説明

汚水処理

本発明は、一般的に汚水処理、及び汚水に含まれる化合物ににおいを制御し、該化合物を分解する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般的に汚水処理、及びにおいを制御し、化学的酸素要求量(COD)を減少させ、特に汚水に含まれる化合物を分解する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
寄託された材料についての相互参照
本発明は、寄託微生物に関する。寄託微生物の内容は、参考として本明細書に十分に援用される。
【0003】
発明の背景
関連技術の説明
汚水中の主な化学物質は、窒素、リン、脂肪、油及びグリースである。
【0004】
不愉快なにおいは、汚水に典型的に存在する様々な物質によって起こる。これらは、イオウ、及び硫化水素酸、硫酸、特にメチル及びジメチルメルカプタン及びジメチルスルフィド(DMDS)を含むメルカプタン(R−SH)を含む数個のイオウ含有化合物;多数の有機酸、例えばプロピオン酸、酢酸、酪酸、イソ吉草酸;アンモニア:尿素;並びに様々なテルペン、例えばカレン、ピネン、リモネン、を含む。これらの物質は、嫌気的条件下で顕著なにおいを最も頻繁に引き起こす。
【0005】
オクテル・ガムレン(Octel Gamlen)は、ムコル・ヒエマリス(Mucor hiemalis)、トリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)、パエシロマイセス・バリオチイ(Paecitomyces variottii)及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の各株を含む汚水処理組成物を販売している。
【0006】
米国特許第7,160,458号明細書は、細菌種を加えることを含む、ケロシン脱硫植物から水を精製する方法を開示している。
【0007】
本発明の目的は、改善された汚水処理組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0008】
発明の概要
本発明は、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)又はトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)(無性世代は、ヒポクレア・ゲラチノサ(Hypocrea gelatinosa))の株を含む、汚水処理組成物に関する。
【0009】
別の実施態様では、本発明は、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)又はトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)(無性世代は、ヒポクレア・ゲラチノサ(Hypocrea gelatinosa))の株を汚水に添加することを含む、汚水の処理方法に関する。
【0010】
本発明はまた、汚水中に含まれる化合物を分解する方法、及び1以上の微生物株の生物的に純粋な培養物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
発明の詳細な説明
汚水処理組成物
本発明は、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)又はトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)の株を含む汚水処理組成物、ムコル・ラセモサス、パエシロマイセス・リラシヌス、アスペルギルス・アスタス又はトリコデルマ・インハマタムの株を汚水に添加することを含む汚水処理方法に関する。
【0012】
ムコル・ラセモサス、パエシロマイセス・リラシヌス、アスペルギルス・アスタス又はトリコデルマ・インハマタムの株は、NRRL USDA-ARSパテント・カルチャー・コレクション1815 N. University Street, Peoria, Illinois 61604において、ブタペスト条約の下に特許目的で寄託された。寄託は、Novozymes Biologicals Inc.によって2007年3月20日になされ、以下の寄託番号を与えられた。
ムコル・ラセモサス NRRL 50031
パエシロマイセス・リラシヌス NRRL 50032
アスペルギルス・アスタス NRRL 50033
トリコデルマ・インハマタム NRRL 50034
【0013】
好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株を含む。
【0014】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、パエシロマイセス・リラシヌス株を含む。
【0015】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、アスペルギルス・アスタス株を含む。
【0016】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、トリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0017】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株及びパエシロマイセス・リラシヌス株を含む。
【0018】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株及びアスペルギルス・アスタス株を含む。
【0019】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株及びトリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0020】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、パエシロマイセス・リラシヌス株及びアスペルギルス・アスタス株を含む。
【0021】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、パエシロマイセス・リラシヌス株及びトリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0022】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、アスペルギルス・アスタス株及びトリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0023】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株、パエシロマイセス・リラシヌス株及びアスペルギルス・アスタス株を含む。
【0024】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株、パエシロマイセス・リラシヌス株及びトリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0025】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、パエシロマイセス・リラシヌス株、アスペルギルス・アスタス株及びトリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0026】
別の好ましい実施態様では、該汚水組成物は、ムコル・ラセモサス株、パエシロマイセス・リラシヌス株、アスペルギルス・アスタス株及びトリコデルマ・インハマタム株を含む。
【0027】
該株は、野生型株でも又は変異型株でもよい。
【0028】
好ましい実施態様では、本組成物は、1x10〜1x10コロニー形成単位(CFU)/mL、好ましくは1x10〜1x10コロニー形成単位(CFU)/mLの濃度で上記微生物を含む。本組成物が1超の微生物を含むとき、かかる微生物は、1x10〜0.5x10コロニー形成単位(CFU)/mLの濃度で存在する。
【0029】
別の好ましい実施態様では、本組成物は、上記微生物(複数)のための栄養物を更に含む。例えば、栄養物は、無機リン化合物、特に溶解性リン酸塩又はオルトリン酸塩、好ましくはリン酸、モノ、ジ、又はトリリン酸塩、又はリン酸二アンモニムでよい。加えて、栄養素は、アンモニア(NH)又はアンモニウム(NH)塩、好ましくは無水アンモニア、アンモニア−水溶液、硝酸アンモニウム又はリン酸二アンモニムである。栄養素は、微量元素、好ましくはアルミニウム、アンチモン、バリウム、ホウ素、カルシウム、コバルト、銅、鉄、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ストロンチウム、チタン、スズ、亜鉛及び/又はジルコニウムでもよい。
【0030】
別の好ましい実施態様では、本組成物は、アラビナン、アラビノース、セルロース、フルクトース、ガラクタン、ガラクトース、グルカン、グルコース、マンナン、マンノース、スクロース、キシラン及びキシロース、又は木質線維、木材パルプ、あるいは他のパルプ副産物からなる群より選ばれる糖類を更に含む。好ましくは、本組成物は、前記糖類が単糖類である時に100〜400mg/Lの濃度の糖類、及び前記糖類が多糖類である時に8,000〜15,000mg/Lの濃度の糖類を含む。
【0031】
本発明の方法に供せられる汚水は、窒素又はリンの任意の追加源が添加される必要なしに培養のための十分な栄養物、例えば窒素及びリンを含むことがある。しかし、汚水がこれらの成分を不足している場合には、栄養物が汚水に添加されることがある。約1ppm以上/100 BODの汚水中のリンレベル達成するために、例えば、必要ならば、リン源、例えば無機リン化合物、特に溶解性リン酸塩又はオルトリン酸塩、好ましくはリン酸、モノ、ジ、又はトリリン酸塩、又はリン酸二アンモニムの添加によって、リンが補充されてよい。同様に、窒素源、例えばアンモニア(NH)、尿素、又はアンモニウム塩、好ましくは無水アンモニア、アンモニア水溶液、硝酸アンモニウム又はリン酸二アンモニムは、少なくとも約10ppm以上/100 BODの栄養できる窒素量を達成するために添加され得る。
【0032】
別の実施態様では、栄養素は、微量元素、好ましくはアルミニウム、アンチモン、バリウム、ホウ素、カルシウム、コバルト、銅、鉄、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、スズ、又は亜鉛を含む。
【0033】
汚水処理方法
本発明はまた、本発明の汚水処理組成物で汚水を処理するための方法に関する。
【0034】
本発明の汚水処理方法は、ブタン酸、2-メチルフェノール、ヘプタン酸、ノナン酸、5-ブロモチオフェン-2-カルボキサミド、イソキサゾリデン、及び2-メチル-1-ニトロプロパンのような汚水中に含まれる化合物のにおいを減少させ、及び分解することがある。
【0035】
本発明の汚水処理組成物によって分解されることがある他のにおい発生物質は、硫化水素、トリメチルアミン、メタンチオール、ブタン酸、3-メチルブタン酸、ペンタン酸、4-メチルフェノール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、プロパン酸、酢酸、2-メチルプロパン酸、インドール、及び3-メチル-1H-インドールである。
【0036】
汚水処理組成物は、汚水の化学的酸素要求量(COD)を減少させることもある。
【0037】
本発明で使用される株は、バッチ式、半連続的又は連続的な処理のいずれかを用いて、例えばパルプ製紙工場(pulp and paper mill)由来の汚水中で培養され得、そして、汚水中に存在する化合物を分解し及び該化合物を除き、あるいは、該化合物を、生物学的汚水処理装置において通常見出される他の生物体によって分解されることができる成分に分解するために十分な時間、培養される。
【0038】
本発明の微生物株は、イオン交換樹脂処理装置、散水ろ床処理装置、炭素吸収装置、活性汚泥処理装置、屋外の潟湖又はプール等で採用され得る。
【0039】
基本的に、必要とされることは、パルプ製紙工場由来の汚水との接触の状態に置かれるべき微生物(複数)に関する。汚水中に存在する物質を分解するために、汚水は、15℃〜45℃、好ましくは20℃〜45℃、より好ましくは18℃〜37℃、及び最も好ましくは30℃〜35℃の温度で生物体(複数)で処理される。望ましくは、pHは、1〜10、このましくは4.5〜8.5の範囲で維持される。pHは、該pH範囲を達成するために、装置を監視することによって及び好適なpH調整物質の添加によって調整され得る。
【0040】
一般的に、処理は、所望の化合物のにおいの減少又は該化合物の分解を達成するために十分な時間行われ、一般的に、約24時間〜約8週以上である。但し、これは、培養温度、処理される培養液の濃度及び量、及び他の因子に依拠することになる。好ましい実施態様では、汚水は、2時間〜14日間、好ましくは2時間〜5日間、微生物(複数)で処理される。
【0041】
処理は、好気性又は嫌気性条件下で行われる。好気性条件が使用される場合には、処理は0.5〜0.7ミリグラム/リットルの溶解された酸素濃度で行われる。これらの条件は、当該分野で慣用の、及び採用される処理装置設計に好適な、任意の方法で簡便に達成される。例えば、空気は該装置にバブルされ、該装置は、攪拌され、滴下装置が採用される、などである。好気性処理では、処理は、−200mV〜200mV、好ましくは0mV〜200mVの酸化還元電位で行われる。嫌気性条件が使用される場合には、処理は、−550mV〜−200mVの酸化還元電位で行われる。
【0042】
通常の好気性測定は、汚水中の着色剤及び生物化学的酸素要求量(BOD)を減少させるために画される。好気的技術は、滴下フィルタ、活性汚泥、回転生物学的接触器、酸化溝、連続バッチ反応器及び制御された湿地さえも含む。
【0043】
嫌気性又は嫌気的に扱いやすい種類の技術も汚水を処理するために使用され得る。現在利用できる嫌気性技術は、連続フロー攪拌タンク反応器、接触反応器、上流汚泥ブランケット、嫌気性フィルタ(上流及び顆粒)、拡大床又は流動床、及び嫌気性処理における酸形成相及びメタン形成相を分離する2段階の装置を含む高速装置である。
【0044】
好気性及び嫌気性処理は、処理装置に組み合わされる。嫌気性処理は、高濃度流中の有機物質を除くために使用され、そして、好気性処理は、より低濃度流に、又は汚水から残余の有機物質及び栄養物質を更に除くために仕上げステップとして使用されてよい。
【0045】
好ましい実施態様では、汚水処理は、微生物(複数)による処理の、1〜5サイクル、好ましくは1サイクル又は2サイクルを含む。好ましくは、各サイクルは、好気性及び嫌気性処理を変化させることを含む。より好ましくは、第1サイクルは、好気性条件下で行われる。好ましい実施態様では、サイクルは、連続バッチ反応器中で行われる。別の好ましい実施態様では、該処理は、サイクル間でアルカリを添加することを更に含む。
【0046】
好ましくは、汚水は、きつい又は濃縮したパルプ製紙工場汚水、薄い黒色液、酸段階での漂白植物濾液、又はアルカリ段階での漂白植物濾液のような、パルプ製紙工場汚水である。処理されることがある汚水の他の種類は、洗浄及び洗濯汚水、食品加工汚水、及び工業処理水、例えば植物油流出物又は繊維含有副産物を有する廃棄物質、を含む。
【0047】
この処理はまた、重力浄化器、ガス浮遊ユニットを含む汚水処理又は膜処理のような濾過処理において一般的に使用される化学着色分離処理からの廃棄を処理するために使用され得る。
【0048】
別の好ましい実施態様では、固体廃棄物の液体廃棄物に対する比は、1:50〜10:1、好ましくは1:10〜5:1である。
【0049】
別の好ましい実施態様では、汚水は、嫌気性条件下、特にパックされた生物学的反応器又はカラム、人工湿地、又は嫌気性連続バッチ反応器(AnSR)中で、木繊維を通過する。あるいは、汚水は、パルプ製紙工場処理由来の廃棄木繊維、石灰及び細粒炭を含む集合体を通過する。好ましくは、汚水は、セルロース繊維、プラスチック、粉末又はセラミック媒体と共に木繊維を通過する。汚水の割合は、好ましくは、0.05〜1リットル汚水/日/kgの湿った木繊維量である。
【0050】
最も好ましい実施態様では、木繊維は、以下のステップ:(a)連続バッチ反応器、(b)任意の潟湖又は安定盆地、(c)活性汚泥系、(d)凝固及び凝集、次いで沈殿、及び(e)濾過、の1以上を含み、嫌気性条件下で生物学的媒体として使用される。汚水は、電子受容体、特にクロロメタン、クロロホルム、クロロリグニン、クロロメタン、クロロフェノール、フミン酸塩、リグニン、キニーネ、又はスルホン化リグニンの存在下で、微生物(複数)で処理されてよい。
【0051】
本発明の微生物は、単独で、又は汚水を処理するための慣用的手段、例えば化学的(例えば、ミョウバン、鉄質、石灰又は高分子電解質)、生物学的(例えば、白色の腐れ真菌)及び物理的処理(例えば、限界濾過、イオン交換及び炭素吸収)、と組合わせて採用され得る。
【0052】
上記の方法では、かかる汚水流に存在する有機化合物は、沈殿、塩素化等の任意の追加の慣用的処理後の川及び小川への排出のために好適な処理汚水を提供するために、有利に処理され得る。
【0053】
製剤
上記の各々の真菌株又は混合物は、該株を培養するために使用される最初の媒体物質に上に提供され、あるいは様々な物理的メカニズムによって最初の成長基質から除かれ、所定の適用のために所望の濃度を達成するために別個の基質又は添加物上に再混合され得る。例えば、真菌胞子又は他の目立たない珠芽は、超音波処理、洗浄又は基質破壊によって、次いで当業者に公知の、篩、遠心分離又は他のサイズ排除法のような濃縮ステップ(strep)によって除かれ得る。かかる分離された及び/又は濃縮された珠芽は、直接的に混合され適用されるか、あるいは適用のために別個の基質上に配置されることがある。このようにして、最初の成長基質の望ましくない物理的性質、例えば非溶解性又は低液体ポンプ特性は改善することができ、そして生成物は、より簡便に、容易に又は経済的に適用されてよい。好ましい実施態様では、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)の真菌胞子は、超音波処理によって成長媒体から除かれ、篩及び遠心分離によって濃縮され、次いで1以上の他の株と組合わされて、所望の汚水反応領域にポンプによって自動的に送達されることがある液状濃縮物懸濁液を提供する。様々な懸濁剤及び/又は界面活性剤は、濃縮された真菌珠芽混合物の汲み上げを助け、又はその沈殿を減少させるために添加され得る。
【0054】
培養
本発明はまた、ムコル・ヒエマリス(Mucor hiemalis)、パエシロマイセス・バリオチイ(Paecitomyces variottii)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、及びトリコデルマ・アトロビリデ(Trichoderma atroviride)の株の生物学的に純粋な培養物に関する。本発明の具体例としてそれに限定する意図ではないが、以下の実施例を示す。
本明細書において他に示さない限り、すべての部分、パーセント等は重量基準である。
【実施例】
【0055】
実施例1
材料及び方法:
媒体及び基質:
パルプ製紙工場廃棄物:研究室試験で使用された汚水は、米国及びフランスの様々なパルプ製紙工場から得られた。汚水流物質は、SSC基準の栄養素(N&P)補正媒体の添加によってpH 7.8に調整した(以下の表参照)。
【0056】
【表1】

【0057】
パルプ製紙工場廃棄物:該廃棄物は、記載しない限り本試験で受けたものとして使用した。該廃棄物は、建築的及び機能的コーティング、及びプラスチック添加物を製造する場所由来のものであり(衝撃的な調整剤及び処理補助剤)、ラテックスについての規定の問題がある。該廃棄物のpHは8.9であり、多数の原生動物を含むことも分かった。溶解性CODは、477±8mg/Lであった。廃棄物は、1400mg/Lの平均流入COD、400mg/Lの流出を有することが報告された。受け入れた廃棄物は、輸送中のCOD損失に因らず、回収された時の汚水流の低CODに因る、低CODを有した。汚水の顕微鏡検査は、試料中に存在する原生動物を明らかにした。
【0058】
洗濯廃棄物:洗濯廃棄物は、容認されたものとして使用し、0.2% Aquazyme Ultras 1200Lを有するデニム繊維工場由来のものであった。この廃棄物の最初のpHは5.6であった。
【0059】
廃棄物調製:廃棄物の殺菌は、特に記載しない限り、濾過によって行った。廃棄物は、最初に、12,000XGで60分間遠心した。次いで、この材料を、ワットマン934−AHフィルタによって100〜150mLアリコートに通過させ、次いでワットマンGF/Fフィルタで濾過し、Gelman Sciences 0.45ミクロンMetricel膜フィルタによって濾過した。最終的な殺菌は、0.22ミクロン膜フィルタを備えた予備殺菌Nalgene濾過ユニットによって濾過することによって行った。
【0060】
栄養添加物:栄養媒体の成分は以下の表に記載する。これらは、10倍濃縮物として調製し、以下の表に記載の最終濃度を与えるように廃棄物に添加した。
【0061】
【表2】

【0062】
培養条件:パルプ製紙工場廃棄物のインキュベーションは、10mLのフィルタ殺菌廃棄物を含む殺菌150mL血清バイアル中で行った。バイアルの上部は、酸素移動ができるように「蒸気紙」で覆った。インキュベーションは30℃で行った。洗濯廃棄物及び工業廃棄物との反応は、50又は100mLの濾過殺菌廃棄物を含む250mLの振とうフラスコ中で行った。
【0063】
接種調製:調合されたサンプルA1、サンプルB又はNZB−Cサンプル生成物を含む実験については、リン酸バッファーに0.1〜1グラムまでの生成物を加えて、最終濃度0.11グラム生成物/mlのバッファーを与えた。次いで、これを手首の振動で30分間攪拌した。特に記載しない限り、この生成物を最終濃度1グラム/300mlの廃棄物に加えた。
【0064】
乾燥生成物製造:この試験で使用した乾燥生成物は、以下の表に記載の性質を有した。サンプル生成物は、50グラムのもみ殻、50グラムの糠及び10グラムのデンプンからなる媒体で、10グラム単位の単離された真菌を最初に成長させることによって製造した。この材料に、湿気のために100mLの50%ジャガイモデキストロースアガー(PDA)を添加した。この材料をオートクレーブにかけ、真菌の菌糸及び予備成長PDAプレート由来の胞子で接種した。P.クリソスポリウム(chrysosporium)を除いて、最初にすべてのインキュベーションは、25℃で7〜10日間、190X100mmガラス皿で加湿した成長チャンバー中で行った。P.クリソスポリウムは、39℃で最初に培養した。最初のインキュベーションの最後に、培養物を加湿成長チャンバーから取り出し、更なる5〜7日間、室温で風乾した。最終的な乾燥は、凍結乾燥機中で減圧下に行った。
【0065】
次いで、原料を水和及び連続的希釈に供して、標準的な研究室的方法を用いて珠芽数/グラムを決定した。P.クリソスポリウムを除いて、すべての真菌は、1.0X10〜1.0X10珠芽/グラムの収量を得た。P.クリソスポリウムは、4.0X10珠芽/グラムを与えた。
【0066】
【表3】

【0067】
CODアッセイ:所定の時間に、5220C法(標準法)によって溶解性CODを決定した。すべての材料を13,000XGで20分間遠心して、粒子を除いた。すべてのデータは、溶解性CODを示し、特に記載しない限り、3つの測定の平均±1標準偏差単位を示す。
【0068】
結果:
純粋培養物での実験:個々の真菌の役割を評価するために、真菌の純粋かつ混合培養物は、パルプ製紙工場の「強烈な沼」由来の廃棄物でインキュベートした。各真菌の種類及び濃度を以下の表に示す。真菌コンソーシアムについて、競合の真菌をより高濃度で加えたことに着目するのは重要である。
【0069】
【表4】

【0070】
パルプ製紙工場由来の一次浄化器からの廃棄物の分解を表1に示す。NZB−Cサンプルは競合サンプルよりもCODの高い除去を証明した。
【0071】
【表5】

【0072】
実施例2
この実験のために、総数60個の150ml血清バイアルを使用し、ブチル化ゴムストッパーで蓋をした。各サンプルは3点で行った。バイアルは、次いで121℃で30分間オートクレーブによって殺菌した。
【0073】
汚水をフランスで入手した。サンプル中に懸濁された大量の粒子物質によって、中程度の廃棄物及び出口汚水を濾過した。濾過は、最終フィルタサイズが0.2ミクロンになるまで、連続的により小さいフィルタサイズを用いて行った。サンプル中の大きな粒子物質を除くために最初に、ワットマン934−AHフィルタ(1.5ミクロン)を使用した。次いで、所望の濾過サイズを達成するために、Fisherbrand 0.45ミクロン膜MCEフィルタ(カタログ番号09−719−2E)及びFisherbrand 0.2ミクロン膜フィルタ(カタログ番号09−719−2B)を連続的に使用した。
【0074】
中程度の廃棄物及び出口廃棄物を濾過殺菌した後に、層流フードの下でバイアルの各々に10ml容の汚水を加えた。真菌成長を助けるために各バイアルを2×SSCで補充した。
【0075】
1xSSC栄養媒体を以下のように調製した。
【0076】
【表6】

【0077】
1xSSCを血清バイアルの各々に加えた。2つの乾燥生成物(NZB−C、すなわちNRRLで寄託され、各々、寄託番号NRRL 50031、NRRL 50032、NRRL 50033及びNRRL 50034で寄託された、Bi-Chem1005PP、Novozymes Biologicalsの細菌性生物の、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株のコンソーシアム)からの接種材料を調製するために、2.5gの生成物を殺菌試験管中の25mlの殺菌リン酸バッファーに加え、次いで、15分間、手首を振動させて攪拌した。単一真菌株培養物からの接種材料を調製するために、各株のプレートを取得し、殺菌綿スワブでMgCl、胞子及び菌糸の混合物をプレート表面から採取した。次いで、このスワブを2mMを含む99mlの0.3mMのリン酸バッファー(pH 7.4)中に浸し、15分間激しく攪拌して、バッファー中に胞子/菌糸を放出させた。綿スワブの吸収性のために、リン酸バッファーのいくらかを損失した。プレートの拭き取りの完了後に体積を10mlに戻した。ムコルの場合には、PDA上で成長したムコルの2つのプレートを8つの部分に切断し、99mlのリン酸バッファーに加えた。攪拌後、接種材料(乾燥混合物又は個々の培養物から採取した)を10分間静置し、粒子物質を沈殿させ、ついで100μlの懸濁液を取り、汚水及び1xSSCを含む対応する血清バイアルを接種するために使用した。次いでバイアルを35℃で14日間インキュベートした。
【0078】
Norampac由来の処理汚水のSPME装備GC/MS分析
汚水中に存在する特定の化合物を検出するために、SPME(固相マイクロ抽出)を用いて、サンプルのGC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分光分析)分析を行った。各サンプルのCOD分析の後に、サンプルの残り(約9ml)を20mlのヘッドスペースバイアルに加えた。ジビニルベンゼン/カルボキセン/ポリジメチルシロキサン(DVB/CAR/PDMS)ファイバ(灰色容器)を選択した。このサンプルを60℃まで5分間加熱し、同時に320rpmで5秒間攪拌し、30秒間静置し、気化させた。次いで、サンプルを60℃で30分間抽出し、同時に先に記載したようにして攪拌した。サンプルを250℃で1分間脱着した。スプリット比を1:2に設定し、セプタムパージを2.5ml/分に設定した。においの原因となるイオウ化合物がサンプル中に存在すると考えられたので、このサンプルをSPB−1イオウカラムで分析した。脱着後、カラムを40℃で3分間維持した。次いで、温度を4℃/分の速度で125℃まで上昇させた。次いで、25℃/分〜200℃/分のより速い傾斜で上昇させた。質量分光分析は、新たな調整の後、45〜1000amuでスキャンするように設定した。
【0079】
Norampac試験2由来の処理汚水のSPME装備GC/MS分析
化合物がSPME装備GC/MSを用いて検出され得ることを確認した後、汚水中の未知化合物の分解能を示すために第2試験を設定した。NZB−Cが分解することができた場合に、非処理サンプル対処理サンプルから得られたクロマトグラムに示されるだろうと予測した。例えば、非処理サンプルにおいて16.382分の保持時間を有するピークは、処理サンプルでは16.382分で理論上現れるはずである。3つのピークの面積を分析し、真菌生成物の分解能についての結論を導き出すことができた。この具体的な試験のために、Norampac由来の出口水は、0.2ミクロン殺菌フィルタで濾過し、次いで各々の20mlヘッドスペースバイアルに加えた。これは3点で行った。SSC濃度を1xにするために、各バイアルにSSCを加えた。そのために以下の手段を用いた。
【0080】
【表7】

【0081】
SSCの10倍濃縮物の媒体成分を以下の表に示す。白色沈殿が形成されそれは一般的である。10×媒体を振とうし、次いで10倍に希釈し、その後で蒸留水に加えた。最終媒体をオートクレーブにかけてもよいが、濾過殺菌が好ましい。
【0082】
【表8】

【0083】
処理サンプルを調製するために、50ml試験管中の25mlの殺菌リン酸バッファーに添加した2.5gのNXZB−C乾燥生成物を用いて10%NZB−C溶液を調製した。試験管を15分間攪拌した。攪拌が終了し、糠が底に沈殿したら、上記の糠を100μl、液体層から採取した。各々の処理バイアルを接種するためにこれを使用した。次いで、バイアルに蓋をし、30℃で14日間インキュベートし、次いで先のセクション「Norampac由来の処理汚水のSPME装備GC/MS分析」に記載のGC/MSプロトコルを用いて読んだ。
【0084】
Norampac試験2由来の処理汚水のSPME装備GC/MS分析
ある化合物がSPMEによるGC/MSヘッドスペース分析を用いて検出され得ることを確認した後、処理サンプルと非処理サンプルとの単純なピーク比較によって化合物の分解の比較を行った。3つのピークをこの比較試験のために単離した。これらのピークの同一性は、使用したShimadzu GC/MS装置(GCMS−QC2010S)の内部化合物ライブラリーによって提供された。この結果を表2に示す。これは、NZB−Cがこれらの検出化合物を分解することができる証拠である。
【0085】
【表9】

【0086】
この結果は、NZB−Cが5−ブロモチオフェン−2−カルボキミド、イソオキサゾリジン及び2−メチル−1−ニトロプロパンを分解することを示している。
【0087】
実施例3
フランス、ボンデュエル(Bonduelle)でのパルプ製紙工場の潟湖処理施設中のにおい発生及びある厄介な廃棄化合物を減少させるNZB−C真菌コンソーシアムの能力の評価分野が画された。上記のようにして調製されたNZB−C材料は、1.5g NZB−C/処理潟湖に存在する1.0Kgの総CODの割合で、7,500m/日の流速で加えた。位置が類似しているが別個の潟湖は、NZB−Cで処理せず、対照とした。実験の最初に(0日目)及び23日目に、潟湖出口でサンプルを採取した。これらは、実施例1に記載のSPME分析法を有するGC/MSを用いて評価した。結果を表3に示す。これは、あるにおい関連化合物の相当のかつ顕著な減少がこの時間に起こったことを示している。
【0088】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)又はトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)の株を含む汚水処理組成物を、汚水に加えることを含む、汚水の処理方法。
【請求項2】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記汚水処理組成物が、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記汚水処理組成物が、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記汚水処理組成物が、トリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株及びアスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株及びパエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記汚水処理組成物が、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株及びアスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記汚水処理組成物が、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記汚水処理組成物が、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株及びアスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記汚水処理組成物が、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記汚水処理組成物が、ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)株、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)株、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)株及びトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)株を含む、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記汚水処理が、アラビナン、アラビノース、セルロース、フルクトース、ガラクタン、ガラクトース、グルカン、グルコース、マンナン、マンノース、スクロース、キシラン及びキシロース、又は木質線維、木材パルプ、あるいは他のパルプ副産物からなる群より選ばれる糖類を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記汚水処理組成物が、前記糖類が単糖類である時に100〜400mg/Lの濃度の糖類、及び前記糖類が多糖類である時に8,000〜15,000mg/Lの濃度の糖類を含む、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記処理が、好気的条件下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記処理が、−200mV〜200mV、好ましくは0mV〜200mVの酸化還元電位で行われる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
溶解された酸素濃度が、0.5〜7.0ミリグラム/リットルである、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記処理が、4〜10、好ましくは4.5〜8.5のpHで行われる、請求項1記載の方法。
【請求項22】
前記処理が、20〜45℃、好ましくは30〜35℃の温度で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項23】
前記処理が、2時間〜14日間、好ましくは2時間〜5日間行われる、請求項1記載の方法。
【請求項24】
前記処理が、バッチ式の半連続的又は連続的な処理である、請求項1記載の方法。
【請求項25】
前記処理が、逐次バッチ反応器でのサイクルで行われる、請求項1記載の方法。
【請求項26】
サイクル間でアルカリの添加を更に含む、請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記の汚水の処理が、前記汚水処理組成物による処理の1〜5サイクル、好ましくは1サイクルを含む、請求項1記載の方法。
【請求項28】
各サイクルが、好気的及び嫌気的処理を変更することを含む、請求項27記載の方法。
【請求項29】
第1の処理が嫌気的である、請求項28記載の方法。
【請求項30】
汚水に栄養素を添加することを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項31】
前記栄養素が、無機リン酸化合物、特に溶解性ホスホネート又はオルトリン酸塩、好ましくはリン酸、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム又はリン酸三ナトリウム、あるいはリン酸二アンモニウムを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記栄養素が、アンモニア(NH)又はアンモニウム塩(NH)、好ましくは無水アンモニア、アンモニア水溶液、硝酸アンモニウム又はリン酸二アンモニウムである、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記栄養素が、微量元素、好ましくはアルミニウム、アンチモン、バリウム、ホウ素、カルシウム、コバルト、銅、鉄、鉛、マグネシウム、マンガン、モリブデン、ニッケル、ストロンチウム、チタン、スズ、亜鉛又はジルコニウムを含む、請求項30記載の方法。
【請求項34】
前記汚水が、パルプ製紙工場(pulp and paper mill)の汚水である、請求項1記載の方法。
【請求項35】
前記のパルプ製紙工場の汚水が、きつい又は濃縮されたパルプ製紙工場汚水、薄い黒液体、酸段階で漂白された植物濾液、又はアルカリ段階で漂白されて植物濾液である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
嫌気的条件、特に包装された生物反応器又はカラム、人工湿地又は嫌気性連続バッチ反応器(AnSR)中での、木質繊維の汚水の通過を含む、請求項1記載の方法。
【請求項37】
パルプ製紙処理由来の廃棄木質繊維、石灰及び細粒炭を含む集合体中の汚水の通過を含む、請求項1記載の方法。
【請求項38】
前記汚水が、0.05〜1リットル汚水/kg湿木質繊維量の割合で、木質繊維を通過する、請求項37記載の方法。
【請求項39】
前記汚水が、セルロース繊維、プラスチック、粉末又はセラミック媒体と共に木質繊維中を通過する、請求項37記載の方法。
【請求項40】
前記処理が、電子受容体、特にクロロメタン、クロロホルム、クロロリグニン、クロロメタン、クロロフェノール、フミン酸塩、リグニン、キニーネ、又はスルホン化リグニンを存在下で行われる、請求項1記載の方法。
【請求項41】
前記汚水が、クロル化有機化合物、特にクロロホルム、クロロフェノール、クロロメタン又はクロロエタンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項42】
前記の汚水の化学的酸素要求が減少する、請求項1記載の方法。
【請求項43】
ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)又はトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)の株を含む汚水処理組成物。
【請求項44】
ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)、アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)又はトリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)の株を汚水に添加することを含む、汚水におけるにおいを減少させる方法。
【請求項45】
ムコル・ラセモサス(Mucor racemosus)NRRL 50031株の生物的に純粋な培養物。
【請求項46】
パエシロマイセス・リラシヌス(Paecitomyces lilacinus)NRRL 50032株の生物的に純粋な培養物。
【請求項47】
アスペルギルス・アスタス(Aspergillus ustus)NRRL 50033株の生物的に純粋な培養物。
【請求項48】
トリコデルマ・インハマタム(Trichoderma inhamatum)NRRL 50034株の生物的に純粋な培養物。

【公表番号】特表2010−523330(P2010−523330A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503229(P2010−503229)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/060019
【国際公開番号】WO2008/128032
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(507121116)ノボザイムス バイオロジカルズ,インコーポレイティド (7)
【Fターム(参考)】