説明

汚水処理システム

【目的】工場廃液などの汚水を効率よく良好に浄化することのできる汚水処理システムを提供する。
【構成】懸濁物質を含む汚水を受け入れる受水槽1と、受水槽から排送される汚水に凝集剤を加えて懸濁物質の凝集を行う凝集槽2と、凝集剤によって凝集された懸濁物質の遠心分離を行う固液分離装置10と、これによる分離液を回収する貯留槽16と、貯留槽内の分離液に残存する懸濁微粒子を除去する濾過装置20とを具備する汚水処理システムである。濾過装置20は、3つのフィルタユニット20A,20B,20Cから成り、その各フィルタユニットは分離液の通過順に濾過度が小さく設定される。又、濾過装置20の下流には、最終のフィルタユニット20Cを通過した濾液に含まれる溶存金属類を選択的に捕捉するための金属捕集フィルタ21が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場廃液、汚染された地下水(井戸水)、又は汚染土壌から流出する水などを対象に、その浄化を行うための汚水処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、工場廃液や生活排水を浄化する処理方法として、沈殿槽などを用いる固液分離処理法、濾過装置などを用いる物理化学的処理法、曝気槽などを用いる生物化学処理法、ならびにそれらを組み合わせた処理法が知られる。
【0003】
それらの処理を行うシステムは、各種装置類を配管接続して、その各装置類に汚水を順次通して処理を段階的に行うようにしたものが一般的である。
【0004】
例えば、係る汚水処理システムとして、流入原水を受け入れる初沈用の固液分離槽と、この固液分離槽から上澄分離液を導入して好気性処理を行う曝気槽とを備え、初沈用の固液分離槽内に流入水中の浮遊性固形物を除去するための中空濾材が充填されると共に、曝気槽内に生物膜を付着させるための微生物担体を充填したものが知られている(例えば、特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開平7−171586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
然し乍ら、特許文献1の汚水処理システムによれば、汚水が連続的に流される状態において初沈用の固液分離槽では浮遊性固形物の多くを沈降分離することはできず、その大部分が中空濾材の充填部分に供給され、これによって中空濾材による濾別能力が早期に失われてしまうので、粒径の小さい固形物のみならず比較的粒径の大きい固形物も中空濾材に吸着されることなく下流の曝気槽内に供給され、これにより曝気槽の処理負荷を増大させてしまうために曝気槽での生物的処理が行えなくなるという問題がある。
【0007】
又、曝気槽内でも固液分離槽から送られる汚水(分離液)が連続的に流されるので、微生物による有機物の分解が不十分となり、しかも曝気槽の下流に終沈用の固液分離槽を設けても微粒子や溶存物質を沈降分離することはできない。
【0008】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は工場廃液などの汚水を効率よく良好に浄化することのできる汚水処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するため、懸濁物質を含む汚水を受け入れる受水槽と、この受水槽から排送される汚水に凝集剤を加えて懸濁物質の凝集を行う凝集槽と、この凝集槽に連なって凝集剤によって凝集された懸濁物質の遠心分離を行う固液分離装置と、この固液分離装置により懸濁物質の凝集物が分離除去されて成る分離液を回収する貯留槽と、この貯留槽内の分離液に残存する懸濁微粒子を除去する濾過装置とを有する汚水処理システムであって、前記濾過装置は、ケーシング内に濾材を収容した少なくとも3つのフィルタユニットから成り、その各フィルタユニットは、前記貯留槽と管路により順次連結されて貯留槽から排送される分離液の通過順に濾過度が小さく設定されていることを特徴とする。
【0010】
又、以上のような汚水処理システムにおいて、濾過装置を構成する最終のフィルタユニットを通過した濾液に含まれる溶存金属類を選択的に捕捉するための金属捕集フィルタを備えることを特徴とする。
【0011】
更に、貯留槽と濾過装置との間に、分離液に含まれる磁性物質を除去するための磁選装置が設けられることを特徴とする。
【0012】
又、貯留槽と濾過装置の各フィルタユニットとを順次連結する管路を本流管として、その本流管から方向切換弁を介して分岐するバイパス管を有し、該バイパス管の下流側に逆浸透装置が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る汚水処理システムによれば、凝集槽内で凝集された懸濁物質を沈降分離するのでなく、その凝集物を固液分離装置に送って遠心分離する構成としていることから、汚水を連続的に流しながら懸濁物質の大部分を効率的に除去することができる。
【0014】
更に、凝集物が分離除去されて成る分離液を、固液分離装置から貯留槽を経て濾過装置に送り、その濾過装置で分離液に残存する懸濁微粒子を除去(濾別)する構成としていることから、濾過装置にかかる負荷が少なく、このため濾過装置の濾別能力を長期に亘って維持することができる。
【0015】
又、濾過装置が少なくとも3つのフィルタユニットから構成され、その各フィルタユニットの濾過度が分離液の通過順に小さく設定されることから、各フィルタユニットにより懸濁微粒子を粒径の大きいものから順に良好に吸着分離することができる。
【0016】
加えて、濾過装置の下流に金属捕集フィルタが設けられることから、濾過装置を通過した濾液に鉛やカドミウムといった溶存金属類が含まれていた場合にも、それらを捕捉して自然環境への排出を防止することができる。
【0017】
又、貯留槽と濾過装置との間に、分離液に含まれる磁性物質を除去するための磁選装置が設けられることから、鉄やニッケルなどの微粒子による濾材の目詰まりを防止することができる。
【0018】
更に、貯留槽と濾過装置の各フィルタユニットとを順次連結する管路を本流管として、その本流管から方向切換弁を介して分岐するバイパス管を有し、該バイパス管の下流側に逆浸透装置が設けられることから、貯留槽にフィルタユニットで吸着できないような細菌類が含まれていた場合でも、分離液の流路を切り換えて逆浸透装置により細菌類やコロイド粒子を除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面に基づき本発明を詳しく説明する。図1は本発明に係る汚水処理システムの系統図である。図1において、1は所定の容積を有する受水槽であり、この受水槽1には汚水として工場廃液や井戸水が汚水源(工場や井戸)から取り込まれる。
【0020】
2は受水槽から排送される汚水を受け入れる凝集槽であり、この凝集槽2は撹拌室2Aと水位調整室2Bとを連ねた二槽構造であり、撹拌室2Aにはモータにより回転駆動される撹拌翼3と、外部の送風機に接続する散気管4とが設けられる。又、水位調整室2Bは、受水槽1内に配される水中ポンプ5と管路6で連結され、その管路6を通じて受水槽1から水位調整室2Bに供給された汚水が撹拌室2Aに流入する構成としてある。尚、凝集槽2内で一定の水位を超えた汚水は戻し管7により受水槽1に返送され、撹拌室2Aに溜まった汚水には凝集剤供給装置8から凝集剤が定量ずつ添加されるようになっている。
【0021】
このため、汚水に含まれる懸濁物質(浮遊固形粒子)は、凝集槽2(撹拌室2A)内における撹拌乃至は曝気と凝集剤の添加とによって凝集が急速に進行してその粒径が大型化される。ここに、粒径が大型化された凝集物の一部は自重によって撹拌室2Aの底部に沈降するが、その多くは撹拌翼3により撹拌されつつ撹拌室2Aから管路9を通じて下流の固液分離装置10に送られる。
【0022】
本例において、固液分離装置10は液体サイクロンであり、その内部には凝集槽2内の汚水が管路9を通じて円筒部の接線方向から送入される。このため、かかる固液分離装置10内では汚水の旋回流が発生し、粒子が大型化された凝集物は旋回流による遠心力を受けて徐々に円錐状の底部に集積される。
【0023】
尚、凝集槽2と固液分離装置10の底部に堆積した凝集物は、濃厚スラリーとして脱水機11に送られて回収される。ここに、脱水機11は容器内に濾布12を配したもので、濾布12を透過した液分は戻し管13を通じて前段の受水槽1内に返送される構成としてある。
【0024】
一方、固液分離装置10によって懸濁物質の凝集物が除去された分離液は、固液分離装置10の中心部分における上昇流によって該固液分離装置の上方中心部に通される管路14を通じて外部に排出され、これが沈殿槽15を介して貯留槽16に回収されるようになっている。
【0025】
沈殿槽15は、下部開放型の仕切板15Aと越流堰15Bとを交互に配して蛇行した流路を形成するもので、その上澄みが貯留槽16に供給される構成とされる。尚、図には沈殿槽15を一つのみ示しているが、これを複数連ねた多連式構造としてもよいし、かかる沈殿槽15を省略しても良い。
【0026】
次に、貯留槽以降の後工程について説明すると、17は貯留槽16内に回収された分離液(懸濁微粒子などが残存する汚水)を取り出すポンプであり、そのポンプ17から吐出される分離液が、磁選装置18、セパレータ19、濾過装置20、並びに金属捕集フィルタ21の順に通され、金属捕集フィルタ21の透過液が処理水として放流源に送られるようになっている。尚、放流源とは河川や湖沼ほか、工場内などの貯水池を含み、貯水池に放流された処理水は工業用水などとして再利用することができる。
【0027】
ここに、磁選装置18は分離液に含まれる鉄やニッケルといった磁性物質(磁性体から成る金属微粒子)を除去するためもので、これは図示せぬマグネットをケーシング内に収容して構成される。
【0028】
又、濾過装置20は、貯留槽16からの分離液に残存する懸濁微粒子を除去するためのものであり、これは本例において3つのフィルタユニット20A,20B,20Cから構成され、その各フィルタユニット20A〜20Cは円筒形のケーシング内に多孔質物質のフィルタ(濾材)を収容して成る。
【0029】
それらの濾材は懸濁微粒子を物理吸着するもので、最上流のフィルタユニット20Aにおける濾材は糸巻きフィルタ(中空糸などを芯材に巻きつけた円筒形のもの)、中間のフィルタユニット20Bにおける濾材はプリーツフィルタ(中空糸などから成る濾布を波形に折畳んで芯材に巻き付けた円筒形のもの)、及び最下流のフィルタユニット20Cにおける濾材は活性炭とされる。
【0030】
特に、各フィルタユニット20A〜20Cは、分離液が通過される順に濾過度(濾材により捕集される粒子の大きさで表される)が小さく設定される。本例では、フィルタユニット20Aにおける濾材の孔径が10μ、フィルタユニット20Bにおける濾材の孔径が1.5μ、フィルタユニット20Cにおける濾材の孔径が1μとされるが、本発明は濾材の孔径を要件とするものでなく、各フィルタユニット20A〜20Cの濾過度が順次小さく設定されていればよい。又、濾材の種類も上記したもののほか、グラスウール、金属フィルタ、又は濾紙など公知のものの中から適宜選択することができる。
【0031】
一方、金属捕集フィルタ21は、濾過装置20を構成する最終のフィルタユニット20Cを通過した濾液に含まれる溶存金属類(主として重金属)を選択的に捕捉するためのもので、これは溶存重金属を化学的に吸着する機能をもつ金属捕集材をケーシング内に収容して構成される。
【0032】
係る金属捕集材は、透水性を有する高分子基材の表面に金属イオン(重金属イオン)と結合する官能基を固定化したものであり、高分子基材にはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、テトラフルオロエチレン、又はクロロトリフルオロエチレンなどの単独もしくは共重合体から成る部材、好ましくは不織布が用いられる。
【0033】
又、重金属イオンと結合する官能基は、電子供与原子として酸素、窒素、硫黄をもつアミノ基(−NH2)、アミド基(−CONH2)、カルボキシル基(−COOH)、カルボニル基(−C=O)、水酸基(−OH)、スルホン基(−SO3H)、ニトリル基(−CN)などの配位基(キレート生成基)、イオン交換基(スルホン酸などの陽イオン交換基又は両性イオン交換基)であり、その固定化は高分子基材に重合性単量体をグラフト重合し、そのグラフト共重合体の側鎖に上記のような官能基をもつ化合物を化学反応により導入するか、又は上記のような官能基をもつ重合性単量体を高分子基材にグラフト重合することにより行われる。
【0034】
尚、その種の金属捕集材は公知のものの中から適宜選択することができるが、重金属イオンの吸着速度の点では、放射線グラフト重合法によって高分子基材(PE不織布など)にアクリロニトリル(CH2=CHCN)とメタクリル酸(CH2=C(CH3)COOH)を重合した後、係る不織布をヒドロキシルアミン(NH2OH)の溶液に浸し、シアノ基(−CN)との反応によりグラフト共重合体の側鎖にアミドキシム基(−C=N(OH)NH2)を導入したものが好適に用いられる。因に、アミドキシム基は、Cu2+、Ru6+、Au3+、Rh3+、V4+、Pd2+、U6+、Pt2+、Fe3+、Mo6+、Ni2+、Co2+、Zn2+、Mn2+などを選択的に吸着することができる。
【0035】
参考例として、上記のようなアミドキシム基をPE不織布の表面に固定化した金属捕集材の性能を調べた結果を図2に示す。尚、係る性能測定では内径7mmのカラム内に上記の金属捕集材を9mmの高さに充填し、鉛とカドミウムの100ppb混合溶液(pH6)を6ml/minで通液し、通液後の鉛/カドミウム濃度を測定した。
【0036】
図2から明らかなように、1200BVの通液後、カドミウムは検出されたが、鉛については殆ど検出されなかった。因に、カドミウムに対しては高分子基材に官能基としてイミノジ酢酸基を固定化したものが有効である。尚、鉛については図3のように200倍高い濃度で160BV吸着が可能である。その他、シアン化合物についても同様の吸着試験を行ったが、これについては鉛と同様に通液後の試験水からシアン化合物は検出されなかった(シアン化合物<0.01mg/リットル)。
【0037】
ここで、貯留槽16と濾過装置を構成する各フィルタユニット20A〜20C、並びに濾過装置20の下流に配される金属捕集フィルタ21とを順次連結する管路は本流管22とされ、その本流管22から方向切換弁23,24を介してバイパス管25,26が分岐する構成としてある。
【0038】
本例において、一方のバイパス管25は濾過装置の中途(フィルタユニット20A,20Bの間)から分岐され、かかるバイパス管25にはフィルタユニット20Aと同様のフィルタ装置27が介在されると共に、そのフィルタ装置27の上流部分にはバイパス管25の内部を流れる汚水(分離液)に次亜塩素酸塩などの殺菌剤を添加するための滅菌装置28が接続される。
【0039】
そして、バイパス管25,26はタンク29を介して合流され、それらバイパス管25,26の下流側には圧送ポンプ30を介在させた合流管31により上記タンク29と連通する逆浸透装置32が設けられる。
【0040】
逆浸透装置32は、酢酸セルロース系やポリアクリロニトリル系などの逆浸透膜33をケーシング内に収容して成るものであり、逆浸透膜33を透過した溶媒成分は処理水として工場内などの貯水池や河川といった放流源に送られる一方、逆浸透膜33を透過しない溶質を含んだ溶液は濃縮水として戻し管34によりタンク29に返送され、そのタンク29と逆浸透装置32との間で循環されるようにしてある。
【0041】
以上のように構成される汚水処理システムの作用を説明すると、工場廃液や汚染水としての井戸水などはポンプにより受水槽1に送られ、受水槽1内に溜まった汚水は水中ポンプ5により凝集槽2に送られる。
【0042】
凝集槽2では、受水槽1から排送される汚水を撹拌翼3により撹拌するか、又は散気管4から放出されるエアと接触させ、更に凝集剤を加えて懸濁物質の凝集が行われる。そして、その凝集物を含んだ汚水は、固液分離装置10に送られて凝集物の遠心分離が行われる。つまり、粒径が大型化された凝集物は固液分離装置10内での旋回流による遠心力により固液分離装置10の内壁に沿ってその下部に集められ、これが濃厚スラリーとして排出される。
【0043】
一方、凝集物が除去された分離液は、固液分離装置10の上方中心部より溢流し、これが管路14を通じて沈殿槽15に送られ、この沈殿槽15にて固液分離装置10を通過した若干の凝集物が沈降分離された後、かかる分離液が貯留槽16に回収される。
【0044】
貯留槽16に回収された分離液は、ポンプ17により吸い出され、磁選装置18およびセパレータ19を介して濾過装置20に送られ、その各フィルタユニット20A〜20Cに順に通されることにより、分離液に残存する懸濁微粒子が各フィルタユニット20A〜20Cの濾材による物理的吸着作用によって分離除去される。
【0045】
そして、最終のフィルタユニット20Cを通過した濾液は、金属捕集フィルタ21に送られた後、処理水として放流源に送られ、工業用水などとして再利用される。このため、鉛、クロム、水銀、カドミウム、セレン、銅、亜鉛といった重金属をはじめとする溶存金属類が濾液に含まれていた場合でも、それらを金属捕集材による化学的吸着作用により選択的に捕捉して環境への流出を防止することができる。
【0046】
尚、貯留槽16内の分離液に大腸菌などの細菌類が含まれている場合であって、有害な溶存金属類の濃度が基準値以下である場合には、方向切換弁23により分離液の流路を本流管22からバイパス管25に切り換え、分離液に殺菌剤を加えた後、これを逆浸透装置32を介して放流源に送る。このため、細菌類を死滅させることができるだけでなく、放流源に送られる処理水を溶存物質が殆ど存在しない純水状態とすることができる。
【0047】
又、金属捕集フィルタ21を通過した処理水も、方向切換弁24の切り換えにより逆浸透装置32に送って金属類以外の溶存物質を除去することができる。
【0048】
以上、本発明に係る汚水処理システムについて説明したが、固液分離装置10は液体サイクロンに限らず、円筒形遠心沈降分離機、分離板形遠心沈降分離機、又は遠心濾過機などを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る汚水処理システムを示す系統図
【図2】金属捕集フィルタの性能を示すグラフ
【図3】金属捕集フィルタの性能を示すグラフ
【符号の説明】
【0050】
1 受水槽
2 凝集槽
8 凝集剤供給装置
10 固液分離装置
16 貯留槽
18 磁選装置
20 濾過装置
20A〜20C フィルタユニット
21 金属捕集フィルタ
22 本流管
23,24 方向切換弁
25,26 バイパス管
32 逆浸透装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁物質を含む汚水を受け入れる受水槽と、この受水槽から排送される汚水に凝集剤を加えて懸濁物質の凝集を行う凝集槽と、この凝集槽に連なって凝集剤によって凝集された懸濁物質の遠心分離を行う固液分離装置と、この固液分離装置により懸濁物質の凝集物が分離除去されて成る分離液を回収する貯留槽と、この貯留槽内の分離液に残存する懸濁微粒子を除去する濾過装置とを有する汚水処理システムであって、前記濾過装置は、ケーシング内に濾材を収容した少なくとも3つのフィルタユニットから成り、その各フィルタユニットは、前記貯留槽と管路により順次連結されて貯留槽から排送される分離液の通過順に濾過度が小さく設定されていることを特徴とする汚水処理システム。
【請求項2】
濾過装置を構成する最終のフィルタユニットを通過した濾液に含まれる溶存金属類を選択的に捕捉するための金属捕集フィルタを備えた請求項1記載の汚水処理システム。
【請求項3】
貯留槽と濾過装置との間に、分離液に含まれる磁性物質を除去するための磁選装置が設けられる請求項1〜2記載の汚水処理システム。
【請求項4】
貯留槽と濾過装置の各フィルタユニットとを順次連結する管路を本流管として、その本流管から方向切換弁を介して分岐するバイパス管を有し、該バイパス管の下流側に逆浸透装置が設けられることを特徴とする請求項1〜3記載の汚水処理システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2006−247548(P2006−247548A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−68832(P2005−68832)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(503317784)株式会社ジー・ピー・ワン (3)
【Fターム(参考)】