説明

水辺設置部材を用いた人工魚礁、沈床、魚道、及び護岸部材

【課題】 複数の水辺設置部材を結合して人工魚礁、沈床、魚道、又は護岸部材とする場合に、水辺設置部材同士の結合をより強固に且つ作業効率良く行うとともに、水流や波の力等に拘わらず、各水辺設置部材のより安定した設置を可能にする手段を提供する
【解決手段】 本発明に係る人工魚礁14は、貫通孔2を形成した複数の自然石3、及びこれら自然石3の貫通孔2に挿通されてこれらを連結する鎖4を備えてなる水辺設置部材1と、この水辺設置部材1の鎖4の両端に取り付けられ、挿通孔25を形成した略U字形状の本体19及びこの本体19の開口部20を横切ってその両端部を連結する連結棒21を備えたシャックル16と、このシャックル16の挿通孔25を挿通されて水辺の地盤17に打ち込まれるアンカーボルト18と、を有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単数又は複数個を組み合わせて河川や海等の水辺に設置することにより、人工魚礁、沈床、魚道、又は護岸部材として用いることができる水辺設置部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、河川や海等の水底に人工的に隆起部を形成して魚介類の生息に適した環境とすることにより、魚介類を集め、漁場の造成や拡充を図るために人工魚礁が用いられる場合がある。このような人工魚礁としては、例えば、一定の形状に形成したコンクリートブロックを用いるものや、鋼材や古タイヤなどの廃材を一定の形状に組み立てたもの等がある。
【0003】
しかしながら、上記のような従来のコンクリートブロックを用いた人工魚礁は、コンクリートの表面はアルカリ性が強く、また表面の凹凸も少ないために水草、海草、藻等が付着しにくく、貝類や小魚が集まりにくいために集魚効果が低いという問題がある。一方、廃材を用いた人工魚礁は、経年変化が激しく、また外観もあまり良くないという問題がある。更に、これらの人工魚礁は、重量も相当に重いものとなるので、運搬や設置が容易でなく、また一旦設置した後は移動が困難であるという問題もある。
【0004】
また、水の流れにより河底の土砂が洗い流されることを防止するため、木材を格子状に枠組みし、その中に石を詰めた木工沈床を河底に沈設する場合があった。しかしながら、このような木工沈床は、木材が腐食し易いために定期的に交換作業を行う必要があり、手間がかかるという問題がある。
【0005】
また、河川を横断して堰や堤等の構造物を設けた結果、上下流方向に魚が自力で遡上又は降下することができないような水位差が生じる場合には、その堰や堤等に隣接して傾斜の緩い水路等を設けて魚道とし、魚が自力で遡上又は降下できるようにする場合がある。しかしながら、このような水路を設ける工事は長期間を要し、費用も高くなるという問題がある。
【0006】
また、河川や海等の岸周辺には、水の流れや波等により岸が浸食されることを防止するため、護岸を設ける場合がある。このような護岸は、岸周辺にコンクリートを打設したり、石を積み上げたりして構成される。しかしながら、コンクリートを打設する方法では、工事は簡易に行なうことができるが、岸は凹凸のない魚介類等の生育に適さない環境となる問題がある。一方、石を積み上げる方法では、工事の手間が非常に多くなり、工事に長期間を要し、費用も高くなるという問題がある。
【0007】
このような問題を解決すべく、本出願人は、人工魚礁、沈床、魚道、又は護岸部材として使用可能な水辺設置部材(水底沈設部材)70を従来提唱している(特許文献1参照)。図17は、この水辺設置部材70の構成を示す概略断面図である。水辺設置部材70は、貫通孔71を形成した複数の自然石72と、これら自然石72の貫通孔71に挿通されて各自然石72を連結する連結部材73と、この連結部材73の両端に結合された鉤状部材74とを備えるものである。ここで、連結部材73としては、自然石72の重量や自然石72との摩擦等によって切断することがないよう、金属製のワイヤーや鉄筋等を使用していた。
【0008】
そして、この水辺設置部材70を、その両端の鉤状部材74同士を係止させることにより、又は鉤状部材74を連結部材73に係止させることにより複数個結合し、これを水底に配置して人工魚礁、沈床、魚道、又は護岸部材としていた。この水辺設置部材70からなる人工魚礁は、藻等が付着しやすいため集魚効果が高く、経年変化も少なく、なおかつ運搬や設置等が容易である。また水辺設置部材70からなる沈床は、長期間交換することなく使用することができる。更に、水辺設置部材70からなる魚道や護岸は、短期間の工事で安価に設けることができる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−330662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来の水辺設置部材70を用いた人工魚礁、沈床、魚道、又は護岸部材では、水辺設置部材70を構成する連結部材73が金属製のワイヤーや鉄筋等であるため、水辺設置部材70全体を所望の角度、例えば略直角や略U字型に折り曲げにくく、複数の水辺設置部材70を結合する際に作業性が悪いという問題がある。また、前述のように水辺設置部材70の結合は、その鉤状部材74同士を係止させることにより、又は鉤状部材74を連結部材73に係止させることにより行うので、連結部材73を折り曲げて水辺設置部材70を結合した場合、連結部材73が元の形状に戻ろうとする力が作用し、この力によって鉤状部材74の係止が外れる場合がある。
【0011】
また、水辺設置部材70の水底への設置に際しては、その両端の鉤状部材74を水辺の土中に埋め込むことによって移動不能に固定するのが通常であるが、水流や波の力等を受けてこの鉤状部材74が土中から抜け出し、水辺設置部材70の設置が不安定になるという問題もあった。
【0012】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複数の自然石を連結部材で連結してなる水辺設置部材を、複数個結合して人工魚礁、沈床、魚道、又は護岸部材とする場合に、水辺設置部材同士の結合をより強固に且つ作業効率良く行うとともに、水流や波の力等に拘わらず、各水辺設置部材のより安定した設置を可能にする手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための請求項1記載の水辺設置部材を用いた人工魚礁は、貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材と、この水辺設置部材の鎖の両端に取り付けられ、挿通孔を形成した略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えたシャックルと、このシャックルの挿通孔を挿通されて水辺の地盤に打ち込まれるアンカーボルトと、を有するものである。
【0014】
請求項2記載の水辺設置部材を用いた人工魚礁は、貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介して環状に結合し、この環状に結合された水辺設置部材を水辺に設置したものである。
【0015】
請求項3記載の水辺設置部材を用いた沈床は、貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介して格子状に結合し、この格子状に結合された水辺設置部材を水辺に設置するとともに、形成された格子枠の中に自然石からなる石材を配設したものである。
【0016】
請求項4記載の水辺設置部材を用いた魚道は、貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、挿通孔を形成した略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介してはしご状に結合し、河川を横断して設けられた構造物の上から覆うようにして前記はしご状に結合された水辺設置部材を設置し、前記シャックルの挿通孔を挿通させてアンカーボルトを水辺の地盤に打ち込んだものである。
【0017】
請求項5記載の水辺設置部材を用いた護岸部材は、貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、挿通孔を形成した略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介して格子状に結合し、この格子状に結合された水辺設置部材を水面付近の地盤を覆うようにして設置するとともに、前記シャックルの挿通孔を挿通させてアンカーボルトを水辺の地盤に打ち込んだものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る水辺設置部材を用いた人工魚礁は、複数の自然石を連結する部材として鎖を用いたので、水辺設置部材を自在に折り曲げやすい。従って、河川や海等の水底に沿わせるようにして、人工魚礁を容易に設置することができる。また、水辺設置部材の両端を、シャックルとアンカーボルトを用いて水辺に固定したので、水辺設置部材の両端を水辺の土中に埋め込んで固定するのと比べて、より確実に水辺に固定することができる。これにより、水流や波の力に拘わらず、人工魚礁の安定した設置が可能となる。
【0019】
また、本発明に係る水辺設置部材を用いた人工魚礁は、複数の自然石を鎖で連結して水辺設置部材を構成したので、水辺設置部材を自在に折り曲げやすく、環状に結合する作業を効率良く行うことができる。また、シャックルを介して水辺設置部材を環状に結合したので、水辺設置部材をその両端に設けた鉤状部材を用いて環状に結合するのと比べて、より強固に結合させることができ、水流や波の力に拘わらず人工魚礁の安定した設置が可能となる。
【0020】
また、本発明に係る水辺設置部材を用いた沈床は、複数の自然石を鎖で連結して水辺設置部材を構成したので、水辺設置部材を自在に折り曲げやすく、格子状に結合する作業を効率良く行うことができる。また、シャックルを介して水辺設置部材を格子状に結合したので、水辺設置部材をその両端に設けた鉤状部材を用いて格子状に結合するのと比べて、より強固に結合させることができ、水流や波の力に拘わらず沈床の安定した設置が可能となる。
【0021】
また、本発明に係る水辺設置部材を用いた魚道は、複数の自然石を鎖で連結して水辺設置部材を構成したので、水辺設置部材を自在に折り曲げやすく、はしご状に結合する作業を効率良く行うことができるとともに、河川の水底に沿わせるようにして魚道を容易に設置することができる。また、結合した水辺設置部材をシャックルとアンカーボルトを用いて水辺に固定したので、水辺設置部材の両端を水辺の地盤に埋め込んで固定するのと比べて、より確実に水辺に固定することができる。これにより、水流や波の力に拘わらず、魚道の安定した設置が可能となる。
【0022】
また、本発明に係る水辺設置部材を用いた護岸部材は、複数の自然石を鎖で連結して水辺設置部材を構成したので、水辺設置部材を自在に折り曲げやすく、格子状に結合する作業を効率良く行うことができるとともに、水面付近の地盤を覆うようにして護岸部材を容易に設置することができる。また、結合した水辺設置部材をシャックルとアンカーボルトを用いて水辺に固定したので、水辺設置部材の両端を水辺の地盤に埋め込んで固定するのと比べて、より確実に水辺に固定することができる。これにより、水流や波の力に拘わらず、護岸部材の安定した設置が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施例に係る水辺設置部材について図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の第1実施例に係る水辺設置部材1を示す図であり、図1は概略平面図、図2は概略断面図である。本実施例に係る水辺設置部材1は、貫通孔2を形成した複数の自然石3と、各自然石3の貫通孔2に挿通されてこれら自然石3を連結する鎖4と、を備えるものである。
【0024】
自然石3には、天然の岩石を使用する。この自然石3の大きさは、小さすぎる場合には水の流れに流され易くなり、大きすぎる場合には運搬、設置及び移動等が困難になることから、直径が約10〜80cm程度のものを使用するのと好適である。ただし、自然石3の大きさは必ずしもこれに限定されるものではなく、設置場所や用途等に合わせて適当な大きさを選択して使用することが可能である。
【0025】
自然石3の形状については特に限定されることなく、様々な形状の岩石を使用することができる。なお、本発明に係る水底沈設部材を後述する人工魚礁として用いる場合には、表面に凹凸が多い岩石の方が水草や海草等が付着し易くなり好適である。但し、本実施例に係る水辺設置部材1では、隣接する自然石3同士の接触によって自然石3には経時的に凹凸が形成されるため、表面に凹凸のない比較的滑らかな表面を有する岩石を自然石3として使用することも可能である。
【0026】
水辺設置部材1の1個あたりに使用する自然石3の数量についても特に制約はなく、鎖4の長さに応じて2個以上であれば何個でも連結することが可能である。ただし、自然石3の数量が多すぎる場合は、自然石3の大きさが大きすぎる場合と同様、運搬、設置及び移動等が困難になるので、通常は5〜20個程度とし、必要に応じて適宜複数個の水辺設置部材1を結合して使用すると好適である。
【0027】
自然石3には、それぞれに貫通孔2が形成される。この貫通孔2は、鎖4をその中に挿通するために設けられるものであり、その内径は鎖4を挿通可能な大きさである。自然石3における貫通孔2が形成される位置は、通常は自然石3の中心を通る位置とする。ただし、貫通孔2が形成される位置は必ずしもこれに限定されるものではなく、自然石3の端部付近に形成することも可能である。
【0028】
鎖4は、自然石3の貫通孔2に挿通されて複数の自然石3を連結するものである。このような鎖4としては、自然石3の重量や自然石3との摩擦等によって破壊されることがない材質のものを使用し、特に、耐腐食性及び耐衝撃性等を考慮してステンレス製の鎖4を使用すると好適である。この鎖4の長さは、使用するすべての自然石3を連結可能であれば任意に設定可能であるが、若干長めにした方が、自然石3同士の間隔を任意に広げることができ、また、各自然石の3間で鎖4が露呈することにより自在に折り曲げやすくなるので好適である。尚、鎖4に代えて、金属製の棒状部材やワイヤーや網等で自然石3を連結することも可能であるが、鎖4の方が棒状部材やワイヤー等と比べて自在に折り曲げやすく、複数の水辺設置部材1を結合する作業や、結合した水辺設置部材1を水辺に設置する作業を行いやすい、という利点がある。
【0029】
次に、本発明の第2実施例に係る水辺設置部材について説明する。図3及び図4は第2実施例に係る水辺設置部材5を示す図であり、図3は概略平面図、図4は概略断面図である。本実施例に係る水辺設置部材5は、貫通孔6を形成した複数の自然石7と、各自然石7の間に配置された管状部材8と、各自然石7の貫通孔6及び管状部材8に挿通されてこれらを連結する鎖9と、を備えるものである。
【0030】
本実施例に係る水辺設置部材5は、第1実施例に係る水辺設置部材1と比較して、各自然石7の間に管状部材8が配置されている点が異なる。この管状部材8は、各自然石7同士の間隔を一定に保つために各自然石7の間に配置される部材であり、自然石7を連結する鎖9を挿通可能な内径を有する管状の部材を使用する。管状部材8の長さについては特に制限はないが、通常は自然石7の直径の半分から2倍程度の長さとする。管状部材8の材質は、耐腐食性を考慮して例えばステンレスや合成樹脂等を使用すると好適である。このような管状部材8は、水辺設置部材5を人工魚礁として用いる場合に、表面が平滑であるために水草や海草は付着しにくいが、藻は付着し易い。従って、水辺設置部材5を人工魚礁として用いる場合に、水草や海草が付着し易い自然石7と交互にこの管状部材8を配置すれば、水辺設置部材5には水草や海草や藻がバランス良く付着し、様々な魚介類を集めることができるので特に好適である。尚、本実施例に係る水辺設置部材5を構成する自然石7及び鎖9は、第1実施例に係る水辺設置部材1を構成する自然石3及び鎖9と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0031】
次に、本発明の第3実施例に係る水辺設置部材について説明する。図5及び図6は第3実施例に係る水辺設置部材10を示す図であり、図5は概略平面図、図6は概略断面図である。本実施例に係る水辺設置部材10は、貫通孔11を形成した単一の自然石12と、この自然石12の貫通孔11に挿通された鎖13と、を備えるものである。この水辺設置部材10は、第1実施例に係る水辺設置部材1と比較して、自然石12の数量が1個である点、及び鎖13の長さが自然石12の数量に応じて短い点で異なるが、それ以外の構成は水辺設置部材1と同じであるため、ここでは説明を省略する。
【0032】
次に、本発明に係る水辺設置部材を用いた人工魚礁について説明する。この人工魚礁は、前記第1乃至第3実施例に係る水辺設置部材1,5,10のうちの1種以上を、単独で又は複数個結合して水底に沈設したものである。以下、このような人工魚礁の具体例について説明する。
【0033】
図7及び図8は、第1実施例に係る人工魚礁14を示す図であり、図7は概略平面図、図8は図7におけるA−A方向矢視図である。本実施例に係る人工魚礁14は、主に比較的浅い河川において使用されるものであって、図7に示すように、河川15の水の流れ方向に向かって所定間隔毎に、その長手方向を水の流れ方向に直交させるようにして設けられる。このように人工魚礁14を設けることにより、水の流れ方向に階段状の落差を形成することができる。これにより、水中の酸素の量が増加し、苔や藻が増加して魚や小動物の生息に適した環境とすることができる。
【0034】
各人工魚礁14は、図8に示すように、河川15の水底に沈設された前記第1実施例に係る水辺設置部材1と、この水辺設置部材1の両端部にそれぞれ取り付けられた一対のシャックル16と、各シャックル16を挿通されて河川15の地盤17に打ち込まれる一対のアンカーボルト18と、を備えてなるものである。ここで、図9は、シャックル16の構成を示す概略斜視図である。シャックル16は、略U字形状の本体19と、この本体19の開口部20を横切ってその両端部を連結する連結ボルト(連結棒)21とを具備している。本体19には、その両端部に、連結ボルト21を挿通させるためのボルト挿通孔22と、連結ボルト21の先端の雄ねじ部23を螺合させるためのネジ孔24とがそれぞれ形成されるとともに、鉛直方向に向かって本体19を貫通するようにして上下一対の挿通孔25がそれぞれ形成されている。一方、アンカーボルト18は、図8に示すように、長尺な金属棒の一端26が先鋭に形成されるとともに、他端27がフック状に形成されたものであり、その太さは、シャックル16の挿通孔25に挿通可能な程度である。尚、本体19の形状は略U字形状に限られず任意の形状とすることができる。また、連結棒を本体19に固定する手段としては、本実施例のように連結棒たる連結ボルト21を本体19に螺合する構成以外に、例えば本体19に挿通させた状態の連結棒に図示しないピン等を差し込むことにより、本体19から脱落不能に固定することも可能である。
【0035】
このように構成される人工魚礁14の設置に際しては、まず、水辺設置部材1の両端に、シャックル16をそれぞれ取り付ける。より詳細には、図8及び図9に示すように、水辺設置部材1を構成するリング状の鎖4に対し、連結ボルト21を取り外した状態の本体19を挿通させた後、連結ボルト21を本体19のボルト挿通孔22を通してネジ孔24に螺合させる。これにより、鎖4の一端に、シャックル16が脱落不能に取り付けられる。次に、両端にシャックル16を取り付けた水辺設置部材1を、河川15の水底に沿わせるようにして配置する。この時、前述のように水辺設置部材を構成する鎖4は自在に折り曲げやすいので、水底の形状が複雑であっても容易に鎖4を配置することができる。次に、アンカーボルト18を用いて水辺設置部材1の両端を河川15の地盤17にそれぞれ固定する。より詳細には、図8及び図9に示すように、シャックル16に形成された上下一対の挿通孔25に対し、アンカーボルト18をその先鋭な一端26から挿通させた後、水面28付近の地盤17に打ち込む。ここで、前述のようにアンカーボルト18の他端27はフック状に形成されているため、この他端27からシャックル16が脱落することはない。これにより、水流や波の力等に拘わらず、人工魚礁14の安定した設置が可能となる。
【0036】
尚、河川15の流れ方向に向かって人工魚礁14を設ける間隔や数量等は、本実施例に限られず、水の流れの速さや河川15の幅等に合わせて適宜変更することが可能である。また、本実施例では人工魚礁14を河川15に設置する場合を例に説明したが、海や湖等の浅瀬に設置することももちろん可能である。
【0037】
図10は、第2実施例に係る人工魚礁29を示す概略平面図である。本実施例に係る人工魚礁29は、主に河川15の水底に沈設されるものであって、2個の前記第1実施例に係る水辺設置部材1a,1bが、2個のシャックル16a,16bを介して環状に結合されたものである。より詳細には、図9及び図10に示すように、一方のシャックル16aを構成する本体19と連結ボルト21のうち、本体19が、一方の水辺設置部材1aを構成するリング状の鎖4に挿通される一方、連結ボルト21が、他方の水辺設置部材1bを構成する鎖4に挿通される。同様に、他方のシャックル16bを構成する本体19と連結ボルト21のうち、本体19が、他方の水辺設置部材1bを構成する鎖4に挿通される一方、連結ボルト21が、一方の水辺設置部材1aを構成する鎖4に挿通される。この時、前述のように水辺設置部材1a,1bを構成する鎖4は自在に折り曲げやすいので、図10に示すように鎖4を半円状に湾曲させることにより、人工魚礁29全体として容易に環状を形成することができる。このように、シャックル16を介して複数の水辺設置部材1を結合したことにより、水流や波の力等を受けて水辺設置部材1の結合が解けることがなく、人工魚礁29の安定した設置が可能となる。
【0038】
尚、本実施例では2個の水辺設置部材1a,1bで人工魚礁29を構成したが、水辺設置部材1の数量は本実施例に限定されず、河川の大きさ等に合わせて任意の数の水辺設置部材1で人工魚礁29を構成することが可能である。例えば、1個の水辺設置部材1を円弧状に湾曲させて、その両端部を1個のシャックル16にそれぞれ取り付けることで環状に結合することも可能であるし、多数個の水辺設置部材1を多数個のシャックル16を介して環状に結合することも可能である。また、水辺設置部材1を配置する形状は環状に限定されるものではなく、図に詳細は示さないが、例えば四角形、コ字形、十字形、格子形等様々な形状に配置することが可能である。
【0039】
図11は、第3実施例に係る人工魚礁30を示す概略斜視図である。本実施例に係る人工魚礁は、主に海底に沈設されるものであって、前記第1実施例に係る水辺設置部材1を1個又は複数個結合して、その鎖4の両端にシャックル16をそれぞれ取り付けたものを、コンクリート製の既存の人工魚礁31の周囲に所望の数だけ配置したものである。コンクリート製の既存の人工魚礁31は、アルカリ性が強くまた表面の凹凸も少ないために藻や海草等が付着しにくく、貝類や小魚が集まりにくいが、このように周囲に水辺設置部材1を配置することにより、水辺設置部材1を構成する自然石3に藻や海草が豊富に付着し、貝類や小魚の生息に適した環境とすることができ、大型の魚も集まって来やすくなるので、人工魚礁31の集魚効果を高めることができる。尚、既存の人工魚礁31の形状は図11に示す立方体形状に限られず、その材質はコンクリート製に限られないのはもちろんのことである。また、前述のように水辺設置部材1を構成する鎖4は自在に折り曲げやすいので、既存の人工魚礁31の形状に拘わらず、その周囲に水辺設置部材1を容易に配置することができる。更に、鎖4の両端にシャックル16をそれぞれ取り付けたことにより、自然石3が鎖4から抜け落ちることを防止することができる。また、この水辺設置部材1を輸送する際に、クレーンの先端等に設けられたフックをシャックル16に通すことによって、水辺設置部材1をクレーンの先端に脱落不能に取り付けることができるので、大量の水辺設置部材1を同時に輸送することができるという利点もある。
【0040】
図12は、第4実施例に係る人工魚礁32を示す概略斜視図である。本実施例に係る人工魚礁32は、主に海において使用されるものであって、複数個の前記第1実施例に係る水辺設置部材1を格子状に結合したものを、水底に既設の複数の人工魚礁33の上を覆うように配置したものである。ここで、格子状に結合した各水辺設置部材1の間には、大型の魚等が通り抜けられる程度の隙間を確保すると好適である。このような人工魚礁32によれば、前述の第3実施例に係る人工魚礁30と比較して、より大型の人工魚礁を容易に構成することが可能となる。尚、各水辺設置部材1の結合の態様は格子状に限られず、任意の態様に結合したものを同様に配置して人工魚礁32を構成することが可能である。また、本実施例では、既設の人工魚礁33として四脚の異形ブロックにより構成されたものを例に説明しているが、これに限定されず、従来より既存の様々な人工魚礁を用いることができるのはもちろんのことである。また、前述のように水辺設置部材1を構成する鎖4は自在に折り曲げやすいので、既存の人工魚礁33の形状に拘わらず、その上に水辺設置部材1を容易に配置することができる。
【0041】
以上、第1実施例から第4実施例に係る人工魚礁14,29,30,32では、説明の便宜上、第1実施例に係る水辺設置部材1のみで人工魚礁14,29,30,32を構成したが、これに限られず、第2実施例に係る水辺設置部材5や第3実施例に係る水辺設置部材10のみで人工魚礁を構成したり、或いは各実施例に係る水辺設置部材1,5,10を混在させて人工魚礁14,29,30,32を構成することも可能である。
【0042】
次に、本発明に係る水辺設置部材1を用いた沈床について説明する。この沈床は、主に河川の水底の洗掘を防止するためのものであって、前記第1乃至第3実施例に係る水辺設置部材1,5,10のうちの1種以上を、複数個格子状に結合して水底に沈設するとともに、形成された格子枠の中に石材を配置したものである。
【0043】
図13は、本実施例に係る沈床34を示す概略斜視図である。沈床34は、格子状に配置された複数の前記第1実施例に係る水辺設置部材1と、各水辺設置部材1を互いに結合する複数のシャックル35と、各水辺設置部材1によって形成された格子枠36の中に配設された石材37と、を備えてなるものである。ここで、水辺設置部材1は、縦方向に配置された長尺な縦方向水辺設置部材38と、横方向に配置された短尺な横方向水辺設置部材39とから構成される。また、シャックル35は、図9に示す前記シャックル16と同じ構成であって、縦方向水辺設置部材38の長手方向に沿って所定間隔毎に配設されている。この複数のシャックル35のうち、縦方向水辺設置部材38の長手方向中間部に配設されたシャックル35は、その本体19に形成された図9に示す一対の挿通孔25に対し、縦方向水辺設置部材38を構成する鎖4がそれぞれ挿通されるとともに、その連結ボルト21が、横方向水辺設置部材39を構成するリング状の鎖4に挿通されることにより、縦方向水辺設置部材38と横方向水辺設置部材39を結合している。また、縦方向水辺設置部材38の長手方向両端部にそれぞれ配設されたシャックル35は、その連結ボルト21が、縦方向水辺設置部材38を構成するリング状の鎖4に挿通されるとともに、その本体19が、横方向水辺設置部材39を構成する鎖4に挿通されることにより、縦方向水辺設置部材38と横方向水辺設置部材39を結合している。このように、縦方向水辺設置部材38と横方向水辺設置部材39の結合にシャックル35を用いたことにより、水流や波の力等を受けても両者の結合が解けることがなく、沈床34の安定した設置が可能となる。
【0044】
尚、縦方向水辺設置部材38の長手方向両端部に配設されるシャックル16については、その本体19を、縦方向水辺設置部材38を構成する鎖4に挿通させるとともに、その連結ボルト21を、横方向水辺設置部材39を構成する鎖4に挿通させることも可能である。また、縦方向水辺設置部材38の長手方向中間部に配設されたシャックル16に代えて、針金等を用いて締結することによって横方向水辺設置部材39を縦方向水辺設置部材38に結合させることも可能である。
【0045】
前記石材37は、格子状に結合された水辺設置部材1と相俟って、水底の洗掘防止効果を高めるためのものである。石材37の材質や大きさは特に限定されないが、本実施例では割栗石や玉石等の自然石を用いている。これにより、石材37にぶつかった水が回転して水中に酸素が入りやすく、水質の浄化につながるという利点がある。更に、玉石のように角の取れて丸くなったものを用いれば、藻が付きやすく、集魚効果も期待できるという利点がある。尚、本実施例では、前記第1実施例に係る水辺設置部材1のみで沈床34を構成したが、これに限られず、第2実施例に係る水辺設置部材5や第3実施例に係る水辺設置部材10のみで沈床34を構成したり、或いは各実施例に係る水辺設置部材1,5,10を混在させて沈床34を構成することも可能である。
【0046】
次に、本発明に係る水辺設置部材1を用いた魚道について説明する。この魚道は、河川を横断して堰や堤等の構造物が設けられ、上下流方向に魚が自力で遡上又は降下することができないような水位差が生じている場合において、その堰や堤等の構造物の一部分に傾斜の緩い水路を設けることにより、魚が自力で遡上又は降下できるようにするためのものであって、前記第1乃至第3実施例に係る水辺設置部材1,5,10のうちの1種以上を、複数個はしご状に結合して水底に沈設したものである。
【0047】
図14は、本実施例に係る魚道40を示す概略縦断面図である。魚道40は、河川41の水底に沈設された水辺設置部材群42と、この水辺設置部材群42の両端部にそれぞれ取り付けられた固定用シャックル43と、各固定用シャックル43を挿通されて河川41の地盤44に打ち込まれたアンカーボルト45と、を備えてなるものである。ここで、図15は、水辺設置部材群42の構成を示す概略平面図である。水辺設置部材群42は、縦方向に配置された長尺な縦方向水辺設置部材46と、横方向に配置された横方向水辺設置部材47とが、結合用シャックル48を介してはしご状に結合されることにより構成される。本実施例では、縦方向水辺設置部材46として前記第1実施例に係る水辺設置部材1を、横方向水辺設置部材47として前記第3実施例に係る水辺設置部材10をそれぞれ使用している。また、結合用シャックル48は、図9に示す前記シャックル16と同じ構成であって、その本体19に形成された一対の挿通孔25に対し、縦方向水辺設置部材46を構成する鎖4がそれぞれ挿通されるとともに、その連結ボルト21が、横方向水辺設置部材47を構成するリング状の鎖4に挿通されることにより、縦方向水辺設置部材46と横方向水辺設置部材47を結合している。このように、縦方向水辺設置部材46と横方向水辺設置部材47の結合に結合用シャックル48を用いたことにより、水流や波の力等を受けても両者の結合が解けることがなく、魚道40の安定した設置が可能となる。また、固定用シャックル43及びアンカーボルト45は、図9に示す前記シャックル16及び図8に示す前記アンカーボルト18と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0048】
尚、本実施例では、第1実施例に係る水辺設置部材1と第3実施例に係る水辺設置部材10で魚道40を構成したが、これに限られず、各実施例に係る水辺設置部材1,5,10のみで魚道40を構成したり、或いは各実施例に係る水辺設置部材1,5,10を混在させて魚道40を構成することも可能である。また、結合用シャックル48に代えて、図示しない針金等で締結することによって、横方向水辺設置部材47を縦方向水辺設置部材46に結合させることも可能である。
【0049】
このように構成される魚道40の設置に際しては、まず、水辺設置部材群42を構成する縦方向水辺設置部材46の両端に、固定用シャックル43をそれぞれ取り付ける。より詳細には、図9及び図14に示すように、縦方向水辺設置部材46を構成する鎖4に対し、連結ボルト21を取り外した状態の本体19を挿通させた後、連結ボルト21を本体19のボルト挿通孔22を通してネジ孔24に螺合させる。これにより、鎖4の一端に固定用シャックル43が脱落不能に取り付けられる。次に、この水辺設置部材群42を、河川41を横断して設けられた堰や堤等の構造物49の一部を覆うように配置する。この時、前述のように各水辺設置部材1,10を構成する鎖4は自在に折り曲げやすいので、構造物49の形状が複雑であっても水辺設置部材群42を容易に配置することができる。次に、アンカーボルト45を用いて水辺設置部材群42を河川41の地盤44に固定する。より詳細には、図9及び図14に示すように、固定用シャックル43に形成された上下一対の挿通孔25に対し、アンカーボルト45をその先鋭な一端50側から挿通させた後、水底の地盤44に打ち込む。ここで、前述のようにアンカーボルト45の他端51はフック状に形成されているため、この他端側から固定用シャックル43が脱落することはない。これにより、水流や波の力等に拘わらず、水辺設置部材群42の安定した設置が可能となる。
【0050】
このように、構造物49の一部を水辺設置部材群42で覆うことにより、この水辺設置部材群42の設置位置では水の流れが緩やかになり、魚が自力で遡上又は降下可能な魚道40が形成される。従って、既存の構造物49に変更を加えることなく、短期間の工事で安価に魚道40を設けることができる。
【0051】
次に、本発明に係る水辺設置部材1を用いた護岸部材について説明する。この護岸部材は、海岸や川岸の浸食を防止するためのものであって、前記第1乃至第3実施例に係る水辺設置部材1,5,10のうちの1種以上を、複数個格子状に結合して岸近傍の水辺に設置したものである。
【0052】
図16は、本実施例に係る護岸部材52を示す概略縦断面図である。護岸部材52は、海岸や川岸の水面53付近の地盤54を覆って敷設された石材55と、この石材55の上に設置された水辺設置部材群56と、この水辺設置部材群56の両端部に設けられたシャックル57を挿通されて海岸や川岸の地盤54に打ち込まれたアンカーボルト58と、を備えてなるものである。ここで、石材55は、水辺設置部材群56と相俟って、水面53付近の地盤54が浸食されるのを防止するためのものである。この石材55は、前記沈床34で使用した図13に示す石材37と同じ構成及び効果を有するものであるため、その説明を省略する。また、水辺設置部材群56は、図16に詳細は示さないが、図13に示す前記沈床34と同様に、縦方向水辺設置部材46と横方向水辺設置部材47とがシャックル57を介し或いは針金等を用いた締結により、格子状に結合されたものである。また、シャックル57及びアンカーボルト58は、図9に示す前記シャックル16及び図8に示す前記アンカーボルト18と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0053】
このように構成される護岸部材52の設置に際しては、図16に示すように、まず、水流や波による浸食を受けやすい水面53付近に、水底59の地盤54から岸60の地盤54を覆うようにして石材55を敷設する。次に、この石材55の上に水辺設置部材群56を配置する。この時、前述のように各水辺設置部材群56を構成する鎖4は自在に折り曲げやすいので、水底59や岸60の地形が複雑であっても水辺設置部材群56を容易に配置することができる。そして、アンカーボルト58を用いて水辺設置部材群56を水底59や岸60の地盤54に固定する。より詳細には、図9及び図16に示すように、シャックル57に形成された上下一対の挿通孔25に対し、アンカーボルト58をその先鋭な一端61側から挿通させた後、水底59の地盤54や岸60の地盤54に打ち込む。これにより、水流や波の力等に拘わらず、護岸部材52の安定した設置が可能となる。
【0054】
尚、石材55は本発明に係る護岸部材52に必須の構成要件ではなく、水面53付近の地盤54の上に、水辺設置部材群56を直接配置することも可能である。また、本実施例では、水辺設置部材群56を、水底59の地盤54から岸60の地盤54に渡って設けているが、これに限られず、例えば水面53付近の水底59の地盤54のみを覆って水辺設置部材群56を配置したり、水面53付近の岸60の地盤54のみを覆って水辺設置部材群56を配置することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る人工魚礁、沈床、魚道は、その全体が水没した配置態様だけでなく、一部が水没し他の一部が水面から外部に露呈するようにして配置することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施例に係る水辺設置部材1を示す概略平面図。
【図2】本発明の第1実施例に係る水辺設置部材1を示す概略断面図。
【図3】本発明の第2実施例に係る水辺設置部材5を示す概略平面図。
【図4】本発明の第2実施例に係る水辺設置部材5を示す概略断面図。
【図5】本発明の第3実施例に係る水辺設置部材10を示す概略平面図。
【図6】本発明の第3実施例に係る水辺設置部材10を示す概略断面図。
【図7】第1実施例に係る人工魚礁29を示す概略平面図。
【図8】図7におけるA−A方向矢視図。
【図9】シャックル57の構成を示す概略斜視図。
【図10】第2実施例に係る人工魚礁29を示す概略平面図。
【図11】第3実施例に係る人工魚礁30を示す概略斜視図。
【図12】第4実施例に係る人工魚礁32を示す概略斜視図。
【図13】沈床34を示す概略斜視図。
【図14】魚道40を示す概略縦断面図。
【図15】水辺設置部材群56を示す概略平面図。
【図16】護岸部材52を示す概略縦断面図。
【図17】従来例に係る水辺設置部材70の構成を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0057】
1,5,10 水辺設置部材
2 貫通孔
3 自然石
4 鎖
14 人工魚礁
16 シャックル
17 地盤
18 アンカーボルト
19 本体
20 開口部
21 連結ボルト
25 挿通孔
34 沈床
36 格子枠
37 石材
40 魚道
49 構造物
52 護岸部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材と、この水辺設置部材の鎖の両端に取り付けられ、挿通孔を形成した略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えたシャックルと、このシャックルの挿通孔を挿通されて水辺の地盤に打ち込まれるアンカーボルトと、を有することを特徴とする水辺設置部材を用いた人工魚礁。
【請求項2】
貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介して環状に結合し、この環状に結合された水辺設置部材を水辺に設置したことを特徴とする水辺設置部材を用いた人工魚礁。
【請求項3】
貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介して格子状に結合し、この格子状に結合された水辺設置部材を水辺に設置するとともに、形成された格子枠の中に自然石からなる石材を配設したことを特徴とする水辺設置部材を用いた沈床。
【請求項4】
貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、挿通孔を形成した略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介してはしご状に結合し、河川を横断して設けられた構造物の上から覆うようにして前記はしご状に結合された水辺設置部材を設置し、前記シャックルの挿通孔を挿通させてアンカーボルトを水辺の地盤に打ち込んだことを特徴とする水辺設置部材を用いた魚道。
【請求項5】
貫通孔を形成した複数の自然石、及びこれら自然石の貫通孔に挿通されて複数の自然石を連結する鎖を備えてなる水辺設置部材を、挿通孔を形成した略U字形状の本体及びこの本体の開口部を横切ってその両端部を連結する連結棒を備えてなるシャックルを介して格子状に結合し、この格子状に結合された水辺設置部材を水面付近の地盤を覆うようにして設置するとともに、前記シャックルの挿通孔を挿通させてアンカーボルトを水辺の地盤に打ち込んだことを特徴とする水辺設置部材を用いた護岸部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−118936(P2008−118936A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307304(P2006−307304)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(501185589)山正自然環境株式会社 (1)
【Fターム(参考)】