説明

泡状洗浄剤組成物

【課題】フォーマー容器よりの吐出が容易であり、かつ吐出した泡のきめ細かさ、弾力性が延展することでに大幅に向上し、ホイップクリーム様の極めてクリーミー性と弾力性に優れる泡を得ることができ、毛穴等の細かな部位の汚れに対する洗浄力に優れ、さらにはすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有する泡状洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】(A)グリコシルトレハロースを5〜20質量%、(B)炭素数12〜18の脂肪酸石けんを0.5〜7質量%、(C)グリセリンまたはジグリセリンを2〜20質量%含有し、かつ、(B)と、(A)と(C)との合計の質量比(B)/{(A)+(C)}が1/20〜1/2である泡状洗浄剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚や毛髪に使用される泡状洗浄剤組成物に関し、さらに詳しくは、フォーマー容器からの吐出が容易で、かつ吐出した泡の弾力性が延展時に大幅に向上し、ホイップクリーム様の極めてクリーミー性と弾力性に優れる泡を得ることができ、さらにはすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有する泡状洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗顔料においては、本来の機能である洗浄力に加えて、洗浄時に生じる泡の性質も使用感における重要な要素とされ、特に気泡が細かくクリーミーで弾力性に富み、それを使用中も維持する泡質が消費者に好まれる。泡状洗浄剤はその泡で洗浄することを特徴としており、泡の特性を生かした洗浄料である。つまり洗浄時において泡には、すすぎ後の独特の洗い感や、また泡の大きさが小さく、泡質がクリーミーであるほど、皮膚の毛穴などの小さな部位にも入りこめることから汚れのかき出しに優れており、またその弾力性によって付与される緩衝作用によって皮膚への刺激低減などの特性がある。そして、このような泡の特性は、さらに泡量が多く、また泡質が肌での延展時においてきめ細かく、クリーミーであり、かつ、そのような泡が長時間持続され、汚れに対して立ち消えない泡であることで、さらに高い機能を示す。
【0003】
上記のような観点から、泡質や泡弾力性、洗浄後の感触を改善する方法について種々検討がなされている。特許文献1には、トレハロースのアルキルエーテル体またはトレハロースのアルケニルエーテル体とトレハロースを含有する皮膚洗浄料が、使用時の感触に優れ、洗浄後の肌感触にも優れていることが示されているが、泡立ち、泡質(クリーミー性)、泡弾力性の面で十分に満足のいくものではなかった。
【0004】
また、洗浄剤組成物をフォーマー容器に充填し、細かい泡として吐出させて使用する皮膚洗浄剤製品は、泡立てる手間が省け、皮膚への刺激が緩和される等の利点がある。これら、泡状洗浄剤組成物について、特許文献2には、多価アルコールとアルキルアミノジカルボン酸型界面活性剤とを含有する洗浄剤組成物をノンガスフォーマー容器に充填した泡状皮膚洗浄剤組成物が、泡質に優れ、すすぎ時のぬるつき感や使用後のつっぱり感がなく、さっぱりとした仕上がり感が得られることがしめされている。特許文献3では、グリコシルトレハロースと水溶性のカチオン化ポリマーと脂肪酸石けんを含有する皮膚洗浄剤組成物が、泡立ち、泡質(クリーミー性)が良好であり、さっぱりとした洗い上がりを有することが示されているが、いずれもフォーマー容器より吐出された直後の泡質には優れるものの、使用中に皮脂汚れ等で泡の立ち消えや弾力性の低下を生じ、延展時の泡質、泡弾力性が満足するものではなかった。
【0005】
そこで泡の特性と使用感を十分に満たす、つまりは吐出直後の泡質に優れ、かつ、延展時にさらに泡質がきめ細かく弾力性に富んだクリーミーな泡に変化し、使用中に泡の立ち消えや弾力性の低下を起こさず、毛穴等の細かな部位の汚れに対する洗浄力に優れ、さらにはすすぎ時にぬるつきを生じず、さっぱりとした洗いあがりの感触を与える泡状洗浄剤組成物が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-363064号公報
【特許文献2】特開2002-256298号公報
【特許文献3】特開2006-193484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、フォーマー容器よりの吐出が容易であり、かつ吐出した泡のきめ細かさ、弾力性が延展することで大幅に向上し、ホイップクリーム様の極めてクリーミー性と弾力性に優れる泡を得ることができ、毛穴等の細かな部位の汚れに対する洗浄力に優れ、さらにはすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有する、泡状洗浄剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、グリコシルトレハロースと脂肪酸石けん、およびグリセリンまたはジグリセリンを特定の比率で組み合わせることにより、泡状洗浄剤組成物を得るに至った。
すなわち本発明は、
(1)(A)グリコシルトレハロースを5〜20質量%、(B)炭素数12〜18の脂肪酸石けんを0.5〜7質量%、(C)グリセリンまたはジグリセリンを2〜20質量%含有し、かつ、(B)と、(A)と(C)との合計の質量比(B)/{(A)+(C)}が1/20〜1/2である泡状洗浄剤組成物である。
(2)さらに(D)両性ポリマーを0.01〜1質量%含有する、(1)記載の泡状洗浄剤組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の泡状洗浄剤組成物は、フォーマー容器に充填して使用することで、延展した際に泡のきめ細かさ、弾力性が吐出時より大幅に向上し、ホイップクリーム様の極めてクリーミー性に優れる泡を得ることが出来、毛穴等の細かな部位の汚れに対する洗浄力に優れ、さらにはすすぎ時にぬるつきが無く、さっぱりとした洗い上がりを有する。そのため、洗浄剤としてだけでなく、皮膚状態を改善するパック料や泡によるマッサージ料としても応用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(A)グルコシルトレハロース(以下、A成分ともいう)
本発明に用いるA成分であるグリコシルトレハロースは、2つのグルコースがα1位同士で結合したα−D−グルコピラノシル−α−D−グルコピラノシドを基本骨格とし、一方のグルコースの4位とα−グルコースの1位が結合したオリゴ糖であり、グルコースの重合度が2〜6の三糖ないし七糖の化合物である。より具体的には、重合度2であるα−マルトシルα−グルコシド、重合度3であるα−マルトトリオシルα−グルコシド、重合度4であるα−マルトテトラオシルα−グルコシド、重合度5であるα−マルトペンタオシルα−グルコシド、および重合度6であるα−マルトヘキサオシルα−グルコシドが挙げられる。市販されている製品としては、株式会社林原生物化学研究所製の「トルナーレ」が挙げられる。
【0011】
A成分の配合量は、組成物全量中に5〜20質量%であり、好ましくは8〜18質量%、更に好ましくは10〜15質量%である。5質量%未満では、延展時の泡質が十分に満足するものではなく、汚れや皮脂による泡の立ち消えを生じ、20質量%を超えると吐出性が悪化しフォーマーポンプが目詰まりを起こす他、泡量が大きく低下する場合がある。
【0012】
(B)炭素数12〜18の脂肪酸石けん(以下、B成分ともいう)
本発明に用いるB成分である炭素数12〜18の脂肪酸石けんである。脂肪酸石けんを構成する脂肪酸としては、飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸が挙げられる。飽和脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの直鎖の飽和脂肪酸、イソステアリン酸などの分岐の飽和脂肪酸が挙げられる。不飽和脂肪酸としてはパルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、およびこれらの混合物であるヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸、硬化牛脂脂肪酸が挙げられる。これらのうち好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、牛脂脂肪酸であり、更に好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ヤシ油脂肪酸が挙げられる。本発明においてB成分は、一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。
【0013】
B成分の配合量は、組成物全量中に0.5〜7質量%であり、好ましくは1〜5質量%、更に好ましくは1〜4質量%である。0.5質量%未満では、吐出直後の泡質および延展時の泡質、毛穴等の汚れに対する洗浄力が十分に満足するものではなく、さらには洗い上がりがさっぱりとせずべたつきを感じる場合があり、7質量%を超えると吐出性が悪化しフォーマーポンプが目詰まりを起こす場合や、洗浄時につっぱり感を生じる等、洗浄後の肌のハリやしっとり感が悪化する場合がある。
【0014】
(C)グリセリンまたはジグリセリン(以下、C成分ともいう)
本発明に用いるC成分は、グリセリンまたはジグリセリンである。
【0015】
C成分の配合量は、組成物全量中に2〜20質量%であり、好ましくは5〜17質量%、更に好ましくは10〜15質量%であるである。2質量%未満では、延展時の泡質が十分に満足するものではなく、洗浄中に泡の立ち消えを生じ、弾力性や毛穴等の汚れに対する洗浄力、洗浄後のさっぱり感に劣るものとなり、20質量%を超えると吐出性が悪化したり、吐出直後の泡質が悪くなるほか、洗浄中およびすすぎ時にぬるつきを感じたり、乾燥後にべたつきを感じる場合がある。
【0016】
また、B成分と、A成分とC成分の合計の質量比(B)/{(A)+(C)}が1/20〜1/2であることが、延展時の泡質の変化およびしっとりとした洗浄後の感触の点で好適である。1/20を下回ると、吐出直後の泡質および延展時の泡質に劣り、毛穴等の汚れに対する洗浄力、洗浄後のさっぱり感が満足するものではなく、1/2を上回ると延展時の泡質が十分に弾力性に富んだ泡に変化せず、洗浄後に乾燥やかさつきを感じる場合がある。
【0017】
(D)両性ポリマー(以下、D成分ともいう)
さらに、D成分を加えると、泡の弾力性がより向上し、洗浄中の感触および泡の持続性がさらに優れたものになり、毛穴等の汚れに対する洗浄力と共に、洗浄後のしっとり感がより良好なものとなる。本発明に用いるD成分である両性ポリマーは、ポリマー中にアニオン部位とカチオン部位を有するポリマーである。両性ポリマーを構成するアニオン性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸アンモニウム、メタクリル酸アンモニウムなどが挙げられる。これらのアニオン性モノマーのうち、特にアクリル酸を好適に用いることができる。
【0018】
また、両性ポリマーを構成するカチオン性モノマーとしては、例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム、塩化ジエチルジアリルアンモニウム、塩化ジプロピルジアリルアンモニウム、硫酸ジメチルジアリルアンモニウム、硫酸ジエチルジアリルアンモニウム、硫酸ジプロピルジアリルアンモニウムなどが挙げられる。これらのカチオン性モノマーのうち、特に塩化ジメチルジアリルアンモニウムを好適に用いることができる。
本発明に用いられるD成分としては市販品を用いてもよく、例えば、マーコート3330(ナルコ社製)、マーコート3331(ナルコ社製)、マーコート3333(ナルコ社製)などが挙げられる。
【0019】
D成分の配合量は、皮膚洗浄剤組成物全体質量中、好ましくは0.05〜0.5質量%、より好ましくは0.1〜0.3質量%であることが、泡のクリーミー性及び弾力性の点で好適である。また、B成分とD成分の質量比が(D)/(B)=1/100〜1であることが、フォーマー容器よりの吐出性および、ぬるつきのないさっぱりとした洗浄後の感触の点で好適である。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物は、(A)〜(D)の各成分の合計が全体質量中10〜40質量%の範囲で、フォーマー容器に充填し、吐出して使用する。
さらに、本発明の洗浄剤組成物には、化粧料に常用されている成分を本発明の性能を損なわない範囲で配合することも可能である。
【0021】
本発明の泡状洗浄剤組成物は、フォーマー容器から吐出させた泡が、使用時に延展すると非常に細かく弾力性に富んだホイップクリーム状に変化し、より優れた洗浄力、使用感を与えると共に、持続性がさらに良好である。このことより、皮膚状態を改善するパック料やノンガスタイプのシェービング料としても応用できる。フォーマー容器は、単数または複数の一定の孔径を有する多孔体を用い、所定の割合で洗浄剤組成物と空気を混合し、該洗浄剤組成物を泡状として吐出させるものである。これによりクリーミーな泡を形成することができ、洗浄時に良好な感触を得ることができる。多孔体としては、ネット、スポンジなどが挙げられる。一般的にネットのメッシュとしては、100〜400メッシュが好ましい。上記のように泡を形成することができる容器であれば、その種類は特に制限されるものではなく、ポンプ式やスクイズ式は問わない。
【実施例】
【0022】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
表1に示す組成のクレンジング料を調製し(実施例1〜8、比較例1〜8)、下記の方法により評価を行った。その結果を表1に示す。なお、下記表記中の部および%とあるのは、それぞれ質量部および質量%を意味する。
【0023】
(評価項目)
(1)使用性(フォーマー容器からの出し易さ)
(2)泡の弾力性
(3)延展時の泡質(クリーミー性、弾力性)
(4)洗浄時の感触
(5)毛穴の黒ずみ(洗浄力)
(6)洗浄後の肌の感触
【0024】
(評価方法)
(1)使用性の評価(フォーマー容器からの出し易さ)
10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して、十分に空射ちしてから容器に各組成物を20回繰り返して吐出し、吐出時のポンプの目詰まり性、吐出性について下記のように判定し、10名の合計値が15点以上を泡の吐出が良好であると評価した。
2点:ポンプの目詰まりがなく、無理なく吐出することができた場合
1点:ホンプにやや目詰まりがあり、わずかに力を要して吐出することができた場合
0点:ポンプの目詰まりにより、強い力を要して吐出することができた場合
【0025】
(2)泡弾力性の評価
25℃で組成物50mlをミルサーにて8秒間攪拌し泡立て、得られた泡の粘度をB型粘度計で測定した(2号ローター、6rpm、30秒間)。泡粘度が2500mPa・s以上の組成物を泡弾力性に優れると評価した。
【0026】
(3)肌での延展時の泡質の評価
10名の女性をパネラーとし、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して5回吐出し、肌上で延展した時の泡質について下記のように判定し、10名の合計値が15点以上を吐出時に比べて泡質が良好であると評価した。
2点:泡質が吐出時に比べてさらにクリーミーで弾力のある良好な状態に変化したと 感じた場合
1点:泡質が吐出時に比べて同等、もしくは若干粗く、クリーミーさと弾力性がやや 劣ると感じた場合
0点:泡質が吐出時に比べて粗く弾力性が低いと感じた場合
【0027】
(4)洗浄時の感触の評価
10人の女性(22才〜40才)をパネラーとして、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して5回吐出した泡で洗顔し、洗浄時の感触について下記の基準で判定し、10名の合計値が15点以上を洗浄時の感触が良好な泡状洗浄剤組成物であると評価した。
2点:ぬめり感やきしみ感がなく、洗浄時の感触が良いと感じた場合。
1点:ややぬめり感がある、もしくはややきしみ感があると感じた場合。
0点:明らかにぬめり感、もしくはきしみ感があり、洗浄時の感触が悪いと感じた場 合。
【0028】
(5)毛穴の黒ずみ(洗浄力)の評価
10人の女性(22才〜40才)をパネラーとして、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して5回吐出した泡で洗顔してもらい、ぬるま湯で濯ぎ、タオルドライした後の毛穴の見え方について下記の基準で判定し、10名の合計値が15点以上を毛穴の汚れを落とす機能に優れる泡状洗浄剤組成物であると評価した。
2点:洗浄前と比較して、毛穴の黒ずみが目立たなくなったと感じた場合。
1点:洗浄前と比較して、毛穴の見え方にあまり差が無いと感じた場合。
0点:洗浄前と比較して、毛穴の黒ずみが目立つようになったと感じた場合。
【0029】
(6)洗浄後の肌の感触の評価
10人の女性(22才〜40才)をパネラーとして、組成物を大和製罐(株)製ポンプフォーマー容器(型番 F2)に封入して5回吐出した泡で洗顔してもらい、ぬるま湯で濯ぎ、タオルドライした後の肌の感触について下記の基準で判定し、10名の合計値が15点以上を洗浄後の感触が良好な泡状洗浄剤組成物であると評価した。
2点:べたつきやかさつきがなく、しっとりした肌になったと感じた場合。
1点:ややべたつきがある、もしくはやや肌がかさかさすると感じた場合。
0点:べたつきが多い、もしくは肌がかさかさになったと感じた場合。
【0030】
【表1】

【0031】
(実施例1〜8、比較例1〜8)
実施例1〜8より、本発明の泡状洗浄剤組成物はいずれも肌での延展時において泡質がフォーマー容器から吐出した直後よりさらにきめ細かく、クリーミーに変化し、皮脂汚れによる泡の立ち消えが無く、細かな部位の皮脂汚れを落とす効果に優れ、洗い上がりの肌にべたつきやかさつきがなく、しっとり感を与えていた。
【0032】
一方、比較例1〜8では十分な性能が得られていない。比較例1では、A成分が含まれていないことから、洗浄後のしっとり感が悪くなっており、さらには肌での延展時において泡質がクリーミーなものとはならず、これに伴って泡の弾力性も低下し、洗浄時の柔らかな感触や毛穴汚れに対する洗浄力が低下した。比較例2では、A成分が本発明の範囲より多いことから、フォーマー容器からの吐出性が悪く、洗浄中およびすすぎ時にぬるつきを感じ、洗浄後には適度なさっぱり感が得られなかった。比較例3では、C成分が配合されておらず、かわりに1,3ブチレングリコールを用いたため、肌での延展時のクリーミーさと泡の弾力性が大きく低下し、きめ細かな泡で洗浄することができず、それに伴って洗浄中の感触および毛穴汚れに対する洗浄力が低下し、洗浄後についてもべたつきを生じるものとなった。比較例4では、B成分が本発明の範囲より少なく、(B)/{(A)+(C)}が本発明の範囲外であるため、肌での延展時に泡質がクリーミーなものとはならず、泡の弾力性が大きく低下し、洗浄中、洗浄後の感触、毛穴汚れに対する洗浄力が十分ではなかった。比較例5ではB成分が本発明の範囲より多いことから、吐出性が悪化し、さらには延展時での泡質がクリーミーなものとならず洗浄中の感触も悪化し、洗浄後の肌のうるおい感が十分ではなくむしろかさつきを感じた。また、比較例6では、C成分が含まれていないことから、泡の弾力性が低下し、延展時での泡質がクリーミーなものとならず洗浄中の泡の立ち消えを生じる事となり、毛穴汚れに対する洗浄力や洗浄時の感触が十分ではなかった。比較例7では、C成分が本発明の範囲を超えており、かつ(B)/{(A)+(C)}が本発明の範囲外であるため、フォーマー容器からの吐出性が悪くなり、さらには洗浄中やすすぎ時にぬるつきを生じ、洗浄後にも適度なさっぱり感を得られなかった。比較例8では、(B)/{(A)+(C)}が本発明の範囲外であることから、フォーマー容器からの吐出性が悪くなり、洗浄中にぬるつきを感じた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)グリコシルトレハロースを5〜20質量%、(B)炭素数12〜18の脂肪酸石けんを0.5〜7質量%、(C)グリセリンまたはジグリセリンを2〜20質量%含有し、かつ、(B)と、(A)と(C)との合計の質量比(B)/{(A)+(C)}が1/20〜1/2である泡状洗浄剤組成物。
【請求項2】
さらに(D)両性ポリマーを0.01〜1質量%含有する、請求項1記載の泡状洗浄剤組成物。

【公開番号】特開2011−105787(P2011−105787A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−259231(P2009−259231)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000004341)日油株式会社 (896)
【Fターム(参考)】