説明

気泡発生用ノズル、及びそのノズルを備えた気泡発生装置

【課題】 気泡発生装置の運転制御を簡素化できる気泡発生用ノズル及び気泡発生装置を提供する。
【解決手段】 気体が混入された液体が通流する管路に連結され、内部が、気体が混入された液体の流路3となる筒状の連結部5、連結部5の流路3に連続し、内部の気体が混入された液体の流路3が出口側で細くなる筒状の流路縮小部7、内部が流路縮小部7の出口に連続して気体が混入された液体の流路3となり、側壁に貫通孔9cが形成された筒状の気泡発生部9、気泡発生部9と同軸に気泡発生部9を覆い、流路縮小部7側と反対側の端面が開口した筒状の外筒部11を備え、気泡発生部9は、気泡発生部9の流路3内の気体が混入された液体の通流方向に交わる方向に設置された少なくとも1つの梁状部材9bを有し、気泡発生部9の側壁に形成された貫通孔9cは、少なくとも梁状部材9bよりも気体が混入された液体の流れに対して下流側に設けられている構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気泡発生用ノズル、及びそのノズルを備えた気泡発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
気泡発生装置では、一般に、加圧手段により高圧に加圧されて空気が溶解した液体をオリフィス状に形成された流路を通過させた後、液体を収容した槽などに吐出させるか、またはベンチュリ状の噴出口などを有する吐出部から液体を収容した槽などに噴出させるなどの方法により、オリフィス状に形成された流路やベンチュリ状の噴出口などを有する吐出部を通過することによって液体が急激に減圧されることで気泡を形成している。
【0003】
ところで、気泡発生装置は、浴槽、曝気槽、水処理装置など気泡の作用を利用する様々な装置類に組み込まれて用いられるが、効率よく気泡の作用を得るためには、気泡が槽内に収容された液体中に十分に行き渡った状態になる必要がある。気泡が槽内に収容された液体中に十分に行き渡った状態にするためには、液体中での滞留時間を長くする必要があり、液体中での滞留時間を長くするためには、できるだけ微細な気泡を生成すること、また、より多量の気泡を生成することなどが必要となる。
【0004】
しかし、オリフィス状に形成された流路やベンチュリ状の噴出口などを有するノズルなどの減圧作用だけでは、例えば数μmから数十μmといったような微細な気泡を生成することは難しく、また、気泡の生成量を増大させることも難しい。したがって、より微細な気泡を発生させ、また、気泡の生成量を増大させるために、機械的な減圧手段を備える構成や複数の減圧室とオリフィスを備える構成など複雑な構成の気泡発生装置となっている。したがって、簡単な構成で、気泡が槽内に収容された液体中に十分に行き渡った状態にできる気泡発生装置が望まれていた。
【0005】
これに対して、液体が通流する液体流路に送液手段、液体流路内の液体中に気体を供給する気体流路、この気体流路に設けられて気体の通流を制御する弁、液体流路の送液手段よりも液体の流れに対して下流側の部分内の圧力を検出する圧力検出手段、そして、液体流路の出口側端部に設けられたノズルなどを備え、圧力検出手段で検出した圧力に応して弁を開閉する構成の気泡発生装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】 特開2003−210958号公報(第3−4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に提案されている気泡発生装置は、簡単な構成で、気泡が槽内に収容された液体中に十分に行き渡った状態にできる反面、気体の通流を制御する弁を、圧力検出手段で検出した圧力に応じて開閉するため、気泡発生装置の運転制御が複雑になってしまうという問題がある。このため、気泡発生装置の運転制御も簡素化できることが望まれている。
【0007】
本発明の課題は、気泡発生装置の運転制御を簡素化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の気泡発生用ノズルは、気体が混入された液体が通流する管路に連結され、内部が、気体が混入された液体の流路となる筒状の連結部と、この連結部の流路に連続し、内部の気体が混入された液体の流路が出口側で細くなる筒状の流路縮小部と、内部がこの流路縮小部の出口に連続して気体が混入された液体の流路となり、側壁に貫通孔が形成された筒状の気泡発生部と、この気泡発生部と同軸に該気泡発生部を覆い、流路縮小部側と反対側の端面が開口した筒状の外筒部とを備え、気泡発生部は、この気泡発生部の流路内の気体が混入された液体の通流方向に交わる方向に設置された少なくとも1つの梁状部材を有し、気泡発生部の側壁に形成された貫通孔は、少なくとも梁状部材よりも気体が混入された液体の流れに対して下流側に設けられている構成とすることにより上記課題を解決する。
【0009】
このような構成とすれば、連結部に流入した気体が混入された液体は、流路縮小部を通過することで流速や圧力が高められた後、気泡発生部に流入し、気泡発生部に設けられた梁状部材に衝突することになる。このような過程で、気体と液体とが混合されると共に、液体中の比較的大きな気泡が梁状部材への衝突で破砕される。そして、比較的大きな気泡が破砕され、気体と液体との混合が促進された状態で、気泡発生部の側壁に形成された貫通孔から噴出されることで、加圧及び減圧が行われて減圧作用が生じ、さらに、貫通孔から噴出された気泡を含む液体が外筒部の内面に衝突することで、必要な程度に微細な気泡を発生でき、また、必要な量の気泡を発生できる。したがって、従来のように圧力検出手段で検出した圧力に応じて気体の通流を制御する弁を開閉しなくても、常に気体が供給され続ける状態で送液手段による送液を行うだけで、必要な程度に微細な気泡を必要な量発生させることができるため、気泡発生装置の運転制御を簡素化できる。
【0010】
また、気泡発生部に設けられた梁状部材は、直径が7mm以上9mm以下の円柱状の部材である構成とすれば、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などを向上でき、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をより向上できる。
【0011】
さらに、気泡発生部に梁状部材が2以上設けられており、これら2以上の梁状部材は互いの延在方向が交わる状態で設けられている構成とする。このような構成とすれば、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などをより向上でき、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をさらに向上できる。このとき、気泡発生部には、梁状部材がこの気泡発生部の流路の異なる位置に複数設けられており、この複数の梁状部材は、互いの延在方向が60度の角度をなした状態で設けられている構成とすれば、気泡発生用ノズルの気泡発生能力を一層向上できるので好ましい。
【0012】
また、気泡発生部には、流路の側壁に形成された貫通孔が複数設けられており、この複数の貫通孔のうち筒状の気泡発生部の同じ円周位置に形成された複数の貫通孔は、60度または120度の角度毎に設けられている構成とする。このような構成とすれば、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をさらに向上できる。
【0013】
さらに、気泡発生部は、流路縮小部側と反対側の端面が開口しており、長さが90mm以上100mm以下、気泡発生部の側壁に形成された貫通孔の直径が1.4mm以上1.6mm以下であるである構成とする。このような構成とすれば、気泡発生装置が1本の気泡発生用ノズルを備えた構成である場合、圧力検出手段で検出した圧力に応じて気体の通流を制御する弁を開閉しなくても必要な気泡発生能力を確実に得ることができ、気泡発生装置の運転制御をより確実に簡素化できる。
【0014】
また、気泡発生部は、流路縮小部側と反対側の端面が閉塞されており、長さが70mm以上90mm以下、気泡発生部の側壁に形成された貫通孔の直径が1.1mm以上1.3mm以下であるである構成とする。このような構成とすれば、気泡発生装置が複数本の気泡発生用ノズルを備えた構成である場合、圧力検出手段で検出した圧力に応じて気体の通流を制御する弁を開閉しなくても必要な気泡発生能力を確実に得ることができ、気泡発生装置の運転制御をより確実に簡素化できる。
【0015】
また、本発明の気泡発生装置は、液体が通流する液体流路と、この液体流路に設けられた液体の送液手段と、液体流路に連通して液体中に気体を供給する気体流路と、液体流路の出口側端部に設けられたノズルとを備えてなり、ノズルが上記いずれかに記載の気泡発生用ノズルである構成とする。
【0016】
さらに、送液手段は、0.6MPa以上1.0MPa以下の圧力で送液する構成とすれば、必要な気泡発生能力をより確実に得られる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、気泡発生装置の運転制御を簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
(第1の実施形態)
以下、本発明を適用してなる気泡発生用ノズル及び気泡発生装置の第1の実施形態について図1乃至図7を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの概略構成を示す側面図である。図2は、連結部の概略構成を示す図である。図3は、流路縮小部の概略構成を示す図である。図4は、気泡発生部の概略構成を示す図である。図5は、外筒部の概略構成を示す図である。図6は、本発明を適用してなる気泡発生装置の概略構成を示すブロック図である。図7は、本発明を適用してなる気泡発生装置の液体管路のポンプよりも下流側の部分内の圧力変動を示す図である。
【0019】
なお、図1では、構成を理解しやすくするため、外筒部を除いた状態を示しており、外筒部は、この外筒部が本来取り付けられる部分に破線で示している。また、本実施形態では気泡発生装置を浴槽に取り付けた例で説明を行っているが、本発明の気泡発生装置は、活魚槽や養殖場、水耕栽培、淡水や海水の浄化処理、ヘドロの浮上処理や好気性菌による処理、洗浄用途など微細気泡を利用する様々な用途に用いることができる。また、本発明の気泡発生装置は、既存の浴槽や処理槽、水槽などに取り付ける気泡発生装置、専用の槽を含む気泡発生装置など様々な構成にできる。
【0020】
本実施形態の気泡発生用ノズル1は、図1に示すように、内部が断面円形状の流路3となる筒状の連結部5、流路3の一部が漸次縮径して狭くなるテーパ状に形成されたことで流路3が出口側で細くなる筒状の流路縮小部7、流路縮小部7の縮径した出口側に設けられた円筒状の気泡発生部9、そして、気泡発生部9と同軸に設けられて気泡発生部9を覆う円筒状の外筒部11などで構成されている。
【0021】
本実施形態の連結部5では、図1及び図2に示すように、気泡発生用ノズル1を連結する図示していない管路に切られたねじと螺合可能なねじ5aが一方の端部の外面に切られている。さらに、連結部5の他方の端部の外面には、流路縮小部7が連結されるねじ5bが切られている。また、本実施形態の連結部5の流路3は、流路縮小部7が連結される側の端部の方の径が大きくなっている。
【0022】
本実施形態の流路縮小部7は、図1及び図3に示すように、比較的径が大きい円筒状の部分7aと比較的径が小さい円筒状の部分7bとをテーパ状の部分7cで連結した外形となっている。流路縮小部7内の流路3は、比較的径が大きい円筒状の部分7aでは、連結部5の流路縮小部7が連結される側の端部の流路3の内径と同じ内径に形成され、テーパ状の部分7cでは、漸次縮径するテーパ状に形成され、これにより、出口となる比較的径が小さい円筒状の部分7bでは、比較的径が大きい円筒状の部分7aよりも細い内径になっている。また、比較的径が大きい円筒状の部分7aの端部内面には、連結部5のねじ5bに対応するねじ7dが切られている。一方、比較的径が小さい円筒状の部分7bの端部外面には、外筒部11を連結するためのねじ7eが切られている。さらに、比較的径が小さい円筒状の部分7bの内面には、気泡発生部9を連結するためのねじ7fが切られている。
【0023】
本実施形態の気泡発生部9は、図1及び図4に示すように、連結部5や流路縮小部7と同軸で、外径が連結部5や流路縮小部7よりも細く形成されている。気泡発生部9は、流路縮小部7に連結される側の端部が開口していると共に、他方の端部つまり先端部にも開口9aを形成した円筒状になっている。気泡発生部9内の流路3は、流路縮小部7の流路の最も径が小さい部分と同じ径で形成されている。また、気泡発生部9には、円柱状の梁状部材9bと、気泡発生部9の側壁を貫通する貫通孔9cとが設けられている。
【0024】
本実施形態では、気泡発生部9に設けられた梁状部材9bは、図4(b)に示すように、気泡発生部9の側壁の対向する位置に形成された、円柱状の梁状部材9bの直径と同じ内径の2つの孔間に挿通することで気泡発生部9に取り付けられている。したがって、梁状部材9bの延在方向は、気泡発生部9内の流路3の延在方向と直角に交わる状態となっている。なお、梁状部材は、気泡発生部内の流路の延在方向と交わる状態で設けられていればよく、様々な方法で設けることができる。また、本実施形態では、図1及び図4に示すように、梁状部材9bは、気泡発生部9の流路3の延在方向に対して異なる位置2箇所に設けられており、2つの梁状部材9bの延在方向のなす角度θは、図4(b)に示すように、60度になっている。
【0025】
本実施形態では、気泡発生部9に設けられた貫通孔9cは、図1及び図4に示すように、梁状部材9bよりも流路3内を通流する液体の流れに対して下流側及び上流側の円周位置、さらに、梁状部材9bが設けられた円周位置に設けられている。したがって、本実施形態では、貫通孔9cは、気泡発生部9の異なる位置に4段に設けられている。すなわち、本実施形態では、貫通孔9cは、梁状部材9bよりも上流側に設けられたもの、より上流側に位置する梁状部材9bと同じ円周位置に設けられたもの、より下流側に位置する梁状部材9bと同じ円周位置に設けられたもの、そして、より下流側に位置する梁状部材9bよりも下流側に設けられたものの4段となっている。
【0026】
そして、梁状部材9bが設けられた円周位置以外の部分の同じ円周位置に設けられた貫通孔9cは、60度毎の角度で穿設されている。また、梁状部材9bが設けられた円周位置に設けられた貫通孔9cは、直接隣り合う貫通孔9cが60度毎の角度で、梁状部材9bを挟んで隣り合う貫通孔9cが120度の角度をおいて穿設されている。したがって、本実施形態の貫通孔9cは、梁状部材9bが設けられた円周位置以外の部分の段に6つずつ、梁状部材9bが設けられた段に4つずつ、全部で20設けられている。また、円筒状の気泡発生部9の流路縮小部7に連結される側の端部の外面には、流路縮小部7の内面に切られたねじ7fに対応するねじ9dが切られている。
【0027】
本実施形態の外筒部11は、図1及び図5に示すように、流路縮小部7に連結される側の端部が開口していると共に、他方の端部つまり先端部にも開口11aを形成した円筒状になっており、内径が、気泡発生部9の外径よりも大きく形成されている。外筒部11の一方の端部内面には、流路縮小部7の外面に切られたねじ7eに対応するねじ11bが切られている。そして、外筒部11の内面のねじ11bと流路縮小部7の外面のねじ7eとを螺合させることにより、外筒部11は、気泡発生部9と同軸に気泡発生部9を覆った状態に取り付けられる。また、外筒部11は、先端部の端面に形成された開口つまり気泡発生用ノズル1の吐出口11aが気泡発生部9の先端部の端面に形成された開口9aよりも張り出す長さになっており、気泡発生部9の先端部の開口9aは、外筒部11内に位置している。
【0028】
ここで、本実施形態の気泡発生用ノズル1の各部の寸法について説明する。 本実施形態では、気泡発生用ノズル1は、例えば内径が約25mmといったような比較的太い径の配管に取り付けられる。したがって、気泡発生用ノズル1も、内径が約25mmといったような比較的太い径の配管に対応する寸法になっている。本実施形態の気泡発生用ノズル1の連結部5は、図1及び図2に示すように、内径が25mm前後の配管に対応する径に形成されており、連結部5の外面に形成されたねじ3aは、内径が25mm前後の配管の端部内面に形成されたねじに対応するものとなっている。気泡発生用ノズル1の流路縮小部7の比較的径が大きい円筒状の部分7aにおける流路3の内径は、図1及び図3に示すように、内径が25mm前後の配管に対し、例えば内径約34mm、比較的径が小さい円筒状の部分7bは、例えば内径約12mmとなっている。
【0029】
本実施形態の気泡発生用ノズル1の気泡発生部9は、内径が約25mmといったような比較的太い径の配管に対し、図4に示すように、例えば両端面間の長さL1が約95mm、流路3内を通流する液体の流れに対して最下流側に形成された貫通孔9cの中心から開口9aが形成された先端部の端面までの長さL2が約48mm、隣り合う段の貫通孔9cの中心間及び隣り合う段の梁状部材9bの中心間の長さL3が各々約11mmとなっている。
【0030】
さらに、本実施形態の気泡発生用ノズル1の気泡発生部9の外径D1は約17mm、内径つまり流路3の直径D2は約13mm、先端部の端面に形成された開口9aの直径D3は、約11mmとなっている。このように、気泡発生部9の開口9aの直径D3は、気泡発生部9の他の部分の流路3の直径D2よりも小さくなっている。また、このような大きさの本実施形態の気泡発生用ノズル1の気泡発生部9において、梁状部材9bの直径d1は約8mm、貫通孔9cの直径d2は約1.5mmとなっている。
【0031】
本実施形態の気泡発生用ノズル1の外筒部11は、図1及び図5に示すように、例えば両端面間の長さが約190mm、外形が約32mm、内径が約25mmになっている。
【0032】
本実施形態の気泡発生用ノズル1は、1台のポンプに対して1つの気泡発生用ノズルを取り付けて用いるものである。このとき、気泡発生用ノズル1の気泡発生部9の長さL1や貫通孔9cの直径d2が気泡の発生能力に影響を与える。必要な気泡発生能力を確実に得るためには、気泡発生部9の長さL1を90mm以上100mm以下、貫通孔の直径を1.4mm以上1.6mm以下とすることが望ましい。さらに、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などを向上し、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をより向上するためには、気泡発生部9に設けられた梁状部材9bの直径を7mm以上9mm以下とすることが望ましい。なお、連結部5、流路縮小部7、外筒部11などの大きさは、このような気泡発生部9の大きさや液体の流量などに対応できれば、適宜選択できる。
【0033】
このような構成の気泡発生用ノズル1(以下、ノズル1と称する)を取り付ける気泡発生装置13は、図6に示すように、液体流路となる循環管路15、この循環管路15の一端に設けられた流入部17、この循環管路15の流入部17とは他端側に設けられたノズル1、流入部17とノズル1との間の循環管路15の部分に循環管路15内の湯の流れに対して上流側から順次設けられた、逆止弁19、流入流量調整弁21、送液手段となるポンプ23、圧力計25、圧力センサ27、吐出流量調整弁29、循環管路15の流入流量調整弁21とポンプ23との間の部分に連通する気体流路となる気体管路31、気体管路31に設けられた気体流量調整弁33、そして気泡発生装置の操作と動作の制御を行う制御手段となる操作盤35などで構成されている。
【0034】
流入部17は、例えば浴槽37の底に取り付けられ、ノズル1は、浴槽37の側壁内面に浴槽37内の底面に向けて湯を吐出する状態で取り付けられる。したがって、循環管路15の入口側端部に設けられた流入部17から流入した湯39は、循環流路15の出口側端部に設けられたノズル1から浴槽37内に吐出される。このように循環管路15は、浴槽37内に収容された湯39を循環させる流路となる。
【0035】
流入流量調整弁21は、ポンプ23に流入する湯37の流量を調整するための弁である。ポンプ23は、必要とされる吐出流量、圧力、そして揚程などが確保でき、気体が混入した状態でも送液できるものであれば様々な構成のポンプを用いることができる。なお、本実施形態のポンプ23としては、循環管路15内に湯37を所望の流量、例えば6L/min.以上程度の流量で通流させることができ、また、循環管路15のポンプ23よりも下流側の部分内を所望の圧力以上の圧力、例えば0.8MPa以上程度に加圧できる能力を有するポンプを用いている。このようなポンプ23は、配線41を介して操作盤35内の制御手段となる回路などに電気的に接続されている。なお、ポンプ23などの送液手段としては、0.6MPa以上1.0MPa以下の圧力で送液するものを用いることが、必要な気泡発生能力をより確実に得るうえで望ましい。
【0036】
圧力計25は、循環管路15のポンプ23よりも下流側の部分内の圧力を目視確認するためのものである。圧力センサ27は、異常などにより循環管路15のポンプ23よりも下流側の部分内の圧力が予め設定した異常判定圧力以上の上昇した場合に、操作盤35内の制御手段によりポンプ23を停止するためのものである。このような圧力センサ27は、配線41を介して操作盤35内の制御手段となる回路などに電気的に接続されている。吐出流量調整弁29は、湯39のノズル1からの吐出流量を調整するための弁で、また、循環管路15のポンプ23よりも下流側の部分内の最大圧力を調整するものであり、例えば最大圧力を約0.8MPaに調整している。
【0037】
気体管路31は、一端が空気中に開放され、他端が循環管路15の流入流量調整弁21とポンプ23との間の部分に連結されている。気体管路31に設けられた気体流量調整弁33は、循環管路15内を通流する湯37内に混入させる気体の量を調整するものであり、操作盤35からの信号に応じて弁を予め設定した開度に開く動作と弁を閉じる動作つまり開閉2動作を行う電磁弁である。このような気体流量調整弁33は、配線41を介して操作盤35内の制御手段となる回路などに電気的に接続されている。操作盤35は、操作スイッチ類と共に制御手段となる回路などが納められており、ポンプ23の発停、圧力センサ27からの信号による異常圧力の判定、気体流量調整弁33の開閉などを制御している。
【0038】
このような構成の気泡発生装置の動作と本発明の特徴部について説明する。本実施形態の気泡発生装置13では、図6に示すように、操作盤35内の運転開始指令スイッチがオンされるとポンプ23が駆動を始めると共に、気体流量調整弁33を設定した開度に開く。これにより、浴槽37内の湯39が流入部17から循環管路15に流入し、ノズル1から浴槽37内に湯39が吐出して湯39の循環が始まると共に、気体管路31の開口端から気体管路31を介して循環管路15内に空気が吸引され、循環管路15内を通流する湯39に空気が混入される。
【0039】
空気が混入された湯39は、図1に示すように、連結部5からノズル1に流入すると、ポンプ23の駆動により流路縮小部7で昇厚された後、気泡発生部9に流れ込む。気泡発生部9の流路3内に流入した空気が混入された湯39は、気泡発生部9に設けられた梁状部材9bに衝突する。この、空気が混入された湯39が昇圧されて梁状部材9bに衝突する過程で、空気と湯39が混合されると共に、湯39中の比較的大きな気泡が破砕される。
【0040】
気泡発生部9に設けられた梁状部材9bに衝突した空気が混入された湯39は、気泡発生部9の側壁に設けられた貫通孔9cを通過し外筒部11内に噴出される際に、加圧及び減圧が行われることとなり、このときの減圧作用、さらに、気泡発生部9の側壁に設けられた貫通孔9cから噴出された気泡を含む湯39が外筒部11の内面に衝突することにより、より微細な気泡が生成される。また、本実施形態では、気泡発生部9の先端部の開口9aからも、気泡を含む湯39が外筒部11内に噴出される。これにより、外筒部11の先端部の吐出口11aから例えば数μmから数十μmといったような微細気泡を多量に含む湯39が、浴槽37内の湯39中に排出される。ノズル1から浴槽37内の湯39中に排出された微細気泡を含む湯39は、浴槽37の底面に衝突するため、微細気泡が浴槽37の底面に沿って広がった後上方に浮上し、浴槽37内の湯39全体が、微細気泡により乳化したかのように白濁した状態となる。
【0041】
このとき、例えば数μmから数十μmといったような微細気泡は、浮上速度が遅く、湯39中に滞留し易い。したがって、浴槽37内の湯39中に十分な量の微細気泡が滞留している状態を維持でき易いことから、ノズル1を備えた気泡発生装置13は、浴槽37内の湯39を微細気泡により乳化したかのように白濁させた状態にできる。なお、このような本実施形態の気泡発生装置13では、循環管路15のポンプ23よりも下流側の部分内の圧力は、図7に示すように、運転開始からある時間が経過すると、予め設定した圧力P1前後、例えば約0.8MPa前後で降圧と昇圧を繰り返すようにほぼ一定の変動を自然に繰り返す。
【0042】
このように本実施形態の気泡発生用ノズル1では、流路縮小部7、気泡発生部9、そして外筒部11を備えていることで、数μmから数十μmといったような微細な気泡を生成できる。このとき、従来のように、圧力センサ27で検出した圧力に応じて気体流量調整弁33を開閉しなくても、常に気体が供給され続ける状態でポンプ23による送液を行うだけで、必要とされる程度に微細な気泡を、必要とされる量発生することができるため、気泡発生装置の運転制御を簡素化できる。
【0043】
さらに、このような気泡発生用ノズル1を設けた本実施形態の気泡発生装置13は、運転制御を簡素化できる。加えて、運転制御を簡素化できることにより、制御手段のコストの低減や、製造の簡素化などが可能となる。さらに、運転中に、気体流量調整弁33の開閉を行わないため、気体流量調整弁33を長寿命化できる。
【0044】
加えて、本実施形態の気泡発生用ノズル1の気泡発生部9に設けられた梁状部材9bは、直径d1が7mm以上9mm以下の円柱状の部材である。このため、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などを向上でき、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をより向上できる。ただし、気泡発生部に設けられた梁状部材は、円柱状以外の形状や、本実施形態と異なる大きさにすることもできる。しかし、本実施形態のように、気泡発生部に円柱状の梁状部材を設け、その直径を7mm以上9mm以下にした方が、気泡発生用ノズルの気泡発生能力が向上する。
【0045】
さらに、本実施形態の気泡発生用ノズル1では、気泡発生部9に梁状部材9bが2つ設けられており、これら2つの梁状部材は互いの延在方向が交わる状態で設けられている。このため、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などをより向上でき、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をさらに向上できる。加えて、本実施形態では、気泡発生部9には、2つの梁状部材9bがこの気泡発生部9の流路3の異なる位置に、互いの延在方向が60度の角度をなした状態で設けられている。これにより、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などをさらに向上でき、気泡発生用ノズルの気泡発生能力を一層向上できる。ただし、気泡発生部に設けられた梁状部材は、一つでもよく、また、複数設ける場合には、それらの延在方向がなす角度は適宜設定できる。しかし、本実施形態のように、気泡発生部に梁状部材を2以上設け、さらに、2以上設けた梁状部材のなす角度を60度にした方が、気泡発生用ノズルの気泡発生能力が向上する。
【0046】
加えて、本実施形態の気泡発生用ノズル1では、気泡発生部9には、流路3の側壁に形成された貫通孔9cが複数設けられており、この複数の貫通孔9cのうち筒状の気泡発生部9の同じ円周位置に形成された複数の貫通孔9cは、60度または120度の角度毎に設けられている。これにより、数μmから数十μmといったような微細な気泡が、また、より多量の気泡が発生し易くなり、ノズルにより気泡発生装置の性能をさらに向上できる。ただし、気泡発生部の流路の側壁に形成された貫通孔は、一つでもよく、また、複数設ける場合には、それらを設ける角度は適宜設定できる。しかし、本実施形態のように、気泡発生部の流路の側壁に貫通孔を同じ円周位置に2以上設け、さらに、2以上設けた貫通孔のなす角度を60度または120度にした方が、気泡発生用ノズルの気泡発生能力が向上する。
【0047】
さらに、本実施形態の気泡発生用ノズル1では、気泡発生部9は、流路縮小部7側と反対側の端面つまり先端部の端面に開口9aが形成され、長さL1が90mm以上100mm以下、気泡発生部の側壁に形成された貫通孔の直径d2が1.4mm以上1.6mm以下になっている。これにより、気泡発生用ノズル1を備えた気泡発生装置が、本実施形態の気泡発生装置13のように1本の気泡発生用ノズルを備えた構成である場合、圧力センサ27で検出した圧力に応じて気体流量調整弁33を開閉しなくても、常に気体が供給され続ける状態でポンプ23による送液を行うだけで必要な気泡発生能力を確実に得ることができ、気泡発生装置の運転制御をより確実に簡素化できる。ただし、気泡発生用ノズルを用いる気泡発生装置の構成などによっては、気泡発生部9の先端部の端面が閉塞された構成にしたり、気泡発生部の長さや貫通孔の直径を適宜選択したりすることもできる。しかし、1本の気泡発生用ノズルを備えた構成気泡発生装置の場合には、本実施形態のような気泡発生部を有する気泡発生用ノズルを用いた方が、気泡発生用ノズルの気泡発生能力が向上する。
【0048】
また、本実施形態の気泡発生用ノズル1では、連結部として、ねじ5aで循環管路15の端部に連結する連結部5を示したが、連結部は、気泡発生装置の循環管路に連結できれば、ねじに限らず様々な連結方法に対応する構造にできる。
【0049】
また、本実施形態の気泡発生用ノズル1では、気泡発生部9に、梁状部材9bを設けた円周位置と、梁状部材9bを設けた位置よりも上流側と下流側の円周位置との4段に貫通孔9cを設けた構成をしましている。しかし、気泡発生部の貫通孔は、少なくとも梁状部材よりも下流側に設けられていれば、他の様々な位置に設けることができる。ただし、本実施形態の気泡発生用ノズル1の気泡発生部9のように貫通孔9cを設けることが、必要な程度に微細な気泡を必要な量得るうえで望ましい。
【0050】
また、本実施形態の気泡発生装置13では、1台のポンプ23に対して1つの気泡発生用ノズル1を接続した構成としたが、本発明を適用した気泡発生装置では、1台のポンプなどの送液手段に対して複数のノズルを接続して用いることができる。
【0051】
また、本実施形態の気泡発生装置13では、圧力検出手段となる圧力センサ27を設けている。しかし、異常が発生したときに自動的にポンプなどの送液手段を停止する必要がない場合には、圧力センサ27を設けていない構成にすることができる。このように、本実施形態の気泡発生用ノズル1を用いることによって圧力センサを不要にすることもできる。
【0052】
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用してなる気泡発生用ノズル及び気泡発生装置の第2の実施形態について図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの気泡発生部の概略構成を示す図である。図9は、本発明を適用してなる気泡発生装置の概略構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、第1の実施形態と同一の構成部分などには同じ符号を付して説明を省略し、第1の実施形態と相違する構成や特徴部などについて説明する。
【0053】
本実施形態の気泡発生用ノズルが第1の実施形態と異なる点は、気泡発生部の構成にあり、また、本実施形態の気泡発生装置が第1の実施形態と異なる点は、1つのポンプに対して2本の気泡発生用ノズルを備えていることにある。すなわち、本実施形態の気泡発生用ノズルでは、連結部、流路縮小部、気泡発生部、そして、外筒部を備えた構成は、第1の実施形態と同じであり、また、連結部、流路縮小部、そして、外筒部の構造や形状、大きさなども第1の実施形態とほぼ同じである。しかし、本実施形態の気泡発生用ノズルが有する気泡発生部43は、図8に示すように、先端部が閉塞されている点や長さ、貫通孔の直径などが第1の実施形態の気泡発生部とは異なっている。
【0054】
本実施形態の気泡発生用ノズルが有する気泡発生部43は、第1の実施形態の気泡発生部と同様、連結部や流路縮小部と同軸で、外径が連結部や流路縮小部7よりも細く形成されている。しかし、本実施形態の気泡発生部43は、流路縮小部に連結される側の端部は開口しているが、他方の端部つまり先端部43aが閉塞された円筒状になっている。気泡発生部43内の流路3は、第1の実施形態の気泡発生部と同様、流路縮小部の流路の最も径が小さい部分と同じ径で形成されている。また、気泡発生部43には、円柱状の梁状部材43bと、気泡発生部43の側壁を貫通する貫通孔43cとが設けられている構造も第1の実施形態の気泡発生部と同様である。
【0055】
気泡発生部43に設けられた梁状部材43bは、図8(b)に示すように、第1の実施形態の気泡発生部と同様、気泡発生部43の側壁の対向する位置に形成された、円柱状の梁状部材43bの直径と同じ内径の2つの孔間に挿通することで気泡発生部43に取り付けられている。したがって、梁状部材43bの延在方向は、気泡発生部43内の流路3の延在方向と直角に交わる状態となっている。なお、梁状部材は、気泡発生部内の流路の延在方向と交わる状態で設けられていればよく、様々な方法で設けることができる。また、本実施形態では、図8に示すように、第1の実施形態の気泡発生部と同様、梁状部材43bは、気泡発生部43の流路3の延在方向に対して異なる位置2箇所に設けられており、2つの梁状部材43bの延在方向のなす角度θは60度になっている。
【0056】
気泡発生部43に設けられた貫通孔43cは、図8に示すように、第1の実施形態の気泡発生部と同様、梁状部材9bよりも流路3内を通流する液体の流れに対して下流側及び上流側の円周位置、さらに、梁状部材43bが設けられた円周位置に設けられている。したがって、本実施形態でも、貫通孔43cは、気泡発生部43の異なる位置に4段に設けられている。そして、梁状部材43bが設けられた円周位置以外の部分の同じ円周位置に設けられた貫通孔43cは、60度毎の角度で穿設されている。
【0057】
また、梁状部材43bが設けられた円周位置に設けられた貫通孔9cは、直接隣り合う貫通孔9cが60度毎の角度で、梁状部材9bを挟んで隣り合う貫通孔9cが120度の角度をおいて穿設されている。したがって、本実施形態の貫通孔43cも、梁状部材43bが設けられた円周位置以外の部分の段に6つずつ、梁状部材43bが設けられた段に4つずつ、全部で20設けられている。また、円筒状の気泡発生部43の流路縮小部に連結される側の端部の外面には、第1の実施形態の気泡発生部と同様、流路縮小部の内面に切られたねじに対応するねじ43dが切られている。
【0058】
ここで、本実施形態の気泡発生用ノズルの気泡発生部43の寸法について説明する。本実施形態でも、気泡発生用ノズルは、例えば内径が約25mmといったような比較的太い径の配管に取り付けられる。気泡発生部43は、内径が約25mmといったような比較的太い径の配管に対し、図8に示すように、例えば両端面間の長さL4が約80mm、流路3内を通流する液体の流れに対して最下流側に形成された貫通孔43cの中心から先端部43aの端面までの長さL5が約33mmとなっている。このように、本実施形態の気泡発生用ノズルの気泡発生部43は、気泡発生部43全体の長さL4、最下流側に形成された貫通孔43cの中心から先端部43aの端面までの長さL5が、各々、第1の実施形態よりも短くなっている。
【0059】
なお、気泡発生部43の隣り合う段の貫通孔43cの中心間及び隣り合う段の梁状部材43bの中心間の長さL6は、第1の実施形態とほぼ同じであり各々約11mmとなっている。また、本実施形態の気泡発生用ノズル1の気泡発生部9の外径D4は約17mm、内径つまり流路3の直径D5は約13mmで第1の実施形態とほぼ同じ径となっている。一方、本実施形態の気泡発生用ノズルの気泡発生部43において、梁状部材9bの直径d1は、例えば約8mmで、第1の実施形態とほぼ同じである。しかし、本実施形態の気泡発生部43の貫通孔9cの直径d3は、約1.2mmとなっている。このように、本実施形態の気泡発生用ノズルの気泡発生部43は、貫通孔43cの直径d3が、第1の実施形態よりも小さくなっている。
【0060】
このような気泡発生部43を備えた本実施形態の気泡発生用ノズルは、2台のポンプに対して2つの気泡発生用ノズルを取り付けて用いるものである。このとき、気泡発生部43の先端部を閉塞することに加え、長さL4や貫通孔43cの直径d3が気泡の発生能力に影響を与える。本実施形態の気泡発生用ノズルにおいて必要な気泡発生能力を確実に得るためには、気泡発生部43の長さL4を70mm以上90mm以下、貫通孔の直径を1.1mm以上1.3mm以下とすることが望ましい。
【0061】
また、第1の実施形態と同様に、混合能力や、液体中の比較的大きな気泡の破砕能力などを向上し、気泡発生用ノズルの気泡発生能力をより向上するためには、気泡発生部43に設けられた梁状部材43bの直径を7mm以上9mm以下とすることが望ましい。
【0062】
このような構成の気泡発生部43を備えた2つの気泡発生用ノズル45a、45b(以下、ノズル45a、45bと称する)を取り付けた気泡発生装置47は、図9に示すように、液体流路となる2系統の循環管路15a、15b、これらの循環管路15a、15bの各々の一端に設けられた2つの流入部17a、17b、これらの循環管路15a、15bの流入部17a、17bとは他端側に設けられたノズル45a、45b、流入部17a、17bとノズル45a、45bとの間の循環管路15aと循環管路15bが1本の管路に合流している部分に循環管路15a、15b内の湯の流れに対して上流側から順次設けられた送液手段となるポンプ23、圧力計25、圧力センサ27、そして、気泡発生装置の操作と動作の制御を行う制御手段となる操作盤35などを備えている。
【0063】
また、循環管路15a、15bのポンプ23よりも上流側で、循環管路15aと循環管路15bが1本の管路に合流している部分よりも上流側の部分には、各々、流入流量調整弁21a、21bが設けられている。循環管路15a、15bのポンプ23よりも下流側で、循環管路15aと循環管路15bが2本の管路に分岐している部分よりも下流側の部分には、各々、吐出流量調整弁29a、29bが設けられている。ポンプ23よりも上流側の循環管路15aと循環管路15bの合流部には、気体流路となる気体管路31が連通している。気体管路31には、気体流量調整弁33が設けられている。これらの気泡発生装置47を構成する各構成要素は、一部のものが2つずつ設けられていることを除き、構造、動作や役割などは第1の実施形態の場合と同じである。
【0064】
流入部17a、17bは、第1の実施形態と同様に、例えば浴槽37a、37bの底に取り付けられ、ノズル45a、45bは、各々、浴槽37a、37bの側壁内面に浴槽37a、37b内の底面に向けて湯を吐出する状態で取り付けられる。したがって、循環管路15a、15bの入口側端部に設けられた流入部17a、17bから流入した湯39は、各々、循環流路15a、15bの出口側端部に設けられたノズル45a、45bから浴槽37a、37b内に吐出される。なお、ポンプ23、圧力センサ27、気体流量調整弁33などは、配線41を介して操作盤35内の制御手段となる回路などに電気的に接続されている。
【0065】
このような構成の気泡発生用ノズル45a、45bを備えた気泡発生装置47でも、空気が混入された湯39は、連結部から気泡発生用ノズル45a、45bに流入すると、ポンプ23の駆動により流路縮小部で昇厚された後、気泡発生部43に流れ込む。気泡発生部43の流路3内に流入した空気が混入された湯39は、図7に示すように、気泡発生部43に設けられた梁状部材43bに衝突する。この、空気が混入された湯39が昇圧されて梁状部材43bに衝突する過程で、空気と湯39が混合されると共に、湯39中の比較的大きな気泡が破砕される。
【0066】
気泡発生部43に設けられた梁状部材43bに衝突した空気が混入された湯39は、気泡発生部43の側壁に設けられた貫通孔43cを通過し外筒部内に噴出される際に、加圧及び減圧が行われることとなり、このときの減圧作用、さらに、気泡発生部43の側壁に設けられた貫通孔43cから噴出された気泡を含む湯39が外筒部の内面に衝突することにより、より微細な気泡が生成される。
【0067】
これにより、気泡発生部43を備えた気泡発生用ノズル45a、45bの外筒部の先端部の吐出口から例えば数μmから数十μmといったような微細気泡を多量に含む湯39が、各々の浴槽37a、37b内の湯39中に排出される。気泡発生用ノズル45a、45bから各浴槽37a、37b内の湯39中に排出された微細気泡を含む湯39は、浴槽37a、37b内の底面に衝突するため、微細気泡が浴槽37a、37b内の底面に沿って広がった後上方に浮上し、浴槽37a、37b内内の湯39全体が、微細気泡により乳化したかのように白濁した状態となる。
【0068】
このように、本実施形態の気泡発生部43を備えた気泡発生用ノズル45a、45bでも、数μmから数十μmといったような微細な気泡を生成できる。このとき、従来のように、圧力センサ27で検出した圧力に応じて気体流量調整弁33を開閉しなくても、常に気体が供給され続ける状態でポンプ23による送液を行うだけで、必要とされる程度に微細な気泡を、必要とされる量発生することができるため、気泡発生装置の運転制御を簡素化でき、第1の実施形態の気泡発生用ノズルと同様の効果を得ることができる。
【0069】
さらに、本実施形態の気泡発生部43は、先端部の端面が閉塞されており、長さL4が70mm以上90mm以下、気泡発生部43の側壁に形成された貫通孔43cの直径d3が1.1mm以上1.3mm以下となっている。これにより、本実施形態の気泡発生装置47のように2本の気泡発生用ノズル45a、45bを備えた構成である場合、圧力センサ27で検出した圧力に応じて気体流量調整弁33を開閉しなくても、常に気体が供給され続ける状態でポンプ23による送液を行うだけで必要な気泡発生能力を確実に得ることができ、気泡発生装置の運転制御をより確実に簡素化できる。
【0070】
また、本発明の気泡発生用ノズル及び気泡発生装置は、第1及び第2の実施形態に示した気泡発生用ノズルや気泡発生装置に限らず、気泡発生用ノズルが連結部、流路縮小部、気泡発生部、そして、外筒部を備えていれば、様々な構成の気泡発生用ノズル及び気泡発生装置に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】 本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの第1の実施形態の概略構成を、外筒部を外した状態で示す側面図である。
【図2】 本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの第1の実施形態における連結部の概略構成を示す図であり、(a)は流路縮小部を連結する側から見た図、(b)は側面図、(c)は循環管路を連結する側から見た図である。
【図3】 本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの第1の実施形態における流路縮小部の概略構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は連結部側から見た図である。
【図4】 本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの第1の実施形態における気泡発生部の概略構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のIVb−IVb線での断面図である。
【図5】 本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの第1の実施形態における外筒部の概略構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は吐出口側から見た図である。
【図6】 本発明を適用してなる気泡発生装置の第1の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【図7】 本発明を適用してなる気泡発生装置の第1の実施形態における液体管路のポンプよりも下流側の部分内の圧力変動を示す図である。
【図8】 本発明を適用してなる気泡発生用ノズルの第2の実施形態における気泡発生部の概略構成を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)のVIIIb−VIIIb線での断面図である。
【図9】 本発明を適用してなる気泡発生装置の第2の実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
1 気泡発生用ノズル
3 流路
5 連結部
7 流路縮小部
9 気泡発生部
9b 梁状部材
9c 貫通孔
11 外筒部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体が混入された液体が通流する管路に連結され、内部が、気体が混入された液体の流路となる筒状の連結部と、該連結部の流路に連続し、内部の気体が混入された液体の流路が出口側で細くなる筒状の流路縮小部と、内部が該流路縮小部の出口に連続して気体が混入された液体の流路となり、側壁に貫通孔が形成された筒状の気泡発生部と、該気泡発生部と同軸に該気泡発生部を覆い、前記流路縮小部側と反対側の端面が開口した筒状の外筒部とを備え、
前記気泡発生部は、該気泡発生部の流路内の気体が混入された液体の通流方向に交わる方向に設置された少なくとも1つの梁状部材を有し、前記気泡発生部の側壁に形成された貫通孔は、少なくとも前記梁状部材よりも気体が混入された液体の流れに対して下流側に設けられている気泡発生用ノズル。
【請求項2】
前記気泡発生部に設けられた梁状部材は、直径が7mm以上9mm以下の円柱状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の気泡発生用ノズル。
【請求項3】
前記気泡発生部に梁状部材が2以上設けられており、該2以上の梁状部材は互いの延在方向が交わる状態で設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の気泡発生用ノズル。
【請求項4】
前記気泡発生部は、前記流路縮小部側と反対側の端面が開口しており、長さが90mm以上100mm以下、前記気泡発生部の側壁に形成された貫通孔の直径が1.4mm以上1.6mm以下であるであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気泡発生用ノズル。
【請求項5】
前記気泡発生部は、前記流路縮小部側と反対側の端面が閉塞されており、長さが70mm以上90mm以下、前記気泡発生部の側壁に形成された貫通孔の直径が1.1mm以上1.3mm以下であるであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気泡発生用ノズル。
【請求項6】
液体が通流する液体流路と、該液体流路に設けられた前記液体の送液手段と、前記液体流路に連通して前記液体中に気体を供給する気体流路と、前記液体流路の出口側端部に設けられたノズルとを備えてなり、
前記ノズルが請求項1乃至5のいずれか1項に記載の気泡発生用ノズルであることを特徴とする気泡発生装置。
【請求項7】
前記送液手段は、0.6MPa以上1.0MPa以下の圧力で送液することを特徴とする請求項6に記載の気泡発生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−93649(P2008−93649A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307175(P2006−307175)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(500431265)
【出願人】(506380721)
【Fターム(参考)】