説明

水栓装置

【課題】機械的に吐水,止水を行うための弁をカウンター下部に設けてカウンター上部の水栓を軽量化し且つ常に清潔にし、水栓の意匠をデザインする際の自由度を向上させ、すべてのユーザーにとって水栓の操作が容易な水栓装置を提供する。
【解決手段】水栓装置1は、カウンター11の上部に水栓12が配置され、水栓の吐出部13から水槽に水を流すための装置である。水栓装置では、水栓の先端部近傍に操作部20を設け、機械的に吐水,止水を行うための弁21をカウンターの下部に設け、操作部を操作することによる機械的な動作を伝達手段22を介して弁に伝達して、この弁が吐水,止水を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キッチンや洗面化粧台などに設けられる水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キッチンや洗面化粧台などに設けられる水栓装置は、キッチンなどのカウンターの上部に水栓が配置され、この水栓の吐出部から水槽に水を流すようになっている。一例としての水栓装置は、操作レバーと弁とが組み込まれたレバーカートリッジが水栓に搭載されており、操作レバーを操作すると弁が開閉して吐水と止水が行われる。
このレバーカートリッジは、操作レバーなどを有する操作部と、吐水,止水および流量調節などを行う弁など機構部とを有しており、操作部や機構部が水栓本体から横方向や斜め方向に大きく張り出している場合が多い。
なお、操作部と機構部とが別体になって、機構部が水栓の根元に配置され、操作部が水栓の先端部に配置されている水栓装置も知られている。
【0003】
特許文献1(特開2005−121222号公報)には、弁カートリッジ(前記レバーカートリッジに相当)が吐出体(水栓)の根元に設けられた湯水混合水栓(水栓装置)が記載されている。
このような、水栓の根元に操作レバーを設けた構造の水栓装置には、操作レバーが横方向を向くタイプや斜め方向を向くタイプがあるが、操作レバーが水栓の根元に位置しているので、どうしてもレバーカートリッジのところに溜まった水が水垢になって、水栓が汚れやすくなる。
また、操作レバーがユーザーから遠い位置にあるので、キッチンの前方で作業を行うユーザーにとって手を伸ばしても水栓を操作しにくい場合がある。特に、ユーザーが子供や老人などの場合には、操作レバーに手が届きにくいことがあった。
【0004】
そこで、水栓の先端部またはその近傍にレバーカートリッジの全部または一部を設けて、水栓の先端で操作を行なって電気的または機械的に吐水および止水を行う先端操作方式の下記A,B,Cタイプの水栓装置が提案されている。
たとえば、Aタイプの水栓装置は、従来は水栓の根元に搭載されていたレバーカートリッジを、水栓の先端部に搭載した機械的構造の水栓装置である。
Bタイプの水栓装置は電気的な装置で、赤外線センサを水の吐出部の近傍に設け、ユーザーがセンサに手をかざして赤外線を遮蔽すると赤外線センサから信号が送られて電磁弁を開閉して吐水および止水を行うようになっている。特許文献2(実公平8−9246号公報)には、Bタイプの自動水栓の手動操作機構が開示されている。
さらに、Cタイプの水栓装置は、水栓の先端にレバーカートリッジを設け、その弁をボールバルブとした機械的構成の装置である。
【0005】
【特許文献1】特開2005−121222号公報
【特許文献2】実公平8−9246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
調理作業の際にユーザーは操作レバーを濡れた手で触ることが多いので、従来のレバーカートリッジでは、操作部が濡れて水垢などが発生して不衛生になりがちであり、また、レバーカートリッジの清掃を行う場合もユーザーの手が届きにくい場合があった。
特許文献1などに記載の水栓装置では、キッチンなどのカウンター上部の水栓が重くなりがちであり、また、レバーカートリッジに水が付着して汚れるので頻繁に清掃を行う必要があった。
【0007】
特許文献2などに記載の先端操作方式のBタイプの水栓装置では、水栓の先端にレバーカートリッジの全体または一部を設けるので、水栓の意匠をデザインする際の自由度に制約があり、水栓を常に清潔に保つための清掃が面倒であった。
また、Bタイプの水栓装置では、赤外線センサや電磁弁が水栓に搭載されているので、赤外線センサの感度が遅いと、吐水および止水の動作が遅れる傾向があり、また、イニシャルコストが高価で、一方、吐止水(吐水および止水)のためだけのランニングコストとして電気代がかかってコストパーフォーマンスは低くなっていた。また、このBタイプの水栓装置では、吐止水はできるが湯水の切換えはできなかった。
AタイプとCタイプの各水栓装置では、ホースを内蔵させてこのホースが接続されたヘッド部を引き出す構成にすることは構造上不可能であり、水栓の機能の設計に制約があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、機械的に吐水および止水を少なくとも行うための弁をカウンターの下部に設けてカウンター上部の水栓を軽量化し且つ常に清潔にするとともにこの水栓の意匠をデザインする際の自由度を向上させることができ、また、すべてのユーザーにとって水栓の操作が容易な水栓装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明にかかる水栓装置は、カウンターの上部に水栓が配置され、この水栓の吐出部から水槽に水を流すための水栓装置であって、前記水栓の先端部近傍に操作部を設け、機械的に吐水および止水を少なくとも行うための弁を前記カウンターの下部に設け、前記操作部を操作することによる機械的な動作を伝達手段を介して前記弁に伝達して、この弁が少なくとも吐水および止水の各動作を行うようにしている。
好ましい実施態様として、前記操作部に対して、吐水および止水を行うための吐止水操作と、水と湯を切換えるための湯水切換操作とが可能であり、前記弁は、前記吐水および前記止水を行う吐止水動作と、水の供給と湯の供給を切換える湯水切換動作とが可能であり、前記伝達手段は、可撓性の第1のワイヤと可撓性の第2のワイヤとを有し、前記操作部に対する前記吐止水操作を前記第1のワイヤにより前記弁に伝達してこの弁が前記吐止水動作を行い、前記操作部に対する前記湯水切換操作を前記第2のワイヤにより前記弁に伝達してこの弁が前記湯水切換動作を行うようにしている。
前記操作部は吐止水操作用カム機構と湯水切換操作用カム機構を有しており、前記吐止水操作による第1の回転運動を前記吐止水操作用カム機構により前記第1のワイヤの中心軸線方向の進退運動に変換し、前記湯水切換操作による第2の回転運動を前記湯水切換操作用カム機構により前記第2のワイヤの中心軸線方向の進退運動に変換するのが好ましい。
前記伝達手段は、前記カウンターの下部に配置されて前記弁と連結された弁駆動部を有しており、この弁駆動部は、前記第1のワイヤの前記進退運動をこの進退運動の方向に対して直交する方向の直線運動に変換して前記弁に伝達する第1の弁駆動用カム機構と、前記第2のワイヤの前記進退運動を回転運動に変換して前記弁に伝達する第2の弁駆動用カム機構とを有し、前記弁は、前記第1の弁駆動用カム機構により前記直線運動が伝達されたとき前記吐止水動作を行い、前記第2の弁駆動用カム機構により前記回転運動が伝達されたとき前記湯水切換動作を行うようにするのが好ましい。
前記第1のワイヤと前記第2のワイヤは、それぞれガイド手段により周囲を囲まれて拘束された状態で各中心軸線方向に進退運動のみを行うのが好ましい。
前記水栓は、前記カウンターに取付けられた中空のケース部と、このケース部の先端に配置されて前記吐出部を有するヘッド部と、前記ケース部に取付けられた前記操作部と、前記ヘッド部と前記操作部の内方に配置され、前記ヘッド部と前記弁とを連通させる折曲自在なホースとを有し、このホースが接続された前記ヘッド部を引き出して任意の位置および方向に移動可能であるのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水栓装置は、上述のように構成したので、吐水および止水を少なくとも行うための弁をカウンターの下部に設けてカウンター上部の水栓を軽量化し且つ常に清潔にするとともに水栓の意匠をデザインする際の自由度を向上させることができ、また、すべてのユーザーにとって水栓の操作を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
下記の実施例にかかる水栓装置は、キッチンなどのカウンターの上部に水栓が配置され、この水栓の吐出部から水槽に水を流すための装置である。この水栓装置は、水栓の先端部近傍に操作部を設け、機械的に吐水および止水を少なくとも行うための弁をカウンターの下部に設け、操作部を操作することによる機械的な動作を伝達手段を介して弁に伝達し、この弁が少なくとも吐水および止水の各動作を行う。
これにより、カウンター上部の水栓を軽量化し且つ常に清潔にするとともにこの水栓の意匠をデザインする際の自由度を向上させ、また、すべてのユーザーにとって水栓の操作を容易にするという目的を実現している。
【0012】
本実施例における水栓装置は、台所に設置されるキッチン(たとえば、複合厨房家具の一種であるシステムキッチン,セクショナルキッチン)に設けられて水栓の吐出部から水槽としてのシンクに水を流す。なお、水栓装置は、洗面化粧台に設けられた場合であってもよく、この場合は水栓の吐出部から水槽としての洗面ボールに水を流すことになる。
本実施例の水栓装置では吐止水と湯水切換えの両方ができるが、吐止水のみを行う場合であってもよい。
【実施例】
【0013】
以下、本発明にかかる一実施例を図1ないし図18を参照して説明する。
図1は、本発明の水栓装置が設けられたシステムキッチンの一部を示す斜視図、図2は、水栓装置の全体を示す正面図で、一部を断面で示している。図3は、水栓装置の全体を示す斜視図で、一部を断面で示している。
図4は水栓装置の分解斜視図、図5は、水栓装置の一部を示す分解斜視図、図6は水栓を示す斜視図、図7は、水栓における吐止水操作を示す斜視図、図8は、水栓における湯水切換操作を示す斜視図、図9は、水栓におけるヘッド部を引き出した状態を示す斜視図、図10は水栓の取付け構造を示す斜視図である。
【0014】
図1に示すように、水栓装置1は、台所に設置されるキッチンの一種であるシステムキッチン2に設けられている。システムキッチン2は、床面上に設置されたキャビネット3を有している。キャビネット3には、各種形状,構造の複数の引き出し(引き出し4,10など)が、引き出し収納自在に設けられている。
キャビネット3は、シンクキャビネット5と調理台キャビネット6の他に、コンロキャビネットや他の調理台キャビネットが順次並設された構成を有している。ワークトップ7が、キャビネット5,6などの上部を覆って取付けられており、調理台キャビネット6の上部のワークトップ7は調理台になっている。
シンクキャビネット5には、水栓装置1,水槽としてのシンク8,複数の引き出し4などが設けられて、単体としての厨房家具が構成されている。これと同様に、調理台キャビネット6には、食器洗い乾燥機9,引き出し10などが設けられている。これにより、システムキッチン2は、単体としての厨房家具が複合した複合厨房家具を構成している。
【0015】
図1ないし図10に示すように、水栓装置1は、カウンター11の上部に設けられた水栓2の吐出部13から、水槽としてのシンク8に水(たとえば、冷水または温水)を流すための装置である。
なお、水栓装置1は洗面化粧台に設けられる場合でもよい。この場合は、カウンターの上部に水栓12が配置され、水栓12の吐出部13から水槽としての洗面ボールに水(たとえば、冷水または温水)を流すことになる。
本発明で「吐水」,「吐止水」の操作や動作は、単に吐出部13から水を流す場合や、水を遮断する場合のほか、流量調節を行う場合も含んでいる。また、「湯水の切換え」の操作や動作は、単に水と湯を切換える場合のほか、水と湯を混合して温水にする場合(温度調節する場合)も含んでいる。
【0016】
シンク8の上面またはワークトップ7の面(本実施例では、シンク8の上面)がカウンター11になっている。カウンター11に水栓装置1が取付けられ、水栓12がカウンター11より上方に突出している。
水栓装置1は、カウンター11から上方に突出して所定形状に折曲形成された中空のケース部としての上部ケース25と、カウンター11の下方に配置されて上下方向を向いている中空のケース部としての下部ケース26とを有している。上部ケース25と下部ケース26の間にはフランジ部27が形成され、フランジ部27により水栓装置1がカウンター11に取付けられている。
【0017】
水栓装置1において、水栓12の先端部近傍には操作部20が設けられている。カウンター11の下部には、機械的に吐水および止水を少なくとも行うための弁21が設けられている。
水栓装置1は、操作部20を操作することによる機械的な動作を伝達手段22を介して弁21に伝達して、弁21が少なくとも吐水および止水の各動作を行うようにしている。その結果、機械的に吐水および止水を少なくとも行うための弁21をカウンター11の下部に設けて、カウンター上部の水栓12を軽量化し且つ常に清潔にするとともに、水栓12の意匠をデザインする際の自由度を向上させることができ、また、すべてのユーザーにとって水栓12の操作が容易になる。
【0018】
上部ケース25は所定形状に湾曲して形成されており、上部ケース25の先端部には操作部20が設けられ、操作部20の操作レバー28をユーザーが操作することになる。水栓12の先端部にはヘッド部29が設けられており、上部ケース25とヘッド部29の間に操作部20が位置している。
ヘッド部29は、通常は操作部20の先端部側に位置決め保持されているが、ヘッド部29にはホース30が接続されて、ヘッド部29を任意の方向および位置に引き出し可能になっている(図3,図9)。
このように、水栓12は、カウンター11に取付けられた中空の上部ケース25と、上部ケース25の先端に配置されて吐出部13を有するヘッド部29と、上部ケース25に取付けられた操作部20と、ヘッド部29と弁21とを連通させて内部を水が流れる折曲自在なホース30とを有している。
そして、ホース30が接続されたヘッド部29を引き出して、ヘッド部29を任意の方向および位置に移動可能になっている(図3,図9)。ヘッド部29をシンク8内の任意の位置に移動させて水を流すことにより、洗浄や調理などを自在に行うことができる。
【0019】
ホース30は、任意の形状に折り曲げ可能な管状体であり、一端がヘッド部29に接続され、他端が弁21に接続されている。
端部が弁21に接続されたホース30は、下部ケース26の途中に形成された貫通孔42を通って下部ケース26内を通り、上部ケース25と操作部20の内方を貫通してヘッド部29に接続されている。
貫通孔42には一つまたは複数のOリング49が設けられ、Oリング49は水栓装置1の内方と外方をシールしている。これにより、たとえば弁21に万一水漏れが生じてこれが水栓12などの内部に溜まった場合でも、この水が貫通孔42を通って外部に流れ出る恐れがなくなる。また、Oリング49を設けたので、ホース30は貫通孔42内をスムーズに移動することができる。
【0020】
弁21には、水の配管40と湯の配管41が接続されている。水の配管40と湯の配管41の途中には、それぞれユーザーが手動で操作するための供給弁(図示せず)が設けられて、弁21に対する水,湯の供給をオン,オフできるようになっているが、供給弁は通常は開状態になっている。
弁21は、配管40,41からそれぞれ供給される水,湯の吐水(流量調節を含む)と止水を行う吐止水動作が可能である。また、弁21は、配管40による水の供給と配管41による湯の供給を切換える(水と湯の混合も含む)湯水切換動作も可能である。
弁21を通った水,湯(または、水と湯を混合した温水)は、ホース30内を流れ、ヘッド部29を通って吐出部13からシンク8に流れ出る。
【0021】
操作部20に対して、吐水および止水を行うための吐止水操作(矢印B1に示す操作)と、水と湯を切換えるための湯水切換操作(矢印B2に示す操作)とが可能である。伝達手段22は、可撓性の第1のワイヤ23と可撓性の第2のワイヤ24とを有している。
操作部20に対する吐止水操作(矢印B1)を第1のワイヤ23により弁21に伝達して、弁21が吐止水動作を行う。また、操作部20に対する湯水切換操作(矢印B2)を第2のワイヤにより弁21に伝達して、弁21が湯水切換動作を行う。このようにすれば、水栓装置1は、吐出部13からの吐水および止水を行うとともに、湯水を切換えて、任意の水量で且つ任意の温度の水または温水を流すことができる。
また、可撓性の第1のワイヤ23と第2のワイヤ24を伝達手段22として使用しているので、ユーザーが操作部20を操作すれば、操作部20の動作が第1のワイヤ23と第2のワイヤ24を介して弁21に直ちに機械的に伝達されることになり、弁21では、動作の遅れが生じることがなく直ちに吐水,止水,湯水切換えが行われる。
【0022】
伝達手段22は、カウンター11の下部に配置されて弁21と連結され且つ弁21を駆動するための弁駆動部31を有している。フランジ部27から下方に向けて有底円筒状の下部ケース26が延びており、下部ケース26の内部に弁駆動部31が収納されている。下部ケース26の内方最下部に弁21が収納され、弁21のすぐ上部に弁駆動部31が配置されている。
下部ケース26は、カウンター11に形成された取付け孔43を貫通して配置されて、カウンター11に取付けられている。下部ケース26に形成されたねじ44にナット45をねじ込むことにより、フランジ部27のフランジ46とナット45でカウンター11を上下から挟んだ状態で、水栓装置1がカウンター11に位置決め固定されている。
【0023】
第1のワイヤ23と第2のワイヤ24は、それぞれガイド手段47により周囲を囲まれて拘束された状態で、各中心軸線方向に進退運動のみを行う。これにより、操作部20を操作することによる機械的な動作を、第1のワイヤ23と第2のワイヤ24を介して確実に且つ直ちに弁駆動部31に伝達することができる。
上部ケース25と下部ケース26の内部には、ガイド部材48が収納されている。ガイド部材48には、第1のワイヤ23をその軸線方向に移動可能に案内する第1の孔50と、第2のワイヤ24をその軸線方向に移動可能に案内する第2の孔51とが形成されている。
ガイド部材48は、上部にフランジ52を有する筒状部材53の内方に嵌合固定されている。なお、ガイド部材48と筒状部材53を別体で形成した場合を示しているが、ガイド部材48と筒状部材53を一体形成した場合であってもよい。
筒状部材53の内方下部に弁駆動部31が固定されている。筒状部材53のフランジ52は、フランジ部27を構成してカウンター11に取付けられている。筒状部材53の外周全体は下部ケース26に覆われている。
【0024】
ガイド部材48の孔50,51から上方に出た第1のワイヤ23と第2のワイヤ24は、それぞれ第1のワイヤ拘束管54と第2のワイヤ拘束管55に周囲を囲まれて拘束された状態で、各中心軸線方向に進退運動のみを行う。
第1のワイヤ拘束管54と第2のワイヤ拘束管55は、上部ケース25の内方に収納されるとともに上部ケース25の形状に沿って所定形状に形成され、ガイド部材48から操作部20まで延びている。
操作部20を操作することによる機械的な動作は、第1のワイヤ23と第2のワイヤ24をそれぞれ中心軸線方向に進退運動させる。この進退運動は弁駆動部31に伝達され、弁駆動部31に駆動された弁21は吐止水動作と湯水切換動作とを行う。
このように、伝達手段22は、第1のワイヤ23,第2のワイヤ24,ガイド手段47および弁駆動部31により構成されている。ガイド手段47は、ガイド部材48,筒状部材53,第1のワイヤ拘束管54および第2のワイヤ拘束管55により構成されている。
【0025】
次に、操作部20と弁駆動部31の構成について説明する。
図11は操作部20の分解斜視図、図12は、他の方向から見たときの操作部20の分解斜視図、図13は、操作部20の組込み途中の状態を示す分解斜視図、図14は、図13に示す組込みに続く操作部20の組込み途中の状態を示す分解斜視図、図15は、操作部20の組込みが完了した状態を示す斜視図である。
図16は弁駆動部31などを示す部分拡大断面図、図17は弁駆動部31の斜視図、図18は、弁駆動部31の内部構造を示す断面斜視図である。
【0026】
図11ないし図18に示すように、操作部20は、吐止水操作用カム機構60と湯水切換操作用カム機構61とを有している。
操作レバー28を用いた吐止水操作B1による第1の回転運動を、吐止水操作用カム機構60により第1のワイヤの中心軸線方向の進退運動に変換している。また、操作レバー28を用いた湯水切換操作B2による第2の回転運動を、湯水切換操作用カム機構61により第2のワイヤ24の中心軸線方向の進退運動に変換している。
このように、吐止水操作用カム機構60と湯水切換操作用カム機構61を操作部20に設けたので、操作レバー28を操作すれば、第1のワイヤ23と第2のワイヤ24をそれぞれ進退運動させて、各進退運動により弁駆動部31を駆動することができる。
【0027】
弁駆動部31は、第1のワイヤ23の進退運動を、この進退運動の方向(矢印D1方向)に対して直交する方向(矢印E1の方向)の直線運動に変換して弁21に伝達する第1の弁駆動用カム機構62と、第2のワイヤ24の進退運動(矢印D2)を回転運動(矢印E2)に変換して弁21に伝達する第2の弁駆動用カム機構63とを有している。
弁21は、第1の弁駆動用カム機構62で直線運動が伝達されたとき吐止水動作を行い、第2の弁駆動用カム機構63で回転運動が伝達されたとき湯水切換動作を行う。弁21が吐止水動作と湯水切換動作を行うので、水の配管40と湯の配管41によりそれぞれ弁21に供給された水と湯は、弁21から出てホース30を通ってヘッド部29に供給され、吐出部13から流れ出る。
【0028】
操作部20は、上部ケース25の先端部に固定された円筒状ケーシング64と、円筒状ケーシング64に係合して回動可能な円筒カム65と、円筒状ケーシング64,円筒カム65などを覆う円筒状カバー66と、円筒状カバー66に取付けられた操作レバー28とを有している。
操作部20の中心部には、貫通孔69が軸線方向に形成されており、この貫通孔69には、ホース30がほぼその軸線方向に移動可能に挿通している。
円筒状ケーシング64は、非回転状態に上部ケース25に取付けられている。操作レバー28は、円筒状カバー66に取付けられて、軸線CL1を中心として矢印B1に示すように回動可能である。
円筒カム65の大径部67に円筒カバー66が固定されているので、円筒カム65,円筒カバー66および操作レバー28は、円筒状ケーシング64に対して、その中心軸線CL2を中心として矢印B2に示すように回動可能である。すなわち、操作レバー28を矢印B2に示すように操作すれば、円筒状カバー66と円筒カム65は、中心軸線CL2まわりに回転する。
【0029】
円筒状ケーシング64は大径部70と小径部71を有している。大径部70と小径部71は、ともに円筒状をなして中心部に貫通孔69が形成されている。小径部71の周面には切欠部72が形成されている。
切欠部72には、中心軸線CL2と平行に複数(ここでは、二本)の案内シャフト73が取付けられている。案内シャフト73には、部分円筒状の外周面を有するスライド部材74が係合している。
スライド部材74は、中心軸線CL2と平行な方向に、矢印Gに示すように移動可能になっている。スライド部材74の外周面には、円周方向に延びた長孔75が形成されている。スライド部材74の外周面と小径部71の外周面は、面一になって全体として円筒面を形成している。
スライド部材74の端面(大径部70側の端面76)には、第1のワイヤ23の端部が連結されている。したがって、スライド部材74が矢印Gに示すように移動すれば、第1のワイヤ23もその軸線方向に移動することになる。スライド部材74に連結された第1のワイヤ23は、大径部70に形成された貫通孔77を貫通したのち上部ケース25内に延びている。
【0030】
操作レバー28の根元部78には、リンク79が半径方向外方に突出して固定され、リンク79の先端部にはピン80が固定されている。円筒状の内周面81を有するカム部材82が、リンク79に係合するとともに、スライド部材74の長孔75に係合している。カム部材82にはカム溝83が斜めに形成されており、カム溝83にリンク79のピン80が係合している。
カム部材82の内周面81には係止片84が突出して設けられており、係止片84は長孔75に係合している。カム部材82の内周面81は、スライド部材74と小径部71の各外周面にスライド自在に摺接している。
係止片84が長孔75に係合しているので、カム部材82は、スライド部材74と一緒になって矢印Gに示すように中心軸線CL2と平行に移動可能である。また、カム部材82は、スライド部材74と小径部71の外周面をスライドして、中心軸線CL2を中心として、矢印Hに示すように円周方向に回動可能である。
円筒状ケーシング64,スライド部材74,カム部材84およびリンク79などにより、吐止水操作用カム機構60が構成されている。
【0031】
カム溝83はカム部材82に斜めに形成されている。したがって、操作レバー28を矢印B1方向に操作してリンク79を回転させると、ピン80がカム溝83内をスライドするので、カム部材82は矢印G(中心軸線CL2と平行な方向)に示すように移動する。
カム部材82は、スライド部材74と小径部71の外周面に沿って円周方向にスライドするが、カム部材82の係止片84はスライド部材74の長孔75内を移動可能なので、カム部材82は、スライド部材74と小径部71の外周面をスムーズにスライドする。
このとき、スライド部材74もカム部材82と一緒になって矢印G方向に移動するので、スライド部材74に連結されている第1のワイヤ23が、その軸線方向に進退移動することになる。
【0032】
円筒カム65は、円筒状ケーシング64の内方に嵌合して、中心軸線CL2を中心として回動可能になっている。円筒カム65の外周面には螺旋状カム溝85が形成されている。螺旋状カム溝85にはカム従動子86が係合し、カム従動子86には第2のワイヤ24の端部が連結されている。第2のワイヤ24は、円筒状ケーシング64に形成された貫通孔87を挿通してその軸線方向に移動可能になっている。
円筒カム65とカム従動子86により、湯水切換操作用カム機構61が構成されている。円筒カム65が円筒状ケーシング64の内方に嵌合した状態で、カム従動子86は、円周方向に移動せず中心軸線CL2と平行な方向(矢印J)のみに移動可能なように規制されている。
操作レバー28を矢印B2方向に操作して、円筒状カバー66と円筒カム65を中心軸線CL2を中心として回転させると、螺旋状カム溝85も回転するので、カム従動子86は矢印Jに示す方向に移動する。その結果、カム従動子86に連結された第2のワイヤ24は、その軸線方向に移動することになる。
【0033】
弁駆動部31は、弁21の上に直接載置された状態で、筒状部材53の内方に位置決め保持されている。円筒状の外周ケーシング100が、筒状部材53に非回転状態で固定されている。
外周ケーシング100の内方には、円筒状の外周面を有する回転駆動用カム101が、外周ケーシング100と同心で且つ回動可能に配置されている。
回転駆動用カム101は、正逆方向に回転運動のみを行なって、その軸線方向には移動しないように規制された状態で保持されている。回転駆動用カム101が回転すると、その回転運動は弁21に直接伝達されるようになっている。
【0034】
回転駆動用カム101の外周面にはカム溝102が斜めに形成され、カム溝102にはカム従動子103が係合している。カム従動子103には第2のワイヤ24の端部が連結されている。カム従動子103は、矢印D2に示すように、第2のワイヤ24の軸線方向にのみ移動可能なように規制された状態で、外周ケーシング100により保持されている。
したがって、第2のワイヤ24がその軸線方向に進退運動すると、第2のワイヤ24に連結されたカム従動子103がカム溝102の内面を押すので、回転駆動用カム101は矢印Kに示すように回転運動を行う。
この回転駆動用カム101の回転運動は、その下方の弁21に直接伝達されるので、弁21は湯水切換動作を行う。すなわち、回転駆動用カム101の回転運動は、弁21の部品である回転部材114に伝達されて回転部材114を回転させる。その結果、弁21は水と湯を切換えることができる。
回転駆動用カム101,カム従動子103,外周ケーシング100などにより、第2の弁駆動用カム機構63が構成される。
【0035】
回転駆動用カム101の内方には、第1の弁駆動用カム機構62が配置されている。回転駆動用カム101には、所定形状(ここでは、矩形状)の係合孔105が形成されており、係合孔105には矩形状の板カム106が嵌合している。
板カム106は、回転駆動用カム101に対して軸線方向(矢印D1方向)にのみ移動可能であるが相対的に回転しないように規制された状態で、回転駆動用カム101に保持されている。
なお、回転駆動用カム101が回転すると、板カム106とレバー108も回転駆動用カム101と一緒に回転するが、回転角度(回転ストローク)は限られているので、回転によるねじれは第1のワイヤ23で吸収される。
【0036】
板カム106には斜めにカム溝107が形成されており、第1のワイヤ23の端部が板カム106の上端面に連結されている。回転駆動用カム101には、レバー108が支持軸109により回動可能に支持されている。
レバー108には、カム従動子の機能を有するピン110が取付けられ、ピン110はカム溝107に係合している。ピン110は支持軸109より上方に位置しており、支持軸109の下方には係合部111が形成されている。レバー108は、支持軸109を中心として矢印Lに示すように回動可能になっている。
【0037】
係合部111は、弁21の構成部品である移動部材112の被係合部113に係合して、移動部材112を矢印E1に示すように直線運動させるようになっている。板カム106,レバー108,支持軸109,移動部材112などにより、第1の弁駆動用カム機構62が構成されている。
したがって、第1のワイヤ23がその軸線方向に移動すると、板カム106が、回転駆動用カム101に対して相対的に矢印D1に示すように上下方向に移動する。すると、カム溝107に係合しているピン110が移動して、レバー108が支持軸109を中心として矢印Lに示すように回転する。
その結果、レバー108の係合部111が被係合部113を押すので、移動部材112が矢印E1に示すように直線運動することになり、弁21は吐止水動作を行う。
【0038】
次に、水栓装置1の動作について説明する。
たとえば、システムキッチン2の前方で調理作業を行なっているユーザーは、操作部20に対して吐止水操作を行い、また必要に応じて湯水切換操作を行う。
矢印B1に示すように、操作レバー28を手前に引けば水を止めることができ、これとは反対側に押せば吐出部13から水が流れ出る。水量調節は、操作レバー28の位置(矢印B1方向の角度)を調節することにより行う。
この場合、操作レバー28を、その軸線CL1を中心として矢印B1方向に回転させれば、リンク79のピン80がカム部材82のカム溝83内をスライドする。すると、カム部材82が、円筒状ケーシング64の小径部71とスライド部材74の各外周面上をスライドする。
このとき、係止片84がスライド部材74の長孔75に係合しているので、スライド部材74は、案内シャフト73にガイドされながら操作部20の中心軸線CL2と平行な矢印G方向に直線運動する。
【0039】
このスライド部材74の直線運動は、スライド部材74に連結されている第1のワイヤ23に伝達されて、第1のワイヤ23がその軸線方向に進退運動を行う。第1のワイヤ23は、貫通孔77,第1のワイヤ拘束管54,第1の孔50などにより周囲を囲まれて拘束されているので、第1のワイヤ23の進退運動は、弁駆動部31の板カム106に伝達される。
すると、板カム106が矢印D1方向(上下方向)に移動する。カム溝107とピン110を介して、レバー108が支持軸109を中心として矢印Lに示すように回転する。これにより、レバー108の係合部111が、弁21の移動部材112を矢印E1に示すように直線運動させる。この移動部材112の直線運動により、弁21は吐止水動作を行う。
その結果、水の配管40と湯の配管41の一方または両方が、ホース30と連通して水量の調節を行なったり、連通を遮断して止水を行う。配管40,41の一方または両方がホース30と連通すると、水と湯の一方または両方は、ホース30を流れてヘッド部29の吐出部13から流れ出る。
【0040】
次に、湯水を切換える場合には、操作レバー28を矢印B2に示すように中心軸線CL2を中心として回転させる。たとえば、水栓12の前方に立っているユーザーから見て、操作レバー28を右方向に向ければ水の供給になり、左方向に向ければ湯の供給になる。水温調節は、その間の任意の角度で操作レバー28を止めれば任意の温度を選択することができる。
こうして、操作レバー28を中心軸線CL2を中心として矢印B2方向に回転させれば、操作レバー28の取付けられた操作部20の円筒状カバー66が、矢印B2に示すように回転する。すると、円筒状カバー66に固定された円筒カム65も一緒に回転する。
すなわち、操作レバー28を矢印B2方向に回転させると、リンク79のピン80とカム溝83を介して、カム部材82も矢印Hに示すように中心軸線CL2まわりに回転する。このとき、係止片84が係合する長孔75は円周方向に長くなっているので、係止片84は長孔75内を円周方向に移動する。カム部材82は、スライド部材74に影響を与えることなく自由に回転する。
【0041】
円筒カム65が回転するので、螺旋状カム溝85とカム従動子86を介して、第2のワイヤ24がその中心軸線方向に進退運動を行う。第2のワイヤ24は、貫通孔87,第2のワイヤ拘束管55,第2の孔51などにより周囲を囲まれて拘束された状態なので、中心軸線方向にのみ進退運動を行う。
第2のワイヤ24の進退運動は、弁駆動部31に伝達されて、カム従動子103およびカム溝102を介して回転駆動用カム101を回転させる。この回転駆動用カム101が回転する角度は、操作レバー28を矢印B2方向に回転させた角度に対応している。
回転駆動用カム101の回転動作は、弁21の回転部材114に直接的に伝達されるので、回転部材114は矢印E2に示すように任意の角度回転する。その結果、水の配管40から供給される水に対して、湯の配管41から供給される湯の混合比が、0〜100%の範囲で混合される。こうして温度調節された水または温水は、ホース30を流れて吐出部13から流れ出る。
【0042】
水栓12から離れた位置に水を流したい場合には、ヘッド部29を、矢印Fに示すように前方に引き出す。すると、ヘッド部29は、操作部20から離れた任意の位置にまで引き出される。
ホース30は、筒状部材53に斜めに形成された貫通孔42を挿通しており、下部ケース26と上部ケース25内を移動して引っ張り出されたり収納されたりする。余ったホース30は、カウンター11の下方で垂れ下がっているが、カウンター11の下方はユーザーから見えないので外観上は問題ない。
【0043】
このように、本実施例では、従来の電気的な動作に代えて、操作部20で機械的に吐止水および湯水切換えの各操作を行うとともに、この操作部20での動作を伝達手段22で弁21に機械的に伝達している。その結果、操作レバー28の操作が機械的に直ちに弁21に伝達されることになり、弁21は、タイムラグが生じることなく感度よく直ちに動作する。
弁21とこの弁21を駆動する弁駆動部31を、カウンター11の下部に設けたので、カウンター11の上部に位置する水栓12が、外観上極めてシンプルですっきりとした形状で意匠性も良好で軽量化される。
また、水栓12には、従来のレバーカートリッジなどによる凸凹がほとんどないので、水栓12に水が溜まって水垢が発生する恐れがなく、清掃も簡単で常に清潔に保つことができる。
弁21や弁駆動部31は意匠のデザインの対象から外れるので、自由な発想で水栓12の意匠をデザインすることができる。
【0044】
操作部20が、ユーザーに近い位置、すなわち水栓12の先端部近傍に配置されているので、すべてのユーザー、特に子供や老人も操作レバー28を容易に操作することができる。
従来の水栓装置では、引き出し可能なシャワーホースを設けることができない場合があったが、本実施例の水栓装置1では、引き出し可能なシャワーホース付きタイプを実現することができる。
水栓装置1は電気を使用しないので、システムキッチン2で速い作業スピードで調理などを行なっているときでも、吐止水,湯水切換えなどを感度よく高速で行うことができ、また、配線工事も不要である。
【0045】
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形,付加などが可能である。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、システムキッチンや洗面化粧台などの水槽に水を流すための水栓装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】図1ないし図18は本発明の一実施例を示す図で、図1は、本発明の水栓装置が設けられたシステムキッチンの一部を示す斜視図である。
【図2】水栓装置の全体を示す正面図で、一部を断面で示している。
【図3】水栓装置の全体を示す斜視図で、一部を断面で示している。
【図4】水栓装置の分解斜視図である。
【図5】水栓装置の一部を示す分解斜視図である。
【図6】水栓を示す斜視図である。
【図7】水栓における吐止水操作を示す斜視図である。
【図8】水栓における湯水切換え操作を示す斜視図である。
【図9】水栓におけるヘッド部を引き出した状態を示す斜視図である。
【図10】水栓の取付け構造を示す斜視図である。
【図11】操作部の分解斜視図である。
【図12】他の方向から見たときの操作部の分解斜視図である。
【図13】操作部の組込み途中の状態を示す分解斜視図である。
【図14】図13に示す組込みに続く操作部の組込み途中の状態を示す分解斜視図である。
【図15】操作部の組込みが完了した状態を示す斜視図である。
【図16】弁駆動部などを示す部分拡大断面図である。
【図17】弁駆動部の斜視図である。
【図18】弁駆動部の内部構造を示す断面斜視図である。
【符号の説明】
【0048】
1 水栓装置
8 シンク(水槽)
11 カウンター
12 水栓
13 吐出部
20 操作部
21 弁
22 伝達手段
23 第1のワイヤ
24 第2のワイヤ
25 上部ケース(ケース部)
29 ヘッド部
30 ホース
31 弁駆動部
47 ガイド手段
60 吐止水操作用カム機構
61 湯水切換操作用カム機構
62 第1の弁駆動用カム機構
63 第2の弁駆動用カム機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンターの上部に水栓が配置され、この水栓の吐出部から水槽に水を流すための水栓装置であって、
前記水栓の先端部近傍に操作部を設け、機械的に吐水および止水を少なくとも行うための弁を前記カウンターの下部に設け、前記操作部を操作することによる機械的な動作を伝達手段を介して前記弁に伝達して、この弁が少なくとも吐水および止水の各動作を行うようにしたことを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水栓装置であって、
前記操作部に対して、吐水および止水を行うための吐止水操作と、水と湯を切換えるための湯水切換操作とが可能であり、
前記弁は、前記吐水および前記止水を行う吐止水動作と、水の供給と湯の供給を切換える湯水切換動作とが可能であり、
前記伝達手段は、可撓性の第1のワイヤと可撓性の第2のワイヤとを有し、
前記操作部に対する前記吐止水操作を前記第1のワイヤにより前記弁に伝達してこの弁が前記吐止水動作を行い、前記操作部に対する前記湯水切換操作を前記第2のワイヤにより前記弁に伝達してこの弁が前記湯水切換動作を行うようにしたことを特徴とする水栓装置。
【請求項3】
請求項2に記載の水栓装置であって、
前記操作部は吐止水操作用カム機構と湯水切換操作用カム機構を有しており、
前記吐止水操作による第1の回転運動を前記吐止水操作用カム機構により前記第1のワイヤの中心軸線方向の進退運動に変換し、
前記湯水切換操作による第2の回転運動を前記湯水切換操作用カム機構により前記第2のワイヤの中心軸線方向の進退運動に変換するようにしたことを特徴とする水栓装置。
【請求項4】
請求項3に記載の水栓装置であって、
前記伝達手段は、前記カウンターの下部に配置されて前記弁と連結された弁駆動部を有しており、
この弁駆動部は、前記第1のワイヤの前記進退運動をこの進退運動の方向に対して直交する方向の直線運動に変換して前記弁に伝達する第1の弁駆動用カム機構と、前記第2のワイヤの前記進退運動を回転運動に変換して前記弁に伝達する第2の弁駆動用カム機構とを有し、
前記弁は、前記第1の弁駆動用カム機構により前記直線運動が伝達されたとき前記吐止水動作を行い、前記第2の弁駆動用カム機構により前記回転運動が伝達されたとき前記湯水切換動作を行うようにしたことを特徴とする水栓装置。
【請求項5】
請求項2,3または4に記載の水栓装置であって、前記第1のワイヤと前記第2のワイヤは、それぞれガイド手段により周囲を囲まれて拘束された状態で各中心軸線方向に進退運動のみを行うことを特徴とする水栓装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの項に記載の水栓装置であって、
前記水栓は、前記カウンターに取付けられた中空のケース部と、このケース部の先端に配置されて前記吐出部を有するヘッド部と、前記ケース部に取付けられた前記操作部と、前記ヘッド部と前記操作部の内方に配置され、前記ヘッド部と前記弁とを連通させる折曲自在なホースとを有し、
このホースが接続された前記ヘッド部を引き出して任意の位置および方向に移動可能であることを特徴とする水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−81989(P2008−81989A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261826(P2006−261826)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】