説明

水による近赤外吸収を用いたパルス酸素濃度計のモーションアーチファクト除去

組織部を介して伝送されるエネルギーから誘導される第1の波長の第1の信号を取得することであって、信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、第1の波長において、組織部における電磁エネルギーの主な吸収体は水である、こと;組織部を介して伝送される電磁エネルギーから第2の波長の第2の信号を取得することであって、信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、第2の波長において、組織部におけるエネルギーの主な吸収体はヘモグロビンである、こと;第1および第2の信号を組み合わせ、組み合わせ信号が動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、信号部が第1の信号または第2の信号に存在するものよりも小さくなるように、組み合わせのプレチスモグラフ信号を生成することを含む、生理学的パラメータを測定する方法とその装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、興味のある生理学的パラメータを表す信号からのアーチファクトまたはノイズの影響を除去するために、近赤外分光法を用いることにより、例えばパルス酸素濃度計のような医学用診断装置から得られる信号を処理することに関する。
【背景技術】
【0002】
パルス酸素濃度計は、2つの生理学的パラメータ、すなわち動脈血のヘモグロビンのパーセント酸素飽和度(SpOまたはサット(sat))とパルス数とを測定する。酸素飽和度は、様々な技術を用いることによって評価され得る。一般的な技術において、光検出器において生成された光電流は、赤色信号の赤外信号に対する変調比の比(比の比;ratio of ratios)を決定するために、調整され、処理される。この変調比は、動脈の酸素飽和度によく相関することが観察される。酸素濃度計およびセンサは、患者の組、健康なボランティアの組、または動物の組の生体内で測定された動脈の酸素飽和度(SaO)の範囲にわたり、変調比を測定することによって、実験的に較正される。観察された相関は、患者の変調比の測定値に基づいて血中酸素飽和度(SpO)を評価するために、逆の方法で用いられる。ほとんどのパルス酸素濃度計は、最初に決定された飽和度またはパルス数を有するプレチスモグラフの信号を抽出する。飽和度とパルス数の両方は、干渉の影響を受けやすい。
【0003】
一般に、パルス酸素測定は、生体のヒトの組織において、ヘモグロビンが500nm〜1100nmの間の波長の光の強力な吸収体であるという事実を利用する。組織を介する動脈血のパルスは、この波長の範囲において、ヘモグロビンによる光吸収を用いることにより、容易に測定できる。時間の関数としての動脈拍動の波形のグラフは、光学的プレチスモグラフ(optical plethysmograph)と呼称される。プレチスモグラフの波形の振幅は、動脈を介して脈動する血液の吸収特性によって決定されると共に、プレチスモグラフを測定するのに用いられる光の波長の関数として変動する。プレチスモグラフの測定を2つの異なる波長領域に結びつけることにより(ここにオキシ(oxy−)およびデオキシ(deoxy−)ヘモグロビンは異なる吸収係数を有する)、動脈血の酸素飽和度は、評価され得る。商用のパルス酸素濃度計に用いられる典型的な波長は、660nmと890nmである。
【0004】
高速の動きまたは組織部位への圧力の印加は、上記部位またはその付近において測定される光学的特性を変化させる効果を有し得ることが知られている。光学的信号の振幅は、モーションアーチファクト(motion artifact)として知られるそのような出来事にしたがって変化し、動脈拍動によるものよりも、容易に大きくなる。このことは、実際面では、パルス酸素濃度計によるパーセント酸素飽和度について、不正確な評価を誘導する。モーションアーチファクトを含む望ましくない信号効果に対処し除去するための様々な技術が知られている。本明細書で用いられているように、ノイズとは、望ましくないまたは動脈拍動に関係する光学的特性における変化に直接関係しない信号部を言い、上記信号部は、モーションアーチファクトを含み得る。組織を介する光学的信号は、ノイズとモーションアーチファクトとの両方によって低下され得る。ノイズの源の1つは、光検出器に到達する周辺光である。ノイズの別の源は、その他の電気的装置からの電磁結合である。患者の動きもまた、ノイズと信号への影響とを誘導する。例えば、検出器と肌との間の接触、またはエミッタと肌との接触は、検出器またはエミッタのいずれかが動きによって肌から引き離されるとき、一時的に解消し得る。加えて、血液は液体であるため、慣性効果に対して周囲の組織とは異なるように応答し、これにより、酸素濃度計のプローブが取り付けられる場所付近の点において、体積の瞬間的な変化が生じる。
【0005】
モーションアーチファクトは、医療介護提供者に依存するパルス酸素測定信号を、上記提供者の認識なしで低下させ得る。このことは、患者の監視が遠隔である場合、観察するには動きが小さすぎる場合、あるいは医療介護提供者が装置または患者のその他の部位を見ているがセンサ部位を見ていない場合に、特に当てはまる。ノイズおよび/またはモーションアーチファクトに対処するために知られている様々な技術が存在する。
【0006】
例えば、特許文献1は、3つの波長を組み合わせて動きの存在を検出することについて開示している。酸素飽和度の割合を別々に計算するため、2つの波長が同時に用いられる。異なる波長の組み合わせを用いて計算される複数の酸素飽和度の値がうまく一致しない場合、このことは、モーションアーチファクトによって引き起こされていると推定され、その値は放棄される。このアプローチの不利な点は、複数の飽和度の値の間の一致または一致の不足が、モーションアーチファクトに起因し得るまたは起因し得ないということである。加えて、このアプローチは、モーションアーチファクトの効果を識別または除去しないが、代わりに疑わしい値を放棄する。
【0007】
別のアプローチは、パルス酸素測定信号のフィルタリングを含む。しかしながら、フィルタリング法は、アーチファクトの性質に関する仮定を要求し、上記仮定は、実際には常に成立するわけではない。加えて、このアプローチは、動きによって誘導される信号を測定しない。
【0008】
特許文献2は、別のアプローチを提供し、アーチファクトを低減させるための信号処理方法を記述している。上記信号処理方法は、アーチファクトに関係する信号が動脈血よりも酸素飽和度が低い血液に関連するときに機能する。そのような方法は、アーチファクトのノイズ信号の生成に依存し、上記信号は、生理学的パラメータと組み合わされ、不明なノイズ信号の効果を低減する。アーチファクトの効果を低減させるためのこのアプローチは、動き信号(motion signal)を別々に測定せず、プレチスモグラフの信号における動きの効果に関する複数の仮定に基づいている。上記複数の仮定は正しくも正しくなくもあり、多くの仮定が妥当ではない。
【0009】
モーションアーチファクトを補償するための既知の技術の各々は、各々自身の制限と欠点とを有している。このため、動きの期間の間に血中酸素レベルをより効率的かつ正確に報告するように、パルス酸素濃度測定システムを設計することが望ましい。多くの人々が、妥当でない仮定を潜在的に置くこと、または望ましい信号値の疑わしい評価を拒絶することにより、動きによって誘導されるアーチファクトのような望ましくない信号部の効果を分離することを試みてきたが、望ましくない信号部の存在下で望ましい信号の正確な測定を可能にするために、アーチファクト信号を決定論的に識別すること、決定および測定することに対する必要は、依然として残っている。
【特許文献1】米国特許第4,714,341号明細書
【特許文献2】米国特許第5,482,036号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の簡単な要約)
本発明は、アーチファクト信号を測定することにより、既に知られている技術の仮定を制限することなしに、プレチスモグラフ信号からモーションアーチファクトを分離することを可能にする。本発明は、組織の光学的特性の変化に関連する動き信号を測定し、他の波長に生成されたプレチスモグラフの測定を、上記測定を用いて補償する方法を提供する。
【0011】
本発明は、一実施形態において、生理学的パラメータを測定する方法を提供する。上記方法は、組織部を介して伝送される電磁エネルギーから誘導される第1の波長の第1の信号を取得することであって、上記第1の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、第1の波長において、組織部における電磁エネルギーの主な吸収体は水である、ことと、組織部を介して伝送される電磁エネルギーから第2の信号を取得することであって、上記第2の信号は、動きに関連する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、第2の波長において、組織部における電磁エネルギーの主な吸収体はヘモグロビンである、ことと、上記第1の信号と上記第2の信号とを組み合わせ、組み合わせ信号が、動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、上記信号部が第1の信号または第2の信号に存在するものよりも小さくなるように、組み合わせのプレチスモグラフ信号を生成することとを含む。
【0012】
第1の波長において、水は、ヘモグロビンよりも強力な上記組織部における電磁エネルギーの吸収体であり、第2の波長において、ヘモグロビンは、水よりも強力な上記組織部における電磁エネルギーの吸収体である。
【0013】
本発明の実施形態の性質および利点を完全に理解するために、添付の図面と関連させることにより、以下の詳細な記述の参照がなされ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(好ましい実施形態に関する詳細な記述)
本発明は、アーチファクト信号を測定することにより、既に知られている技術の仮定を制限することなしに、プレチスモグラフ信号からモーションアーチファクトを分離することを可能にする。本発明は、組織の光学的特性の変化に関連する動き信号を測定し、他の波長に生成されたプレチスモグラフの測定を、上記測定を用いて補償する方法を提供する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態を実装するように構成され得る例示的なパルス酸素濃度計のブロック図である。以下で記述されるように、本発明の実施形態は、マイクロプロセッサ122によって実行されるデータ処理アルゴリズムであり得る。光源110からの光は、患者の組織112に入り、散乱して光検出器114によって検出される。光源と光検出器とを格納するセンサ100は、光源110の波長を表す信号を提供し、酸素濃度計が酸素飽和度を計算するための適切な較正係数を選択することを可能にするエンコーダ116をも格納する。エンコーダ116は、例えばレジスタであり得る。
【0016】
センサ100は、酸素濃度計120に接続される。酸素濃度計は、内部バス124に接続されたマイクロプロセッサ122を含む。バスに接続されている他のものは、RAMメモリ126およびディスプレイ128である。時間処理ユニット(TPU;time processing unit)130は、いつ光源110を照射するかを制御し、複数の光源が用いられる場合に異なる光源の多重化されたタイミングを制御する光駆動回路132にタイミング信号を提供する。TPU130はまた、光検出器114からの増幅器133とスイッチ回路134とを介する信号のゲート・インを制御する。これら信号は、複数の光源が用いられる場合に、複数の光源のうちのどれが照射されるかに依存して、適切な時間にサンプリングされる。受信した信号は、増幅器136、低域通過フィルタ138、およびアナログ・デジタルコンバータ140を通過する。その後、デジタルデータは、待ち行列型シリアルモジュール(QSM;queued serial module)142がいっぱいになったときに、その後RAM126にダウンロードするため、QSM142に格納される。一実施形態において、複数の光の波長または受信されたスペクトラムに対する、複数の別々の増幅器、フィルタおよびA/Dコンバータの複数の並列な経路が存在し得る。
【0017】
光検出器114によって受信された光に対応する受信信号の値に基づいて、マイクロプロセッサ122は、様々なアルゴリズムを用いて酸素飽和度を計算し得る。例えば、これらアルゴリズムは、用いられる光の波長に対応して実験的に決定され得る係数を必要とする。これらは、ROM146に格納される。2波長システムにおいて、波長スペクトラムの任意のペアに対して選択される特定の係数のセットは、特定のセンサ100における特定の光源に対応するエンコーダ116によって示される値によって決定される。一実施形態において、異なる係数のセットを選択するために、複数のレジスタ値が割り当てられ得る。別の実施形態において、近赤色源または遠赤色源のいずれかと組み合わされる赤外源に適切な係数を複数の係数の中から選択するため、同じレジスタが用いられる。近赤色または遠赤色のセットのいずれかの選択は、制御入力154からの制御入力を用いて選択され得る。制御入力154は、例えば、パルス酸素濃度計のスイッチ、キーボード、または遠隔ホストコンピュータからの命令を提供するポートであり得る。さらに、患者のパルス数、酸素飽和度、またはその他任意の所望の生理学的パラメータを決定するため、非常に多くの方法またはアルゴリズムが用いられ得る。例えば、変調比を用いた酸素飽和度の評価は、1998年12月29日に発布され、「METHOD AND APPARATUS FOR ESTIMATING PHYSIOLOGICAL PARAMETERS USING MODEL−BASED ADAPTIVE FILTERING」と題された、米国特許第5,853,364号、1990年3月27日に発布され、「METHOD AND APPARATUS FOR DETECTING OPTICAL PULSES」と題された、米国特許4,911,167号に記述されている。さらに、酸素飽和度と変調比との間の関係は、1997年7月8日に発布され、「MEDICAL SENSOR WITH MODULATED ENCODING SCHEME」と題された、米国特許第5,645,059号にさらに記述されている。
【0018】
上記では例示的なパルス酸素濃度計が記述されてきたが、本発明の実施形態にしたがう、受信信号に影響を及ぼすモーションアーチファクトを含むノイズを低減するための方法は、以下で記述される。
【0019】
図2は、36人の被験者の耳たぶを介して測定された波長の関数としての、平均的なプレチスモグラフの振幅に関するプロットであり、約900nmの波長における測定に正規化されている。図2に示されているような測定は、光電脈波形の振幅が約900nm〜1300nmの間の波長の関数として減衰し、約1285nmにおいて最小値を有することを示している。本明細書における発明者は、約900nm〜920nmを超える波長において、ヘモグロビンよりも遥かに高い濃度である水もまた、組織における主な光の吸収体となることを発見した。図3は、血液中に見出されるいくつかの光吸収成分のグラフであり、波長の単位がnmであるのに対し、吸収の単位はcm−1である。図3は、約1400nmにおいて、水の吸収はヘモグロビンのそれよりも約60%高いことを示しており、さらに1400nmにおけるプレチスモグラフの振幅(図2)は、約900nmにおけるそれよりも35%低い。
【0020】
図4は、ヒトの肌における主な成分の吸収スペクトラム(cm−1)のグラフであり、nm単位の波長の関数として、典型的な生理学的濃度に縮尺されている。この図は、水による吸収が約1180nmにおいてピーク値を有し、それに類似するピークがタンパク質に対しては1150nmよりもわずかに高く、脂質に対しては約1200nmに存在するということを示している。
【0021】
図5は、ヒトの肌のおける主な成分の吸収スペクトラムのグラフであり、等しい体積分率濃度に縮尺されている。この図は、約1185nmにおいて、縮尺された水の吸収、脂質の吸収、およびタンパク質の吸収の体積分率は、ほぼ等しいということを示している。
【0022】
特定の理論には制限されないが、本発明者は、(約900nm未満および約1300nm未満の波長における)水のプレチスモグラフの効果がヘモグロビンに比べて弱い理由は、水が血管および周囲の組織の両方において高濃度で存在するのに対し、ヘモグロビンは主に血管内に閉じ込められているという事実に存在することを注意する。結果として、パルスによって誘導される組織層を介した動脈血管の拡張は、ヘモグロビン濃度においては局所的な増大を引き起こすが、水の濃度においては微小な純変化(net change)しか引き起こさない。血液内の水の濃度が組織内の水の濃度と等しい程度において、水による光吸収の変化は、ゼロに近づくと期待される。
【0023】
本発明の一実施形態は、ヘモグロビンが強い吸収体であり水が弱い吸収体であるスペクトラム領域に比べ、ヘモグロビンが弱く吸収し水が強く吸収するスペクトラム領域において、プレチスモグラフは、動脈拍動よりも動きに関係する出来事に対してより影響を受けやすいという知見を活用する。
【0024】
水の吸収が強い領域におけるプレチスモグラフの弱い大きさは、動脈拍動に関係する信号を、モーションアーチファクト信号から分離できるようにするために活用される。水が主な吸収体である波長において光学的プレチスモグラフを測定することにより、動きまたは圧力に関連する組織の光学的特性に関する変化が、下部の動脈拍動からの微小な干渉と共に測定され得る。一時的な動きを被るヒトの耳を介して測定される4つの近赤外波長におけるプレチスモグラフは、縮尺された時間(すなわち、点間隔時間は43ms)に対する吸収の単位で、図6に示されている。ヘモグロビンの吸収が強く水の吸収が弱い約920nmにおいて、プレチスモグラフは、動きに関係する出来事によって時々中断される通常の動脈拍動を含む。水が主な吸収体である約1300nmまで波長が増大するのに伴い、動きに関係する出来事により、動脈拍動は減衰し、測定信号は大きくなる。
【0025】
水が主な吸収体であるスペクトラム領域において測定されたプレチスモグラフと、血液が主な吸収体であるスペクトラム領域において測定されたプレチスモグラフとを組み合わせることにより、動きに関係する信号は、選択的に除去され得る。図7は、約920nmにおいて測定されたヒトの耳のプレチスモグラフと、約920nmにおいて測定されたプレチスモグラフから約1180nmにおいて測定されたプレチスモグラフの一部を差し引いた結果を示している。特に、図7は、920nmにおいて測定されたヒトの耳のプレチスモグラフと、約920nmにおいて測定されたプレチスモグラフから約1180nmにおいて測定されたプレチスモグラフの約60%を差し引いた結果とを示している。60%の値は、この波長において、水の吸収がオキシ・ヘモグロビンのそれよりも約60%高いという理由で選択される。異なる波長の組み合わせに対し、オキシ・ヘモグロビンの吸収と比較したときの水の吸収の比に基づいて、または、実験的な決定に基づいて、その他の乗数が用いられる。
【0026】
病院の設定において測定された、多種多様な36人の患者の一団(pool)に同様な解析を適用することにより、910nmにおけるプレチスモグラフの2つの因子が増加するノイズに対する平均信号が測定される。1180nmのプレチスモグラフに対する乗数が変動することを許すことにより、ノイズに対する信号について、より高い改良が達成される。
【0027】
(理論モデル)
以下の導出は、1つの波長で測定されたプレチスモグラフにおいて、動きによって誘導される光学的散乱の変化の効果を、2つの波長におけるプレチスモグラフの測定によって補償し得る機構を立証している。この導出は、動きによって誘導され補償され得る光学的変化の1つの典型例として提供されているが、本発明を機能させ得る唯1つの機構としては提供されておらず、本発明の実施形態を制限しない。
【0028】
解析の開始点は、組織における光の運搬に関する拡散理論である(例えば、Ashley J.WelchおよびMartin J.C.van Gemert編、Optical−Thermal Response of Laser−Irradiated Tissueにおける、Willem M.Star著、「Diffusion Theory of Light Transport」、Plenum Press,New York,1995,pgs.131〜206を参照のこと)。輸送補正(transport−correct)された散乱係数μ’は、吸収係数μよりも遥かに大きく、光源から距離lだけ離れた位置の検出器によって波長λで測定された光の拡散輝度I(λ)は、以下のように記述され得る(例えば、Schmitt,J.M.;Guan−Xiong,G;Miller,J.著,「Measurement of Blood Hematocrit by Dual−Wavelength Near−IR Photoplethysmography」、SPIE、Vol.1641,1992,pgs.150〜161を参照のこと)。
【0029】
【数1】

動脈拍動によって引き起こされるような、吸収係数における微小変化に対し、輝度の変化は、吸収係数に関する輝度の微分によって記述される。
【0030】
【数2】

ここで、ΔVartは、動脈拍動による分数の体積(fractional volume)の変化であり、μartは、測定下にある動脈血の吸収係数であり、AC(λ)は、光学的信号の時間変動部分を参照し、DC(λ)は、光学的信号の平均部分または非時間性の変動部分を参照する。
【0031】
動脈の酸素飽和度SpOは、式2によって記述されるAC−DC比が、オキシ・ヘモグロビンとデオキシ・ヘモグロビンとが容易に区別されるように選択される2つの波長λ、λによって測定されるときに、評価される(例えば、λ〜約660nm、λ〜約910nm)。
【0032】
【数3】

ここに、
【0033】
【数4】

である。これにより、
【0034】
【数5】

である。
【0035】
ここに、μHHbおよびμO2Hbは、それぞれ動脈血におけるデオキシ・ヘモグロビンとオキシ・ヘモグロビンとに対する吸収係数であり、Rは、ACからDCへの比に対する比である。
【0036】
例えば組織の圧迫またはモーションアーチファクトによってもたらされ得るような散乱係数の微小変化の効果は、式4によって示される。
【0037】
【数6】

ヘモグロビンによる吸収が弱く、水による吸収が強くなるように選択される第3の波長λにおいて、AC−DC比を測定することにより、動きによって誘導される散乱の変化の効果は、λにおける縮尺されたAC−DCの測定を、λにおけるAC−DCの測定から差し引くことにより、除去される。結果として得られる動きによって補正されるプレチスモグラフPは、以下のように表され得る。
【0038】
【数7】

ここに、
【0039】
【数8】

である。
【0040】
動脈拍動の効果(式2)およびモーションアーチファクト(式4)が加法的であるとき、式5は、以下のように展開される。
【0041】
【数9】

λにおいて水の吸収が組織による光の吸収を支配するとき、および、動脈および周囲の組織における水の濃度がほぼ等しいとき、Δμ(λ)は、ほぼゼロになり、式6は、
【0042】
【数10】

のように簡単になる。
【0043】
式7は、λにおける動脈拍動の効果にのみ依存し、モーションアーチファクトの効果は除去されている。同様にして、λにおいて測定されるプレチスモグラフは、λにおいて測定されるプレチスモグラフからの動きの効果を除去するための用いられ得る。例えば、式3によって記述されているように、λおよびλにおいて測定され補正されたプレチスモグラフは、その後組み合わされ、酸素飽和度を評価するために用いられる。
【0044】
約900nm〜1300nmの間の範囲にあるいくつかの波長、および約1150nm〜1350nmの間の範囲にあるさらに特定の波長は、テストされ、約910nmにおいて測定されたプレチスモグラフからのモーションアーチファクトを低減することにおいて、効果的であることが発見されてきた。この範囲の長い波長の側における波長は、水に比べてヘモグロビンの吸収が弱いという利点を有する(例えば、図3および図4参照)。しかしながら、この範囲の短い端における波長は、組織の組成の変化に伴う低減された変動という利点を有する。組織の主な成分が等しい体積分率に正規化されている図5に見ることができるように、水、脂質、および、ヘモグロビンではないタンパク質のすべては、約1185nmにおけるものとほぼ等しい吸収を有する。このため、約1185nmにおける組織の吸収は、これら主な成分の相対濃度の変化に関して、わずかに変動し得る。
【0045】
約1100nm超の光の検出は、商用の酸素濃度計において一般に用いられるシリコン(Si)検出器を用いては容易に達成され得ないことが知られている。例えば、図2〜7に表示されるデータを収集するのに用いられる検出器は、光感知材料としてインジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs;Indium Gallium Arsenide)を用いる。最も一般的なInGaAs検出器は、約800nm〜1700nmの間の光を感知することができる。このため、本発明の実施形態にしたがって設計された、660nmおよび890nmの波長の従来のパルス酸素濃度計において、水によって強く吸収される波長(例えば約1180nmまたは約900nm〜1400nm)において放射する新しい光源に加え、追加的な検出器が用いられる。そのようなスキームのうちの1つは、一方がSiであり、他方がInGaAsである2つの検出器を用い、両者は隣り合って配置される。代替的な配置は、例えばHamamatsu corporationから商業的に入手できるもののような、別々のSi層とInGaAs層を含む同一直線(「サンドイッチ」)検出器を用いる。代替的に、ゲルマニウム(Ge)検出器は、InGaAs検出器の代用として用いられる。
【0046】
加えて、上述で議論された従来のパルス酸素濃度計の代替物は、全NIR(all−NIR)パルス酸素濃度計である。全NIRパルス酸素濃度計の例は、単一のInGaAs検出器と共に用いられる約940nm、1040nm、および1180nmにおいて放射する光源を用いた酸素濃度計である。唯1つの検出器しか必要としないという利点に加え、全NIR実施は、組織の光学的特性に関連する利点を有する。パルス酸素測定を用いて実行される測定の精度は、異なる色の光が進行する経路のどれが同一であるかについての程度に部分的に依存する。組織を介して進行する特定の波長の光の中間経路長(mean path length)および透過深度(penetration depth)は、その波長における組織の吸収係数と散乱係数により、強く影響される。従来の酸素測定法では、2つの波長において同じ中間経路長と透過深度とを達成するために、2つの波長における散乱係数と吸収係数とは、適合する必要がある。組織による光の散乱は、波長の関数として急速に減少し、その結果、約940nm、1040nm、および1180nmにおける組織の散乱特性は、例えば約660nm、890nm、および1180nmのような可視波長とNIR波長の両方の組み合わせにおける組織の散乱特性よりも、より近く適合し得る。その理由は、以下で議論される。オキシ・ヘモグロビンとデオキシ・ヘモグロビンとの吸収特性は、高い酸素飽和度の値において、ヘモグロビンによる純(すなわち、オキシとデオキシとの組み合わせ効果)吸収係数が、660nmおよび940nmにおいて十分良く適合し得るようなものである。しかしながら、酸素飽和度が減少するのに伴い、約660nmにおけるデオキシ・ヘモグロビンの高い吸収係数は、約660nmおよび約940nmにおけるヘモグロビンの純吸収係数の間での一層の不適合を引き起こし得る。約940nmおよび約1040nmにおけるヘモグロビンの純吸収係数は、約660nmおよび約940nmにおけるものよりも、測定可能な酸素飽和度の値の全範囲にわたり、より近く適合し得る。
【0047】
モーションアーチファクト信号を測定するために用いられる波長の選択は、補正される信号の経路長に対する光学的経路長の適合性に対する要求に部分的に依存する。約950nm超において、水、タンパク質、および、ヘモグロビンではないタンパク質の吸収係数、ならびに、それに加え、ヘモグロビンの吸収係数は、経路長の近い適合を達成するように、考慮されなければならない。約1185nmは、モーションアーチファクト信号を測定するために現在において好適な波長であるが、その他の代替的な波長の値もまた、効果的であり、例えば、約1050nm〜1400nmの間の波長、および約1500nm〜1850nmの間の波長もまた、効果的である。
【0048】
本発明の実施形態は、光学的コンポーネントを組織の界面に直接的に配置することによって、あるいは、光ファイバーを用いて組織からまたは組織へと光を送達することによって実践され得る。前者の実施は、より効率的な光の伝達と収集という利点を有するが、後者の実施は、費用がかからないという利点を有する。費用がかからない解決策は、光ファイバーによる伝達を用いるとき、光源と検出器とが、センサとは対照的にモニタに存在するという事実により、また、そのようなコンポーネントは、光ファイバーよりも費用が高く、結果としてより低額なデバイスになるということを考慮することにより、可能になる。
【0049】
以下で議論されるように、本発明の実施形態は、モーションアーチファクトの結果に対処する既知の方法に対し、いくつかの利点を有する。本発明の実施形態は、組織の光学的特性の変化に関連する動き信号を測定し、測定を用いることにより他の波長で生成されたプレチスモグラフの測定を補償するための方法とデバイスとを提供する。本発明の実施形態は、アーチファクト信号を測定することにより、従来の既知の技術の仮定の制限を用いずに、プレチスモグラフ信号からアーチファクトを分離することを可能にする。本発明の実施形態は、動きを識別することに加え、モーションアーチファクトを除去し、引き続き、動きの間の酸素飽和度を測定する方法を提供する。
【0050】
当業者には理解されるように、組織の光学的特性の変化に関連するモーションアーチファクト信号を測定し、上記測定を用いることにより、他の波長で生成されたプレチスモグラフの測定を補償する、本発明の実施形態に関連する方法と等価な方法または代替的な方法が、その主要な特徴から逸れることなしに、想像される。例えば、可視波長とNIR波長との組み合わせ、または全NIR波長の組み合わせは、測定を実行するために用いられ得る。さらに、近赤外分光学の当業者は、追加的な波長における基準測定を組み入れ、これによりさらに精度を向上させるために、アルゴリズムに追加的な用語が追加され得ることを、理解し得る。また、白熱灯、所望の波長に適切に調整される狭帯域な光源、および関連する光検出装置を含むがそれらには限定されないLED以外の光源、または光を放射する光学的装置は、組織位置の近くまたは遠隔ユニットの内部に配置され、それらは光ファイバーを介することにより、組織位置へ光を送達するか、組織位置から光を受信し得る。加えて、例えば前方散乱モードまたは伝送モードにおいて機能するようなその他の実施形態と同様に、反射率の光学的測定を行なうための、後方散乱モードまたは反射モードにおいて機能するセンサ配置が、これらの測定を行なうために、用いられる。自明な変化および改変が添えられたこれらの代替物または等価物は、本発明の範囲に含められるように意図されている。したがって、上述の開示は、例示を意図したものであるが、本発明の範囲を制限することを意図したものではなく、本発明の範囲は、以下の請求の範囲によって記述される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、例示的な酸素濃度計のブロック図である。
【図2】図2は、ヒトの耳において測定されたプレチスモグラフの振幅についての波長の関数としてのグラフである。
【図3】図3は、ヒトの血液内の主な成分の吸収スペクトラムのグラフである。
【図4】図4は、ヒトの肌の主な成分の吸収スペクトラムのグラフであり、典型的な生理学的濃度に縮尺されている。
【図5】図5は、ヒトの肌の主な成分の吸収スペクトラムのグラフであり、典型的な生理学的濃度に縮尺されている。
【図6】図6は、約920nm、1050nm、1180nm、および1300nmの4つの異なる波長において、それぞれヒトの耳において測定されたプレチスモグラフのグラフである。
【図7】図7は、2つの近赤外波長における測定を組み合わせることにより、例示的なプレチスモグラフのアーチファクトの低減に関するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的パラメータを測定する方法であって、
組織部を介して伝送される電磁エネルギーから誘導される第1の波長の第1の信号を取得することであって、該第1の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、該第1の波長において、該組織部における電磁エネルギーの主な吸収体は水である、ことと、
組織部を介して伝送された電磁エネルギーから誘導された第2の波長の第2の信号を取得することであって、該第2の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、該第2の波長において、該組織部における電磁エネルギーの主な吸収体はヘモグロビンである、ことと、
該第1の信号と該第2の信号とを組み合わせ、プレチスモグラフを含む組み合わせ信号を生成することであって、該組み合わせ信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、該信号部は、該第1の信号または該第2の信号に存在するものよりも小さい、ことと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記第1の波長において、水は、ヘモグロビンよりも強力な前記組織部における電磁エネルギーの吸収体である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の波長において、ヘモグロビンは、水よりも強力な前記組織部における電磁エネルギーの吸収体である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の波長は、約900nm〜1850nmの間の範囲に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の波長は、約1100nm〜1400nmの間の範囲に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の波長は、約1150nm〜1250nmの間の範囲に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の波長は、約1185nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第2の波長は、約600nm〜950nmの間の範囲に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組み合わせることは、前記第1の信号に乗数を適用して縮尺された第1の信号を取得することと、該縮尺された第1の信号を前記第2の信号から差し引くこととを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記乗数は、前記第2の波長に対する前記第1の波長における、ヘモグロビンによる前記組織部における電磁エネルギーの吸収の比の関数である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記生理学的パラメータは、パルス数である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記組織部を介して伝送される電磁エネルギーから誘導される第3の波長の第3の信号を取得することであって、該第3の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、該第3の波長において、該組織部における電磁エネルギーの主な吸収体はヘモグロビンである、ことと、
前記第1の信号と該第3の信号とを組み合わせ、プレチスモグラフを含む第2の組み合わせ信号を生成することであって、該第2の組み合わせ信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、該信号部は、該第1の信号または該第3の信号に存在するものよりも小さい、ことと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記組み合わせ信号を前記第2の組み合わせ信号と組み合わせることにより組み合わせを形成することと、
該組み合わせを用いることにより酸素飽和値を評価することと
をさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
生理学的パラメータを測定する装置であって、
組織部を介して伝送される電磁エネルギーから誘導される第1の波長の第1の信号を取得する手段であって、該第1の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、該第1の波長において、該組織部における電磁エネルギーの主な吸収体は水である、手段と、
組織部を介して伝送された電磁エネルギーから誘導された第2の波長の第2の信号を取得する手段であって、該第2の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、該第2の波長において、該組織部における電磁エネルギーの主な吸収体はヘモグロビンである、手段と、
該第1の信号と該第2の信号とを組み合わせ、プレチスモグラフを含む組み合わせ信号を生成する手段であって、該組み合わせ信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、該信号部は、該第1の信号または該第2の信号に存在するものよりも小さい、手段と
備える、装置。
【請求項15】
前記第1の信号を所得する手段は、
電磁エネルギーを前記組織の位置に配向するように構成された光放射オプティクスと、
該組織の位置からの放射を受信するように構成された光検出オプティクスと
を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記光放射オプティクスは、約900nm〜1850nmの間の範囲の波長における電磁エネルギーを送達するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記光放射オプティクスは、約1100nm〜1400nmの間の範囲の波長における電磁エネルギーを送達するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記光放射オプティクスは、約1150nm〜1250nmの間の範囲の波長における電磁エネルギーを送達するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項19】
前記光放射オプティクスは、約1185nmの電磁エネルギーを送達するように構成されている、請求項15に記載の装置。
【請求項20】
前記組み合わせる手段は、前記第1の信号に乗数を適用して縮尺された第1の信号を取得する手段と、該縮尺された第1の信号を該第2の信号から差し引く手段とを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項21】
前記組み合わせる手段は、前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせ、プレチスモグラフを含む組み合わせ信号を生成するように構成された処理デバイスであって、該組み合わせ信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、該信号部は、該第1の信号または該第2の信号に存在するものよりも小さい、処理デバイスを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項22】
組織部を介して伝送される電磁エネルギーから誘導される第3の波長の第3の信号を取得する手段であって、該第3の信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部と、動脈拍動の出来事に対応する信号部とを含み、該第3の波長において、該組織部における電磁エネルギーの主な吸収体はヘモグロビンである、手段と、
前記第1の信号と該第3の信号とを組み合わせ、プレチスモグラフを含む第2の組み合わせ信号を生成する手段であって、該第2の組み合わせ信号は、動きに関係する出来事に対応する信号部を有し、該信号部は、該第1の信号または該第3の信号に存在するものよりも小さい、手段と
をさらに備える、請求項14に記載の装置。
【請求項23】
前記組み合わせ信号を前記第2の組み合わせ信号と組み合わせることにより組み合わせを形成する手段と、
該組み合わせを用いることにより酸素飽和値を評価する手段と
をさらに備える、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記生理学的パラメータは、パルス数である、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−528276(P2007−528276A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502942(P2007−502942)
【出願日】平成17年3月8日(2005.3.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/007675
【国際公開番号】WO2005/087098
【国際公開日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(304053382)ネルコアー ピューリタン ベネット インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】