説明

毛髪用化粧料

【課題】毛髪に塗布する際のセット力と操作性(特に、毛髪への延ばし易さ等)を両立させ、且つ毛髪を梳かした際にフレーキングを起こさず、部分的なスタイル形成性をも向上した毛髪用化粧料を提供する。
【解決手段】(I)高級アルコール1.0〜5.0重量%、
(II)C3〜C22脂肪酸とアルコールとからなるエステル1.0〜6.0重量%、
(III)ロウ類1.0〜6.0重量%、
(IV)油脂類0.1〜1.5重量%、
(V)ノニオン界面活性剤1.0〜6.0重量%、
(VI)脂肪酸1.0〜5.0重量%、
(VII)アルカリ剤0.05〜0.5重量%、
(VIII)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド0.05〜0.5重量%、
(IX)多価アルコール0.1〜5.0重量%
を含有し、粘度が5,000〜25,000mPa・sである毛髪用化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪用化粧料に関する。特に、本発明は、毛髪用仕上げ剤に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪を所望のスタイルに形成し、またその形成したスタイルを長時間維持するための毛髪用仕上げ剤として、ヘアワックス、ヘアクリーム、或いはヘアミスト等が知られている。
【0003】
従来、ヘアワックスとしては、被膜性高分子化合物、油性成分、界面活性剤、及び水を配合してなるものが知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載のヘアワックスは、セット力を重視しているため、粘度が高く、操作性に優れないという問題がある。又、被膜性高分子化合物を使用するため、毛髪が硬くなり過ぎたり、毛髪を梳かした際にフレーキングを起こしたりする場合がある。
【0004】
一方、毛髪に油分を付与することを目的としたヘアクリームは、操作性に優れているが、セット力が充分でないという問題がある。
【0005】
ところで、本出願人は、先に、ロウ類、高級アルコール、ノニオン界面活性剤、脂肪酸、多価アルコール、アルカリ剤、及び水を配合してなる新規なミストワックスにつき、特許出願した(特許文献2)。
【0006】
このミストワックスは、スプレーにて直接、毛髪に塗布するため、毛髪全体のスタイリング性に優れている。しかも、ヘアワックスの特性である十分なセット力をも備えており、且つそのセット力を保持しつつ再セット力も高く、更には毛髪を梳かした際にフレーキングを起きない、という種々の優れた点を有する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−182612号公報。
【特許文献2】特開2002−370947号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、相反する二つの特性、即ちセット力と操作性(特に、毛髪への延ばし易さ等)を両立させ、且つ毛髪を梳かした際にフレーキングを起こさず、更には上記ミストワックスの有する種々の優れた特性を保持しつつ部分的なスタイル形成性をも向上した毛髪用化粧料を提供することを目的とする。
【発明が解決しようとする手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明者が鋭意、検討した結果、以下の本発明を成すに到った。
即ち、本願発明は、(I)高級アルコール1.0〜5.0重量%、(II)C3〜C22脂肪酸とアルコールとからなるエステル1.0〜6.0重量%、(III)ロウ類1.0〜6.0重量%、(IV)油脂類0.1〜1.5重量%、(V)ノニオン界面活性剤1.0〜6.0重量%、(VI)脂肪酸1.0〜5.0重量%、(VII)アルカリ剤0.05〜0.5重量%、(VIII)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド0.05〜0.5重量%、(IX)多価アルコール0.1〜5.0重量%を含有し、粘度が5,000〜25,000mPa・sである毛髪用化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、相反する二つの特性、即ちセット力と操作性(特に、毛髪への延ばし易さ等)を両立させ、且つ毛髪を梳かした際にフレーキングを起こさず、再セット力もあり、更には部分的なスタイル形成性をも向上した毛髪用化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明における最良の実施形態について詳述する。
本発明の毛髪化粧料においては、成分(I)として、高級アルコールを含有する。成分(I)としては、例えばC12〜C22の飽和若しくは不飽和脂肪族アルコール等が挙げられる。
【0012】
上記C12〜C22の飽和若しくは不飽和脂肪族アルコールとしては、具体的にはラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等が挙げられ、これらの成分を1種以上使用してよい。好ましくは、ベヘニルアルコールである。
【0013】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(II)として、C3〜C22脂肪酸とアルコールとからなるエステルを含有する。アルコールとしては、C1〜C30のものが挙げられる。
【0014】
具体的には、成分(II)としては、ミリスチン酸イソプロピル、パルチミン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸デシル、パルチミン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、パルチミン酸オクチル、パルチミン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、イソステアリン酸ヘキシル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソステアリル等が挙げられ、これらの成分を1種以上使用してよい。好ましくは、イソステアリン酸ヘキシルデシルである。
【0015】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(III)として、ロウ類を含有する。成分(III)としては、高融点のものが好ましく、具体的にはミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン、キャンデリラロウ、コメヌカロウ等が挙げられ、これらの成分を1種以上使用してよい。好ましくはキャンデリラロウ、ミツロウである。
【0016】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(IV)として、油脂類を含有する。成分(IV)としては、植物油が好ましく、具体的にはアボカド油、サザンカ油、ツバキ油、ホホバ油、オリーブ油、ヒマシ油、サフラワー油、パーム油、アルモンド油、ゴマ油、コメヌカ油、大豆油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、ヤシ油、ブドウ種子油等が挙げられ、これらの成分を1種以上使用してよい。好ましくは、オリーブ油である。
【0017】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(V)として、ノニオン界面活性剤を含有する。成分(V)としては、例えばエーテル型ノニオン界面活性剤、エステル型ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
【0018】
上記エーテル型ノニオン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンアルキルエーテル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばポリオキシエチレン(以下、「POE」と言うことがある。)C12〜C22アルキルエーテルが挙げられる。
【0019】
具体的には、POE(C12〜C22)アルキルエーテルとしては、POEラウリルエーテル、POEミリスチルエーテル、POEセチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEアラキルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEトリデシルエーテル、POEイソセチルエーテル、POEセトステアリルエーテル、POEオレイルセチルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POE−secアルキル(C14)エーテル、POEイソステアリルエーテル等が挙げられる。
【0020】
POEアルキルエーテルにおける、EO(エチレンオキサイド)重合度としては、3〜20が好ましい。
POEアルキルエーテルは、混合物を使用してもよい。混合物としては、具体的には、POE(10EO)アルキル(C12,C13)エーテル、POE(3EO,7EO,12EO)アルキル(C12〜14)エーテル、POE(2EO,10EO,20EO)イソステアリルエーテル等が挙げられる。
【0021】
エステル型ノニオン界面活性剤としては、例えばPOE脂肪酸エステル、及び多価アルコールの脂肪酸部分エステル等が挙げられる。
【0022】
POE脂肪酸エステルとしては、例えばPOE(C12〜C18)脂肪酸エステルが挙げられる。POE(C12〜C18)脂肪酸エステルとしては、具体的にはモノステアリン酸ポリエチレングリコール、POEラウリン酸エステル、POEパルミチン酸エステル、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ラウリン酸ジエチレングリコール、ミリスチン酸ポリエチレングリコール、パルチミン酸ポリエチレングリコール、ステリン酸ジエチレングリコール、イソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ジエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコール、ジリシノレイン酸ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0023】
多価アルコールの脂肪酸部分エステルにおいて、多価アルコールとしては、例えばグリセリンが挙げられる。脂肪酸としては、例えばC6〜C22の飽和若しくは不飽和脂肪酸等が挙げられる。部分エステルとしては、例えばモノエステルが挙げられる。具体的にはモノカプリン酸グリセリン、モノミリスチン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、モノヒドロキシステアリン酸グリセリル、モノインステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、モノ牛脂肪酸グリセライド、モノラノリン脂肪酸グリセリル等が挙げられる。
【0024】
本発明の毛髪用化粧料において、成分(V)は、上記に表される成分を1種以上使用してよい。好ましくは、POEベヘニルエーテルである。
【0025】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(VI)として、脂肪酸を含有する。成分(VI)としては、具体的には天然脂肪酸、合成脂肪酸等が挙げられる。天然脂肪酸としては、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸等が挙げられる。合成脂肪酸としては、具体的にはイソステアリン酸等が挙げられる。
【0026】
本発明の毛髪用化粧料において、成分(VI)は、上記に表される成分を1種以上使用してよい。好ましくは、ベヘニン酸である。
【0027】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(VII)として、アルカリ剤を含有する。成分(VII)としては、例えば無機アルカリ剤及び有機アルカリ剤等が挙げられる。
【0028】
上記無機アルカリ剤としては、具体的にはアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。又、上記有機アルカリ剤としては、具体的にはL−アルギニン、L−ヒスチジン、L−リシン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン(TIPA)、トリエタノールアミン(TEA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール(AMPD)等が挙げられ、これらの成分を1種以上使用してよい。好ましくは、L−アルギニン、水酸化ナトリウムである。
【0029】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(VIII)として、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミドを含有する。
【0030】
本発明の毛髪化粧料においては、成分(IX)として、多価アルコールを含有する。成分(IX)としては、具体的には1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール等が挙げられ、これらの成分を1種以上使用してよい。好ましくは、1,3−ブチレングリコールである。
【0031】
成分(VIII)と成分(IX)とを併用することにより、相乗効果によって、毛髪に塗布する際の操作性(毛髪への延ばし易さ)を極めて向上させることができる。
【0032】
本発明の毛髪化粧料には、防腐剤として機能させる等の目的で、フェノキシエタノール、パラオキシ安息香酸メチルナトリウム等の添加剤を加えてもよい。
【0033】
その他に、本発明の毛髪化粧料には添加剤として、紫外線吸収剤、キレート剤、保湿剤、増粘剤、動植物抽出液、防腐剤、清涼剤、pH調整剤、ビタミン類、噴射剤、香料、抗菌剤、酸化防止剤、抗炎症剤、色素等を加えても良い。
【0034】
本発明の毛髪化粧料の組成(重量%)において、毛髪化粧料全体につき、成分(I)の含量は1.0〜5.0(好ましくは1.3〜3.6)である。成分(II)の含量は1.0〜6.0(好ましくは1.9〜5.4)である。成分(III)の含量は1.0〜6.0(好ましくは1.8〜5.2)である。成分(IV)の含量は0.1〜1.5(好ましくは0.4〜1.2)である。成分(V)の含量は1.0〜6.0(好ましくは1.9〜5.4)である。成分(VI)の含量は1.0〜5.0(好ましくは1.3〜3.6)である。成分(VII)の含量は0.05〜0.5(好ましくは0.1〜0.2)である。成分(VIII)の含量は0.05〜0.5(好ましくは0.1〜0.2)である。成分(IX)の含量は0.1〜5.0(好ましくは0.7〜2.0)である。
【0035】
成分(I)が1.0重量%未満の場合、粘度低下による操作性の低下を起こすことがある。逆に、成分(I)が5.0重量%を超過する場合、粘度増加による操作性の低下を起こすことがある。成分(II)が1.0重量%未満の場合、粘度低下による操作性の低下、及び仕上がり後の毛髪にべたつきが生じることがある。逆に、成分(II)が6.0重量%を超過する場合、粘度増加による操作性の低下を起こすことがある。成分(III)が1.0重量%未満の場合、セット力の低下、及び仕上がり後の毛髪にかさつきが生じることがある。逆に成分(III)が6.0重量%を超過する場合、操作性が低下することがある。成分(IV)が0.1重量%未満の場合、仕上り後の油性感が低減することがある。逆に、成分(IV)が1.5重量%を超過する場合、仕上がり後の毛髪にべたつきが生じることがある。成分(V)が1.0重量%未満の場合、セット力が低下することがある。逆に、成分(V)が6.0重量%を超過する場合、操作性が低下することがある。成分(VI)が1.0重量%未満の場合、操作性及び安定性が低下することがある。逆に、成分(VI)が5.0重量%を超過する場合、操作性が低下することがある。成分(VII)が0.05重量%未満の場合、乳化安定性が低下することがある。逆に成分(VII)が0.5重量%を超過する場合、操作性が低下することがある。成分(VIII)が0.05重量%未満の場合、操作性が低下することがある。逆に成分(VIII)が0.5重量%を超過する場合、操作性が低下することがある。成分(IX)が0.1重量%未満の場合、操作性が低下することがある。逆に成分(IX)が5.0重量%を超過する場合、セット力が低下することがある。
【0036】
本発明の毛髪化粧料において、添加剤の配合組成(重量%)としては、毛髪化粧料全体につき、例えば防腐剤0〜5.0(典型的には0.01〜2.0)であってよい。
【0037】
本発明の毛髪化粧料は、成分(I)〜(VI)の混合物中に、成分(III)、成分(VII)〜(IX)及び水の混合物を加えて均一に撹拌混合し、45℃以下まで冷却し、補水調整することによって、調製することができる。
【0038】
上述のようにして調製される本願毛髪用化粧料は、粘度5,000〜25,000(好ましくは6,000〜9,500)mPa・sを有する。粘度が低過ぎるとセット力が十分得られない場合があり、逆に粘度が高すぎると操作性が劣る場合がある。
【実施例】
【0039】
[仕上げ剤の調製]
・実施例1〜4、及び比較例1〜12
表1に示す組成に従い、成分(I)、成分(II)、成分(III)のキャンデリラロウ、及び成分(IV)〜(VI)を均一に攪拌溶解し、仕上げ剤用基剤を調製した。一方、パラオキシ安息香酸ナトリウム及び成分(VII)、並びに精製水80重量部から、水溶液を調製した。
【0040】
上記仕上げ剤用基剤、成分(III)のミツロウ、成分(VIII)、成分(IX)、及びフェノキシエタノールを均一に混合し約80℃に加熱溶解し、更に上記水溶液を加えて乳化物を調製した。この乳化物を45℃以下まで冷却し、最後に精製水残部にて補水調整を行い、仕上げ剤(各実施例1〜4及び比較例1〜12)100重量部を調製した。
【0041】
[仕上げ剤の評価試験]
調製した仕上げ剤の24時間後の外観を目視で観察し、乳化安定性を評価した。次に、重さ約2g、長さ約20cmの乾燥した毛束に、調製した仕上げ剤0.2gを塗布し、操作性(毛髪への延ばし易さ)、毛髪のセット力、しっとりさ、べたつき、かさつき、及び毛髪を梳かした際のフレーキングの有無について、それぞれ官能評価した。これらの評価結果を、表1に表す。
【0042】
尚、表1中、「乳化安定性」において、「◎」は「完全に乳化している」、「○」は「ほとんど乳化している」、「△」は「一部分離している」、「×」は「完全に分離している」、をそれぞれ表す。塗布時の「毛髪への延ばし易さ」において、「◎」は「極めて良い」、「○」は「良い」、「△」は「やや悪い」、「×」は「悪い」、をそれぞれ表す。塗布した後の「セット力」において、「◎」は「毛束感が強い」、「○」は「毛束感がやや強い」、「△」は「毛束感がやや弱い」、「×」は「毛束感が弱い」、をそれぞれ表す。塗布した後の「しっとりさ」において、「◎」は「優れる」、「○」は「良い」、「△」は「劣る」、「×」は「非常に劣る」、をそれぞれ表す。
【0043】
【表1】

【0044】
表1中、1)は以下を表す。
1):[L−アルギニン10%+水90%]mix.
【0045】
表1の結果から、以下のことが明らかである。
実施例1〜4に示すように、成分(I)〜(IX)を配合した本願仕上げ剤は、乳化安定性、乾燥した毛髪に塗布した際の操作性(毛髪への延ばし易さ)、及び塗布した後の毛髪のセット力、並びに毛髪の油性感(しっとりさ)は全て良好であり、部分的形成性も優れており、フレーキングも無かった。
【0046】
一方、比較例8〜10に示すように、成分(VIII)又は成分(IX)を含有しない場合、塗布した際の操作性(毛髪への延ばし易さ)が低下する。このことから、操作性は、成分(VIII)と成分(IX)の2成分を併用することにより初めて発現することが判る。
【0047】
比較例11に示すように、粘度が25000mPa・sを超過する場合、調製した仕上げ剤が固いため、毛髪に塗布した際の操作性(毛髪への延ばし易さ)が低下する。
【0048】
比較例12に示すように、粘度が5000mPa・s未満の場合、調製した仕上げ剤が柔らかいため、液ダレしやすく、塗布した際の操作性(毛髪への延ばし易さ)が低下する。又、液ダレすることによって、仕上げ剤が毛髪に十分からまず(なじまず)、しっとりさが低下し、かさつきが起こる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)高級アルコール1.0〜5.0重量%、
(II)C3〜C22脂肪酸とアルコールとからなるエステル1.0〜6.0重量%、
(III)ロウ類1.0〜6.0重量%、
(IV)油脂類0.1〜1.5重量%、
(V)ノニオン界面活性剤1.0〜6.0重量%、
(VI)脂肪酸1.0〜5.0重量%、
(VII)アルカリ剤0.05〜0.5重量%、
(VIII)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド0.05〜0.5重量%、
(IX)多価アルコール0.1〜5.0重量%
を含有し、粘度が5,000〜25,000mPa・sである毛髪用化粧料。

【公開番号】特開2008−106027(P2008−106027A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316268(P2006−316268)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【出願人】(591028980)山栄化学株式会社 (45)
【Fターム(参考)】