説明

気管支拡張を誘発するためのβ2アゴニストの送達のための方法およびそれを使用するための製剤

本発明は、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発するために(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に投与することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を送達することとを含む方法、ならびにβアゴニストを含む投与製剤に関する。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を送達することとを含み、βアゴニストが約0.21mg未満/用量の濃度で供給され、それによって該吸入ネブライザーを用いる送達が約5分未満なされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、2006年5月18日に出願された米国仮特許出願第60/747,657号;2006年5月25日に出願された米国仮特許出願第60/803,232号;2006年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/828,212号;および2006年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/828,215号の利益を主張する。これらは、その全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発するために(a)βアゴニストを含む吸入可能混合物の少なくとも1用量を供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて吸入混合物を送達することとを含むβアゴニストの送達のための方法、ならびにβアゴニストを含む投与製剤に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
気管支収縮性障害としては、喘息およびそれに関連する疾患(小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、職業性喘息、アスピリン感受性喘息、内因性喘息、および慢性閉塞性肺疾患(COPD)を含む)等の肺疾患、および慢性気管支炎を挙げることができる。そのような気管支収縮性障害は世界的に広がっており、数百万もの人が罹患している。
【0004】
喘息を含む多くの気管支収縮性障害の病態生理には、種々の異なる症状が含まれる。そのうちの一つは気管支収縮であり、喘鳴、咳嗽、および息切れをもたらすことがある。これらの障害では、気管支収縮は気管支平滑筋の痙攣、気道炎症、および気管支粘膜浮腫のうちの一つまたは複数に起因して起こると考えられている。
【0005】
特に、喘息は(a)呼吸困難、(b)喘鳴、および(c)咳嗽を特徴とする気管支収縮性障害である。多くの気管支収縮性障害のように、喘息は(1)気道炎症、(2)気道過敏反応、および(3)気道狭窄を特徴とする。しかし、これらの症状の重症度は、患者間で、さらに同じ患者でも喘息のエピソード(発作)によって大きく異なることがある。
【0006】
当該技術分野ではβアドレナリン受容体アゴニストとしても知られているβアゴニストは、ヒトにおいて気管支拡張効果をもたらすことが知られており、βアゴニストの投与によって息切れ症状の緩和がもたらされるために、気管支収縮性障害患者の治療では重要である。βアゴニストは、即効性の緩和のために短期作用し、もしくは気管支収縮性症状の長期予防のために長期作用することが可能である。例えば、短期作用型βアゴニストとして知られているものには、アルブテロール、ビトルテロール、レバルブテロール、ピルブテロール、サルブタモール、およびテルブタリンが挙げられる。さらに、長期作用型βアゴニストとして知られているものには、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、ホルモテロール、およびサルメテロールが挙げられる。
【0007】
より具体的には、アルブテロール等の短期作用型吸入βアゴニストは、喘息、慢性気管支炎、肺気腫、および他の肺疾患に起因する喘鳴、息切れ、および呼吸困難を治療するために使用される。βアゴニスト吸入は、また、運動中の呼吸困難(気管支痙攣)を予防および抑制するために使用される。現在は、アルブテロールは、口から服用する錠剤、徐放性(長期作用)錠剤、およびシロップ剤として、口から吸入するエアロゾル剤、溶液剤(液剤)、および粉末充填カプセル剤として使用可能である。溶液剤は、ネブライザーを用いて吸入され、粉末充填カプセル剤は、特別な乾燥粉末吸入器を用いて吸入される。アルブテロールの錠剤およびシロップ剤は、通常1日3、4回服用され、徐放性錠剤は、通常1日2回服用される。喘息症状の治療または予防のために、経口吸入は、必要に応じて、通常4〜6時間ごとに使用される。運動中の気管支痙攣を予防するためには、運動の15分前に経口吸入が用いられる。噴霧溶液剤は、1日3、4回使用される。
【0008】
アルブテロールの吸入液剤は、現在、等張水溶液3mL中2.5mg、1.25mg、および0.63mgの単位用量で使用可能である(Albuterol Sulfate Inhalation SolutionおよびAccuneb(登録商標)、それぞれDey,L.P.製)。2.5mg用量は成人による使用が承認されており、FDAは表示ガイドラインを拡大し、同様にわずか2歳児の小児喘息患者による使用用としてこの用量のアルブテロールを入れた。しかし、定期的に小児に投与する場合、2.5mg製剤は、必要以上に多いアルブテロールをもたらす可能性もあり、それによって薬の副作用のリスクを高める可能性がある。そのようなものとして、米国国立衛生研究所(NIH)は、小児患者には症状を抑制するために必要とされる最低用量のβアゴニストを用いるように勧告している。
【0009】
従って、βアゴニストの投与で用いられる剤形にかかわりなく、βアゴニストを使用する現在の治療方法は、患者に対して種々の投与計画、種々の投与頻度、および患者コンプライアンスにおける相当な困難に従うように求めている。さらに、特定の患者集団(例えば小児喘息患者)は、βアゴニスト噴霧療法に対して格別な困難を示す。従来のβアゴニスト噴霧療法を投与するために要する長い時間従うことを、その患者集団が嫌がるためである。
【0010】
従って、方法の改善、そこで使用される投与製剤、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発するためにβアゴニストを含む吸入混合物の送達が必要であり、そこではβアゴニスト用量が低減される方法でβアゴニストが送達され、投与時間が短縮され、βアゴニスト療法に関連する副作用のリスクが減少する。
【0011】
本発明は、前述の要求に応え、そのうえ関連する利点を提供する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
(発明の要旨)
本発明は、喘息を含む気管支収縮性障害を治療する改善された方法(現在の治療法では理想的でないβアゴニストを用いる)を提供することによって、前述および関連する要求に応える。
【0013】
本発明の一つの実施形態では、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を送達することとを含み、βアゴニストが約0.21mg未満/用量の濃度で供給され、それによって該吸入ネブライザーを用いる送達が約5分未満なされる。本明細書に記述する方法の他の実施形態では、βアゴニストは約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、βアゴニストは約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、βアゴニストは約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、βアゴニストは約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。
【0014】
本発明の別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、βアゴニストの少なくとも約20%が肺に沈着される。一つの実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約30%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約50%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約60%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約70%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約80%が肺に沈着される。本明細書に記述する方法のいくつかの実施形態では、βアゴニストは約0.21mg未満/用量の濃度で投与される。本明細書に記述する方法の他の実施形態では、βアゴニストは約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、βアゴニストは約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、βアゴニストは約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、βアゴニストは約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、βアゴニストの少なくとも約30%未満が肺の外側に送達される。一つの実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約25%未満が肺の外側に送達される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約20%未満が肺の外側に送達される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約15%未満が肺の外側に送達される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約10%未満が肺の外側に送達される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約5%未満が肺の外側に送達される。本明細書に記述する方法のいくつかの実施形態では、βアゴニストは約0.21mg未満/用量の濃度で投与される。本明細書に記述する方法の他の実施形態では、βアゴニストは約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、βアゴニストは約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、βアゴニストは約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、βアゴニストは約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約0.1mg/用量の濃度で供給される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.1mg/用量〜約0.5mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量〜約1.0mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg/用量〜約2.0mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、βアゴニストは、約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。
【0017】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、βアゴニストの少なくとも約25%が肺に沈着される。一つの実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約30%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約35%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約50%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約60%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約80%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約60%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約50%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの約40%〜約50%が肺に沈着される。
【0018】
さらに本発明の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、該方法は従来のβアゴニスト治療に付随する副作用のリスクを低下させる。
【0019】
さらに本発明の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、該方法は従来のβアゴニスト治療に付随する副作用を低下させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記述する方法は、従来のβアゴニスト治療法に付随する副作用を軽減させる。他の実施形態では、本明細書に記述する方法は、従来のβアゴニスト治療法に付随する副作用を除去する。
【0020】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、該方法は、従来のβアゴニストと比較して、従来のβアゴニスト治療法よりも低いβアゴニスト用量で患者に同等の気管支拡張をもたらす。
【0021】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、それによって、本発明のβアゴニスト濃度が従来のβアゴニスト治療法のβアゴニスト濃度と同じである該方法は、従来のβアゴニスト治療法と比較して患者により大きな気管支拡張をもたらす。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される短期作用型βアゴニストである。
【0023】
他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、レバルブテロール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される。
【0024】
いくつかの他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、またはレバルブテロールからなる群から選択される。
【0025】
一つの実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール遊離塩基である。別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、硫酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、塩酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、クエン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、リン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、レバプテロールである。
【0026】
本発明のいくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、ホルモテロール、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、サルメテロール、またはその組み合わせからなる群から選択される長期作用型βアゴニストである。
【0027】
本発明の他の実施形態では、方法は、吸入混合物中の、かつ吸入ネプライザーを用いて送達される第2の医薬的活性薬剤の送達をさらに含むことが可能である。一つの実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物および第2の医薬的活性薬剤を含む吸入混合物は、同時に(例えば、吸入混合物で)送達される。別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物および第2の医薬的活性薬剤を含む吸入混合物は、連続して送達される。
【0028】
いくつかの実施形態では、第2の医薬的活性薬剤はコルチコステロイドである。他の実施形態では、第2の医薬的活性薬剤は、アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR106541、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびそれらそれぞれの薬学的に許容される誘導体からなる群から選択されるコルチコステロイドである。一つの実施形態では、第2の医薬的活性薬剤はブデソニドである。
【0029】
他の実施形態では、第2の医薬的活性薬剤は抗生物質である。これらの実施形態のいくつかでは、抗生物質は、ペニシリン、セファロスポリン、マクロライド、スルホンアミド、アミノグリコシド、およびβラクタム系の抗生物質からなる群から選択される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態では、患者は18歳を超える成人であり得る。本発明の他の実施形態では、患者は12歳〜18歳の青年であり得る。さらに他の実施形態では、患者は12歳未満の小児であり得る。いくつかの他の実施形態では、患者は5歳未満の小児であり得る。さらに他の実施形態では、患者は2歳〜12歳までの小児であり得る。さらに別の実施形態では、患者は12ヵ月〜8歳までの小児であり得る。他の実施形態では、患者は2歳未満の幼児であり得る。
【0031】
本発明の他の実施形態では、方法は約5分未満の送達時間を有する。本発明のいくつかの他の実施形態では、方法は約4分未満の送達時間を有する。他の実施形態では,方法は約3分未満の送達時間を有する。さらに他の実施形態では、方法は約2分未満の送達時間を有する。さらに他の実施形態では,方法は約1.5分未満の送達時間を有する。さらに別の実施形態では,方法は約1分未満の送達時間を有する。一つの実施形態では、方法は約30秒〜約1分の間の送達時間を有する。別の実施形態では、方法は約1分〜約2分の間の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約2分〜約3分の間の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約1分〜約3分の間の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約3分〜約4分の間の送達時間を有する。
【0032】
本発明のいくつかの態様では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、5.0mL未満である。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.1mL〜1.5mL未満である。一つの実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.1mL〜1.0mL未満である。別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.3mL〜0.8mL未満である。さらに別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.4mL〜0.6mL未満である。さらに別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.5mLである。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記述する方法は、それを必要としている患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量を2回または少なくとも2回、3回または少なくとも3回、4回または少なくとも4回、5回または少なくとも5回、6回またはなくとも6回送達することを含むことが可能である。
【0034】
本発明の他の実施形態では、本明細書に記述する方法は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、職業性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される障害の症状と診断された患者、該症状の疑いがある患者、または該症状に悩む患者の治療のためである。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態では、本発明は、βアゴニストまたはその薬学的に許容される塩を約0.21mg未満含む吸入噴霧による投与のための投与製剤を含む。それによって、該投与製剤は吸入ネブライザーによる送達に適し、かつ該送達は約5分未満でなされる。いくつかの実施形態では、投与製剤は防腐剤をさらに含むことが可能である。いくつかの他の実施形態では、投与製剤は、溶解エンハンサーをさらに含むことが可能である。さらに他の実施形態では,投与製剤は、防腐剤および/または溶解エンハンサーを含むことが可能であり、かつ薬学的に許容される賦形剤、および/またはキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または抗酸化剤をさらに含むことが可能である。
【0036】
他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約4分未満である、。他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約3分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約2分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1.5分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分未満である。一つの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約30秒〜約1分の間である。別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分〜約2分の間である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約2分〜約3分の間である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分〜約3分の間である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約3分〜約4分の間である。
【0037】
本発明のいくつかの他の実施形態では、本発明は吸入噴霧による投与のための投与製剤を含む。該投与製剤は、(a)βアゴニストまたはその薬学的に許容される塩と、(b)防腐剤とを含み、それによって該投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適し、かつ該送達は約5分未満でなされる。いくつかの実施形態では、投与製剤は、さらに溶解エンハンサーを含むことが可能である。さらに他の実施形態では、防腐剤および/または溶解エンハンサーを含む投与製剤は、薬学的に許容される賦形剤、および/またはキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または坑酸化剤.をさらに含むことが可能である。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビルトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される短期作用型βアゴニストである。
【0039】
他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、レバルブテロール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される。
【0040】

いくつかの他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、またはレバルブテロールからなる群から選択される。
【0041】
一つの実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール遊離塩基である。別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、硫酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、塩酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、クエン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、リン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、レバルブテロールである。
【0042】
本発明のいくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、ホルモテロール、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、サルメテロール、またはその組み合わせからなる群から選択される長期作用型βアゴニストである。
【0043】
投与製剤のいくつかの実施形態では、防腐剤は、エデト酸二ナトリウム(EDTA)、塩化ベンザルコニウム(BAC)、およびその組み合わせからなる群から選択される。一つの実施形態では、防腐剤はEDTAである。別の実施形態では、防腐剤は、塩化ベンザルコニウムである。
【0044】
投与製剤のいくつかの実施形態では、溶解エンハンサーは、プロピレングリコール、非イオン性界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸、リン脂質、レシチン、精製および/または濃縮レシチン、レシチンから抽出されるホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンとその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE−γ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG26054、ORG25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、およびその組み合わせからなる群から選択される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、キレート化剤、金属イオン封鎖剤、または坑酸化剤からなる群から選択される薬学的に許容される賦形剤をさらに含むことができる。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、第2の医薬的活性薬剤をさらに含む。一つの実施形態では、第2の医薬的活性薬剤は、コルチコステロイドである。別の第2の医薬的活性薬剤は、抗生物質である。さらに別の実施形態では第2の医薬的活性薬剤は、坑コリン作動薬である。さらに別の実施形態では第2の医薬的活性薬剤は、ドーパミン(D)受容体アゴニストである。
(参考による援用)
特に明記しない限り、本明細書に記述するすべての刊行物および特許出願は、それぞれ個別の刊行物または特許出願が参考として援用されることを明確にかつ個別に表されたかのように、同じ範囲まで参考として本明細書で援用される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】以下の放射性標識化アルブテロール溶液を投与した後の肺シンチグラフによる前面像である。(a)Pari eFlowネブライザーを用いて0.63mg/0.5mL、(b)Pari eFlowネブライザーを用いて1.25mg/0.5mL、および(c)Pari LC Plusネブライザーを用いてVentolin(登録商標)(2.5mg/3mL)。.
【図2】以下の放射性標識化アルブテロール溶液を投与した後の肺シンチグラフによる前面像である。(a)Pari eFlowネブライザーを用いて0.63mg/0.5mL、(b)Pari eFlowネブライザーを用いて1.25mg/0.5mL、および(c)Pari LC Plusネブライザーを用いてVentolin(登録商標)(2.5mg/3mL)。
【図3】以下の放射性標識化アルブテロール溶液を投与した後の肺シンチグラフによる前面像である。(a)Pari eFlowネブライザーを用いて0.63mg/0.5mL、(b)Pari eFlowネブライザーを用いて1.25mg/0.5mL、および(c)Pari LC Plusネブライザーを用いてVentolin(登録商標)(2.5mg/3mL)。
【発明を実施するための形態】
【0048】
(発明の詳細な説明)
ここで、本明細書に開示する方法および投与製剤の実施形態を詳細に参照する。実施形態の例を以下の実施例の部で説明する。
【0049】
特に明記しない限り、本明細書で使用するすべての技術用語、化学用語は、本明細書に記述する本発明が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で引用したすべての特許および刊行物は、参考として援用する。
【0050】
特定の定義
本明細書で使用するように用語「構成する」、「含む」、「等」、「例えば」は、それらの開放的かつ非限定的な意味で使われる。
【0051】
用語「約」は、用語「およそ」と同義に使用される。当業者が理解するように、「約」の正確な境界は、組成物の成分に依存する。例示的に、用語「約」の使用は、引用した値の若干外側(すなわち±0.1%〜10%)の値を示す。これらは、有効かつ安全な値でもある。
【0052】
「アルブテロール」は、(R)−もしくは(S)−エナンチオマーとして、またはこれら2つのエナンチオマーの混合物として存在することができる任意の活性化合物である。用語「アルブテロール」は、通常、(R)および(S)の両アルブテロールエナンチオマーのラセミ混合物をいう。本明細書では、用語アルブテロールは、ラセミ混合物、アルブテロールの単一のエナンチオマー、またはアルブテロールのエナンチオマーの任意の混合物を含むものとして定義される。従来のラセミアルブテロールおよびラセミ硫酸アルブテロールは、Proventil(登録商標)、Ventolin(登録商標)、およびVormax(登録商標)として市販されている。一般名レバルブテロールを有する純粋な(R)−エナンチオマーは、Xopenex(登録商標)として市販されている。さらに、本明細書で使用するようにアルブテロールとしては、サルブタモール、アルブテロール遊離塩基、ならびにアルブテロールの薬学的に許容される塩(塩酸塩、硫酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、リン酸塩等が含まれるがこれらに限定されない)が挙げられる。いくつかの代表的な塩は米国特許第3,644,353号に記述されており、その開示内容全体が参考として本明細書で援用される。
【0053】
「生体利用効率」は、調査される動物またはヒトの全身循環に送達されるアルブテロール等の投与されたβアゴニストの重量パーセンテージをいう。静脈内投与されるとき、薬物の総曝露(AUC(0〜∞))は、通常、100%体内に吸収され利用され得る(F%)として定義される。
【0054】
本明細書で使用するように「気管支収縮性障害」は、気道(例えば、気管支または両気管支)の内径の減少に関連するいかなる障害または疾患をいい、以下が挙げられるがこれらに限定されない。喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、職業性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫。
【0055】
本明細書で使用するように「気管支拡張」は、気管支収縮性障害を治療するまたは防止するための気管支の気道の拡張をいう。
【0056】
本明細書で使用するように「βアゴニスト」または「βアドレナリン受容体アゴニスト」は、βアドレナリン受容体を活性化することができるいかなる薬剤をいう。短期作用型もしくは長期作用型のβアゴニストは、当該技術分野では既知であり、以下が挙げられるがこれらに限定されない。アルブテロール(例えば、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール)、硫酸テルブタリン、メシル酸ビルトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、サルメテロール、またはその組み合わせ。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストを含む投与製剤は無菌であり、従って防腐剤が不要になる。他の実施形態では、βアゴニストを含む投与製剤は、防腐剤を含むことが可能である。
【0057】
本明細書で使用するように「コルチコステロイド」は、副腎の皮質によって産生される自然のコルチコステロイドホルモンと類似する薬物の群をいう。コルチコステロイドは、種々の機序を介して遅延相のアレルギー反応を抑制するよう作用する。それらは、粘膜表面に沿ってマスト細胞の密度を減少させる機序、好酸球の走化性および活性化を減少させる機序、リンパ球、単球、マスト細胞、および好酸球によるサイトカイン産生を減少させる機序、アラキドン酸の代謝を抑制する機序、および他の機序を含む。コルチコステロイドには、例えばブデソニドが含まれるがこれに限定されない。
【0058】
「薬物吸収」または「吸収」は、一般的に、薬物の送達部位、または作用(例えば、薬物が肺胞の肺毛細血管床に吸収される)の部位からバリアを横切って血管への薬物の移動のプロセスをいう。
【0059】
本明細書で使用するように「同等」は、実質的に同じ値を有する2つ以上のパラメータまたは値をいう。当業者が理解するように、「同等」の正確な境界は、分析される特定のパラメータまたは値に依存する。例示的に、用語「同等」の使用は、引用した値の若干外側(すなわち±0.1%〜25%)の値を包含する。
【0060】
本明細書で使用するように「吸入ネブライザー」は、肺への送達のために薬物を霧状ミストに変える装置をいう。
【0061】
本明細書で使用するように「吸入混合物」は、活性薬剤の吸入送達のための任意の投与製剤をいう。適切な吸入混合物の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。溶液、懸濁液、分散液、乳濁液、コロイド液、ミセル液もしくは混合ミセル液、およびリポソーム液。一部の実施形態では、吸入混合物は少なくとも部分的に水溶性である。いくつかの他の実施形態では、吸入混合物は実質的に水溶性である。他の実施形態では、吸入混合物は、粉末形状のβアゴニストを吸入に適した溶媒に導入することによって形成される懸濁液である。
【0062】
「薬物動態」は、作用部位での薬物の適切な濃度の達成および維持に反映する因子をいう。
【0063】
本明細書で使用するように「防腐剤」は、崩壊または分解から保護するために投与製剤に添加される任意の化学物質をいう。本明細書で使用するように、防腐剤は、抗菌剤、坑酸化剤、錯化剤、および安定化剤からなる群から選択される化学薬品を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。エデト酸二ナトリウム(EDTA)もしくはエチレングリコール−ビス(オキシエチレンニトリロ)−四酢酸(EGTA)およびその塩(例えば二ナトリウム塩)、クエン酸、ニトリロ三酢酸、塩化ベンザルコニウム(BAC)もしくは安息香酸、安息香酸塩(例えば安息香酸ナトリウム)、ビタミンとビタミンエステル、プロビタミン、アスコルビン酸、ビタミンE、およびその組み合わせ。
【0064】
本明細書で使用するように「副作用」は、数多くのβアゴニスト療法の潜在的に有害な作用をいう。そのような副作用としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。振戦、神経過敏、震え、眩暈、食欲亢進、および心不整脈。小児では、興奮、神経過敏、および運動過敏症等の副作用も知られている。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、副作用のリスクが減少する濃度で、それを必要とする患者に治療的有効量のβアゴニストの送達を提供する。他の実施形態では、本発明の方法は、副作用が減少するまたは除去される濃度で、それを必要とする患者に治療的有効量のβアゴニストの送達を提供する。
【0065】
本明細書で使用するように「溶解エンハンサー」は、活性薬剤の増強した溶解度を提供する化学物質または製造方法のいずれかを含む。いくつかの実施形態では、「溶解エンハンサー」は、製剤に存在する場合、溶媒中の第2の化学物質(例えば有効成分)の溶解度を増加させる化学薬品をいう。しかしその化学物質は、それ自体、第2の化学物質の溶媒ではない。他の実施形態では、「溶解エンハンサー」は、溶解度を増加させる手段として作用する化学物質なしで、増強した溶解度をもたらす製剤方法をいうこともある。
【0066】
「治療的有効量」または「有効量」は、薬理作用のある物質が薬理効果を達成するその量である。用語「治療的有効量」は、例えば、予防的有効量を含む。アルブテロール等のβアゴニストの「有効量」は、過度の副作用なしで所望の薬理効果または治療的改善を達成するための有効な量である。アルブテロール等のβアゴニストの有効量は、特定の患者および疾患のレベルによって当業者によって選択される。「有効量」または「治療的有効量」は、アルブテロール等のβアゴニストの代謝における変化、被験者の年齢、体重、全身状態、治療される状態、治療される状態の重症度、および処方医師の判断によって被験者間で変わり得ると理解される。
【0067】
気管支収縮性障害と関連して使用されるように、「治療する」または「治療」は、気管支の収縮に関連する障害もしくは疾患のいかなる治療をいう。例えば、障害もしくは疾患に罹患しやすいこともあるが、障害もしくは疾患を有するとまだ診断されていない被験者において障害もしくは疾患を未然に防ぐこと、障害もしくは疾患を抑制すること(例えば、障害もしくは疾患の発症を止める、障害もしくは疾患を軽減させる、障害もしくは疾患の退行を引き起こす、疾患もしくは障害によって起こる状態を軽減させる、または疾患もしくは障害の症状を止める)である。従って、本明細書で使用するように、用語「治療する」は、用語「予防する」と同義に使用される。
【0068】
I.気管支拡張を誘発するためのβアゴニストの送達方法
本発明のいくつかの態様では、本明細書に記述する方法は、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療するためのβアゴニストの送達を提供する。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給するステップと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達するステップとを含み、βアゴニストの呼吸に適した治療的有効量が従来のβアゴニスト療法よりも低い濃度で患者に供給される。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0069】
本発明のいくつかの他の態様では、本明細書に記述する方法は、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療するためのβアゴニストの送達を提供する。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給するステップと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達するステップとを含み、相当する気管支拡張が従来のβアゴニスト療法よりも低い濃度で患者に供給される。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0070】
本発明のさらに他の態様では、本明細書に記述する方法は、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療するためのβアゴニストの送達を提供する。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給するステップと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達するステップとを含み、該気管支拡張が従来のβアゴニスト療法よりも低い濃度で患者において達成される。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0071】
本発明のさらなる態様は、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、該方法は従来のβアゴニスト療法と比較してβアゴニスト治療に付随する副作用のリスクを低下させる。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0072】
本発明のさらに他の態様では、本明細書に記述する方法は、それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療するためのβアゴニストの送達を提供する。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給するステップと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達するステップとを含み、該気管支拡張が従来のβアゴニスト療法よりも低い濃度で患者において達成される。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0073】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、βアゴニストの少なくとも約20%が肺に沈着される。一つの実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約25%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約30%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約35%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約50%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約60%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約80%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約60%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約50%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの約30%〜約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの約40%〜約50%が肺に沈着される。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0074】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療するための方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、従来のβアゴニスト治療と比較して該方法は、従来のβアゴニスト治療よりも低い用量で相当する気管支拡張を提供する。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、約2.5mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0075】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療するための方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、従来のβアゴニスト治療と比較して該方法はより大きい気管支拡張をもたらし、本発明のβアゴニスト用量は従来のβアゴニスト治療におけるβアゴニスト用量と同じである。
【0076】
本発明の一つの実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を送達することとを含み、βアゴニストが約0.21mg未満/用量の濃度で供給され、それによって該吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。
【0077】
本発明の別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)約0.21mg未満/用量の濃度でβアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、該βアゴニストの少なくとも約20%が肺に沈着される。一つの実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約30%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約40%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約50%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約60%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約60%が肺に沈着される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約70%が肺に沈着される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約80%が肺に沈着される。
【0078】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療するための方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、該βアゴニストの少なくとも約30%未満が肺の外側に送達される。一つの実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約25%未満が肺の外側に送達される。別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約20%未満が肺の外側に送達される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約15%未満が肺の外側に送達される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約10%未満が肺の外側に送達される。さらに別の実施形態では、該βアゴニストの少なくとも約5%未満が肺の外側に送達される。
【0079】
いくつかの実施形態では、βアゴニストは約0.21mg未満/用量の濃度で投与される。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、βアゴニストは約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、βアゴニストは約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、βアゴニストは約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約0.1mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.1mg/用量〜約0.5mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量〜約1.0mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg/用量〜約2.0mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約2.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で投与される。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で投与される。いくつかの実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で投与される。
【0080】
本発明の他の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者において気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含む。その方法は、(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を該患者に供給することと、(b)吸入ネブライザーを用いて該吸入混合物を送達することとを含み、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約0.1mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。いくつかの他の実施形態では、約0.1mg/用量〜約0.5mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量〜約1.0mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.0mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.5mg/用量〜約2.0mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約0.04mg/用量〜約1.5mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。いくつかの他の実施形態では、、βアゴニストは、約0.06mg/用量〜約1.25mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。他の実施形態では、βアゴニストは、約0.15mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。いくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、約0.6mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。さらに他の実施形態では、βアゴニストは、約1.25mg/用量の濃度で供給され、それによって吸入ネブライザーを用いる送達は約5分未満なされる。
【0081】
本発明の他の実施形態では、方法は約4分未満の送達時間を有する。他の実施形態では、方法は約3分未満の送達時間を有する。さらに他の実施形態では、方法は約2分未満の送達時間を有する。さらに他の実施形態では、方法は約1.5分未満の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約1分未満の送達時間を有する。一つの実施形態では、方法は約30秒〜約1分の送達時間を有する。別の実施形態では、方法は約1分〜約2分の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約2分〜約3分の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約1分〜約3分の送達時間を有する。さらに別の実施形態では、方法は約3分〜約4分の送達時間を有する。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態では、患者は18歳を超える成人であり得る。本発明の他の実施形態では、患者は12歳〜18歳の青年であり得る。さらに他の実施形態では、患者は12歳未満の小児であり得る。いくつかの他の実施形態では、患者は5歳未満の小児であり得る。さらに他の実施形態では、患者は2歳〜12歳の小児であり得る。他の実施形態では、患者は12ヵ月〜8歳の小児であり得る。他の実施形態では、患者は2歳未満の乳児であり得る。
【0083】
本発明のいくつかの態様では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、5.0mL未満である。本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.1mL〜約1.5mLである。一つの実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.1mL〜約1.0mLである。別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.3mL〜約0.8mLである。さらに別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.4mL〜約0.6mLである。さらに別の実施形態では、βアゴニストを含む吸入混合物の量は、約0.5mLである。
【0084】
本発明の他の実施形態では、本発明はそれを必要とする患者に気管支拡張を誘発することによって疾患を治療する方法を含むことが可能であり、その方法は吸入ネブライザーを用いるβアゴニストを含む吸入混合物の用量の複数回の連続送達を含み、吸入ネブライザーによる投与はそれぞれ約5分未満である。一つの実施形態では、方法はそれを必要とする患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量の少なくとも2回の連続送達を含む。別の実施形態では、方法はそれを必要とする患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量の少なくとも3回の連続送達を含む。さらに別の実施形態では、方法はそれを必要とする患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量の少なくとも4回の連続送達を含む。さらに別の実施形態では、方法はそれを必要とする患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量の少なくとも5回の連続送達を含む。別の実施形態では、方法はそれを必要とする患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量の少なくとも6回の連続送達を含む。一部の実施形態では、方法はそれを必要とする患者にβアゴニストを含む吸入混合物の用量の6回以上の連続送達を含む。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストは、アルブテロール(例えば、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール)、硫酸テルブタリン、メシル酸ビルトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される短期作用型βアゴニストである。他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、レバルブテロール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される。いくつかの他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、またはレバルブテロールからなる群から選択される。
【0086】
一つの実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール遊離塩基である。別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、硫酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、塩酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、クエン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、リン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、レバルブテロールである。
【0087】
本発明のいくつかの他の実施形態では、βアゴニストは、ホルモテロール、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、サルメテロール、またはその組み合わせからなる群から選択される長期作用型βアゴニストである。
【0088】
併用療法
本発明の他の実施形態では、方法は、βアゴニストを含む吸入混合物の送達が吸入ネブライザーによる第2の医薬的活性薬剤の送達をさらに含む併用療法を、さらに含むことが可能である。一部の実施形態では、併用療法は、βアゴニストと第2の医薬的活性薬剤から構成される吸入混合物を含み、ここでは該βアゴニストと第2の医薬的活性薬剤が同時に送達される。他の実施形態では、併用療法は、βアゴニストと、第2の医薬的活性薬剤を含む吸入混合物とから構成される吸入混合物を含むことが可能であり、ここでは2つの該吸入混合物が同時に送達される。他の実施形態では、併用療法は、βアゴニストと、第2の医薬的活性薬剤を含む吸入混合物とから構成される吸入混合物を含むことが可能であり、ここではつの該吸入混合物が連続して送達される。
【0089】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述する併用療法は、βアゴニストと、第2の医薬的活性薬剤((a)コルチコステロイド、(b)抗生物質、(c)坑コリン作動薬、または(d)ドーパミン(D)受容体アゴニストから選択される)とから構成される吸入混合物の送達を含む。
【0090】
本明細書の併用療法で用いるコルチコステロイドとしては以下が挙げられるが、これらに限定されない。アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR106541、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびそれぞれの薬学的に許容される誘導体。一つの実施形態では、第2の医薬的活性薬剤は、ブデソニドである。
【0091】
本明細書に記述する併用療法で用いる抗生物質としては以下が挙げられるがこれらに限定されない。ペニシリン、セファロスポリン、マクロライド、スルホンアミド、アミノグリコシド、およびβラクタム抗生物質。
【0092】
本発明で用いる坑コリン作動薬としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、ホマトロピンメトブロミド、ヒオスシアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、臭化チオトロピウム、および臭化グリコピロニウム。
【0093】
本明細書に記述する併用療法で用いるドーパミン(D)受容体アゴニストとしては以下が挙げられるが、これらに限定されない。アポモルフィン((r)−5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de,g]キノリン−10,11−ジオール);ブロモクリプチン((5’α)−2−ブロモ−12’−ヒドロキシ−2’−(1−メチルエチル)−5’−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3’,6’,18−トリオン);カベルゴリン((8β)−N−(3(ジメチルアミノ)プロピル)−N−((エチルアミノ)カルボニル)6−(2−プロペニル)エルゴリン−8−カルボキサミド);リスリド(N’−((8α)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル)−N,N−ジエチル尿素);ペルゴリド((8β)−8−((メチルチオ)メチル)−6−プロピルエルゴリン);レボドパ(3−ヒドロキシ−L−チロシン);プラミペキソール((s)−4,5,6,7−テトラヒドロ−N−プロピル−2,6−ベンゾチアゾールジアミン);キンピロール塩酸塩(トランス−(−)−4aR−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩);ロピニロール(4−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン);およびタリペキソール(5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チアゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミン)。本明細書で用いる他のドーパミンD受容体アゴニストは、国際特許出願公開番号WO99/36095に開示される。
【0094】
本明細書に記述する吸入可能な組成物で用いられる他の活性成分としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。IL−5抑制剤(例えば、米国特許第5,668,110号、第5,683,983号、第5,677,280号、第6,071,910号、および第5,654,276号に開示される阻害剤。それぞれの特許は参考として本明細書で援用される);IL−5のアンチセンス修飾物質(例えば、米国特許第6,136,603号に開示される修飾物質。その関連する開示内容は参考として本明細書で援用される);ミルリノン(1,6−ジヒドロ−2−メチル−6−オキソ−[3,4’−ビピリジン]−5−カルボニトリル);乳酸ミルリノン;トリプターゼ抑制剤(例えば、米国特許第5,525,623号に開示される修飾物質。これは参考として本明細書で援用される);タキキニン受容体アンタゴニスト(例えば、米国特許第5,691,336号、第5,877,191号、第5,929,094号、第5,750,549号、および第5,780,467号。それぞれが参考として本明細書で援用される);ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えばモンテルカストナトリウム(Singular,R−(E))−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)−エテニル]−フェニル]−3−[2−(I−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−プロピル]−チオ]−メチル]シクロプロ−パン酢酸,一ナトリウム塩)、5−リポキシゲナーゼ抑制剤(例えば、ジロートン(Zyflo(登録商標商標),Abbott Laboratories, Abbott Park, IL))、および坑IgE抗体(例えば、Xolair(組換えヒト化坑IgEモノクローナル抗体(CGP51901;IGE025A;rhuMAb−E25)、Genentech, Inc., South San Francisco, CA)、および局所麻酔剤(例えば、リドカイン、N−アリールアミド、アミノアルキル安息香酸、プリロカイン、エチドカイン(米国特許第5,510,339号、第5,631,267号、および5,837,713号。その関連する開示内容が参考として本明細書で援用される))。
【0095】
例示のみを目的とし、それについて限定として解釈されるべきではない本発明のいくつかの実施形態は、(a)0.21mg未満のアルブテロールを含む吸入混合物の投与製剤を少なくとも1用量を供給することと、(b)第2の医薬的活性薬剤(例えばPulmicort(登録商標)Respules(ブデソニドを含む水溶性験濁液))を吸入混合物に添加することと、(c)それを必要とする患者に(a)および(b)を含む吸入混合物を、吸入ネブライザーを用いて約5分未満の間送達することとを含み得る。一つの実施形態では、最初に(a)をネブライザーに加え、次いで(b)を該ネブライザーに加えて、(a)と(b)を含む吸入混合物を同時に送達する。別の実施形態では、最初に(b)をネブライザーに加え、次いで(a)を該ネブライザーに加えて、(a)と(b)を含む吸入混合物を同時に送達する。さらに別の実施形態では、(a)と(b)を同時にネブライザーに加えて、(a)と(b)を含む吸入混合物を同時に送達する。別の実施形態では、(a)または(b)のいずれかを最初に送達してから、(a)および(b)を連続して送達する。別の実施形態では、アルブテロールは、約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、アルブテロールは、約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、アルブテロールは、約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、アルブテロールは、約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、アルブテロールは、約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、アルブテロールは、約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、アルブテロールは、約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、アルブテロールは、約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。
【0096】
さらに他の実施形態では、本発明は、(a)0.21mg未満のアルブテロールおよび溶解エンハンサー(例えば、SBE−β−CD(Captisol(登録商標))(Cydex, Inc. Lenexa, KS))を含む吸入混合物の投与製剤を少なくとも1用量を供給することと、(b)第2の医薬的活性薬剤(例えばPulmicort(登録商標)Respules(ブデソニドを含む水溶性験濁液))を該吸入混合物に添加することと、(c)それを必要とする患者に(a)と(b)を含む吸入混合物を、吸入ネブライザーを用いて約5分未満の間送達することとを含み得る。一つの実施形態では、最初に(a)をネブライザーに加え、次いで(b)を該ネブライザーに加えて、(a)と(b)を含む吸入混合物を同時に送達する。別の実施形態では、最初に(b)をネブライザーに加え、次いで(a)を該ネブライザーに加えて、(a)と(b)を含む吸入混合物を同時に送達する。さらに別の実施形態では、(a)と(b)を同時にネブライザーに加えて、(a)と(b)を含む吸入混合物を同時に送達する。別の実施形態では、(a)または(b)のいずれかを最初に送達してから、(a)および(b)を連続して送達する。別の実施形態では、アルブテロールは、約0.18mg未満/用量の濃度で投与される。他の実施形態では、アルブテロールは、約0.16mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、アルブテロールは、約0.14mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、アルブテロールは、約0.12mg未満/用量の濃度で投与される。さらに他の実施形態では、アルブテロールは、約0.10mg未満/用量の濃度で投与される。一つの実施形態では、アルブテロールは、約0.08mg未満/用量の濃度で投与される。別の実施形態では、アルブテロールは、約0.06mg未満/用量の濃度で投与される。さらに別の実施形態では、アルブテロールは、約0.04mg未満/用量の濃度で投与される。
【0097】
本発明の他の実施形態では、本明細書に記述する方法は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、職業性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される障害または疾患を有すると診断された患者、または疑いがある患者の治療のためである。
【0098】
II.本方法で使用するβアゴニスト製剤
本発明の他の態様では、本明細書に記述する方法による投与用の投与製剤は、(a)約0.21mg未満のβアゴニストまたはその薬学的に許容される塩を含み、それにより該投与製剤が吸入ネブライザーによる送達に適し、かつ該送達が約5分未満の間行われる。いくつかの実施形態では、投与製剤は、防腐剤をさらに含むことが可能である。いくつかの他の実施形態では、投与製剤は、溶解エンハンサー、および/またはキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または坑酸化剤をさらに含むことが可能である。
【0099】
本明細書に記述するいくつかの実施形態では、βアゴニストは約0.18mg未満/用量である。他の実施形態では、βアゴニストは約0.16mg未満/用量である。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.14mg未満/用量である。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.12mg未満/用量である。さらに他の実施形態では、βアゴニストは約0.10mg未満/用量である。一つの実施形態では、βアゴニストは約0.08mg未満/用量である。別の実施形態では、βアゴニストは約0.06mg未満/用量である。さらに別の実施形態では、βアゴニストは約0.04mg未満/用量である。
【0100】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約4分未満である。他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約3分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約2分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1.5分未満である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分未満である。一つの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約30秒〜約1分である。別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分〜約2分である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約2分〜約3分である。さらに別の実施形態では、送達時間が約1分〜約3分である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約3分〜約4分である。
【0101】
本発明のさらに他の態様では、本明細書に記述する方法による投与用の投与製剤は、(a)βアゴニストまたはその薬学的に許容される塩、および(b)防腐剤を含み、それにより該投与製剤が吸入ネブライザーによる送達に適し、かつ該送達が約5分未満の間行われる。いくつかの実施形態では、投与製剤は、溶解エンハンサー、および/またはキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または坑酸化剤をさらに含むことが可能である。
【0102】
いくつかの態様では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約4分未満である。他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約3分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約2分未満である。さらに他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1.5分未満である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分未満である。一つの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約30秒〜約1分である。別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約1分〜約2分である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約2分〜約3分である。さらに別の実施形態では、送達時間が約1分〜約3分である。さらに別の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、吸入ネブライザーによる送達に適しており、送達時間が約3分〜約4分である。
【0103】
本発明の他の態様では、本明細書に記述するβアゴニストを含む投与製剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。溶液、分散液、乳濁液、コロイド液、ミセル液または混合ミセル液溶液、およびリポソーム液。一つの実施形態では、投与製剤は約0.21mg未満のβアゴニスト(例えばアルブテロール)を含む溶液である。別の実施形態では、投与製剤は約0.21mg未満のβアゴニスト(例えばアルブテロール)を含む混合ミセル液である。さらに別の実施形態では、投与製剤は約0.21mg未満のβアゴニスト(例えばアルブテロール)を含むリポソーム液である。
【0104】
いくつかの他の実施形態では、投与製剤はβアゴニスト(例えばアルブテロール)および防腐剤を含む溶液である。別の実施形態では、投与製剤はβアゴニスト(例えばアルブテロール)および防腐剤を含む混合ミセル液である。さらに別の実施形態では、投与製剤はβアゴニスト(例えばアルブテロール)および防腐剤を含むリポソーム液である。いくつかの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、溶解エンハンサーをさらに含むことが可能である。いくつかの他の実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、薬学的に許容される賦形剤、および/またはキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または坑酸化剤をさらに含むことが可能である。
【0105】
本発明の投与製剤で有用なβアゴニストは、アルブテロール(例えば、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール)、硫酸テルブタリン、メシル酸ビルトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される短期作用型βアゴニストを含むが、これらに限定されない。他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、レバルブテロール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される。
【0106】
いくつかの他の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、またはレバルブテロールからなる群から選択される。一つの実施形態では、短期作用型βアゴニストは、アルブテロール遊離塩基である。別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、硫酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、塩酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、クエン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、リン酸アルブテロールである。さらに別の実施形態では、短期作用型βアゴニストは、レバルブテロールである。
【0107】
本発明の他の実施形態では、本発明の投与製剤で有用なβアゴニストは、ホルモテロール、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、サルメテロール、またはその組み合わせを含むがこれらに限定されない長期作用型βアゴニストである。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態では、βアゴニストを含む投与製剤は、防腐剤をさらに含む。防腐剤は、崩壊または分解から保護し、かつ抗菌剤、坑酸化剤、錯化剤、および安定化剤を含むために投与製剤に添加される任意の化学物質を含む。一部の実施形態では、防腐剤は、約0.001%〜約5%の範囲の濃度(w/v)を有することが可能である。本明細書に記述する投与製剤で用いる適切な防腐剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。エデト酸二ナトリウム(EDTA)またはエチレングリコールビス(オキシエチレンニトリロ)−四酢酸(EGTA)およびその塩類(例えば、二ナトリウム塩、クエン酸、ニトリロ三酢酸、塩化ベンザルコニウム(BAC)または安息香酸、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)、ビタミンおよびビタミンエステル、プロビタミン、アスコルビン酸、ビタミンE、ならびにその組み合わせ。一つの実施形態では、βアゴニストを含む投与製剤は、エデト酸二ナトリウム(EDTA)をさらに含む。別の実施形態では、βアゴニストを含む投与製剤は、塩化ベンザルコニウム(BAC)をさらに含む。
【0109】
本明細書に記述する投与製剤の一部の実施形態では、βアゴニストを含む投与製剤は、さらに溶解エンハンサーを含む。一部の実施形態では、溶解エンハンサーは、約0.001%〜約25%の範囲の濃度(w/v)を有することが可能である。他の実施形態では、溶解エンハンサーは、約0.01%〜約20%の範囲の濃度(w/v)を有することが可能である。さらに他の実施形態では、溶解エンハンサーは、約0.1%〜約15%の範囲の濃度(w/v)を有することが可能である。さらに他の実施形態では、溶解エンハンサーは、約1%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有することが可能である。一つの実施形態では、溶解エンハンサーは、約5%〜約10%の範囲の濃度(w/v)を有し、溶解エンハンサーがシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体である。
【0110】
本発明の投与製剤での使用に適した溶解エンハンサーとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。プロピレングリコール、非イオン性界面活性剤、リン脂質、シクロデキストリンおよびその誘導体、ならびに表面修飾剤および/または安定剤。溶解エンハンサーは当該技術分野で既知であり、例えば、米国特許第5,134,127号、第5,145,684号、第5,376,645号、第6,241,969号、および米国特許出願公開第2005/0244339号および第2005/0008707号に開示される。これらそれぞれを参考として本明細書で具体的に援用する。さらに、適切な溶解エンハンサーの例を以下に記述する。
【0111】
本発明の投与製剤での使用に特に良好な生理的適合性を有するようにみえる非イオン性界面活性剤の例としては、以下が挙げられる。チロキサポール、ポリソルベート(以下を含むがこれらに限定されない。ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウラート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミタート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアラート(商標名Tweens20−40−60等で市販されている)、Polyborbate80、ポリエチレングリコール400);ラウリル硫酸ナトリウム;ソルビタンラウラート、ソルビタンパルミタート、ソルビタンステアラート(商標名Span20−40−60等で市販されている)、塩化ベンザルコニウム、PPO−PEOブロック共重合体(Pluronics)、Cremophor−EL、ビタミンE−TPGS(例えば、d−α−トコフェリル−ポリエチレングリコール−1000−コハク酸)、Solutol−HS−15、オレイン酸PEOエステル、ステアリン酸PEOエステル、Triton−X100、Nonidet P−40、およびマクロゴールヒドロキシステアラート(例えば、マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸)。
【0112】
一部の実施形態では、本発明の投与製剤での使用に適した非イオン性界面活性剤は、リポソーム製剤、ミセル液、または混合ミセル液を形成するためにβアゴニストを用いて製剤化される。リポソームの調製と特徴付けおよびリポソーム製剤の方法は、当該技術分野で既知である。両親媒性脂質は水和すると、多層状ベシクルが自然発生的に形成されることが多く、一方単層の小さいベシクルは、超音波処理または高圧均質化等の実質的なエネルギー入力を含むプロセスを必要とする。さらにリポソームの調製方法および特徴付け方法は、例えば、S. Vemuri et al.(Preparation and characterization of liposomes as therapeutic delivery systems:a review. Pharm Acta Helv.1995, 70(2):95−111)および米国特許第5,019,394号、第5,192,228号、第5,882,679号、第6,656,497号に記述されており、それぞれを参考として具体的に本明細書で援用する。
【0113】
一部の場合、例えば、ミセル液または混合ミセル液は、難溶性の活性薬剤を可溶化することが可能な界面活性剤によって形成される得る。通常、ミセル液は、両親媒性分子(例えば界面活性剤)の自然発生的かつ動的な結合によって形成される実質的に球体構造として理解されている。混合ミセルは、様々な型の両親媒性分子から構成されるミセル液である。ミセル液および混合ミセル液の両液は、それらの構造、特徴、および性質が固体とは全く違うので、固体粒子として理解されるべきではない。ミセル液を形成する両親媒性分子は、通常一時的に結合する。ミセル液では、ミセル液を形成する両親媒性物質と、またミセル液中に存在する単分子に分散した両親媒性物質との間で動的な分子交換が存在する。そのようなミセル液または混合ミセル液中で可溶化される薬物分子の位置は、これらの分子の構造ならびに使用される界面活性剤による。例えば、特に無極性分子は、主としてコロイド構造の内部で局在化していると推測されるが、一方極性物質は表面上で見出される可能性が高い。ミセル液または混合ミセル液の一つの実施形態では、ミセル液の平均径は、約200nm未満(光子相関分光法による測定)(例えば、約10nm〜約100nm)であり得る。特に、好ましいものは、約10nm〜約50nmの平均径を有するミセル液である。ミセル液および混合ミセル液を生成する方法は、当該技術分野で既知であり、例えば、米国特許第5,747,066号および第6,906,042号に記載される。これらそれぞれを参考として具体的に本明細書で援用する。
【0114】
リン脂質は、リンを含有する両親媒性物質脂質と定義する。ホスファチジン酸に化学的に由来するリン脂質は広範に起こり、一般に製薬目的でも使用されている。この酸は、通常(二重)アシル化されたグリセロール−3−リン酸塩であり、その脂肪酸残基は種々の長さであり得る。ホスファチジン酸の誘導体は、例えば、ホスホコリンまたはホスファチジルコリンを含み、ここでリン酸基は付加的にコリン、さらにホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール等によってエステル化される。レシチンは、通常、ホスファチジルコリンを高比率で含む種々のリン脂質の天然混合物である。特定のレシチンの供給源およびその抽出および/または濃縮方法によって、これらの混合物は、ステロール、脂肪酸、トリグリセリド、および他の物質を相当量含むこともある。
【0115】
それらの生理的特徴の理由で吸入による送達に適している付加的なリン脂質は、特に、天然の供給源(例えば、好ましくは、水素化形状であっておよび/またはリゾレシチンを含まない大豆またはニワトリの黄卵、ならびに精製リン脂質、濃縮リン脂質、または好ましくは飽和脂肪酸エステルによって部分的合成で調製されたリン脂質)に由来するレシチンの形で抽出されるリン脂質混合物を含む。リン脂質混合物から作られるレシチンは、特に望ましい。濃縮されたまたは部分的合成で調製された中鎖から長鎖の双性イオンリン脂質は、主として、アシル鎖に不飽和がなく、かつリゾレシチンおよびペルオキシドがない。濃縮または純粋の化合物の例は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、およびジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)がある。これらのうち、現在、DMPCがより望ましい。あるいは、オレイル残基を有するリン脂質およびコリン残基のないホスファチジルグリセロールは、本発明の一部の実施形態および応用に適している。
【0116】
一部の実施形態では、本発明での使用に適している非イオン性界面活性剤およびリン脂質は、コロイド構造を形成するためにβアゴニストを用いて製剤化される。コロイド溶液は、コロイド溶液内に分散したコロイド物質が固形物質と通常関連する測定可能な物性を有さない単相系と定義する。コロイド分散液を生成する方法は、例えば、米国特許第6,653,319号に記述されるように当該技術分野で既知である。
【0117】
本発明での使用に適したシクロデキストリンおよびその誘導体は、当該技術分野で記述されている(例えば、Challa et al., AAPS PharmSciTech 6(2):E329−E357(2005)、米国特許第5,134,127号、第5,376,645号、第5,874,418号。それぞれを参考として本明細書で具体的に援用する)。一部の実施形態では、本発明での使用に適したシクロデキストリンまたはシクロデキストリン誘導体としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、SAE−CD誘導体(例えば、SBE−α−CD、SBE−β−CD(Captisol(登録商標)、Cydex, Inc. Lenexa, KS)、およびSBE−γ−CD(国際特許出願公開番号WO2005/65435、WO2005/065649、およびWO2005/065651に記述されている。それぞれを参考として本明細書で具体的に援用する)、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル(2−および3−ヒドロキシプロピルを含む)、およびジヒドロキシプロピルエーテル、それらの対応する混合エーテルおよびさらにメチル基またはエチル基との混合エーテル(例えば、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのメチルヒドロキシエチル、エチル−ヒドロキシエチル、およびエチル−ヒドロキシプロピルエーテル;α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのマルトシル、グルコシル、およびマルトトリオシル誘導体(複数の糖残基(例えば、グルコシルもしくはジグルコシル、マルトシルもしくはジマルトシル、ならびにその種々の混合物(例えば、マルトシル誘導体とジマルトシル誘導体との混合物))を含むことが可能である)。本明細書で用いる具体的なシクロデキストリン誘導体としては、以下が挙げられる。ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル-β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、ジエチル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、トリ−O−メチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−エチル−β−シクロデキストリン、トリ−O−ブチリル−β−シクロデキストリン、トリ−O−バレリル−β−シクロデキストリン、およびジ−O−ヘキサノイル−β−シクロデキストリン、ならびにメチル−β−シクロデキストリン、ならびにその混合物(例えば、マルトシル−β−シクロデキストリン/ジマルトシル−β−シクロデキストリン)。そのようなシクロデキストリン誘導体を調製する手順は、例えば、米国特許第5,024,998号および参考としてそれに援用された参考文献から周知である。本発明での使用に適した他のシクロデキストリンとしては、以下が挙げられる。カルボキシアルキルチオエーテル誘導体(例えば、ORGANON(AKZO−NOBEL)製ORG26054およびORG25969)、EASTMAN製のヒドロキシブテニルエーテル誘導体、スルホアルキル−ヒドロキシアルキルエーテル誘導体、スルホアルキル−アルキルエーテル誘導体、および他の誘導体(例えば、米国特許出願公開第2002/0128468号、第2004/0106575号、第2004/0109888号、および第2004/0063663号、または米国特許6,610,671号、第6,479,467号、第6,660,804号、または第6,509,323号。それぞれを参考として本明細書で具体的に援用する)。
【0118】
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、Research Diagnostics Inc.(Flanders, NJ)から入手可能である。代表的なヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン製品としては、以下が挙げられる。Encapsin(登録商標)(置換度約4)およびMolecusol(登録商標)(置換度約8)。しかし、他の置換度を含む実施形態も利用可能であり、本発明の適用範囲内である。
【0119】
ジメチルシクロデキストリンは、FLUKA Chemie(Buchs,CH)またはWacker(Iowa)から入手可能である。本発明での使用に適した他の誘導体化シクロデキストリンは、水溶性誘導体化シクロデキストリンを含む。代表的な水溶性誘導体化シクロデキストリンとしては、以下が挙げられる。カルボキシル化誘導体、硫酸化誘導体、アルキル化誘導体、ヒドロキシアルキル化誘導体、メチル化誘導体、およびカルボキシ−β−シクロデキストリン(例えばサクシニル−β−シクロデキストリン(SCD))。これらの物質のすべては、当該技術分野で既知の方法および/または市販の方法により作成が可能である。適切な誘導体化シクロデキストリンは、以下に開示されている。Modified Cyclodextrins:Scaffolds and Templates for Supramolecular Chemistry (Eds.Christopher J. Easton, Stephen F. Lincoln, Imperial College Press, London, UK, 1999)およびNew Trends in Cyclodextrins and Derivatives (Ed.Dominique Duchene, Editions de Sante, Paris, France, 1991)。
【0120】
本発明の投与製剤での使用に適切な表面修飾剤は、当該技術分野では、例えば米国特許第5,145,684号、第5,510,118号、第5,565,188号、および第6,264,922号に記述されており、それぞれを参考として本明細書で具体的に援用する。本発明の投与製剤での使用に適した表面修飾剤および/または表面安定剤の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸、ゼラチン、カゼイン、レシチン(ホスファチド)、デキストラン、アカシアガム、コレステロール、トラガカント、ステアリン酸、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えば、マクロゴールエーテル(例えばセトマクロゴール1000)、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、市販されているTweens(登録商標)、例えば、Tween 20(登録商標)およびTween 80(登録商標)(ICI Specialty Chemicals))、ポリエチレングリコール(例えば、Carbowax 3550(登録商標)および934(登録商標)(Dow Chemical))、ポリオキシエチレンステアレート、コロイド二酸化ケイ素、リン酸塩、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸塩、非晶質セルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、トリエタノールアミン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシドおよびホルムアルデヒドを有する4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(またチロキサポール、スーパーイオン、およびトリトンとしても知られている)、ポロキサマー(例えば、Pluronics F68(登録商標)およびF108(登録商標)。これらはエチレンオキシドおよび酸化プロピレンのブロック共重合体である)、ポロキサミン(例えば、Tetronic 908(登録商標)Poloxamine 908(登録商標)としても知られている、エチレンジアミンへの酸化プロピレンおよびエチレンオキシドの逐次付加に由来する四官能基ブロック共重合体(BASF Wyandotte Corporation, Parsippany, NJ.))、Tetronic1508(登録商標)(T−1508)(BASF Wyandotte Corporation), Tritons X−200(登録商標)(アルキルアリルポリエーテルスルホン酸塩である。(Rohm and Haas))、Crodestas F−100(登録商標)(ショ糖ステアレートとショ糖ジステアレートとの混合物である。(Croda Inc))、p−イソノニルフェノキシポリ−(グリシドール)(Olin−10G(登録商標)もしくはSurfactant 10(登録商標)(Olin Chemicals, Stamford, Conn.)としても知られている)、Crodestas SL−40(登録商標)(Croda, Inc.)、およびSA9OHCO(C18H37CH2(−CON(CH3)−CH2(CHOH)4(CH2OH)2である。(Eastman Kodak Co.))、デカノイル−N−メチルグルカミド、n−デシル−β−D−グルコピラノシド、n−デシル−β−D−マルトピラノシド、n−ドデシル−β−D−グルコピラノシド、n−ドデシル−β−D−マルトシド、ヘプタノイル−N−メチルグルカミド、n−ヘプチル−β−D−グルコピラノシド、n−ヘプチル−β−D−チオグルコシド、n−ヘキシル−β−D−グルコピラノシド、ノナノイル−N−メチルグルカミド、n−ノイル−β−D−グルコピラノシド、オクタノイル−N−メチルグルカミド、n−オクチル−β−D−グルコピラノシド、オクチル−β−D−チオグルコピラノシド、PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのランダム共重合体等(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、およびジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)。
【0121】
本投与製剤で有用なカチオン性安定剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。カチオン脂質、スルホニウム、ホスホニウム、および第四級アンモニウム化合物(例えば、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジル−ジ(2−クロロエチル)エチルアンモニウムブロミド、ココナッツトリメチルアンモニウムクロリド(またはブロミド)、ココナッツメチルジヒドロキシエチルアンモニウムクロリド(またはブロミド)、デシルトリエチルアンモニウムクロリド、デシルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド(またはブロミド)、C12−15ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド(またはブロミド)、ココナッツジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド(またはブロミド)、硫酸ミリスチルトリメチルアンモニウムメチル、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(またはブロミド)、ラウリルジメチル(エテノキシ)4アンモニウムクロリド(またはブロミド)、N−アルキル(C12−18)ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、N−アルキル(C14−18)ジメチル−ベンジルアンモニウムクロリド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、N−アルキルおよび(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムハライド、アルキル−トリメチルアンモニウム塩およびジアルキル−ジメチルアンモニウム塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、エトキシ化アルキルアミドアルキルジアルキルアンモニウム塩および/またはエトキシ化トリアルキルアンモニウム塩、ジアルキルベンゼンジアルキルアンモニウムクロリド、N−ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、N−テトラデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド一水和物、N−アルキル(C12−14)ジメチル1−ナフチルメチルアンモニウムクロリドおよびドデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、C12,C15,C17トリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ポリ−ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルアンモニウムハロゲン化物、トリセチルメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリエチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、メチルトリオクチルアンモニウムクロリド(ALIQUAT336(登録商標))、POLYQUAT10(登録商標)、テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、コリンエステル(例えば、脂肪酸のコリンエステル)、ベンザルコニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド化合物(例えば、ステアリルトリモニウムクロリドおよびジステアリルジモニウムクロリド)、セチルピリジニウムブロミド(またはクロリド)、第四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハライド塩、Mirapol(登録商標)およびALKAQUAT(登録商標)(Alkaril Chemical Company)、アルキルピリジニウム塩,アミン(例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アルカノールアミン、ポリエチレンポリアミン、N,N−ジアルキルアミノアルキルアクリレート、およびビニルピリジン)、アミン塩(例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルピリジニウム塩、およびアルキルイミダゾリウム塩)、およびアミンオキシド、イミドアゾリニウム塩、プロトン化第四級アクリルアミド、メチル化第四級ポリマー(例えば、ポリ[ジアリルジメチルアンモニウムクロリド]およびポリ−[N−メチルビニルピリジニウムクロリド]、ならびにカチオン化グアー。
【0122】
βアゴニストおよび溶解エンハンサーを含む投与製剤に加えて、増強した溶解度をもたらす方法で調製される投与製剤は、開示する本発明での使用に同様に適することが本明細書で考えられる。従って、本発明と関連して、「溶解エンハンサー」は、溶解エンハンサーとして作用する化学薬品を用いて、または用いずに増強した溶解度をもたらす方法によって調製される投与製剤を含む。そのような方法は、例えば、超臨界流体の調製を含む。そのような方法に従って、βアゴニスト組成物(例えばアルブテロール)は、50ナノメートル〜700ナノメートルの範囲の平均粒子流体力学的半径で狭い粒径分布(通常200ナノメートル未満に広がる)を有する粒子に作られる。ナノサイズのβアゴニスト粒子(例えば、アルブテロール粒子)は、超臨界流体急速膨張法(RESS)法、高度分散超臨界流体溶液(SEDS)、ならびに超臨界流体に関与する任意の他の手法を含む超臨界流体(SCF)プロセスを用いて作られる。粒子を形成するSCFプロセスの使用は、Palakodaty, S.ら(Pharmaceutical Research 16:976−985(1999))に概説されており、Bandiら(Eur.J. Pharm.Sci. 23:159−168(2004))、米国特許第6,576,264号および米国特許出願第2003/0091513号に記述されている。これらそれぞれが参考として本明細書で具体的に援用される。これらの方法により、選択される方法およびパラメータによって異なる形態を有するミクロンおよびサブミクロサイズの粒子の形成が可能となる。さらに、これらのナノ粒子は、噴霧乾燥、凍結乾燥、体積排除、および粒子低減に関する任意の他の従来の方法によって作られることが可能である。
【0123】
さらに、ナノメートルサイズの粒子を生成するプロセス(SCFを含む)は、沈澱または凝縮の間に粒子形成の条件を適切に調節することによって所望の形態(例えば、非結晶形態、結晶形態、分離ラセミ形態)の選択が可能となり得る。所望の粒子形態の選択結果として、選択した薬物の徐放性が達成されることが可能となる。これらの粒子製作プロセスを用いて、高純度、低表面欠陥、低表面電荷、および低沈降速度を有するナノ微粒子を得る。このような粒子の特徴は、粒子の粘着、凝集を抑制し、かつ液分散での沈澱を防止する。さらに、SCF等のプロセスはいくつかの薬物の異性体を分離することが可能なため、そのような分離は薬物の活性強化、有効性、ならびに用量の極度の減少に寄与することが可能である。場合によっては、異性体分離も副作用を減少させることに寄与する。本発明の方法および装置に従って、吸入混合物は、SCF、噴霧乾燥、沈澱、および体積排除を含む任意のプロセスによって、直接的に捕集媒体に、粉末形状に作られた組成物であり得、この微粒子化合物は分散製剤に自動的に生成される。一部の実施形態では、この製剤は最終製剤であり得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、本発明の投与製剤は、第2の医薬的活性薬剤をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態では、第2の医薬的活性薬剤は、(a)コルチコステロイド、(b)抗生物質、(c)坑コリン作動薬、または(d)ドーパミン(D)受容体アゴニストから選択され得る。
【0125】
本明細書に記述する投与製剤で用いるコルチコステロイドとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない。アルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR106541、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびそれらそれぞれの薬学的に許容される誘導体。一つの実施形態では、第2の医薬的活性薬剤はブデソニドである。
【0126】
本明細書に記述する投与製剤で用いる抗生物質としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。ペニシリン、セファロスポリン、マクロライド、スルホンアミド、アミノグリコシド、およびβラクタム抗生物質。
【0127】
本明細書に記述する投与製剤で用いる坑コリン作動薬としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、ホマトロピンメトブロミド、ヒオスシアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、臭化チオトロピウム、および臭化グリコピロニウム。
【0128】
本明細書に記述する投与製剤で用いるドーパミン(D)受容体アゴニストとしては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。アポモルフィン((r)−5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de,g]キノリン−10,11−ジオール);ブロモクリプチン((5’α)−2−ブロモ−12’−ヒドロキシ−2’−(1−メチルエチル)−5’−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3’,6’,18−トリオン);カベルゴリン((8β)−N−(3(ジメチルアミノ)プロピル)−N−((エチルアミノ)カルボニル)6−(2−プロペニル)エルゴリン−8−カルボキサミド);リスリド(N’−((8α)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル)−N,N−ジエチル尿素);ペルゴリド((8β)−8−((メチルチオ)メチル)−6−プロピルエルゴリン);レボドパ(3−ヒドロキシ−L−チロシン);プラミペキソール((s)−4,5,6,7−テトラヒドロ−N−プロピル−2,6−ベンゾチアゾールジアミン);キンピロール塩酸塩(トランス−(−)−4aR−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩);ロピニロール(4−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン);およびタリペキソール(5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チアゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミン)。本明細書に記述する投与製剤で用いる他のドーパミン(D)受容体アゴニストは、国際特許出願公開番号WO99/36095に開示される。
【0129】
本明細書に記述する吸入組成物で用いる他の活性成分としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない。IL−5抑制剤(例えば米国特許第5,668,110号、第5,683,983号、第5,677,280号、第6,071,910号、および第5,654,276号に開示されるもの。これらそれぞれが参考として本明細書で援用される);IL−5のアンチセンス修飾物質(例えば、米国特許第6,136,603号に開示されるもの。これに関連する開示内容が参考として本明細書で援用される);ミルリノン(1,6−ジヒドロ−2−メチル−6−オキソ−[3,4’−ビピリジン]−5−カルボニトリル);乳酸ミルリノン;トリプターゼ抑制剤(例えば、米国特許第5,525,623号に開示されるもの。これが参考として本明細書で援用される);タキキニン受容体アンタゴニスト(例えば、米国特許第5,691,336号、第5,877,191号、第5,929,094号、第5,750,549号、および第5,780,467号に開示されるもの。これが参考として本明細書で援用される);ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えばモンテルカストナトリウム(Singular、R−(E))−1−[[[1−[3−[2−(7−クロロ−2−キノリニル)−エテニル]−フェニル]−3−[2−(I−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−フェニル]−プロピル]−チオ]−メチル]シクロプロ−パン酢酸,一ナトリウム塩))、5−リポキシゲナーゼ抑制剤(例えばジロートン(Zyflo(登録商標)、Abbott Laboratories, Abbott Park, IL)、および坑IgE抗体(Xolair(組換えヒト化坑IgEモノクローナル抗体(CGP51901;IGE025A;rhuMAb−E25、Genentech, Inc., South San Francisco, CA)、および局所麻酔剤(例えば、リドカイン、N-アリールアミド、アミノアルキル安息香酸塩、プリロカイン、エチドカイン(米国特許第5,510,339号、第5,631,267号、および第5,837,713号。これらに関連する開示内容が参考として本明細書で援用される))。
【0130】
いくつかの実施形態では、本明細書に記述する投与製剤は、喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、職業性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される疾患を有すると診断された、または疑われる患者の治療で用いられることが可能である。
III.本方法で用いるネブライザー
本明細書に記述する方法は、それを必要とする患者において吸入ネブライザーによる気管支拡張を誘発することにより疾患を治療するためのβアゴニストの送達を目的とする。適切な吸入ネブライザーとしては、例えばジェットネブライザー、超音波ネブライザー、パルスネブライザー、および水性チャンバー付き振動メッシュ式またはプレート式(例えば、Pari eFlow(登録商標)、TouchSpray(登録商標)、AeroNeb(登録商標)、Aerodose Inhaler、またはOmron(登録商標)NE−U03 NE−U22)を含むネブライザーが挙げられる。一部の実施形態では、ネブラーザーは、例えば以下から入手可能である。Pari GmbH(Starnberg, Germany)、DeVilbiss Healthcare(Heston, Middlesex, UK)、Healthdyne、Vital Signs、Baxter、Allied Health Care、Invacare、Hudson、Omron、Bremed、AirSep、Luminscope、Medisana、Siemens、Aerogen、Mountain Medical、Aerosol Medical Ltd.(Colchester, Essex, UK)、AFP Medical(Rugby, Warwickshire, UK)、Bard Ltd.(Sunderland, UK)、Carri−Med Ltd.(Dorking, UK)、Plaem Nuiva(Brescia, Italy)、Henleys Medical Supplies(London, UK)、Intersurgical(Berkshire, UK)、Lifecare Hospital Supplies(Leies, UK)、Medic−Aid Ltd.(West Sussex, UK)、Medix Ltd.(Essex, UK)、Sinclair Medical Ltd.(Surrey, UK)、およびその他多数。いくつかの実施形態では、ネブライザーは水性チャンバー付き振動メッシュ式またはプレート式を含む。一つの実施形態では、ネブライザーはPari eFlow(登録商標)ネブライザーである。
【0131】
本明細書に記述する方法および装置での使用に適した他のネブライザーとしては、ジェットネブライザー(オプションとしてコンプレッサー付きで販売される)、超音波ネブライザー、およびその他が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で用いる代表的なジェットネブライサーとして以下が挙げられる。Pari LC plus/ProNeb、Pari LC plus/ProNeb Turbo、Pari LCPlus/Dura Neb 1000および2000 Pari LC plus/Walkhaler、Pari LC plus/Pari Master、Pari LC Star、Omron CompAir XL携帯式ネブライザー装置(NE−C18およびJetAirディスポーザブルネブライザー)、Omron Compare Eliteコンプレッサー式ネブライザー装置(NE−C21およびElite Air再使用ネブライザー)、Proneb Ultraコンプレッサー付きPari LC PlusまたはPari LC Star Nebulizer,Pulomo−aide、Pulmo−aide LT、Pulmo−aide traveler、Invacare Passport、Inspiration Healthdyne 626、Pulmo−Neb Traveler、DeVilbiss 646、Whisper Jet、AcornII、Misty−Neb、Allied aerosol、Schuco Home Care、Lexan Plasic Pocet Neb、SideStream Hand Held Neb、Mobil Mist、Up−Draft、Up−DraftII、T Up−Draft、ISO−NEB、Ava−Neb、Micro Mist、およびPulmoMate。
【0132】
本明細書で用いる代表的な超音波ネブライザーとしては、以下を含む。MicroAir、UltraAir、Siemens Ultra Nebulizer145、CompAir、Pulmosonic、Scout、5003 Ultrasonic Neb、5110 Ultrasonic Neb、5004 Desk Ultrasonic Nebulizer、Mystique Ultrasonic、Luminscope’s Ultrasonic Nebulizer、Medisana Ultrasonic Nebulizer、Microstat Ultrasonic Nebulizer、およびMabismist Hand Held Ultrasonic Nebulizer。本明細書で用いる他のネブライザーとしては、以下が挙げられる。5000 Electromagnetic Neb、5001 Electromagnetic Neb、5002 Rotary Piston Neb、Lumineb I Piston Nebulizer 5500、Aeroneb Portable Nebulizer System、Aerodose Inhaler、およびAeroEclipse Breath Actuated Nebulizer。
【0133】
いくつかの実施形態では、本発明で用いる適切なネブライザーとしては、水性チャンバー付き振動メッシュ式またはプレート式を含むネブライザーが挙げられる。そのようなネブライザーは、例えばPari eFlow(登録商標)として市販されており、また米国特許.第6,962,151号、第5,518,179号、第5,261,601号、および第5,152,456号に記述される。これらそれぞれが参考として本明細書で具体的に援用される。さらに他の実施形態では、本明細書で用いる適切なネブライザーとしては、R.Dhandによって記述される(New Nebuliser Technology−Aerosol Generation by Using a Vibrating Mesh or Plate with Multiple Apertures, Long−Term Healthcare Strategies 2003, (July 2003)、およびp.1−4ならびにRespiratory Care, 47:1406−1416(2002))ように複数の開口部を有する振動メッシュ式またはプレート式を含むネブライザーが挙げられ、その開示内容算体は参考として本明細書で援用される。
【0134】
ネブライザーで用いられるパラメータ(例えば、流速、メッシメンブランの大きさ、エアロゾル吸入チャンバーの大きさ、マスクの大きさと素材、バルブ、および電源)は、様々な種類の吸入混合物もしくは様々な種類のβアゴニストおよび本明細書に特定した送達時間の条件とともにそれらの用途を最大限に生かすために、本発明の原則に従って変えることが可能である。
【実施例】
【0135】
本明細書に記述する方法を実行するための以下の成分、プロセス、および手順は、上述のそれに相当する。以下の実施例で特に記述しないいかなる方法および材料も、本発明の範囲内であり、本明細書の開示内容を参照することにより当業者には明らかである。
【0136】
(実施例1)
喘息に悩む患者は、気管支拡張を誘発することで喘息に対する治療を開始する。患者は、約0.20mg/用量のアルブテロールを含む吸入混合物の1用量を、市販されている振動メンブラン式吸入ネブライザーPari eFlow(登録商標)のリザーバーに入れることにより気管支拡張を誘発する。間もなく、ネブライザーによる吸入混合物の送達が開始される。約3分未満の間に、吸入混合物は吸入ネブライザーにより送達され、喘息の症状が寛解または軽減する。
【0137】
(実施例2)
実施例1と同様の手順に従うが、この症例では、初回用量が約3分未満の間に送達された後も患者の症状が十分に寛解しない。症状の持続的な存在に対応して、患者は実施例1に記述した手順を繰り返す。アルブテロールからなる吸入混合物の第2の送達を完了すると、喘息の症状が寛解または軽減する。
【0138】
(実施例3)
βアゴニスト、溶解エンハンサー、およびコルチコステロイドを含む吸入混合物の製剤および使用。
【0139】
喘息に悩む患者は、気管支拡張を誘発することで喘息に対する治療を開始する。患者は、以下によって気管支拡張を誘発する。(i)約0.18mgの遊離塩基アルブテロールおよび5%(w/v)Captisol(登録商標)(Cydex, Inc. Lenexa, KS)を含む吸入混合物の1用量を、市販されている振動メンブラン式吸入ネブライザーPari eFlow(登録商標)のリザーバーに付加する、(ii)Pari eFlow(登録商標)振動メンブラン式吸入ネブライザーのリザーバー内のアルブテロール吸入混合物に単回単位用量のPulmicort(登録商標)Respules(0.25mg/2mL)(AstraZeneca)を付加する。間もなく、吸入混合物の送達が開始される。約1.5分未満の間に、(i)および(ii)を含む吸入混合物が、Pari eFlow(登録商標)ネブライザーにより患者に同時に送達され、喘息の症状が寛解または軽減する。
【0140】
(実施例4)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に悩む患者は、気管支拡張を誘発することによる治療を開始する。患者は、約0.18mg/用量のホルモテロールを含む吸入混合物の1用量を、市販されている振動メンブラン式吸入ネブライザーPari eFlow(登録商標)のリザーバーに入れることで気管支拡張を誘発する。間もなく、ネブライザーによる吸入混合物の送達が開始される。約2分未満の間に、吸入混合物が吸入ネブライザーにより送達され、COPDの症状が寛解または軽減する。
【0141】
(実施例5)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に悩む患者は、気管支拡張を誘発することによる治療を開始する。患者は、約0.20mg/用量の硫酸アルブテロールを含む吸入混合物の1用量を、市販されている振動メンブラン式吸入ネブライザーPari eFlow(登録商標)のリザーバーに入れることで気管支拡張を誘発する。約2分未満の間に、吸入混合物が吸入ネブライザーにより送達され、COPDの症状が寛解または軽減する。
【0142】
(実施例6)
アルブテロール吸入溶液を、以下の仕様書に従い種々の濃度でアルブテロール遊離塩基から調製する。
【0143】
【表1】

総容量約100mLを有するアルブテロール吸入溶液を3通り(低濃度、中濃度、および高濃度)、以下の薬学的に許容される試薬を用いて調製した。
【0144】
【表2】

低濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)902mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)30mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)170mgのHCl−1Nを(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.73および重量モル浸透圧濃度=0.288オスモル/kgである。アルブテロール遊離塩基:塩酸の開始モル比は0.871であった。
【0145】
中濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)875mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)60mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)550mgのHCl−1Nを(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.60および重量モル浸透圧濃度=0.286オスモル/kgである。アルブテロール遊離塩基:塩酸の開始モル比は1.076であった。
【0146】
高濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)840mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)250mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)1060mgのHCl−1Nを(b)の溶液に加えた;次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.41および重量モル浸透圧濃度=0.282オスモル/kgである。アルブテロール遊離塩基:塩酸の開始モル比は1.164であった。
【0147】
これら3通りの濃度のアルブテロール吸入溶液を濾過滅菌して、約0.5mLのアルブテロール溶液をポリエチレン単位用量バイアルに充填することで0.5mL単位用量にパッケージした。その結果としてもたらされる投与製剤は、それぞれ、約0.15mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基、約0.60mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基、約1.25mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基の濃度を有する。
【0148】
(実施例7)
アルブテロール吸入溶液を、以下の仕様書に従い種々の濃度でアルブテロール遊離塩基から調製する。
【0149】
【表3】

総容量約100mLを有するアルブテロール吸入溶液を3通り(低濃度、中濃度、および高濃度)、以下の薬学的に許容される試薬を用いて調製した。
【0150】
【表4】

低濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)900mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)30mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)30mgのクエン酸を(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.76および重量モル浸透圧濃度=0.286オスモル/kgである。アルブテロール遊離塩基:クエン酸の開始モル比は0.803であった。
【0151】
中濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)871mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)60mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)110mgのクエン酸を(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.76および重量モル浸透圧濃度=0.286オスモル/kgである。アルブテロール遊離塩基:クエン酸の開始モル比は0.876であった。
【0152】
高濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)840mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)250mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)210mgのクエン酸を(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.78および重量モル浸透圧濃度=0.286オスモル/kgである。アルブテロール遊離塩基:クエン酸の開始モル比は0.956であった。
【0153】
これら3通りの濃度のアルブテロール吸入溶液を濾過滅菌して、約0.5mLのアルブテロール溶液をポリエチレン単位用量バイアルに充填することで0.5mL単位投与にパッケージした。その結果としてもたらされる投与製剤は、それぞれ、約0.15mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基、約0.60mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基、約1.25mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基の濃度を有する。
【0154】
(実施例8)
アルブテロール吸入溶液を、以下の仕様書に従い種々の濃度でアルブテロール遊離塩基から調製する。
【0155】
【表5】

総容量約100mLを有するアルブテロール吸入溶液を3通り(低濃度、中濃度、および高濃度)、以下の薬学的に許容される試薬を用いて調製した。
【0156】
【表6】

低濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)901mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)30mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)100mgのHPOを(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.72および重量モル浸透圧濃度=0.288オスモル/kgである。
【0157】
中濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)873mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)60mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)340mgのHPOを(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.77および重量モル浸透圧濃度=0.285オスモル/kgである。
【0158】
高濃度のアルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)840mgのNaClを約80gの水に加えて、水溶液を形成した、(b)250mgのアルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)1020mgのHPOを(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20gの水を(c)の溶液に加えた。この方法によって調製したアルブテロール吸入溶液は、pH=3.67および重量モル浸透圧濃度=0.283オスモル/kgである。
【0159】
これら3通りの濃度のアルブテロール吸入溶液を濾過滅菌して、約0.5mLのアルブテロール溶液をポリエチレン単位用量バイアルに充填することで0.5mL単位用量にパッケージした。その結果としてもたらされる投与製剤は、それぞれ、約0.15mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基、約0.60mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基、約1.25mg/用量の開始アルブテロール遊離塩基の濃度を有する。
【0160】
(実施例9)
喘息に悩む患者は、気管支拡張を誘発することで喘息に対する治療を開始する。患者は、実施例6に記述するように約1.25mg/用量のアルブテロールを含む吸入混合物の1用量を、市販されている振動メンブラン式吸入ネブライザーPari eFlow(登録商標)のリザーバーに入れることによって気管支拡張を誘発する。間もなく、ネブライザーによる吸入混合物の送達が開始される。約3分未満の間に、吸入混合物が吸入ネブライザーにより送達され、喘息の症状が寛解または軽減する。
【0161】
(実施例10)
アルブテロール吸入溶液を3通り、以下の薬学的に許容される試薬を用いて以下に記述する方法に従って調製する。
【0162】
【表7】

アルブテロール吸入溶液を、以下の方法に従って調製した。(a)NaClを約80mLの水に加えて、水溶液を形成した、(b)アルブテロール遊離塩基を(a)の溶液に加えた、(c)HClを(b)の溶液に加えた、次いで(d)約20mLの水を(c)の溶液に加えた。当該技術分野で既知の標準化学的手法を用いてpHを決定する。(a)〜(d)を含む吸入水溶液のpHが3.75±0.15より低い場合、(e)3.75±0.15のpHに達成するまで、NaOHを付加するプロセスをさらに含む。
【0163】
(実施例11)
本明細書に記述するように噴霧を介してアルブテロール吸入溶液を投与した後、ガンマシンチグラフ解析を行うことによって被験者についての臨床評価を実施した。研究の目的は、Ventolin Nebules(登録商標)(Allen & Hanburys, UK、2.5mgアルブテロール/2.5mL)を噴霧した後の放射性標識アルブテロールの肺内沈着に対して、Pari eFlow装置によるアルブテロール吸入溶液を噴霧した後の放射性標識アルブテロールの肺内沈着をガンマシンチグラフィーによって比較することであった。
【0164】
研究の各被験者は、クロスオーバーデザインにおいて3治療期間にわたり、各治療来診の間に最低3日間および最大14日間の休薬期間を有して、単回投与治療として(ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)でキレート化したTechnetium−99m(99mTc)による放射性標識)各研究治療を受ける。アルブテロール吸入溶液の治療をeFlowネブライザー(Pari, Germany)を用いて肺吸入を介して投与し、一方LC Plusネブライザー(Pari, Germany)は、Ventolin Nebules(登録商標)を投与するために用いた。
【0165】
本研究ではアルブテロール吸入溶液を2つの用量で試験した。(a)0.5mL溶液中の0.63mgのサルブタモール、および(b)0.5mL溶液中の1.25mgのサルブタモール。アルブテロール吸入溶液を、実施例10に記述する方法によって調製し、アルブテロール(活性)、塩化ナトリウム(浸透圧調整)、および塩酸と水酸化ナトリウム(pH調整)を含有させた。これらの剤形をPari eFlowネブライザーで1分〜3分の間投与した。(c)Ventolin Nebules(登録商標)(Allen & Hanburys, UK、25mg/2.5mL)の1用量を本研究で試験した。Ventolin(登録商標)溶液を、希釈液として生理食塩水を用いてさらに3mLまで希釈した。この剤形をPari LC Plusネブライザーを用いて、ネブライザーがスパッタリング(スパッタする時間(TTS))を始めるまで投与した。その時間は、5分〜10分間であった。
【0166】
図1〜3は、上記研究のシンチグラフデータを示す。図1〜3に示すように、Pari e Flowネブライザーを用いる本発明のアルブテロール吸入溶液の投与は、Pari LC Plusネブライザーを用いるVentolin(登録商標)溶液の投与と比較して、肺沈着が増加する結果となった。
【図1(a)】

【図1(b)】

【図1(c)】

【図2(a)】

【図2(b)】

【図2(c)】

【図3(a)】

【図3(b)】

【図3(c)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法であって、
(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を前記患者に供給することと、
(b)吸入ネブライザーを用いて前記吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、
前記βアゴニストの少なくとも約20%が肺に沈着される方法。
【請求項2】
それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法であって、
(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を前記患者に供給することと、
(b)吸入ネブライザーを用いて前記吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、
前記βアゴニストの少なくとも約30%未満が肺の外側に送達される方法。
【請求項3】
それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法であって、
(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を供給することと、
(b)吸入ネブライザーを用いて前記吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、
前記方法がβアゴニスト治療に付随する副作用のリスクを低下させる方法。
【請求項4】
それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法であって、
(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を供給することと、
(b)吸入ネブライザーを用いて前記吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、
それによって前記方法が従来のβアゴニスト治療法と比較して、従来のβアゴニスト治療法よりも低いβアゴニスト用量で前記患者に同等の気管支拡張をもたらす方法。
【請求項5】
それを必要とする患者において気管支拡張を誘発することで疾患を治療する方法であって、
(a)βアゴニストを含む吸入混合物の少なくとも1用量を供給することと、
(b)吸入ネブライザーを用いて前記吸入混合物を約5分未満の間送達することとを含み、
前記方法が同じβアゴニスト用量の従来のβアゴニスト治療法と比較して、前記患者においてより大きい気管支拡張をもたらす方法。
【請求項6】
前記βアゴニストがアルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビルトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される短期作用型βアゴニストである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記短期作用型βアゴニストがアルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、レバルブテロール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記短期作用型βアゴニストがアルブテロール遊離塩基である、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記短期作用型βアゴニストが硫酸アルブテロールである、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記短期作用型βアゴニストが塩酸アルブテロールである、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記短期作用型βアゴニストがクエン酸アルブテロールである、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記短期作用型βアゴニストがリン酸アルブテロールである、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記短期作用型βアゴニストがレバルブテロールである、請求項6または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記βアゴニストがホルモテロール、アルホルモテロール、酒石酸アルホルモテロール、サルメテロール、またはその組み合わせからなる群から選択される長期作用型βアゴニストである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
吸入混合物に第2の医薬的活性薬剤の送達をさらに含み、かつ吸入ネブライザーを用いて送達される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2の医薬的活性薬剤がコルチコステロイド、抗生物質、坑コリン作動薬、またはドーパミン(D)受容体アゴニストからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記コルチコステロイドがアルドステロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デオキシコルトン、デソニド、デスオキシメタゾン、デキサメタゾン、ジフルオロコルトロン、フルクロロロン、フルメタゾン、フルニソリド、フルオシノロン、フルオシノニド、フルオコルチンブチル、フルオロコルチゾン、フルオロコルトロン、フルオロメトロン、フルランドレノロン、フルチカゾン、ハルシノニド、ヒドロコルチゾン、イコメタゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、モメタゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ロフレポニド、RPR106541、チキソコルトール、トリアムシノロン、およびそれらそれぞれの薬学的に許容される誘導体からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コルチコステロイドがブデソニドである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抗生物質がペニシリン、セファロスポリン、マクロライド、スルホンアミド、アミノグリコシド、およびβラクタム抗生物質からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の医薬的活性薬剤が臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウム、硝酸メチルアトロピン、硫酸アトロピン、イプラトロピウム、ベラドンナエキス、スコポラミン、スコポラミンメトブロミド、ホマトロピンメトブロミド、ヒオスシアミン、イソプリオプラミド、オルフェナドリン、臭化チオトロピウム、および臭化グリコピロニウムからなる群から選択される坑コリン作動薬である、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の医薬的活性薬剤がアポモルフィン((r)−5,6,6a,7−テトラヒドロ−6−メチル−4H−ジベンゾ[de,g]キノリン−10,11−ジオール);ブロモクリプチン((5’α)−2−ブロモ−12’−ヒドロキシ−2’−(1−メチルエチル)−5’−(2−メチルプロピル)エルゴタマン−3’,6’,18−トリオン);カベルゴリン((8β)−N−(3(ジメチルアミノ)プロピル)−N−((エチルアミノ)カルボニル)6−(2−プロペニル)エルゴリン−8−カルボキサミド);リスリド(N’−((8α)−9,10−ジデヒドロ−6−メチルエルゴリン−8−イル)−N,N−ジエチル尿素);ペルゴリド((8β)−8−((メチルチオ)メチル)−6−プロピルエルゴリン);レボドパ(3−ヒドロキシ−L−チロシン);プラミペキソール((s)−4,5,6,7−テトラヒドロ−N−プロピル−2,6−ベンゾチアゾールジアミン);キンピロール塩酸塩(トランス−(−)−4aR−4,4a,5,6,7,8,8a,9−オクタヒドロ−5−プロピル−1H−ピラゾロ[3,4−g]キノリン塩酸塩);ロピニロール(4−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン);およびタリペキソール(5,6,7,8−テトラヒドロ−6−(2−プロペニル)−4H−チアゾロ[4,5−d]アゼピン−2−アミン)からなる群から選択されるドーパミン(D)受容体アゴニストである、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
βアゴニストを含む前記吸入混合物および第2の医薬的活性薬剤を含む前記吸入混合物が同時に送達される、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
βアゴニストを含む前記吸入混合物および第2の医薬的活性薬剤を含む前記吸入混合物が連続して送達される、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記患者が18歳を超える成人である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記患者が12歳と18歳との間の年齢の青年である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記患者が12歳未満の小児である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記患者が5歳未満の小児である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記患者が2歳と12歳との間の年齢の小児である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記患者が12ヵ月と8歳との間の年齢の小児である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記患者が2歳未満の幼児である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記吸入ネブライザーを用いる送達が約4分未満、約3分未満、約2分未満、約1.5分未満、もしくは約1分未満の間、または約30秒と1分の間、約1分と2分の間、約1分と3分の間、約2分と3分の間、もしくは約3分と4分の間である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
βアゴニストを含む前記用量または吸入混合物の量が約0.1mLから約1.5mLである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
βアゴニストを含む前記用量または吸入混合物の量が約0.1mLから約1.0mLである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
βアゴニストを含む前記用量または吸入混合物の量が約0.3mLから約0.8mLである、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
βアゴニストを含む前記用量または吸入混合物の量が約0.4mLから約0.6mLである、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
βアゴニストを含む前記用量または吸入混合物の量が約0.5mLである、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
少なくとも約25%、少なくとも30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、または30%と40%の間の前記βアゴニストが肺に沈着される、請求項1に記載の方法。
【請求項38】
前記βアゴニストの約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、もしくは約5%未満が肺の外側に送達される、請求項2に記載の方法。
【請求項39】
βアゴニストを含む吸入混合物の前記用量の2回もしくは少なくとも2回、3回もしくは少なくと3回、4回もしくは少なくとも4回、5回もしくは少なくとも5回、6回もしくは少なくとも6回、またはそれ以上が前記患者に送達される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ネブライザーがPari eFlowネブライザーである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記方法が喘息、小児喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、職業性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発喘息、内因性喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、および肺気腫からなる群から選択される疾患のための治療法、または疾患を有すると診断される、もしくは疑われる前記患者に対する治療法である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
吸入噴霧による投与用の投与製剤であって、
(a)βアゴニストまたはその薬学的に許容される塩および
(b)防腐剤とを含み、
それによって前記投与製剤が吸入ネブライザーを用いる送達に適し、かつ前記送達が約5分未満の間行われる、投与製剤。
【請求項43】
前記βアゴニストがアルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、メシル酸ビルトルテロール、レバルブテロール、硫酸メタプロテレノール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される短期作用型βアゴニストである、請求項42に記載の投与製剤。
【請求項44】
前記短期作用型βアゴニストがアルブテロール、アルブテロール遊離塩基、硫酸アルブテロール、塩酸アルブテロール、マレイン酸アルブテロール、酒石酸アルブテロール、クエン酸アルブテロール、リン酸アルブテロール、硫酸テルブタリン、レバルブテロール、酢酸ピルブテロール、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項42に記載の投与製剤。
【請求項45】
前記短期作用型βアゴニストがアルブテロール遊離塩基である、請求項44に記載の任意の投与製剤。
【請求項46】
前記短期作用型βアゴニストが硫酸アルブテロールである、請求項44に記載の任意の投与製剤。
【請求項47】
前記短期作用型βアゴニストが塩酸アルブテロールである、請求項44に記載の任意の投与製剤。
【請求項48】
前記短期作用型βアゴニストがクエン酸アルブテロールである、請求項44に記載の任意の投与製剤。
【請求項49】
前記短期作用型βアゴニストがリン酸アルブテロールである、請求項44に記載の任意の投与製剤。
【請求項50】
前記短期作用型βアゴニストがレバルブテロールである、請求項44に記載の任意の投与製剤。
【請求項51】
前記防腐剤がエデト酸二ナトリウム(EDTA)、ベンザルコニウムクロリド(BAC)、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項42に記載の投与製剤。
【請求項52】
前記防腐剤がベンザルコニウムクロリドである、請求項51に記載の投与製剤。
【請求項53】
溶解エンハンサーをさらに含む、請求項53に記載の投与製剤。
【請求項54】
前記溶解エンハンサーがプロピレングリコール、非イオン性界面活性剤、チロキサポール、ポリソルベート80、ビタミンE−TPGS、マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸、リン脂質、レシチン、精製および/または濃縮レシチン、レシチンから抽出されたホスファチジルコリン画分、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、シクロデキストリンおよびその誘導体、SAE−CD誘導体、SBE−α−CD、SBE−β−CD、SBE−γ−CD、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、2−HP−β−CD、ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン、ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン、ジヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グルコシル−α−シクロデキストリン、グルコシル−β−シクロデキストリン、ジグルコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−α−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−γ−シクロデキストリン、マルトトリオシル−β−シクロデキストリン、マルトトリオシル−γ−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、カルボキシアルキルチオエーテル誘導体、ORG26054、ORG25969、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項53に記載の投与製剤。
【請求項55】
キレート化剤、金属イオン封鎖剤、または坑酸化剤からなる群から選択される薬学的に許容される賦形剤をさらに含む、請求項42に記載の投与製剤。
【請求項56】
第2の医薬的活性薬剤をさらに含む、請求項42に記載の任意の投与製剤。
【請求項57】
前記第2の医薬的活性薬剤がコルチコステロイドである、請求項56に記載の投与製剤。
【請求項58】
前記第2の医薬的活性薬剤が抗生物質である、請求項56に記載の投与製剤。
【請求項59】
前記第2の医薬的活性薬剤が坑コリン作動薬である、請求項56に記載の投与製剤。
【請求項60】
前記第2の医薬的活性薬剤がドーパミン(D)受容体アゴニストである、請求項56に記載の投与製剤。

【公表番号】特表2009−537569(P2009−537569A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−511256(P2009−511256)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2007/069311
【国際公開番号】WO2007/137204
【国際公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(508185328)ティカ レーケメデル アーベー (11)
【Fターム(参考)】