説明

気体圧縮機

【課題】気体圧縮機において、圧力調整弁が本来予定している吐出室の圧力(静圧)で正確に開閉させる。
【解決手段】トリガーバルブ66は、吐出室21側においてサイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響を受けないように、遠心分離方式の油分離器に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体圧縮機に関し、詳細には、圧縮機本体に組み付けられた油分離器における圧力調整弁の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスなどの気体を圧縮して、空調システムに気体を循環させるための気体圧縮機(コンプレッサ)が用いられている。
【0003】
この気体圧縮機は、回転駆動されて気体を圧縮する圧縮機本体がハウジングの内部に収容され、圧縮機本体から高圧の気体が噴出される吐出室が形成され、この吐出室からハウジングの外部に高圧に気体を排出するものである。
【0004】
ここで、圧縮機本体には、圧縮機本体から噴出された高圧の気体から油分を分離する油分離器が組み付けられ、油分離器によって分離された油分は、吐出室の底部に溜められる。
【0005】
そして、この吐出室の底部に溜められた油分は、吐出室内の圧力(高圧の気体の圧力)によって圧縮機本体内に導かれる。
【0006】
圧縮機本体は、与えられた回転駆動力によって回転する回転軸と、この回転軸と一体的に回転する円柱状のロータと、ロータの外周面の外方に配置された、内周面が断面略楕円形状のシリンダと、シリンダ及びロータの両端面を覆う2つのサイドブロックと、回転軸回りの等角度間隔でロータに埋設された板状の複数のベーンとを備え、ベーンは、背圧を受けてロータの外周面から突出可能とされ、その突出側先端が、シリンダの内周面に接しつつ、ロータの回転にしたがって突出量が変化する。
【0007】
これによって、ロータ、シリンダ、両サイドブロック及びロータの回転方向に相前後する2枚のベーンで圧縮室が形成され、各圧縮室は、ロータの回転にしたがって容積が変化することで、気体が圧縮室に吸入され、その後圧縮されて、高圧の気体となって吐出室に噴出される。
【0008】
ベーンが受ける背圧は、圧縮機本体内に導かれた油分であるが、高圧のままでは突出力が強すぎて、ベーン先端とシリンダ内周面との当たりが過度に強くなるため、圧縮機本体の内部には、導入された油分の圧力を吐出室内の圧力よりも低い中間圧に絞る絞り部が設けられ、中間圧に絞られた油分が、導油路及びベーン背圧空間に供給される。
【0009】
なお、ベーンの突出力は、上述したベーンが受ける背圧だけでなく、ロータの回転に伴って生じる遠心力も加わったものとなっている。
【0010】
ここで、気体圧縮機の通常の回転動作中は、上述した作用によって、ベーンはシリンダ内周面に追従するが、気体圧縮機の停止状態が続くと、吐出室の内圧が低下するため、ベーン背圧も低下し、いくつかのベーンは自重により、その先端がシリンダの内周面から離れて、形成されない圧縮室も生じる。
【0011】
そのような状態で、気体圧縮機が次に起動したとき、ロータが回転し始めた直後は、背圧が小さいため、ベーンが瞬時には飛び出さず、定常の高圧気体を得るまでの時間が長くかかる場合がある。
【0012】
また、ベーン背圧がある程度まで高められないと、シリンダの内周面に押し付けられるベーン先端に作用する圧縮室の圧力によって、ベーン先端がシリンダ内周面から離されて、チャタリングを発生することもある。
【0013】
そこで、起動直後のベーンの突出性能を向上させるための機構として、油分離器に、ベーン背圧空間と吐出室とを通じさせる高圧バイパス路を形成するとともに、高圧バイパス路に吐出室内の圧力(静圧)が所定の圧力に達するまでは開き、吐出室内の圧力(静圧)が所定の圧力に達した後は閉じる圧力調整弁を設けることが提案されている(特許文献1)。
【0014】
このように構成された気体圧縮機では、気体圧縮機の起動直後は、圧力調整弁が高圧バイパス路を開放しているため、吐出室の内圧が絞り部を介さずに導油路に直接作用して、ベーンの背圧は絞り部を介した圧力よりも高くなり、ベーンの突出性能を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2008−223526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、油分離器には、圧縮された気体が圧縮機本体から噴出されたときの勢いで油分を遠心分離するもの(遠心分離方式の油分離器)がある。この油分離器は、圧縮された気体が圧縮機本体から噴出されたときの勢いで油分を遠心分離する内周壁面及び遠心分離された前記油分が流れ落ちる底壁面で囲まれた内部空間を有する。そして、内部空間内で遠心分離された油分は、底壁面に形成された排油孔から吐出室の下部に排出される。
【0017】
この油分離器から噴出される気体の噴流(動圧)が強いため、油分離器に付けられた圧力調整弁は、その動圧の影響を受けてしまうおそれがある。動圧の影響を受けると、吐出室内の圧力(静圧)が所定の圧力に達していなくても、圧力調整弁は閉じてしまう。
【0018】
そこで、圧力調整弁の圧力値の設定について、油分離器から噴出される気体の噴流(動圧)の強さを加味できればよいのであるが、実際には、噴流の強さが気体圧縮機の回転数や圧力により変化するため難しい。
【0019】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、圧力調整弁が本来予定している吐出室の圧力(静圧)で正確に開閉するようにした気体圧縮機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る気体圧縮機は、圧力調整弁を油分離器から噴出される気体の影響を受けないように設置したものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る気体圧縮機によれば、圧力調整弁は油分離器から噴出される気体の噴流力を受けない。したがって、圧力調整弁は本来予定している吐出室の圧力(静圧)で正確に開閉される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿った断面を示す断面図である。
【図3】(a)は図1における矢視Bによるサイクロンブロック及びリヤサイドブロックを示す図であり、(b)は(a)のサイクロンブロックをリヤサイドブロック側から見た背面図である。
【図4】図3(a)におけるD−D線に沿った断面を示す断面図である。
【図5】他の実施形態の一例を示す、図3(a)相当の図である。
【図6】ベーン背圧空間における、トリガーバルブの通路の開口を示す図であり、(a)は冷凍機油や液冷媒の溜まった様子を示す図であり、(b)は溜まった冷凍機油や液冷媒が攪拌される様子を示す図である。
【図7】ベーン背圧空間からベーン溝に至る経路における気体の閉じ込め空間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の気体圧縮機に係る実施形態について、図面を参照して説明する。
(構成)
図1は本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100(以下、単にコンプレッサ100という。)を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った横断面を示す図である。
【0024】
図示のコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なう空気調和システム(以下、単に空調システムという。)の一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに冷却媒体の循環経路上に設けられている。
【0025】
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体としての冷媒ガスGを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒として膨張弁に送出する。
【0026】
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
【0027】
コンプレッサ100は、ケース11とフロントヘッド12とからなるハウジング10の内部に収容された圧縮機本体70と、サイクロンブロック60(遠心分離方式の油分離器)と、フロントヘッド12に取り付けられ、図示しない駆動源からの駆動力を圧縮機本体に伝える伝達機構80とを備えている。
【0028】
ケース11は、一端が閉じられた筒状体を呈し、フロントヘッド12は、このケース11の開放された側の端部を覆うように組み付けられている。また、フロントヘッド12には、蒸発器から低圧の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート(図示を略す。)が形成され、一方、ケース11には、圧縮機本体で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート(図示を略す。)が形成されている。
【0029】
ハウジング10の内部には、ハウジング10の内面と圧縮機本体の外面とによって、吸入ポートに通じる空間である吸入室31と吐出ポートに通じる空間である吐出室21とが区画して形成されている。
【0030】
圧縮機本体70は、回転軸51と、ロータ50と、シリンダ40と、5つのベーン58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20とからなる。
【0031】
回転軸51は、伝達機構80によって伝達された駆動力により軸回りに回転駆動される。
【0032】
ロータ50は、回転軸51と同軸の円柱状を呈し、回転軸51と一体的に回転する。
【0033】
シリンダ40は、ロータ50の外周面の外方を取り囲む断面輪郭が略楕円形状の内周面49を有するとともに、両端が開放された形状を呈している。
【0034】
ベーン58は、ロータ50の両端面まで延びたベーン溝59に埋設され、ベーン溝59のうちロータ50の両端面に開口した部分を介して供給された冷凍機油Rによるベーン背圧を受けて、ロータ50の外周面から外方に向けて(シリンダ40の内周面49に向けて)突出可能とされ、その突出側の先端がシリンダ40の内周面49の輪郭形状に追従するように突出量が可変とされ、回転軸51回りに等角度間隔で5つ備えられている。
【0035】
フロントサイドブロック30は、シリンダ40の両側端面のうち吸入室31側の端面を覆うように固定され、リヤサイドブロック20は、シリンダ40の両側端面のうち吐出室21側の端面を覆うように固定されている。
【0036】
また、これら2つのサイドブロック20,30の略中央部には、ロータ50の両端面から突出した回転軸51の部分をそれぞれ回転自在に支持する軸受けとしての貫通孔が形成されている。
【0037】
圧縮機本体70のうち、2つのサイドブロック20,30及びシリンダ40で囲まれた内部には、5つの圧縮室48が形成されている。
【0038】
これらの圧縮室48は、2つのサイドブロック20,30、シリンダ40、ロータ50及び回転軸51の回転方向に相前後する2つのベーン58,58によって区画された空間である。
【0039】
そして、これらの圧縮室48は、ロータ50の回転にしたがってその容積が増減を繰り返すことで、圧縮室48の内部に吸入された冷媒ガスGを圧縮する。
【0040】
具体的には、圧縮室48の容積が増加する行程において、吸入室31の冷媒ガスGを、フロントサイドブロック30に形成された吸入窓(図示を略す。)を介して圧縮室48内に吸入し、容積が減少する行程において、圧縮室48内に閉じこめられた冷媒ガスGを圧縮し、これによって冷媒ガスGは高温、高圧となり、シリンダ40、ケース11及び2つのサイドブロック20,30で囲まれて区画された空間である吐出チャンバ43(図2参照)に吐出される。
【0041】
吐出チャンバ43に吐出された高温、高圧の冷媒ガスGは、リヤサイドブロック20のうち吐出チャンバ43を区画する部分に形成されたチャンバ孔44を通って吐出される。
【0042】
この吐出された冷媒ガスGは、サイクロンブロック60に導入される。
【0043】
サイクロンブロック60は、リヤサイドブロック20に密着して取り付けられるとともに下端部が閉じた略円筒状の外周壁を有する本体部64と、その外周壁の内部空間に、外周壁の円筒と略同軸に設けられたパイプ65とを備えている。
【0044】
サイクロンブロック60の、リヤサイドブロック20に密着される面(以下、背面という。図3(b)参照)には、上述した2つのチャンバ孔44にそれぞれ臨む凹部61a,62aが形成されている。
【0045】
これらの凹部61a,62aのうち一方の凹部61aは、サイクロンブロック60の背面に形成された溝61に通じ、他方の凹部62aは、サイクロンブロック60の背面に形成された溝62に通じている。
【0046】
2つの溝61,62は、凹部61aに通じた側とは反対側の端部と凹部62aに通じた側とは反対側の端部とにおいて交わって合流部63となり、この合流部63は、本体部64の外周壁の内側とパイプ65の外側との間の空間に通じている。
【0047】
したがって、リヤサイドブロック20の各チャンバ孔44から吐出した冷媒ガスGは、各チャンバ孔44に対応したサイクロンブロック60の凹部61a,62aに流入し、各凹部61a,62aから対応する溝61,62を流れて合流部63に到達する。
【0048】
冷媒ガスGは、合流部63からさらに、本体部64の外周壁の内側とパイプ65の外側との間の空間に導かれ、その空間内を螺旋状に旋回しながら下方に移動する。
【0049】
圧縮室48から吐出された冷媒ガスGには冷凍機油Rが混在しているが、冷媒ガスGが上記空間を旋回しているときは、その混在している冷凍機油Rも含めた冷媒ガスGに強い遠心力が作用する。
【0050】
この結果、冷媒ガスGに混在している冷凍機油Rは、その遠心力によって冷媒ガスGから分離され、本体部64の内側の底部に落ち、その底部に形成された排出孔64cから図示下方に噴出され、吐出室21の底部に溜められる。
【0051】
一方、冷凍機油Rが分離された冷媒ガスGは、パイプ65の内側の空間を通って図示上方に流れて、サイクロンブロック60の上端の開口から吐出室21を通り、前述した吐出ポートからコンプレッサ100の外部に吐出される。
【0052】
また、サイクロンブロック60の背面には、リヤサイドブロックの軸受けとしての貫通孔の周囲に形成されたボスと嵌め合わされる丸穴68が形成されていて、サイクロンブロック60がリヤサイドブロック20に密着して取り付けられた状態において、この丸穴68とリヤサイドブロック20のボスの端面との間には、後述するベーン背圧空間69が形成されている。
【0053】
さらに、サイクロンブロック60には、後述する、コンプレッサ100の起動時におけるベーン58の迅速な突出を補助するトリガーバルブ66(圧力調整弁)が設けられている。
【0054】
このトリガーバルブ66は、図4に示すように、吐出室21とベーン背圧空間69とを通じさせる通路66aと、この通路66aを閉鎖する位置(以下、閉鎖位置という。)と開放する位置(以下、開放位置という。)との間を移動可能とされたボール弁体66b(吐出室の圧力を検知する部分)と、ボール弁体66bを開放位置の側に弾性力で押圧する(付勢する)バネ66cと、ボール弁体66bが吐出室21に脱落するのを阻止する弁体止めピン66dと、を有している。
【0055】
ここで、上記閉鎖位置は、ボール弁体66bの外周面が、通路66aに形成された座66eに接した位置であり、一方、上記開放位置は、ボール弁体66bの外周面が、通路66aの座66eから離れた範囲の位置である。
【0056】
また、弁体止めピン66dは、開放位置にあるボール弁体66bに接することで、ボール弁体66bの脱落を阻止している。
【0057】
ボール弁体66bには、開放位置に向けて、ベーン背圧空間69の圧力に応じた荷重とバネ66cの弾性力とが合力が作用し、一方、閉鎖位置に向けて、吐出室の圧力に応じた荷重が作用している。
【0058】
そして、吐出室21の圧力とベーン背圧空間69の圧力との差が、バネ66cの弾性力を上回っているときは、ボール弁体66bは閉鎖位置にあって、通路66aを閉鎖し、吐出室21とベーン背圧空間69との間の気体や流体の流通は阻止される(トリガーバルブ66が閉じている)。
【0059】
このように、トリガーバルブ66が閉じているのは、コンプレッサ100が定常運転しているときなどである。
【0060】
一方、吐出室21の圧力とベーン背圧空間69の圧力との差が、バネ66cの弾性力を下回っているときは、ボール弁体66bは開放位置にあって、通路66aを開放し、吐出室21とベーン背圧空間69との間の気体や流体の流通は許容される(トリガーバルブ66が開いている)。
【0061】
このように、トリガーバルブ66が開いているのは、コンプレッサ100が比較的長く停止している状態や、その状態から運転を再開した直後(起動直後)などである。
【0062】
なお、通路66aは直線状に形成されているが、ボール弁体66bが配置されている側(吐出室21に臨む側)の開口66fは、冷媒ガスGが噴出する上端の開口面64aよりも上方の領域E1(油分離器から気体が噴出する領域)、すなわちボール弁体66bがサイクロンブロック60から断続的に噴出する冷媒ガスGの噴出圧力(動圧)の影響を受け得る領域E1にはなく、かつ冷凍機油Rが噴出する排出孔64cが形成された底面64bよりも下方の領域E2(油分離器から遠心分離された油分が噴出する領域)、すなわちボール弁体66bがサイクロンブロック60から断続的に噴出する冷凍機油Rの噴出圧力(動圧)の影響を受け得る領域E2にもない。
【0063】
つまり、トリガーバルブ66は、吐出室21側において、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGや冷凍機油Rの動圧の影響を受けない領域(領域E1を除いた領域かつ領域E2を除いた領域)に臨んでいる。
【0064】
一方、通路66aの、ベーン背圧空間69に臨む側の開口66gは、図3(b)に示すように、ベーン背圧空間69の最上部69aよりも下方の部分で開口している。
【0065】
また、この開口66gは、図6(a)に示すように、回転軸51の中心Cと同心となるベーン背圧空間69の中心C(つまり、回転軸51の中心C)よりも上方の位置(中心Cよりも高さhだけ高い位置)で開口している。
【0066】
すなわち、前述したように通路66aは直線状に延びているが、その通路66aの延びた方向Vは、延長してもベーン背圧空間69の中心Cを通過することはなく、通路66aは、ベーン背圧空間69の中心Cから偏心して形成されている。
【0067】
吐出室21の底部に溜められた冷凍機油Rは、コンプレッサ100の摺動部等を潤滑・冷却・清浄するとともに、ベーン58をシリンダ40の内周面49に向けて突出させて、その先端を内周面49に当接させた状態に付勢するようにベーン58に背圧を作用させるなどに用いられる。
【0068】
圧縮機本体70のリヤサイドブロック20には、吐出室21の底部に溜められ、吐出室21に吐出された冷媒ガスGの圧力により高圧となった冷凍機油Rを、ロータ50の端面まで導く導油路23が形成されている。
【0069】
この導油路23はリヤサイドブロック20の軸受けまで延び、軸受けに導かれた冷凍機油Rの一部は、軸受けと回転軸51の外周面との間の僅かな隙間を通って、リヤサイドブロック20の端面に形成された油溜め用の溝であるサライ溝25に供給される。
【0070】
一方、軸受けに導かれた冷凍機油Rの他の一部は、軸受けと回転軸51の外周面との間の僅かな隙間を通って、サイクロンブロック60が取り付けられている側のベーン背圧空間69に導かれ、このベーン背圧空間69から連通路24を通ってサライ溝25に供給される。
【0071】
なお、これらサライ溝25に供給された冷凍機油Rは、回転軸51の外周面と軸受けとの間の僅かな隙間を通過する間に、圧力損失を受けるため、吐出室21にあるときの圧力よりも低くなっている。
【0072】
また、シリンダ40及びフロントサイドブロック30にも、リヤサイドブロック20と同様に、冷凍機油Rを、ロータ50の他方の端面まで導く導油路46,33が形成されている。
【0073】
この導油路33はフロントサイドブロック30の軸受けまで延び、導油路23,46,33を介してフロントサイドブロック30の軸受けに導かれた冷凍機油Rは、この軸受けと回転軸51の外周面との間の僅かな隙間を通って、フロントサイドブロック30の端面に形成されたサライ溝35に供給される。
【0074】
ここで、ロータ50の回転に伴って各ベーン溝59も回転するが、これらベーン溝59の、ロータ50の両端面でそれぞれ開口する部分が、リヤサイドブロック20のサライ溝25、フロントサイドブロック30のサライ溝35にそれぞれ対向している期間中に、サライ溝25,35から冷凍機油Rがベーン溝59に供給され、この供給された冷凍機油Rがベーンを突出させるベーン背圧として作用する。
(作用)
以上のように構成された実施形態のコンプレッサ100によれば、通常の運転状態、すなわち、ベーン58に適正な背圧が作用して5つの圧縮室48が形成され、予め設定されている定格出力(排気量等)が得られる運転状態のときは、サイクロンブロック60に設けられているトリガーバルブ66は閉じている。
【0075】
つまり、コンプレッサ100は、通常の運転状態においては、吐出室21の圧力がベーン背圧空間69の圧力よりも相当程度高いため、トリガーバルブ66のボール弁体66bに作用する閉鎖位置に向かう荷重(吐出室21の圧力に応じた荷重)は、開放位置に向かう荷重(ベーン背圧空間69の圧力に応じた荷重とバネ66cの弾性力との和)を上回り、ボール弁体66bの外周面が通路66aの座66eに接し、通路66aは閉鎖され、吐出室21の高い圧力が、通路66aを通ってベーン背圧空間69に作用することがなく、吐出室21の高い圧力がベーン背圧空間69に作用したと仮定したときに生じうる問題、すなわちベーン58の背圧が過度に大きくなって、ベーン58の先端とシリンダ40の内周面49との接触圧力が高くなり、摩擦損失が大きくなるという問題を回避することができる。
【0076】
一方、コンプレッサ100が長く停止状態(非運転状態)に置かれると、冷媒ガスGの圧力が空気調和システムの全体で均一化するように変化する。
【0077】
この結果、吐出室21の内圧が低下し、これによりベーン溝59の背圧が低下し、いくつかのベーンは自重によりロータ50のベーン溝59内に沈み込んでしまい、圧縮室48が形成されない状態となっている。
【0078】
ここで、トリガーバルブ66を備えていないコンプレッサの場合は、この状態でコンプレッサ100が起動されると、起動直後の初期段階において、一部の圧縮室48が形成されていないため吐出室21の圧力が急激に高められず、したがってベーン溝59に作用する背圧も急激には高められず、結果的に全ての圧縮室48が形成されるまでに長い時間がかかり、通常の運転状態で安定するまでに長い時間を要することになる。
【0079】
しかし、本実施形態のコンプレッサ100はトリガーバルブ66を備えていて、上述の状態では、トリガーバルブ66のボール弁体66bに作用する閉鎖位置に向かう荷重(吐出室21の圧力に応じた荷重)は、開放位置に向かう荷重(ベーン背圧空間69の圧力に応じた荷重とバネ66cの弾性力との和)を下回り、ボール弁体66bの外周面が通路66aの座66eから離れ、通路66aは開放され、ベーン背圧空間69の圧力との比較では相対的に高い圧力の吐出室21の冷媒ガスGが、通路66aを通ってベーン背圧空間69に流れ込み、これによってベーン背圧空間69の圧力が高められ、ベーン溝59の圧力が高められ、ベーン58の迅速な突出を補助する。
【0080】
これにより、コンプレッサ100が通常の運転状態で安定するまでに要する時間を短縮することができる。
【0081】
なお、コンプレッサ100が通常の運転状態で安定するまでの間に、または安定した後は吐出室21の圧力は相当程度高められるため、トリガーバルブ66のボール弁体66bに作用する閉鎖位置に向かう荷重(吐出室21の圧力に応じた荷重)が、開放位置に向かう荷重(ベーン背圧空間69の圧力に応じた荷重とバネ66cの弾性力との和)を上回る。
【0082】
これにより、ボール弁体66bの外周面が通路66aの座66eに接して通路66aは閉鎖され、ベーン背圧空間69に、相対的に圧力の高い吐出室21の冷媒ガスGが流れ込むことがない。
【0083】
したがって、ベーン溝59に作用するベーン背圧が通常の運転状態(ベーン58の先端がシリンダ40の内周面49から離れることで圧縮室48を形成しなくなることが発生しない状態)における圧力を大きく超えて過度に高められることがなく、ベーン背圧が過度に高められたときに生じる摩擦抵抗の増大を防止することができる。
【0084】
また、本実施形態のコンプレッサ100はトリガーバルブ66がサイクロンブロック60に設けられていることにより、圧縮機本体70に設けるためのスペースが存在しないか足りない場合であっても、トリガーバルブ66を設けることができる。
【0085】
ここで、本実施形態のコンプレッサ100は、図3に示したようにトリガーバルブ66がサイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGや冷凍機油Rの動圧の影響を受けない領域(領域E1を除いた領域かつ領域E2を除いた領域)に配置されている。
【0086】
特に、その吐出室21に臨む側の開口66fが、冷媒ガスGが噴出するサイクロンブロック60の開口面64aよりも上方の領域E1になく、かつ冷凍機油Rが噴出するサイクロンブロック60の排出孔64cが形成された底面64bよりも下方の領域E2にもない。
【0087】
したがって、トリガーバルブ66のボール弁体66bは、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGや冷凍機油Rの動圧の影響を受けない。
【0088】
すなわち、トリガーバルブ66の動作は、吐出室21の圧力とベーン背圧空間69の圧力とバネ66cのバネ定数とに依存するが、このうち予め設定されているのはバネ66cのバネ定数であり、そのバネ定数は、吐出室21の圧力(静圧)及びベーン背圧空間69の圧力(静圧)に基づいて設定されている。
【0089】
しかし、仮にトリガーバルブ66、特に吐出室21に臨む側の開口66fが、冷媒ガスGの動圧の影響を受け得る領域E1や冷凍機油Rの動圧の影響を受け得る領域E2に配置されているものでは、トリガーバルブ66のボール弁体66bが受ける吐出室21の圧力(動圧の影響を受けた圧力)が、バネ66cのバネ定数を設定する際に想定されていた吐出室21の圧力(静圧)とは異なる圧力となる。
【0090】
つまり、トリガーバルブ66は、想定されていた圧力とは異なる圧力で動作することになり、トリガーバルブ66の機能が適切に発揮されないおそれがある。
【0091】
しかし、本実施形態のコンプレッサ100は、トリガーバルブ66の開口66fが、サイクロンブロック60から断続的に噴出する冷媒ガスGの動圧の影響を受けない位置で開口していて、ボール弁体66bはその動圧による影響を受けず、したがって、トリガーバルブ66は、想定されていた圧力で動作することになり、トリガーバルブ66の機能を適切に発揮させることができる。
【0092】
しかも、本実施形態のコンプレッサ100は、トリガーバルブ66の開口66fが、サイクロンブロック60から噴出する冷凍機油Rの動圧の影響も受けない位置で開口していて、ボール弁体66bはその動圧による影響も受けず、したがって、トリガーバルブ66は、想定されていた圧力で動作が一層確実となり、トリガーバルブ66の機能を一層適切に発揮させることができる。
【0093】
なお、図3に示すように、この開口66fが吐出室21に臨んでいる向きVが、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの向きや冷凍機油Rの向きに対して、それぞれ略直交する向きであるため、これら冷媒ガスGの動圧による影響と冷凍機油Rの動圧による影響とを効果的に同時に受けにくくすることができる。
【0094】
本実施形態のコンプレッサ100は、トリガーバルブ66の吐出室21に臨んだ開口66fが、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を受けない領域で開口しているものであるが、本発明の気体圧縮機はこの形態に限定されるものではなく、例えば、トリガーバルブ66の吐出室21に臨んだ開口66fが、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響のみを受けない領域で開口しているものであってもよい。冷凍機油Rの動圧による影響は、冷媒ガスGの動圧による影響よりも小さいため、冷凍機油Rの動圧による影響を排除するだけでも、トリガーバルブ66の動作の精度を向上させることができるからである。
【0095】
したがって、トリガーバルブ66の開口66fの吐出室21に臨んでいる向きVも、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの向きや冷凍機油Rの向きに対して、それぞれ略直交する向きであるものに限定されない。
【0096】
また、本実施形態のコンプレッサ100は、トリガーバルブ66の吐出室21に臨んだ開口66fを、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を受けない領域(領域E1及び領域E2を除いた領域)に開口させることで、トリガーバルブ66の動作がサイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を受けないようにしたものであるが、本発明の気体圧縮機はこの形態に限定されるものではない。
【0097】
すなわち、例えば図5に示すように、トリガーバルブ66の開口66fの周囲(周囲の全部でなくてもよい。)を覆って、噴出する冷媒ガスG及び冷凍機油Rを遮蔽する遮蔽板64d,64d(遮蔽部材)を設けた構成を採用することもできる。
【0098】
このような構成によっても、トリガーバルブ66の動作がサイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を受けないようにすることができる。
【0099】
この場合、図5に示したように、トリガーバルブ66の吐出室21に臨んだ開口66fを、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を受けない領域(領域E1及び領域E2を除いた領域)に開口させる必要はなく、そのような動圧の影響を受ける領域に開口66fを開口させたものにあっては、それらの動圧の影響を受けないように、例えばサイクロンブロック60に遮蔽板64d,64dを設けて、その遮蔽板64d,64dによって冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を阻止すればよい。
【0100】
なお、動圧の影響を受けないように開口66fの近傍などに設ける部材としては、上述した2つの平板状の2つの遮蔽板64d,64dに限定されるものではなく、他の形状や数の遮蔽部材を適用することもできる。また、サイクロンブロック60と別体で形成したものに限定されず、鋳物として一体的に形成したものであってもよい。
【0101】
図5においては、この遮蔽板64d,64dは、トリガーバルブ66の吐出室21に臨んだ開口66fを、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を受けない領域に開口させたうえで付加的に設けられたものとして記載されているため、トリガーバルブ66の動作に対する、冷媒ガスGの動圧の影響及び冷凍機油Rの動圧の影響を、一層確実に排除することができるが、これらの遮蔽板64d,64dは上述したように、開口66fが、サイクロンブロック60から噴出する冷媒ガスGの動圧の影響を受ける領域E1または冷凍機油Rの動圧の影響を受ける領域E2に開口されたものに設けたものであってもよい。
【0102】
また、この開口66gは、図6(a)に示したように、ベーン背圧空間69の中心Cよりも上方の位置で開口していて、通路66aはベーン背圧空間69の中心Cから偏心しているため、トリガーバルブ66が開放されて吐出室21からこの通路66aを通ってベーン背圧空間69に流れ込んだ冷媒ガスGは、同図の矢印で示すような一方向(図6(a)において、中心Cを中心とした時計回り方向)への流れを生じさせやすい。
【0103】
そして、そのような一方向への流れとなった冷媒ガスGは、図6(b)に示すように、ベーン背圧空間69に存在している冷凍機油Rの油面を傾けるように押圧し、冷凍機油Rを揺動させ、攪拌させ、冷凍機油Rに冷媒ガスGが混ざる。
【0104】
ベーン背圧空間69における、冷媒ガスGが混在した冷凍機油Rは、連通路24、サライ溝25、ベーン溝59を順次通って、ベーン58に背圧として付与されるが、このベーン背圧空間69からベーン溝59に至る流通経路では、冷凍機油Rだけが通過するよりも冷媒ガスGの混在した冷凍機油Rが通過する方が、通過速度が速くなる。
【0105】
つまり、冷凍機油Rは冷媒ガスGに比べて粘性が高いため、ベーン背圧空間69からベーン溝59に至る流通経路を冷凍機油Rが通過する際には、その粘性抵抗により、ベーン背圧として作用するまでにタイムラグが生じやすくなる。
【0106】
これに対して、冷媒ガスGは冷凍機油Rに比べて粘性が低いため、ベーン背圧空間69からベーン溝59に至る流通経路を、冷媒ガスGが混在した冷凍機油Rが通過する際の粘性抵抗は、冷凍機油R単独での粘性抵抗よりも小さく、したがって、ベーン背圧として作用するまでのタイムラグが、冷凍機油R単独でのタイムラグよりも格段に小さくなる。
【0107】
よって、トリガーバルブ66が開放されて吐出室21から通路66aを通ってベーン背圧空間69に流れ込んだ冷媒ガスGによるベーン58の突出に要する時間を短縮することができる。
【0108】
また、本実施形態のコンプレッサ100は、トリガーバルブ66の通路66aの、ベーン背圧空間69に臨む側の開口66gが、ベーン背圧空間69の最上部69aよりも下方の部分で開口しているため、ベーン背圧空間69の内部に、冷媒ガスGが液化した液冷媒Lや冷凍機油Rが多く溜まって、トリガーバルブ66の通路66aの開口66gが、その溜められた液冷媒Lないし冷凍機油Rによって塞がれた状態となり、ベーン背圧空間69、連通路24、サライ溝25及びベーン溝59が閉じた空間となった場合であっても、液冷媒Lないし冷凍機油Rにより塞がれた開口66gよりも上方には、冷媒ガスGが残存する空間69bが残される。
【0109】
すなわち、ベーン背圧空間69、連通路24、サライ溝25及びベーン溝59の全てが液冷媒Lないし冷凍機油Rの液体によって完全に充填されることはない。
【0110】
したがって、ベーン58がベーン溝59に強制的に押し戻されて、これらベーン背圧空間69、連通路24、サライ溝25及びベーン溝59内の液体(液冷媒Lないし冷凍機油R)が圧縮される状態となっても、気体である冷媒ガスGが残存する空間69bが緩衝空間となって液圧縮状態に陥るのを防止することができる。
【0111】
なお、本実施形態のコンプレッサ100は、トリガーバルブ66として、ボール弁体66bとバネ66cとを用いた構成のものを適用したものであるが、本発明に係る気体圧縮機は、この形態の圧力調整弁(トリガーバルブ)に限定されるものではなく、バネ66cに代えて他の弾性部材を適用したものや、ボール弁体66bに代えて弾性変形する板状の弁体を適用したものなど、公知の種々のものを適用することができる。
【符号の説明】
【0112】
60 サイクロンブロック
66 トリガーバルブ(圧力調整弁)
66a 通路
66g 開口
69 ベーン背圧空間
69a 最上部(上端)
69b 空間
100 コンプレッサ(気体圧縮機)
R 冷凍機油(油分)
G 冷媒ガス(気体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの内部に、気体を圧縮する、圧縮室を形成するベーンを突出させるベーン背圧空間を有する圧縮機本体と、
遠心分離方式の油分離器とを備え、
前記ハウジングの内部に、前記油分離器から気体が噴出される吐出室が形成され、
前記油分離器に、前記吐出室の圧力に応じて、前記ベーン背圧空間の圧力を調整する圧力調整弁が設けられ、
前記圧力調整弁は、前記油分離器に、前記油分離器から噴出される気体の影響を受けないように設けられていることを特徴とする気体圧縮機。
【請求項2】
前記圧力調整弁は、前記油分離器から噴出される気体の影響を受けないように、前記油分離器から気体が噴出する領域と異なる領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。
【請求項3】
前記圧力調整弁は、前記吐出室の圧力を検知する部分を有し、
当該吐出室の圧力を検知する部分が、前記油分離器から噴出される気体の影響を受けないように、前記油分離器から気体が噴出する領域と異なる領域に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気体圧縮機。
【請求項4】
前記油分離器から噴出される気体の影響を受けないように、前記圧力調整弁の周囲に前記油分離器から噴出される気体を遮蔽する遮蔽部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3に記載の気体圧縮機。
【請求項5】
前記油分離器から噴出される気体の影響を受けないように、前記吐出室の圧力を検知する部分の周囲に前記油分離器から噴出される気体を遮蔽する遮蔽部材が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4に記載の気体圧縮機。
【請求項6】
前記圧力調整弁は、前記油分離器から噴出される油分の影響を受けないように設けられていることを特徴とする請求項1ないし5に記載の気体圧縮機。
【請求項7】
前記圧力調整弁は、前記油分離器から噴出される油分の影響を受けないように、前記油分離器から遠心分離された油分が噴出する領域と異なる領域に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の気体圧縮機。
【請求項8】
前記吐出室の圧力を検知する部分が、前記油分離器から噴出される油分の影響を受けないように、前記油分離器から遠心分離された油分が噴出する領域と異なる領域に設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の気体圧縮機。
【請求項9】
前記油分離器から噴出される油分の影響を受けないように、前記圧力調整弁の周囲に前記油分離器から噴出される油分を遮蔽する遮蔽部材が設けられていることを特徴とする請求項6ないし8に記載の気体圧縮機。
【請求項10】
前記油分離器から噴出される油分の影響を受けないように、前記吐出室の圧力を検知する部分の周囲に前記油分離器から噴出される油分を遮蔽する遮蔽部材が設けられていることを特徴とする請求項6ないし9に記載の気体圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−246846(P2012−246846A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−119552(P2011−119552)
【出願日】平成23年5月27日(2011.5.27)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】