説明

波長多重光増幅装置及び波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置

【課題】波長多重光信号の合流・分岐装置の分岐ポートに接続して使用されたり、光クロスコネクト装置のm×nマトリックス光スイッチに使用される波長多重光増幅装置において、光信号のパワーロスを分散させて高効率増幅が行なえるとともに、インサービスでの分岐ポートの増設を可能とし、光アイソレータを不要若しくはアイソレーション所要値を小さくすることによる系の安定化が行なえ、又、全ポートの利得を一定に保てるような制御が可能となるようにする。
【解決手段】複数の波長多重光増幅ユニット30と、光フィードバックループ系34とからなる波長多重光増幅装置31において、波長多重光増幅ユニット30(C,D,E,F)における光分岐部1aの信号入力ポートを、前段の波長多重光増幅ユニット30(B)における光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に接続されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波長多重光増幅装置及び波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ファイバを用いた伝送技術の向上にともない、ポイント・トゥ・ポイントの光波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing) に関する事業が展開されている。その中で、フォトニックネットワークの技術開発もさかんに行なわれている。このフォトニックネットワークとは、光波長を識別情報として、多重・非多重を行なうネットワークである。このフォトニックネットワークの有する機能のうちの一つとして、光合流・分岐(又は光アド・アンド・ドロップ〔Optical Add and Drop〕)機能がある。このフォトニックネットワークの光合流・分岐装置内の分岐機能は、ブロードキャスト機能によって実現することができる。このブロードキャスト機能とは、多重化信号のそれぞれが進行する方向を分配する(distribute)機能を意味し、光信号パワーを分波する(demultiplexing)意味とは異なる。従来の技術での、このブロードキャスト機能を図18を用いて説明する。
【0003】
図18は、光アド・アンド・ドロップ多重装置の構成の一例を示す図である。例えば、この図18の左側の都市Aから右側の都市Bに複数の波長(ch1〜ch64)を多重した光信号が伝送される際に、途中の都市Cにて、このうちのch1〜ch32が分岐(ドロップ)され、別のch1〜ch32が合流(アド)されるような場合を考える。この例では、ch33〜ch64は通過(スルー)する。この図18の左側からの波長多重された光信号は、光増幅器70aにて増幅されてから、AOTF(Acousto-Optical Tunable Filter)70bにおいて、合流部70dからくる光信号がアドされる。そして、この光信号の一部はドロップされて分岐部70に入力され、他方の光信号は光増幅器70cにて増幅されてこの図18の右側に向かって伝送される。
【0004】
このAOTF70bは、製造は困難であるが、大変便利なデバイスであり、ch1〜ch32をドロップし、新たに、ch1〜ch32をアドすることができる。ここで、ch(channel)番号は、割り当てられた波長に相当している。例えば、ch1がAOTF70bにてドロップされると、ch1は、完全に抜けた状態になるので、別の情報はch1に割り当てられてアドされ得る。また、AOTF70bでドロップされた光信号は、EDF光増幅器(Erbium-Doped Fiber Optical Amplifier)71aにて増幅された後、光カプラ71bにて光信号パワーが分波されて、チューナブルフィルタ72に入力され、各ポートには、波長多重された光信号が現れるようになっている。ここで、EDF光増幅器71aで増幅する理由は、光信号が例えば1000分岐(divide into 1000)されると、そのパワーが1000分の1になるので、その元のパワーを維持しなければならないからである。また、光信号は、波長特性がないスプリッタ、又は、波長特性を有するAWG(Arrayed Waveguide Grating:導波路型回折格子) によって分配される。すなわち、この光アド・アンド・ドロップの機能を実現するコンポーネントは、光の波長により進行方向を変える性質を利用している。
【0005】
これにより、波長多重光を所望の波長ごとに分配するときは、光増幅系にて非常に高い出力レベルまで増幅してから、分配するので、EDF光増幅器71aでの後段部における、光信号のロスが効率に大きく影響していた。なお、この効率とは、励起光パワー(exitation optical power) から信号光パワーヘの変換効率を意味する。
ここで、図18において、ドロップされた、32ch波長多重された信号が、16ポートに分岐される場合を考える。なお、各分岐ポートにおける光信号品質として、1ch当たり0dBm(以下、0dBm/chと表記する)を保つものとする。この場合は、各分岐ポートにおける光信号品質として、0dBm/chを維持するためには、各分岐ポートでの出力パワーは15dBm(32chなので32mW)が必要となり、EDF光増幅器71aの出力端では、15dBmに、16分岐時の理論限界値を加えた値が必要となる。この理論限界値とは、分岐後の光信号が一定の品質を有するのに必要な、元の光信号の値をいう。よく知られているように、元の光信号を2分岐させたときは、分岐後のそれぞれの光信号は、元の値から3dB損失した値となり、また、16分岐させたときは、分岐後
の各光信号値は、元の値から12dB損失した値となる。従って、1本の光信号が16分岐される場合には、元の光信号は、分岐後の各光信号のパワー値に対して12dB大きい値を、最低限有していなければならない。換言すれば、1本の光信号が16分岐される場合の、EDF光増幅器71aの出力パワーの理論限界値は、12dBとなり、この例では、EDF光増幅器71aの出力端においては、15dBm+12dBm=27dBmが必要となる。また、分岐用の光カプラ71bの過剰損(excess loss) を考慮に入れると、EDF光増幅器71aの出力端では、(27+α)dBmの出力パワーが必要になる。以下では、このαを仮に2dBとする。すなわち、EDF光増幅器71aの出力端では、29dBmの出力パワーが必要になる。
【0006】
一方、このEDF光増幅器71aに入力する系に着目すると、0dBm/chが要求されて、32chがドロップされるので、EDF光増幅器71aへの総入力パワーは15dBmとなる。なお、このEDF光増幅器71aは、光アイソレータ、光カプラ等の光部品からなり、これらによる2dB程度の損失がある。結局、このEDF光増幅器71a内のEDFA(Erbium-Doped Fiber Amplifier)(図示省略)の出力端では、31dBm(=27+2+2=1260mW)の大出力となり、EDF光増幅器71aの出力端では、29dBm(=790mW)である。また、EDF光増幅器71aでの励起光から信号光への変換効率を50%と仮定すると、必要な励起パワーは1580mWにもなる。
【0007】
以上、この光増幅部71の動作状態を纏めると、次の(1)〜(4)のようになる。
(1)入力パワー15dBm(0dBm/ch、32波)
(2)出力パワー29dBm(EDFAの出力端では31dBm)
(3)利得は14dB
(4)所要励起パワー1580mW
このことから、EDF光増幅器71aの出力端から光増幅部71の出力端までの間では、1260mW×0.37=470mW(1260mW=31dBm)も信号光パワーが消失することがわかる。すなわち、信号パワーを高めた時点で、過剰損失(0.37;−2dBに相当)を被るので、無駄になる信号パワーが多くなる。また、たとえ分岐数が少なくても、初期導入時に高出力の光増幅器が必要であるので、初期の投資費用が大きかった。
【0008】
従って、このブロードキャスト機能が効率よく実現されることが要求される。すなわち、より効率のよいブロードキャスト装置が実現されれば、光信号が分配されたところより後段に、各ポート毎に波長選択を行なう光フィルタを設置することによって、所望の波長の信号を選択できるようになって、柔軟に分配できるようになる。また、このブロードキャスト機能が実現されれば、光加入者系などの分配系に用いることもできる。
【0009】
なお、特開平3-123323号公報(以下、刊行物と称する)には、分岐の度に生じる光強度の減少を防止し、分岐できる階層を大幅に増大させるようにしたファイバカプラの技術が開示されている。図19は、この刊行物に記載されたファイバカプラの構成を示す図である。この図19に示すものは、ファイバカプラを組合わせて分岐の階層を3段とした場合の例であって、入力部3に入力された信号光SOは分岐部2へ、他の入力部3に入力された励起光Pも分岐部2へ導入され、同分岐部2において光ファイバ1の出力側4に分配され、それから増幅用ファイバ5に伝送される。増幅用ファイバ5で増幅された信号光は、その後第2の分岐部12により第2の光ファイバ13に分配され、更に第3の分岐部14により第3の光ファイバ15に分配されて信号光S1〜S8として出力される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、この刊行物に記載された技術には、単波長の光に係る技術であって、波長多重光に係る技術については、何ら言及されていない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、波長多重光信号を合流させて分岐出力する合流・分岐装置の分岐ポートに接続される波長多重光増幅装置若しくは光クロスコネクト装置におけるm×nのマトリックス光スイッチに使用される波長多重光増幅装置であって、1:1光カプラとEDFAとを交互に接続した基本増幅ユニットを多段に接続していくことで、光信号のパワーロスを分散させて高効率な増幅が行なえるとともに、インサービスでの分岐ポートの増設が可能となり、光アイソレータを不要にし若しくはアイソレーション所要値を小さくすることによる系の安定化が行なえ、また、全ポートの利得を一定に保つことができるような制御をかけることが可能となるような、波長多重光増幅装置を提供し、併せて、波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このため、本発明の波長多重光増幅装置は、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる第1の波長多重光増幅基本ユニットと、該第1の波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成であって、第1の波長多重光増幅基本ユニットの一方の光増幅部の出力に、その信号入力ポートの入力が接続された第2の波長多重光増幅基本ユニットと、該第1の波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成であって、該第1の波長多重光増幅基本ユニットの他方の光増幅部の出力に、その信号入力ポートの入力が接続された第3の波長多重光増幅基本ユニットと、からなり、該第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートから入力された該波長多重光信号を、該第2および第3の波長多重光増幅基本ユニットにおける各2つの光増幅部を通じて4つに分配出力する波長多重光増幅ユニットを複数そなえ、これらの波長多重光増幅ユニットが、その第1の波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅ユニットにおける第2の波長多重光増幅基本ユニット又は第3の波長多重光増幅基本ユニットの光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅ユニットが、1つ又は2つの波長多重光増幅ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続され、更に、該第1の波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の第4の波長多重光増幅基本ユニットが該ツリー接続をなすルートとなる波長多重増幅ユニットの入力側にそなえられ、該ツリー接続をなすルートとなる波長多重増幅ユニットにおける該第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに、当該第4の波長多重光増幅基本ユニットの一方の光増幅部の出力が接続されるように構成され、かつ、該第4の波長多重光増幅基本ユニットの上流側にそなえられ、該複数の波長多重光増幅ユニットをなす第1〜第4の波長多重光増幅基本ユニットの光増幅部への該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該第4の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と該第4の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅ユニットの利得制御を行なう利得制御手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0012】
そして、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の入力ポートに、補助励起光源が接続されてもよく、また、上記複数の波長多重光増幅ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅ユニットにおける第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに、アイソレータが接続されてもよい。
【0013】
加えて、上記複数の波長多重光増幅ユニットのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅ユニットについて、その前段側の波長多重光増幅ユニットにおける上記第2の及び第3の波長多重光増幅基本ユニットの各光増幅部出力側と、その後段側の各波長多重光増幅ユニットにおける第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポート入力側との間が、それぞれ斜めコネクタを介して接続されていてもよい。
【0014】
さらに、第4の波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、利得制御手段が、出力情報及び入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器の入力側に設けられた励起光源へ供給して、この励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成することもできる。
また、本発明の波長多重光増幅装置は、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅基本ユニットが、1つの波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続されるとともに、該ルートとなる波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0015】
そして、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の入力ポートに、補助励起光源が接続されてもよく、また、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポートに、アイソレータが接続されてもよい。
加えて、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅基本ユニットについて、その前段側の波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部出力側と、その後段側の波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポート入力側との間が、斜めコネクタを介して接続されてもよい。

さらに、多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、利得制御手段が、出力情報及び入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器の入力側に設けられた励起光源へ供給して、この励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成することもできる。
【0016】
そして、本発明の波長多重光増幅装置は、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットをそなえ、更に、該波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と該波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0017】
そして、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の入力ポートに、補助励起光源が接続されてもよく、また、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポートに、アイソレータが接続されてもよい。
さらに、波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、利得制御手段が、出力情報及び入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器の入力側に設けられた励起光源へ供給して、励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成することもできる。
また、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部は、1:1光カプラとして構成することができ、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部は、光分岐部での分岐損と同等の利得またはこの分岐損より低い利得を有する光増幅部として構成することができ、あるいは、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける上記の光分岐部,光増幅部及び光分岐部・光増幅部接続部が、ガラス又は半導体製の光導波路で構成することができ
る。
【0018】
さらに、上記の利得制御手段は、出力情報中の所望の波長光信号を選択するフィルタと、このフィルタで抽出された所望の波長光信号についてレーザ共振させるべく信号減衰させて、この減衰させた光信号を利得等化器の入力側に供給する光減衰器とをそなえて構成されてもよく、このフィルタが、伝送に必要な所要の波長帯域外の波長光信号を選択するフィルタとして構成されてもよい。
【0019】
また、本発明の波長多重光増幅装置は、M種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を入力されて、該M種類の波長の光信号を分岐しうるとともに、該M種類の波長の光信号とは別のN種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を入力され、該M種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とともに該N種類の波長の光信号からなる波長多重光信号について、(M+N)種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を出力しうる合流・分岐装置の分岐ポートに接続される波長多重光増幅装置であって、該波長多重光増幅装置が、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、L種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅基本ユニットが、1つの波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続されるとともに、該ルートとなる波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段と、をそなえていることを特徴としている。
【0020】
そしてまた、本発明の波長多重光増幅装置は、波長多重信号を分配するブロードキャスト部と、該ブロードキャスト部で分配された波長多重信号の一括切り替えを行ない、所望の波長を選択する空間スイッチ・波長セレクタ部と、をそなえ、m×nのマトリックス光スイッチングを行なう光クロスコネクト装置における該ブロードキャスト部若しくは空間スイッチ・波長セレクタ部での波長多重信号分配機能に適用される波長多重光増幅装置であって、該波長多重光増幅装置が、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅基本ユニットが、1つの波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続されるとともに、該ルートとなる波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段と、をそなえていることを特徴としている。
【0021】
さらに、本発明の波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置は、X種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を2つに分配する初段ユニットと、該初段ユニットの出力側に接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された一方の波長多重光信号をブロードキャストする第1ブロードキャストユニットと、該初段ユニットの出力側に接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された他方の波長多重光信号をブロードキャストして光信号をドロップする第2ブロードキャストユニットと、Y種類の光キャリア信号を出力して光信号をアドする光キャリア信号出力部と、該第1ブロードキャストユニットの出力側および該光キャリア信号出力部の出力側にそれぞれ接続されて、該第1ブロードキャストユニットからの波長多重光信号と該光キャリア信号出力部からの光キャリア信号とを選択的に出力する選択部とをそなえ、該初段ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、該波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とを有し、該波長多重光信号を該2つの光増幅部を通じて2つに分配して出力する初段波長多重光増幅基本ユニットとして構成され、該第1ブロードキャストユニットが、該初段波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の合波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの合波
用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットが、1つの合波用波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように、多段に接続されるように構成されるとともに、上記複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する該ルートの合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の一方の入力ポートに、該初段波長多重光増幅基本ユニットにおける一方の光増幅部の出力ポートが接続されるように構成され、該第2ブロードキャストユニットが、該初段波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の分波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの分波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットが、1つの分波用波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように、多段に接続されるように構成されるとともに、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する該ルートの分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の一方の入力ポートに、該初段波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の光増幅部の出力ポートが接続されるように構成され、且つ、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力側に所定の波長の光信号を選択して出力する複数のドロップ用光フィルタをそなえ、かつ、該初段ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と、該初段ユニットへの波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該初段ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と該初段ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該第1ブロードキャストユニットをなす多段にツリー接続された複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される合波用波長多重光増幅ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段をそなえ、該選択部が、該第1ブロードキャストユニットの最後段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力にそれぞれ接続されて波長多重光信号の通過/遮断の切り換えを行なうY個のスイッチ部と、該Y個のスイッチ部に対応して設けられ、該対応するスイッチ部の波長多重光信号ラインと該光キャリア信号出力部からの光キャリア信号ラインとのカップリングをそれぞれ行なうY個のカップリング部と、該Y個のカップリング部からのY種類の光信号を光波長多重して出力する多重部とを有し、該Y個のスイッチ部が、それぞれ、該第1ブロードキャストユニットからの波長多重光信号を通過させて該多重部から出力するか、又は、該光キャリア信号出力部からのY種類の光キャリア信号のうちで対応付けられた光キャリア信号を該多重部から出力するかを選択的に切り換えるように構成されていることを特徴としている。
【0022】
そして、上記の波長多重光増幅装置は、第4の波長多重光増幅基本ユニットと、少なくとも再前段に配置される波長多重光増幅ユニットとに介装されて、第4の波長多重光増幅基本ユニットより出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力する励起光再入力部が接続されてもよく、多段に接続された波長多重光増幅基本ユニットうちの最前段に配置された波長多重光増幅基本ユニットと、少なくとも再前段に配置される波長多重光増幅ユニットとに介装されて、最前段に配置された波長多重光増幅基本ユニットより出力される漏れ光信号から波長多重光信号成
分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力する励起光再入力部が接続されてもよく、また、波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成であって、波長多重光増幅ユニットの信号入力ポートに、その一方の光増幅部の出力が接続された第4の波長多重光増幅基本ユニットと、第4の波長多重光増幅基本ユニットと、波長多重光増幅基本ユニットとに介装されて、第4の波長多重光増幅基本ユニットより出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力する励起光再入力部とをそなえて構成することもできる。
【0023】
加えて、励起光再入力部は、第4の波長多重光増幅基本ユニットから出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するフィルタと、フィルタに接続されるとともに、出力側が少なくとも再前段に配置される波長多重光増幅ユニットにおける第2の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートと第3の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとにそれぞれ接続され、フィルタにて抽出された励起光を再前段に配置される波長多重光増幅ユニットに入力する光分岐部とをそなえて構成されてもよく、最前段に配置された波長多重光増幅基本ユニットから出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するフィルタと、フィルタに接続されるとともに、出力側が少なくとも再前段に配置される波長多重光増幅ユニットにおける第2の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートと第3の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとにそれぞれ接続され、フィルタにて抽出された励起光を再前段に配置される波長多重光増幅ユニットに入力する光分岐部とをそなえて構成されてもよく、また、第4の波長多重光増幅基本ユニットから出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するフィルタと、フィルタに接続されるとともに、出力側が波長多重光増幅ユニットにおける他方の入力ポートに接続され、フィルタにて抽出された励起光を波長多重光増幅基本ユニットに入力する光分岐部とをそなえて構成されてもよい。
【0024】
さらに、本発明の波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置は、X種類の波長の光信号からなる第1の波長多重光信号を2つに分配する初段ユニットと、該初段ユニットの出力側に接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された一方の該第1の波長多重光信号をブロードキャストする第1ブロードキャストユニットと、複数の光キャリア信号を合波して第2の波長多重光信号を出力する追加信号出力部と、該初段ユニットにおける2つの分配出力の他方と該追加信号出力部の出力とが接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された他方の該第1の波長多重光信号と該追加信号出力部からの該第2の波長多重光信号とのカップリングを行なう伝送出力部とをそなえ、該初段ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、X種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該第1の波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とを有し、該波長多重光信号を該2つの光増
幅部を通じて2つに分配して出力する初段波長多重光増幅基本ユニットとして構成され、該第1ブロードキャストユニットが、該初段波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の分波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの分波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットが、1つの分波用波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように、多段に接続されるように構成されるとともに、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する該ルートの分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の一方の入力ポートに、該初段波長多重光増幅基本ユニットにおける一方の光増幅部の出力ポートが接続されるように構成され、且つ、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力側に所定の波長の光信号を選択して出力する複数のドロップ用光フィルタをそなえ、かつ、該初段ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、該励起光源からの励起光と、該初段ユニットへの波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該初段ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、該合波部と該初段ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、該第1ブロードキャストユニットをなす多段にツリー接続された複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される分波用波長多重光増幅ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段をそなえ、該追加信号出力部が、アド用に、互いに異なる波長の光キャリア信号をそれぞれ出力する複数の光キャリア信号発生部と、該複数の光キャリア信号発生部側に接続されて、該複数の光キャリア信号出力部からの該複数の光キャリア信号を合波して第2の波長多重光信号を出力する多重部とをそなえ、該伝送出力部が、該初段ユニットと該追加信号出力部とに接続されて、該初段ユニットからの該第1の波長多重光信号と該追加信号出力部からの第2の波長多重光信号とをカップリングすることにより、該第1の波長多重光信号に該第2の波長多重光信号をアドして、第3の波長多重光信号として出力するカップリング部と、該カップリング部からの該第3の波長多重光信号を増幅してその増幅された該第3の波長多重光信号を出力する光増幅器とをそなえて構成されたことを特徴としている。
【0025】
さらに、初段ユニットの入力側に設けられ、光信号を増幅して増幅光信号を出力する増幅部が設けられ、増幅部と初段ユニットにおける光分岐部の信号入力ポートとに接続され、増幅光信号の分散を補償しこの分散補償した補償光信号を光分岐部の信号入力ポートに入力する第1分散補償部をそなえて構成することもできる。
そして、伝送出力部の光増幅器に接続されて、増幅された第3の波長多重光信号の分散を補償しこの分散補償した補償光信号を出力する第2分散補償部をそなえて構成すること
もできる。
【発明の効果】
【0026】
以上詳述したように、本発明の波長多重光増幅装置によれば、第1の波長多重光増幅基本ユニットと、第2の波長多重光増幅基本ユニットと、第3の波長多重光増幅基本ユニットとからなる波長多重光増幅ユニットが複数多段に接続されるとともに、第4の波長多重光増幅基本ユニットと、励起光源と、合波部と、利得等化器と、利得制御手段とをそなえて構成されているので、波長多重された光信号をまとめて増幅する場合よりも光信号パワーが大幅に小さくなり、従って、より高効率特性が得られる利点がある。また、第1〜第3の波長多重光増幅基本ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、この光分岐部の2つの出力ポートのそれぞれに接続された光増幅部とから構成されているので、光分配系の中に増幅媒体が分散されて配置される結果、光アイソレータに頼らずとも安定な光増幅器が実現できる利点がある。さらに、光増幅部と、光分岐部とが交互に接続されるため、増幅器内の実効利得が低くなって、反射に対して耐性が生じるようになり、また、分岐損よりも光増幅部の利得を低くすれば、実効利得がマイナスとなり、光アイソレータで各光増幅部を挟む必要がなくなり、系の簡易化が図れるようになる。その上、光増幅器と分配系とを含んだ系の過剰損を小さくでき、光アイソレータがなくても反射による不安定動作をなくすことができるようになる利点がある。
【0027】
さらに、第4の波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、利得制御手段が、出力情報及び入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器の入力側に設けられた励起光源へ供給して、この励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成することもでき、このようにすれば、全ての分岐ポートにおける利得の波長特性の制御が可能となり、最前段に設置された励起光源にフィードバック制御をかけることによって、全ポートにおける利得の波長特性を制御できるようになる。
【0028】
また、本発明の波長多重光増幅装置によれば、波長多重光増幅基本ユニットが多段に接続されるとともに、励起光源と、合波部と、利得等化器と、利得制御手段とをそなえて構成され、この波長多重光増幅基本ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、この光分岐部の2つの出力ポートのそれぞれに接続された光増幅部とから構成されているので、ユーザがサービスの増設を欲したときに、インサービスでの増設が簡易に行なえる利点がある。すなわち、ユーザは、この波長多重光増幅ユニットを新たに追加して購入することで、簡易に分岐数を拡張できるようになり、また、現在与えているサービスを中断せずに行なえるようになる。そして、最前段の励起光源が、最後段の波長多重光増幅基本ユニットを励起できる十分なパワーを有していれば、途中段の波長多重光増幅基本ユニットには励起光源を設置しなくてもよく、また、途中段の波長多重光増幅基本ユニットには必要に応じて励起光源を設置すればよく、さらに、全ての波長多重光増幅基本ユニットに励起光源を接続すること可能となり、柔軟な励起方法が採れるようになる利点がある。加えて、各要素内が同一特性を有する光部品で構成されているため、量産に適しており、優れた拡張性を有する。
【0029】
さらに、多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、利得制御手段が、出力情報及び入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器の入力側に設けられた励起光源へ供給して、この励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成することもでき、このようにすれば、全ての分岐ポートにおける利得の波長特性の制御が可能となり、最前段に設置された励起光源にフィードバック制御をかけることによって、全ポートにおける利得の波長特性を制御できるようになる。
【0030】
さらに、本発明の波長多重光増幅装置によれば、波長多重光増幅基本ユニットと、励起光源と、合波部と、利得等化器と、利得制御手段とをそなえて構成され、この波長多重光増幅基本ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、この光分岐部の2つの出力ポートのそれぞれに接続された光増幅部とから構成されているので、簡易な設備としてユーザに提供でき、また、ユーザは現在与えられているサービスを中断せずに簡易に分岐数を拡張できる利点がある。
【0031】
さらに、波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、利得制御手段が、出力情報及び入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器の入力側に設けられた励起光源へ供給して、励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成することもでき、このようにすれば、全ての分岐ポートにおける利得の波長特性の制御が可能となり、最前段に設置された励起光源にフィードバック制御をかけることによって、全ポートにおける利得の波長特性を制御できる利点がある。
【0032】
そして、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニット又は波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の入力ポートに、補助励起光源が接続されてもよく、このようにすれば、必要に応じて励起光パワーを増加させることができる利点があり、また、光分岐部(1:1光カプラ)を利用して励起光源も等しく分配されるので、簡単な構成で各光増幅部へ等しい励起光パワーも供給できるようになり、励起光と信号光とを合波する合波器が不要またはその所要数を削減できる利点もある。
【0033】
また、上記複数の波長多重光増幅ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅ユニットにおける第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポート、若しくは、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポート、若しくは、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポートに、アイソレータが接続されてもよく、このようにすれば、反射戻り光による不安定動作を回避できるだけでなく、出力側から入力側へ集まる逆方向ASEが遮断されて逆方向ASEによる光増幅器の飽和を防ぐことができる利点がある。
【0034】
加えて、上記複数の波長多重光増幅ユニットのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅ユニットについて、その前段側の波長多重光増幅ユニットにおける上記第2の及び第3の波長多重光増幅基本ユニットの各光増幅部出力側と、その後段側の各波長多重光増幅ユニットにおける第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポート入力側との間が、それぞれ斜めコネクタを介して接続されていてもよく、若しくは、上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅基本ユニットについて、その前段側の波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部出力側と、その後段側の波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポート入力側との間が、斜めコネクタを介して接続されてもよく、このようにすれば、コネクタ面においての光の反射を起こさないで済むので、無駄な光の増幅を防止することができる利点がある。
【0035】
さらに、上記の利得制御手段は、出力情報中の所望の波長光信号を選択するフィルタと、このフィルタで抽出された所望の波長光信号についてレーザ共振させるべく信号減衰させて、この減衰させた光信号を利得等化器の入力側に供給する光減衰器とをそなえて構成されてもよく、このフィルタが、伝送に必要な所要の波長帯域外の波長光信号を選択するフィルタとして構成されてもよく、このようにすれば、フィードバックを掛けるポートが1ポートで済む上、最前段の励起光源から、各ポートの利得を一定に保つために励起光を変化させることができるようになり、簡易な構成で全てのポートの利得を一定に保つことが可能となる。
【0036】
また、上記波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部は、1:1光カプラとして構成することができ、また、光増幅部は、光分岐部での分岐損と同等の利得またはこの分岐損より低い利得を有する光増幅部として構成することができ、また、上記の光分岐部,光増幅部及び光分岐部・光増幅部接続部が、ガラス又は半導体製の光導波路で構成することができるので、このようにすれば、出力側から見て、分岐と増幅が交互に行なわれていることとなって、各光増幅部は、2分岐により損失するパワーロス(例えば3dB)を補うだけの大きさの利得(例えば18dB)で増幅すれば、理論限界値(例えば15dBm)を維持できるようになり、効率のよい拡張性を発揮できるようになる上、安定な光増幅器が実現できるようになり、光パワーが局所的に高くなる部分が無いので、より高効率特性が得られる利点がある。
【0037】
また、本発明の波長多重光増幅装置によれば、M種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とN種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とを入力するとともに、(M+N−L)種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とL種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とに分岐して出力する合流・分岐装置の分岐ポートに接続されて使用されるので、簡易にブロードキャスト機能が実現でき、また、インサービスでの分岐ポートの増設が可能となる利点がある。
【0038】
さらに、本発明の波長多重光増幅装置によれば、光クロスコネクト装置におけるm×nのマトリックス光スイッチに使用されるので、光加入者系などの分配系に用いることができ、簡易でかつインサービスでの増設性を利用できるようになる。
さらに、本発明の波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置は、初段ユニットと、第1ブロードキャストユニットと、第2ブロードキャストユニットと、光キャリア信号出力部と、選択部とをそなえるとともに、励起光源,ドロップ用光フィルタをそなえ、上記の選択部が、Y個のスイッチ部と、Y個のカップリング部と、多重部とを有し、このスイッチ部が、Y種類の波長多重光信号を通過させて多重部から出力するか、又は、Y種類の光キャリア信号を多重部から出力するかを選択的に切り換えるように構成されているので、同一の波長多重光増幅ユニットを用いてアド及びドロップ機能が実現でき、そして、これにより、光ネットワークが柔軟に増設又は拡張されることができるようになる利点がある。また、コピーされた波長多重信号が用いられるので、他の波長への影響を考慮せずに、所望の波長の抽出処理が行なえるとともに、例えばコヒーレントクロストークを簡単に回避できる利点がある。
【0039】
そして、本発明の波長多重光増幅装置によれば、入力光を増幅する光増幅媒体と、光増幅媒体から出力される光信号を複数の光信号に分岐して、その分岐損を補償すべく、分岐された光信号のそれぞれを増幅する光分岐増幅部と、分岐増幅部に接続されて、分岐増幅部からの光信号に従って、光増幅媒体の利得を制御する利得制御手段とをそなえて構成されているので、漏れ励起光が、再度利用できて効率的な増幅を行なえる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(A)本発明の第1実施形態の説明
図1は、本発明の第1実施形態にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。この図1に示す波長多重光増幅装置25は、1つの光信号を32ユーザへ分配する装置であって、光フィードバックによる制御を使用している。また、この図1に示す波長多重光増幅装置25は、32ユーザのうちの16ユーザを図示しており、主に、図2に示すようなシステムにて使用されている。
【0041】
図2は、光アド・アンド・ドロップ装置(波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置)の原理ブロック図であり、本発明の第1実施形態にかかるブロードキャスト部の構成を示している。この図2に示す光アド・アンド・ドロップ装置20は、この図2の左側からの64波長多重(ch1〜ch64)された光信号のうち、ch1〜ch64を分岐(ドロップ)するとともに、別のch65〜ch96を合流(アド)させて、この図2の右側に向かって、96波長多重(ch1〜ch96)された光信号を伝送するものであって、光増幅器20a,20c,光カプラ20b,20b′,光分岐部21,光合流部22をそなえて構成されている。ここで、光合流部22は、光増幅を行なうEDF光増幅器22aと、複数の光信号を合波する合波部22bと、1波長について光増幅する1波用光アンプ22cと、波長可変なチューナブルレーザ(TL)22dと、O/E変換を行なうPD(Photo Diode)22eとをそなえて構成されており、また、光分岐部21は、元の光信号パワーを維持するためにパワー増幅するEDF光増幅器21aと、光信号を分波する光カプラ21bとを設けている。
【0042】
このPD22eの役割は、信号を受信しチューナブルレーザ22dにて別波長で同一信号を伝送するための信号を出力することである。また、PD22eとチューナブルレーザ22dとの組み合わせは、いわゆる、トランスポンダである。
そして、この図2の左側からくる波長多重された光信号は、光増幅器20aにおいて増幅され、光カプラ20bにおいて、その光信号の一部はドロップされるとともに、合流部22からくる光信号がアドされて、光カプラ20b′に入力され、光カプラ20b′において、その光信号と光増幅器20aにて増幅された光信号(ch1〜ch64)とが合流し(ch1〜ch96)、光増幅器20cにおいて増幅されてから、右側に伝送されるようになっている。さらに、分岐部21において、例えば64波長多重(ch1〜ch64)された光信号は、EDF光増幅器21aにて64倍に増幅されてから、光カプラ21bにて分波されて、各ポートには、64波長多重(ch1〜ch64)された光信号が分配され、波長選択用の光フィルタ23にて所望の波長の光信号が選択されるようになっている。従って、この光アド・アンド・ドロップ装置20によって、各ポートに波長多重信号が出力されており、この機能は、本波長多重光増幅装置25を適用することによって、実現することができる。
【0043】
図1に戻って、この図1に示す波長多重光増幅装置25は、複数の波長多重光増幅ユニット30を複数そなえて多段に接続された部分〔(B),(C),(D),(E),(F)と付されたもの〕と、光フィードバックループ系34(同図左側の部分)とから構成されている。ここで、これらの接続の関係を図3を用いて説明する。
図3は、本発明の第1実施形態にかかる波長多重光増幅ユニット30のブロック構成を示す図である。この図3に示す波長多重光増幅ユニット30は、第1の波長多重光増幅基本ユニット31と、第2の波長多重光増幅基本ユニット32と、第3の波長多重光増幅基本ユニット33との3つの基本ユニットをそなえるほか、第1の波長多重光増幅基本ユニット31の信号入力ポートの一方に、光アイソレータ3が接続され、他方に励起光源4が接続されて構成されている。
【0044】
ここで、第1の波長多重光増幅基本ユニット31は、光分岐部1a,光増幅部2a,2bをそなえて構成されている。この光分岐部1aは、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を、これら2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力するものである。また、この光分岐部1aは、1:1光カプラから構成されている。そして、光増幅部2a,2bはそれぞれ、光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続されたものであり、光分岐部1aでの分岐損と同等の利得またはこの分岐損より低い利得を有する光増幅部として構成されている。また、この光増幅部2a,2bはそれぞ
れ、EDF(Erbium-doped fiber)又はEDW(Erbium-doped Waveguide)等から構成され、分岐損(3dB)に近い3〜6dB程度の利得を有する。
【0045】
また、第2の波長多重光増幅基本ユニット32は、第1の波長多重光増幅基本ユニット31と同じ構成であって、第1の波長多重光増幅基本ユニット31の一方の光増幅部2aの出力側に、その信号入力ポートP2の入力側が接続されたものであり、第3の波長多重光増幅基本ユニット33は、第1の波長多重光増幅基本ユニット31と同じ構成であって、第1の波長多重光増幅基本ユニット31の他方の光増幅部2bの出力側に、その信号入力ポートP1の入力側が接続されたものである。ここで、これらの光分岐部1b,1cの入出力ポート名は、光分岐部1aの入出力ポート名と同一であり、以下の説明において、図面に明示しないで、これらのポート名を使用することがある。
【0046】
また、この波長多重光増幅ユニット30内の光アイソレータ3は、順方向の光ビームは通過させるが、逆方向の光ビームは通過させない光部品であり、反射戻り光に対して耐性が高められるようになっている。さらに、励起光源4は、外部から制御されうるLD(Laser Diode) であって、その出力が可変に制御されるようになっている。加えて、この波長多重光増幅ユニット30は、光アイソレータ3の入力側と、光分岐部1bの入力ポートと、光分岐部1cの入力ポートと、光増幅部2c,2d,2e,2fの出力側にそれぞれ、コネクタ5を設けている。
これらのうち、光分岐部1bの入力ポートP1と、光分岐部1cの入力ポートP2とは、補助励起光源4aが入力されるようになっている。これより、上記の第2の波長多重光増幅基本ユニット32における他方の入力ポートP1と、第3の波長多重光増幅基本ユニット33における他方の入力ポートP2に、補助励起光源4aが接続されるように構成されていることになる。なお、以下の説明で参照する図面中で、この波長多重光増幅ユニット30の光分岐部1bと光分岐部1cとのそれぞれに接続されているコネクタ5の表示を便宜上省略することがある。
【0047】
このように、第1の波長多重光増幅基本ユニット31では、光分岐部1aの入力側の2ポートP1,P2のうち、一方のポートP1が励起用ポートとして、他方のポートP2が入力ポートとして使用され、この光分岐部1aの出力側の2ポートP3,P4に、それぞれ分岐損,光カプラ(光分岐部1a)の過剰損及びコネクタ損を補償する程度の等しい利得の増幅媒体(光増幅部2a,2b)が接続されている。また、光分岐部1a(1:1光カプラ)が、信号光パワーの2分岐と励起光パワーとの2分岐に同時に使用されるようになっている。そして、第2の波長多重光増幅基本ユニット32及び第3の波長多重光増幅基本ユニット33においても、全く同様な構成となっており、第1の波長多重光増幅基本ユニット31内の光増幅部2aが、第2の波長多重光増幅基本ユニット32内の光分岐部1bの入力ポートP2に接続され、第1の波長多重光増幅基本ユニット31内の光増幅部2bが、第3の波長多重光増幅基本ユニット33内の光分岐部1cの入力ポートP1に接続されている。これから、この波長多重光増幅ユニット30は、光信号を分配する分配系としても機能している。
【0048】
一方、この図3に示す波長多重光増幅ユニット30の出力側のコネクタ5のうち、最上部のもの(図3で右側の一番上にあるもの)から入力側を見た場合、光分岐部1a,光増幅部2a,光分岐部1b,光増幅部2cが交互に接続されているようになる。各光増幅部2a〜2fの出力レベルを15dBm/ch(=0dBm/ch)に維持するためには、各光増幅部2a〜2fの利得は、2分岐により損失するパワーを補うべく3dBでよく、従って各光増幅部2a〜2fの入力光信号のパワーは18dBmに設定すると、分岐で3dB損失しても増幅によってその3dBを補うことができるようになる。換言すれば、各光増幅部2a〜2fは、2分岐により損失するパワーロス(例えば3dB)を補うだけの大きさの利得(例えば18dB)で増幅すれば、理論限界値(例えば15dBm)を維持
できるようになり、減衰せずに、効率よくユーザ数を拡張できるようになる。さらに、光信号が増幅された後に、別個の光分配系を設けて、そこで光信号を分配するといった構成でなく、光分配系の中に増幅媒体が分散して配置されているので、損失が分散されるようになっている。
【0049】
また、光増幅部2a〜2f(EDFA)と、光分岐部1a〜1c(1:1光カプラ)とが交互に接続されるため、増幅媒体たるEDFAが分岐損で分断されるために、増幅器内の実効利得が低くなって、反射に対して耐性が生じるようになる。すなわち、アイソレーションの所要値が小さくても安定に動作したり、あるいは、光アイソレータ3で各光増幅部2a〜2fを挟む必要がなくなったりするので、反射による不安定動作をなくすことができるようになる。
【0050】
この意味は次のようになる。EDFAが使用される場合には、そのEDFAの前後に接続される光部品間で、光の反射による発振が起こるので、この発振が起こらないように、光アイソレータ3を設けてR1・R2・G2<<1になるようにしなければならない。ここで、R1はEDFAの前段の光部品の反射係数、R2はEDFAの後段の光部品の反射係数、GはこのEDFAの利得である。本実施形態のように、部品が多段に交互に接続された場合には、EDFAの前後の光部品によりロスが生じるので、光アイソレータ3がなくても、R1・R2・G2<<1の安定条件が満たされて、安定な動作となる。また、分岐損による損失よりもEDFAの利得が低いと、EDFAと1:1光カプラとの組み合わせの実効利得はマイナスとなり、僅かに損失となるので、光アイソレータ3は不要となる。この場合には、波長多重光増幅ユニット30内で、少しづつ光信号パワーが分配ポートに向かって下げられることで、信号品質が維持されつつ、系の簡易化が図れるようになる。また、光増幅器と分配系とを含んだ系の過剰損が小さくなる利点もある。
【0051】
再度図1に戻り、図1に示す(B)〜(F)と付された波長多重光増幅ユニット30のうち、(B)の光増幅部2cが(C)に接続され、同様に、(B)の光増幅部2dが(D)に接続され、(B)の光増幅部2eが(E)に接続され、(B)の光増幅部2fが(F)に接続されている。すなわち、これらの波長多重光増幅ユニット30が、その第1の波長多重光増幅基本ユニット31における光分岐部1aの信号入力ポートP1を前段に位置する波長多重光増幅ユニット30((B)と付されたもの)における第2の波長多重光増幅基本ユニット32又は第3の波長多重光増幅基本ユニット33の光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に接続されるようにして、多段に接続されている。さらに、(C)の光増幅部2cの出力が、光フィードバックループ系34に入力されることにより、全ポートの利得が一定に保たれるように、利得の波長特性が一定に制御されるようになっている。
【0052】
図4は、本発明の第1実施形態にかかる光分岐部1a(又は1b,1c)の構成を示す図である。この図4に示す光分岐部1a(1b,1c)は、1:1光カプラにより構成されており、ポートP1とポートP2とからそれぞれ入力される光信号を合波するとともに、ポートP3とポートP4とにそれぞれ光信号を分波して出力するものである。このポートP1から入力される光信号のパワーW1は分波されて、ポートP3,ポートP4において、その光信号のパワーW2,W3が、W1の半分になる。また、後述する他の実施形態及びその変形例においても、これらの光分岐部1a(1b,1c)は、この図4に示すような構成をとる。なお、上記の第1の波長多重光増幅基本ユニット31,第2の波長多重光増幅基本ユニット32,第3の波長多重光増幅基本ユニット33における上記の光分岐部1a〜1c,光増幅部2a〜2f及び光分岐部・光増幅部接続部が、ガラス又は半導体製の光導波路で構成することもできる。
【0053】
再度図1に戻って、光フィードバックループ系34は、次のように構成されている。すなわち、この光フィードバックループ系34は、光分岐部1aと、利得制御手段11aと、光アイソレータ3,光カプラ8,PD10からなる入力モニタ部分と、光カプラ8′,励起光源4,合波器(合波部)9からなる合波部分と、EDFA12,利得等化器(Gain Equalizer)13,第4の波長多重光増幅基本ユニット35,補助励起光源4a,コネクタ5からなる増幅部分とをそなえて構成されている。
【0054】
ここで、光分岐部1aは、最後段の波長多重光増幅ユニット30からの出力を取り出すものであり、10:1光カプラによってこの機能が発揮される。利得制御手段11aは、(C)と付された波長多重光増幅ユニット30からの出力情報に基づいて、多段に配置された複数の波長多重光増幅ユニット30の利得制御を行なうものであって、この機能は、光フィルタ11,可変減衰器11b,制御部11cによって発揮されている。この光フィルタ11は、出力情報中の所望の波長光信号を選択するものであり、伝送に必要な所要の波長帯域外の波長光信号を選択するフィルタとして構成されている。また、可変減衰器11bは、この光フィルタ11からの光信号を減衰させて利得等化器13の入力側に供給するものであり、この機能は、光減衰器によって発揮される。そして、制御部11cは、利得の波長特性の制御を行なうものであって、励起光源4の出力を制御しうるものである。
【0055】
これらにより、光分岐部1aから出力される波長多重光信号は、この光フィルタ11において、その波長多重された帯域以外の光周波数を有する光信号(出力情報)が選択され、その波長について、レーザ共振が行なわれることによって検出され、そして、制御部11cによって、利得の波長特性が制御され、可変減衰器11bにて、光信号が減衰されるとともに、励起光源4,補助励起光源4aの出力が制御されるのである。これにより、励起光源4の出力と、(B)〜(F)と付された波長多重光増幅ユニット30の光分岐部1aの入力ポートP1に入力される補助励起光源4aの出力とが、自動的に制御され(APC:Auto Power Control) 、すべての光分岐部1a〜1cにおける利得の波長特性の制御が可能となる。
【0056】
さらに、光アイソレータ3は、この光フィードバックループ系34での光増幅について、アイソレーションを行なうものであり、光カプラ8は、次段への出力と入力モニタとの比を、10:1にした光カップリングを行なうものであり、PD10は、第4の波長多重光増幅基本ユニット35への入力を検出するものであり、このフィードバック系34に入力される入力光源が、光カプラ8にてカップリングされることによってモニタリングされるようになっている。
【0057】
そして、光カプラ8′は、前段からの入力信号とフィードバック信号との比を、10:1にした光カップリングを行なうものであり、また、励起光源4は、励起用のLDであり、合波器9は、励起光源4からの励起光と波長多重光信号とを合波するものである。
さらに、EDFA12は、増幅用ファイバであり、利得等化器13は、このEDFA12から出力される光信号を光周波数について等化するものであり、合波器9と第4の波長多重光増幅基本ユニット35の信号入力ポートP2との間に介装されている。そして、EDFA12から出力される、凸凹のある光信号の増幅利得特性が、この利得等化器13により、平坦にされるようになっている。さらに補助励起光源4aは、補償用の光源であって、(B)〜(F)と付された波長多重光増幅ユニット30の光分岐部1aの入力ポートP1に入力されるようになっており、波長多重光増幅ユニット30におけるすべての光分岐部1a〜1cにおける利得の波長特性の制御が可能となる。
【0058】
従って、波長多重光増幅装置25は、入力光を増幅するEDFA12(光増幅媒体)と、このEDFA12から出力される光信号を複数の光信号に分岐して、その分岐損を補償すべく、分岐された光信号のそれぞれを増幅する(B),(C),(D),(E),(F)と付した波長多重光増幅ユニット30(光分岐増幅部)と、この光分岐増幅部に接続されて、光分岐増幅部からの光信号に従って、EDFA12の利得を制御する利得制御手段11aとをそなえて構成されたことになる。
【0059】
また、波長多重光増幅装置25は、光増幅器として機能しており、光分岐手段と、励起光源4と、モニタ手段と、制御手段(利得制御手段11a)とを設けている。ここで、光分岐手段は、入力光を光増幅する部分を有し入力光を複数に分岐するものとして機能し、この機能は、(B),(C),(D),(E),(F)と付した波長多重光増幅ユニット30が協同して実現されている。さらに、励起光源4は、この光分岐手段の光増幅部分を励起するための励起光を発生させるものである。加えて、モニタ手段は、上記光分岐手段の出力をモニタするものとして機能し、この機能は、光アイソレータ3,光カプラ8,PD10が協同することにより、その機能が発揮されている。また、利得制御手段11aは、モニタ手段で検出した値に基づき励起光の制御を行なう機能を有する。
【0060】
また、第4の波長多重光増幅基本ユニット35は、この光コネクタ5を介した補助励起光源4aと、利得等化器13との出力をカップリングして、(B)と付された波長多重光増幅ユニット30に入力するものであって、上記と同様に光分岐部1a,光増幅部2a,2bをそなえて構成されている。従って、波長多重光増幅ユニット30は、第1の波長多重光増幅基本ユニット31と同じ構成であって、多段に配置された複数の波長多重光増幅ユニットのうちの最前段に配置される波長多重光増幅ユニット30(Bと付されたもの)における第1の波長多重光増幅基本ユニット31の信号入力ポートP2に、その一方の光増幅部2aの出力側が接続されていることになる。
【0061】
これにより、この波長多重光増幅装置25の動作の流れは、次のようになる。すなわち、この図1の(A)と付された第4の波長多重光増幅基本ユニット35から出力される光信号は、(B)と付された波長多重光増幅ユニット30に入力され、この波長多重光増幅ユニット30において、その信号は4分岐される。そして、これらの4分岐された光信号はそれぞれ、(C)と付された波長多重光増幅ユニット30と、(D)と付された波長多重光増幅ユニット30と、(E)と付された波長多重光増幅ユニット30と、(F)と付された波長多重光増幅ユニット30とに入力されて、16分配されるようになっている。また同様に、この図1に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光増幅部2aから出力される光信号は、図示を省略するが、やはり16分配されるようになっており、こうしてブロードキャスト機能が実現されるのである。
【0062】
また、(C)と付された波長多重光増幅ユニット30から出力される光信号は、光フィードバックループ系34の光分岐部1aに入力され、この光分岐部1aからの光信号は、光フィルタ11へ入力され、波長多重される周波数領域外の周波数を有する光信号が抽出され、制御部11cにおいて、その抽出された光信号のパワーが監視されて、可変減衰器11bにおいて減衰量が調節されることにより、光カプラ8′の入力が制御される。さらに、この制御部11cからの制御信号が、励起光源4,補助励起光源4aに入力される。
【0063】
一方、この図1の左側からくる、他の波長多重光増幅装置からの光信号は、光コネクタ5を介して、光アイソレータ3を通って、光カプラ8に入力され、PD10にてその大きさが常にモニタリングされる。さらに、合波器9において、光カプラ8′からの出力は、励起光源4からの光信号と合波され、EDFA12において、この信号は、光増幅されて、利得等化器13において、その光スペクトルが平坦化されて、そしてこの利得等化器13からの光信号と、補助励起光源4aから出力される光信号とが、第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光分岐部1aにおいて、カップリングされて、再び光増幅部2aあるいは光増幅部2bに入力されるのである。
【0064】
このように、本波長多重光増幅装置25は、波長多重光増幅ユニット30が多段に接続された部分と、光フィードバックループ系34とを内蔵し、利得一定制御、低雑音化及び利得帯域の平坦化を図る目的で、励起光源4,合波器9,EDFA12,利得等化器13等によって、入力パワーと出力パワーとがモニタリングされて制御が行なわれている。また、光フィードバックループ系34内の第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光分岐部1a(1:1光カプラ)によって、光の補償が可能となる。また、この波長多重光増幅装置25は、1つのポートからの光信号をフィードバックして、レーザ共振器(光フィルタ11,制御部11a,可変減衰器11b)を構成し、また、光フィードバックループ系34の中の可変減衰器11bの減衰量を調整することによって、利得の波長特性に対応
している。
【0065】
なお、本波長多重光増幅装置25は、図2に示したような、光アド・アンド・ドロップ装置としての機能に着目すれば、次のようにも表現できる。例えば、図2において、M=64,N=10,L=32等として適用可能である。すなわち、この波長多重光増幅装置20は、64種類の波長の光信号からなる波長多重光信号と10種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とを入力するとともに、(64+10−32)種類の波長の光信号からなる波長多重光信号と32種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とに分岐して出力する合流・分岐装置の分岐ポートに接続される波長多重光増幅装置であって、この波長多重光増幅装置20が、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、32種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力する光分岐部1aと、光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a,2bとからなる波長多重光増幅基本ユニット30b(図7にて後述する基本ユニット)を複数そなえ、これらの波長多重光増幅基本ユニット30bが、その光分岐部1aにおける信号入力ポートP2を前段に位置する波長多重光増幅基本ユニット30bにおける光増幅部2cの出力側に接続されるようにして、多段に接続されるとともに、且つ、上記複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうち最前段に位置する波長多重光増幅基本ユニット30bの光分岐部1aの他方の入力ポートP1に接続された励起光源4をそなえていることになる。また、これにより
、簡易にブロードキャスト機能が実現できて、光アド・アンド・ドロップ装置として用いることができるようになる。
【0066】
具体的には、ユーザは、2分岐しか使用しない場合は、図1の(A),(B),(C)の3つを購入する。そして、5分岐が必要になった段階で、ユーザは(D)を増設し、同様に16分岐まではユーザが(D),(E),(F)を増設することで増設可能である。そして、17分岐目は、光フィードバックループ系34内の第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の(A)の空きポートP3に、(B)と(C)とを接続すればよい。こうして、最大32分岐までの分岐が可能となり、需要に応じてハードウェアを増設することができる。そして、現状動作しているハードウェアをそのままにして、ユーザがサービスの増設を欲したときに、ユーザが新たに追加して購入することで、通信需要に応じることが可能とな
る。
【0067】
このような構成によって、第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの光信号は、所望の分配数にブロードキャストされるとともに、最後段の出力光信号の情報をフィードバックすることによって、的確な波長多重光の出力制御ができるようになる。
すなわち、第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光分岐部1aに入力された18dBmの光信号は、光分岐部1aの出力にて15dBmになり、また、光増幅部2aにおいて3dBの利得を得て、光増幅部2aから18dBmのパワーで出力される。この18dBmの光信号は、(B)と付された波長多重光増幅ユニット30内の第1の波長多重光増幅基本ユニット31における光分岐部1aで2分岐され、その光分岐部1aの出力にて15dBmになるものの、光増幅部2aにおいて再び3dBの利得を得て、光増幅部2aの出力においては、18dBmに戻る。さらに、この18dBmの光信号は、(B)と付された波長多重光増幅ユニット30内の第2の波長多重光増幅基本ユニット32においても、この光信号は光分岐部1bで2分岐されて15dBmになるが、光増幅部2cにおいて3dBの利得を得て、18dBmにされてから、出力される。そして、(C)と付された波長多重光増幅ユニット30に入力され、同様に、分岐・増幅が行なわれて、光フィードバックループ系34内に入力される。
【0068】
こうして、最後段の出力光信号の情報(出力情報)がフィードバックされて、利得制御手段11aにてその出力情報から、入力側の光カプラ8′及び励起光源4,補助励起光源4aに加えられるので、適切な制御が行なえるようになる。
このように、この波長多重光増幅装置25は、光信号を増幅した後に、別個の光分配系を用意して、そこで分配するといった構成によらずに、図1の(B)〜(F)と付された波長多重光増幅ユニット30のように、光分配系の中に増幅媒体が分散されて配置されているので、増幅されてから徐々に分配されるようになっており、損失が分散される。従って、一度にまとめて増幅してそれを分配する方法と比べて、光パワーが局所的に高くなる部分がなくなり、より高い効率特性が得られる。すなわち、この波長多重光増幅装置25内での信号光パワーは、多くとも18dBm(=63mW)程度となるので、波長多重された光信号をまとめて増幅する場合に生ずる最大光パワーよりも大幅に小さくなり、また、まとめて増幅する場合のような、大きな信号光パワーの消失がなくなる利点がある。これは、過剰損によるものが、損失の主要因となっているのではない。
【0069】
また、このように、この波長多重光増幅装置25は、分配による実効的な損失によって、増幅媒体(光増幅部2a〜2f)が実効的に分断されるので、光アイソレータ3に頼らずとも安定な動作が実現できるようになる。またさらに、この波長多重光増幅装置25は、分配系として多段に接続された波長多重光増幅ユニット30において、光分岐部1a〜1c(1:1光カプラ)が、2入力ポートのうちの空きポートを利用して接続されているので、励起光と信号光とを合波するための合波器9を不要にでき、あるいは、その必要数を削減できるといった利点がある。また、光分岐部1a〜1c(1:1光カプラ)を利用して、励起光源4が等しく分配されるようにしているので、簡単な構成で各光増幅部2a〜2fへ等しい励起光パワーをも供給できるようになる。一方、構成要素の入力側に光アイソレータ3を用いれば、反射戻り光による不安定動作を回避するだけでなく、出力側から入力側へ集まる逆方向ASE(Amplified Spontaneous Emission)が遮断されて、逆方向ASEによる光増幅器の飽和を防ぐことができる。
【0070】
その上、この波長多重光増幅装置25は、インサービスでの増設性が簡易になる。すなわち、本波長多重光増幅装置25を導入した後、ユーザは、この波長多重光増幅ユニット30を新たに追加して購入することで、簡易に分岐数を拡張できるようになり、また、現在与えているサービスを中断せずに行なえるようになり、サービスの向上につながる。さらに、図2のような光アド・アンド・ドロップ装置20において、各ポート毎に波長多重光信号が出力され、これらの中から波長選択フィルタで所望の波長を選択するだけで、光信号の分配機能を実現できるようになり、ブロードキャスト機能が実現されている。
【0071】
そして、この波長多重光増幅装置25は、その各要素内の光部品が、同一特性を有する光増幅部(EDFA)2a〜2f,光カプラ1a〜1c,光スイッチ,励起光源4、光アイソレータ3で構成されているため、量産に適しており、優れた拡張性を有する。例えば、図1で(A)を除く、(B)から(F)は全く同一であり量産化が可能となる。
また、この波長多重光増幅ユニット30は、最前段の励起光源4が等しく分配されるので、最前段の励起光源4が、最後段の波長多重光増幅ユニット30内の光増幅部2a〜2fを励起できる十分なパワーを有していれば、途中段の波長多重光増幅ユニット30には励起光源4を設置しなくてもよい。例えば(A)から出力される光信号に後段の増幅ユニットを励起できる十分なパワーがあれば、(B)から(F)への励起光源4は不要となり、(B)には必要に応じて、励起光源4を設置すればよい。また、(A)から(C)の全ての増幅ユニットに励起光源4を接続することもできるなど、柔軟な励起方法が採れる。さらに、大出力な励起光源4を用意して、1つの励起光源4から、各波長多重光増幅ユニット30の励起ポート(例えば、光分岐部1aのポートP1)に接続してもよい。このイメージは、あたかも、ガスステーションにおいて、ガスステーションの大さなガソリンタンクから一度にたくさんの自動車のガソリンタンクにガソリンを分配するようなものである。
【0072】
また、波長多重光増幅装置25は、最前段〔図1に示す(A)と付された第4の波長多重光増幅基本ユニット35〕の1つのポートP1が制御されて補助励起光源4aからのレーザ光(補償光)が入力されるようになっているので、分配系によるレーザ光が全てのポートに等しく出力されるとともに、全ての分岐ポートにおける利得の波長特性の制御が可能となる。同様に、励起光パワーの大きさが各分配系で等しいので、1ポートのみを代表してモニタリングして、最前段に設置された励起光源4にフィードバック制御をかけて、利得の波長特性を制御すれば、全ポートにおける利得の波長特性を制御できるようになる。また、全ポートの利得が等しく変化するので、フィードバックを掛けるポートは1ポートで済む上、最前段の励起光源4から、各ポートの利得を一定に保つために励起光を変化させれば、簡易な構成で全ポートの利得を一定に保つことが可能となる。
【0073】
なお、波長多重光増幅ユニット30の構成を変化させることも可能である。
図5は、本発明の第1実施形態にかかる他の波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。この図5に示す波長多重光増幅ユニット30aは、第1の波長多重光増幅基本ユニット31と、第2の波長多重光増幅基本ユニット32と、第3の波長多重光増幅基本ユニット33との3つの基本ユニットをそなえるほか、第1の波長多重光増幅基本ユニット31の前段に光アイソレータ3,励起光源4とをそなえ、さらに、第2の波長多重光増幅基本ユニット32の出力側の2か所のポートP3,P4と、第3の波長多重光増幅基本ユニット33の出力側の2か所のポートP3,P4とに、それぞれ光アイソレータ3を設けて構成されている。また、光分岐部1bの入力ポートP1と、光分岐部1cの入力ポートP2とはそれぞれ、コネクタ5を介して、補助励起光源4aを接続できるようになっている。さらに、入力側の光アイソレータ3は、コネクタ5を介して、前段の波長多重光増幅ユニット30aと接続され、また、出力側の4か所の光アイソレータ3も、コネクタ5を介して、後段の波長多重光増幅ユニット30aと接続されている。なお、これらの部品は、上述したものと同一なものなので、更なる説明を省略する。そして、これらの4か所に光アイソレータ3が挿入されているため、反射に対する耐性がより高くなっている。また、このような構成により、上述した波長多重光増幅ユニット30と同様の動作をするほか、同様の効果を有する。
【0074】
さらに、この波長多重光増幅ユニット30が、光分岐部1aと光増幅部2a,2bとが相互に接続されている点に着目した場合は、増幅基本ユニットとして、次のようなユニットの組合せとみなすこともできる。図6は、本発明の第1実施形態にかかる他の波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。波長多重光増幅装置25において、光分岐部1aと光増幅部2a,2bとが相互に接続されている点に着目し、この波長多重光増幅基本ユニット30bによって、多段の波長多重光増幅ユニットを構成されていると見ることができる点が、利用されている。すなわち、この図6に示す波長多重光増幅基本ユニット30bは、光分岐部1a,光増幅部2a,2bをそなえるとともに、光分岐部1aの入力ポートP2側に、光アイソレータ3,励起光源4をそなえて構成されている。ここで
、光アイソレータ3は、設計の都合上省略することもある。また、光アイソレータ3の入力側と、光増幅部2a,2bの出力側とはそれぞれ、コネクタ5を介して、前後の波長多重光増幅基本ユニット30bと接続されている。そして、この図6に示す光分岐部1aは、1:1光カプラとして構成されており、光増幅部2a,2bは、光分岐部1aでの分岐損と同等の利得またはその分岐損より低い利得を有する光増幅部として構成されている。また、この波長多重光増幅基本ユニット30bにおける光分岐部1a,光増幅部2a,2b及び光分岐部・光増幅部接続部は、ガラス又は半導体製の光導波路で構成することもできる。なお、これらの以外の部品は、上述したものと同一なものなので、更なる説明を省略する。
【0075】
従って、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号をこれらの2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力する光分岐部1aと、この光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a,2bとからなる波長多重光増幅基本ユニット30bを複数そなえ、これらの波長多重光増幅基本ユニット30bが、その光分岐部1aにおける信号入力ポートP2を前段に位置する波長多重光増幅基本ユニット30bにおける光増幅部2a,2bの出力側に接続されるようにして、多段に接続されるとともに、励起光源4と、この励起光源4からの励起光と波長多重光信号とを合波する合波器9と、この合波器9と多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうちの最前段に配置される波長多重光増幅基本ユニット30bの信号入力ポートP2との間に介装される利得等化器13と、これら多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニット30bからの出力情報に基づいて多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bの利得制御を行なう利得制御手段11aとをそなえて構成されていることになる。
【0076】
このように、上記の第1の波長多重光増幅基本ユニット31〜第3の波長多重光増幅基本ユニット33からなる波長多重光増幅ユニット30ではなく、この波長多重光増幅基本ユニット30bが多段に連結されることにより、波長多重光増幅装置が構成されるとみることもできる。
さらに、多段に接続された場合は、図1で説明したものと同様に、上記の複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうちの少なくとも1つにおける他方の入力ポートP1に、補助励起光源4aが接続されたように構成することもでき、あるいは、信号入力ポートP2に、光アイソレータ3が接続されて構成することもできる。またこの場合、利得制御手段11aは、出力情報中の所望の波長光信号を選択する光フィルタ11と、この光フィルタ11で抽出された所望の波長光信号についてレーザ共振させるべく信号減衰させて、この減衰させた光信号を利得等化器13の入力側に供給する光減衰器(可変減衰器11b)とをそなえて構成することもでき、また、この光フィルタ11は、伝送に必要な所要の波長帯域外の波長光信号を選択するフィルタとして構成されている。
【0077】
なお、この波長多重光増幅基本ユニットが1段のみで波長多重光増幅装置を構成することもできる。
図7は、本発明の第1実施形態にかかる他の波長多重光増幅装置を示す図である。この図7に示す波長多重光増幅装置31aは、波長多重光増幅基本ユニット30bと、光フィードバックループ系34とをそなえて構成されている。ここで、この図7に示す破線のように、光フィードバックループ系34内の第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの出力光を直接、光フィードバックループ系34内の光分岐部1aに入力するような構成を考える。
【0078】
この図7に示す光フィードバックループ系34内の第4の波長多重光増幅基本ユニット35は、光分岐部1a,光増幅部2a,2bをそなえて構成されている。ここで、光分岐部1aは、1:1光カプラであり、光増幅部2a,2bは、この光分岐部1aでの分岐損と同等の利得またはその分岐損より低い利得を有する光増幅部である。さらに、光分岐部1a,光増幅部2a,2b及び光分岐部・光増幅部接続部はそれぞれ、ガラス又は半導体製の光導波路で構成することもできる。また、この第4の波長多重光増幅基本ユニット35における信号入力ポートP2には、光カプラ8,8′と、合波器9と、EDFA12とを介して、光アイソレータ3が接続され、他方の入力ポートP1には、補助励起光源4aが接続されている。
【0079】
一方、光フィードバックループ系34は、光分岐部1a,利得制御手段11a,光アイソレータ3,光カプラ8,LD10,光カプラ8′,励起光源4,合波器9,EDFA12,利得等化器13,補助励起光源4a,コネクタ5,第4の波長多重光増幅基本ユニット35をそなえて構成されている。また、利得制御手段11aは、出力情報中の所望の波長光信号を選択する光フィルタ11と、この光フィルタ11で抽出された所望の波長光信号についてレーザ共振させるべく信号減衰させてこの減衰させた光信号を利得等化器13の入力側に供給する光減衰器(可変減衰器11b)と、制御部11cをそなえて構成され、この光フィルタ11が、伝送に必要な所要の波長帯域外の波長光信号を選択するようになっている。なお、これら以外の部品は、上述したものと同一なものなので、更なる説明
を省略する。
【0080】
従って、この波長多重光増幅装置31aは、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を、これら2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力する光分岐部1aと、この光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a,2bとからなる第4の波長多重光増幅基本ユニット35をそなえ、励起光源4と、この励起光源4からの励起光と波長多重光信号とを合波する合波器9と、この合波器9と第4の波長多重光増幅基本ユニット35の信号入力ポートP2との間に介装される利得等化器13と、第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの出力情報に基づいてこの
第4の波長多重光増幅基本ユニット35の利得制御を行なう利得制御手段11a
とをそなえて構成されていることになる。
【0081】
そして、このような構成によって、この図7に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの光信号は、破線のように、直接、光フィードバックループ34内の光分岐部1aに入力されて、的確な制御が行なわれる一方、第4の波長多重光増幅基本ユニット35の光増幅部2bに、コネクタ5を介して、他の増幅ユニットが接続されてユーザを増設することができる。
【0082】
また、破線によらずに、この図7の第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの光信号が波長多重光増幅基本ユニット30bに入力される場合は、言うまでもなく、光信号は、(B)と付された波長多重光増幅基本ユニット30bにて2分配されてブロードキャストされるとともに、この波長多重光増幅基本ユニット30bからの出力光信号の情報がフィードバックされて、的確な波長多重光の出力制御がなされるようになる。また、コネクタ5を介して、分岐を増設することができるようになる。
【0083】
このようにして、第4の波長多重光増幅基本ユニット35のみによっても、光フィードバックループ系が構成されるので、簡易な設備として提供可能となる。また、ユーザは、波長多重光増幅装置31aを導入した後、この波長多重光増幅基本ユニット30bを新たに追加して購入することで、現在与えているサービスを中断せずに簡易に分岐数を拡張できるようになる。
(A1)本発明の第1実施形態の第1変形例の説明
図8は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。この図8に示す波長多重光増幅装置31bは、1つの光信号を32方向(内16分配を図示)へ分配する装置であって、光フィードバックによる制御を使用している。また、この図8に示す波長多重光増幅装置31bは、第1実施形態の場合と同様に、主に、光アド・アンド・ドロップの機能が必要な箇所にて使用されている。
【0084】
この図8に示す波長多重光増幅装置31bは、複数の波長多重光増幅ユニット30c〔図8の(A)〜(E)と付されたもの〕が複数、多段に接続された部分と、光フィードバックループ系34a(図8左側の部分)とから構成されている。そして、この波長多重光増幅ユニット30cは、第1の波長多重光増幅基本ユニット31,第2の波長多重光増幅基本ユニット32,第3の波長多重光増幅基本ユニット33をそなえて構成されている。
【0085】
この波長多重光増幅ユニット30cが上述の波長多重光増幅ユニット30と異なる点は、この波長多重光増幅ユニット30cの使用するコネクタが異なっている点であり、また、この光フィードバックループ系34aも、この図8に示す補助励起光源4aと、第4の波長多重光増幅基本ユニット35との間に、上述したものとは異なる形状のコネクタである、斜めコネクタ6a,6bが使用されている。この斜めコネクタ6a,6bは、そのコネクタ面において光の反射を起こさずに、無駄な光の増幅を防止できるものである。そして、上記複数の波長多重光増幅ユニット30cのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅ユニット30c〔図8にて(A),(B)と付されたもの〕について、その前段側の(A)と付された波長多重光増幅ユニット30cにおける上記第2の及び第3の波長多重光増幅基本ユニット32,33の各光増幅部2c,2d出力側と、その後段側の各波長多重光増幅ユニット30c〔(B)〜(E)と付されたもの〕における第1の波長多重光増幅基本ユニット31の信号入力ポートP2入力側との間が、それぞれ斜めコネクタ6a,6bを介して接続されている。また同様に、この図8に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光増幅部2bから出力される光信号は、光コネクタ6bを介して、図示を省略するが、やはり16分配されるようになっている。
【0086】
この図8に示すように、これらの波長多重光増幅ユニット30cは、その第1の波長多重光増幅基本ユニット31における光分岐部1aの信号入力ポートP1を前段に位置する波長多重光増幅ユニット30cにおける第2の波長多重光増幅基本ユニット32又は第3の波長多重光増幅基本ユニット33の光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に接続されるようにして、多段に接続されている。なお、これら以外のもので、上述したものと同一の番号を有するものは、同一のものあるいは、同様の機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
【0087】
図9は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。この図9に示す波長多重光増幅ユニット30cは、光分岐部1a,光増幅部2a,2bからなる第1の波長多重光増幅基本ユニット31と、光分岐部1b,光増幅部2c,2dからなる第2の波長多重光増幅基本ユニット32と、光分岐部1c,光増幅部2e,2fからなる第3の波長多重光増幅基本ユニット33との3つの基本ユニットをそなえるほか、第1の波長多重光増幅基本ユニット31の前段に光アイソレータ3,励起光源4とをそなえて構成されている。また、光分岐部1bの入力ポートP1と、光分岐部1cの入力ポートP2とにコネクタ5が設けられるとともに、光アイソレータ3の入力側にコネクタ6aが設けられ、さらに、光増幅部2c,2d,2e,2fの出力側
にそれぞれ、コネクタ6bが設けられている。
【0088】
このような構成によって、上述と同様の動作をするほか、斜めコネクタ6a,6bを介して接続させているので、コネクタ面における光の反射が起こらなくなって、無駄な光の増幅を防止できる利点がある。
なお、図8に示す複数の波長多重光増幅ユニット30cの代わりに、一組のユニットからなる波長多重光増幅基本ユニット30b(図6参照)を使用することもできる。すなわち、2つの波長多重光増幅基本ユニット30bについて、その前段側の波長多重光増幅基本ユニット30bにおける光増幅部2a,2bの出力側(図6参照)と、その後段側の波長多重光増幅基本ユニット30bにおける信号入力ポートP2入力側との間が、斜めコネクタ6a,6bを介して接続するようにもできる。
【0089】
次に、漏れ光信号を励起光源として、他の波長多重光増幅基本ユニット30cに、再度入力するようにもできる。
図16は、本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる他の波長多重光増幅装置を示す図であるが、この図16に示す波長多重光増幅装置31cは、図8に示す波長多重光増幅装置31bに、斜めコネクタ6b,6aを介して、励起光再入力部66が付加された形態となっている。
【0090】
この励起光再入力部66は、第4の波長多重光増幅基本ユニット35と、(A)と付された再前段に配置される波長多重光増幅ユニット30c(以下、波長多重光増幅ユニット30c(A)と表記することがある)とに介装されて、第4の波長多重光増幅基本ユニット35より出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力するものであって、波長多重光信号除去フィルタ11dと、光分岐部(1:1CPL)1aとをそなえて構成されている。
【0091】
この波長多重光信号除去フィルタ11dは、第4の波長多重光増幅基本ユニット35から出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するものである。
また、光分岐部1aは、波長多重光信号除去フィルタ11dに接続されるとともに、出力側が波長多重光増幅ユニット30c(A)における第2の波長多重光増幅基本ユニット32の信号入力ポートと第3の波長多重光増幅基本ユニット33の信号入力ポートとにそれぞれ接続され、波長多重光信号除去フィルタ11dにて抽出された励起光を波長多重光増幅ユニット30c(A)に入力するものであり、例えば1:1光カプラによりその機能が実現されるようになっている。
【0092】
これにより、第4の波長多重光増幅基本ユニット35より生じる大きな漏れ励起光が、斜めコネクタ6b,6aを介して、波長多重光信号除去フィルタ11dにて信号光が阻止される。そして、そのフィルタリングされた光信号は、2分岐され、この2分岐された光信号は、それぞれ、斜めコネクタ6b,6aを介して、波長多重光増幅ユニット30c(A)内の光分岐部1bの入力ポートP1と、光分岐部1cの入力ポートP2とに入力されるのである(図3参照)。
【0093】
従って、漏れ励起光が、再度使用されるので、やはり、効率的な増幅を行なえる。また、漏れ励起光が、多段に接続された波長多重光増幅ユニット30cの最上流に入力されるので、無駄な光増幅を防止できる。
さらに、励起光再入力部66が接続できるものは、波長多重光増幅装置31b(図8参照)のほか、図7に示す波長多重光増幅装置31aに接続することもできる。その場合は、波長多重光信号除去フィルタ11dが、第4の波長多重光増幅基本ユニット35から出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出し、また、光分岐部1cが、波長多重光信号除去フィルタ11dに接続されるとともに、出力側が波長多重光増幅ユニット35における他方の入力ポートに接続され、波長多重光信号除去フィルタ11dにて抽出された励起光を波長多重光増幅基本ユニット30bに入力するのである。
【0094】
なお、この他、図1,10,11及び図13にそれぞれ示す波長多重光増幅装置を用いることもできる。
これにより、漏れ励起光が、再度使用されるので、やはり、効率的な増幅を行なえる。
(A2)本発明の第1実施形態の第2変形例の説明
図10は、本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。この図10に示す波長多重光増幅装置31cは、1つの光信号を32方向(内16分配を図示)へ分配する装置であって、光フィードバックによる制御を使用しており、主に、光アド・アンド・ドロップの機能が必要な箇所にて使用されている。
【0095】
この図10に示す波長多重光増幅装置31cは、複数の波長多重光増幅ユニット30dを複数そなえ、多段に接続された部分と、光フィードバックループ系34bとから構成されている。この波長多重光増幅ユニット30dが上述の波長多重光増幅ユニット30と異なる点は、この波長多重光増幅ユニット30dの空きポートがすべて終端されている(terminated)点である。また、光フィードバックループ系34bは、光分岐部1a,利得制御手段11a,光アイソレータ3,光カプラ8,LD10,光カプラ8′,励起光源4,合波器9,EDFA12,利得等化器13をそなえるほか、第4の波長多重光増幅基本ユニット35bをそなえて構成されている。この第4の波長多重光増幅基本ユニット35bのポートP1は、ターミネータ14によって終端されており、この光フィードバックループ系34bには、補助励起光源4a(図1等参照)がなく、励起光源4が、最後段の波長多重光増幅ユニット30dを励起できる十分なパワーを有している。なお、これら以外で上述したものと同一の符号を有するものは、同一のものあるいは、同様の機能を有するものであるため、更なる説明を省略する。
【0096】
そして、これらの波長多重光増幅ユニット30dは、その第1の波長多重光増幅基本ユニット31における光分岐部1aの信号入力ポートP1を前段に位置する波長多重光増幅ユニット30cにおける第2の波長多重光増幅基本ユニット32又は第3の波長多重光増幅基本ユニット33の光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に接続されるようにして、多段に接続されている。また同様に、この図10に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35b内の光増幅部2bから出力される光信号は、図示を省略するが、やはり16分配されるようになっており、こうしてブロードキャスト機能が実現されるのである。
【0097】
また、このような構成によって、上述したものと同様の動作をするほか、同様の効果を有する。また、励起光源4の光パワーが等しく分配されるので、途中段の波長多重光増幅ユニット30dには励起光源4を設置する必要がなくなるという利点がある。
(B)本発明の第2実施形態の説明
フィードバックループ系の制御方法を第1実施形態のそれとは、異なる方法で行なうように構成することもできる。すなわち、光領域での制御をせずに、電気領域で制御をかけるようにすることも可能である。
【0098】
図11は、本発明の第2実施形態にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。この図11に示す波長多重光増幅装置41は、1つの光信号を32方向(内16分配を図示)へ分配する装置であって、光フィードバックによる制御を使用している。また、この図11に示す波長多重光増幅装置41は、主に、光アド・アンド・ドロップ装置として使用されるものである。
【0099】
この図11に示す波長多重光増幅装置41は、複数の波長多重光増幅ユニット30〔(B)〜(F)と付されたもの〕をそなえ、多段に接続された部分と、光フィードバックループ系42(図11左側の部分)とから構成されている。そして、これらの波長多重光増幅ユニット30が、その第1の波長多重光増幅基本ユニット31における光分岐部1aの信号入力ポートP1を前段に位置する波長多重光増幅ユニット30における第2の波長多重光増幅基本ユニット32又は第3の波長多重光増幅基本ユニット33の光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に接続されるようにして、多段に接続されている。従って、出力側の各コネクタ5から見ると、分岐と増幅が交互に行なわれているようになっている。また、これら以外で、上述したものと同一の符号を有するものは、上述したものと同一のもの、あるいは同一の機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。
【0100】
一方、この図11に示す、光フィードバックループ系42は、次のように構成されている。すなわち、この光フィードバックループ系42は、光分岐部1a,PD10aからなる出力モニタ系の部分と、利得制御手段15と、光アイソレータ3,光カプラ8,PD10からなる入力モニタ系の部分と、励起光源4,合波器9,EDFA12,利得等化器13,第4の波長多重光増幅基本ユニット35,補助励起光源4a,コネクタ5からなる光信号出力部とをそなえて構成されている。
【0101】
ここで、光分岐部1a,PD10a,光アイソレータ3,光カプラ8,PD10,励起光源4,合波器9,EDFA12,利得等化器13,第4の波長多重光増幅基本ユニット35,補助励起光源4a,コネクタ5はそれぞれ、上述したものと同一なもの又は同一な機能を有するものであるので、更なる説明を省略する。また、PD10aは、この光フィードバックループ系42に入力される光信号を光分岐部1aを介して、出力モニタする機能を有する。
【0102】
ここで、利得制御手段15は、上記の出力情報及びPD10での検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、この利得制御信号を利得等化器13の入力側に設けられた励起光源4へ供給して、励起光源4の励起状態を制御するものであって、制御部15aをそなえて構成されている。ここで、制御部15aは励起光源4の励起状態を電気信号を受けて、制御を行なうものである。
【0103】
図12は、本発明の第2実施形態にかかる利得制御手段15の一つの構成例を示す図である。この図12に示す回路は、入力モニタ用のPD10と、出力モニタ用のPD10aと、利得制御手段15から構成されている。そして、入力光信号は、この図12に示すPD10において検波されて、電気信号として、利得制御手段15内のアンプ60aに入力され、そしてこのアンプ60aにて増幅されてからViとして除算器63に入力される。また同様に、出力光信号は、この図12に示すPD10aにおいて検波されて、電気信号として、利得制御手段15内のアンプ60bに入力され、そしてこのアンプ60bにて増幅されてからVoとして除算器63に入力される。さらに、この除算器63にて、Vo/Viの演算がなされ、その演算結果に参照電圧Vrefを乗せた信号がアンプ64に反転入力されるようになっている。このアンプ64の出力においては、光出力が大きいとき(Vo/Viが1より大なとき)は、負の電圧が現れるので、トランジスタ64aに、そのベース電圧が小さくなるように入力される。従って、励起光源4の出力は小さくなる。逆の場合も同様である。すなわち、この除算器63にて、Vo/Viの演算がなされ、Vo/Viが1より小なときは、このアンプ64の出力においては、正の電圧が現れるので、トランジスタ64aに、そのベース電圧が大きくなるように入力される。従って、励起光源4の出力は大きくなる。
【0104】
これにより、図11に示す波長多重光増幅装置41の動作の流れは、次のようになる。すなわち、第4の波長多重光増幅基本ユニット35〔図11の(A)と付されたもの〕から出力される光信号は、波長多重光増幅ユニット30〔図11の(B)と付されたもの〕に入力されて、この波長多重光増幅ユニット30において、その信号は4分岐される。そして、これらの4分岐された光信号はそれぞれ、図11の(C)〜(F)と付された各波長多重光増幅ユニット30に入力されて、16分配されるようになっている。また同様にこの図11に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光増幅部2bから出力される光信号は、図示を省略するが、やはり16分配されるようになっている。
【0105】
また、(C)と付された波長多重光増幅ユニット30から出力される光信号は、光フィードバックループ系42の光分岐部1aに入力され、この光分岐部1aからの光信号は、PD10aにおいて、O/E変換されて、そのパワーが出力情報として、利得制御手段15に入力される。また一方、PD10において、その前段からの光パワーが検出されて、利得制御手段15に入力される。そして、この利得制御手段15において、出力情報と入力モニタでの検出結果とに基づいて利得制御信号が生成され、この利得制御信号が利得等化器13の入力側に設けられた励起光源4へ供給されて、励起光源4の励起状態が制御される。そして、合波器9において、前段からの光信号と、制御された励起光源4からの光信号とが、合波され、そして、この合波された光信号は、EDFA12において、光増幅
され、利得等化器13において、利得等化される。そしてこの利得等化器13から出力される光信号は、補助励起光源4aから出力される光信号と、第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光分岐部1aにおいて、カップリングされて、再び出力されるのである。なお、この図11に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光増幅部2bから出力される光信号は、図示を省略するが、やはり16分配されるようになっており、ブロードキャスト機能が実現されている。
【0106】
このような構成によって、第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの光信号は、所望の分配数にブロードキャストされるとともに、最前段の入力モニタ信号と最後段の出力情報とによって、フィードバック制御が行なわれるので、的確な波長多重光の出力制御ができるようになる。
すなわち、図11において、第4の波長多重光増幅基本ユニット35内の光分岐部1aに入力された18dBmの光信号は、光分岐部1aの出力にて15dBmになり、光増幅部2aにおいて3dBの利得を得て、光増幅部2aから18dBmの大きさで出力される。そして、この18dBmの光信号は、(B)と付された波長多重光増幅ユニット30内の第1の波長多重光増幅基本ユニット31において、この光信号は光分岐部1aで2分岐されて15dBmとなり、光増幅部2aにおいて3dBの利得を得て、光増幅部2aの出力においては、18dBmに戻る。さらに、この18dBmの光信号は、第2の波長多重光増幅基本ユニット32において、光分岐部1aで2分岐されて15dBmになるが、光増幅部2aにおいて3dBの利得を得て、18dBmにされてから、出力される。そして、(C)と付された波長多重光増幅ユニット30にて、同様の分岐・増幅が行なわれ、光信号が、光フィードバックループ系42に入力される。また、最後段から出力される光信号は、電気信号に変換されて、出力情報として、利得制御手段15にフィードバックされ、そして、この利得制御手段15からの制御信号が、入力側の励起光源4に加えられるので、適切な制御が行なわれるようになる。
【0107】
こうして、この波長多重光増幅装置41の中では、多くともその信号光パワーの最大値は18dBm(=63mW)程度となるので、波長多重された光信号をまとめて増幅する場合よりも大幅に小さくできるようになる。また、光分配系と増幅系とが分散して配置されているので、まとめて増幅する場合のような、信号光パワーの無駄な消失がなくなる利点がある。
【0108】
さらに、このように、光増幅部2a〜2fと光分岐部1a〜1cとが交互に接続されるため、反射に対して耐性があり、光アイソレータ3で各光増幅部2a〜2fを挟む必要がなくなり、光増幅器と分配系とを含んだ系の過剰損を小さくできる利点がある。このことから、光アイソレータがなくても、R1・R2・G2<<1の安定条件が満たされて、安定な動作が可能となる。
【0109】
またさらに、この波長多重光増幅装置41は、分配系の空きポート(光分岐部1a〜1cの2入力ポートのうちの1ポート)を利用しているので、励起光と信号光とを合波する合波器9を不要にできたり、または、その所要数を削減できるといった利点がある。
その上、この波長多重光増幅装置41は、インサービスでの増設性がある。すなわち、本波長多重光増幅装置41が導入された後に、ユーザの要望に応じて分岐をすることが非常に簡単に行なえて、また、現在与えているサービスを中断せずに、簡易に分岐数を拡張できるようになる。これによって、サービスの向上につながるようになる。
【0110】
また、例えば(A)が、後段の波長多重光増幅ユニット30を励起できる十分なパワーがあれば、(B)から(F)への励起光源4は不要となり、(B)には必要に応じて、励起光源4を設置すればよく、(B)から(F)の全ての波長多重光増幅ユニット30に励起光源4を接続することもできるなど、柔軟な励起方法が採れる。さらに、大出力な励起光源4を用意して、1つの励起光源4から、各波長多重光増幅ユニット30の励起ポートに接続してもよい。
【0111】
そして、この波長多重光増幅装置41は、その各要素内の光部品が、同一特性を有する光増幅部(EDFA)2a〜2f,光カプラ1a〜1c,光スイッチ,励起光源4、光アイソレータ3で構成されているため、量産に適しており、優れた拡張性を有する。例えば、図11で(A)を除く、(B)から(F)は全く同一であり量産化が可能となる。
また、図11に示す波長多重光増幅ユニット30の代わりに、図6に示した波長多重光増幅基本ユニット30bによって構成されているとみなすことも可能である。すなわち、この波長多重光増幅装置41は、波長多重光増幅基本ユニット30bを複数そなえ、多段に接続された部分と、光フィードバックループ系42とから構成されている。
【0112】
そして、これらの波長多重光増幅基本ユニット30bは、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号をこれらの2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力する光分岐部1aと、この光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a,2bとからなる。これらの波長多重光増幅基本ユニット30bは、その光分岐部1aにおける信号入力ポートP2を前段に位置する波長多重光増幅基本ユニット30bにおける光増幅部2a,2bの出力側に接続されるようにして、多段に接続されていることになる。
【0113】
また、光フィードバックループ系42は、励起光源4と、この励起光源4からの励起光と波長多重光信号とを合波する合波器9と、この合波器9と多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうちの最前段に配置される波長多重光増幅基本ユニット30b〔(A)と付されたもの〕の信号入力ポートP2との間に介装される利得等化器13と、これら多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニット30bからの出力情報に基づいて、多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bの利得制御を行なう利得制御手段15とをそなえて構成されている。
【0114】
さらに、多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうちの最前段に配置される波長多重光増幅基本ユニット30bへの入力を検出する入力モニタ(PD10)をそなえ、利得制御手段15が、出力情報及び入力モニタ(PD10)での検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、利得制御信号を利得等化器13の入力側に設けられた励起光源4へ供給して、この励起光源4の励起状態を制御する制御部15aをそなえて構成されている。
【0115】
なお、上記の第1実施形態で図7を用いて説明したものと同様に、波長多重光増幅ユニットを1段だけにした構成にすることも可能である。
図13は、本発明の第2実施形態にかかる他の波長多重光増幅装置を示す図である。この図13に示す波長多重光増幅装置41aは、波長多重光増幅基本ユニット30bと、光フィードバックループ系42とをそなえて構成されている。ここで、この図13に示す破線のように、光フィードバックループ系42内の第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの出力光を直接、光フィードバックループ系42内の光分岐部1aに入力するような構成を考える。
【0116】
この図13に示す光フィードバックループ系42内の第4の波長多重光増幅基本ユニット35は、1:1光カプラとして構成された光分岐部1aと、光分岐部1aでの分岐損と同等の利得またはその分岐損より低い利得を有する光増幅部2a,2bとをそなえるほか、入力ポートP1に、補助励起光源4aが接続され、信号入力ポートP2に、光カプラ8と、合波器9と、EDFA12と、利得等化器13とを介して、光アイソレータ3が接続されて構成されている。なお、この第4の波長多重光増幅基本ユニット35における光分岐部1a,光増幅部2a,2b及び光分岐部・光増幅部接続部は、ガラス又は半導体製の光導波路で構成することもできる。
【0117】
さらに、光フィードバックループ系42は、光分岐部1a,PD10a,利得制御手段15,PD10,光アイソレータ3,光カプラ8,励起光源4,合波器9,EDFA12,利得等化器13,補助励起光源4a,コネクタ5,第4の波長多重光増幅基本ユニット35をそなえて構成されている。これらは、上述したものと同一なものなので、更なる説明を省略する。そして、PD10において、第4の波長多重光増幅基本ユニット35への入力が検出され、PD10aにおいて、出力光パワーが検出されて、出力情報として出力される。さらに、利得制御手段15内の制御部15aにおいて、これらの検出結果及び出力情報に基づいて利得制御信号が生成され、この利得制御信号が利得等化器13の入力側に設けられた励起光源4へ供給され、この励起光源4の励起状態が制御されるようになっている。
【0118】
従って、この波長多重光増幅装置41aは、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を、これら2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部1aと、この光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a,2bとからなる第4の波長多重光増幅基本ユニット35をそなえ、励起光源4と、この励起光源4からの励起光と波長多重光信号とを合波する合波器9と、この合波器9と第4の波長多重光増幅基本ユニット35の信号入力ポートP2との間に介装される利得等化器13と、第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの出力情報に基づいてこの第4の波
長多重光増幅基本ユニット35の利得制御を行なう利得制御手段15aとをそなえて構成されていることになる。
【0119】
そして、このような構成によって、この図13に示す第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの光信号は、破線のように、直接、光フィードバックループ42内の光分岐部1aに入力されて、的確な制御が行なわれる一方、第4の波長多重光増幅基本ユニット35の光増幅部2bに、コネクタ5を介して、他の増幅ユニットが接続されてユーザを増設することができる。
【0120】
また、破線によらずに、この図13の第4の波長多重光増幅基本ユニット35からの光信号が波長多重光増幅基本ユニット30bに入力される場合は、言うまでもなく、光信号は、(B)と付された波長多重光増幅基本ユニット30bにて2分配されてブロードキャストされるとともに、この波長多重光増幅基本ユニット30bからの出力光信号は、O/E変換されて出力情報として、フィードバックされて、的確な波長多重光の出力制御がなされるようになる。また、コネクタ5を介して、分岐を増設することができるようになる。
【0121】
このようにして、第4の波長多重光増幅基本ユニット35のみによっても、光フィードバックループ系が構成されるので、簡易な設備として提供可能となる。また、ユーザは、波長多重光増幅装置41aを導入した後、この波長多重光増幅基本ユニット30bを新たに追加して購入することで、現在与えているサービスを中断せずに簡易に分岐数を拡張できるようになる。
(C)その他
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、様々な用途に応用させることが可能である。
【0122】
上述した、可変減衰器11bの代わりに、半固定光減衰器を用いてもよい。
また、第2実施形態において、コネクタ5をコネクタ6a,6bを用いて、実
施することも可能である。
さらに、このブロードキャスト機能により、光加入者系などの分配系に応用することが可能となる。
【0123】
図14は、本発明を適用される光クロスコネクト装置の概略ブロックを示す図である。この図14に示す光クロスコネクト装置50は、並列スーパーコンピュータやATMコアスイッチ等に使用される大容量光スイッチであって、波長多重信号を分配するブロードキャスト部51と、波長多重信号の一括切り換えを行ない、所望の波長を選択する空間スイッチ・波長セレクタ部52とをそなえて構成されている。そして、これらのブロードキャスト部51若しくは空間スイッチ・波長セレクタ部52における波長多重信号分配機能に、本発明の波長多重光増幅装置(図1参照)を適用することが可能である。
【0124】
すなわち、光クロスコネクト装置50におけるm×nのマトリックス光スイッチ(スイッチング)に使用される波長多重光増幅装置であって、この波長多重光増幅装置31が、波長多重光増幅基本ユニット30bを複数そなえて構成されている。ここで、m,nは自然数を表し、この場合それぞれ、256である。また、この波長多重光増幅基本ユニット30bは、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力する光分岐部1a,1bと、光分岐部1a,1bの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a〜2fとから構成されている。
【0125】
そして、これらの波長多重光増幅基本ユニット30bが、その光分岐部1aにおける信号入力ポートP2を前段に位置する波長多重光増幅基本ユニット30bにおける光増幅部2a,2cの出力側に接続されるようにして、多段に接続されるとともに、且つ、上記複数の波長多重光増幅基本ユニット30bのうち最前段に位置する波長多重光増幅基本ユニット35の光分岐部1aの他方の入力ポートP1に接続された励起光源4をそなえている。
【0126】
このようにして、光加入者系などの分配系に用いることができ、簡易でかつインサービスでの増設性を利用できるようになる。
また、上記の第1実施形態において、本波長多重光増幅装置が分岐ポートに適用される例を説明したが(図2参照)、さらに、別個の部材を用いることによって、本波長多重光増幅装置を適用される、光アド・アンド・ドロップ装置を構成することができる。
【0127】
図15は、本発明を適用される光アド・アンド・ドロップ装置(光ADM装置:Optical Add-Drop Multiplexer) の概略ブロックを示す図である。この図15に示す、波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置53は、波長多重信号から任意の波長の光信号をドロップし、又、任意の波長の光信号をアドするものであって、光フィードバックループ系34(同図左側の部分)と、(B),(C),(D),(E),(F)と付された5種類の波長多重光増幅ユニット30からなる第1ブロードキャストユニット54aと、(G),(H),(I)と付された3種類の第2ブロードキャストユニット54bと、光キャリア信号出力部56と、選択部55とをそなえて構成されている。ここで、第1ブロードキャストユニット54aのユーザ数は16であり、第2ブロードキャストユニット54bのドロップ数は8である。
【0128】
そして、この図15の左側から、例えば64波長多重(ch1〜ch64)された光信号は、そのch1〜ch32が第2ブロードキャストユニット54bにて、最大16ユーザに対してドロップされ、また、別のch65〜ch96が光キャリア信号出力部56からアドされて、64波長多重(ch33〜ch96)された光信号がこの図15の右側に向かって、伝送されるようになっている。
【0129】
この図15に示す光フィードバックループ系34は、X種類(Xは2以上の自然数)の波長の光信号からなる波長多重光信号を分配する(ブロードキャストする)初段ユニット65を有する。
また、第1ブロードキャストユニット54aは、この初段ユニット65の出力側に接続されて、初段ユニット65から出力される波長多重光信号をブロードキャストするものであり、第2ブロードキャストユニット54bは、この初段ユニット65の出力側に接続されて、初段ユニット65から出力される波長多重光信号をブロードキャストして光信号をドロップするものである。さらに、光キャリア信号出力部56は、光キャリア信号を出力して光信号をアドするものであり、選択部55は、第1ブロードキャストユニット54aの出力側および光キャリア信号出力部56の出力側にそれぞれ接続されて、第1ブロードキャストユニット54aからの波長多重光信号と光キャリア信号出力部56からの光キャリア信号とを選択的に出力するものである。
【0130】
そして、上記の初段ユニット65は、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、X種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を2つの入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートP2から入力されることにより、波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートP3,P4から出力し、かつ、他方の信号入力ポートP1に補助励起光源4a(又は励起光源4)が接続された光分岐部1aと、この光分岐部1aの2つの出力ポートP3,P4のそれぞれに接続された光増幅部2a,2bとを有する初段波長多重光増幅基本ユニット75として構成されている。従って、初段ユニット65は、この初段波長多重光増幅基本ユニット75のうちの、特別な例であることを意味する。
【0131】
また、第1ブロードキャストユニット54aは、5種類〔(B),(C),(D),(E),(F)と付されたもの〕の波長多重光増幅基本ユニット30を有し、この波長多重光増幅基本ユニット30内では、光分岐部1a,光増幅部2a,光分岐部1b,光増幅部2c,…のように、光分岐部と光増幅部とが相互に接続されている。従って、第1ブロードキャストユニット54aは、初段波長多重光増幅基本ユニット75と同じ構成の合波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの合波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部1aにおける信号入力ポート1aを前段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力側2c(2d,2e,2f)に接続されるべく、多段に接続されるように構成されていることになる。また、この第1ブロードキャストユニット54aは、上記複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部1aの一方の入力ポートP2に、初段波長多重光増幅基本ユニット75における一方の光増幅部2aの出力ポートに接続されるように構成されている。なお、この例では、ユーザ数は16であるが、波長多重光増幅ユニット30をさらに、増設することにより、多くのユーザをインサービスで収容することが可能となる。
【0132】
一方、第2ブロードキャストユニット54bは、3種類〔(G),(H),(I)と付されたもの〕の波長多重光増幅基本ユニット30を有し、8ユーザを収容することができ、さらに、あと2個の波長多重光増幅基本ユニット30を追加接続して最大16ユーザまで拡張できるようになっている。また、第1ブロードキャストユニット54aと同様に、(G),(H),(I)と付された各波長多重光増幅基本ユニット30では、光分岐部1a,光増幅部2a,光分岐部1b,光増幅部2c,…のように、光分岐部と光増幅部とが相互に接続されており、従って、この第2ブロードキャストユニット54bは、初段波長多重光増幅基本ユニット75と同じ構成の分波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの分波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部1aにおける信号入力ポートP2を前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に接続されるべく、多段に接続されるように構成されていることになる。さらに、第2ブロードキャストユニット54bは、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部1aの一方の入力ポートP2に、初段波長多重光増幅基本ユニット75における他方の光増幅部2bの出力ポートが接続されるように構成され、且つ、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に所定の波長の光信号を選択して出力する複数のドロップ用光フィルタ23′をそなえている。
【0133】
加えて、この図15に示す光キャリア信号出力部56は、所定の波長を有する光キャリア信号を出力するものであり、この機能は、光E/O変換器56aによって発揮される。なお、通過させる光信号の波長と同じ波長の光信号が出力されないように、光E/O変換器56aから、制御されている。
また、選択部55は、Y個の光スイッチ(スイッチ部)55aと、Y個のカップリング部55bと、多重部55cと、アンプ55eとをそなえて構成されている。このYは2以上の自然数である。これらのY個の光スイッチ55aは、第1ブロードキャストユニット54aの最後段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側にそれぞれ接続されて波長多重光信号の通過/遮断の切り換えを行なうものである。また、Y個のカップリング部55bは、これらの光スイッチ55aの波長多重光信号ラインと光キャリア信号出力部56からの光キャリア信号ラインとのカップリングを行なうものであり、例えば光カプラによってこの機能は発揮される。そして、このカップリング部55bにおいて、2方向から出力される光信号がカップリングされるようになっている。さらに、多重部55cは、各カップリング部55bからのY種類の光信号から一波のみ選択して出力するものであり、AWGによりこの機能は発揮される。そして、このAWGの入力されるポート番号によって、波長多重された光信号のうちの一波が選択されて、各ポート毎に異なる波長の光信号が多重されて出力されるようになっている。アンプ55eは、波長多重光信号の増幅を行なうものである。そして、Y個の光スイッチ55aが、第1ブロードキャストユニット54aからのY種類の波長多重光信号を通過させて多重部55cから出力するか、又は、光キャリア信号出力部56からのY種類の光キャリア信号を多重部55cから出力するかを選択的に切り換えるようになっている。
【0134】
なお、波長多重光増幅ユニット30及び光フィードバックループ系34は、上述したものと同じものであるので、更なる説明を省略する。
これにより、この図15に示す波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置53における光信号の流れは、次のようになる。すなわち、この図15の左側からの波長多重光信号は、光フィードバックループ系34内のコネクタ5,アイソレータ3,光カプラ8,8′,合波器9,EDFA12,利得等化器13を介して、初段ユニット65に入力される。そして、この初段ユニット65にて、光増幅器2aの出力が、第1ブロードキャストユニット54aに入力されて、64波長多重(ch1〜ch64)光信号が、ブロードキャストされる。
【0135】
また一方、初段ユニット65の光増幅器2bの出力が、第2ブロードキャストユニット54bに入力されて、64波長多重(ch1〜ch64)光信号が、ブロードキャストされ、そして、この第2ブロードキャストユニット54b内の最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部2c(2d,2e,2f)のそれぞれの出力ポートにこの64波長多重(ch1〜ch64)波長多重光信号が現れる。さらに、この64波長多重(ch1〜ch64)波長多重光信号は、ドロップ用光フィルタ23′において、所望の波長を有する光信号が取り出され、ここにドロップ機能がなされるのである。従って、この第2ブロードキャストユニット54bのドロップ機能は、図2の光カプラ20b,分岐部21が協働して発揮するドロップ機能と同等であり、また、ドロップ用光フ
ィルタ23′(図15参照)は、図2のチューナブルフィルタ23に相当している。なお、このドロップ用光フィルタ23′は、波長固定の光フィルタを用いてもよい。
【0136】
そして、図15における多重部55においては、光キャリア信号出力部56からの光キャリア信号と、第1ブロードキャストユニット54aからの波長多重光信号とが入力され、光スイッチ55aがONのときは、第1ブロードキャストユニット54aからの波長多重信号がスルーされて(以下、通過されるという意味で用いる)、Y種類の光信号がカップリング部55bに入力され、多重部55cにおいて、第1ポートでλ1〜λ16のうちλ1の光信号が選択され、また第2ポートでλ1〜λ16のうちλ2の光信号が選択され、同様に第16ポートでλ1〜λ16のうちλ16の光信号が選択される。そして、各λ1〜λ16の出力は再度多重されて出力され、アンプ55eにおいて、増幅されてから図15の右側から出力される。なお、このYは、入力のX以下の自然数である。逆に、光スイッチ55aがOFFのときは、第1ブロードキャストユニット54aからの波長多重信号は遮断されて、カップリング部55bに、光キャリア信号出力部56からの光キャリア信号が入力され、多重部55cにおいて、これらの光キャリア信号が多重出力され、アンプ55eにおいて、波長多重光信号は増幅されてから、図15の右側から出力される。
【0137】
このような構成によって、この波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置53内の第2ブロードキャストユニット54bにてドロップが行なわれる一方、多重部55cにてアドが行なわれるので、同一の波長多重光増幅ユニット30を用いて、アド及びドロップ機能が発揮される。そして、これにより、本波長多重増幅装置の特長を活かして、光ネットワークが柔軟に増設又は拡張されることができる利点がある。
【0138】
さらに、光アド・アンド・ドロップ装置は、別の態様をとることもできる。
光アド・アンド・ドロップ装置を実現する際に、技術的に困難な点は、その装置でドロップした波長に信号光をアドすることである。すなわち、光アド・アンド・ドロップ装置を実現するためには、その装置にて、例えば0.4nm(n:ナノ、10の−9乗を表す)間隔のような非常に狭い間隔で並んだ波長多重信号光から、所望の波長が十分に除去され、また、その波長に別の信号が新たに加えられなければならない。
【0139】
この場合の技術的に解決困難な点又は課題は、次の(1),(2)のようになる。
(1)波長ドロップが、他の波長の信号に影響を与えないで、特定の波長を除去すること。
(2)新たにその波長に信号光を追加する場合に、追加する波長と除去されずに残った信号光との間で、コヒーレンスクロストーク(相互変調歪み)が生じること。
【0140】
このため、電気領域のアド・アンド・ドロップ装置を用いることによって、これらの困難に立ち向かって開発を進めるのも一方策であり、また、この方策は、波長スロット(又は、帯域)の有効利用を図ることができる。その一方、この方策は、光領域でアド・アンド・ドロップを行なうことに関して、得手及び不得手を考慮していない。
図17は、本発明を適用される他の光アド・アンド・ドロップ装置のブロック図であり、この図17に示す光アド・アンド・ドロップ装置53aは、上記の得手及び不得手を考慮し、また、容易に光アド・アンド・ドロップ機能を実現し得るものである。この図17に示す光アド・アンド・ドロップ装置53aは、光フィードバックループ系42aと、初段ユニット65aと、第1ブロードキャストユニット54dと、追加信号出力部68と、伝送出力部69とをそなえて構成されている。
【0141】
ここで、初段ユニット65aは、2つの入力ポートP1,P2と2つの出力ポートP3,P4とを有し、X種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を入力ポートP1,P2のうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、第1の波長多重光信号をそれぞれ出力ポートP3,P4から出力するようになっている。
そして、初段ユニット65aは、X種類の波長の光信号からなる第1の波長多重光信号を分配(ブロードキャスト)するものであって、光分岐部1a,光増幅部2a,2bをそれぞれ有し、初段波長多重光増幅基本ユニットとして機能している。この光分岐部1aは、その信号入力ポート(入力ポートP1)に励起光源4aが接続されており、その出力ポートP3,P4のそれぞれが光増幅部2a,2bに接続されている。
【0142】
加えて、光フィードバックループ系42aは、上述したものと同様なものをそなえるほか、第1分散補償部(DC:Dispersion Compensator)67aを有する。この第1分散補償部67aは、EDFA(増幅部)12と初段ユニット65における光分岐部1aの信号入力ポートとに接続されている。また、光信号を増幅して増幅光信号を出力するEDFA(増幅部)12が、この第1分散補償部67aの入力側に設けられており、第1分散補償部67aは、増幅光信号の分散を補償しこの分散補償した補償光信号を光分岐部1aの信号入力ポートに入力するようになっている。
【0143】
また、第1ブロードキャストユニット54dは、初段ユニット65aの出力側に接続されて、初段ユニット65aから出力される第1の波長多重光信号をブロードキャストするものであって、初段波長多重光増幅基本ユニット75aと同じ構成の分波用波長多重光増幅基本ユニット30を、(B),(C),(D),(E),(F)と付したように、5種類そなえている。そして、これらの分波用波長多重光増幅基本ユニット30は、それぞれ、その光分岐部1a(1b,1c)における信号入力ポート(入力ポートP1,P2)を前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニット30における光増幅部2a(2b,2c)の出力側に接続され、多段に接続されるようになっている。
【0144】
さらに、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニット30のうち(B)と付した最前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニット30における光分岐部1aの一方の入力ポートP1に、初段波長多重光増幅基本ユニット75aにおける光増幅部1aの出力ポートP3が接続されている。また、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニット30のうち(C),(D),(E),(F)と付した最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニット30における光増幅部2c(2d,2e,2f)の出力側に所定の波長の光信号を選択して出力する複数のドロップ用光フィルタ23aをそなえて構成されている。また、これらの複数のドロップ用光フィルタ23aは、それぞれ、ドロップする波長を可変に設定できるようになっている。なお、複数のドロップ用光フィルタ23aは、固定波長のフィルタを用いることもできる。
【0145】
これにより、この第1ブロードキャストユニット54dは、波長ドロップ用(ドロップ部)として、複数の波長多重光信号のコピーを生成し、このコピーされた波長多重光信号を用いるので、光アド・アンド・ドロップ装置53aは、他の波長への影響を考慮せずに、単に所定の波長の抽出処理に専念できるようになる。
また、この光アド・アンド・ドロップ装置53aの構成は、ドロップした波長に、更にアドすることを行なっておらず、波長スロット(又は、帯域)の有効利用を行なっていない。この理由は、光装置は、そのようなことを行なわなくとも十分な程度(例えば、128波、240波)の波長スロットの実現が可能だからである。
【0146】
さらに、追加信号出力部68は、複数の光キャリア信号を合波して第2の波長多重光信号を出力するものであって、複数の光キャリア信号発生部(E/O)56aと、光増幅器20aと、光バンドパスフィルタ68aと、多重部(WDM)55cとをそなえて構成されている。
ここで、複数の光キャリア信号発生部56aは、それぞれ、複数の光キャリア信号を出力するものである。また、光増幅器20aは、それら複数の光キャリア信号を増幅して出力するものである。光バンドパスフィルタ68aは、複数の光キャリア信号発生部56aのそれぞれに接続されて、光増幅器20aから出力された光キャリア信号をフィルタリングするものである。なお、これらの光増幅器20aと光バンドパスフィルタ68aとは、それぞれ、信号増幅用として設けられたものであるので、信号パワーが十分な場合は、設置は不要である。
【0147】
さらに、多重部55cは、複数の光キャリア信号発生部56a側に接続されて、複数の光キャリア信号出力部56aからの複数の光キャリア信号を合波して第2の波長多重光信号を出力するものであって、例えば導波路型回折格子(AWG)が用いられている。
そして、伝送出力部69は、初段ユニット65aの出力側と追加信号出力部68の出力側とに接続されて、初段ユニット65aからの第1の波長多重光信号と追加信号出力部68からの第2の波長多重光信号とのカップリングを行なうものであって、カップリング部(CPL)55bと、アンプ55eと、第2分散補償部67bとをそなえて構成されている。ここで、カップリング部55bは、初段ユニット65aと追加信号出力部68とに接続されて、初段ユニット65からの第1の波長多重光信号と追加信号出力部68からの第2の波長多重光信号とをカップリングして第3の波長多重光信号を出力するものである。さらに、アンプ55eは、カップリング部55bからの第3の波長多重光信号を増幅してその増幅された第3の波長多重光信号を出力するものであり、波長多重光信号を増幅するものである。加えて、第2分散補償部(DC)67bは、伝送出力部69の光増幅器55eに接続されて、増幅された第3の波長多重光信号の分散を補償しこの分散補償した補償光信号を出力するものである。
【0148】
そして、このような構成によって、アド・ドロップ処理が行なわれる。ここで、波長数に関しては、例えば、入力波長数は、32波とする。また、その32波の内、1波から28波が、それぞれ、ドロップ用とスルー用とに割り当てられ、29波から32波が、それぞれ、アド用に割り当てられるものとする。
まず、図17の左側から波長多重光信号(λ1〜λ32)が入力され、初段ユニット65aにて増幅された後、第1の波長多重光信号(λ1〜λ28)が、ドロップ用の第1ブロードキャストユニット54dに入力されるとともに、波長多重光信号(λ1〜λ28)が、スルー用の伝送出力部69とにそれぞれ、入力される。
【0149】
そして、第1ブロードキャストユニット54dにて、波長ドロップ用に、複数の波長多重信号のコピーが作成され、ドロップ用光フィルタ23aから、所望の波長(λ1〜λ28)がドロップされる。ここで、図15に示すものとは異なり、ドロップされた波長に対しては、アド処理がなされない。
一方、アドされる第2の波長多重光信号(λ29〜λ32)は、追加信号出力部68から伝送出力部69に入力される。そして、伝送出力部69内のカップリング部55bにて、第1の波長多重光信号(λ1〜λ28)と追加信号出力部68からの第2の波長多重光信号(λ29〜λ32)とがカップリングされ、第3の波長多重光信号(λ1〜λ32)が出力され、光増幅器55eにて増幅されてから、次の中継点に対して出力される。
【0150】
このように、光アド・アンド・ドロップ装置53aにて、所定波長がドロップされて信号光がアドされる際に、非常に狭い間隔で並んだ波長多重信号光から、所望の波長が十分に除去又はドロップされ、また、その波長に別の信号が新たに加えられて伝送されるので、アド・アンド・ドロップ機能を発揮できる。
従って、次の2点を実現できるようになる。すなわち、(1)コピーされた波長多重信号が用いられるので、他の波長への影響を考慮せずに、所望の波長をドロップできる。(2)新たにその波長に信号光を追加する場合でも、追加する特定波長の信号光と、除去されずに残った信号光との間で、コヒーレンスクロストークが生じない。
【0151】
また、このようにして、波長多重信号のコピーが作成されるので、多くの末端ユーザに対して、サービスを提供することができる。
なお、この方法は、64波、128波、240波の場合でも用いることができ、ドロップする波長数及びアドする波長数については、種々変更できる。例えば、128波の場合は、このうち1波から96波をドロップ用又はスルー用に割り当て、97波から128波をアド用に割り当てるようにする。
【0152】
なお、上述したもののほか、波長によって、光信号を分配するような、その他の用途にも応用することができる。さらに、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができるのは、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。
【図2】光アド・アンド・ドロップ装置の原理ブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる光分岐部の構成を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる他の波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる他の波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかる他の波長多重光増幅装置を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。
【図9】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる波長多重光増幅ユニットのブロック構成を示す図である。
【図10】本発明の第1実施形態の第2変形例にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態にかかる波長多重光増幅装置を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる利得制御手段の一つの構成例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる他の波長多重光増幅装置を示す図である。
【図14】本発明を適用される光クロスコネクト装置の概略ブロックを示す図である。
【図15】本発明を適用される光アド・アンド・ドロップ装置の概略ブロックを示す図である。
【図16】本発明の第1実施形態の第1変形例にかかる他の波長多重光増幅装置を示す図である。
【図17】本発明を適用される他の光アド・アンド・ドロップ装置のブロック図である。
【図18】光アド・アンド・ドロップ多重装置の構成の一例を示す図である。
【図19】従来のファイバカプラの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0154】
1a,1b,1c 光分岐部
2a〜2f 光増幅部
3 光アイソレータ
4 励起光源
4a 補助励起光源
5 コネクタ
6a,6b 斜めコネクタ
8,8′ 光カプラ
9 合波器
10,10a,22e PD
11 光フィルタ
11a 利得制御手段
11b 可変減衰器
11c 制御部
11d 波長多重光信号除去フィルタ
12 EDFA
13 利得等化器
14 ターミネータ
15 利得制御手段
15a 制御部
20 光アド・アンド・ドロップ装置
20a,20c 光増幅器
20b,20b′,21b 光カプラ
21 分岐部
21a,22a EDF光増幅器
22 合流部
22b 合波部
22c 1波用光アンプ
22d チューナブルレーザ
23 チューナブルフィルタ
23′,23a ドロップ用光フィルタ
30,30a,30c,30d 波長多重光増幅ユニット
30b 波長多重光増幅基本ユニット
25,31a,31b,31c,41,41a,41b 波長多重光増幅装

31 第1の波長多重光増幅基本ユニット
32 第2の波長多重光増幅基本ユニット
33 第3の波長多重光増幅基本ユニット
34,34a,34b,42,42a 光フィードバックループ系
35,35b 第4の波長多重光増幅基本ユニット
50 光クロスコネクト装置
51 ブロードキャスト部
52 空間スイッチ・波長セレクタ部
53,53a 光アド・アンド・ドロップ装置
54a,54c,54d 第1ブロードキャストユニット
54b 第2ブロードキャストユニット
55 選択部
55a 光スイッチ
55b カップリング部
55c 多重部
55e,60a,60b,64 アンプ
56 光キャリア信号出力部
56a 光E/O変換器
63 除算器
64a トランジスタ
65,65a 初段ユニット
66 励起光再入力部
67 分散補償器
68 追加信号出力部
68a 光バンドパスフィルタ
69 伝送出力部
75 初段波長多重光増幅基本ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる第1の波長多重光増幅基本ユニットと、
該第1の波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成であって、第1の波長多重光増幅基本ユニットの一方の光増幅部の出力に、その信号入力ポートの入力が接続された第2の波長多重光増幅基本ユニットと、
該第1の波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成であって、該第1の波長多重光増幅基本ユニットの他方の光増幅部の出力に、その信号入力ポートの入力が接続された第3の波長多重光増幅基本ユニットと、からなり、該第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートから入力された該波長多重光信号を、該第2および第3の波長多重光増幅基本ユニットにおける各2つの光増幅部を通じて4つに分配出力する波長多重光増幅ユニットを複数そなえ、
これらの波長多重光増幅ユニットが、その第1の波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅ユニットにおける第2の波長多重光増幅基本ユニット又は第3の波長多重光増幅基本ユニットの光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅ユニットが、1つ又は2つの波長多重光増幅ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続され、
更に、
該第1の波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の第4の波長多重光増幅基本ユニットが該ツリー接続をなすルートとなる波長多重増幅ユニットの入力側にそなえられ、該ツリ
ー接続をなすルートとなる波長多重増幅ユニットにおける該第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに、当該第4の波長多重光増幅基本ユニットの一方の光増幅部の出力が接続されるように構成され、
かつ、
該第4の波長多重光増幅基本ユニットの上流側にそなえられ、該複数の波長多重光増幅ユニットをなす第1〜第4の波長多重光増幅基本ユニットの光増幅部への該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該第4の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と該第4の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅ユニットの利得制御を行なう利得制御手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、波長多重光増幅装置。
【請求項2】
2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、
これらの波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅基本ユニットが、1つの波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続されるとともに、
該ルートとなる波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、波長多重光増幅装置。
【請求項3】
2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットをそなえ、
更に、
該波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と該波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段とをそなえて構成されたことを特徴とする、波長多重光増幅装置。
【請求項4】
上記波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部が、1:1光カプラとして構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項5】
上記波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部が、該光分岐部での分岐損と同等の利得または該分岐損より低い利得を有する光増幅部として構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項6】
上記波長多重光増幅基本ユニットにおける上記の光分岐部,光増幅部及び光分岐部・光増幅部接続部が、ガラス又は半導体製の光導波路で構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項7】
上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の入力ポートに、補助励起光源が接続されたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項8】
上記波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の入力ポートに、補助励起光源が接続されたことを特徴とする、請求項3に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項9】
上記複数の波長多重光増幅ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅ユニットにおける第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに、アイソレータが接続されたことを特徴とする、請求項1に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項10】
上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも1つの波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポートに、アイソレータが接続されたことを特徴とする、請求項2に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項11】
上記波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポートに、アイソレータが接続されたことを特徴とする、請求項3に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項12】
上記複数の波長多重光増幅ユニットのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅ユニットについて、その前段側の波長多重光増幅ユニットにおける上記第2の及び第3の波長多重光増幅基本ユニットの各光増幅部出力側と、その後段側の各波長多重光増幅ユニットにおける第1の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポート入力側との間が、それぞれ斜めコネクタを介して接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項13】
上記複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの少なくとも2つの波長多重光増幅基本ユニットについて、その前段側の波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部出力側と、その後段側の波長多重光増幅基本ユニットにおける信号入力ポート入力側との間が、斜めコネクタを介して接続されていることを特徴とする、請求項2に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項14】
該利得制御手段が、
該出力情報中の所望の波長光信号を選択するフィルタと、
該フィルタで抽出された所望の波長光信号についてレーザ共振させるべく信号減衰させて、この減衰させた光信号を該利得等化器の入力側に供給する光減衰器とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項15】
該フィルタが、伝送に必要な所要の波長帯域外の波長光信号を選択するフィルタとして構成されたことを特徴とする、請求項14に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項16】
該第4の波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、
該利得制御手段が、
該出力情報及び該入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、該利得制
御信号を該利得等化器の入力側に設けられた該励起光源へ供給して、該励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項17】
該多段に配置された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、
該利得制御手段が、
該出力情報及び該入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、該利得制御信号を該利得等化器の入力側に設けられた該励起光源へ供給して、該励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項2に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項18】
該波長多重光増幅基本ユニットへの入力を検出する入力モニタをそなえ、
該利得制御手段が、
該出力情報及び該入力モニタでの検出結果に基づいて利得制御信号を生成し、該利得制御信号を該利得等化器の入力側に設けられた該励起光源へ供給して、該励起光源の励起状態を制御する制御部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項3に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項19】
M種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を入力されて、該M種類の波長の光信号を分岐ポートを通じて分岐しうるとともに、該M種類の波長の光信号とは別のN種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を入力され、該M種類の波長の光信号からなる波長多重光信号とともに該N種類の波長の光信号からなる波長多重光信号について、(M+N)種類の波長の光信号からなる波長多重光信号として出力しうる合流・分岐装置の分岐ポートに接続される波長多重光増幅装置であって、
該波長多重光増幅装置が、
2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、L種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、
これらの波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅基本ユニットが、1つの波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続されるとともに、
該ルートとなる波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段と、をそなえていることを特徴とする、波長多重光増幅装置。
【請求項20】
波長多重信号を分配するブロードキャスト部と、該ブロードキャスト部で分配された波長多重信号の一括切り替えを行ない、所望の波長を選択する空間スイッチ・波長セレクタ部と、をそなえ、m×nのマトリックス光スイッチングを行なう光クロスコネクト装置における該ブロードキャスト部若しくは空間スイッチ・波長セレクタ部での波長多重信号分配機能に適用される波長多重光増幅装置であって、
該波長多重光増幅装置が、
2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、複数の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とからなる波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、
これらの波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の波長多重光増幅基本ユニットが、1つの波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように多段に接続されるとともに、
該ルートとなる波長多重光増幅基本ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最前段に配置される該ルートの波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される波長多重光増幅基本ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段と、をそなえていることを特徴とする、波長多重光増幅装置。
【請求項21】
X種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を2つに分配する初段ユニットと、
該初段ユニットの出力側に接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された一方の波長多重光信号をブロードキャストする第1ブロードキャストユニットと、
該初段ユニットの出力側に接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された他方の波長多重光信号をブロードキャストして光信号をドロップする第2ブロードキャストユニットと、
Y種類の光キャリア信号を出力して光信号をアドする光キャリア信号出力部と、
該第1ブロードキャストユニットの出力側および該光キャリア信号出力部の出力側にそれぞれ接続されて、該第1ブロードキャストユニットからの波長多重光信号と該光キャリア信号出力部からの光キャリア信号とを選択的に出力する選択部とをそなえ、
該初段ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、該波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とを有し、該波長多重光信号を該2つの光増幅部を通じて2つに分配して出力する初段波長多重光増幅基本ユニットとして構成され、
該第1ブロードキャストユニットが、該初段波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の合波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの合波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットが、1つの合波用波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように、多段に接続されるように構成されるとともに、上記複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する該ルートの合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の一方の入力ポートに、該初段波長多重光増幅基本ユニットにおける一方の光増幅部の出力ポートが接続されるように構成され、
該第2ブロードキャストユニットが、該初段波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の分波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの分波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットが、1つの分波用波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように、多段に接続されるように構成されるとともに、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する該ルートの分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光分岐部の一方の入力ポートに、該初段波長多重光増幅基本ユニットにおける他方の光増幅部の出力ポートが接続されるように構成され、且つ、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力側に所定の波長の光信号を選択して出力する複数のドロップ用光フィルタをそなえ、
かつ、
該初段ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と、該初段ユニットへの波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該初段ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と該初段ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該第1ブロードキャストユニットをなす多段にツリー接続された複数の合波用波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される合波用波長多重光増幅ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段をそなえ、
該選択部が、
該第1ブロードキャストユニットの最後段に位置する合波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力にそれぞれ接続されて波長多重光信号の通過/遮断の切り換えを行なうY個のスイッチ部と、
該Y個のスイッチ部に対応して設けられ、該対応するスイッチ部の波長多重光信号ラインと該光キャリア信号出力部からの光キャリア信号ラインとのカップリングをそれぞれ行なうY個のカップリング部と、
該Y個のカップリング部からのY種類の光信号を光波長多重して出力する多重部とを有し、
該Y個のスイッチ部が、それぞれ、該第1ブロードキャストユニットからの波長多重光信号を通過させて該多重部から出力するか、又は、該光キャリア信号出力部からのY種類の光キャリア信号のうちで対応付けられた光キャリア信号を該多重部から出力するかを選択的に切り換えるように構成されていることを特徴とする、波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置。
【請求項22】
該第4の波長多重光増幅基本ユニットと、少なくとも該再前段に配置される波長多重光増幅ユニットとに介装されて、該第4の波長多重光増幅基本ユニットより出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力する励起光再入力部が接続されたことを特徴とする、請求項1に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項23】
該多段に接続された波長多重光増幅基本ユニットうちの最前段に配置された波長多重光増幅基本ユニットと、少なくとも該再前段に配置される波長多重光増幅ユニットとに介装されて、該最前段に配置された波長多重光増幅基本ユニットより出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力する励起光再入力部が接続されたことを特徴とする、請求項2に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項24】
該波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成であって、該波長多重光増幅ユニットの信号入力ポートに、その一方の光増幅部の出力が接続された第4の波長多
重光増幅基本ユニットと、
該第4の波長多重光増幅基本ユニットと、該波長多重光増幅基本ユニットとに介装されて、該第4の波長多重光増幅基本ユニットより出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出しこの励起光を複数に分波して出力する励起光再入力部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項3に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項25】
該励起光再入力部が、
該第4の波長多重光増幅基本ユニットから出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するフィルタと、
該フィルタに接続されるとともに、出力側が少なくとも該再前段に配置される波長多重光増幅ユニットにおける該第2の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートと該第3の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとにそれぞれ接続され、該フィルタにて抽出された該励起光を該再前段に配置される波長多重光増幅ユニットに入力する光分岐部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項22に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項26】
該励起光再入力部が、
該最前段に配置された波長多重光増幅基本ユニットから出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するフィルタと、
該フィルタに接続されるとともに、出力側が少なくとも該再前段に配置される波長多重光増幅ユニットにおける該第2の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートと該第3の波長多重光増幅基本ユニットの信号入力ポートとにそれぞれ接続され、該フィルタにて抽出された該励起光を該再前段に配置される波長多重光増幅ユニットに入力する光分岐部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項23に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項27】
該励起光再入力部が、
該第4の波長多重光増幅基本ユニットから出力される漏れ光信号から波長多重光信号成分を除去して励起光を抽出するフィルタと、
該フィルタに接続されるとともに、出力側が該波長多重光増幅ユニットにおける該他方の入力ポートに接続され、該フィルタにて抽出された該励起光を該波長多重光増幅基本ユニットに入力する光分岐部とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項24に記載の波長多重光増幅装置。
【請求項28】
X種類の波長の光信号からなる第1の波長多重光信号を2つに分配する初段ユニットと、
該初段ユニットの出力側に接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された一方の該第1の波長多重光信号をブロードキャストする第1ブロードキャストユニットと、
複数の光キャリア信号を合波して第2の波長多重光信号を出力する追加信号出力部と、
該初段ユニットにおける2つの分配出力の他方と該追加信号出力部の出力とが接続されて、該初段ユニットで2つに分配出力された他方の該第1の波長多重光信号と該追加信号出力部からの該第2の波長多重光信号とのカップリングを行なう伝送出力部とをそなえ、
該初段ユニットが、2つの入力ポートと2つの出力ポートとを有し、X種類の波長の光信号からなる波長多重光信号を該2つの入力ポートのうちの一方の入力ポートとしての信号入力ポートから入力されることにより、該第1の波長多重光信号をそれぞれ上記2つの出力ポートから出力する光分岐部と、該光分岐部の該2つの出力ポートのそれぞれに接続されて励起光によって光増幅を行なう2つの光増幅部とを有し、該波長多重光信号を該2つの光増幅部を通じて2つに分配して出力する初段波長多重光増幅基本ユニットとして構成され、
該第1ブロードキャストユニットが、該初段波長多重光増幅基本ユニットと同じ構成の分波用波長多重光増幅基本ユニットを複数そなえ、これらの分波用波長多重光増幅基本ユニットが、その光分岐部における信号入力ポートを前段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力に接続されるようにして、全体として、該複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットが、1つの分波用波長多重光増幅基本ユニットをルートとしたツリー接続となるように、多段に接続されるように構成されるとともに、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最前段に位置する該ルートの分波用波長多重
光増幅基本ユニットにおける光分岐部の一方の入力ポートに、該初段波長多重光増幅基本ユニットにおける一方の光増幅部の出力ポートが接続されるように構成され、且つ、上記複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうち最後段に位置する分波用波長多重光増幅基本ユニットにおける光増幅部の出力側に所定の波長の光信号を選択して出力する複数のドロップ用光フィルタをそなえ、
かつ、
該初段ユニットよりも上流側にそなえられ、該励起光を出力する励起光源と、
該励起光源からの励起光と、該初段ユニットへの波長多重光信号とを合波するとともに、該合波された光が、該初段ユニットの信号入力ポートに導かれるように構成された合波部と、
該合波部と該初段ユニットの信号入力ポートとの間に介装される利得等化器と、
該第1ブロードキャストユニットをなす多段にツリー接続された複数の分波用波長多重光増幅基本ユニットのうちの最後段に配置される分波用波長多重光増幅ユニットからの出力情報に基づいて、該励起光源からの励起光の出力を制御することにより、該多段にツリー接続された複数の波長多重光増幅基本ユニットの利得制御を行なう利得制御手段をそなえ、
該追加信号出力部が、
アド用に、互いに異なる波長の光キャリア信号をそれぞれ出力する複数の光キャリア信号発生部と、
該複数の光キャリア信号発生部側に接続されて、該複数の光キャリア信号出力部からの該複数の光キャリア信号を合波して第2の波長多重光信号を出力する多重部とをそなえ、
該伝送出力部が、
該初段ユニットと該追加信号出力部とに接続されて、該初段ユニットからの該第1の波長多重光信号と該追加信号出力部からの第2の波長多重光信号とをカップリングすることにより、該第1の波長多重光信号に該第2の波長多重光信号をアドして、第3の波長多重光信号として出力するカップリング部と、
該カップリング部からの該第3の波長多重光信号を増幅してその増幅された該第3の波長多重光信号を出力する光増幅器とをそなえて構成されたことを特徴とする、波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置。
【請求項29】
該初段ユニットの入力側に設けられ、光信号を増幅して増幅光信号を出力する増幅部が設けられ、
該増幅部と該初段ユニットにおける光分岐部の該信号入力ポートとに接続され、該増幅光信号の分散を補償しこの分散補償した補償光信号を該光分岐部の該信号入力ポートに入力する第1分散補償部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項28に記載の波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置。
【請求項30】
該伝送出力部の該光増幅器に接続されて、該増幅された第3の波長多重光信号の分散を補償しこの分散補償した補償光信号を出力する第2分散補償部をそなえて構成されたことを特徴とする、請求項29に記載の波長多重光増幅基本ユニットを用いた光アド・アンド・ドロップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−304354(P2006−304354A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−175250(P2006−175250)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【分割の表示】特願2000−10510(P2000−10510)の分割
【原出願日】平成12年1月19日(2000.1.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】