説明

水素ガス貯蔵装置

【課題】搭載可能な場所を容易に増やすことができるとともに搭載する作業を簡易にすることができる水素ガス貯蔵装置を提供することにある。
【解決手段】MHタンクモジュール13は、筒状の多孔質部材14を備えている。多孔質部材14は孔が水素を流通可能な水素流通経路15として構成されるとともに外周面に直線状に延びる溝が形成されている。また、多孔質部材14には複数のフィン17が取り付けられ、フィン17の第1端部及び第2端部はそれぞれ別々の溝に嵌着されている。フィン17によってMH粉末Pを収容する複数の収容室19が区画されるとともに、複数のMHタンクモジュール13は隣接され所定の形状となるように配置した状態でハウジング12内に収容されている。ハウジング12内にはフィン17と接した状態で各収容室19と対応するように熱媒配管22a,22bが配設され、熱媒配管22a,22b内には熱媒が流通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素ガス貯蔵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素貯蔵タンクとしては、粉末化された水素吸蔵合金(以下、MHという)を内部に収容し、MHに水素を吸蔵させて貯蔵を行うとともに、MHから水素を放出させてその水素を利用する技術が知られている。そして、MHが水素の吸蔵時に発熱し放出時に吸熱する特性を有し水素の吸蔵及び放出を行う際には熱の出入りを伴うため、MHを利用した水素貯蔵タンクの一つとして、MHに対する加熱及び冷却を行う熱交換器の機能を有するものが考えられている。
【0003】
ここで、MHを収容し、熱交換器の機能を有する水素貯蔵タンクの一例として、密閉筒体とその内部の水素ガス出入管との間の内部空間を隔壁で複数の小室に区画し、小室に金属水素化物粉末を充填した金属水素化物内蔵の熱交換器が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された金属水素化物内蔵の熱交換器では、小室を区画する隔壁はアルミ合金板から構成され伝熱板として機能し、密閉筒体の外周面に接するように熱媒が流されるため、密閉筒体及び隔壁を通じて熱媒と金属水素化物粉末とが熱授受するように構成されている。
【特許文献1】特開平8−178463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1に記載された金属水素化物内蔵の熱交換器を、例えば、燃料電池搭載電気自動車に搭載する場合、予め設定されている搭載箇所(例えば、リアタイヤの車軸とリアシートの間)に思い通りの空間を確保できず熱交換器を配置できない場合があった。また、この場合に熱交換器を小型化すると、単体の熱交換器では燃料電池搭載電気自動車に要求される性能を満たすことができなくなる。したがって、特許文献1に記載された金属水素化物内蔵の熱交換器では搭載場所が制限されるという欠点があった。
【0005】
そこで、小型の熱交換器を燃料電池搭載電気自動車に要求される性能を満たすことができる数だけ用意して、それら複数の熱交換器を所望の形状となるように配置して搭載するという対策も考えられる。しかし、この場合、複数の熱交換器をそれぞれ燃料電池搭載電気自動車に固定しなければならず、複数の熱交換器の取り付け作業に手間がかかるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、搭載自由度を高めるとともに、簡易な作業で取り付けることができる水素ガス貯蔵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、水素が流通可能な筒壁からなり、直線状に延びる複数の溝が外周面に形成された筒状部材、及び前記溝に取り付けられた複数のフィンが設けられ、前記フィンの一端と他端とが前記筒状部材の前記溝に取り付けられることによって水素吸蔵合金を収容する複数の収容室が区画されている複数のタンクモジュールと、前記複数のタンクモジュールを隣接させて所定の形状となるように配置した状態で収容するハウジングと、熱媒が流通するとともに、前記ハウジング内において前記タンクモジュールの前記フィンと接した状態で前記各収容室と対応するように配設されている複数の流路とを備えたことを要旨とする。
【0008】
なお、「所定の形状」とは、水素ガス貯蔵装置の搭載場所となる空間に配置可能な形状を意味する。
この発明では、ハウジングで複数のタンクモジュールを隣接させて所定の形状となるように配置できるため、水素ガス貯蔵装置を構成する際にタンクモジュール同士を自由に並べて意図する形状にすることができる。したがって、例えば、思い通りの搭載空間を確保できない場合でも、ハウジングの形状を搭載空間に応じた形状にし、そのハウジング内に複数のタンクモジュールを隣接させて並べることで、水素ガス貯蔵装置の外形を搭載する空間に応じた形状にすることができる。そのため、従来搭載することが難しかった場所であっても搭載することが可能になり、搭載自由度を高めることができる。
【0009】
また、ハウジングによって複数のタンクモジュールを収容しているため、例えば、燃料電池搭載電気自動車に搭載する場合には、ハウジングを燃料電池搭載電気自動車に対して固定するだけで取り付けることができる。したがって、複数のタンクモジュールをそれぞれ固定する場合に比べて、水素ガス貯蔵装置の取り付け作業を簡易にすることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、少なくとも1つの前記流路は前記複数のタンクモジュール間に設けられていることを要旨とする。
この発明では、複数のタンクモジュール間に流路を設けることで、1つの流路が少なくとも2つのフィンと接するように構成でき、1つの流路を流れる熱媒によって少なくとも2つの収容室に充填されている水素吸蔵合金の加熱及び冷却を行うことができる。したがって、熱媒が流れる流路を1つの収容室毎に設ける場合に比べて設ける流路の数を減らすことができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記流路は前記筒状部材の軸方向と平行に延びていることを要旨とする。
この発明では、例えば、フィンの長手方向が筒状部材の軸方向と平行に構成された場合、流路をフィンの長手方向全体に亘って延びるように構成することができ、熱媒がフィンの長手方向全体における水素吸蔵合金と熱交換することができる。したがって、流路が筒状部材の軸方向と交差する方向に延びる場合に比べて熱媒と水素吸蔵合金との熱交換効率を向上させることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、少なくとも1つの前記流路は、2以上の前記フィンと接した位置に設けられていることを要旨とする。
【0013】
この発明では、1つの流路が少なくとも2つのフィンと接するため、1つの流路を流れる熱媒によって少なくとも2つの収容室に収容されている水素吸蔵合金の加熱及び冷却を行うことができる。したがって、熱媒が流れる流路を1つの収容室毎に設ける場合に比べて設ける流路の数を減らすことができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記タンクモジュールは前記筒状部材の中心軸と直交する方向の断面が多角形状に形成され、少なくとも1つの前記流路は2以上の前記タンクモジュールの角部と対応する位置に設けられていることを要旨とする。
【0015】
なお、「多角形状」とは、角部が2本の直線状の辺で形成されたものに限らず、2本の直線状の辺が曲線を介して連続する形状のもの、すなわちアールが形成された形状のものも含む。
【0016】
この発明では、熱媒が流れる流路を1つの収容室毎に設ける場合に比べて設ける流路の数を減らすことができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記流路は複数設けられ、熱媒が前記タンクモジュールの第1端部側から第2端部側に向う方向に流れる流路と熱媒が前記タンクモジュールの第2端部側から第1端部側に向う方向に流れる流路とで構成されていることを要旨とする。
【0017】
流路の出口付近の熱媒は水素吸蔵合金と熱交換を行った後であるため、流路の出口付近における熱媒の温度は流路の入口付近における熱媒の温度と異なる。したがって、熱媒の流れる方向が一方向である場合には、熱媒の温度も流れる箇所によって異なるため、収容室の箇所によって水素吸蔵合金の温度には偏りが生じる。
【0018】
しかし、この発明では、複数の流路において、熱媒がタンクモジュールの第1端部側から第2端部側に向う方向に流れる流路と、熱媒がタンクモジュールの第2端部側から第1端部側に向う方向に流れる流路とがそれぞれ存在する。したがって、タンクモジュールの第1端部側における水素吸蔵合金とタンクモジュールの第2端部側における水素吸蔵合金との間における温度の偏りを抑制できる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記フィンは前記筒状部材に向って延びる一対の隔壁部、及び前記一対の隔壁部と連続する外壁部からなるように折り曲げられるとともに、前記フィンの一端と他端とがそれぞれ別々の前記溝に取り付けられて一つの前記収容室を区画し、前記筒状部材に複数の前記フィンが取り付けられた状態において複数の前記外壁部で前記タンクモジュールの外壁を兼用していることを要旨とする。
【0020】
フィンとは別にタンクモジュールの外壁が設けられている場合、タンクモジュールとして組み立てる際には、フィンと外壁とを組み付ける作業を行わなければならない。この発明では、フィンを折り曲げて形成し、一つのフィンで一つの収容室を区画するとともに、その一部である外壁部がタンクモジュールの外壁として兼用される。したがって、フィンを外壁に組み付ける作業を行わなくともよく、フィンとは別に外壁が設けられたタンクモジュールに比べて、タンクモジュールの組み立てを簡単に行うことができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記フィンには前記フィンの一部が収容室側に突出する湾曲部が形成されていることを要旨とする。
【0022】
この発明では、湾曲部によって窪み方向とは反対側の方向の力に対する強度が高くなるようにフィンを補強することができる。したがって、収容室に充填された水素吸蔵合金が水素吸蔵時に熱膨張して、フィンに対して外側に向う力が作用してもフィンが破損することを抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、搭載自由度を高めるとともに、簡易な作業で水素ガス貯蔵装置を取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、水素ガス貯蔵装置11には、金属製(例えば、アルミニウム製)で略四角箱形状のハウジング12内に複数(本実施形態では6つ)のタンクモジュールとしてのMHタンクモジュール13が隣接した状態で略四角柱状となるように配置されて収容されている。そして、ハウジング12内では複数のMHタンクモジュール13が複数段に積み上げられるとともに、ハウジング12はMHタンクモジュール13に水素が満充填されて内部が所定の圧力(例えば、10MPa)となった場合でも十分耐えることができる強度を有している。
【0025】
図2に示すように、MHタンクモジュール13にはその中心に筒状に形成されるとともに、多孔質材料によって構成された筒状部材としての多孔質部材14が設けられている。そして、MHタンクモジュール13は多孔質部材14の中心軸と直交する方向の断面が4角形状に形成されている。
【0026】
多孔質部材14は水素を流通(透過)可能に構成された筒壁14aと、MHタンクモジュール13の長手方向全体に亘って延びる水素流通経路15とから構成されている。多孔質部材14にはその外周面に多孔質部材14の中心軸に沿ってその全長に亘って直線状に延びる溝16が設けられている。
【0027】
溝16は多孔質部材14の周方向に等間隔に複数(本実施形態では、8つ)設けられるとともに、2枚分のフィン17の板厚より若干大きい幅に形成されフィン17の第1端部18aと隣接するフィン17の第2端部18bとが嵌着されている。
【0028】
フィン17はアルミ合金製の板材で形成されるとともに、断面が直角三角形になるように折り曲げられている。フィン17は多孔質部材14の軸方向に沿って延びる一端としての第1端部18a及び他端としての第2端部18bがそれぞれ別々の溝16に嵌着されることで多孔質部材14の外周に取り付けられるとともに、多孔質部材14に取り付けられた状態ではMH粉末Pを収容する一つの収容室19を区画している。フィン17はその長手方向が多孔質部材14の軸方向と平行な状態で多孔質部材14に複数取り付けられるとともに、MHタンクモジュール13には収容室19が複数形成されている。なお、フィン17の第1端部18a及び第2端部18bと多孔質部材14との間はシールされ収容室19内に収容されたMH粉末Pが溝16を介して外部へ流出することは防止されている。そして、収容室19内に収容されたMH粉末Pは多孔質部材14の外周面に接している。なお、図2ではMH粉末Pを収容していない状態のMHタンクモジュール13を図示している。
【0029】
ここで、フィン17は折り曲げられることでMHタンクモジュール13の中心に向って延びる一対の隔壁部23と、一対の隔壁部23と連続する外壁部20とが構成されている。一対の隔壁部23は外壁部20の両辺から延びMH粉末Pの沈降を防止している。
【0030】
そして、複数のフィン17が多孔質部材14に取り付けられた状態で、複数の外壁部20はMHタンクモジュール13の外壁として兼用されている。スペース効率や熱効率の観点で、隣り合うフィン17は隣接しているのが好ましい。外壁部20にはその一部が曲げ加工されて収容室19側に突出する湾曲部21が形成されている。湾曲部21はその窪みが熱媒配管22a,22bの半分の外周より若干大きくなるように形成されるとともに、ハウジング12と対向していない部分において二つの湾曲部21が互いに向かい合うように配置され熱媒配管22a,22b(図1で図示する)が挿入可能な配管空間が形成されている。なお、図2〜図4に示すように、MHタンクモジュール13の長手方向両端部(第1端部及び第2端部)にはそれぞれ端壁13aが溶接によって取り付けられ、収容室19の長手方向両側における開口は閉塞されている。そして、MHタンクモジュール13の第1端部を構成する一方の端壁13aにはMHタンクモジュール13に取り付けられた状態で多孔質部材14の水素流通経路15と連通するパイプ24が設けられている。なお、一方の端壁13aには、各収容室19と対応する位置に図示しない注入孔と注入孔を閉塞する栓が設けられるとともに、注入孔を介して各収容室19にMH粉末Pが充填されるように構成されている。
【0031】
図1に示すように、ハウジング12を構成する四角筒形状の本体25にはその内周面に熱媒配管22a,22bの半分が収容可能な配管用凹部25aが設けられている。そして、MHタンクモジュール13が収容された状態で、フィン17に設けられた湾曲部21がその配管用凹部25aと向かい合っており、熱媒配管22bを挿入可能な配管空間が形成されている。図3に示すように、本体25にはその第1開口端部26と対向するように複数の熱媒配管22a,22bに熱媒(水、オイル、エンジンクーラント等)を供給する有底四角筒状の入口側ヘッダ27が取り付けられている。
【0032】
入口側ヘッダ27はその開口側端部が溶接によって本体25の第1開口端部26に固着されることで取り付けられるとともに、その内部は図示しない熱媒タンクとパイプを介して接続される供給室28として構成されている。図4に示すように、入口側ヘッダ27にはその底部にパイプ24が挿通されるパイプ挿通孔29がMHタンクモジュール13の数だけ設けられている。なお、入口側ヘッダ27の開口側端部と本体25の第1開口端部26との間は熱媒が漏れないようにシールされている。
【0033】
そして、本体25を間に挟んで入口側ヘッダ27の反対側には、MH粉末Pと熱交換を行った後の熱媒が排出される出口側ヘッダ30が設けられている。出口側ヘッダ30は、有底四角筒形状に形成されるとともに開口側端部を溶接によって本体25の第2開口端部31に固着した状態に設けられている。出口側ヘッダ30が本体25の第2開口端部31に固着された状態では、その内部は図示しない熱媒タンクとパイプを介して接続される排出室32として構成され、熱媒配管22a,22bを通った熱媒が排出室32に流入するようになっている。
【0034】
各熱媒配管22a,22bは全て多孔質部材14の軸方向と平行に延びるととともに、その入口側端部33が供給室28にまで延び、かつ、出口側端部34が排出室32にまで延びている。図1に示すように、各熱媒配管22a,22bは各配管空間に配置されるとともに、少なくとも一つの収容室19と対応するように設けられている。そして、各熱媒配管22a,22bのうちMHタンクモジュール13間に位置する熱媒配管22aは二つのフィン17と接するとともに二つの収容室19と対応している。各熱媒配管22a,22bのうちMHタンクモジュール13と本体25との間に位置する熱媒配管22bは一つのフィン17と接するとともに一つの収容室19と対応している。熱媒は一方向に流れるのみであり、この実施形態では熱媒タンク→供給室28→熱媒配管22a,22b→排出室32→熱媒タンクの順に流れるように構成されている。
【0035】
次に、前記水素ガス貯蔵装置11の組み立て工程を説明する。
まず、本体25を用意し、開口を介して本体25内に複数のMHタンクモジュール13を下側から順次配置する。この時、MHタンクモジュール13はフィン17の外壁部20に設けられた湾曲部21が本体25の内周面に設けられた配管用凹部25aと向かい合うように配置され、湾曲部21同士又は配管用凹部25aと湾曲部21とによって配管空間が形成される。次に、本体25内に形成された配管空間に熱媒配管22a,22bを挿通し、入口側端部33を第1開口端部26より外側に配置させた状態で熱媒配管22a,22bの出口側端部34を第2開口端部31より外側に配置させる。そして、本体25内に形成された全ての配管空間に熱媒配管22a,22bを挿入するまでこの作業を繰り返し行い、その後、溶接によって本体25に対して入口側ヘッダ27及び出口側ヘッダ30を固着してハウジング12を組み立てる。なお、入口側ヘッダ27はパイプ挿通孔29にパイプ24を挿通させてパイプ24が外部に延出した状態で本体25に固着させる。
【0036】
次に、前記のように構成された水素ガス貯蔵装置11の作用を説明する。
水素ガス貯蔵装置11を例えば、燃料電池搭載電気自動車に搭載し、水素を直接燃料として使用する場合、燃料極で水素が使用されると、各MHタンクモジュール13から水素が放出されパイプ24を介して燃料極に供給される。各MHタンクモジュール13から水素が放出されると、MH粉末Pの水素吸蔵・放出反応が放出側へ移動してMH粉末Pから水素が放出される。ここで、水素の放出は吸熱反応であるので、水素の放出に必要な熱が熱媒により供給されないと、MH粉末Pは顕熱を消費して水素を放出するためその温度が低下する。しかし、入口側ヘッダ27の供給室28に所定温度の熱媒が供給されることで、各熱媒配管22a,22bに熱媒が流通するため、フィン17を介してMH粉末Pが予め設定された温度に加熱されて、水素放出の反応が円滑に進行する。そして、収容室19に収容されたMH粉末PはMHタンクモジュール13の長手方向全体においてMHタンクモジュール13の内側に向って水素を放出する。そして、各収容室19に収容されたMH粉末Pは多孔質部材14の長手方向全体において多孔質部材14の外周面と接しているため、放出された水素は筒壁14aの微細な孔を経て水素流通経路15に至り、各MHタンクモジュール13のパイプ24から水素ガス貯蔵装置11の外部へ放出され、燃料極へと供給される。熱媒の温度あるいは流量が調整されることで、MH粉末Pの温度は水素の放出反応が円滑に進行する温度に保持され、燃料電池で必要な水素量に対応した水素が放出されるように水素の放出が効率よく行われる。
【0037】
また、水素を放出した水素ガス貯蔵装置11に再び水素を充填、即ちMH粉末Pに水素を吸蔵させる場合は、水素をパイプ24から多孔質部材14の水素流通経路15に流入させる。水素流通経路15内に流入した水素は、MHタンクモジュール13の長手方向全体に亘って流通しつつ拡散する。すると、水素は筒壁14aの微細な孔を経て、収容室19に収容されたMHタンクモジュール13の長手方向全体に亘るMH粉末Pと反応して水素化物となってMH粉末Pに吸蔵される。なお、MH粉末Pに対する水素の供給は、各MHタンクモジュール13内が所定の圧力(例えば、10MPa)となるまで行われる。また、MH粉末Pが水素の吸蔵と放出を繰り返し行い微粉化しても、多孔質部材14はMH粉末Pに対するフィルタとしての機能を有しているため、微粉化したMH粉末PがMHタンクモジュール13の外部に漏れることは抑制される。
【0038】
ここで、水素の吸蔵反応は発熱反応であるので、水素の吸蔵反応で発生した熱を除去しないと吸蔵反応は円滑に進行しない。しかし、水素を充填する際には入口側ヘッダ27の供給室28に低温の熱媒が供給されることで、各熱媒配管22a,22bに熱媒が流通するため、フィン17を介してMH粉末Pから発生した熱は熱媒に吸熱され水素ガス貯蔵装置11外に運搬される。したがって、MH粉末Pの温度は水素の吸蔵反応が円滑に進行する温度に保持され、水素の吸蔵が効率よく行われる。
【0039】
また、燃料電池電気自動車においては、リアタイヤの車軸とリアシートとの間が水素ガス貯蔵装置11の搭載場所として設定されている。そして、本発明の水素ガス貯蔵装置11は3つのMHタンクモジュール13を並べて隣接配置して、かつ、並べられた3つのMHタンクモジュール13上にさらに隣接配置した3つのMHタンクモジュール13を積み上げることで、四角柱状の外形になっている。したがって、水素ガス貯蔵装置11は従来品の性能を維持したまま、幅寸法は従来品より大きくなる一方、高さ寸法は従来品より小さい形状にすることができ、リアタイヤの車軸とリアシートとの間に確保されている搭載空間に配置可能な形状となる。そして、水素ガス貯蔵装置11をリアタイヤの車軸とリアシートとの間に搭載する際には、図示しないブラケットを用いてハウジング12を固定すれば、複数のMHタンクモジュール13も同時に固定することができる。したがって、例えば、ブラケットを用いて複数のMHタンクモジュール13それぞれを固定する場合に比べて、取り付け作業を簡易にすることができる。
【0040】
この実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)ハウジング12によって複数のMHタンクモジュール13は隣接させて所定の形状に配置することができる。したがって、水素ガス貯蔵装置11を構成する際に、水素ガス貯蔵装置11をリアタイヤの車軸とリアシートとの間の搭載空間に応じた形状にすることができ、従来搭載することが難しかった場所であっても搭載することが可能になり、搭載自由度を高めることができる。
【0041】
(2)複数のMHタンクモジュール13が隣接した状態でハウジング12内に収容されることで水素ガス貯蔵装置11は構成される。したがって、例えば、燃料電池搭載電気自動車に搭載する場合に、複数のMHタンクモジュール13を個々に固定する場合に比べて、複数のMHタンクモジュール13を容易に燃料電池搭載電気自動車内で固定することができ、水素ガス貯蔵装置11の取り付け作業が簡易である。
【0042】
(3)フィン17の第1端部18a及び第2端部18bがそれぞれ多孔質部材14の外周面に形成された複数の溝16に嵌着されることで、多孔質部材14にフィン17が取り付けられている。そして、複数のフィン17によってMH粉末Pを収容する収容室19が複数区画されている。したがって、MHタンクモジュール13の内部に収容室19が一つだけ設けられた構成に比べて収容室19を細分化できるため、MH粉末Pとフィン17とが接触する領域を大きくすることができる。したがって、フィン17を介してMH粉末Pと熱媒との間の熱交換を効率よく行うことができる。
【0043】
(4)多孔質部材14は水素が流通可能な筒壁14aと、MHタンクモジュール13の長手方向全体に亘って延びる水素流通経路15とを備えている。そして、多孔質部材14の外周面に形成された溝16にフィン17の第1端部18a及び第2端部18bが嵌着されることでフィン17は収容室19を区画している。したがって、水素は水素流通経路15によりMHタンクモジュール13の長手方向全体に亘って流通可能であるとともに筒壁14aを介して収容室19に収容されたMH粉末Pと反応する。そのため、MHタンクモジュール13においてはその長手方向全体において円滑に水素とMH粉末Pとを反応させることができる。
【0044】
(5)熱媒配管22a,22bはハウジング12内を通っており、熱媒がMH粉末Pと熱交換を行う際にハウジングが介在することはない。したがって、熱媒配管22a,22bがハウジング12の外側に配置されハウジングを介してMH粉末Pと熱交換を行う場合に比べて、効率よく熱媒とMH粉末Pとの熱交換を行うことができる。
【0045】
(6)流路としての熱媒配管22a,22bのうち複数のMHタンクモジュール13間に設けられた熱媒配管22aは2つのフィン17と接するとともに、1つの熱媒配管22aを流れる熱媒によって2つの収容室19に収容されているMH粉末Pに対して加熱及び冷却を行うことができる。したがって、各収容室19とそれぞれ別々に対応するように熱媒配管を設ける場合に比べて設ける熱媒配管の数を減らすことができる。
【0046】
(7)熱媒配管22a,22bは多孔質部材14の軸方向と平行に延びており、フィン17はその長手方向が多孔質部材14の軸方向と平行な状態で取り付けられているためフィン17と接する熱媒配管22a,22bの部位を広く確保することができる。したがって、例えば、熱媒配管22a,22bがフィン17の長手方向全体に亘って延びるように構成すれば熱媒がフィン17を介してその長手方向全体におけるMH粉末Pと熱交換することができ、多孔質部材14の軸方向と交差する方向に熱媒配管を延ばす場合に比べて熱媒とMH粉末Pとの熱交換効率を向上させることができる。
【0047】
(8)フィン17はMHタンクモジュール13の中心に向って延びる一対の隔壁部23、及び一対の隔壁部23と連続する外壁部20からなるように折り曲げられている。そして、フィン17の第1端部18a及び第2端部18bがそれぞれ別々の溝16に取り付けられて一つの収容室19を区画し、複数の外壁部20によってMHタンクモジュール13の外壁を兼用している。したがって、一つのフィン17で一つの収容室19を区画するとともに外壁部20がMHタンクモジュール13の外壁として兼用されているため、フィンとは別に外壁が設けられたMHタンクモジュールを組み立てる場合のようにフィンを外壁に取り付ける作業を行わなくともよい。したがって、フィンとは別に外壁が設けられたMHタンクモジュールを組み立てる場合に比べて、フィン17及び外壁を備えたMHタンクモジュール13の組み立てを簡単に行うことができる。
【0048】
(9)フィン17の外壁部20には収容室19側に突出する湾曲部21が形成されている。そして、収容室19側に突出する湾曲部21が形成されれば、収容室19側とは反対側の方向(外側の方向)の力に対するフィン17の強度を高めることができる。したがって、収容室19に収容されたMH粉末Pが水素吸蔵時に膨張して、フィン17に対して外側に向う力が加えられてもフィン17が破損することを抑制できる。
【0049】
(10)熱媒が流通する流路は熱媒配管22a,22bによって構成されている。したがって、フィン17と熱媒が流通する流路とが接するように構成してもフィン17と熱媒が流通する流路との間をシールする必要がない。そのため、熱媒が流通する流路をハウジング12内に容易に設けることができる。
【0050】
実施形態は、前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 流路としての複数の熱媒配管22a,22bは各収容室19と対応するように設けられていればよいため、複数の熱媒配管22a,22bを全て連続するように構成してもよい。例えば、MHタンクモジュール13の第1端部と第2端部との間を繰り返し折り返して蛇行するように延びる熱媒配管を設け、一続きの熱媒配管でハウジング内において各収容室19と対応する複数の流路を構成してもよい。
【0051】
○ 流路としての熱媒配管22a,22bを設ける位置を変更してもよい。例えば、図5に示すように、MHタンクモジュール13の角部と対応する位置に熱媒配管39a,39b,39cを設けてもよい。この場合、本体25の4隅付近に位置するとともにMHタンクモジュール13の1つの角部と対応する熱媒配管39aは、2つのフィン17に接しており、1つの熱媒配管39aを流れる熱媒によって2つの収容室19に収容されているMH粉末Pの加熱及び冷却を行うことができる。また、MHタンクモジュール13と本体25との間に位置するとともにMHタンクモジュール13の2つの角部と対応する熱媒配管39bは、4つのフィン17に接しており、1つの熱媒配管39bを流れる熱媒によって4つの収容室に収容されているMH粉末Pの加熱及び冷却を行うことができる。また、MHタンクモジュール13間に位置するとともにMHタンクモジュール13の4つの角部と対応する熱媒配管39cは、8つのフィン17と接しており、1つの熱媒配管39cを流れる熱媒によって8つの収容室に収容されているMH粉末Pの加熱及び冷却を行うことができる。したがって、熱媒配管39a,39b,39cを設ければ、収容室19毎に熱媒配管を設ける場合に比べて、より少ない数の熱媒配管39a,39b,39cで各収容室19に対応させることができるため、MH粉末Pに対する加熱及び冷却性能を低下させることなく設ける熱媒配管の数を減らすことができる。
【0052】
○ MHタンクモジュール13は、多孔質部材14の中心軸と直交する方向の断面形状が多角形状である場合に、その角部は2本の直線状の辺で形成されたものに限らない。例えば、MHタンクモジュール13において、多孔質部材14の中心軸と直交する方向の断面形状を2本の直線状の辺が曲線を介して連続する形状、すなわち、アールが形成されている断面形状にしてもよい。
【0053】
○ MHタンクモジュール13において、多孔質部材14の中心軸と直交する方向の断面形状を変更してもよい。MHタンクモジュール13において多孔質部材14の中心軸と直交する方向の断面形状を、例えば、三角形状や六角形状のような多角形状にしてもよい。また、MHタンクモジュール13において多孔質部材14の断面形状は多角形状でなくともよく、例えば、図6に示すように、MHタンクモジュール40を円形状にしてもよい。この場合、複数のフィン41の外壁板42の形状を断面円弧状に形成し、複数のフィン41が多孔質部材14に取り付けられた時に外壁板42が断面円形状であるMHタンクモジュール40の外周の一部を構成するようにすればよい。
【0054】
○ 多孔質部材14の軸方向と平行に延びる熱媒配管22a,22bの代わりに、多孔質部材14の軸方向と交差する方向に延びる熱媒配管を設けてもよい。例えば、多孔質部材14の軸方向と直交する方向に延びる熱媒配管を多孔質部材14の軸方向において等間隔に複数設けてもよい。この場合、各熱媒配管が本体25を貫通してハウジング12内を通過するとともに、各熱媒配管の入口側端部及び出口側端部がハウジング12の外部に延出されるように構成する。そして、入口側ヘッダ27を本体25の外周面に取り付け、本体25を間に挟んで入口側ヘッダ27の反対側に出口側ヘッダ30を取り付ける。このように構成すれば、熱媒は熱媒タンク→供給室→熱媒配管→排出室→熱媒タンクの順に流れ、熱媒によってMH粉末Pの加熱及び冷却を行うことができる。
【0055】
○ 熱媒配管を流路とする代わりに、湾曲部21同士又は配管用凹部25aと湾曲部21とによって構成された配管空間を熱媒が流れる流路として構成してもよい。ただし、この場合、流路のシール性を確保するため、向かい合う湾曲部21同士の間の継ぎ目又は向かい合う湾曲部21と配管用凹部25aとの間の継ぎ目をシールする必要がある。
【0056】
○ 熱媒配管22a,22bを流通する熱媒は一方向だけを流れるように構成しなくともよい。例えば、同じ高さ位置に存在する複数の熱媒配管22a,22bのうち、MHタンクモジュール13の第1端部側(パイプ24が設けられている端壁13a側)からMHタンクモジュール13の第2端部側(パイプ24が設けられていない端壁13a側)に向う方向に熱媒が流れる第1熱媒配管とMHタンクモジュール13の第2端部側からMHタンクモジュール13の第1端部側に向う方向に熱媒が流れる第2熱媒配管とが交互に存在するように構成してもよい。そして、本体25だけでハウジングを構成し、ハウジングとは別に、内部に第1熱媒配管の入口側端部が配置される第1供給部、及び内部に第2熱媒配管の出口側端部が配置される第1排出部をそれぞれ設ける。また、ハウジングを間に挟んで第1供給部及び第1排出部の反対側には、内部に第1熱媒配管の出口側端部が配置される第2排出部、及び内部に第2熱媒配管の入口側端部が配置される第2供給部をそれぞれ設ける。このように構成すれば、熱媒がMHタンクモジュール13の第1端部側から第2端部側に流れる流路と、熱媒がMHタンクモジュール13の第2端部側から第1端部側に流れる流路とが存在するようになる。したがって、MHタンクモジュール13の第1端部側寄りにおけるMH粉末PとMHタンクモジュール13の第2端部側寄りにおけるMH粉末Pとの間に生じる温度の偏りを抑制できる。
【0057】
○ ハウジング12の形状を変更することで水素ガス貯蔵装置11の外形を変更してもよい。例えば、搭載する燃料電池搭載電気自動車の内部には上側になるにつれて狭くなる空間しか残ってない場合には、図7に示すように、ハウジング12の外形を階段状に形成したうえでハウジング12内にMHタンクモジュール13を収容してもよい。このように構成すれば、上側になるにつれて狭くなる空間(階段状に形成された空間)しか残ってない場合であっても、水素ガス貯蔵装置11を燃料電池搭載電気自動車に搭載することができる。
【0058】
○ MHタンクモジュール13内に水素が満充填され、MHタンクモジュール13内が所定の圧力(例えば、10MPa)になった状態でも十分耐えることができる強度を得られるのであれば、ハウジング12を構成する材料についてはとくに限定されない。例えば、ハウジング12をアルミニウムから構成する代わりに鉄によって構成してもよいし、繊維強化プラスチックから構成してもよい。
【0059】
○ 溝16の幅がフィン17の第1端部18a及び第2端部18bにおける幅より広く、溝16によってフィン17の第1端部18a及び第2端部18bを嵌着できない場合には、例えば、第1端部18a及び第2端部18bを溝16に挿入したうえで、接着剤を用いて接着させることでフィン17の第1端部18a及び第2端部18bを溝16に取り付けてもよい。
【0060】
○ 溝16はフィン17の第1端部18a及び第2端部18bを取り付けることが可能であれば、直線状に延びるように形成しなくともよい。例えば、多孔質部材を波型の形状に形成した場合、多孔質部材の外面に形成された溝は直線状でなく波状に延びるようになる。
【0061】
○ 湾曲部21が形成されたフィン17は外壁部20の一部を曲げ加工する方法以外の方法で作製することができる。例えば、フィン17を押し出し成形で形成することによって、外壁部20に湾曲部21が形成されたフィン17を作製することができる。
【0062】
○ 水素ガス貯蔵装置11を燃料電池搭載電気自動車に使用する場合に限らず、水素エンジンの水素源やヒートポンプ等に適用してもよい。
○ 熱媒配管22a,22bは直線状に限らない。例えば、熱媒配管22a,22bの管径が同じならば、波型にすることにより直線状よりもフィン17と接触する面積を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施形態における水素ガス貯蔵装置の概略断面図。
【図2】MHタンクモジュールの斜視図。
【図3】図1における水素ガス貯蔵装置のA−A線断面図。
【図4】図1における水素ガス貯蔵装置のB−B線断面図。
【図5】別の実施形態の水素ガス貯蔵装置の概略断面図。
【図6】別の実施形態のMHタンクモジュールの斜視図。
【図7】別の実施形態において、多孔質部材の軸方向から見た水素ガス貯蔵装置の概略図。
【符号の説明】
【0064】
P…水素吸蔵合金としてのMH粉末、11…水素ガス貯蔵装置、12…ハウジング、13,40…タンクモジュールとしてのMHタンクモジュール、14…筒状部材としての多孔質部材、14a…筒壁、16…溝、17,41…フィン、18a…一端としての第1端部、18b…他端としての第2端部、19…収容室、20,42…外壁部、21…湾曲部、22a,22b,39a,39b,39c…熱媒配管、23…隔壁部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素が流通可能な筒壁からなり、複数の溝が外周面に形成された筒状部材、及び前記溝に取り付けられた複数のフィンが設けられ、前記フィンの一端と他端とが前記筒状部材の前記溝に取り付けられることによって水素吸蔵合金を収容する複数の収容室が区画されている複数のタンクモジュールと、
前記複数のタンクモジュールを隣接させて所定の形状となるように配置した状態で収容するハウジングと、
熱媒が流通するとともに、前記ハウジング内において前記タンクモジュールの前記フィンと接した状態で前記各収容室と対応するように配設されている複数の流路とを備えた水素ガス貯蔵装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記流路は前記複数のタンクモジュール間に設けられている請求項1に記載の水素ガス貯蔵装置。
【請求項3】
前記流路は前記筒状部材の軸方向と平行に延びている請求項1又は請求項2に記載の水素ガス貯蔵装置。
【請求項4】
少なくとも1つの前記流路は、2以上の前記フィンと接した位置に設けられている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の水素ガス貯蔵装置。
【請求項5】
前記タンクモジュールは前記筒状部材の中心軸と直交する方向の断面が多角形状に形成され、少なくとも1つの前記流路は2以上の前記タンクモジュールの角部と対応する位置に設けられている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の水素ガス貯蔵装置。
【請求項6】
前記流路は複数設けられ、熱媒が前記タンクモジュールの第1端部側から第2端部側に向う方向に流れる流路と熱媒が前記タンクモジュールの第2端部側から第1端部側に向う方向に流れる流路とで構成されている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の水素ガス貯蔵装置。
【請求項7】
前記フィンは前記筒状部材に向って延びる一対の隔壁部、及び前記一対の隔壁部と連続する外壁部からなるように折り曲げられるとともに、前記フィンの一端と他端とがそれぞれ別々の前記溝に取り付けられて1つの前記収容室を区画し、
前記筒状部材に複数の前記フィンが取り付けられた状態において複数の前記外壁部で前記タンクモジュールの外壁を兼用している請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の水素ガス貯蔵装置。
【請求項8】
前記フィンには前記フィンの一部が収容室側に突出する湾曲部が形成されている請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の水素ガス貯蔵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−281105(P2008−281105A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−125579(P2007−125579)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】