説明

毛髪又は繊維で占められた表面上で使用するヒドロゲル接着剤

本発明は、毛髪又は繊維の包埋及び毛髪又は繊維で占められた表面上への良好な接着特性をもたらす、1000Pa未満のG’25(1rad/秒)を特徴とする、繊維の毛で占められた表面上への接着のためのヒドロゲル接着剤の使用に関する。
本発明はまた、本明細書のヒドロゲル組成物を含有するパーソナルケア製品及び表面ケア物品も包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪又は繊維で占められた表面、特に皮膚に付着させるためのヒドロゲル接着剤、及びそのようなヒドロゲルを含有するパーソナルケア製品又は表面ケア製品に関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年にわたり、皮膚電極、経皮的薬物送達、及び創傷治癒のような医療分野におけるヒドロゲルの身体接着剤の使用が知られてきたが、さらに近年、吸収性物品及びヒト排泄物処理物品のような消費者製品において使用されるヒドロゲルの身体接着剤が開示されており、後者の開示の代表的なものがEP1025823及びEP1025866であり、これらの文献は、このような消費者製品や排泄物処理製品に特有のある種の需要、例えば、確実な付着、痛みを伴わない除去、及び過剰な水分の存在下における接着安定性に対処している。
【0003】
しかし、毛髪が存在する皮膚表面、特に発毛密度が高い領域、例えば性器のような領域に接着剤が直接接着する能力という特定の問題は、前記先行技術では対処されていなかった。通常、先行技術は、特に創傷ケア用途において、またさらにオストミー物品のような失禁用途で、皮膚上に存在する毛嚢を、例えば接着剤の適用前に剃ることによって除去することを教示している。しかし、このような手法は、医療状況ではある程度まで許容可能であるが、日常的な使用が意図される製品、例えば、衛生ナプキンのような吸収性物品、又はヒト排泄物処理用具のような失禁用具には望ましくない。皮膚上に毛髪が存在しなければ、使用する特定の用具内に排泄された流体を確実に封じ込めておくために必要なガスケットを皮膚とともに形成することができる。しかし、先行技術は、毛髪を除去するという屈辱的行為なしにそのようなガスケット形成を達成できる方法については対処していない。
【0004】
皮膚上の毛髪の存在が着用者の皮膚への最適な接着性を得る難しさを増大させているだけではなく、さらに通常ヒドロゲル接着剤ゲルマトリックス内に毛髪がいくらか包埋されることに関与した毛髪と接着剤自体との間に生じる接着によって、着用者からの接着剤の除去は、きわめて大きな痛みを伴い、事前に毛髪が除去された皮膚表面に比べて痛みが著しく大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、毛髪が存在する皮膚の表面上に接着し、接着剤除去時の痛みの程度が低減された、皮膚に接着させるためのヒドロゲル接着剤を提供することがきわめて望ましい。毛髪で占められた皮膚表面の皮膚に接着するが、毛髪自体には最小限の接着性しかもたない、好ましくは毛髪自体には実質的な接着性をもたない接着剤を提供することがさらに望ましい。
【0006】
毛髪を包埋して皮膚に直接接着し、それによって良好なガスケット性を提供できるが、それでもなお痛みを伴わずに除去可能な接着剤を提供することがさらに望ましい。
【0007】
本発明のさらなる他の目的は、再適用する際に、特に、例えば接着剤を間違った位置に置いた時に何度も再適用する際に皮膚への接着能力を示すが、それでもなお痛みを伴わずに除去可能な接着剤を提供することである。
【0008】
驚いたことに、前述の欠点は、以下で定義するレオロジー特性を備えた特定のヒドロゲル接着剤を使用することによって大幅に軽減され、前記使用によって、毛髪が存在する場合にも皮膚への付着が確実になり、適用時にヒドロゲルが皮膚に心地良く、しかも、除去時に不快感を引き起こさず、最小限の残留物しか生じないことがわかった。
【0009】
最後に、本明細書のヒドロゲルの利益及び使用利益は、毛髪で占められた皮膚だけでなく、より一般には繊維で占められた表面にも適用できることが見出され、したがって本発明は、表面ケア物品のための選択された特徴を備えたヒドロゲルの使用にも適用される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書の第1の実施形態では、本発明は、毛髪又は繊維で占められた表面上への接着のための、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性湿潤剤、及び10〜85重量%の水を含むヒドロゲル接着剤の使用を対象とし、前記接着剤は、温度25℃における粘性率、G’25について、G’25(1rad/秒)が1000Pa未満、好ましくは100〜700Paであるように選択されたものを有する。
【0011】
本明細書の第2及び第3の実施形態では、本発明は、毛髪で占められた皮膚に接着可能なパーソナルケア製品、及び繊維で占められた表面に接着可能な表面ケア物品を提供し、前記パーソナルケア製品及び表面ケア物品は、第1の実施形態で定義したようなヒドロゲル接着剤を含む。
【0012】
本明細書のヒドロゲル接着剤では、G’’25(1rad/秒)/G’25(1rad/秒)の比率は、好ましくは0.15〜0.65、好ましくは0.15〜0.35の範囲内にあり、乾いた皮膚上での剥離力強度は、0.3〜3N/cm、好ましくは0.3〜2N/cmの範囲内にある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本明細書の第1の実施形態では、本発明は、毛髪又は繊維で占められた表面上への接着のための、10〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5〜80重量%の水溶性非イオン性湿潤剤、及び10〜85重量%の水を含むヒドロゲル接着剤の使用を対象とする。モノマーの重合は、好ましくは非イオン性湿潤剤及び水の存在下で起こり、及び架橋によって、ゲル形態及びヒドロゲルとも呼ばれるポリマーの三次元マトリックスが形成されるが、これについては以下でより詳細に説明する。本明細書のヒドロゲルの重要な要素はレオロジーであり、特に弾性である。
【0014】
(レオロジー)
接着剤の粘性的挙動とは、特定の表面に急速に付着し確実に接着する接着剤の能力の指標を表すものと解釈することができる。弾性的挙動は、接着剤の「硬さ」的性質の指標として解釈することができる。またその値は、良好な初期付着のためにも重要である。それらの組み合わせは、除去時に必要な力の指標と考えられている。弾性率と粘性率との関係は、除去エネルギーの一部が接着剤内で消散し、その割合が実際の除去を誘引するのに利用可能であるという指標と見なされる。
【0015】
理論に束縛されるものではないが、皮膚に適用されるヒドロゲルの場合、T=37℃でのレオロジー特性が接着及び除去特性に最も関係すると考えられている。しかし、本発明のヒドロゲルの場合、レオロジー特性は、25〜37℃の範囲の温度に対して、せいぜいある程度の影響を受けるに過ぎないことがわかった。したがって、本発明の目的には、温度25℃におけるレオロジー特性を指定することが好都合である。接着剤は、G’25と略される温度25℃における弾性率(貯蔵弾性率とも呼ばれる)、温度25℃における粘性率G’’25、及びtanδ25と呼ばれる25℃におけるG’’25/G’25の比率を有する。
【0016】
接着剤の弾性率(G’)は、毛髪又は繊維がヒドロゲル内に包埋される能力に影響を及ぼす重要な因子である。G’の値が高いヒドロゲルは、通常、堅すぎて毛髪をあまり包埋させることができず、包埋されることになる毛髪には固すぎるので、痛みなしに容易に除去することができない。本発明のG’25(1rad/秒)は、1000Pa未満、好ましくは100Pa〜1000Paの範囲、より好ましくは100〜700Paの範囲、さらに最も好ましくは100〜500Paの範囲になるように選択される。
【0017】
また、毛又は繊維の性質も、毛髪又は繊維がヒドロゲル接着剤中に貫入する能力に影響を及ぼす。毛髪の場合、特に、毛髪の種類によって変化し得る毛髪の厚さ、長さ、密度、縮毛度(curliness)が、ヒドロゲルの良好なガスケット形成及び下にある皮膚への接着を可能にする、ヒドロゲル中への毛髪の良好な貫入に合致するG’の上限値に影響を及ぼすことがわかった。次式が、1平方センチメートルの基準面積から得られる毛髪を基準に、毛髪の良好な貫入に合致するG’25(1rad/s)の上限値(パスカル(Pa))を毛髪の特徴と関連付けることが判定された。
【0018】
G’25(1rad/秒)<E/(W*C)
式中:
W=皮膚の単位面積当たりの毛髪の重量(g/cm2
C=毛髪の縮毛度因子(伸張させた毛髪の長さと伸張させていない毛髪の長さとの比率)
E=毛髪の貫入に関する数値係数(単位:Pa*g/cm2
本発明者らは、本質的に完全に毛髪を貫入させるには、Eの値が24、好ましくは19、さらに好ましくは9であることを見出した。したがって、例えば、接着に関連した面積1平方センチメートルでの密集型についてのWの平均値が0.02g/cm2と測定され、除去された毛髪の顕微鏡分析に基づいたこの毛髪に関する平均縮毛度因子が1.2の場合、E=24では、確実に毛髪がヒドロゲルに良好に包埋されて良好なガスケットを形成するには、G’25の値を1000Pa未満にしなければならない。
【0019】
本明細書の接着性ヒドロゲルの毛髪又は繊維包埋特性は、ヒドロゲルが適用される表面に与えられるガスケットの程度によって測定することができ、その試験方法については後述する。本明細書のヒドロゲルは、本明細書で特許請求した範囲より大きい弾性率を有する接着性ヒドロゲルに比べ、著しく程度の高いガスケットを提供する。
【0020】
前述したように、接着剤の粘性率も、性能に影響を及ぼす重要な因子であり、したがって本発明のG’’25(1rad/秒)は、50Pa〜1000Pa、好ましくは100Pa〜700Paの範囲内にある。
【0021】
さらに、tanδ25(1rad/秒)の値は、接着性ヒドロゲルの粘着性、すなわち、残留物を残さずにヒドロゲルが表面、繊維の毛から離れる能力に直接影響を及ぼす。
【0022】
本明細書のヒドロゲルの場合、好ましくはtanδ25(1rad/秒)は、0.65未満、好ましくは0.15〜0.55、より好ましくは0.15〜0.35の範囲にすべきである。
【0023】
(剥離力)
弾性率及びtanδが比較的低い値を有する(毛又は繊維の良好な包埋及び高レベルの粘着性をそれぞれ保証するため)にも関わらず、剥離力が皮膚のような表面上で優れた接着性を示すことのできる適切な値に維持されることが、本明細書のヒドロゲルの好ましい特徴である。必要な皮膚接着を初めに保証し、好ましくは装着期間全体にわたって保証するには、接着剤が、本明細書に記載した試験方法に従って測定した時に、乾いた皮膚上での剥離強度0.1N/cm〜5N/cm、好ましくは0.3N/cm〜3N/cm、最も好ましくは0.3N/cm〜2N/cmを有する。本明細書のヒドロゲルの剥離力は、乾いた皮膚上で測定した時に、0.1〜5N/cm、好ましくは0.3〜3N/cmの範囲内にすべきである。
【0024】
(主要成分)
本発明によれば、本明細書でゲルとも呼ばれる三次元マトリックスは、物理的又は化学的に架橋可能なポリマーを必須構成成分として含む。ポリマーは、天然品又は合成して誘導されるものであってもよい。架橋していないポリマーには、ビニルアルコール類、ビニルエーテル類、及びそれらのコポリマー類、カルボキシビニルモノマー、ビニルエステルモノマー類、カルボキシビニルモノマー類のエステル類、ビニルアミドモノマー類、ヒドロキシビニルモノマー類、アミン類又は第四級の基を含有する陽イオン性ビニルモノマー類、N−ビニルラクタムモノマー、ポリエチレンオキシド類、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシエチルメタクリレート、メトキシジエトキシエチルメタクリレート、ヒドロキシジエトキシエチルメタクリレート、アクリル酸、及びアクリレート類のようなアクリル類、並びにアクリルアミドスルホン化ポリマー類のようなスルホン化ポリマー類、スルホプロピルアクリレート類、並びにこれらの混合物から誘導された繰り返し単位が包含される。あるいは、架橋していないポリマーは、ポリビニルエーテルのホモポリマーもしくはコポリマー、又はマレイン酸エステルの半エステルから誘導されたコポリマーであってもよい。同様に、他のいずれか適合性のあるポリマーのモノマー単位を、例えばポリビニルアルコールとポリアクリル酸又はエチレンとビニルアセテートのようなコポリマーとして使用してもよい。
【0025】
他の代替例として、ポリマーは、スチレン−オレフィン−スチレンブロックコポリマーのようなABAブロックコポリマー又はエチレン−プロピレンブロックコポリマーのような、ブロックコポリマー熱可塑性エラストマーであってもよい。より好適には、このようなポリマーには、水素添加グレードのスチロール/エチレン−ブチレン/スチロール(SEBS)、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、及びスチロール/エチレン−プロピレン/スチロール(SEPS)が挙げられる。
【0026】
特に好ましいポリマーは、アクリル類、アクリルアミドスルホン化ポリマーのようなスルホン化ポリマー類、ビニルアルコール類、ビニルピロリジン、ポリエチレンオキシド、及びこれらの混合物である。
【0027】
また、本明細書のポリマーは、強酸モノマー類、弱酸モノマー類、非イオン性モノマー類、陽イオン性モノマー類、又は双性イオン性モノマー類から選択されるモノマー類で製造することもできる。
【0028】
強酸モノマー類は、それらのpKaに関して定義され、そのpKaが3未満でなければならない。pKaは、当該技術分野において周知の方法に従って水溶液中における酸の強塩基滴定によって測定される。前記強酸モノマー類は、好ましくは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、メタクリルスルホン酸などのような、オレフィン性不飽和の脂肪族スルホン酸類又は芳香族スルホン酸類の群から選択される。特に好ましい強酸モノマー類は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレートである。
【0029】
弱酸モノマー類は、それらのpKaに関して定義され、そのpKaが3より大きくなければならない。前記モノマーは、オレフィン性不飽和カルボン酸類、及びカルボン酸無水物類、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、エタクリル酸、シトラコン酸、フマル酸、δ−ステリルアクリル酸などの群から好ましくは選択される。特に好ましい弱酸モノマー類は、アクリル酸及びメタクリル酸である。
【0030】
非イオン性モノマー類の例には、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート類、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。陽イオン性モノマー類の例には、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、及びそれぞれの四級塩などが挙げられる。
【0031】
(湿潤剤)
三次元接着剤マトリックスは、また、好ましくは室温で液体である湿潤剤又は湿潤剤混合物(本明細書では可塑剤とも呼ぶ)を含む。湿潤剤は、モノマー及びポリマーがその中で可溶化又は分散できるように選択される。照射架橋が実施される実施形態の場合、湿潤剤が、ポリマーの照射架橋過程を著しく阻害しないように、照射架橋に対して適合性があることが望ましい。湿潤剤混合物の構成成分は、好ましくは、親水性で、水に混和性である。
【0032】
好適な湿潤剤には、アルコール類、多価アルコール類、例えばグリセロール及びソルビトール、グリコール類及びエーテルグリコール、例えばポリアルキレングリコールのモノ−又はジエーテル類、モノ−又はジエステルポリアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類(通常、分子量約600まで)、グリコレート類、グリセロール、ソルビタンエステル類、クエン酸及び酒石酸のエステル類、イミダゾリン誘導型の両性界面活性剤、ラクタム類、アミド類、ポリアミド類、第四級アンモニウム化合物類、エステル類、例えばフタレート類、アジペート類、ステアレート類、パルミテート類、セバケート類、又はミリステート類、モノ/ジ/トリグリセリド類を含めたグリセロールエステル類、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましいのは、多価アルコール類、ポリエチレングリコール(分子量約600まで)、グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物である。グリセロールが特に好ましい。湿潤剤は、5〜80重量%のヒドロゲルを含む。
【0033】
湿潤剤の重要な機能は、ヒドロゲルの水分活性を0.35〜0.95、好ましくは0.4〜0.85、最も好ましくは0.45〜0.75に低減させることである。水分活性は、後述の試験方法の項で記載される方法に従って、ヒドロゲル上での平衡相対湿度を測定することによって決定される。
【0034】
好適な湿潤剤には、アルコール類、多価アルコール類、例えばグリセロール及びソルビトール、グリコール類及びエーテルグリコール、例えばポリアルキレングリコールのモノ−又はジエーテル類、モノ−又はジエステルポリアルキレングリコール類、ポリエチレングリコール類(通常、分子量約600まで)、グリコレート類、グリセロール、ソルビタンエステル類、クエン酸及び酒石酸のエステル類、イミダゾリン誘導型の両性界面活性剤、ラクタム類、アミド類、ポリアミド類、第四級アンモニウム化合物類、エステル類、例えばフタレート類、アジペート類、ステアレート類、パルミテート類、セバケート類、又はミリステート類、モノ/ジ/トリグリセリド類を含めたグリセロールエステル類、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。特に好ましいのは、多価アルコール類、ポリエチレングリコール(分子量約600まで)、グリセロール、ソルビトール、及びこれらの混合物である。グリセロールが特に好ましい。湿潤剤は、5〜80重量%のヒドロゲルを含む。
【0035】
湿潤剤の重要な機能は、ヒドロゲルの水分活性を0.35〜0.95、好ましくは0.4〜0.85、最も好ましくは0.45〜0.75に低減させることである。水分活性は、後述の試験方法の項で記載される方法に従って、ヒドロゲル上での平衡相対湿度を測定することによって決定される。
【0036】
(重合条件)
本発明によれば、三次元マトリックスを形成するために、接着剤のポリマー構成成分を物理的又は化学的又はイオン的に架橋することができる。物理的架橋とは、例えば、三次元マトリックス中に高い結晶化度を有する領域、又は高ガラス転移温度を有する領域、又は疎水性相互作用を有する領域の3つの領域があるような、化学的共有結合ではなく物理的性質の架橋を有するポリマーを指す。化学的架橋とは、化学結合によって連結されたポリマーを指す。ポリマーは、UV照射、電子ビーム照射、ガンマ線照射、もしくはマイクロ波照射のような放射線技術によって、あるいは、例えばUV、熱、及び/又はレドックス重合開始剤を使用して、二官能性/多官能性架橋剤でモノマーを共重合させることによって、化学的に架橋することができる。
【0037】
好適な多官能性モノマー架橋剤には、様々なPEG分子量を有するポリエチレンオキシドd(メタ)アクリレート類であるIRR280(UCBケミカル(UCB Chemical)から入手可能なPEGジアクリレート)、様々なエチレンオキシド分子量を有するトリメチロールプロパンエトシキレートトリ(メタ)アクリレートであるIRR210(UCBケミカルズから入手可能なアルコキシル化トリアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリアリルアミン、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミド、及び当該技術分野で既知の他の多官能性モノマー架橋剤が挙げられる。好ましいモノマー架橋剤には、多官能性ジアクリレート類及びトリアクリレート類が挙げられる。
【0038】
本発明のモノマー類は、好ましくはフリーラジカル重合開始剤を用いて重合される。このようなフリーラジカル重合開始剤は、当該技術分野において周知であり、1以上の光反応開始剤(類)、熱反応開始剤(類)、又はレドックス反応開始剤(類)であることができ、5重量%まで、好ましくは0.02重量%〜2重量%、より好ましくは0.02重量%〜0.4重量%の量で存在することができる。光反応開始剤が好ましい。好適な光反応開始剤には、タイプI−[]−ヒドロキシケトン類及びベンジルジメチル−ケタール類、例えばイルガキュア(Irgacure)651(ジメトキシベンジルフェノン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)より入手可能)が挙げられ、これは紫外線周波数による照射により重合を開始するベンゾイルラジカル類を形成すると考えられている。特に好ましい光反応開始剤には、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals)から商品名ダロキュア(Darocur)1173として入手可能)、I−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから商品名イルガキュア(Irgacure)184として入手可能)、及び4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズから商品名イルガキュア(Irgacure)2959として入手可能)が挙げられる。好適な熱反応開始剤には、過硫酸カリウム及びVA044(ワコー(Wako)から入手可能)が挙げられる。好適なレドックス反応開始剤には、過酸化水素とアスコルビン酸、並びに過硫酸ナトリウムとアスコルビン酸の組み合わせが挙げられる。
【0039】
また、化学的架橋は、エチレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリマー官能基、グリセロールのようなポリオール類、及び当該技術分野で既知のその他の多官能性試薬と反応可能な多官能性試薬を用いて、重合後に実施することもできる。
【0040】
また、架橋は、その全て又は一部を、逆の電荷を有する基がイオン相互作用を介して相互作用するイオン架橋によって実施することもできる。好適なイオン架橋剤には、Al+3及びCa+2のような多価の陽イオン類(polyvalent actions)、当該技術分野で既知の高分子ポリアミン類及びポリ第四級アンモニウム化合物類を含めたジ/ポリ−アミン類、ジ/ポリ−四級アンモニウム化合物類を含めて、当該技術分野で既知のものが挙げられる。
【0041】
本発明に従って接着剤組成物を調製する際には、通常、成分が混合されて、初期の水性プレゲルを主体とした液体配合の形態の反応混合物を提供し、次いでこれが、前述したフリーラジカル重合反応によってゲルに変化される。これは、例えば、従来の熱反応開始剤及び/又は光反応開始剤を用いて、あるいは電離放射線によって達成されてもよい。光反応開始法は、好ましい方法であり、適切な光反応開始剤を含有するプレゲル反応混合物を、シリコン塗工剥離紙又は他の固体もしくは多孔質基材上に層として薄く塗布した後、又はコーティングした後に、UV光を照射することによって適用される。240〜420nmの範囲の波長における入射UV強度は、重合を適当な時間内に完了するのに十分な強度及び暴露時間(例えば10〜3000mW/cm2)である。プロセスを促進するために、反応混合物をいくつかのUV照射源に順次暴露させることが多くの場合好ましい。プロセスは、一般に、事前に定められた精密な混合順序及び熱処理又は過程に関わる、制御された方式で実施される。
【0042】
合計のUV照射時間は、モノマーの95%より多く、好ましくはモノマーの99.9%より多く、さらに好ましくはモノマーの99.99%より多くが変化したゲルを形成するために、好ましくは300秒未満、より好ましくは60秒未満、さらに好ましくは10秒未満にすべきである。当業者には、照射の程度が、反応混合物の厚さ、モノマーの反応性及び濃度、光反応開始剤の濃度、湿潤剤の特性、及び反応混合物がコーティングされる基材の性質、並びにUV源によって決まることが理解されよう。
【0043】
これらのタイミングは、高圧水銀アーク灯をUV源として200W/cmで操作するためのものである。基材表面に到達するUVのピーク強度は、約1000m/W/cm2である。所与のランプの場合、UV強度は、動作出力及びUV源から反応混合物までの距離に応じて決まる。またさらに、非常に短い波長のUV強度への暴露を最小限に抑えるために、高域UVフィルタを使用することができる。
【0044】
残留モノマーの存在を最小限に抑え、好ましくはなくすために、反応を確実に完了させることが重要である。これは、接着剤がその上に適用される基材、紫外線光の種類と強度、及び紫外線光の通過数のような、いくつかの因子に左右される。
【0045】
(任意成分)
またさらに、重合阻害物質、連鎖移動剤、界面活性剤、可溶性又は分散性ポリマー、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、顔料、鉱物増量剤など、及びこれらの混合物のような当該技術分野において既知の一般的な添加剤も、それぞれ10重量%までの量で接着剤組成物に含んでもよい。好ましくは、本明細書のヒドロゲルは、塩を含有すべきでなく、あるいは1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満の最小限の濃度で含有すべきである。
【0046】
(pH)
本明細書のヒドロゲル組成物のpHは、3〜6、より好ましくは3〜5.5、最も好ましくは3.5〜5.5の範囲にあり、これは哺乳類の皮膚のpHと完全に適合性のある値を表す。
【0047】
このpH範囲は、本明細書のヒドロゲルの性能及び皮膚への親和性に有害な影響を及ぼす可能性のある、いかなる追加的な緩衝剤も使用せずに、本明細書の組成物によって直接的に達成可能である。
【0048】
pHの測定条件は、試験方法の項で後述する。
【0049】
(パーソナルケア製品)
本明細書の第2の実施形態では、本発明は、毛髪で占められた皮膚に接着可能なパーソナルケア製品を対象としており、当該パーソナルケア製品は、前述した特徴、すなわち、10〜60%の前述したような架橋親水性ポリマー、5〜80%の前述したような水溶性非イオン性湿潤剤、及び10〜85%の水を有するヒドロゲル接着剤を含有しており、前記接着剤は、1000Pa未満、好ましくは100〜700PaのG’25(1rad/秒)を有し、及び前記接着剤は、好ましくは50Pa〜1000Paの範囲、より好ましくは100〜700Paの範囲のG’’25(1rad/秒)、0.15〜0.65、好ましくは0.15〜0.55、及び最も好ましくは0.15〜0.55の比率G’’25(1rad/秒)/G’25(1rad/秒)、並びに、0.3〜3N/cmの範囲の乾いた皮膚上の剥離力強度を有する。
【0050】
本発明の目的では、パーソナルケア製品とは、人の健康、安らぎ、快適さ、又は喜びを指向した機能を達成するために人体に接触して又は近接して装着されるように設計された、したがって身体への一時的な接着を必要とする、使い捨て製品又は再利用可能な製品を意味する。
【0051】
このような物品の第1の種類には、尿、月経、及び糞便処理用具のような、使い捨ての人排泄物処理用具が挙げられる。
【0052】
(使い捨ての排泄物処理用具)
本明細書の尿、月経、又は糞便処理用具には、着用者の泌尿生殖器及び/又は肛門周囲の領域に接着剤で付着される、開口部と、開口部を取り囲むフランジとを有する袋が包含される。当該技術分野において既知の糞便、月経、又は尿処理用具のいずれにも、本発明による接着剤を提供することができる。このような用具は、例えばPCT国際公開特許WO99/00084及びWO99/00085に記載されている。
【0053】
また、本明細書の尿、月経、又は糞便処理用具には、オストミー/人工肛門用具のような、身体の人工的な開口部に取り付けられるように設計された用具が包含される。
【0054】
このような物品に使用される袋は、尿、月経、及び排泄された糞便物質を封じ込めておくための可撓性容器である。
【0055】
袋は、取り込んだ物質を安全に封じ込めておくように設計されており、通常は液体不透過性であるが、さらに通気性であってもよい。袋は、使用中に破裂せず、またさらに着座時のような典型的な装着条件において袋に圧力が加わる時にも破裂しない、十分な強度に設計される。
【0056】
袋は吸収性材料を含有してもよい。吸収性材料は、液体を吸収及び保持可能ないずれかの吸収性材料を含んでもよい。吸収性材料は、一般にエアフェルトと呼ばれる粉砕木材パルプのような、使い捨ておむつ及び他の吸収性物品において通常使用されている多種多様な液体吸収性材料を含んでもよい。
【0057】
人排泄物処理用具、特に本発明による尿/月経処理用具は、また、追加的な捕捉層を含んでもよい。捕捉層は、通常、袋の内側表面に固定されている。ただし、捕捉層は、フランジに固定してもよく、あるいはフランジと袋の内側表面の両方に固定してもよい。捕捉層は、好ましくは、着用者の性器が吸収性材料と直接接触しないよう隔てておくように配置される。捕捉層は、流体透過性であり、尿/経血を容易に通過させるので、それらを吸収性材料によって吸収することができる。
【0058】
袋には開口部が設けられており、排泄された物質は、この開口部によって身体から受け取られてから、袋の空洞内に貯蔵される。開口部は、フランジによって囲まれており、円形、長方形、ハート形のようないずれの形状又はサイズで提供してもよく、また対称形又は非対称形であってよく、好ましくは、開口部は、長手方向もしくは横方向のいずれか又は両方向に細長い外形をしており、例えば開口部の輪郭は、それぞれの主軸がほぼ垂直な2つの楕円の形状である。
【0059】
フランジは、衣類に面する表面と、着用者に面する表面とを含む。好ましい実施形態では、これらは、大きく実質的に平らな2つの表面であるが、フランジは、また、着用者の会陰領域又は尾骨領域に適合するように設計された突出部を含んでもよい。
【0060】
フランジを肛門周囲領域に容易に配置させるために、フランジは、柔軟性、可撓性、及び適応性のある材料で作製すべきである。典型的な材料には、不織布材料、織布、連続気泡型熱可塑性発泡体、独立気泡型熱可塑性発泡体、連続気泡型発泡体と伸縮性不織布との複合材、及びフィルムが挙げられる。ポリエチレンの独立気泡型発泡体が有効であることがわかったが、より好ましくは連続気泡型ポリウレタン発泡体が使用される。好ましくは、このような発泡体は、一般に0.1〜5ミリメートルの範囲の厚さ、及び5〜250g/m2、より好ましくは50g/m2の坪量を有する。また、その他の熱可塑性発泡体材料、又はそのような発泡体の前述の特性(すなわち、柔軟性、可撓性、伸縮性、及び収縮性)を有する他の好適なプラスチックシート材料も使用してもよい。
【0061】
接着剤は、スロットコーティング、スパイラル、もしくはビード適用、又は転写のような、当該分野において既知のいずれかの手段によって、フランジの着用者に面する表面に適用することができる。通常、接着剤は、想定される最終用途に応じて、坪量20g/m2〜2500g/m2、より好ましくは500g/m2〜2000g/m2、最も好ましくは700g/m2〜1500g/m2で適用される。例えば、乳児用の糞便処理用具の接着剤の量は、活動性のある成人失禁患者用に設計された糞便処理用具の場合よりも少なくてもよい。
【0062】
(使い捨ての吸収性物品)
本明細書のパーソナルケア物品の他の種類には、おむつ、衛生ナプキン、パンティライナー、タンポン、汗パッドのような使い捨ての吸収性物品が挙げられる。吸収性物品とは、吸収性コアを含有する物品であり、当該技術分野において一般的ないずれかの方法によって作製することができる。着用者に面する表面、通常は吸収性物品のトップシート表面への接着剤の適用は、接着剤を適用するために通常使用されているいずれか周知の技術によって提供できるので、当業者には重大な問題ではない。最も好ましくは、接着剤は、点又は類似のもののような、小さい漸進的領域のパターンで提供される。
【0063】
本発明は、ユーザーの皮膚に直接適用される使い捨ての吸収性物品に、有益に使用することができる。この物品は、通常、体液について吸収性を示し、ユーザーの衣類を汚れから保護するので、ユーザーにとって快適であり、生産及び包装が容易である。使い捨ての吸収性物品について、以下で衛生ナプキン又は生理用品に言及して説明するが、おむつ、パンティライナー、成人失禁用品、タンポン、又は汗パッドもまた、使い捨ての吸収性物品という用語に包含される。
【0064】
(その他のパーソナルケア製品)
本発明による本明細書の接着剤は、また、その他のパーソナルケア製品にも用途が見出される可能性がある。接着剤は、例えば、皮膚に接着する機能性物品、例えば、皮膚処置物質、クリーム、ローション、ホルモン、ビタミン、防臭剤、薬品のような物質を皮膚に提供する、化粧品又は医薬品送達物品;殺虫剤、吸入薬、香料のような皮膚から発散させる物質を提供する化粧品又は医薬品送達物品;必ずしも皮膚に付着させる必要はないが、長時間皮膚の上に載せておく必要のある機能性物品、例えば装飾的な化粧品(口紅、アイシャドウ、舞台化粧)、及び洗浄物品(ハンドクリーナー、フェイスマスク、及び衛生的毛穴洗浄剤)などを接着させるための有用性が見出される可能性がある。このような物品は、好ましくは体液について非吸収性である。
【0065】
また、この接着剤は、物品を皮膚に付着させる用途、例えば、性器、膝、もしくは肘用のプロテクター又は包帯のような保護物品;ブラジャー、手術衣、又は仕立屋で衣類を合わせている間の衣類片のような衣料品;鼻ギプス;胸部の代用品又はかつらのような人工装具;例えば打撲の鎮痛をもたらし腫れを軽減するための冷却ラップ;例えばPCT国際公開特許WO97/36968及びWO97/49361に開示されるような一時的及び慢性的な痛みを緩和するための熱電池を含む保温性ラップ、例えば米国特許第5,728,146号に開示される頚部用ラップ、PCT国際公開特許WO97/01311に例示される膝用ラップ、例えば米国特許第5,741,318号に開示される背中用ラップ;補聴器;保護用のフェイスマスク(有毒物質の吸入の軽減又は予防用);イビキ防止貼付剤、宝石類、イヤリング、変装、入れ墨のような装飾品;ゴーグル又はその他のアイウェア、テープ、包帯、一般的効用の包帯、創傷治癒及び創傷処置用具;及び生体用皮膚電極、例えばECG、EMG、EEG、TENS電気外科、除細動、顔面/美容用途EMS及び電極;並びに患者のカテーテル、チュービングリード線ケーブルなどを固定する目的の固定製品及び/又は装置を皮膚に付着させる用途がさらに見出される可能性がある。
【0066】
(表面ケア物品)
本明細書の第3の実施形態では、本発明は、表面ケア物品を対象とする。
【0067】
本発明の目的では、表面ケア物品とは、表面の処理を指向した機能を達成するために前記表面に一時的に適用されるように設計されており、したがって前記表面への一時的な接着を必要とする、使い捨て又は除去可能な物品を意味する。
【0068】
当該物品が特に適合されている表面とは、繊維で占められた表面であり、これには、衣類、室内装飾用品、カーペットに使用されるいずれかの耐久性のある布地、並びに不織布のような使い捨ての布地が挙げられる。
【0069】
本発明の物品によって達成される処理機能は、織物の仕上げ加工の永久的又は一時的適用、衣類、室内装飾用品、又はカーペットの洗浄から、織物から発せられるように設計された香料又は他の活性物質のような物質を耐久性布地又は使い捨て布地上に適用することまで、幅広い機能にすることができる。
【0070】
本発明による表面ケア物品の一例は、掃除機を用いた掃除の代替手段又は補完手段としてカーペットに適用される、本発明による接着性ヒドロゲルを含有するカーペット除塵装置であり、ヒドロゲルは、カーペット清掃装置として使用されるモップ上で回転する使い捨て拭取り用品のロールとして存在してもよく、このようなモップの実施例の他の用途、例えば室内装飾用品、カーテン、及び衣類の除塵/清掃なども想定することができる。
【0071】
(試験方法)
(1)レオロジー
ヒドロゲルのレオロジーは、25℃においてレオメトリックス(RHEOMETRICS)SR5000振動レオメーター又は等価なものを用いて測定される。厚さ約1mm、直径25mmの試料は、断熱された直径25mmの2枚の平行板の間に設置され、ペルチェシステム又は同等物を用いて約25℃の温度に制御される。ヒドロゲル上で、動的周波数掃引(Dynamic Frequency Sweep)が、ヒドロゲルの線形弾性応答内で適用されたひずみにおける(例えば、約10%までのひずみ)応力又はひずみモードのいずれかで実施され、0.1〜100ラジアン/秒の不連続な周波数値で測定が行われる。結果は、1.0及び100ラジアン/秒の周波数値におけるG’、G’’、及びtanδとして示される。ヒドロゲルは、測定の少なくとも24時間前に熟成される。少なくとも3つの測定の平均値が報告される。
【0072】
(2)乾いた皮膚上の剥離力
乾いた皮膚からヒドロゲルを除去するための剥離力が、10Nロードセル及び固定アンビルプレート、例えばインストロン(Instron)部品モデルA50L2R−100を装備した好適な引張り試験機、例えばインストロンモデル(Instron Model)6021を用いて測定される。試料は、幅25.4mm、長さ約10〜20cmのストリップに切断される。ヒドロゲルよりも長さが長い非伸縮性フィルムが、両面接着剤を用いてヒドロゲル試料の反対側(例えば基材側)に適用される。好適なフィルムは、エフェギディ社(Effegidi S.p.A.)(イタリア、コロルノ(Colorno)43052)から入手可能な、厚さ23μmのPETである。剥離紙付きの試料の場合、ヒドロゲルが前腕に適用される前に剥離紙が除去され、次いで、ヒドロゲルと皮膚の間に空気が閉じ込められるのを防ぐために圧縮ウェイトローラを用いて所定の位置に設置する。ローラは、直径13cm、幅4.5cmであり、及び質量5Kgを有する。それは0.5mm厚さのゴムで覆われている。裏当てフィルムの自由端を引張り試験機の上部クランプに取り付け、腕をその下方に置く。試料を、皮膚から90°の角度及び1000mm/分の速度で剥がす。全試料の剥離において得られた平均剥離値が、剥離値としてN/cmで示される。3回の測定の平均値が報告される。
【0073】
(3)PET上の剥離力
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムからヒドロゲルを除去するための剥離力が、10Nロードセル及びクロスヘッド移動方向に沿って配向された、例えば鋼鉄製の固定下部プレート用の取付具を装備した好適な引張り試験機、例えばインストロンモデル(Instron Model)6021を用いて測定される。新しく生成されたヒドロゲルが、密閉されたアルミニウム袋又は同様のものの中で、測定前に少なくとも12〜24時間室温で保存される。ヒドロゲル試料から、長さが少なくとも10cmの欠陥のない試料が切断される。少なくとも長さ130mm、幅25.4mmの両面接着剤片、例えば、3Mイタリア社(3M Italia S.p.A.)(イタリア、セグラーテ(Segrate)I−20090)のタイプ1524が、ヒドロゲル積層体の裏側に貼り付けられる。ヒドロゲルは、テープの外縁部に沿って切断される。第2のライナーがテープから除去され、テープは固定ベースプレート上に貼り付けられる。厚さ23μ及びコロナ処理なしの標準PETのストリップが、約300mm×40mmに切断される。好適な材料には、エフェギディ社(Effegidi S.p.A)(イタリアのコロルノI−43052、プロヴィンシアーレ サッカ55(Via Provinciale per Sacca 55))からの「カビレン・フォレックス(Cavilen-Forex)」が挙げられる。ヒドロゲルから剥離ライナーが除去され、下端部が標準サイズのテープによって固定プレートに固定される。次いで、標準基材が、ハンドローラを用いて前方に1回及び後方に1回、1000〜5000mm/分の速度で接着剤上に適用される。ローラは、直径13cm、幅4.5cmであり、及び質量5Kgを有する。それは0.5mm厚さのゴムで覆われている。測定は、好ましくは基材適用の10分以内に実施される。
【0074】
標準基材の自由端が180°の角度で折り返され、固定プレートが引張り試験機の下部クランプに固定される。標準基材の自由端は、引張り試験機の上部クランプに固定される。剥離試験は、1000mm/分の速度で実施される。剥離の最初の20mmは無視し、残りの長さ全体にわたる平均の力が、剥離力としてN/cmで示される。3回の測定の平均値が報告される。
【0075】
(4)除去時の痛みの等級付け試験
除去時の痛みの等級付け試験は、接着剤層が設けられ、事前に着用者の皮膚に付着された試料を、着用者の皮膚から除去する時の痛みを評価するために使用される。この試験は、具体的には、各試料を除去する時の痛みを、市販の強力な医療用石膏によって構成された基準試料を除去することによって得られる痛みと比較して評価する。
【0076】
試料の調製
試験は、コロルノ(イタリア、パルマ)のエフェギディ社(Effegidi S.p.A.)から販売されているような、厚さ23μmのポリエステルフィルム製の60×20mmの長方形試料において実施され、この試料の片側には、アキュメータ(Acumeter)モデルLH−1押出成形機によって適用された、選択された厚さを有する局所的な接着剤の連続的な層が設けられている。基準試料は、商品名フィクソムル・ストレッチ(Fixomull stretch)としてバイエルスドルフ社(Beiersdorf A.G.)(ドイツ、ハンブルク)から入手可能な接着性不織布の60×20mm試料である。
【0077】
試験方法
試験には、6人の評価者による評価委員会が選択される。試験は、温度23°及び相対湿度50%に保たれた、気候制御実験室内で実施される。水及び石鹸による通常の清浄化/洗浄以外、着用者の皮膚の特別な処理は必要ない。次いで、試験前に皮膚を少なくとも2時間乾燥させて、皮膚を室内条件と平衡状態に到達させる。異なる接着剤が試験において基準試料Rと比較されて評価される。各試料が、評価者の前腕の内側部分の手首と肘の間の中央部分に、試料の短い側を腕の長さに合わせてオペレータにより手で適用される。オペレータは、医療用石膏を皮膚に接着させるために通常加えられるのと同一の圧力を、手の平で各試料に加える。各試料は、規定時間にわたって装着され、その後オペレータが評価者の皮膚からゆっくり滑らかに引っ張ることによって除去される。
【0078】
1つの基準試料Rと複数の試験試料との4つの組が、それぞれ着用者の皮膚に適用され、装着され、着用者の皮膚から除去される。各試料は、1分間装着され、同じ組の後続の試料を実施する前に5分間待機され、後続の異なる組を実施する前に15分間待機される。基準試料Rは、常に、各組の第1試料として適用され、装着され、除去される。初めの3つの組それぞれにおける試験試料の適用/装着/除去の順序は、無作為であるが、各組において重複がなく、初めの3つの組において順序が繰り返されないことを条件とする。第4組では、試験試料のうちの1つが2回試験されるが、基準試料Rは、常に第1番目である。各試料に、全体として等しい回数(24回)の試験を実施しなければならない。
【0079】
評価者は、0〜10の範囲の痛みの尺度を用いて各試料を評価するように要請されたが、ここで0は痛みなしに相当し、及び10は基準試料Rを除去する時の痛みに相当する。各試料についての痛みの値が24回の観察の平均として得られた。
【0080】
試験で収集された結果は、統計分析プログラム「集団平均値比較−対を成す試料(Comparison of Population Means-Paired Samples)」によって分析され、試料の痛みの間の相違が統計的に有意であることが示された。
【0081】
(5)繊維包埋試験
この試験では、側部寸法が35mmより大きい液体不透過性の基材上にヒドロゲル接着剤を載せた試料が使用される。また、この試験には、ヒドロゲルの側部寸法に等しい又はそれより大きい側部寸法を有する、坪量約35gm2の嵩高の疎水性不織布(例えば、サンドラー4378サワボンド不織布(Sandler 4378 Sawabond non-woven)又はそれと同等のもの)が使用される。使用前に、この不織布の裏側(嵩高ではない面)が、(i)両面接着剤(例えば、3Mイタリア社(3M Italia S.p.A.)(イタリア、セグラーテI−20090)から市販の1524型)、及び(ii)厚さ23μ、コロナ処理なしの標準PET片(例えば、エフェギディ社(Effegidi S.p.A.)(イタリア、コロルノI−43052、プロヴィンシアーレ サッカ55(Via Provinciale per Sacca 55))からの市販の「カビレン・フォレックス(Cavilen-Forex)」)で覆われる。ヒドロゲル試料は、ヒドロゲルの接着剤側を嵩高側と接触させて、不織布の上に面と面を合わせて適用される。ヒドロゲル/不織布のサンドイッチ構造の直径約35mmの円形片が、より大きな断片から内径約35mmの環状パンチ又は同等物を用いて切断され、少なくとも0.001gの精度で重量を測定される(W35)。厚さ約0.5mmのゴムで覆われた、直径約13cm、質量約5kgの圧縮ウェイトローラを使用して、得られたヒドロゲル/不織布のサンドイッチ構造の直径35mm片の初めに前面、次に裏面の上で圧縮ウェイトを回転させることによって、前記円形片を圧縮する。ヒドロゲル/不織布サンドイッチの圧縮された円形片は、乾燥容器内に不織布側を下にして配置され、並びに直径約50mm及び重さ約240gの円筒形のステンレス鋼のおもりにより覆われる。次にこの容器に、約0.01重量%のインジゴカルミンブルー染料(Indigo Carmine Blue Dye)を含有する、十分な量の0.9%食塩水溶液が添加され、サンドイッチ構造が完全に覆われる。約60分間の浸漬時間後、試験試料を生理食塩水から取り除き、外表面を拭って乾燥させる。直径35mmの試験試料の中心から、内径約25mmの環状パンチ又は同等物を用いて、直径約25mm片が切断され、少なくとも0.001gの精度で重量を測定される(W25)。試験試料の外側の幅5mmの環状片を切除することによって、生理食塩水との拡散接触だけによって膨張したヒドロゲルが除去される。この中央の直径25mm片は、また、青色の出現についても視覚的に検査される。大きな35mm試験片を生理食塩水に浸漬された結果の、ヒドロゲルの内側の直径25mmの中央部分の重量増加分(%)は、次式を用いて計算される:
重量増加(%)=100*{(Wf−Wi)/Wi}/F
式中、
F={W35−(BW不織布構造*35)−(BW基材*35)}/W35
さらに、
i=W35*25/A35
f=W25
35=ヒドロゲル/不織布の35mm円形片の乾燥重量(g)
35=ヒドロゲル/不織布の35mm円形片の面積(cm2)
25=ヒドロゲル/不織布の25mm円形片の面積(cm2
25=浸漬後のヒドロゲル/不織布の内側25mm円の乾燥重量(g)
BW不織布構造=不織布構造の単位面積当たり重量(単位:g/cm2)
BW基材=ヒドロゲル基材の単位面積当たり重量(g/cm2)
少なくとも3回の測定の平均値を使用して、パーセント重量増分が計算される。
【0082】
ヒドロゲル中に繊維が良好に包埋される場合、ヒドロゲルと不織布の疎水性裏地との間に生理食塩水溶液が毛管作用によって浸透する毛管経路が比較的少なく、したがってヒドロゲルの内側の25mm円におけるヒドロゲルについてパーセント重量増分が低い(例えば<5%)。また、ヒドロゲルのこの中央部における青色の出現は最小限である。繊維の包埋が不十分な場合、多くの毛管経路が存在し、したがって重量の増分が多い(例えば>5%)。また、ヒドロゲルのこの中央部には顕著な青色が出現する。
【実施例】
【0083】
以下の実施例1、2、及び3に記載された組成物を有するヒドロゲル接着剤組成物が、毛で覆われた皮膚上の接着のために用いられる。
【0084】
(実施例1)
約8.0部の水酸化ナトリウム(アルドリッチ(Aldrich);ACS試薬等級)を33.8部の蒸留水に溶解することにより水酸化ナトリウムの水溶液を調製する。室温に冷却した後、約20.7部のアクリル酸(アルドリッチ(Aldrich)99%)を添加する。得られた溶液は、モル比約3:7のアクリル酸とアクリル酸ナトリウムの混合物を含有する。室温に冷却した後、約37.4部のグリセロール(アグラール(Agrar))をこの溶液に添加する。得られた混合物を約15分間撹拌する。別個に、約6.0部の光開始剤イルガキュア(Irgacur)184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(CIBA Specialty Chemicals))を約20部の架橋剤IRR−210(アルコキシル化トリアクリレート、分子量〜800;UCBケミカルズ(UCB Chemicals))に溶解することにより溶液を調製する。得られた架橋剤/光開始剤溶液の約0.14部を、部分的に中和されたアクリル酸のグリセロール/水溶液の約99.9部に添加し、その後約20分間撹拌する。
【0085】
このモノマー溶液の一部を1平方メートル当り約1.0キログラムの坪量で、溶液の展延が容易になるように、プルロニック(Pluronic)6400界面活性剤(バスフ(BASF))の非常に薄い層で拭うことにより表面処理されたシリコン塗工剥離紙(シルク・クラフト(Silk Kraft)70GR;コゲシル社(Cogesil SpA))上に広げる。取り扱いの目的で、剥離紙は、直径8.5cmのポリスチレンペトリ皿の内部に前もって配置される。モノマー溶液の第二部分を、およそ1.0キログラム/平方メートルの坪量で、薄い多孔質の不織布基材(ファイバーウェブ(Fiberweb)33;カラリンドPE(Corolind PE);33g/m2)上にコーティングする。この不織布はPETフィルム(カヴィレン−フォレックス(Cavilen-Forex);23μm)により裏当てされており、このPETフィルムは不織布に3M1524両面接着剤により付着している。この不織布は、浅い長方形の20cm×12cmのプレクシグラス(Plexiglass)箱の内部に前もって配置される。不織布の表面全体に溶液を滴下し、次いで箱をゆっくりと左右に傾けて溶液を広がらせる。IST200オゾンなしアーク灯(スペクトル型:CKII−OF)を装備したISTモデル#M20−1(2)−TR−SLC紫外線ポリマー反応装置が、重合を達成するために用いられる。ランプから約10cm下方に配置された可動速ベルト上にてランプの下を通過させながらモノマーコーティング基材を照射する。ベルトの速度を、約7メートル/分に設定する。ランプのピーク出力が、UMS−1パワーメータ(エタ・プラス・エレクトロニック(Eta Plus Electronic))を使用して測定され、及び試料上の入射ピークUV出力が約1200ミリワット/cm2になるように、ランプの出力強度が調節される。ランプの下の12回の連続通過を用いてモノマー溶液を重合し、及びこれを毛髪を包埋するために有用な柔らかい接着剤ヒドロゲルに変換する。
【0086】
得られたヒドロゲルを次のように分析する。剥離紙上で重合された試料から、直径25mmのパンチを使用して、レオロジー特性の測定のためのヒドロゲルの円形試料が得られる。パンチした部分を、レオメトリックス(Rheometrics)RDAII振動レオメーターの上部プレートに移動する。剥離紙をヒドロゲルから取り除き、及びヒドロゲルにレオメーターの下部プレートで接触する。周波数(1.0〜100rad/秒)におけるG’とG’’の関係を25℃において、標準手順を用いて測定する。試料の厚さは、レオロジー測定に用いられるプレート間の距離間隔によって得られる。16cm×2.54cmのストリップを、不織布基材上に形成されたヒドロゲル試料から切断する。このストリップを用いて、記載された手順を用いて接着剤の剥離力を測定する。
【0087】
実施例1のヒドロゲルについての試験結果は表1に要約されている。熟練した評価者によるヒドロゲル試料の評価は、この実施例のヒドロゲルは毛髪を包埋するのに有効であることを示している。
【0088】
(実施例2)
次の変更を除いて実施例1に記載された手順に従う。約7.7部の水酸化ナトリウムを約34.6部の蒸留水に溶解することにより水酸化ナトリウムの水溶液を調製する。約19.8部のアクリル酸を添加する。この溶液に約38部のグリセロールを添加する。
【0089】
実施例2のヒドロゲルについての試験結果は表1に要約されている。熟練した評価者によるヒドロゲル試料の評価は、この実施例のヒドロゲルは毛髪を包埋するのに有効であることを示している。
【0090】
(実施例3)
3−スルホプロピルアクリル酸カリウム(KSPA:アルドリッチ(Aldrich))の水溶液を、約34.3部のKSPAを約34.3部の蒸留水に溶解することにより調製する。この溶液を約31.3部のグリセロール(アグラール(Agrar))と混合し、約10分間撹拌する。別個に、約6.0部の光開始剤イルガキュア(Irgacur)184(1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(CIBA Specialty Chemicals))を約20部の架橋剤IRR−210(アルコキシル化トリアクリレート、分子量〜800;UCBケミカルズ(UCB Chemicals))に溶解することにより溶液を調製する。得られた架橋剤/光開始剤溶液の約0.14部をKSPA溶液に添加し、その後約20分間撹拌する。その後実施例1に記載された手順に従う。
【0091】
実施例3のヒドロゲルについての試験結果は表1に要約されている。熟練した評価者によるヒドロゲル試料の評価は、この実施例のヒドロゲルは毛髪を包埋するのに有効であることを示している。
【0092】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)使い捨て排泄物処理物品、吸収性物品、機能性物品、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される物品を含み;
(b)その際、前記物品がヒドロゲル接着剤を含み、前記接着剤が10重量%〜60重量%の架橋親水性ポリマー;5重量%〜80重量%の水溶性非イオン性湿潤剤、及び10重量%〜85重量%の水を含み、前記接着剤が1000Pa未満の、温度25℃における弾性率G’25(1rad/秒)を有するパーソナルケア製品。
【請求項2】
前記G’25(1rad/秒)が100Pa〜700Paの範囲である、請求項1に記載のパーソナルケア製品。
【請求項3】
前記接着剤の温度25℃における粘性率G’’25(1rad/秒)が50Pa〜1000Paの範囲であり、G’’25(1rad/秒)/G’25(1rad/秒)の比率が0.15〜0.65の範囲であり、及び乾いた皮膚上での剥離力強度が0.3N/cm〜2N/cmの範囲である、請求項1に記載のパーソナルケア製品。
【請求項4】
前記物品が、袋を具備する使い捨てヒト排泄物処理物品であって、前記袋は開口部及び前記開口部を囲むフランジを具備し、前記フランジは着用者に面する表面を具備し、その際前記ヒドロゲル接着剤が前記着用者に面する表面上に配置される、請求項1に記載のパーソナルケア製品。
【請求項5】
前記物品が、吸収性コア及び着用者に面する表面を具備する吸収性物品であり、前記ヒドロゲル接着剤が前記着用者に面する表面上に配置される、請求項1に記載のパーソナルケア製品。
【請求項6】
前記機能性物品が、化粧品送達物品、医薬送達物品、装飾的化粧品物品、洗浄物品、保護物品、衣料品、人工装具、冷却ラップ、保温性ラップ、補聴器、装飾品、ゴーグル及びアイウェアから成る群から選択され、前記機能性物品が着用者に面する表面を含み、前記ヒドロゲル接着剤が前記着用者に面する表面上に配置される、請求項1に記載のパーソナルケア製品。
【請求項7】
繊維で占められた表面上での接着が可能なヒドロゲル接着剤を含む表面ケア物品であって、前記ヒドロゲル接着剤が10重量%〜60重量%の架橋親水性ポリマー、5重量%〜80重量%の水溶性非イオン性湿潤剤、及び10重量%〜85重量%の水を含み、前記接着剤が1000Pa未満の、温度25℃における弾性率G’25(1rad/秒)を有する表面ケア物品。
【請求項8】
G’25(1rad/秒)が100Pa〜700Paの範囲である、請求項7に記載の表面ケア物品。
【請求項9】
毛又は繊維で占められた表面上にヒドロゲル接着剤を使用する方法であって、前記方法がヒドロゲルを前記表面に接着する工程を含み、前記接着剤が約10重量%〜60重量%の架橋親水性ポリマー;5重量%〜80重量%の水溶性非イオン性湿潤剤、及び10重量%〜85重量%の水を含み、前記接着剤が1000Pa未満の、温度25℃における弾性率G’25(1rad/秒)を有する方法。
【請求項10】
前記G’25(1rad/秒)が100Pa〜700Paの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記接着剤は、粘性率G’’25(1rad/秒)が50Pa〜1000Paの範囲であり、G’’25(1rad/秒)/G’25(1rad/秒)の比率が0.15〜0.65の範囲であり、及び乾いた皮膚上での前記接着剤の剥離力が0.3N/cm〜5.0N/cmの範囲である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記粘性率が100Pa〜700Paの範囲であり、G’’25(1rad/秒)/G’25(1rad/秒)の比率が0.15〜0.35の範囲であり、乾いた皮膚上での剥離力が0.3N/cm〜2.0N/cmの範囲である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記架橋親水性ポリマーが、3未満のpKaを有する強酸モノマー類、3を超えるpKaを有する弱酸モノマー類、非イオン性モノマー類、陽イオン性モノマー類、双性イオン性モノマー類、及びこれらの組み合わせから成る群から選択されるモノマー単位を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記湿潤剤が多価アルコールを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記湿潤剤がグリセロールを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記毛で占められた表面が皮膚を含む、請求項9に記載の方法。


【公表番号】特表2006−507370(P2006−507370A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−581738(P2003−581738)
【出願日】平成15年3月27日(2003.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/009345
【国際公開番号】WO2003/084498
【国際公開日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】