説明

水系顔料分散体および水系顔料インクの製造方法及びこれを用いた記録装置、記録物

【課題】小径ビーズを使用する際に問題である水系顔料分散体の生産性と保存性(具体的には高温保存時での特性の変化のないこと)の両立。
【解決手段】少なくとも顔料、分散剤、水を含有する水系顔料混合液を直径0.01mm以上0.5mm以下のジルコニアビーズを使用して分散する本分散工程を有することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方法及び装置用の水系顔料分散体の製造方法、並びに前記水系顔料分散体を使用した水系顔料インクに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点がある。
インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と有機溶剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されているが、染料系インクは色調の鮮明性は優れているものの耐光性に劣る欠点があった。一方、カーボンブラックや各種の有機顔料を分散させた顔料系インクは染料系インクと比較して耐光性に優れるため盛んに研究されている。
【0003】
しかし、顔料は染料と異なり水不溶性であるため、顔料を水中に微粒子状態で安定に分散することが重要であるが、この分散は必ずしも簡単ではない。特に、顔料分散系に対する温度条件が変化すると分散剤の顔料の吸着平衡がくずれ、これが顔料粒子同士の相互作用に影響を及ぼし、長期の保存において物性の変化及び/又は多量の凝集異物を発生することが多々ある。インクジェットプリンタ用インクにとって、こうした物性変化(特に、粘度変化)及び/又は多量の凝集異物の発生は致命的である。これらは、ヘッドにおける特性の変化及び/又は吐出ノズルの目詰まりを起こすため、適正な印字が不可能となってしまうからである。
【0004】
顔料分散とは凝集体として存在している顔料を一次粒子または一次粒子に近い状態まで磨砕または解砕する操作であるが、顔料の一般的分散方法は、顔料と分散剤を分散媒体中で混合した顔料分散混合液をボールミルやサンドミルなどの分散装置と分散メディアを組み合わせ、磨砕または分散するものである。分散メディアとしてガラス、鉄、セラミックスなどの材質からなる直径数mmから1mm程度のビーズが使用されている。このビーズ径を小さくすることにより、幾何級数的に単位体積当たりのビーズ個数が増え、顔料とビーズとの衝突個数が飛躍的に増大し、顔料の微粒子分散が可能になる。
しかし、ビーズ径が小さくなりすぎると、ビーズ1個あたりの質量が小さくなり顔料との衝突の際に顔料に対する衝撃力が格段に弱くなり、顔料の分散に長時間を要したり、顔料の微粒子分散ができなくなったりする。さらには、分散機内部でビーズと顔料分散混合液を分離することができない。このため、従来、特に顔料を微粒子分散する場合にはビーズの直径が0.2mmから1.0mmのサイズのものが使用されている。
【0005】
特許文献1(特開2005−240027号公報)には直径0.02mm以上0.2mm未満と従来よりも小径のマイクロビーズを使用して分散する製造方法、特許文献2(特開2006−7128号公報)には分散機としてアニュラー型のものを用いる顔料分散システム、特許文献3(特開2000−44856号公報)にはセラミックビーズの充填率と周速を規定した製造方法、特許文献4(特開2006−188626号公報)にはスラリーの固形分濃度が10〜40質量%でビーズ径、周速を規定した製造方法など提案されてきた。
しかし、これらの方法で得られた水系顔料分散体の保存性は著しく低下したり、水系顔料分散体の生産性を低下させるという問題が発生した。
【0006】
【特許文献1】特開2005−240027号公報
【特許文献2】特開2006−7128号公報
【特許文献3】特開2000−44856号公報
【特許文献4】特開2006−188626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、小径ビーズを使用する際に問題である水系顔料分散体の生産性と保存性(具体的には高温保存時での特性の変化のないこと)の両立にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、以下の本発明により解決される
(1)「少なくとも顔料、分散剤、水を含有する水系顔料混合液を直径0.01mm以上0.5mm以下のジルコニアビーズを使用して分散する本分散工程を有することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法」、
(2)「前記本分散工程のジルコニアビーズの充填率50%以上100%以下、周速5m/s以上20m/S以下の条件で分散することを特徴とする前記第(1)項に記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(3)「前記水系顔料混合液をビーズレスで分散するプレ分散工程を有することを特徴とする前記第(1)項又は第(2)項に記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(4)「前記顔料の固形分濃度が、10%以上40%以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(5)「前記本分散工程を経た後の顔料の平均粒径が150nm以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(6)「前記顔料が、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、アルミニウムフタロシアニン、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138のいずれかから選ばれた一種、または二種以上の混合物であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(7)「前記分散剤として界面活性剤が使われていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(8)「前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.1以上2以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(9)「前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の、少なくとも一種を使用することを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法;
【0009】
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、1は0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)」、
(10)「前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする前記第(9)項に記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(11)「前記本分散工程を経た後の水系顔料分散体を加熱処理する工程を更に含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法」、
(12)「前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法で製造されたことを特徴とする水系顔料分散体」、
(13)「前記第(12)項に記載の水系顔料分散体を使用することを特徴とする水系顔料インク」、
(14)「前記第(13)項に記載の水系顔料インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ」、
(15)「前記第(13)項に記載の水系顔料インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置」、
(16)「前記第(15)項に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法」、
(17)「前記第(16)項に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物」、
(18)「画像支持体が紙であることを特徴とする前記第(17)項に記載の画像形成物」。
【発明の効果】
【0010】
本発明の水系顔料分散体の製造方法により、水系顔料分散体の生産性と保存性を両立させるものを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。
[顔料]
本発明における顔料としては、ブラック顔料としてはファーネス法あるいはチャネル法で製造されたカーボンブラック等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57(Ca)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド112、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー15、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられる。
イエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー129、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155、ピグメントイエロー180等が挙げられる。
色調、耐光性のバランスの点から、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、アルミニウムフタロシアニン、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138のいずれかから選ばれた一種、または二種以上の混合物を好ましく用いることができる。上記顔料の顔料分散体中、顔料インク中における濃度はそれぞれ0.1〜50%、0.1〜20%が好ましい。より好ましくはそれぞれ0.1〜30%、0.1〜10%が好ましい。
【0012】
[分散剤]
本発明で用いる分散剤としては、界面活性剤を用いることができ(または高分子樹脂なる性質を満たすものが挙げられ)、分散体、インクの初期粘度という観点から、つぎの一般式(1)で示される分散剤が、好ましく、うち、前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルが最も好ましく用いられる。
【0013】
【化2】

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、1は0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)
【0014】
本発明のインク組成分としては、湿潤剤を含んでなるのが好ましく、湿潤剤の沸点は180℃以上のものが好ましい。該湿潤剤が水系顔料インク中に含有されていると、インク組成物の保水と湿潤性を確保することができ、その結果、水系顔料インクを長期間保存しても色材の凝集や粘度の上昇がなく、優れた保存安定性を実現できる。また、インクジェットプリンタのノズル先端等で開放状態に放置されても、乾燥物の流動性を長時間維持するインクジェット記録用インクが実現できる。更に印字中もしくは印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが発生することもなく、高い吐出安定性が得られる。
【0015】
本発明において用いられる水系顔料インクとしては以下のものが例示されるが、これらに限定されるものではない。
例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール1.3−ブチルグリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ぺンタンジオール、1,6−へキナンジオール、グリセリン、1,2,6−へキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ぺトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノべンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。これらの湿潤剤は、単独又は2種類以上混合して使用することができる。
前記湿潤剤の中でも、1.3−ブチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及び/またはグリセリンを含むことがインクの乾燥による目詰まりすなわち水分蒸発による噴射特性不良の防止、及び本発明の形成画像の彩度を向上する上で優れた効果が得られる。
これらの湿潤剤の添加量はインクの0.1〜50重量%、好ましくは5〜40重量%の範囲が適量である。
【0016】
また好ましくは、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール(EHD)を含むことで、インクの浸透性をあげると同時に顔料を表面にとどめることで滲みをなくし、画像濃度が高くかつ裏抜けが少ない印字画像を得ることが可能となった。EHDの含有量としては0.1重量%以上、4.0重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量%以上、3.0重量%以下である。0.1重量%未満では効果が少なく、4.0重量%を超えると、これ自体の溶解性が低いために、信頼性が悪くなる。
【0017】
本発明で使用されるノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテルあるいはアセチレン系界面活性剤、シリコン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤等のノニオン系界面活性剤等が挙げられる。
【0018】
本発明では、下記界面活性剤を、インク特性に影響を及ぼさない範囲内で、併用してもよい。
具体的には、ノニオン系界面活性剤としては、BTシリーズ(日光ケミカルズ)ノニポールシリーズ(三洋化成)、D−,P−シリーズ(竹本油脂)サーフィノールシリーズ(エアープロダクツ)オルフィンシリーズ(日信化学)EMALEX DAPEシリーズ(日本エマルジョン)、シリコーン系界面活性剤(東レダウコーニング等)、フッ素系界面活性剤(ネオス,住友3M,Dupont,ダイキン)等として、入手できる。
これらの界面活性剤はインクの表面張力を下げ、インクの紙への浸透性を上げることによって、印字画像の乾燥性を速めるために添加されるものであり、その添加量は、インクの表面張力が、通常、50mN/m以下好ましくは40mN/m以下になるように調整され、含有量として、0.1重量%以上、10.0重量%以下が好ましく、より好ましくは1.0重量%以上、5.0重量%以下である。前記界面活性剤の添加量は、0.1重量%よりも少ないと、動的表面張力が高いため乾燥性が悪く、逆に10.0重量%よりも多いと保存時に界面活性剤の析出などが生じる。
本発明のノニオン系界面活性剤の親水基がポリオキシエチレン基であることが好ましい。その理由は、明確に分かっているわけではないが、顔料表面の電荷を好適に維持し得る点、インクの発泡性低減し得る点でポリオキシエチレン基であることが好ましい。
【0019】
本発明で実施可能なエマルジョン樹脂は、スチレンアクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、ポリウレタン樹脂であって、特にポリウレタン樹脂が紙への定着性の理由で好ましい。
顔料インク作成原料として使用する際、または本発明の顔料インク組成物作成後において、O/W型のエマルジョンとして存在するものである。ポリウレタン系樹脂のエマルジョンには、比較的親水性の通常のポリウレタン系樹脂を外部に乳化剤を使用してエマルジョン化したものと、樹脂自体に乳化剤の働きをする官能基を共重合等の手段で導入した自己乳化型のエマルジョンがある。いずれも実施可能であるが、顔料インク組成物の成分の組み合わせによって、顔料及びエマルジョン粒子の分散安定性に若干の差違があるので注意を要する。顔料や分散剤との各種組み合わせにおいて、常に分散安定性に優れているのはアニオン型自己乳化型ポリウレタンのエマルジョン樹脂である。その際、顔料の固着性・分散安定性の面でポリウレタン系樹脂はポリエステル系よりポリカーボネート系である場合の方が好ましい。
【0020】
本発明の水系顔料分散体及び水系顔料インクの加熱処理の加熱温度は40〜80℃、好ましくは50〜70℃であり、加熱時間は5〜168時間、より好ましくは24〜96時間である。加熱温度が40℃よりも低いと分散安定化に時間がかかり、不十分で、80℃を超えると、逆に分散破壊を起こしてしまう。
【0021】
本発明の水系顔料分散体の製造方法は、少なくとも顔料、分散剤、水を含有する水系顔料混合液を直径0.01mm以上0.5mm以下のジルコニアビーズを使用して分散する本分散機を有することを特徴とするものである。ジルコニアビーズ径は0.03mm以上0.3mm以下がより好ましい。ジルコニアビーズ径が0.5mmより大きくなると顔料の分散能力が大きく低下し、目標粒径以下の微分散が困難である。
本発明のジルコニアビーズの充填率50%以上100%以下、周速5m/s以上20m/S以下の条件で分散することを特徴とするものである。ジルコニアビーズの充填率60%以上90%以下、周速8m/s以上16m/S以下がより好ましい。両者も低い条件ではビーズと顔料との相対速度やビーズの運動エネルギーが小さくなりすぎて、衝突や磨砕による分散が効果的に進まない。また高い条件ではビーズの運動エネルギーが大きくなりすぎて、顔料粒子の粒径分布もブロードになるとともに、顔料表面が必要以上に荒れて、分散安定性が低下する。
本発明の本分散機としては、ビーズを用いることができる分散機であれば良く、特に制限を受けないが、例えば、Getzmann社製「TORUSMILL」、アシザワ社製「スターミル」、アイメックス社製「ビスコミル」、シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」、三菱重工社製「ダイヤモンドファインミル」、コトブキ技研工業社製「アペックスメガ」、浅田鉄工社製「ピコミル」、ユーロテック社製「OBビーズミル」、三井鉱山社製「SCミル」等が挙げられる。
本発明の水系顔料混合液をビーズレスで分散するプレ分散機としては、特に制限を受けないが、例えば、プライミクス社製「T.K.フィルミックス」、スギノマシン社製「アルテマイザー」、エム・テクニック社製「CLEAR SS5」、「クレアミックスWモーション」、ユーロテック社製「キャビトロン」、シンマルエンタープライゼス社製「IKA DR2000」等が挙げられる。
【0022】
[分散後顔料粒子の測定]
なお、本発明に於ける平均粒径(D50)は常法により測定することは可能であるが、たとえば日機装(株)製の粒度分析計UPA150を使用して測定することができる。また、本発明でいう粒子径標準偏差も常法により測定することは可能であるが、これも例えば、日機装(株)製の粒度分析計UPA150を使用して測定して得た測定値sdを使用することができる。平均粒子径(D50)及び粒子径標準偏差は、分散機を用いて顔料を分散する際、分散機回転部周速、分散時間、分散液流量、分散液温度によって制御することが可能である。
【実施例】
【0023】
以下、本発明を、実施例に基いてさらに具体的に説明する。
【0024】
<顔料分散体作成例−1(実施例No.1)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
蒸留水 625部
【0025】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.03mmφジルコニアボール、ビーズ充填率80%、周速16m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径70nmの水系顔料分散体を得た。
【0026】
<顔料分散体作成例−2(実施例No.2)>
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−385)
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
蒸留水 775部
【0027】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.10mmφジルコニアボール、ビーズ充填率60%、周速12m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径120nmの水系顔料分散体を得た。
【0028】
<顔料分散体作成例−3(実施例No.3)>
顔料種γ:ピグメントイエロー74 250部
(大日精化工業社製、エローNO.43)
一般式(1)の化合物(n=40) 188部
蒸留水 562部
【0029】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.20mmφジルコニアボール、ビーズ充填率70%、周速8m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径20nmの水系顔料分散体を得た。
【0030】
<顔料分散体作成例−4(実施例No.4)>
顔料種δ:ピグメントブラック7(三菱化学社製、#45L) 350部
一般式(1)の化合物(n=40) 525部
蒸留水 125部
【0031】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.30mmφジルコニアボール、ビーズ充填率90%、周速10m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径110nmの水系顔料分散体を得た。
【0032】
<顔料分散体作成例−5(実施例No.5)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
蒸留水 625部
【0033】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.03mmφジルコニアボール、ビーズ充填率40%、周速16m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径120nmの水系顔料分散体を得た。
【0034】
<顔料分散体作成例−6(実施例No.6)>
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−385)
一般式(I)の化合物(n=40) 75部
蒸留水 775部
【0035】
<顔料分散体作成例−7(実施例No.7)>
顔料種γ:ピグメントイエロー74 250部
(大日精化工業社製、エローNO.43)
一般式(1)の化合物(n=40) 188部
蒸留水 562部
【0036】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.20mmφジルコニアボール、ビーズ充填率70%、周速3m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径120nmの水系顔料分散体を得た。
【0037】
<顔料分散体作成例−8(実施例No.8)>
顔料種δ:ピグメントブラック7(三菱化学社製、#45L) 350部
一般式(1)の化合物(n=40) 525部
蒸留水 125部
【0038】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.20mmφジルコニアボール、ビーズ充填率90%、周速22m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径40nmの水系顔料分散体を得た。
【0039】
<顔料分散体作成例−9(実施例No.9)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
蒸留水 625部
【0040】
上記の混合物をプレ分散機で処理せず、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.03mmφジルコニアボール、ビーズ充填率80%、周速16m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径110nmの水系顔料分散体を得た。
【0041】
<顔料分散体作成例−10(実施例No.10)>
顔料種β:ピグメントブルー15:3 450部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−385)
一般式(1)の化合物(n=40) 225部
蒸留水 325部
【0042】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.10mmφジルコニアボール、ビーズ充填率60%、周速12m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径40nmの水系顔料分散体を得た。
【0043】
<顔料分散体作成例−11(実施例No.11)>
顔料種γ:ピグメントイエロー74 250部
(大日精化工業社製、エローNO.43)
水溶性スチレンアクリル樹脂 188部
(HPD−96,ジョンソンポリマー社製)
蒸留水 562部
【0044】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.20mmφジルコニアボール、ビーズ充填率70%、周速8m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径90nmの水系顔料分散体を得た。
【0045】
<顔料分散体作成例−12(実施例No.12)>
顔料種δ:ピグメントブラック7(三菱化学社製、#45L) 250部
一般式(1)の化合物(n=40) 625部
蒸留水 125部
【0046】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.30mmφジルコニアボール、ビーズ充填率90%、周速10m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径90nmの水系顔料分散体を得た。
【0047】
<顔料分散体作成例−13(実施例No.13)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=10) 75部
蒸留水 625部
【0048】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.03mmφジルコニアボール、ビーズ充填率80%、周速16m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径200nmの水系顔料分散体を得た。
【0049】
<顔料分散体作成例−14(実施例No.14)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=300) 75部
蒸留水 625部
【0050】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.03mmφジルコニアボール、ビーズ充填率80%、周速16m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径200nmの水系顔料分散体を得た。
【0051】
<顔料分散体作成例−15(実施例No.15)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=80) 75部
蒸留水 625部
【0052】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.03mmφジルコニアボール、ビーズ充填率80%、周速16m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径110nmの水系顔料分散体を得た。
【0053】
<顔料分散体作成例−16(実施例No.16)>
顔料種β:ピグメントブルー15:3
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−385) 150部
一般式(1)の化合物(n=40) 75部
蒸留水 775部
【0054】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.10mmφジルコニアボール、ビーズ充填率60%、周速12m/s)で4時間循環分散してできた液を加熱処理せず、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径70nmの水系顔料分散体を得た。
【0055】
<顔料分散体作成例−17(比較例No.1)>
顔料種α:ピグメントレッド122 300部
(チバスペシャルティケミカルズ社製、
クロモフタール JET マゼンタ DMQ)
一般式(1)の化合物(n=80) 75部
蒸留水 625部
【0056】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.70mmφジルコニアボール、ビーズ充填率80%、周速16m/s)で12時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径110nmの水系顔料分散体を得た。
【0057】
<顔料分散体作成例−18(比較例No.2)>
顔料種β:ピグメントブルー15:3 150部
(大日精化工業社製、シアニンブルーA−385)
一般式(1)の化合物(n=40) 0部
蒸留水 775部
【0058】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.10mmφジルコニアボール、ビーズ充填率60%、周速12m/s)で15時間循環分散してできた液を加熱処理せず、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径250nmの水系顔料分散体を得た。
【0059】
<顔料分散体作成例−19(比較例No.3)>
顔料種γ:ピグメントイエロー74 250部
(大日精化工業社製、エローNO.43)
一般式(1)の化合物(n=40) 188部
蒸留水 562部
【0060】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:1.00mmφジルコニアボール、ビーズ充填率70%、周速8m/s)で10時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径90nmの水系顔料分散体を得た。
【0061】
<顔料分散体作成例−20(比較例No.4)>
顔料種δ:ピグメントブラック7(三菱化学社製、#45L) 350部
一般式(1)の化合物(n=40) 0部
蒸留水 650部
【0062】
上記の混合物をプレ分散機(プライミックス社T.K.フィルミックス型)で2時間分散した後、本分散機のビーズミル(寿工業社ウルトラアペックスミル型、メディア:0.05mmφジルコニアボール、ビーズ充填率90%、周速10m/s)で12時間循環分散してできた液を加熱処理し、遠心分離機による遠心濾過を行なって粗大粒子やごみを除去して、平均粒子径190nmの水系顔料分散体を得た。
【0063】
上記水系顔料分散体の吐出性評価は、各水系顔料分散体に下記インク組成分を加えて得た水系顔料インクで確認する。上記水系顔料分散体の保存安定性評価は水系顔料分散体そのものを評価する。(実施例No.1〜16。比較例No.1〜4とする。)
【0064】
<インク処方>
顔料分散液(全体で顔料濃度5%にする) −
グリセリン 7.5部
ジエチレングリコール 22.5部
2―エチル−1,3−ヘキサンジオール 3.0部
2−ピロリドン 3.0部
ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム
0.45部
蒸留水 残り
【0065】
インクの調合法は、
(1)グリセリン、ジエチレングリコール
(2)EHD
(3)2−ピロリドン、ポリオキシエチレン(3)アルキル(C13)エーテル酢酸ナトリウム
(4)高純水
を順序で入れて30分攪拌した液を水系顔料分散体に添加する。その後、pH調整(7〜10付近)し、30分攪拌して水系顔料インクを作成する。
これら、及び他の仕様は、次の表に纏めて示される。
【0066】
【表1】


分散剤比率=分散剤重量÷顔料重量とする。
また、上記表1において、使用顔料種α〜γ、分散剤(1)〜(5)の内容、物性は、以下のとおりである。
【0067】
【表2】

【0068】
上記インク実施例No.1〜16、比較例No.1〜4をEPSON社製インクジェットプリンタEM−930C改造機の黒カートリッジに充填後、真空脱気し、EPSON社製インクジェットプリンタEM−930C改造機で吐出安定性を確認した。
【0069】
<評価1:吐出安定性>
吐出安定性については、印刷物を印刷した後、プリンタヘッドにキャップした状態でプリンタを40℃の環境下で1ヶ月放置した。放置後のプリンタの吐出状態が初期の吐出状態に回復するか否かを下記のクリーニング動作回数によって評価した。
○:1回の動作により回復した。
△:2回〜3回の動作により回復した。
×:3回以上の動作によっても回復がみられなかった。
【0070】
<評価2:水系顔料分散体保存性>
各インクをポリエチレン容器に入れ密封し、70℃3週間保存した後の粒径、表面張力、粘度を測定し初期物性との変化率により下記の様に評価した。
○:10%以内
△:30%以内
×:50%を超える
【0071】
<評価3:水系顔料分散体粗大粒子数評価>
各水系分散体の粒径0.5μm以上を粒子の個数を測定し、下記の様に評価した。
○:1.0×10個/μLより少ない
△:1.0×10個/μL以上1.0×10個/μL以内
×:1.0×10個/μLより多い
これら評価結果は次の表に示される。
【0072】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも顔料、分散剤、水を含有する水系顔料混合液を直径0.01mm以上0.5mm以下のジルコニアビーズを使用して分散する本分散工程を有することを特徴とする水系顔料分散体の製造方法。
【請求項2】
前記本分散工程のジルコニアビーズの充填率50%以上100%以下、周速5m/s以上20m/S以下の条件で分散することを特徴とする請求項1に記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項3】
前記水系顔料混合液をビーズレスで分散するプレ分散工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項4】
前記顔料の固形分濃度が、10%以上40%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項5】
前記本分散工程を経た後の顔料の平均粒径が150nm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項6】
前記顔料が、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントバイオレット19、アルミニウムフタロシアニン、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138のいずれかから選ばれた一種、または二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項7】
前記分散剤として界面活性剤が使われていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項8】
前記分散剤の重量基準が顔料1に対し0.1以上2以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項9】
前記分散剤として下記一般式(1)で示される化合物の、少なくとも一種を使用することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【化1】

(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリル基、アラルキル基を表わし、1は0〜7の整数を表わし、nは20〜200の整数を表わす。)
【請求項10】
前記分散剤がPOE(n=40)βナフチルエーテルであることを特徴とする請求項9に記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項11】
前記本分散工程を経た後の水系顔料分散体を加熱処理する工程を更に含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の水系顔料分散体の製造方法で製造されたことを特徴とする水系顔料分散体。
【請求項13】
請求項12に記載の水系顔料分散体を使用することを特徴とする水系顔料インク。
【請求項14】
請求項13に記載の水系顔料インクを収容したことを特徴とするインクカートリッジ。
【請求項15】
請求項13に記載の水系顔料インクを吐出させて記録を行なう方式のヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項16】
請求項15に記載のインクジェット記録装置を用いて印字することを特徴とする画像形成方法。
【請求項17】
請求項16に記載の画像形成方法で印字されたことを特徴とする画像形成物。
【請求項18】
画像支持体が紙であることを特徴とする請求項17に記載の画像形成物。

【公開番号】特開2008−222981(P2008−222981A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−67654(P2007−67654)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】