説明

水中油型乳化皮膚化粧料

【課題】 皮膚のはり・しわ改善効果に優れ、かつ肌へののびが良く、べたつきを生じない水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】 (a)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸およびその誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を構成単位として含むホモポリマー、コポリマー、クロスポリマー、またはこれらの混合物、(b)非乳化性架橋型シリコーン、及び(c)球状シリコーン微粒子を含有することを特徴とする水中油型乳化皮膚化粧料。当該皮膚化粧料は、疎水性会合増粘剤(成分(d))及び/又は球状シリカ(成分(e))を更に含有するのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚のはり及びしわ改善用の水中油型皮膚化粧料に関する。より詳細には、特定の増粘剤成分と、特定の皮膜剤及び粉末とを組み合わせることにより、皮膚のはり・しわ改善効果に優れ、かつ肌へののびが良く、べたつきを生じない皮膚化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚のはりやしわの改善を目的として、皮膚化粧料に保湿剤や皮膜剤が配合されている。保湿剤は、皮膚の表面や内部に水分を補給し、はりを与えることができるが、十分な効果を得るためには比較的多量に配合しなければならず、使用感にべたつきや重さを生じさせる一因となっていた。一方、皮膜剤は、皮膜形成持の収縮力により皮膚に適度のはりや緊張感を与える。
【0003】
例えば、特許文献1には、カルボキシビニルポリマーとカラギーナンを組み合わせた皮膜形成高分子と保湿剤とを配合したパック化粧料が開示され、優れた保湿性と洗い流し易さを持つパック化粧料が得られたとされている。
特許文献2には、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性高分子と水中に分散された疎水性皮膜形成高分子との組み合わせに微粒子球状シリカを加えた皮膜剤と、グリセリン等の保湿剤とを配合した化粧料が記載され、皮膚にはり・緊張感を与えるとともに、皮膜が剥離しにくく、洗い流し性が良好であるとされている。
しかしながら、上記従来の化粧料は、肌へののびが悪い、あるいは塗布後べたつきが生じる等の問題があり、皮膚のはりやしわ改善効果も十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−143477号公報
【特許文献2】特開2004−149463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みなされたものであり、その目的は、皮膚のはり・しわ改善効果に優れ、かつ肌へののびが良く、べたつきを生じない水中油型乳化皮膚化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者が鋭意検討を行った結果、増粘剤として、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸及び/又はその誘導体を含むポリマーを用い、はり及びしわ改善成分として、非乳化性架橋型シリコーンおよび球状シリコーン微粒子を配合することにより、水中油型の化粧料としたときに、皮膚のはり・しわ改善効果に優れ、かつべたつかず、肌へののびが良い皮膚化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記の(a)〜(c)の成分:
(a)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸およびその誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を構成単位として含むホモポリマー、コポリマー、クロスポリマー、またはこれらの混合物、
(b)非乳化性架橋型シリコーン、及び
(c)球状シリコーン微粒子を含有する水中油型乳化皮膚化粧料を提供する。
【0008】
本発明の皮膚化粧料にあっては、前記成分(b)非乳化性架橋型シリコーンに対する成分(c)球状シリコーン粒子の質量比(成分(c)/成分(b))を1.2〜2.0の範囲内にするのが好ましい。
また、本発明の皮膚化粧料は、前記成分(a)〜(c)に加えて、(d)疎水性会合剤及び/又は(e)球状シリカを更に含有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の水中油型皮膚化粧料は、皮膚のはり・しわ改善効果に優れ、かつべたつかず、肌へののびが良い。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の皮膚化粧料に配合される成分(a)は、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(以下、「AMPS」という)、アクリル酸およびその誘導体の中から選ばれる1種または2種を構成単位として含むホモポリマー、コポリマー、クロスポリマー、若しくはそれらの混合物である。成分(a)として用いられるポリマーの具体例としては、例えば、ビニルピロリドン/AMPS共重合体、ジメチルアクリルアミド/AMPS共重合体、アクリル酸アミド/AMPS共重合体、メチレンビスアクリルアミドでクロスリンクさせたジメチルアクリルアミド/AMPSのクロスポリマー、ポリアクリル酸アミドとポリアクリル酸ナトリウムの混合物、アクリル酸ナトリウム/AMPS共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/AMPS共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸アミド/アクリル酸アンモニウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体などが挙げられ、これらの1種又は2種以上の混合物を使用できる。
【0011】
本発明における成分(a)として、市販品をそのまま使用することもできる。具体例を挙げると、AMPSのホモポリマーとしては、Hostacerin AMPS(Clariant社製)、Simulgel 800(SEPIC社製)、ビニルピロリドン/AMPS共重合体としては、Aristoflex AVC(Clariant社製)、アクリル酸アミド/AMPS共重合体としては、SEPIGEL 305(SEPIC社製)、SIMLGEL 600(SEPIC社製)、ジメチルアクリルアミド/AMPSのクロスポリマーとしては、Supolymer G-1(東邦化学(株)社製)、ポリアクリル酸アミドとポリアクリル酸ナトリウムの混合物としては、SEPIGEL 501(SEPIC社製)、アクリル酸ナトリウム/AMPS共重合体としては、SIMULGEL EG(SEPIC社製)、アクリル酸ヒドロキシエチル/AMPS共重合体としては、SIMULGEL NS(SEPIC社製)、SIMULGEL FL(SEPIC社製)、SEPINOV EMT 10(SEPIC社製)、ポリアクリル酸アンモニウムとしては、SIMULGEL A(SEPIC社製)、ポリアクリル酸アミド/アクリル酸アンモニウム共重合体としては、SEPIPLUS 265(SEPIC社製)、アクリル酸アミド/アクリル酸ナトリウム共重合体としては、Cosmedia ATC(Cognis社製)等である。
【0012】
本発明の皮膚化粧料における成分(a)の配合量は、化粧料全量に対して、0.1〜1.0質量%とするのが好ましい。0.1%未満では、分離、油浮き、乳化破壊、凝集といった現象を引き起こしやすく、安定性の点から好ましくなく、一方、1.0質量%を超えて配合しても本発明の効果を増強するものではなく、却ってべたつきを感じさせる一因となり得るからである。
【0013】
本発明の皮膚化粧料に配合される成分(b)は非乳化性架橋型シリコーンである。本発明で用いられる非乳化性架橋型シリコーン(成分(b))としては、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー」という)、部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマー」という)およびメチルハイドロジェンポリシロキサンとアルケンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ジメチコンクロスポリマー」という)、メチルハイドロジェンポリシロキサンとフェニルビニルジメチコンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー」という)からなる群より選択される1種または2種以上であることが好ましい。
前記ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマーの原料となる部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンにおいては、その長鎖アルキルの炭素数は10〜18であることが好ましい。
【0014】
前記ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーには、INCI名ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーあるいはポリシリコーン−11と称されるものが該当する。また、ジメチコンクロスポリマーには、INCI名ジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。また、ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマーのうち、ラウリル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、「ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー」という)には、INCI名ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。
【0015】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、非乳化性架橋型シリコーン(成分(b))を水中油型乳化皮膚化粧料全量中0.5〜5.0質量%含有することが好ましい。含有量が0.5質量%未満では本発明の効果が十分に得られにくく、また、5.0質量%を超えて配合しても効果の増強はみられず、却ってべたつきを生じさせる一因になり得る。
【0016】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料を調製するに際して、非乳化性架橋型シリコーン(成分(b))を、液状油分で膨潤された膨潤物(ゲル状組成物)として配合することが好ましい。これにより、優れた効果を有する水中油型乳化皮膚化粧料を安定に調製することができる。
この場合の液状油分としては、例えば液状シリコーン油、液状炭化水素油、液状エステル油、液状高級脂肪酸などが挙げられ、特に、常温(25℃)で低粘度、例えば、100mPa・s以下の液状油分が好ましい。好ましい粘度範囲は、1〜100mPa・sである。
【0017】
本発明における好ましい配合形態である非乳化性架橋型シリコーン液状膨潤物において、非乳化性架橋型架橋型シリコーンと液状油の混合の比率は質量比で、5〜40:95〜60が好適である。この範囲において、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料にとって好適な膨潤物となる。
【0018】
非乳化性架橋型シリコーン(成分(b))は、液状油膨潤物の形態で市販されている。本発明では、その市販品を用いることも可能であり、市販品の例としては、以下のようなものが挙げられる。
INCI名ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーあるいはポリシリコーン−11と称されるものの膨潤物として、KSG−15((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、シクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は約5%)、KSG−16((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、ジメチコン6mPa・sの混合物で架橋物は約25%)、KSG−18((ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、フェニルトリメチコンの混合物で架橋物は約15%)(以上、信越化学工業株式会社製)、GRANSIL GCM(ポリシリコーン−11とオクタメチルシクロテトラシロキサンの混合物で架橋物は約6%)、GRANSIL GCM−5(ポリシリコーン−11とデカメチルシクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は約6%)、GRANSIL IDS(ポリシリコーン−11とイソデカンの混合物で架橋物は約7%)、GRANSIL DMG−6(ポリシリコーン−11とジメチコン6mPa・sの混合物で架橋物は約18%)、GRANSIL DMG−20(ポリシリコーン−11とジメチコン20mPa・sの混合物で架橋物は約25%)、GRANSIL DMG−50(ポリシリコーン−11とジメチコン50mPa・sの混合物で架橋物は約26%)、GRANSIL PM(ポリシリコーン−11とフェニルトリメチコンの混合物で架橋物は約20%)、GRANSIL ININ(ポリシリコーン−11とイソノナン酸イソノニルの混合物で架橋物は約15%)(以上、GRANT社製)等が挙げられる。
【0019】
また、INCI名ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーと称されるものの膨潤物として、KSG−41((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、流動パラフィンの混合物で架橋物は約30%)、KSG−42((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、軽質イソパラフィンの混合物で架橋物は約25%)、KSG−43((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリルの混合物で架橋物は約30%)、KSG−44((ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、スクワランの混合物で架橋物は約5%)(以上、信越化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0020】
また、INCI名アルキル(C30-45)セテアリルジメチコンクロスポリマーと称されるものの膨潤物として、VELVESIL 125(アルキル(C30-45)セテアリルジメチコンクロスポリマー、シクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は約12.5%)、VELVESIL Plus(アルキル(C30-45)セテアリルジメチコンクロスポリマー、シクロペンタシロキサン、PEG/PPG-20/23ジメチコン5mPa・sの混合物で架橋物は約20%)、セテアリルジメチコンクロスポリマーと称されるものの膨潤物として、VELVESIL DM(セテアリルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン5mPa・sの混合物で架橋物は約17%)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
【0021】
さらに、INCI名ジメチコンクロスポリマーと称されるものの膨潤物として、DC9040(ジメチコンクロスポリマー、デカメチルシクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は12%)、DC9041(ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン5mPa・sの混合物で架橋物は16%)、DC9045(ジメチコンクロスポリマー、デカメチルシクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は12.5%)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
【0022】
本発明の皮膚化粧料に配合される成分(c)は、球状シリコーン粒子である。本発明で用いられる球状シリコーン粒子は、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー及び/又はポリメチルシルセスキオキサンであるのが好ましい。また、これらは、オイルを含有しているものでも、被覆されているものでもよい。
本発明に用いられる球状シリコーン粒子は、5μm以下のものが好ましい。
【0023】
本発明に用いられる球状シリコーン粒子(成分(c))は、市販されているものを使用することも可能であり、市販品の例としては、INCI名(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーと称されるものとして、トレフィルE-506S(粒径4μm)、オイル含有として、トレフィルE-508(粒径4μm、ジメチコン100mPa・sを30%含有)、シリカ被覆タイプとして、9701 Cosmetic Powder(粒径4μm)、EP-9215 Cosmetic Powder(粒径4μm、)、酸化チタン被覆タイプとして、EP-9261 TI Cosmetic Powder(粒径4μm)、アルミナ被覆タイプとして、EP-9293 AL Cosmetic Powder(粒径4μm)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。また、INCI名ポリメチルシルセスキオキサンと称されるものとしては、TOSPEARL 120A(粒径2μm)、TOSPEARL 145A(粒径4.5μm)(以上、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)等が挙げられる。
【0024】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料は、上記球状シリコーン粒子を水中油型乳化皮膚化粧料全量中0.5〜5.0質量%含有することが好ましい。含有量が0.5質量%未満では本発明の効果が十分に得られにくく、また、5.0質量%を超えて配合しても効果の増強はみられず、却ってべたつきを生じる一因ともなり得る。
【0025】
本発明の水中油型皮膚化粧料においては、成分(b)非乳化性架橋型シリコーンに対する成分(c)球状シリコーン粒子の質量比(成分(c)/成分(b))を、1.2〜2.0の範囲とするのが好ましい。1.2未満では、しわ改善効果を十分に発揮できず、2.0を超えると、はり改善効果を十分に感じないようになり、かえって粒子特有の「よれ」を生じる場合があるからである。
【0026】
本発明の水中油型皮膚化粧料は、上記必須成分(a)から(c)に加えて、疎水性会合増粘剤(成分(d))を更に含有することにより、しわ・はり改善効果が一層増強される。
本発明に用いられる疎水性会合増粘剤(成分(d))としては、下記の一般式(1):
【化1】

[式中R、R及びRは、それぞれ独立に炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基、芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnはそれぞれ独立に0〜1000の範囲の整数である]で表される疎水変性ポリエーテルウレタン、及び/又は
下記(1)〜(3):
(1)アクリル酸又はメタクリル酸
(2) アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル
(3) アクリル酸またはメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル
を構成モノマーとして含むアクリル系ポリマーであるのが好ましい。
【0027】
本発明に用いられる疎水変性ポリエーテルウレタンは、上記の一般式(1)で示されるものであるが、一般式(1)において、R1は、炭化水素基を表すが、R1−(OH)mで表されるポリオールの残基であることが好ましい。
また、一般式(1)のR2、R4は、それぞれ独立に炭化水素基を表すが、炭素数2〜4のアルキレン基又はフェニルエチレン基であることが好ましい。
また、一般式(1)のR3は、ウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表すが、R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートの残基であることが好ましく、また、R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン結合を有するポリイソシアネートであることが好ましい。
【0028】
また、一般式(1)のR5は直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基、芳香族炭化水素基を表すが、直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基の場合は、その炭素数は8〜36が好ましい。また、フッ化炭素基の場合は、炭素数4〜24の直鎖、分枝鎖及び/または2級のフッ化炭素基であることが好ましい。また、アルキルシリコーン基の場合は、分子量200以上のアルキルシリコーン、より好ましくは分子量500以上のジメチルシリコーンであることが好ましい。さらに、芳香族炭素基の場合は、炭素数10以上の芳香族炭素基が好ましく、より好ましくはコレステロール、コレスタノール、フィトステロール、フィトスタノールとこれらの誘導体から選ばれる基であることが好ましい。
【0029】
一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R1−[(O−R2)k−OH]mで表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R3−(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートとHO−(R4−O)n−R5で表される1種または2種以上のポリモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。この場合、一般式(2)中のR1〜R5は、用いるR1−[(O−R2)k−OH]m、R3−(NCO)h+1、HO−(R4−O)n−R5により決定される。3者の仕込み比は、特に限定されないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。
【0030】
前記R1−[(O−R2)k−OH]mで表されるポリエーテルポリオール化合物は、m価のポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することによりできる。
ここで、m価のポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリトリット、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
【0031】
また、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等により、R2が決定され、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2〜4のアルキレンオキサイドあるいはスチレンオキサイドが好ましい。
付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であって良い。付加の方法は通常の方法であって良い。また、重合度kは、0〜1,000であり、好ましくは1〜500、更に好ましくは10〜50が良い。また、R2に占めるエチレン基の割合が、好ましくは全R2の50〜100重量%であることが好ましい。
また、R1−[(O−R2)k−OH]mの分子量は500〜100,000のものが好ましく、1,000〜50,000のものが特に好ましい。
【0032】
前記R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0033】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0034】
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0035】
トリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
【0036】
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられても良く、また、アミンと反応させてビウレットとして用いても良い。さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R3−(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0037】
前記HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコールは、最終的に疎水変性ポリエーテルウレタン構造中の親水性連鎖部分によって分離された少なくとも2つの疎水基にあたり、1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。
このような化合物は、例えば1価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等を付加重合することにより得ることができる。
【0038】
前記1価アルコールの残基であるR5としては、最終的な疎水変性ポリエーテルウレタン構造中で疎水基として働く基であれば特に限定されず、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、芳香族炭化水素等の炭化水素、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
【0039】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0040】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素としては、例えば、コレステロール、コレスタノール、フィトステロール、フィトスタノール及びこれらの誘導体等が挙げられる。芳香族炭化水素は、水溶媒中では疎水性相互作用のみならずπ-π相互作用により、非常に強く会合する性質を有するため疎水変性ポリエーテルウレタンの材料として好適である。
【0041】
フッ化炭素基としては、例えば、ヘプタデカフルオロ−n−デカノール等が挙げられる。
アルキルシリコーン基としては、構造中に水酸基を一つもつアルキルシロキサンのアルコール残基である。なお、アルキル基の一部がフッ化炭素基に置換されても構わない。前記水酸基含有アルキルシロキサンは、市販品を用いることも可能であり、市販品としては、例えばサイラプレーンFM0411、同FM0421、同FM0425(以上、チッソ社製)等が挙げられる。水酸基含有アルキルシリコーンとして好ましくは分子量が200以上、より好ましくは分子量500以上のものが好適である。
また、ポリエーテルモノアルコールにおいて、付加させるアルキレンオキサイド、スチレンオキサイド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度nは0〜1,000であり、好ましくは1〜200、更に好ましくは10〜50である。また、R4に占めるエチレン基の割合は、好ましくは全R4の50〜100質量%、さらに好ましくは、65〜100質量%であると、本発明の目的に好ましい疎水変性ポリエーテルウレタンが得られる。
【0042】
前記の一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンの製造にあたっては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応で得ることができる。また、特公平9−71766号公報の方法に準じて製造することができる。例えば、ポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとポリモノアルコールとを、80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応させることにより得ることができる。
【0043】
なお、例えば、前記R1−[(O−R2)k−OH]mで表されるポリエーテルポリオール(a)と、前記R3−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(b)と、前記HO−(R4−O)n−R5で表されるポリエーテルモノアルコール(c)とを反応させる場合には、一般式(1)の構造の化合物以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては一般式(2)で表されるc−b−a−b−c型の化合物が生成するが、その他、c−b−c型、c−b−(a−b)−a−b−c型等の化合物が副生することがある。この場合、特に一般式(1)型の化合物のみを分離することなく、一般式(1)型の化合物を含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
【0044】
また、本発明に係る疎水変性ポリエーテルウレタン中には、さらに尿素、エーテル、エステル、アミド結合などがポリマー中に形成されても構わない。
本発明の疎水変性ポリエーテルウレタンは、市販品を用いることが可能であり、市販品の例としては、例えば、アデカノールUH140S、同UH−420、同UH−438、同UH−750、同GT−700(以上、旭電化工業社製)、Serad−FX1100、同FX1010、同1035(以上、HULS社製)、Rheolate205、同208、同204、同225、同278、同244(以上、Rheox社製)、DW1206F、同1206J、同1206G(以上、Rohm&Haas社製)、Dapral−T212(Akzo社製)、Borchigel−LW44、同L75N(以上、Borchers社製)等が挙げられる。
【0045】
また、本発明に用いられるもう一つの疎水性会合増粘剤(成分(d))であるアクリル系ポリマーは、例えば、INCI名で、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−50メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体等が挙げられ、アキュリン22、アキュリン28等の商品名で水分散液(ポリマーエマルジョン)として市販されている(ローム&ハース社製)。
これらのアクリル系ポリマーの中で、べたつきのなさの点で、特に、アキュリン22(アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体)が好適である。
【0046】
アキュリン22は、メタクリル酸と、アクリル酸エチルと、メタクリル酸と、ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテルとのエステルの共重合体の水分散液である。
前記アクリル系ポリマーの水分散液は、必要に応じて水等で希釈し、アルカリ剤を添加して中和することにより増粘する。よって、本発明の水中油型皮膚化粧料のpHは6〜7.5の範囲であることが好適である。
その細に使用される中和用のアルカリ剤としては、特に限定されず、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の無機塩基、トリエタノールアミンやイソプロパノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基を用いることができる。
【0047】
本発明の水中油型皮膚化粧料中、上記疎水性会合増粘剤の配合量は、0.01〜3.0質量%である。0.01%未満では、はり・しわ改善効果が十分に発揮されず、3.0質量%を超えると、肌へののびなどの使用性が悪くなる場合があるからである。
上記アクリル系ポリマーの増粘作用は、主として、ポリマー鎖から分岐しているPOE鎖先端のアルキル基による疎水作用と、カルボキシル基による静電反発作用によるものであると考えられる。
【0048】
本発明の水中油型皮膚化粧料においては、球状シリカ(成分(e))を配合すると、しわ・はり改善効果が更に増強される。
本発明で用いられる球状シリカは、真球上の多孔質、無孔質のものが共に用られる。粒径としては、平均粒径5μm以下のものが好ましい。平均粒径5μmを超えると、使用性の面で「よれ」を生じるようになるからである。具体例としては、多孔性のものとしては、SUNSPHERE H-31(平均粒径3μm)、H-51(平均粒径5μm)、H-32(平均粒径3μm)、H-52(平均粒径5μm)、H-33(平均粒径3μm)、H-53(平均粒径5μm)、L-31(平均粒径3μm)、L-51(平均粒径5μm)等が挙げられ、無孔質のものとしては、NP-30(平均粒径3μm)等が挙げられる。
【0049】
本発明の水中油型皮膚化粧料に球状シリカ(成分(e))を配合する場合、その配合量は、0.1〜5.0質量%、好ましくは、0.5〜3.0質量%である。0.1質量%未満では、はり・しわ改善効果が発揮されず、5.0質量%を超えると、白さが目立ち、また、塗布時に「よれ」を生じるようになるからである。
【0050】
本発明においては、必須成分(a)、(b)及び(c)を含む水中油型乳化皮膚化粧料を調整することにより、使用時にべたつかず、皮膚に対してのびやなじみがよく、塗布後においてもべたつかず、感触が良好で、うるおい感、しっとり感に優れ、かつ皮膚のはり・しわ改善に優れた化粧料が得られる。
【0051】
本発明の水中油型乳化皮膚化粧料には、上記必須成分(a)から(c)及び成分(d)及び(e)に加えて、通常、化粧料等の外用組成物に配合され得る成分を、本発明の所期の効果を損なわない限りにおいて配合することができる。
前記任意配合成分としては、例えば、前記以外の油分、粉末成分、色素、前記以外の界面活性剤、保湿剤、前記以外の高分子、前記以外の増粘剤、低級アルコール、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、糖類、各種抽出液、薬剤、アミノ酸類、有機アミン類、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、香料、水等が挙げられる。
【0052】
任意配合成分のうち、低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等がある。ステロールとしては、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等が挙げられる。
【0053】
粉末としては、タルク、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、セリサイト、パーミキュライト、カオリン、二酸化チタン、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆タルク、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、着色酸化チタン被覆雲母等のパール顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、群青、紺青等の無機青色系顔料、亜鉛華、ベントナイト、硫酸バリウム、金属石鹸、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、アルミナ、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素、シリカ、ナイロンパウダー、ゼオライト、ベンゾグアナミンパウダー、四弗化エチレンパウダー、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、セルロースパウダー等が挙げられる。
【0054】
前記以外の油分としては、スクワラン、流動パラフィン、イソパラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシン、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、2−オクチルドデシルガムエステル、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサネート、トリイソオクタン酸グリセライド、2−オクチルドデシルオレエート、イソプロピルミリステート、トリイソステアリン酸グリセライド、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、オリーブ油、アボガド油、ミツロウ、ミリスチルミリステート、ミンク油、ラノリン、ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコーンレジン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等の各種炭化水素、高級脂肪酸、油脂類、エステル類、ロウ類、シリコーンオイル等が挙げられる。
【0055】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル、サリチル酸ホモメチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、〔4−ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリル−3−メチルブチル〕−3,4,5−トリメトキシケイ皮酸エステル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4’−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0056】
金属イオン封鎖剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム等が挙げられる。中和剤としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール等が挙げられる。
【0057】
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン、アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸、アラントイン、グリチルレチン酸、アズレン酸の抗炎症剤等が挙げられる。アスコルビン酸系美白剤として、L―アスコルビン酸、L−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステル、dl−α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステル等のアスコルビン酸無機塩エステル類;L−アスコルビン酸モノステアレート、L−アスコルビン酸モノパルミテート、L−アスコルビン酸モノオレエート等のアスコルビン酸モノアルキルエステル類;L−アスコルビン酸ジステアレート、L−アスコルビン酸ジパルミテート、L−アスコルビン酸ジオレエート等のアスコルンビン酸ジエステル類;L−アスコルビン酸トリステアレート、L−アスコルビン酸トリパルミテート、L−アスコルビン酸トリオレエート等のアスコルビン酸トリエステル類;2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸等のアスコルビン酸−2−グリコシド等が挙げられる。
【0058】
これらアスコルビン酸及びその誘導体は、塩として配合することが多く、このような塩としては、アルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属塩である。
また、アルコキシサリチル酸系美白剤の例としては、例えば特開平6−40886号記載のものが挙げられる。具体例としては、3−メトキシサリチル酸、3−エトキシサリチル酸、4−メトキシサリチル酸、4−エトキシサリチル酸、4−プロポキシサリチル酸、4−イソプロポキシサリチル酸、4−ブトキシサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、5−エトキシサリチル酸、5−プロポシキサリチル酸、あるいはこれらの塩が挙げられる。塩はアルカリ金属塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類金属塩(Ca塩、Mg塩等)、アンモニウム塩、アルカノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属塩である。
【0059】
なお、本発明の水中油型乳化皮膚化粧料において、塩型美白剤を用いる場合、塩の形にしてから配合してもよいし、アルカリ剤により組成物中で中和してもよい。このような塩型美白剤中和用のアルカリ剤としては、塩形成可能なものであれば特に限定されない。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;クエン酸ナトリウム、リンゴ酸カリウム、乳酸ナトリウム等の有機酸塩、リシン等のアミノ酸等が挙げられる。このうち、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物である。
さらに、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等が挙げられる。
【0060】
各種の抽出液としては、アセンヤクエキス、ブナノメエキス、ウコンエキス、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、カロットエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハマメリス抽出液、プラセンタエキス、胸線抽出物、シルク抽出液等が挙げられる。また、上記薬物は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
【実施例】
【0061】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。配合量は特に断らない限り質量%である。まず、各実施例及び比較例に用いた安定性試験及び実使用テストについて説明する。
[はり・しわ改善効果]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布5時間後のはり・しわ改善効果について官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、はり・しわ改善効果があると回答
B: 7〜9名が、はり・しわ改善効果があると回答
C: 6〜8名が、はり・しわ改善効果があると回答
D:3〜5名が、はり・しわ改善効果があると回答
E:2名以下が、はり・しわ改善効果があると回答
【0062】
[保湿効果]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布後の肌のうるおい感(保湿効果)について官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、うるおい感があると回答
B: 7〜9名が、うるおい感があると回答
C: 6〜8名が、うるおい感があると回答
D:3〜5名が、うるおい感があると回答
E:2名以下が、うるおい感があると回答
【0063】
[べたつき]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布後の肌のべたつきについて官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、べたつきがないと回答
B: 7〜9名が、べたつきがないと回答
C: 6〜8名が、べたつきがないと回答
D:3〜5名が、べたつきがないと回答
E:2名以下が、べたつきがないと回答
【0064】
[肌へののび]
10名の専門パネラーの顔面に各試料を塗布し、塗布時の肌へののびについて官能評価を行った。
(評価基準)
A: 10名全員が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
B: 7〜9名が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
C: 6〜8名が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
D:3〜5名が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
E:2名以下が、のびが軽く、なめらかな使用性を有すると回答
【0065】
(製造例)
実施例で使用する成分(d)(疎水変性ポリエーテルウレタン)を、下記の表1に示した原料を用いて製造した(製造例1〜3)。
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容器1,000mLの4つ口フラスコにポリエチレングリコール(PEG)(数平均分子量約11,000)(R1−[(O−R2)−OH]に相当)を550部、2−ドデシルアルコールのエチレンオキサイド(EO)20モル付加物(HO−(R4−O)−R5に相当)を198部仕込み、次いで、80℃に冷却しヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)(R3−(NCO)h+1に相当)29.6部を加え、窒素気流下80〜100℃に2時間反応させ、イソシアネートが0%であることを確認し、常温で淡黄色固体の反応生成物を得た。
【0066】
【表1】

【0067】
(実施例)
下記の表2に示す組成の水中油型皮膚化粧料(実施例1〜9)を、次のようにして調製した。70℃に加温した(1)〜(7)および(21)(24)〜(26)の水相に、70℃に加温した(8)〜(20)(22)(27)の油相を添加し、ホモジナイザーにて乳化する。次いで、(23)を添加してホモジナイザーで均一に分散して、目的の水中油型乳化皮膚化粧料を得た。
【0068】
得られた各実施例のサンプルについて、前記安定性試験及び実使用テストを実施した。それらの結果も表2に合わせて示す。
【0069】
【表2】

*1:商品名;Supolymer G-1、東邦化学(株)社製
*2:商品名;Aculyn 22(実分30%)、Rhom&Haas社製
*3:商品名;SUNSPHERE L-51、旭硝子(株)社製
*4:商品名;TOSPEARL 145A、MOMENTIVE performance materials社製
*5:商品名;9041 Silicone Elastomer Blend(実分16%)、東レ・ダウコーニング(株)社製
【0070】
表2に示した結果から明らかなように、成分(a)、(b)及び(c)を全て配合した実施例1は、はり・しわ改善効果、保湿効果、べたつきのなさ、肌へののびに優れていた(全ての評価結果がA又はBであった)。また、成分(c)/(b)の質量比=1.2以上である実施例2は、その値が1.2以下である実施例1に比較して、はり・しわ改善効果が更に向上した。
成分(a)〜(c)に成分(d)を更に加えた実施例3は、はり・しわ改善効果はもとより、保湿効果がさらに向上した。成分(a)〜(c)に、成分(e)を更に加えて構成される実施例4及び6は、成分(a)〜(c)を含有得る実施例1及び2に比較して、べたつきのなさが特に改善された。成分(a)〜(e)のすべてを含有する実施例5、7、8及び9は、はり・しわ改善効果、保湿効果、べたつきのなさ、肌へののびの全ての項目において、最高レベルの評価結果が得られた。
【0071】
(比較例)
下記の表3に示す組成の水中油型皮膚化粧料(比較例1〜9)を、前記実施例と同様の製造方法に従って調製した。
得られた各比較例のサンプルについて、前記安定性試験及び実使用テストを実施した。それらの結果も表3に合わせて示す。
【0072】
【表3】

【0073】
表3に示した結果から明らかなように、本発明の必須成分である成分(a)、(b)又は(c)のいずれか1つを欠いた比較例1〜9は、はり・しわ改善効果、保湿効果、べたつきのなさ、肌へののびのいずれかの項目が劣っていた(評価がC以下であった)。
【0074】
実施例10.スキンクリーム(全顔用)
(配合成分) (質量%)
(1)1,3−ブチレングリコール 5.0
(2)グリセリン 3.0
(3)成分(a)
(アクリル酸Na/AMPS)共重合体 1.0
(商品名:SIMULGEL EG、SEPIC社製)
(4)架橋型ポリ−γ−グルタミン酸 3.0
(5)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(40EO) 1.5
(商品名:NIKKOL MYS-40V、日光ケミカルズ(株)社製)
(6)モノステアリン酸グリセリル(自己乳化型) 2.5
(商品名:NIKKOL MGS-ASE、日光ケミカルズ(株)社製)
(7)水添ポリイソブテン 5.0
(8)メドウフォーム油 2.0
(9)ジメチルポリシロキサン5mPa・s 3.0
(10)ステアリルアルコール 0.8
(11)ベヘニルアルコール 1.5
(12)セタノール 2.0
(13)ミリスチン酸ミリスチル 1.0
(14)成分(c)
(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー 2.5
(商品名:トレフィルE-506S、東レ・ダウコーニング株式会社製)
(15)成分(b)
ジメチコンクロスポリマー/ジメチルポリシロキサン5mPa・s混合物 12.0
(商品名;9041 Silicone Elastomer Blend(実分16%)、
東レ・ダウコーニング(株)社製)
(16)成分(d)
製造例2の疎水変性ポリエーテルウレタン 0.3
(17)成分(d)
アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体 0.1
(商品名:Aculyn 28(実分20%)、Rhom&Haas社製)
(18)水酸化カリウム 0.05
(19)パラベン 0.1
(20)エデト酸塩 0.01
(21)香料 0.1
(22)精製水 残余
【0075】
この実施例における成分(c)/成分(b)の質量比は1.3であり、本発明の必須成分(a)、(b)及び(c)を含み、さらに好ましい成分(d)を含んだ実施例である。
(製法)
(1)〜(4)、(16)〜(20)(22)を均一に混合溶解・分散して70℃に加温した水相に、(5)〜(14)(21)を70℃に加温して均一に溶解・分散した油相を徐添してホモジナイザーにて乳化する。次いで、(15)を添加して、ホモイジナイザーで均一に分散して、目的のスキンクリーム(全顔用)を得た。
得られたスキンクリーム(全顔用)は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、かつ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0076】
実施例11.スキンクリーム(目元用)
(配合成分) (質量%)
(1)流動パラフィン 2.0
(2)イソドデカン 2.0
(3)デカメチルシクロペンタシロキサン 3.0
(4)2−エチルヘキサン酸イソノニル 2.0
(5)成分(b)
(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー/
イソドデカン混合物 7.0
(商品名:KSG−42(実分25%)、信越化学工業(株)社製)
(6)成分(c)
ポリメチルシルセスキオキサン 3.5
(商品名:TOSPEARL 120A、MOMENTIVE performance materials社製)
(7)モノステアリン酸グリセリル(自己乳化型) 1.5
(商品名:EMALEX GMS-ASE、日本エマルジョン(株)社製)
(8)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(30EO) 2.5
(商品名:EMALEX 830、日本エマルジョン(株)社製)
(9)モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(8EO) 0.5
(商品名:EMALEX PEIS-8EX、日本エマルジョン(株)社製)
(10)セチルアルコール 2.5
(11)バチルアルコール 1.5
(12)ホホバ油 4.0
(13)成分(d)
製造例3の疎水変性ポリエーテルウレタン 0.7
(14)成分(e)
球状シリカ 2.0
(商品名:SUNSPHERE L-31、旭硝子(株)社製)
(15)香料 0.1
(16)精製水 残余
(17)1,3−ブチレングリコール 3.0
(18)グリセリン 10.0
(19)アスコルビン酸グルコシド 2.0
(20)パラベン 0.15
(21)エタノール 3.0
(22)水酸化ナトリウム 0.1
(23)ビニルピロリドン/AMPS共重合体 0.4
(商品名:ARISTOFLEX AVC、CLARIANT社製)
(24)クエン酸 0.09
(25)クエン酸ナトリウム 0.01
【0077】
この実施例における成分(c)/成分(b)の質量比は2.0であり、本発明の必須成分(a)、(b)及び(c)を含み、さらに好ましい成分(d)及び(e)を含んだ実施例である。
(製法)
(13)(14)(16)〜(25)を均一に混合溶解・分散して70℃に加温した水相に、(1)〜(4)、(6)〜(12)(15)を70℃に加温して均一に溶解・分散した油相を徐添してホモジナイザーにて乳化する。次いで、(5)を添加して、ホモイジナイザーで均一に分散して、目的のスキンクリーム(目元用)を得た。
得られたスキンクリーム(目元用)は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、かつ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。
【0078】
実施例12.スキンクリーム(全顔用)
(配合成分) (質量%)
(1)ジメチルポリシロキサン6mPa・s 4.0
(2)イソヘキサデカン 1.0
(3)2−エチルヘキサン酸2−エチルヘキシル 2.0
(4)モノステアリン酸グリセリル 0.5
(商品名:EMALEX GMS-2E、日本エマルジョン(株)社製)
(5)モノステアリン酸ポリエチレングリコール(55EO) 2.0
(商品名:NIKKOL MYS-55V、日光ケミカルズ(株)社製)
(6)セトステアリルアルコール 2.0
(7)バチルアルコール 2.0
(8)香料 0.1
(9)成分(b)
(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー/
ジフェニルシロキシフェニルトリメチコンの混合物 11.0
(商品名:KSG-18A(実分15%)、信越化学工業(株)社製)
(10)成分(c)
ポリメチルシルセスキオキサン 2.0
(商品名;TOSPEARL 145A、MOMENTIVE performance materials社製)
(11)精製水 残余
(12)ジプロピレングリコール 3.0
(13)1,3−ブチレングリコール 2.0
(14)グリセリン 5.0
(15)トラネキサム酸 2.0
(16)成分(a)
ジメチルアクリルアミド/AMPSのクロスポリマー 0.5
(商品名;Supolymer G-1、東邦化学(株)社製)
(17)成分(d)
疎水変性ポリエーテルウレタン 0.5
(商品名:アデカノールGT−700、旭電化工業(株)社製)
(18)成分(d)
アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体 0.1
(商品名:Aculyn 22(実分30%)、Rhom&Haas社製)
(19)4−メチルサリチル酸カリウム 1.0
(20)ジュウヤクエキス 0.1
(21)緑茶エキス 0.1
(22)パラベン 0.1
(23)クエン酸 0.09
(24)クエン酸ナトリウム 0.01
(25)成分(e)
球状シリカ 1.0
(26)水酸化カリウム 0.3
【0079】
この実施例における成分(c)/成分(b)の質量比は1.2であり、本発明の必須成分(a)、(b)及び(c)を含み、さらに好ましい成分(d)及び(e)を含んだ実施例である。
(製法)
(11)〜(26)を均一に混合溶解・分散して70℃に加温した水相に、(1)〜(8)(10)を70℃に加温して均一に溶解・分散した油相を徐添してホモジナイザーにて乳化する。次いで、(5)を添加して、ホモイジナイザーで均一に分散して、目的のスキンクリーム(全顔用)を得た。
得られたスキンクリーム(全顔用)は、はり・しわ改善効果、保湿効果に優れ、かつ肌へののびが良く、べたつきが生じないものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(a)〜(c)の成分:
(a)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アクリル酸およびその誘導体の中から選ばれる1種または2種以上を構成単位として含むホモポリマー、コポリマー、クロスポリマー、またはこれらの混合物、
(b)非乳化性架橋型シリコーン、及び
(c)球状シリコーン微粒子
を含有することを特徴とする水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項2】
前記成分(b)非乳化性架橋型シリコーンに対する前記成分(c)球状シリコーン粒子の質量比(成分(c)/成分(b))が1.2〜2.0の範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項3】
疎水性会合増粘剤(成分(d))を更に含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項4】
球状シリカ(成分(e))を更に含有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項5】
前記成分(a)が、ビニルピロリドン/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸アミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、メチレンビスアクリルアミドでクロスリンクさせたジメチルアクリルアミド/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のクロスポリマー、ポリアクリル酸アミドとポリアクリル酸ナトリウムの混合物、アクリル酸ナトリウム/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸共重合体、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリルアミド/アクリル酸アンモニウム共重合体、アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体の中から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項6】
前記成分(b)の非乳化性架橋型シリコーンが、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー、部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー及びメチルハイドロジェンポリシロキサンとアルケンとの反応によるクロスポリマーより選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項7】
前記成分(c)の球状シリコーンが、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーおよび/またはポリメチルシルセスキオキサンであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項8】
前記成分(d)の会合性増粘剤が下記の一般式(1):
【化1】

[式中R、R及びRは、それぞれ独立に炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよい炭化水素基を表し、Rは直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基、フッ化炭素基、アルキルシリコーン基、芳香族炭化水素基を表し、mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnはそれぞれ独立に0〜1000の範囲の整数である]で表される疎水変性ポリエーテルウレタン、及び/又は
下記(1)〜(3):
(1)アクリル酸又はメタクリル酸
(2)アクリル酸アルキルまたはメタクリル酸アルキル
(3)アクリル酸またはメタクリル酸と、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステルを構成モノマーとして含むアクリル系ポリマー
であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項9】
前記一般式(1)の疎水変性ポリエーテルウレタンにおいて、R及びRが、それぞれ独立に炭素数2〜4のアルキレン基、またはフェニルエチレン基であることを特徴とする、請求項8に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項10】
前記一般式(1)の疎水性ポリエーテルウレタンにおいて、Rが炭素数8〜36の直鎖、分岐鎖又は2級の炭化水素基または炭素数4〜24の直鎖、分岐鎖または2級の炭化水素基または炭素数4〜24の直鎖、分岐鎖または2級のフッ化炭素基であることを特徴とする、請求項8又は9に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項11】
前記一般式(1)の疎水性変性ポリエーテルウレタンが、R−[(O−R−OH]で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R−(NCO)h+1で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R−O)−Rで表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールの反応物であることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項12】
前記R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートが、2〜8価のポリオールと、2〜4価のポリイソシアネートを反応させて得られるウレタン結合を有するポリイソシアネートであることを特徴とする請求項11記載の水中油型乳化皮膚化粧料。
【請求項13】
前記成分(d)のアクリル系ポリマーが、アクリレート/セテス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ステアレス−50メタクリレート、アクリレート/ステアレス−20メタクリレート共重合体、アクリレート/ベヘネス−25メタクリレート共重合体から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項8〜から12のいずれか一項に記載の水中油型乳化皮膚化粧料。

【公開番号】特開2011−20966(P2011−20966A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−168540(P2009−168540)
【出願日】平成21年7月17日(2009.7.17)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】