説明

油性植物および酵母中の多価不飽和脂肪酸レベルを変更するのに適したΔ15デサチュラーゼ

本発明は、リノール酸(18:2、LA)からα−リノレン酸(18:3、ALA)への転換を触媒できる真菌Δ15脂肪酸デサチュラーゼに関する。デサチュラーゼをコードする核酸配列、それにハイブリダイズする核酸配列、デサチュラーゼ遺伝子を含んでなるDNAコンストラクト、および増大したレベルのデサチュラーゼを発現する組換え宿主植物および微生物について記載されている。15脂肪酸デサチュラーゼの過剰発現によって特定のω−3およびω−6脂肪酸の生成の増大方法についてもまた本明細書に記載されている。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号2に記載のアミノ酸配列をコードする単離された核酸断片、
(b)0.1×SSC、0.1%SDSで65℃、および2×SSC、0.1%SDSで洗浄後、0.1×SSC、0.1%SDSというハイブリダイゼーション条件下で(a)とハイブリダイズする単離された核酸断片、または
(a)または(b)と相補である単離された核酸断片
からなる群から選択される、真菌Δ15デサチュラーゼ酵素をコードする単離された核酸断片。
【請求項2】
配列番号1に記載の請求項1に記載の単離された核酸断片。
【請求項3】
フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)から単離された請求項1に記載の単離された核酸断片。
【請求項4】
配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合に、Clustal法によるアライメントに基づいて少なくとも86%の同一性を有する、少なくとも402個のアミノ酸があるΔ15デサチュラーゼ酵素をコードする第1のヌクレオチド配列、または
第1のヌクレオチド配列の相補体
を含んでなる第2のヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸断片。
【請求項5】
酵素基質としてオレイン酸およびリノール酸の双方に結合する請求項1〜4のいずれか一項に記載の単離された核酸断片によってコードされるポリペプチド。
【請求項6】
適切な制御配列に作動的に結合された請求項1〜4のいずれか一項に記載の単離された核酸断片を含んでなるキメラ遺伝子。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の単離された核酸断片を含んでなる、形質転換宿主細胞。
【請求項8】
植物、藻類、細菌、酵母、および真菌からなる群から選択される、請求項7に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項9】
宿主細胞が、ダイズ、コーン、ナタネ、サクラソウ、亜麻、カノーラ、トウモロコシ、ベニバナ、およびヒマワリからなる群から選択される植物である、請求項8に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項10】
宿主細胞が、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)種、シゾキトリウム(Schizochytrium)種、およびモルティエレラ(Mortierella)種からなる群から選択される真菌である請求項8に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項11】
酵母が油性酵母である請求項8に記載の形質転換宿主細胞。
【請求項12】
油性酵母が、ヤロウィア(Yarrowia)、カンジダ(Candida)、ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、トリコスポロン(Trichosporon)、およびリポミセス(Lipomyces)からなる群から選択される請求項11に記載の形質転換酵母。
【請求項13】
油性酵母がヤロウィア(Yarrowia)種である、請求項12に記載の形質転換酵母。
【請求項14】
ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号20362、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号8862、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号18944、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号76982、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)LGAMS(7)1からなる群から選択される、請求項13に記載の形質転換されたヤロウィア(Yarrowia)種。
【請求項15】
a)(i)配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合に、Clustal法によるアライメントに基づいて少なくとも46.2%の同一性を有するΔ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片、および
(ii)リノール酸供給源
を含んでなる宿主細胞を提供する工程と、
b)Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸断片が発現し、かつリノール酸がα−リノレン酸に転換される条件下で、工程(a)の宿主細胞を生育させる工程と、
c)場合により工程(b)のα−リノレン酸を回収する工程
を含んでなるα−リノレン酸の製造方法。
【請求項16】
a)(i)配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合に、Clustal法によるアライメントに基づいて少なくとも46.2%の同一性を有するΔ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片、および
(ii)オレイン酸供給源
を含んでなる宿主細胞を提供工程と、
b)Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする核酸断片が発現し、かつオレイン酸がα−リノレン酸に転換される条件下で、工程(a)の宿主細胞を生育させる工程と、
c)場合により工程(b)のα−リノレン酸を回収する工程
を含んでなるα−リノレン酸の製造方法。
【請求項17】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片が、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、フザリウム・グラミネアリウム(Fusarium graminearium)、およびアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)からなる群から選択される真菌から単離される請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片が、配列番号2、6、10、14、および18からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする請求項15または16に記載の方法。
【請求項19】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質が、リノール酸から少なくとも約50%のα−リノレン酸への基質転換百分率を有する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質が、リノール酸から少なくとも約80%のα−リノレン酸への基質転換百分率を有する請求項15に記載の方法。
【請求項21】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質が、リノール酸から少なくとも約90%のα−リノレン酸への基質転換百分率を有する求項15に記載の方法。
【請求項22】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質が、リノール酸から少なくとも約95%のα−リノレン酸への基質転換百分率を有する請求項15に記載の方法。
【請求項23】
15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質が、酵素基質としてオレイン酸およびリノール酸の双方に結合する請求項15または16に記載の方法。
【請求項24】
a)i)配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合に、Clustal法によるアライメントに基づいて少なくとも46.2%の同一性を有するΔ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片、および
(ii)機能的なω−3/ω−6脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子
を含んでなる、宿主細胞を提供する工程と、
b)オレイン酸からなるデサチュラーゼ基質源を提供する工程と、
c)ω−3脂肪酸が生成する条件下で工程(a)の宿主細胞を工程(b)のデサチュラーゼ基質と共に生育させる工程と、
d)場合により工程(c)のω−3脂肪酸を回収する工程
を含んでなる宿主細胞におけるω−3脂肪酸の製造方法。
【請求項25】
a)ω−3脂肪酸およびω−6脂肪酸を生成する宿主細胞を提供する工程と、
b)配列番号2に記載の配列を有するポリペプチドと比較した場合に、Clustal法によるアライメントに基づいて少なくとも46.2%の同一性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片を(a)の宿主細胞に導入する工程
を含んでなり、ここでポリペプチドが酵素基質としてオレイン酸およびリノール酸の双方に結合し、ω−3脂肪酸のω−6脂肪酸に対する比率が増大する
ω−3脂肪酸からω−6脂肪酸を生成する宿主細胞においてω−3脂肪酸のω−6脂肪酸に対する比率の増大方法。
【請求項26】
ω−3脂肪酸およびω−6脂肪酸を生成する宿主細胞が、Δ12デサチュラーゼ活性を有するポリペプチドを欠く請求項25に記載の方法。
【請求項27】
Δ15デサチュラーゼ活性を有するタンパク質をコードする単離された核酸断片が、配列番号2、6、10、14、および18からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする請求項24または25に記載の方法。
【請求項28】
ω−3脂肪酸がα−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、およびドコサヘキサエン酸からなる群から選択される請求項24に記載の方法。
【請求項29】
ω−3/ω−6脂肪酸生合成経路の酵素をコードする遺伝子が、Δ6デサチュラーゼ、エロンガーゼ、Δ5デサチュラーゼ、Δ4デサチュラーゼ、Δ8デサチュラーゼ、Δ9デサチュラーゼ、Δ9エロンガーゼ、およびΔ17デサチュラーゼからなる群から選択される請求項24に記載の方法。
【請求項30】
宿主細胞が、植物、藻類、細菌、酵母、および真菌からなる群から選択される請求項15、16、24、および25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
宿主細胞が、ダイズ、コーン、亜麻、ナタネ、サクラソウ、カノーラ、トウモロコシ、ベニバナ、およびヒマワリからなる群から選択される植物である請求項30に記載の方法。
【請求項32】
宿主細胞が、スラウストキトリウム(Thraustochytrium)種、シゾキトリウム(Schizochytrium)種、およびモルティエレラ(Mortierella)種からなる群から選択される真菌である請求項30に記載の方法。
【請求項33】
酵母が油性酵母である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
油性酵母が、ヤロウィア(Yarrowia)、カンジダ(Candida)、ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、トリコスポロン(Trichosporon)、およびリポミセス(Lipomyces)からなる群から選択される請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ヤロウィア(Yarrowia)が、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号20362、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号8862、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号18944、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)ATCC番号76982、およびヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)LGAMS(7)1からなる群から選択される請求項34に記載の方法。
【請求項36】
請求項15、16、24、および25のいずれか一項に記載の方法によって製造される微生物油。
【請求項37】
(a)請求項1に記載の核酸断片によってゲノムライブラリーをプローブする工程と
(b)請求項1に記載の核酸断片とハイブリダイズするDNAクローンを同定する工程と、
(c)工程(b)で同定されたクローンを含んでなるゲノム断片を配列決定する工程と
を含んでなり、かつ、配列決定されたゲノム断片がΔ15デサチュラーゼ酵素をコードする、Δ15デサチュラーゼ酵素をコードする核酸断片を得る方法。
【請求項38】
(a)配列番号1に記載の配列の部分に対応する、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを合成する工程と、
(b)工程(a)のオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、クローニングベクター中に存在する挿入断片を増幅する工程
を含んでなり、かつ、増幅された挿入断片がΔ15デサチュラーゼ酵素をコードするアミノ酸配列の部分をコードする、Δ15デサチュラーゼ酵素をコードする核酸断片を得る方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−515951(P2007−515951A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539834(P2006−539834)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/037592
【国際公開番号】WO2005/047480
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】