説明

波長変換用の蛍光体混合物及びこれを利用した白色発光装置

【課題】多様な色表現が可能な波長変換用の蛍光体混合物とこれを利用した白色発光装置を提供する。
【解決手段】近紫外線波長光をCIE色度座標が0.25≦x≦0.45と0.25≦y≦0.43を満足する色座標(x、y)に位置する出力光に変換させる配合比であり、A5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euである3種の蛍光体物質が混合されて成る。ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である。また、白色発光装置は上記蛍光体混合物と近紫外線発光ダイオードを結合して成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長変換用の蛍光体混合物に関し、より詳細には多様な色表現が可能な波長変換用の蛍光体混合物、さらに演色指数が優秀で自然光に近い白色光を提供することが可能な蛍光体混合物及びこれを利用した白色発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、波長変換用の蛍光体物質は多様な光源の特定波長の光を所望の波長の光に変換させる物質として使用されている。特に、多様な光源中、発光ダイオードは低電力駆動及び優秀な光効率によりLCDバックライトと自動車照明及び家庭用照明装置として有益に適用することが可能なため、最近蛍光体物質は白色光LEDを製造するための核心技術として脚光を浴びている。
【0003】
白色光発光装置は、おおむね青色LEDに黄色蛍光体を塗布する方式で製造されている。より具体的には、白色光発光装置は、GaN/InGaN活性層を有する青色LEDの光放出面にYAG(Y3Al512):Ceの黄色蛍光体を塗布しておき、出力される青色光の一部を黄色に変換させるとともに、変換された黄色と他の一部の青色光が結合されて白色光を提供することが可能であるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は上述の従来の白色光発光装置から得られた光の波長を示すグラフである。このYAG:Ce蛍光体(またはTAG系蛍光体)−青色LEDで構成された従来の白色発光装置は低い演色性(color rendering)を有するという短所がある。すなわち、黄色蛍光体を利用して得られた白色光の波長は、図1に図示されたグラフに示すように、青色と黄色だけに分布しているため演色性が低く、所望の天然白色光を具現するには限界がある。また、長時間使用により作動温度が増加すると、黄変現象(yellowing)が発生する問題がある。
【0005】
一方、従来の波長変換用の蛍光体物質は特定光源の発光色と特定出力光の色に限定されて提供されて来ており、具現可能な色分布も非常に制限されるため、使用者の必要によって多様な光源の発光色及び/または多様な出力光の色に適用されるには限界がある。
【0006】
このような問題を解決するため、最近本出願人は、大韓民国特許出願第2004−0076300号(2004年9月23日出願)で3種の特定青色、緑色、赤色蛍光体の混合物を提示している。
【0007】
このように、当技術分野では黄変現象を緩和すると同時に演色指数(color rendering index: CRI)が優秀で、さらに、幅広い色分布を具現することが可能な多様な蛍光体混合物が要求されてきている。
【0008】
すなわち、上記の従来技術の問題を解決するために、本発明の第1の目的は、このような多様な色表現が可能な蛍光体物質が組合された新たな波長変換用の蛍光体混合物を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第2の目的は、近紫外線LEDに適用され黄変現象が低減され優秀な演色指数を有する白色光を提供するため、青色、黄色及び赤色蛍光体物質が混合された新たな白色発光蛍光体混合物を提供することにある。
【0010】
さらに、本発明の第3の目的は、近紫外線LEDに上記の白色発光蛍光体混合物が適用された優秀な特性の白色発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の技術的課題を達成するため、第1の側面において、本発明は、A5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質を含み、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である波長変換用の蛍光体混合物を提供する。
【0012】
第2の側面において、本発明は、近紫外線波長光をCIE色度座標が0.25≦x≦0.45と0.25≦y≦0.43を満足する色座標(x、y)に位置する出力光に変換させる配合比として、A5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質が混合されて成り、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である白色蛍光体混合物を提供する。
【0013】
また、第3の側面において、本発明は、近紫外線発光ダイオードと、上記発光ダイオードの光放出方向に形成され、CIE色度座標が0.25≦x≦0.45と0.25≦y≦0.43を満足する色座標(x、y)に位置し、A5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質を含み、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である白色蛍光体混合物と硬化性樹脂からなる波長変換部を含む白色発光装置を提供する。
【0014】
好ましくは、上記近紫外線発光ダイオードの光波長は300〜450nmである。また、特定の実施形態において、上記硬化性樹脂はシリコーンまたはエポキシ樹脂であり得る。
【0015】
好ましくは、上記白色発光装置の出力光は自然光に近い80%以上、より好ましくは90%の演色指数を有する。
【0016】
本明細書で使用される"近紫外線"という用語は特別な記載がない限り波長が300〜450nmの範囲の光を称する。蛍光体または蛍光体混合物の色度座標及び演色指数を説明する際、特別な記載がない限り、近紫外線光が上記蛍光体または蛍光体混合物により変換された出力光に対する色度座標及び演色指数を称することと理解される。また、"白色蛍光体混合物"という用語は特定光(例、近紫外線光)を白色光に励起させる蛍光体混合物を称する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、特定の青色、緑色、赤色の蛍光体を配合することにより広い色表現が可能な波長変換用の蛍光体混合物を提供することが可能である。また、これを適切な配合比として白色蛍光体混合物に具現することにより、黄変現象のような色変化現象を最小化し、演色指数が優秀な天然白色を提供することが可能である。さらに、本発明は白色発光用蛍光体混合物と近紫外線LEDを利用し優秀な白色光を出力する発光装置を提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
【0019】
本発明に採用される青色蛍光体はA5(PO4)3Cl:Eu2+である。ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素である。この青色蛍光体は430〜460nmのピーク波長を有する。例えば、 (Sr、Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+のピーク波長は図2−1に図示された通り約450nmである。
【0020】
本発明に採用される緑色蛍光体はD2SiO4:Euである。ここでDはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素である。上記緑色蛍光体は490〜525nmのピーク波長を有する。例えば、(Ba、Sr)2SiO4:Euのピーク波長は図2−2に図示された通り約514nmである。
【0021】
赤色蛍光体はMS:Euである。ここで、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である。上記赤色蛍光体は585〜615nmのピーク波長を有する。例えば、(Sr、Ca)S:Euのピーク波長は図2−3に図示された通り約602nmである。
【0022】
本発明の第1の側面によると、上記の青色、緑色及び赤色の3種の蛍光体物質を組み合わせることにより色を幅広い色度範囲で具現することが可能である。
【0023】
下記の実験例1から確認される通り、近紫外線光源を使用する場合、本発明による蛍光体混合物で具現可能な色範囲は、CIE色度座標において(0.15、0.03)、(0.19、0.63)及び(0.62、0.37)を頂点として有する座標上の三角形領域内に位置すると定義することができる(図4参照)。
【0024】
このような色範囲は従来の単色蛍光体または2つの蛍光体物質の組み合わせでは具現しにくい色度範囲であったが、本発明による波長変換用の蛍光体混合物は適切な配合比にして上記の多様な色範囲を効果的に具現することが可能である。
【0025】
また、本発明による波長変換用の蛍光体混合物は、特定配合比で近紫外線光(約300nm〜約450nm)を優秀な特性を有する白色光に変換させることが可能な白色蛍光体混合物である。
【0026】
上記白色蛍光体混合物は、好ましくは、近紫外線光に対する出力光の演色指数(CRI)を向上させることが可能である。上記演色指数は好ましくは80以上、より好ましくは90以上、最も好ましくは95まで高めることが可能である。また、黄変現象を著しく低減させることが可能である。
【0027】
このような演色指数を満足する蛍光体混合物の配合比は、全体重量を基準としてA5(PO4)3Cl:Eu2+は40〜88wt%であり、D2SiO4:Euは10〜58wt%であり、MS:Euは2〜50wt%であることが好ましく、全体重量を基準としてA5(PO4)3Cl:Eu2+は70〜83wt%であり、D2SiO4:Euは13〜27wt%であり、MS:Euは3〜7wt%であることがより好ましい。
【0028】
本発明による白色蛍光体混合物はYAG系蛍光体−青色LEDとは異なり、近紫外線光と共に具現されることが可能であり、また、従来の蛍光体とは異なり、黄変現象のような作動時間による色変現象を最小化させることが可能という長所がある。
【0029】
上記の配合比は特定の蛍光体では白色蛍光体混合物を限定する範囲として活用され得るが、多様な製造工程または組成範囲により比較的大きい蛍光体効率の差(±100%)があり得る。また、パッケージ構造等により上記組成範囲は実施に差があり得る。
【0030】
上記の白色蛍光体混合物の適切な配合比と演色指数等の改善効果は下記の実験例2においてより詳細に説明する。
【0031】
第3の側面において、本発明は、上記の白色蛍光体混合物と近紫外線LEDを結合し優秀な照明器具として使用されることが可能な白色発光装置を提供する。このような白色発光装置は多様な形態に具現することが可能であり、図2−1及び図2−2に本発明による白色発光装置が例示されている。
【0032】
図3−1に図示された白色発光装置20は、外形モールディング部28と2つのリードフレーム22a、22bを含む。一つの側のリードフレーム22aはコップ構造で形成された一段を有し、近紫外線LED25はそのコップ構造部に実装される。近紫外線発光ダイオード25の(図示されていない)両電極は各々ワイヤ26a、26bを通じリードフレーム22a、22bに連結されている。また、LED25が実装されたコップ構造上に上記の白色蛍光体混合物と硬化性樹脂を含む波長変換部29が設けられている。上記硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーン−エポキシ混合樹脂を使用することができる。
【0033】
図3−2に図示された白色発光装置30は、2つのリードフレーム32a、32bが形成された基板31を含む。基板31上に近紫外線発光ダイオード35が配置され、近紫外線発光ダイオード35の(図示されていない)両電極は各々ワイヤ36a、36bを通じ上記リードフレーム32a、32bに連結されている。また、上記の白色発光用蛍光体混合物を利用し発光ダイオード35を取り囲むよう波長変換部39が形成されている。波長変換部39は、上記の白色蛍光体混合物だけではなく、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂またはシリコーン−エポキシ混合樹脂を適切に混合し使用される。また、波長変換部39の形成工程は当業者に自明なように、トランスファー・モールディングのようなモールディング工程により容易に具現することができる。
【0034】
上述の白色発光装置20、30に使用される近紫外線発光ダイオード25、35は300〜450nmの波長光を放出する発光ダイオードであってもよい。波長変換部29、39は上記の白色発光用蛍光体混合物によりLED25、35から放出された近紫外線光を黄変現象が低減され優秀な演色性を有する白色光に変換させることが可能である。
【実施例】
【0035】
以下、本発明の具体的な実施例によりその作用と効果についてより詳細に説明する。
【0036】
実験例1
<具現可能な色度座標範囲>
本実施例は本発明による波長変換用の蛍光体混合物により具現可能な色度座標範囲を確認するために実施された。
【0037】
まず、本実験例で使用される波長変換用の蛍光体混合物を製造するため、青色、緑色及び赤色蛍光体として、各々(Sr、Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+、(Ba、Sr)2SiO4:Eu及び(Sr、Ca)S:Euを用意した。
【0038】
上記各蛍光体粉末に対し、405nmの近紫外線光から変換された光の色度を測定しCIE色度座標系に該当する座標を求め、各座標をCIE色度座標系に示した。その結果得られた各サンプルに対する色度座標は下記表1のように示され、図4の色度座標系に図示することが可能であった。
【0039】
【表1】

【0040】
上記表1と共に図4を参照すると、本実験例による波長変換用の蛍光体はCIE色度座標で(0.15、0.03)、(0.19、0.33)及び(0.62、0.37)を頂点として有する座標上の三角形領域内に位置するものとして定義することが可能である。このように、本発明の波長変換用蛍光体は、従来の蛍光体物質で具現することが不可能であった広範囲な分布を有する色度を適切な配合比により具現することが可能であるということを確認することができた。
【0041】
実験例2
<白色蛍光体混合物の色度>
本実施例は本発明による白色蛍光体混合物の色度及び白色特性(黄変現象及び演色指数)を確認するために実施された。
【0042】
まず、本実験例で使用される白色蛍光体混合物を製造するために、上記実験例1のように、青色、緑色及び赤色蛍光体として、各々(Sr、Ca)5(PO4)3Cl:Eu2+、(Ba、Sr)2SiO4:Eu及び(Sr、Ca)S:Euを用意した。
【0043】
次いで、上記蛍光体の組合せを通じ具現可能な色範囲を取り調べるため、下記表2のような配合比で7つのサンプルを用意した。
【0044】
【表2】

【0045】
上記の表2の配合比で製造された各蛍光体混合物と同一の近紫外線LED(約405nm)を利用し、図3−2のような構造を有する7つの白色発光装置(実施例1ないし6、比較例1)を製造した。
【0046】
一方、従来技術によって黄色蛍光体のTb3Al512と青色LED(約468nm)を利用し、シリコーン樹脂の配合比とパッケージ製造を他の条件にして3つの白色発光装置(比較例2ないし4)を製造した。
【0047】
次に、各白色発光装置から変換された光の色度を各サンプル別に調査し、演色指数を測定し、また、印加電圧を同一に適用して5時間発光させた後、色度変化による黄変現象の存否を検査した。その結果を下記の表3に示し、各色度座標を図5に図示した。
【0048】
【表3】

【0049】
上記の表3のように、比較例1を除いた実施例1ないし6及び比較例2ないし4はCIE色度座標が0.25≦x≦0.45と0.25≦y≦0.43を満足する色座標 (x、y)(図5にWと表示された点線ボックス)に位置する出力光に変換させることが示された。すなわち、青色、緑色、赤色蛍光体が適当な配合比を外れた比較例1の場合には白色特性が衰えることが示された。
【0050】
また、自然光に近い特性を決定する演色指数(CRI)において、比較例2ないし4は白色を現すとしても、比較例1と同様にCRIが約72〜78水準と低く示され、黄変現象も多少観察された。その反面、実施例1ないし6の場合、80以上と示され、実施例1、4及び6の場合は90以上の高い値を示した。勿論従来のTAG系黄色蛍光体から発生されていた黄変現象のような色度変化現象はほぼ現れなかった。
【0051】
特に、実施例6の場合には95%という高い水準の演色指数を示した。実施例6による白色出力光波長を図6に図示した。
【0052】
図6を参照すると、励起された発光波長が可視光の全領域にわたって広範囲かつ比較的均一に発光されることが示された。このような波長分布は従来の黄色蛍光体(YAG系)及び青色LEDの組み合わせによる結果(図1参照)と比べると、非常に改善されたことを確認することができる。
【0053】
本実施例で使用されたサンプルの配合比に基づき適切な白色蛍光体混合物の配合比を定義することが可能である。
【0054】
好ましい蛍光体混合物の配合比は、全体重量を基準としてA5(PO4)3Cl:Eu2+は40〜88wt%であり、D2SiO4:Euは10〜58wt%であり、MS:Euは2〜50 wt%であると定義することできる。より好ましい配合比は、全体重量を基準としてA5(PO4)3Cl:Eu2+は70〜83wt%であり、D2SiO4:Euは13〜27wt%であり、MS:Euは3〜7wt%であると定義することできる。
【0055】
この場合、先に説明した通り通常の蛍光体物質の効率と近紫外線光の波長範囲及び組成範囲と、パッケージ構造のような外部変数を考慮すべきであるため、実際の蛍光体混合物の配合比はより広く設定され得る。
【0056】
本発明は上述の実施形態及び添付の図面により限定されるものではなく、添付の請求範囲により限定されるべきものである。従って、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で当技術分野の通常の知識を有する者により多様な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これらもまた本発明の範囲内に属する。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる波長変換用の蛍光体混合物及びこれを利用した白色発光装置は、低電力駆動及び優秀な光効率によりLCDバックライトと自動車照明及び家庭用照明装置に有用であり、特に、白色発光用蛍光体混合物と近紫外線LEDを利用し優秀な白色光を出力する発光装置を提供するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】従来のYAG:Ce蛍光体と青色発光素子を含んだ白色発光装置から得られた光の波長を示すグラフである。
【図2−1】本発明に採用された青色蛍光体の近紫外線に対する発光波長を示すグラフである。
【図2−2】本発明に採用された緑色蛍光体の近紫外線に対する発光波長を示すグラフである。
【図2−3】本発明に採用された赤色蛍光体の近紫外線に対する発光波長を示すグラフである。
【図3−1】本発明の一実施形態による白色発光装置の例を示す側断面図である。
【図3−2】本発明の他の実施形態による白色発光装置の例を示す側断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による蛍光体混合物に具現可能な色範囲を示す色度座標系である。
【図5】本発明の他の実施形態による白色蛍光体混合物の色範囲を示す色度座標系である。
【図6】本発明の他の実施形態による白色蛍光体混合物により近紫外線光が変換された白色光の波長を示すグラフである。
【符号の説明】
【0059】
20、30 白色発光装置
22a、22b、32a、32b リードフレーム
25、35 近紫外線LED
26a、26b、36a、36b ワイヤ
28 外形モールディング部
29、39 波長変換部
31 パッケージ基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質を含み、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素であることを特徴とする波長変換用の蛍光体混合物。
【請求項2】
近紫外線波長光に対しその出力光のCIE色度座標が色座標(0.15、0.03)、(0.19、0.63)及び(0.62、0.37)を頂点として有するCIE色度座標上の三角形領域内に位置することを特徴とする請求項1に記載の波長変換用の蛍光体混合物。
【請求項3】
近紫外線波長光をCIE色度座標が0.25≦x≦0.45と0.25≦y≦0.43を満足する色座標(x、y)に位置する出力光に変換させる配合比で、A5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質が混合されて成り、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である白色蛍光体混合物。
【請求項4】
前記白色蛍光体混合物は近紫外線光に対する出力光の演色指数(CRI)が80以上であることを特徴とする請求項3に記載の白色蛍光体混合物。
【請求項5】
前記配合比は、全体重量を基準として、A5(PO4)3Cl:Eu2+は40〜88wt%であり、D2SiO4:Euは10〜58wt%であり、MS:Euは2〜50wt%であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の白色蛍光体混合物。
【請求項6】
前記白色蛍光体混合物は、近紫外線光に対する出力光の演色指数(CRI)が90以上であることを特徴とする請求項3に記載の白色蛍光体混合物。
【請求項7】
前記配合比は、全体重量を基準として、A5(PO4)3Cl:Eu2+が70〜83wt%であり、D2SiO4:Euは13〜27wt%であり、MS:Euは3〜7wt%であることを特徴とする請求項3または6に記載の白色蛍光体混合物。
【請求項8】
5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質を含み、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素で、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素であり、かつ前記蛍光体物質は、全体重量を基準として、各々40〜88wt%、10〜58wt%、および2〜50wt%の範囲内であることを特徴とする白色蛍光体混合物。
【請求項9】
全体重量を基準として、A5(PO4)3Cl:Eu2+は70〜83wt%であり、D2SiO4:Euは13〜27wt%であり、MS:Euは3〜7wt%であることを特徴とする請求項8に記載の白色蛍光体混合物。
【請求項10】
近紫外線発光ダイオードと、
前記発光ダイオードの光放出方向に形成された波長変換部
を備え、
前記波長変換部は、白色蛍光体混合物と硬化性樹脂を用いて成り、
前記白色蛍光体混合物は、CIE色度座標が0.3≦x≦0.45と0.3≦y≦0.43を満足する色座標(x、y)に位置し、A5(PO4)3Cl:Eu2+、D2SiO4:Eu及びMS:Euの3種の蛍光体物質を含み、ここで、AはSr、Ca、Ba及びMg中少なくとも一つの元素であり、DはBa、Sr及びCa中少なくとも一つの元素であり、MはSr及びCa中少なくとも一つの元素である、白色発光装置。
【請求項11】
前記近紫外線発光ダイオードの発光波長は300〜450nmであることを特徴とする請求項10に記載の白色発光装置。
【請求項12】
前記硬化性樹脂はシリコーンまたはエポキシ樹脂をさらに含むことを特徴とする請求項10または11に記載の白色発光装置。
【請求項13】
前記白色発光装置の出力光は80以上の演色指数を有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記載の白色発光装置。
【請求項14】
前記蛍光体混合物は、全体重量を基準として、A5(PO4)3Cl:Eu2+は40〜88wt%であり、D2SiO4:Euは10〜58wt%であり、MS:Euは2〜50wt%であることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の白色発光装置。
【請求項15】
前記白色発光装置の出力光は90以上の演色指数を有することを特徴とする請求項10〜12および14のいずれか一項に記載の白色発光装置。
【請求項16】
前記蛍光体混合物は、全体重量を基準として、A5(PO4)3Cl:Eu2+は70〜83wt%で、D2SiO4:Euは13〜27wt%であり、MS:Euは3〜7wt%であることを特徴とする請求項10〜13および15のいずれか一項に記載の白色発光装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−282994(P2006−282994A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13071(P2006−13071)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】