説明

水中超音波解凍機

【課題】冷凍物の翌日必要予定量の事前長時間気中解凍、又は水流解凍で鮮度劣化、事前解凍量過不足による余剰品処分や不足分の鮮度劣化急速解凍等、有形無形損失の慢性化と先入観的思い込みで取扱品種制約と新冷凍商品開発意欲低下は世界的現象、流通グロ−バル化での盲点は解凍技術、分単位解凍と鮮度優劣判読可能な解凍技術が望まれている。
【解決手段】−5℃氷結点の導伝性水中で、超音波振動周波数帯選択で、氷解温度限界の水中波動エネルギ−熱変換で、受波外郭の先行解凍を−5℃水温で抑制し、芯部浸透の周波数帯で、可能な限り内外同一時間解凍で、芯温−5℃前後で、真空パックの烏賊と鯛は5分と10分程度で、冷凍加工完了時鮮度の良否をそのまま再現し、予定量事前解凍の必要もなく、レストランではオ−ダ−即解凍と調理が可能とし、魚介肉類以外の、ネタ付き握り寿司迄、あらゆる食材の流通拡大を可能とする超音波水中波動解凍処理機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国際的或は国内でも、冷凍加工商品増大流通時代の、食品から医学臨床生態組織に至る迄、あらゆる分野の冷凍加工物を、複数波長帯の超音波発振水中波動の氷温或は常温の解凍処理水の水中で、外郭部及び芯部を同時に近い分単位の短時分で、冷凍加工凍結完了時点の鮮度をそのまま再現可能な解凍処理をする技術機構の分野である。
又、同一機、同一機構構成のまま、超音波水中波動の一定時分稼働後の停止によって、冷凍食材等冷凍加工物の外郭部及び芯部を同時に近く冷凍加工が可能で、又同時に冷凍物から非冷凍物で生食生鮮野菜等の外郭部洗浄滅菌にも利用可能で、そのまま洗浄後の水中急速冷凍加工もでき、現存冷凍加工流通商品技術と流通分野に一石を投じる物である。
【背景技術】
【0002】
現在の冷凍加工技術は、熱媒体が液体又は気体で、単に周囲環境を低温化して凍結すれば商品化が可能な業界であり、新鮮素材を−196℃の液化窒素超低温瞬間冷凍加工技術から、劣悪冷凍加工技術では赤道直下で水揚げされた新鮮漁獲物を、35℃前後の気温の中で何時間もさらして陸揚した鮮度劣化素材を、陸揚後再度選別整理に時間をかけて函詰め梱包、その後にやっと、これも気中長時間自然冷凍で低温倉庫に積み上げ、倉庫内雰囲気温度で時間をかけた冷凍加工魚も、冷凍加工後の商品鮮度差の目視判別は、流通業者プロでも不可能に近く、冷凍商品の凍結冷凍のままで消費又は食するものではなく、必然的絶対的な解凍処理が宿命であるかぎり、本来の冷凍加工時点の鮮度再現解凍技術が無ければならないが、残念ながら解凍には時間単位の長時間を要する気中長時間自然解凍技術しか無い。
【0003】
この解凍技術発展阻害の要因は、従来からの長い年月の間、レトルトパック調理済み商品の解凍は鮮度再現とは異なる為に、一端調理済みの食品の電子レンジによる瞬時高温発熱調理で食する事は周知の事実であるが、冷凍加工生鮮魚や食肉の部類では、水道水の流水による温度差解凍は烏賊、蛸、魚類、肉類等々で当然のように行われており、冷凍機器メ−カ−のパンフレットにも公然と水流解凍状態写真まであり、又、気中解凍では、−20℃から−60℃の冷凍保管低温庫から、0℃乃至4℃前後の氷温庫又は冷蔵庫に移管して、12時間から24時間前後の解凍時間迄記載開示されており、時には日単位の長時間をかけた気中温度差解凍もが、常識的の解凍技術業界で、この冷凍解凍共に、長時間経過に基づく低温気中相対湿度による表面水分蒸散で組織破壊による生体水ドリップ減少もが常識で、いかにドリップを減少させるかの一点集中解凍技術が、現状解凍の技術レベルであり、冷凍加工物移管の氷温庫や冷蔵庫内空気に、高圧電極によるプラズマ電荷放散や、気中超音波放散で、急速解凍と称する物は、電子レンジ投入解凍と大差は無い。
【0004】
過去現在共に、真の新鮮食材冷凍商品業界であれば、自己商品の末端での鮮度再現消費が本来の企業の社旗的責務だが、解凍とは、冷蔵保管で自然解凍、と言う身にしみついた旧来からの先入観的感覚で、購入者である末端消費企業も、古からの長時間解凍先入観に翻弄され、鮮度維持解凍における長時間所要解凍が諸悪の根源である事すら想像もしていない現状で、冷凍加工商品と言う名称が、鮮度劣化の代名詞的感覚を蔓延させたのも、この業界の技術的背景である。
【0005】
現状の解凍技術における解凍所要時間の長さは、解凍時間がいかに鮮度劣化に影響するかは承知しながらも、品質劣化以上に、それに基づく多大な有形無形の損失を躍起している事は承知している筈であるが、従来技術は全くと言っても良い位に進展していない。
【0006】
如何なる劣悪冷凍加工プロセスでも冷凍加工完了後では、そのプロセス及び冷凍保管期間は当事者以外は関知不能で、冷凍食品流通業界及び購入消費者においては、解凍後でなければ判明しない品質鮮度、その上に、長時間自然解凍の為に販売前日からの必要予定量解凍の必要性で、解凍後判明品質に至っては劣悪でも交換不能で店舗の信用失墜に、必要想定量の事前解凍で販売残量処分での採算的ロス、又は廃棄処分のロスは、現状でも、世界的解凍技術の未熟さが要因で、やむを得ない無意識的な有形無形の大きな損失が継続している。
【0007】
電力消費%削減義務が国民の義務であるかぎり、解凍処理槽(1)の断熱構造も去る事ながら、全ての回転機器稼働を利用して発電をすべきであるが、現状の回転機器の全ての分野でこの様な対応は全く無い。
【0008】
【特許文献1】
【非特許文献1】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
冷凍加工物の従来解凍技術に関する課題は、真っ先に言える事は、諸悪の根源とも言えるものは長時間解凍が大きな課題であり、この課題を鮮度劣化させずに解消すれば、解凍処理工程の全ての課題は解消すると言っても過言ではない。
【0010】
従来解凍技術の遮断性空気を媒体として利用する気中自然解凍は、非常に効率が悪い中での温度差自然解凍であり、気中にマグネトロン発熱周波帯以外の、種々波動を放散しても、空気波動伝達力も弱く、解凍時間には顕著に現れずに、12時間から24時間、物によっては日単位での長時間自然解凍となり、この長時間自然解凍が諸悪の根源となっているので、分単位解凍処理が望まれる。
【0011】
気中解凍は、外郭から芯に向かって温度伝播率が低い媒体空気温度と被解凍物の温度差で、除除に自然解凍する為に長時間解凍になっている為に、熱伝播媒体の空気温度が高ければ解凍時間を或る程度短縮しても鮮度劣化が起こり、逆に氷温付近環境の媒体空気での解凍は温度差巾が小さくより以上の長時間解凍と同時に、低温になればなる程に相対湿度の関係で表面水分蒸散品質劣化が起こり、生体水ドリップ現象が起こり、長時間解凍は鮮度劣化と品質低下の最大要因となっている。
【0012】
長時間気中放置同様の空気媒体温度差解凍では、解凍温度に関係なく、特に4℃前後の冷蔵温度では、絶対的とも言える付着雑菌及び時には病原菌の増殖もあり、魚肉類の殆どが裸同様で冷凍されているが、菌類増殖抑止を含めても真空包装冷凍がベタ−であるが、その両者冷凍姿の解凍処理も解凍時間差無く可能とし、特に長時間気中自然解凍では、刺し身や寿司ネタの等の生食商品では危険発生度が高く、裸姿の被解凍物は解凍中での洗浄滅菌処理が望ましい。
【0013】
流通企業及び末端解凍販売企業では、解凍済み商品の1日の販売出荷必要量を、事前予定数量を想定して、長時間所要解凍の為に、前もって解凍せざるを得ないが、予定と現実の差で、事前解凍ストックの過剰残量の処分費用、及び不足の場合の味無関係での緊急解凍も水道水の放水解凍を行わざるを得ず、現状日常茶飯事の有形無形の企業損失回避の為にも、短時間解凍が望まれている。
【0014】
新規冷凍食品の開発を行って、グロ−バルな販売促進を企画しても、新鮮冷凍食材を、温度伝播率が低い媒体空気で解凍処理に長時間を費やし、その間の鮮度劣化も重なっている為に、解凍後の流通可能日数が短縮され、残品処分ロスや鮮度を考慮すれば、取扱不能と言う冷凍和菓子の北米販売店の実話も有り、長時間解凍が、冷凍食材新規商品開発の足かせにもなっている事から、短時間解凍が望まれている。
【0015】
解凍処理槽(1)の断熱構造、及び装着の回転機器稼働を利用すれば、発電、蓄電が可能にも係らず、現状の回転機器でこの様な対応は全く無い。
【問題を解決するためにの手段】
【0016】
本発明は、従来の熱遮断性の空気媒体解凍を、全ての物質に対し導伝性ある水媒体による水中解凍とする。
【0017】
鮮度保持解凍に必要な周囲環境温度条件としての解凍処理水の温度を、処理水冷却装置にで、被解凍物が持つ氷結点である0℃から8℃前後を維持して解凍する。
【0018】
解凍処理水を、0℃以下に保つ為に、又、衛生管理上で付着菌類滅菌の一助にもなることから、エチルアルコ−ルを解凍処理水量に対して一定割合で添加する。
【0019】
−20℃の冷凍加工温度から、液体窒素の−196℃迄の低温によって氷結された冷凍加工物の、解氷開始温度は−5℃前後である事から、−8℃前後の解凍処理水の水中で、被解凍物の外郭部と芯部を、瞬間的な分単位時間で解凍するには、−5℃相当の発熱エネルギ−を持った浸透性波動エネルギ−を与えれば良い。
【0020】
この−8℃の導伝性水中で、被解凍物の芯迄伝えるエネルギ−変換熱は、超音波振動水中波動エネルギ−しか無い。
【0021】
各種波長帯が選べる超音波振動水中波動は、幅広く有効波長帯選択が可能で、尚且市中調達が容易で、解凍所要時間帯によって波長帯選択使用可能な、水中波動超音波発振回路による超音波振動子による水中波動エネルギ−を、被解凍物の外郭から芯迄伝達し、マグネトロン電子レンジ波長帯とは異なる、生体組織には影響を与えずに、−5℃の熱変換で解凍が急速に行われる
【0022】
被解凍物の解凍完了時点とは、芯部の解凍が完了した時点を言う事から、超音波振動水中波動エネルギ−は、被解凍物の周囲を覆う高導伝性の分解処理水の水圧も手伝って、波動エネルギ−は被解凍物の外郭部から芯部に瞬間的に伝わるものの、必然的に受波動エネルギ−は芯部よりも外郭部受波エネルギ−がが大きく、従って芯部よりも先に外郭部解凍が先行されれば、解凍済み組織の温度は芯部よりも高くなり、同時に超音波の芯部固体伝播率が下がり、芯部解凍完了迄の間、外郭部生体組織は必要以上の波動エネルギ−受波となる事から、外郭部と芯部の解凍完了時間を可能な限り近付けてる為に、分解処理水温度を−5℃前後に維持設定して、外郭部の先行解凍を遅延させる事で、外郭部と芯部の解凍を可能な限り同一時間とする。
【0023】
水中波動解凍エネルギ−の超音波波長帯は、加熱処理マグネトロン電子レンジの日本での波長は2.45GHz,米国では900MHzと言う高温発熱帯波長は当然ながら使用不能で、解氷目的で被解凍物の組成変化を回避する為には、超音波波動エネルギ−の熱変換度を低く押さえる為には、最低21KHzから最高でも1500KHz前後の間の波長帯を、単数波長帯或は複数種波長帯で使用する事により、分解処理水の−5℃水温のなかで、被解凍物の芯温−5℃前後での氷解に必要な程度の熱エネルギ−変換温度の超音波振動で急速解凍が可能であるが、解凍機種によって、被解凍物の種類、大きさと量等によって、解凍処理水温度と使用周波数帯は変わる。
【0024】
被解凍物を、組織の変成が起こらない解氷可能な低温の超音波波動エネルギ−熱変換を利用して、導伝率が良い解凍処理水で、しかもマイナス温度の水中波動で、直接被解凍物の芯部迄、解氷に必要な組成瑕疵は回避する波長帯で解凍する事によって、従来の解凍所要時間から比較すれば瞬間的共言える分単位で解凍処理が可能である。
【0025】
被解凍物が、超音波振動子の素子面に密着静止状態の場合には、密着部分のみが先行解凍されて、また、解凍処理水中全般への振動が損なわれる為、解凍処理槽内壁から一定間隙をとって金網壁、又は解凍処理水中で回転稼働可能な円筒金網の両者設置か或は片方飲み設置かで、被解凍物を超音波振動子面から一定距離を保たせて解凍する。
【0026】
業務用の連続解凍処理機の場合には、解凍処理水内を潜水移動解凍するSUSコンゲア−チェ−ンで水中走行解凍をするが、浮上性の被解凍物の場合、及びSUSコンベア−チェ−ンからの脱落防止で、側壁付き溝面落し蓋で押さえ、落下防止する。
【0027】
被解凍物の付着滅菌は、解凍処理水にエチルアルコ−ルが添加されていても、−8℃前後に氷点を落す添加量は15%乃至20%であるかぎり、完全な滅菌力は無いが、水道水殺菌の塩素やオゾンの添加装置、或は水中紫外線殺菌灯を設置すれば良いが、家庭用の様な小型機では、解凍処理水は毎回交換すれば清潔な解凍処理水となる。
【0028】
従来の空気媒体による気中解凍の様な長時間解凍が、超音波振動水中波動の解凍で、分単位の解凍が出来れば、必要な時に、必要な量を解凍すればよく、事前解凍の残量心配や解凍済み商品の品質劣化の心配もなくなる。
【0029】
同時に、冷凍加工技術で、高度な急速解凍で微細氷分子凍結をすれば、凍結時の組織瑕疵もなく、解凍時にも微細氷結分子氷解解凍で鮮度劣化や品質低下も排除し、収穫或は漁獲時の鮮度再現が可能なため、解凍処理によるプロセス時間を気にすることなく、生鮮魚肉類以外の、あらゆる食品の冷凍食品流通商品の多角化開発が可能である。
【0030】
国際的な省エネルギ−気運が高揚している中で、全ての業界機器開発者は、回転駆動モ−タ−消費電力の削減義務は、単に駆動モ−タ−メ−カ−の責任所掌としているが、発電機そのもの以外の、全世界の機器稼働駆動モ−タ−を利用して発電、蓄電の機器省エネルギ−システムは皆無であり、無風で雨天の自然エネルギ−利用発電の非効率性を、全世界でカバ−すれば、単に発電機のロ−タ−回転の僅かな付加で、それを上回る大きな発電が可能である現実を中止すべきである。
【発明の効果】
【0031】
本発明により、実験結果により、下記の効果が判明した。
【0032】
解凍処理槽内の解凍処理水の温度−5℃以下の処理水中で、氷解温度限界波動エネルギ−での解凍は、冷凍完了時点の鮮度が即時に再現できる為、食材等の冷凍完了所要時間劣化に加えて長時間解凍での鮮度劣化商品と異なり、冷凍時点の鮮度の良否によっては、解凍後の鮮度品質維持の日数が長くも短くもなり、店頭販売可能日数は冷凍加工時完了の鮮度で変わり、ひいては、冷凍加工業者及び冷凍加工商品の選択可能な、重要なポイントとなる。
【0033】
実験的現実の、解凍所要時間の標準を示せば、新鮮真空包装の頭尾30cmの冷凍鯛の解凍では、解凍処理水温度が−5℃で、冷凍鯛芯温−5℃での解凍時間は、超音波周波数帯35KHzと1500KHzの複数波長鯛水中波動解凍で、15分前後であり、長さ30cmの烏賊は同様温度条件で解凍時間は5分あったが、ちなみに、裸姿の同様寸法の鯛の解凍時間も同様であった。
【0034】
従来の気中低温解凍による相対湿度低下の表面水分蒸散による組織変成劣化や生体水ドリップ現象も、本発明では全く無く、連続解凍した解凍処理水は汚れも無く、同時に気中酸化劣化も水中解凍により、全てが回避される。
【0035】
レストラン厨房等では、来客メニュ−オ−ダ−を受けてから解凍開始で十分な料理時間が保て、従来方式の前日からの予定量解凍の過不足による経営的有形無形のロスが解消される。
【0036】
超音波振動による水中波動解凍により、被解凍物の表面付着雑菌類や他の物質の洗浄効果と同時に、氷点低下不凍水目的のエチルアルコ−ル添加により、滅菌作用もあり、生鮮食材の衛生的管理が可能となった。
【0037】
輸入鮮魚を含めて、被解凍物表面付着の滅菌で、エチルアルコ−ル添加%で効果不足の場合には、解凍処理水に塩素又はオゾンの滅菌装置も可能で、標準的には水中紫外線殺菌灯により、エチルアルコ−ル及び超音波の相乗作用での滅菌効果を向上させる。
【0038】
生鮮野菜類の目視不能確認不能の付着農薬類は、氷温水でエチルアルコ−ル添加の解凍処理水で、超音波洗浄もでき、生野菜サラダの調理前洗浄で、レストラン店舖の信頼性向上につながる。
【0039】
流通過程では、特に鮮魚の種類で欲しい魚種、或は時化で買い溜めせざるを得ない時、冷凍保管庫は可能でも、従来の先入観から長時間解凍での鮮度劣化がブレ−キになって、商機を逃す事が多いが、本発明で、経営上の利益向上にもつながる。
【0040】
如何なる解凍技術でも不可能であった牡丹海老の解凍による殻黒ずみは、生前の新鮮赤色存在解凍が可能と同時に、解凍後の甘さは従来の比ではない甘さが確認されたが、同様に冷凍和菓子の本発明での解凍も甘さが増大した事の要因は、今後の研究に待つ。
【0041】
殻付き冷凍蟹の従来解凍では必要以上に解凍時間を費やすが為に鮮度劣化を気にして、沸騰処理するか、必要時に温水解凍迄行う事があるが、本発明では蟹甲羅等の固体伝播受振共振で、北海道の毛蟹が15分前後で解凍され、美味しい蟹刺し身となった。
【0042】
冷凍アワビの解凍では、従来の解凍方法では肉質硬化の為に寿司ネタには使用不能と言う寿司職人の言葉にあるように冷凍不能であるが、魚類同様の死んだアワビの冷凍は従来解凍方式では肉質が硬化すると言うのではないかと想定するが、新鮮な生きたあわびの冷凍物の解凍では、全く歯応えある生きたあわびの刺し身そのものであった様に、冷凍時点の状態迄、解凍で判別が可能であり、ちなみに、氷温水中で芯温−℃の解凍時間は、あわびの貝殻側から水中超音波を当てた時が5分前後で、貝の身側からの受波では3分解凍であった。
【0043】
解凍物芯温−5℃前後で、鰯、鰈等々の切り身は短時分解凍が可能な事から、米国例から、和食レストランの90%以上が日本以外の第三国人経営である以上、種々魚類の刺し身も、千切りつまも、わさびも、濃いくち薄くちの醤油迄、日本特有の刺し身皿を真空パック冷凍で世界中に発送可能であり、本発明では2分乃至3分で完全解凍が可能な事も確認され、同様な種々の冷凍加工食品のグロ−バルな流通革命が可能となった。
【0044】
握り寿司では、パックされたムラサキ及びガリが装填された、シャリに、わさびと各魚類種のネタが乗って握られた純和風の冷凍握り寿司皿は、一式を真空パックで急速冷凍加工して、外国和風レストランで15分で解凍、日本皿に入れ替えれば、90%以上の第三国人経営の和風レストランでも、今、銀座の寿司店で握った握り寿司が、地球の何処にいても食する事も可能であるが、この場合には、解凍即食する物の為に、氷温解凍でなく、解凍処理水温度は常温又は35℃前後の水温で10分前後の解凍時間でよく、ネタの鮮度劣化を引き起こす余裕時間もなく、全く新鮮ネタが再現され、ワサビの辛さも、ガリの甘辛い味も失われずに、大変美味しかった。
【0045】
事前解凍完了ストック商品で、余剰解凍品が発生した場合には、解凍処理水添加のエエチルアルコ−ル添加量を最大59.999%に増量すれば、50℃以下の冷凍加工温度に下げられる為、分単位での水中超音波洗浄波動瞬間冷凍加工が出来、衛生的で鮮度一端固定化されて、再度解凍時にはその鮮度が再現され、全くロスが生じない。
【0046】
水柱回転網籠或はSUS網コンベア−チェ−ンの回転駆動機モ−タ−稼働、及び処理水冷却装置コンプレッサ−駆動モ−タ−による自家発電は、発電量の大小を問わず、地球環境保全意識のアピ−ルにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
解凍処理槽(1)の素材は、多くが食品である事から、家庭用小型機から業務様大型機迄、SUS304又はSUS316のステンレス鋼材とするのが望ましいが、強化プラスチックでも差し支えな。
【0048】
解凍処理槽(1)の、家庭用では、冷蔵庫内装タイプ、流し台内装タイプ、卓上小型機で、又業務用では設置場所、解凍処理量、物性、作業コントロ−ルシステム等に応じて、種々形状大きさは変わるが、いずれも、断熱構造処理槽(2)とする。
【0049】
断熱構造処理槽(2)の形態は、解凍処理槽(1)外壁に、各種断熱材を装着する製作工程では外部化粧鋼板によって美化せざるを得ないが、その工程で、解凍処理槽の底部位及び側壁を二重槽にして真空ポンプで間隙空気吸引すれば、外部化粧鋼板工事が不要で、溶接工賃と板厚材料費が同一近くなり、断熱効率の向上が図られた。
【0050】
解凍処理槽(1)の断熱目的は、生鮮食料、特に魚や肉類の水中解凍では、解凍処理水(3)の温度によって僅かの生体組成変化、つまり、僅かな鮮度劣化が、解凍後の鮮度持続に影響する為に、解凍後即食する以外では、被解凍物(4)の鮮度劣化を防止する目的で、分解処理水(3)を−5℃前後の氷温に処理水冷却装置(5)で維持する為である。
【0051】
家庭用の小型器では、連続使用することなく、しかも解凍即料理が殆どである事から、解凍処理水(3)の水温は、常温又は氷塊投入冷却水(6)で十分である為に、処理水冷却装置(5)の設置はしない場合が多い。
【0052】
氷温水中で解凍する為には、解凍処理水(3)の不凍液化を図るが、被解凍物(4)の大半が食品である事を考慮し、解凍処理水(3)の水中にエチルアルコ−ル(7)を解凍処理水(3)水量にたいし、−5℃水温維持には15%添加すれば良いが、処理水冷装置(5)の水温感知センサ−を、リレ−チャタリング限界回避の0.25℃差制御サ−ミスタ−電気回路と、感知誤差4℃前後のバイメタルの2種選択使用から、エチルアルコ−ル(7)添加量は20%として解凍処理水(3)の水温は−10℃迄の不凍液とした。
【0053】
解凍処理槽(1)の槽底面、槽側面壁面、槽蓋付設の水中落し蓋面には、水中波動超音波発振器(8)電気回路によってコントロ−ルされる超音波振動子(9)が、処理槽の形状や大きさによって複数個装着され、水中波動解凍処理水(10)となる。
【0054】
可聴音波帯域は個人差があるが通常では音波周波数20Hzから20KHzである為、又、この間の周波数帯域は、種々法条例での規制がある為使用せず、25KHz以上の周波数帯から2000KHz迄の超音波帯域を、単数帯域、又は複数の帯域で使用するが、周波数帯域が高くなればなる程に超音波振動エネルギ−の熱変換率が上昇して高温となって、被解凍物(4)の芯温上昇を氷温帯域の解凍処理水(3)では、凍結氷自体の氷解温度による被解凍物(4)の組織に影響を与えない氷解限界温度維持が困難となる為と同時に、波数帯域が高くなればなる程に、被解凍物(4)への波動浸透力が減衰する為でもある。
【0055】
解凍処理水(3)の冷却維持温度は、生鮮食品等の場合には鮮度維持解凍の為に−5℃前後で使用するが、解凍処理槽(1)内の水中波動解凍処理水(10)の温度分布を均等にすると同時に、超音波振動子(9)の発振水中波動は、水面或は壁面反射波動もあるが波動振動子(9)の水平素子面から90度の直角方向に、波動直進性を持っている事も考慮して、冷却水循環ポンプ(11)によって、解凍処理槽(1)の内部攪拌を行う。
【0056】
被解凍物(4)が、解凍処理槽内で停滞静止した状態では、超音波振動子(9)からの直進性の超音波水中波動を一点集中で受波すれば、受波部位の局部解凍促進現象と同時に解凍処理水(3)全体の水中波動力が減衰する事を避ける為に、解凍処理槽(1)内に装着の、水中回転網籠(12)内に被解凍物(4)を装填して回転稼働による解凍を、或はSUS網コンベア−チェ−ン(13)による解凍処理水(3)の水中を一定時間で潜水移動して解凍を行うが、時には、凍処理槽(1)内壁装着の超音波振動子(9)の水中発振素子面から20mm前後の間隙をとって、水中波動分散網(14)を装着して、被解凍物(4)が静止状態でも均等解凍を可能とした。
【0057】
同時に、SUS網コンベア−チェ−ン(13)及び水中波動分散網(14)装着の解凍処理槽(1)で、浮上性の被解凍物(4)を解凍処理する時を考慮し、解凍処理槽蓋付属の水中落し蓋の水中面は、SUS網コンベア−チェ−ン(13)のスライド方向に向かった、側壁付き溝面落し蓋(15)が装着されて槽内自己遊泳を防止し、解凍処理効率をい図った。
【0058】
本発明の、水中波動解凍処理水(10)による解凍処理は、気中自然解凍では如何なる高圧電荷による気中滅菌といってもその効果には限界がって不可能な、被解凍物(4)に絶対的付着の各種菌類を、エチルアルコ−ル(7)によっての滅菌効果と共に、上水道水同様の塩素添加殺菌装置(16)を設置し無臭濃度の塩素0.1ppm添加、又はオゾン殺菌装置(17)を装着する子ともあるが、通常は水中紫外線殺菌灯(18)を設置して安全性を向上する。
【0059】
最後に、本発明の機能性とは別に、国際間の省エネルギ−対応の機器として、本発明に設置の処理水冷却装置(5)、冷却水循環ポンプ(11)、水柱回転網籠(12)又はSUS網コンベア−チェ−ン(13)の回転駆動モ−タ−を利用し、各モ−タ−の駆動軸にベルトプ−リ−を固着、発電機(20)の回転軸付きプ−リ−によるベルト伝達で回転駆動発電で、発電電力は周知の蓄電システムで、企業総合電力消費の中で、有効利用する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】超音波水中波動解凍機バケットタイプの全体装置断面図、一部斜視図である。
【図2】超音波水中波動解凍機バケットタイプの超音波振動子の上視平面配置図である。
【図3】超音波水中波動解凍機の回転網籠タイプの全体装置断面図、一部斜視図である。
【図4】超音波水中波動解凍機コンベア−タイプの全体装置断面図、一部斜視図である。
【図5】超音波水中波動解凍機家庭用小型タイプの全体装置断面図、一部斜視図である。
【符号の説明】
【0061】
1 解凍処理槽
2 断熱構造処理槽
3 解凍処理水
4 被解凍物
5 処理水冷却装置
6 氷塊投入冷却水
7 エチルアルコ−ル
8 水中波動超音波発振器
9 超音波振動子
10 水中波動解凍処理水
11 冷却水循環ポンプ
12 水中回転網籠
13 SUS網コンベア−チェ−ン
14 水中波動分散網
15 側壁付き溝面落し蓋
16 塩素添加殺菌装置
17 オゾン殺菌装置
18 水中紫外線殺菌灯
19 電気制御盤
20 発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解凍処理槽(1)は、断熱材或は、多重層槽壁断熱、時には多重層槽壁真空断熱の外気と熱遮断の断熱構造処理槽(2)となる。
解凍処理槽(1)内には、気体よりも伝導性が高い清水が、解凍処理水(3)として一定量装填される。
解凍処理槽(1)内に充填の解凍処理水(3)は、真空包装又は包装処理無しの儘の被解凍物(4)の水中氷温解凍処理の為、解凍処理水(3)温度を氷結温度である0℃から−8℃間前後の冷温に保つ為に、処理水冷却装置(5)を併設するが、緊急稼働時等或は家庭用等の小型機種では、塊氷を投入して氷塊投入冷却水(6)で、解凍処理水(3)を1℃から0℃前後に冷却して稼働し、被解凍物(4)の物性、例えば氷温解凍では食せないネタ付き握り寿司で、解凍即食する様な場合には常温又は温水で10分前後解凍も可能で、この場合ネタの鮮度劣化の余裕時間がなく美味である。
連続使用しない家庭用の小型機種等では、僅かな氷塊投入で、水温1℃乃至0℃にして使用する事が可能で、この氷解投入冷却水(6)使用により処理水冷却装置(5)の装着はしない事もある。
処理水冷却装置(5)を併設して連続解凍する場合は、清水の氷結温度が0℃である事から−8℃前後にすれば解凍処理水(3)は凍結するので、多少とも滅菌作用をも考慮して、処理水容量重量比率で15%乃至20%のエチルアルコ−ル(7)を添加して、解凍処理水(4)の氷結点を8℃乃至10℃前後に低下させる。
解凍処理槽(1)の底面、壁面、及び槽蓋水中部位面等の、解凍処理水(3)との接触面に、単数面又は複数面、或は全面に、水中波動超音波発振器(8)により稼働する超音波振動子(9)が装着され、解凍処理水(3)自体を、水中波動解凍処理水(10)にする。
解凍処理槽(1)に装着の超音波振動子(9)から水中発振する周波数帯は、解凍目的である限り必要な超音波波動エネルギ−変換熱が、被解凍物(4)の分単位解凍時間氷解温度範囲の中で、低周波数帯解凍と高周波波長帯解凍の選択で複数波長帯を使用し、被解凍物(4)の厚さによる芯部迄の波動伝播可能な周波数帯で、物質組成熱変化を来さない範囲の波長帯を実験的解明から算出し、使用波長帯は25KHzか300KHz迄と、300KHzから2000KHz迄の高周波帯超音波の2種の周波数帯で、その単種波長帯又は2種の波長帯を同時発振も、水中稼働超音波発振器(8)によって選択可能とする。
同時に、解凍処理槽内(1)内に装填の被解凍物(4)の形状によっては、槽内全域で水温むらが発生するので、水温平均化の為に、冷却水循環ポンプ(11)が装着される。
解凍処理槽(1)に装着の超音波振動子(9)からの解凍処理水(3)への発振伝播はいかに構造的に水中波動分散しても、被解凍物(4)が静止している場合は、波動受波面と反受波面とは、槽内360度全面からの超音波発振でも、被解凍物(4)の全部位で均等な波動圧力受波は出来ず、同時に、被解凍物(4)が超音波振動子(9)に接触しておれば、被解凍物(4)の部分的解凍促進と解凍処理水(3)内の水中波動が大きく減衰する為、解凍処理水(3)内で回転稼働する水中回転網籠(12)内に被解凍物(4)を装填して天地変動水中回転遊泳、或は解凍処理水(3)の水中を一定時間でスライド潜行移動するSUS網コンベア−チェ−ン(13)によって、解凍処理水(3)中を駆動しながら被解凍物(4)の均等解凍を図る。
浮遊性の被解凍物(4)を水中回転網籠(12)で解凍する場合は、水中回転網籠(12)内部仕切りと水中回転網籠(12)全体を解凍処理水(3)の水中で回転稼働させれば良いが、SUS網コンベア−チェ−ン(13)上に乗せた被解凍物が浮遊落下する子とから、解凍処理槽蓋に、コンベア−巾の側壁付きで接触しても傷が付かないコンベア−と平行の溝付きとする。
又、解凍処理槽(1)内で被解凍物(4)が止むを得ず静止状態装填の場合で超音波振動子(9)に近接或は密着する場合は、近接或は密着部分の先行解凍部分と未解凍部分の村が生じる為、超音波振動子(9)から約20mm前後の一定間隙をおいた水中に、水中波動分散網(14)を装着して水中波動の分散を図り、一点集中の部分解凍を回避する。
解凍処理水(3)の水中の滅菌処理は、水道水使用の場合は塩素が既に0.1ppm混入されているがすぐに蒸散希釈化し、又井戸水使用の場合は殺菌処理剤無添加水で、塩素添加殺菌装置(16)を設置するか、或はオゾン殺菌装置(17)を装着する事もあり、通常は、水中紫外線殺菌灯(18)を装着し、添加済みのエチルアルコ−ル(7)と超音波波動を含めた相乗作用滅菌効果を図る。
本発明に装備されている種々の電気印加稼働機器の全ては、電気制御盤(19)によってコントロ−ルされる、水中超音波解凍機。
【請求項2】
解凍処理槽(1)の解凍処理水(3)に、容積重量比率で添加するエチルアルコ−ル(7)の添加量は、消防法条例規則に触れない安全的添加最大量の59.999%にすれば解凍処理水(3)の氷結温度は−50℃前後となり、鮪等高級魚凍結温度の−50以下にも合致し、エチルアルコ−ル40%添加では−30℃、30%添加では−20℃の各氷結点不凍液ができ、又水中超音波によって冷凍目的物の外郭周囲の冷凍が遅れ、冷凍開始後一定時間で水中超音波波動を止めれば、芯部と外郭部が殆ど同時に冷凍加工される、水中急速内外同時冷凍加工使用法も可能な、請求項1記載の水中超音波解凍機。
【請求項3】
解凍処理槽(1)の解凍処理水(3)を、冷凍加工前の生鮮食材の野菜或は魚類等の鮮度維持に適する任意水温に冷却し、複合波動による目に見えない付着農薬類、その他の薬品、雑菌類等の除去と滅菌機能で、冷凍前又は調理前の、生鮮食材水中超音波洗浄装置としても、水中超音波洗浄機として使用可能な、請求項1記載の水中超音波解凍機。
【請求項4】
水中回転網籠(12)或はSUS網コンベア−チェ−ン(13)、処理水冷却装置(5)の電気印加稼働による全ての駆動モ−タ−に、モ−タ−同軸又はベルトプ−リ−駆動等周知の動力伝達装置によって、発電機(20)を併設して駆動発電する、請求項1乃至3記載の水中超音波解凍機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−271944(P2008−271944A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−146146(P2007−146146)
【出願日】平成19年5月5日(2007.5.5)
【出願人】(591220148)伸洋産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】