。
揮発性炭化水素油としては、例えば、イソデカン、イソドデカン、イソテトラデカン、イソヘキサデカン、アイソパー(登録商標)A、同C、同D、同E、同G、同H、同K、同L、同M(エクソン社)、シェルゾール(登録商標)71、(シェル社)、ソルトロール(登録商標)100、同130、同220(フィリップ社)などを挙げることができる。
揮発性シリコーン油としては、例えば、環状シロキサンであるオクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等を挙げることができる。
これらは、その種類に係わらず、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、本発明の毛髪化粧料における揮発性炭化水素油および/または揮発性シリコーン油の配合量は、全成分に対し0.1〜99質量%、好ましくは10〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%である。前記配合量が0.1質量%に満たないと、のびの軽さやべたつき感等の使用性の発揮が不十分であるため好ましくない。
【0017】
(c)シリコーン誘導体
本発明の毛髪化粧料において、シリコーン誘導体は、化粧品、医薬品、医薬部外品等に通常使用され得る不揮発性のシリコーンを示し、その1種または2種以上を組み合わせて適用することができる。
このようなシリコーン誘導体としては、例えば、不揮発性の鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン(ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体)、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)、アクリルシリコーン類等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料におけるシリコーン誘導体の配合量は、全成分に対し0.1〜50質量%、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜30質量%である。前記成分が0.1質量%に満たないと、塗布後の毛髪のなめらかさや光沢等に劣ることがあり、50質量%を超えて配合するとべたつき感が生じることがある。
【0018】
(d)水
また、本発明にかかる毛髪化粧料においては、0.1〜10質量%の水を含有することが好適である。
本発明の毛髪化粧料に含まれる水は特に限定されず、具体的に示すとすれば精製水、イオン交換水、水道水等が挙げられる。
水の配合量は上記アルキレンオキシド誘導体の配合量にもよるが、組成物に対し0.1〜10質量%が好適であり、より好ましくは、0.5〜8質量%である。
水の配合量が10質量%を超えると、水分が分離して系が白濁する、系が硬くなる、もしくは粘度の低下が見られることがあり、実施上好ましくない。
また、本発明の毛髪化粧料において、ブロック型アルキレンオキシド誘導体と水の配合比は1:0.1〜1:0.3であることが好ましい。水の配合比がブロック型アルキレンオキシド誘導体に対して0.1未満であるとゲルの形成が進まないことがあり、0.3を超えると水分が分離することがある。
【0019】
また、本発明にかかる毛髪化粧料においては、極性油を含有することが好適である。
本発明の毛髪化粧料にシリコーン誘導体としてポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリグリセリン変性ポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体を配合する場合において、さらに極性油を配合することによってシリコーン誘導体との相溶性を向上させることができる。
極性油としては、通常化粧品、医薬部外品等に使用される高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油などが挙げられ、その1種または2種以上の油分組み合わせて用いることができる。
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0020】
高級アルコールとしては、例えば直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0021】
合成エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L−グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0022】
両親媒性物質であるブロック型アルキレンオキシド誘導体は、本発明の毛髪化粧料が特に油分と水とを含有する場合において、会合体を形成する。前記会合体は、ブロック型アルキレンオキシド誘導体及び水が特定の配合量を満たすとゲル形成能を示し、組成物の系をゲル状と為す。したがって、本発明の毛髪化粧料において、上記(a)〜(d)の必須成分が含有されていれば、ゲル化剤等を用いなくとも系をゲル状にすることが可能となる。
なお、上記および本発明中で記す「ゲル状」とは、コーンプレート型レオメーターによる測定温度25℃におけるずり速度1s−1でのみかけの粘度が500mPa・s以上である、チキソトロピー性を有した状態を示す。すなわち、本発明の毛髪化粧料において、ブロック型アルキレンオキシド誘導体及び水が上記範囲で配合され、組成物の粘度が500mPa・s以上となれば、使用時にたれ落ちのない好適なゲル状態が維持されることになる。系の粘度が500mPa・sに満たないと、組成物が十分なたれ落ち防止効果を発揮せず好ましくない。
【0023】
また、本発明の毛髪化粧料は、光等方性を有し、分光光度計により波長550nmで測定した可視光透過率(光路長1cm)が90%以上である透明性の高いゲル状組成物であることが好ましい。本発明においては、等方性を有したゲル状組成物の方が、チキソトロピー性がより高く、使用感触に優れる。また、前記ゲル状組成物の透明性が高いほど、毛髪化粧料としての外観の印象がよく、実施上好ましい。
【0024】
本発明の毛髪化粧料は、上記成分の他、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で、油分、色素、パール剤、保湿剤、粉末、顔料、界面活性剤、天然高分子、合成高分子、樹脂、紫外線吸収剤、糖類、酸化防止剤、各種抽出液、香料等、通常化粧品や医薬部外品に用いられる成分を配合し、常法に応じて製造することができる。
以下に具体的な配合可能成分を列挙する。すなわち、本発明に係る毛髪化粧料は、上記成分と下記成分の1種または2種以上を適宜配合して調製され得る。
【0025】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等) ; 有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等) ; 無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等) ; 無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等) ; ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202 号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3 号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0026】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、ユーカリ油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0027】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィンワックス、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0028】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウ
ム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0029】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジアルキルジメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム);アルキルジメチルアミンオキシド(例えば、ベヘニルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド等);脂肪酸ジアルキルアミノアルキルアミド類(例えば、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド等);アルコキシヒドロキシアルキルアミン類(例えば、ステアロキシヒドロキシプロピルアミン等);塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);ジアルキルエチルヒドロキシエチルアンモニウム塩(例えば、ジココイルエチルヒドロキシエチルアンモニウムメトサルフェート);ヒドロキシアルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0030】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0031】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);アルキレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール等);脂肪酸アルカノールアマイド類(例えば、ヤシ脂肪酸モノエタノールアマイド等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0032】
親水性非イオン界面活性剤としては、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0033】
アミノ酸としては、例えば、酸性アミノ酸(例えば、グルタミン酸等)中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、トリメチルグリシン等が挙げられる。
【0034】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。また、これらの誘導体(POE・POP変性、アルキル変性、カチオン化、アニオン化、シリル化類)も挙げられる。
【0035】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。また、これらの誘導体(POE・POP変性、アルキル変性、カチオン化、アニオン化、シリル化類)も挙げられる。
【0036】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリ酢酸ビニルなど);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシブチレン共重合体、ポリエチレングリコール・ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体など);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、架橋型N,N−ジメチルアクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、ビニルピロリドン・メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体など);ポリエチレンイミン;カチオンポリマーなどが挙げられる。
【0037】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0038】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン) −d,L−カンファー、3−ベンジリデン−d,L−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
【0039】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE−ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0040】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。また、これらの誘導体(POE・POP付加、アルキル基付加、カチオン化、アニオン化、シリル化類)も挙げられる。
【0041】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。また、これらの誘導体(POE・POP付加、アルキル基付加、カチオン化、アニオン化、シリル化類)も挙げられる。
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
【0042】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、アスコルビン酸、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸、ビタミンE、ドコサヘキサエン酸等が挙げられる。
【0043】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0044】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、バーチ、セージ、ビワ、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、チンピ、トウキ、ボタン、海藻等)、賦活剤(例えば、パンテニールエチルエーテル、ニコチン酸アミド、ビオチン、パントテン酸、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0045】
本発明の毛髪化粧料の剤型は任意であり、ローション、ジェル、ミスト、スプレー、ムース、ロールオン、スティック等、どのような剤型でも構わない。
また、本発明の使用形態は、例えば、リンス、コンディショナー、トリートメント、染毛剤、パーマ剤、アウトバス用トリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、ヘアフォーム、スタイリング剤等のいわゆる毛髪処理剤等を広く含むものである。特に、本発明は毛髪への適用後に洗い流さないで使用される毛髪化粧料として好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%を示す。
【実施例1】
【0046】
初めに、実施例で用いた評価基準について説明する。
評価(1):たれ落ち防止効果
試料のたれ落ち防止効果について専門パネラー10名により実使用試験を実施した。評価基準は以下の通りである。
◎:10名中8名以上が、使用中たれ落ちを感じないと認めた。
○:10名中6名以上8名未満が、使用中たれ落ちを感じないと認めた。
△:10名中3名以上6名未満が、使用中たれ落ちを感じないと認めた。
×:10名中3名未満が、使用中たれ落ちを感じないと認めた。
【0047】
評価(2):毛髪損傷改善効果
専門パネラー10名により1ヶ月間、1日2回以上の実使用試験を実施し、1ヶ月後
の毛髪損傷改善効果の有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:8名以上が、使用前よりも毛髪損傷改善効果が高いと認めた。
○:6名以上8名未満が、使用前よりも毛髪損傷改善効果が高いと認めた。
△:3名以上6名未満が、使用前よりも毛髪損傷改善効果が高いと認めた。
×:3名未満が、使用前よりも毛髪損傷改善効果が高いと認めた。
【0048】
評価(3):のびの軽さ
専門パネラー10名により実使用試験を実施し、塗布時の毛髪へののびの軽さを評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:8名以上が、塗布時ののびが軽いと認めた。
○:6名以上8名未満が、塗布時ののびが軽いと認めた。
△:3名以上6名未満が、塗布時ののびが軽いと認めた。
×:3名未満が、塗布時ののびが軽いと認めた。
【0049】
評価(4):べたつき感のなさ
専門パネラー10名により実使用試験を実施し、塗布後(乾燥後)の毛髪のべたつき感のなさを評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:8名以上が、塗布後べたつき感がないと認めた。
○:6名以上8名未満が、塗布後べたつき感がないと認めた。
△:3名以上6名未満が、塗布後べたつき感がないと認めた。
×:3名未満が、塗布後べたつき感がないと認めた。
【0050】
評価(5):なめらかさ
専門パネラー10名により実使用試験を実施し、塗布後(乾燥後)の毛髪のなめらかさの有無を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:8名以上が、塗布後なめらかさがあると認めた。
○:6名以上8名未満が、塗布後なめらかさがあると認めた。
△:3名以上6名未満が、塗布後なめらかさがあると認めた。
×:3名未満が、塗布後なめらかさがあると認めた。
【0051】
評価(6):皮膚刺激試験
10名のパネルの上腕内側部に24時間の閉塞パッチを行ない、その後以下の基準により平均値を算出した。
0:全く異常が認められない。
1:わずかに赤みが認められる。
2:赤みが認められる。
3:赤みと丘疹が認められる。
皮膚刺激試験の評価基準は以下の通りである。
◎:パネル10名の平均値が0以上0.15未満
○:パネル10名の平均値が0.15以上0.2未満
△:パネル10名の平均値が0.2以上0.3未満
×:パネル10名の平均値が0.3以上
【0052】
(アルキレンオキシド誘導体の配合効果)
下記表1に記載した配合組成よりなる試料について専門パネラー10名による実使用試験を行い、上記評価基準(1)〜(6)に従って各試料の使用感触及び刺激性を評価した。結果を表1に示す。
【表1】

メチルフェニルポリシロキサン:KF−54(信越化学工業社製)
ポリエーテル変性シリコーン:特開平7−100358号公報実施例1[化4]構造
【0053】
特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合した試験例1−1、1−2の試料は、ゲルを形成し、良好なたれ落ち防止効果を有していた。また、他の評価においても使用感触、刺激性共に優れた結果を示した。
一方、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体が配合されていない試験例1−3においては、組成物がゲル化されず、たれ落ち防止効果もない他、なめらかな使用感触が十分に得られなかった。また、特定構造のアルキレンオキシド誘導体に代えて、油性ゲル化剤であるポリエーテル変性シリコーンを配合した試験例1−4においては、ゲルは形成されるものの、毛髪化粧料としての使用感触は本発明の配合である試験例1−1、1−2に若干劣るものであった。さらに、乳化剤であるジイソステアリン酸ポリエチレングリコールを用いた試験例1−4では、組成物はゲル化されず、たれ落ち防止効果も認められなかった。
以上の結果から、本発明において、特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体の配合により、使用感触に優れたゲル状の毛髪化粧料が得られることが明らかである。
【0054】
(揮発性炭化水素油の配合効果)
続いて、下記表2に記載した配合組成よりなる試料について専門パネラー10名による実使用試験を行い、上記評価基準(1)〜(6)に従って各試料の使用感触及び刺激性を評価した。結果を表2に示す。
【表2】

【0055】
特定構造のブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合し、揮発性炭化水素油を適量配合した試験例2−1の場合、組成物はいずれの評価においても優れたものであった。
一方、揮発性炭化水素油ではなく不揮発性炭化水素油を配合した試験例2−2においては、たれ落ち防止効果や毛髪損傷改善効果は見られたものの、のびの軽さ、べたつき感のなさ、およびなめらかさ等の使用感触が劣っていた。揮発性油が全く配合されていない試験例2−3においては、組成物がゲル化されず垂れ落ち防止効果が見られないほか、のびの軽さも劣るものであった。
以上の結果から、本発明において、揮発性炭化水素油の配合により、使用感触に優れたゲル状の毛髪化粧料が得られることが明らかである。
【0056】
(シリコーン誘導体の配合効果)
さらに、シリコーン誘導体の配合効果について調べるため、下記表3に記載した配合組成よりなる試料について専門パネラー10名による実使用試験を行い、上記評価基準(1)〜(6)に従って各試料の使用感触及び刺激性を評価した。結果を表3に示す。
【表3】

メチルフェニルポリシロキサン:KF−56(信越化学工業社製)
高重合ジメチルポリシロキサン:XF−49−811(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
ポリエーテル変性シリコーン:X−22−9161(信越化学工業社製)
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体:FZ−2250(東レ・ダウコーニング社製)
【0057】
ブロック型アルキレンオキシド誘導体を配合し、各種シリコーン誘導体を適量配合した試験例3−1、3−2、3−3の試料は、いずれの評価においても優れたものであった。
一方、シリコーン誘導体が配合されていない試験例3−4は前記試料に比べ、のびの軽さ、べたつき感のなさ、なめらかさに劣っていた。
以上の結果から、本発明にかかる毛髪化粧料において、シリコーン誘導体を配合することにより、使用感触に優れたゲル状の毛髪化粧料が得られることが明らかである。
【0058】
以下に本発明の毛髪化粧料の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。得られた毛髪化粧料は、いずれも使用感が良好で、櫛通り性も良く、毛髪になめらかな感触を付与し、かつ良好な整髪力を保持させるとともに、毛髪に対して優れた光沢を与えることができるものであった。
【0059】
処方例1 ヘアオイル
(質量%)
POE(52)POB(32)ジメチルエーテル 10.0
イソドデカン 残余
メチルフェニルポリシロキサン 10.0
ジメチルポリシロキサン 10.0
ジヒドロキシポリジメチルシロキサン 5.0
イソステアリルアルコール 2.0
コハク酸ジ2−エチルヘキシル 5.0
ミルスチン酸イソプロピル 2.0
プロピレングリコール 1.0
香料 適量
酸化防止剤 適量
精製水 2.0
メチルフェニルポリシロキサン:KF−56(信越化学工業社製)
ジメチルポリシロキサン:KF−96A−6cs(信越化学工業社製)
ジヒドロキシポリジメチルシロキサン:XF49−C2070(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
【0060】
処方例2 ヘアオイル
(質量%)
POE(35)POB(32)グリコール 15.0
ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 8.0
メチルフェニルポリシロキサン 15.0
アミノプロピルメチルシリコーン・ジメチルシリコーン共重合体 1.0
シクロペンタデカン 残余
メトキシケイヒ酸オクチル 0.5
トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル 8.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 3.5
1,3―ブチレングリコール 1.5
香料 適量
酸化防止剤 適量
精製水 1.0
アミノプロピルメチルシリコーン・ジメチルシリコーン共重合体:特開2006−117606の表1(1)アミノ変性シリコーン1
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体:FZ−2250(東レ・ダウコーニング社製)
【0061】
処方例3 ヘアオイル
(質量%)
POE(52)POB(35)ジメチルエーテル 10.0
ツバキ油 5.0
イソノナン酸イソノニル 10.0
2−エチルヘキサン酸セチル 10.0
イソドデカン 残余
メチルフェニルポリシロキサン 10.0
ジメチルポリシロキサン 10.0
PEG・アモジメチコン共重合体 0.5
シリコーンゴム 0.2
レシチン 0.1
β−カロチン 0.1
香料 適量
酸化防止剤 適量
精製水 2.0
メチルフェニルポリシロキサン:KF−54(信越化学工業社製)
ジメチルポリシロキサン:KF−96−20cs(信越化学工業社製)
PEG・アモジメチコン共重合体:SILSTYLE 104(東レ・ダウコーニング社製)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)下記式(I)で示されるブロック型アルキレンオキシド誘導体0.1〜60質量%と、
(b)揮発性炭化水素油および/または揮発性シリコーン油0.1〜99質量%と、
(c)シリコーン誘導体と
(d)水0.1〜10質量%を含み、
油分が連続相であることを特徴とする毛髪化粧料。
(化1)
O−[(AO)(EO)(AO)]−R (I)
(式中、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、EOはオキシエチレン基、l、m及びnはそれぞれ前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦m≦70、1≦l+n≦70である。炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は20〜80質量%である。R及びRは同一もしくは異なっていてもよい炭素数1〜4の炭化水素基又は水素原子である。)
【請求項2】
請求項1に記載の毛髪化粧料において、極性油を含有することを特徴とする毛髪化粧料。
【請求項3】
請求項1および2記載の毛髪化粧料において、ゲル状であることを特徴とする毛髪化粧料。

【公開番号】特開2009−184949(P2009−184949A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−25538(P2008−25538)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】