説明

波長操作システムおよび方法

複数の波長チャネルを含む光信号を入力するための少なくとも一つの第1の光入力ポートと;光信号の波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための第1の波長分散エレメントと;角分散のディメンションにおいて角分散された波長信号を細長に空間分離された波長帯のシリーズへ収束するための光パワーエレメントと;空間的に操作された波長帯を生成するために、空間的に分離された波長帯の空間特性を選択的に操作するための空間操作エレメントとを備える、波長選択的操作装置および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光スイッチングシステムに関する。本発明は、特に、起こり得る減衰の制御特性を有する波長選択スイッチを開示する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいて、光交差接続のアプリケーションに対する波長選択スイッチングの使用は、大きな関心を得てきた。その理由として、各々の波長の経路が、特定の時点のリンクに対して適切な容量(capacity)を有して、ノード間の任意の接続を可能にするように再構成される完全にフレキシブルなネットワークというゴールが挙げられる。このゴールはまだ有効ではあるが、光ネットワークが発展する、または、トラフィック要請が変化する、のどちらかにつれ、光ネットワークは、多数のステージを経てこのレベルの複雑さにまで発展することは、明確である。ここにおいて、発展の第1のステージは、おそらく、多数のチャネルがメイン路からドロップ(drop)され、およびアド(add)され得る再構成可能アド/ドロップノードのステージであり、そのメイン路の数および波長は時間と共に変化し得る。
【0003】
本発明は、再構成可能光アド/ドロップマルチプレクサ(ROADM)ネットワークのようなアプリケーションに向けられ、波長選択スイッチ(WSS)として一般的に呼ばれる波長再構成可能交差接続のアプリケーションに対してスケーラブルである。
【0004】
光アド/ドロップおよび波長選択スイッチングのアプリケーションに対して理想的な波長選択エレメントの特性は、以下に要約される:
i)複数のファイバポートに対してスケーラブル
ii)1つのポート当たりに1つのチャネル、または、1つのポートオペレーション当たりに複数のチャネル
iii)異なったグリッド、例えば、50GHzまたは100GHzまたはそれらの組み合わせに対する波長選択の再構成
iv)エクスプレス路(express path)の光学的性質低下の低さ
v)ドロップ路およびエクスプレス路上における低損失
vi)波長を同時にアドおよびドロップできること
vii)他のポートに対して一過性の性質低下を引き起こすことなく、任意のポート間、または任意の波長間において再構築できること
viii)エクスプレス路(OADM)または全路(WSS)における光パワーレベルの等化
ix)所定の波長に対するポート間の共有された光パワーの供給(ブロードキャストモード)
x)スペクトルの縮小を防止するフラットな光通過帯域
xi)OADMのエクスプレス路を侵害しない状態に残すパワーオフ構築
xii)パワー、電圧、およびサイズへの要求が小さいこと、である。
【0005】
適用されてきた多数の技術を再検討するに当たり、幾分、一般化することが必要であり、以下のような観察が行われる。
【0006】
基本的な2つのアプローチが、OADMおよびWSSアプリケーションに対して為された:
i)第1のアプローチは、ブロードキャストとセレクトアーキテクチャを組み合わせた波長ブロッキングエレメントに基づく。これは光パワー示強性アーキテクチャである。それは、チャネル等化および波長選択の再構成を提供し得るが、複数のポートに対してスケーラブルではなく、非常に多くの損失を有する。さらに、それは、波長調整可能フィルタのような多数の補足の構成要素の故に、高パワーおよび大フットプリントを要する。
【0007】
ii)波長スイッチがOADMに対して提案されたが、波長スイッチは、必然的には、チャネル等化を提供せず、チャネルスイッチングによるチャネルは、通常、光チャネルの分散および損失縮小を導く。複数のポートスイッチの場合、中間ポートに性質低下(ヒット)をもたらすことなしに、ポート間のスイッチをすることは一般的には不可能である。さらに、チャネル間隔をダイナミックに再構成できない。エクスプレス路に対して性質低下が少ない調整可能な3ポートフィルタが、提案されたが、複数のポートに対して容易にスケールせず、調整中に一過性の波長ヒットを被り得る。調整構成要素は、可変でない特定のバンド幅に通常、固定される。さらに、分離性に欠ける調整可能な3ポート手段は、ハイスルー路分離(high through path isolation)を要する多数のアド/ドロップアプリケーションに適さない。
【0008】
光交差接続に適用される1つの技術は、3−D MEMとして知られる。3−D MEMは、光ビームを1つのポートから他のポートへ向けるように作用する小さな鏡構成を利用する。この技術の実施例は、特許文献1、および特許文献2において提供される。ポートは、通常、2次元マトリクス状に配置され、鏡の2次元アレイの対応するエレメントは、1つの任意のポートと結合するために、2つの軸に対して傾き得る。通常、これらの鏡の2つのアレイが、光と効率良く結合するために必要とさる。また、高程度のアナログコントロールが必要とされる故、この技術を基本とする構成は、実際には現実化するのに非常に困難であると証明され、商業的に成功した販売品はほんの僅かである。このタイプの構成において、個別の構成要素が、対応の波長分割多重化(WDM)された入力ファイバのそれぞれを単一チャネル/単一ファイバ入力に分けるために必要とされる。
【0009】
波長のルーティングアプリケーションの最も有望なプラットフォームの一つは、チャネルの空間的な分散の原則に基づき、スイッチングエレメントまたは減衰エレメントのいずれかを用いて異なった波長に対して動作する。これらの技術は、スイッチングエレメントが波長分散エレメントと統合されること(インプリメンテーションを大いに単純化する)に利点がある。これに対するトレードオフは、通常、スイッチングがより限定的になり(現時点において、実演される多数のインプリメンテーションが小数のポート数に限られている)、ポート間のルーティングは任意ではない。一般的に、回折格子がマイクロオプティック・インプリメンテーションに用いられ、アレイ導波管格子(Array waveguide grating)が導波管アプリケーションに用いられる。スイッチングアプリケーションの多数が、シリコンに製造されるMEMSマイクロ鏡、および一ディメンションの傾斜動作に基づく。このアプローチの問題は、角分散が変位に変換される際に必要な波長分解能を達成することにある。そのような場合、(拡大を用いて、または用いず)ファイバのイメージは、傾斜鏡アレイへ変換される。光を第2のポートに接続するために、角度を変位に変換する追加的な光学構成要素が必要になる。これに対する異なったアプローチは、断続的な変位をもたらす再帰反射キューブくさび(特許文献3)、またはイメージのレイリー長に含まれる光パワーを用いて連続的な変換を提供する角度‐変位エレメント(特許文献4)を含む。これら、全ての場合において、ポート間においてスイッチするために、傾斜鏡は、中間ポートに対応する角度を通過する必要がある。さらに、それぞれの異なったスイッチの位置は角度によって区別される一方、ポートの数は、それぞれの場合において、ファイバの開口数によって限定される。0.1の開口数を有するファイバにおいて、±12度の傾斜が可能なスイッチは、8つの異なったスイッチ位置を区別できない。用いられ得る1つのアプローチは、熱膨張したコアまたはマイクロレンズの使用を介して開口数を小さくすることである。しかし、これは、波長の分解能を犠牲にしてなされる。
【0010】
代替的なものとして、ポート間のスイッチをするために偏光が使用される。確かに、これは、2つの偏光状態に対応する2つのポート間におけるスイッチングに対して最も適切であるが、容易にスケールはできない。より複雑にはなるが、複数のポート間におけるスイッチングを可能にする案が予想される。偏光スイッチングを用いて、チャネルのダイナミックな等化は、第2のファイバにチャネルされる、拒否された光(rejected light)を用いて為されるので、多くの周波数をドロップする一方、エクスプレス路の等化には適さない。
【特許文献1】米国特許第5,960,133号明細書
【特許文献2】米国特許第6,501,877号明細書
【特許文献3】米国特許第6,097,519号明細書
【特許文献4】米国特許第6,560,000号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、改良型の光スイッチングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の局面に従うと、提供される波長選択的操作装置は、複数の波長チャネルを含む光信号を入力するための少なくとも一つの第1の光入力ポートと、光信号の波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための第1の波長分散エレメントと、角分散のディメンションにおいて、角分散された波長信号を細長に空間的に分離された波長帯のシリーズへ収束するための光パワーエレメントと、空間的に操作された波長帯を生成するために、空間的に分離された波長帯の空間特性を選択的に操作するための空間操作エレメントとを備える。
【0013】
好ましくは、装置は、第1の出力信号を生成するために、空間的に操作された波長帯を選択的に組み合わせるための第1の波長組み合わせエレメントも備える。第1の波長分散エレメントは、好ましくは、回折格子を含み得る。光パワーエレメントは、好ましくは、円柱レンズを含み得、空間操作エレメントは、液晶表示装置または光の位相に働く空間光変調器(SLM)を備える。
【0014】
SLM装置は、細長に空間的に分離された波長帯と実質的にマッチするシリーズ細長セル領域へ分割される。セル領域の各々が複数の駆動可能セルを含み得、セルは、好ましくは、用いられる際、セル領域に注ぐ対応する光信号を出力次数モードシリーズの一つへ投射する選択的駆動構成を提供するように駆動される。光パワーエレメントは、好ましくは、球面鏡または円柱鏡を含み得る。回折格子は実質的にリトロー状況において利用され得る。
【0015】
一動作モードにおいて、空間操作エレメントが第1の状態にある場合、第1の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長は、好ましくは、第1の出力ポートにおいて出力され、また、空間操作エレメントが第2の状態にある場合、第1の光入力ポートにおいて入力される第2の所定の波長は、好ましくは、第2の出力ポートにおいて出力される。さらに、空間操作エレメントが第1の状態にある場合、第3の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長は、好ましくは、第4の出力ポートにおいて出力され、また、空間操作エレメントが第2の状態にある場合、第3の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長は、好ましくは、第1の出力ポートにおいて出力される。
【0016】
本発明のさらなる局面に従うと、提供される波長選択的操作装置は、複数の波長チャネルを含む光信号を入力する第1の光入力ポートを含む光入力および出力ポートのシリーズと、光信号の波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための第1の波長分離エレメントと、角分散されたディメンションにおいて、角分散された波長信号を細長に空間的に分離された波長帯のシリーズへ収束するための収束エレメントと、空間的に操作された波長帯を生成するために、空間的に分離された波長帯の空間特性を選択的に操作するための空間操作エレメントとを備え、空間的に操作された波長帯は、空間的に選択的な仕方において出力ポートにて出力するために、光パワーエレメントによって後に収束され、第1の波長分離エレメントによって空間的に選択的な仕方において組み合わされる。
【0017】
本発明のさらなる局面に従い、提供される方法は、複数の波長成分を有する光入力信号に対する波長選択的分離能力を提供するための方法であり、その方法は、(a)波長成分を角分散するために光入力信号を格子構成に対して投射するステップと、(b)波長分散ディメンション(縦)にある波長成分の各々を細長波長構成要素エレメントへ収束するステップと、(c)細長波長構成要素エレメントを別々に操作するステップと、(d)操作された細長波長構成要素のうちの所定のいくつかを組み合わせるステップとを含む。
【0018】
収束するステップは、好ましくは、波長成分を収束するために円柱レンズおよび球面鏡を利用することを含む。ステップ(c)は、好ましくは、波長成分の各々を別々に操作するために液晶表示装置を利用することを含む。液晶表示装置は、細長波長構成要素と実質的にマッチするシリーズ細長セル領域へ分割され得る。セル領域の各々は、複数の駆動可能セルを含み得、該セルは、用いられる際、好ましくは、セル領域に注ぐ対応する光信号を出力次数モードシリーズの一つへ投射する選択的駆動構成を提供するように駆動される。
【0019】
本発明のさらなる局面に従い、提供される波長選択的操作装置は、複数の波長チャネルを含む光信号を入力するための少なくとも一つの第1の光入力ポートと、光信号の偏光状態を整列するための偏光整列エレメントと、光信号の波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための波長分散エレメントと、角分散された波長信号を細長に空間的に分離された波長帯のシリーズへ収束するための光パワーエレメントと、空間的に操作された波長帯を生成するために、空間的に分離された波長帯の特性を選択的に、空間的に操作するための空間操作エレメントとを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の好ましい形態は、添付の図面への参照と共に例示のみを目的として記載される。
【0021】
好ましい実施形態において、それぞれの波長を有する光が分散され、1つの軸に収束し、その軸に直交する軸にコリメートされるような配置が提供され、それによって、モード選択液晶アレイまたは空間光変調器が、1つの偏光状態にある光を液晶に当てることによって確立されるような、反射型または透過型の回折格子の多様な次数を選択するために用いられ得る。周知のように、コリメートされたビームにおいて、例えば、反射型回折格子の次数を変更することによって得られるビームの角偏向は、ビームの焦点の移動の効果を有する。光学トレインがテレセントリックであるように確立される場合、この移動は、結合能率へ影響を与えずに達成され、第1のポートから所定分の移動をした場所にある第2のポートに効率良く結合され得る。これは、例えば、ファイバアレイの場合において提供され得る。
【0022】
先ず、図1を参照すると、好ましい実施形態の配置の側面透視図11が、概略的に示される。初め、ファイバ3に沿った最初の入力が、光出入力ファイバ1〜10のxディメンションのアレイに与えられる。各ファイバは、熱膨張したコア端部を有し得る。コア3から放たれた光は、単一の縦偏光のみであると思われる(必要ならば、偏光整列手段(図示せず)が、既知の手順によって単一偏光された光を得るために用いられ得る)。光は球面鏡12に投射され、そこで、回折格子14に当たる前に、反射され、コリメートされる。回折格子14はリトロー型の様相に配置される。リトロー型の様相において、当業者には周知のように、反射された光はy軸に角分散し、スペクトル成分に分散する。
【0023】
格子14から放たれた光は、波長に従い角分離される。スペクトル成分は、xディメンションに光パワーを有し、円柱レンズ13を介して反射される。スペクトル成分は、鏡12付近でxディメンションに収束されるが、yディメンションにコリメートされたままである。円柱レンズ13を介して戻る際、スペクトル成分は、xディメンションにコリメートされるが、yディメンションに収束される。そして、細長スペクトル帯域のシリーズをもたらすアクティブまたはパッシブ液晶表示(LCD)装置14において、またはその付近においてyディメンションに収束する。
【0024】
明確な理解のために、図2は、図1の配置の上面図を示す。液晶表示15に当たった光は、純粋な(pure)反射を経て、リターン路20〜23をたどり、リトロー型の様相にある格子14に当たる。そこで、その光は他の周波数と再び組み合わされ、リターン路26〜28をたどり、出力ポート8へ渡る。
【0025】
液晶表示装置15は、個別に制御可能な領域のシリーズを有するアクティブまたはパッシブタイプであり得る。本明細書の読み手は、液晶表示装置の理解を得る者と予想され、その作用は全く標準的なものである。第1の好ましい実施形態において、LCDが空間光変調器(SLM)において使用される物と実質的に均等する物であり得、特に、CMOS技術に用いたボルダー非線形システムによって実演されたような位相のみ反射するSLMと実質的に均等する物であり得ることは、留意される。CMOSバックプレーンの設計は、当業者には明らかであるように、ピクセルサイズの要求に容易に順応する。
【0026】
好ましい実施形態において、反射型のLCD装置が使用され、純粋な反射および4つの異なった回折状態からの選択の場合が示される。提示される構成は、選択された次数と他の次数と反射状態との間の高い消滅度合を達成するようにも、設計される。これは、対称性を用いることによって達成され、それによって、構成要素の位相の統合が、論理上、選択されていないモードまたは純粋な反射状態の各々において、ゼロになることを確実にする。さらに高次の回折がある程度の効率性を伴い引き起こされ得るが、(スリット回折の開口数を決定する)セルサイズの適切な選択は、これをわずかなものに制限し、高いスループットを達成し得る。
【0027】
次数選択機構は、必要な選択および消滅を達成するように、誘導された格子構成のサブセルにおけるリタデーションを変化することに依存する。この実施例において、単純化された駆動は、4つのレベルのみの使用によって達成される。その4つとは、
状態0:4λ/8 リターダンス
状態1:3λ/8 リターダンス
状態2:2λ/8 リターダンス
状態3:λ/8 リターダンス である。
【0028】
理想的には、LCDからの反射光は、異なった回折次数が、伝播される光の異なった角度に対応するように制御される。所与の実施例において、一次の回折は0.0955度と予測される。液晶表示装置を制御することにより、正または負の一時の回折ラインの選択性の励起が達成される。これは、377.5μmの空間周期に対応する。従って、図4に示されるように、回折ライン40は、長さ337.5μmであり、8つのセル41に分割されると思われる。ここで、各セルは、長さ約42μmである。これは、電極構成に標準的なリソグラフィ技術を使用することにより容易に達成され得る。
【0029】
第1の実施形態において、液晶表示装置は、図3に示されるよう、入力光30が、選択的に、完全な反射態様31、一次32、33、または二次34、35のいずれかにおいて出力されるように、反射型回折格子を形成するために利用される。
【0030】
液晶構成のセルは、出力次数を選択するように駆動され得る。図5〜図9は、8つのセルに対する多様な可能性のある駆動配置の1つの形態を示す。図5に示される0.0955の一次の解説を生成する第1の配置において、駆動状態は52に示されるように、0、0、1、1、2、2、3、3の状態であり得る。負の一次60の図6において、駆動状態は、3、3、2、2、1、1、0、0であり得る。二次の出力70の図7において、駆動状態71は、0、1、2、3、0、1、2、3であり得る。次に、負の二次出力80の図8において、駆動状態81は、3、2、10、3、2、1、0であり得る。最後に、純粋な反射状態90の図9において、駆動状態91は全て0であり得る。
【0031】
これらのモードの各々は、異なった入力ファイバ1〜5と出力ファイバ6〜10との間を結合するために、図1および図2の配置において使用されても良い。選択されたLCDモードが純粋な反射状態(0度)である波長において、結合は以下のようである。
ファイバ1からファイバ10、
ファイバ2からファイバ9、
ファイバ3からファイバ8(エクスプレス路の入口から出口)、
ファイバ4からファイバ7、
ファイバ5からファイバ6。
【0032】
選択されたモードが+0.0955度である波長において、ファイバ3からの波長は、ドロップファイバ7に結合され、以下のようである。
ファイバ1からファイバ9、
ファイバ2からファイバ8(アド路)、
ファイバ3からファイバ7(ドロップ路)、
ファイバ4からファイバ6。
【0033】
選択されたモードが−0.0955度である波長において、ファイバ第3からの波長はドロップファイバ9に結合され、以下のようである。
ファイバ2からファイバ10、
ファイバ3からファイバ9(ドロップ路)、
ファイバ4からファイバ8(アド路)、
ファイバ5からファイバ7。
【0034】
選択されたモードが+0.1910度である波長において、ファイバ3からの波長は、ドロップファイバ6に結合され、以下のようである。
ファイバ1からファイバ8(アド路)、
ファイバ2からファイバ7、
ファイバ3からファイバ6(ドロップ路)、
ファイバ4からファイバ5。
【0035】
選択されたモードが−0.1910度である波長において、ファイバ3からの波長は、ドロップファイバ10に結合され、以下のようである。
ファイバ3からファイバ10(ドロップ路)、
ファイバ4からファイバ9、
ファイバ5からファイバ8(アド路)、
ファイバ6からファイバ7。
【0036】
特定の波長チャネルの選択的な減衰は、個別の結合効率の減衰によって、および個別の次数を有することによって達成される。ここにおいて、個別の次数は、減衰のためにのみ使用され、選択された次数の効率を犠牲にして選択的に励起される。このように、選択された次数のパワーは、所望のレベルに調節され得る。追加的に、回折次数は、監視目的のために使用されても良い。光は、一波長において追加的な回折次数に結合されても良い。ここにおいて、回折次数は、光検出器によって受信され、システムのパワーレベルの監視または制御機構として使用される。この光は、(単一のまたはマルチモードの)ファイバの追加によって収集されても良い。
【0037】
必要であれば、他の次数に対して一般化することは、容易である。
【0038】
第2のさらなる実施形態において、回折次数は、単純な方法においてアドレスされ、これを単純に達成可能な電極構成と駆動スキームが提案される。ここにおいて、多数の代替的な実施が可能であり、如何なる場合においても、本発明の範囲をこの方法に限定しない。
【0039】
光の波長が分解されるy軸において、5つの電圧関数、Fyi(t)、の一つが、励起したいモードに対応する電極に印加される。x軸におけるサブセルに対応する各電極は、電圧関数、Fx(j)、を有する。電圧関数は、各サブセルのセルの上電極と下電極との関係(Fyi(t)−Fxj(t))が、特定のモードに必要とされる対応のリターダンスを有するAC成分を生成するように、選択される。
【0040】
これらの関数の正確な形式は、使用された液晶の線形性および周波数に依存する。アプローチを例示するために、線形電圧リターダンス応答が想定され、また、周波数依存はないものと想定する。
【0041】
この場合において、モードは、誘導された格子の異なった次数に対する4つの異なった駆動周波数を用いることによって生成され得る。サブセル電極の各々は、4つの周波数の組み合わせによって駆動される。この周波数は、等しい大きさを有するが、Fyi(t)−Fxj(t)を与えるために選択された位相、および必要とされるリターダンスを達成するための正確なAC成分を有する。例えば、駆動周波数の位相とサブセルの対応する周波数成分の位相とが合う場合、AC電圧への寄与はない(二次から四次の周波数成分への寄与のみであり、それは、全てのサブセルに対して同等であり、バイアス電圧を与える)。同様に、駆動周波数の位相とサブセルの対応する周波数成分の位相とがπずれている場合、AC成分は最大である。この場合において、最大AC成分はπ/8のリターダンスを達成するように選択され、最小AC成分はπ/2のリターダンスを達成するように選択される。他の2つの状態(π/4および3π/8リターダンス)は、π/3および2π/3のサブセルに対応する位相の遅れによって達成される。駆動周波数制御およびFyの位相の制御によって、4つの回折モードから1つを選択することが可能になる。Fyがゼロの場合、各サブセルのリターダンスは同じであり、従って、誘導された格子は純粋な反射状態にある。図10(a)から図10(d)は、対応する駆動配置を示す。1kHz、2kHz、4kHzおよび8kHzの周波数成分を用いることにより、各モードは所望の構成のサブセルを与えるように駆動され得る。類似したアプローチが、変調されるグレーレベルに対する正確なRMS電圧レベルを生成するように変調することによって、パッシブマトリクス表示におけるグレーレベル変調を達成するために、用いられる。
【0042】
第3の実施形態において、同様の目標が、円柱レンズのマイクロアレイを能率的に利用されることにより達成される。配置は、図11において示されるようなものであり得る。
【0043】
この場合、2つのファイバ(101および102)の(x軸の方向の)入力アレイ、および2つのファイバ(103および104)の出力アレイが提供され、ファイバの間隔は250マイクロンである。ファイバの出力は、ビームの発散を修正するために第1のマイクロ円柱レンズ(110)に結合される。そして、出力は、ファイバの間隔に対応する間隔を有する円柱レンズ(111)のx軸アレイに結合する。レンズ111の焦点距離は、約100マイクロンの直径を有するコリメートされたビームを形成するように500マイクロンに選ばれる。このビームは、厚さ1.25mmのウォークオフ結晶(112)によってx軸の方向の2つの偏光状態に分割され、125マイクロンの間隔を有する波長板のアレイを備え得る偏光発散光学部品113によって偏光が等化される。波長板113からの出力は、偏光の整列されたビームから構成される。波長板は、(New JerseyのSomersetにあるNanoOptoによって提供されるような)ナノ−オプティック・リソグラフィ技術によって、または、標準的な石英の波長板技術の配置によって生成され得る。
【0044】
出力ビームのそれぞれは、5cmの焦点距離を有し、x軸へのコリメーションをもたらす第1のx軸円柱レンズ114に投射される。20cmの焦点距離を有するy軸円柱レンズ(115)が第1のx軸円柱レンズの後に続く。次に、ビームは、近リトロー配列にある格子(116)(1200 l/mm)において反射される。x円柱レンズの第2の通過の後、100マイクロンの直径を有したビームに起点した回折ビームは、x方向にコリメートされる。これは、レンズ115を2回通過することと、約10cmの焦点距離を有する複合反射レンズからなる格子116における反射との組み合わされの効果である。
【0045】
反射されたファイバのイメージは、y方向に収束されるが、x−コリメートされたビームを生成するy円柱レンズによって収束される。一般的に、この時点におけるビームのサイズは、かなり非対称であり、yディメンションに20マイクロン、xディメンションに約700マイクロンの半径を有する。イメージは、yディメンションに分散した波長であり、個別のチャネルは、液晶空間光変調器(SLM)(118)の単純な備え付けを可能にするプリズム(117)によって下方に曲げられた後、SLMによってアクセスされ得る。
【0046】
光がシステムを介した経路を引き返す際、SLM(118)は、誘導された格子の正確な次数の選択によって、入力ファイバ(102)からの光のイメージを、ファイバドロップポート(103)またはエクスプレスポート(104)のいずれかに向けることが可能である。同時に、入力光が特定の波長においてドロップポートに向けられる場合、同じ波長がアドポート(101)からエクスプレスポート(104)へ向けられる。
【0047】
ファイバポートの再イメージされた光は、円柱レンズの影響がリターン伝播を介して反対方向に向けられるので、主として円対称である。さらに、光パワーのチャネル減衰制御によるチャネルは、アクティブポートに対応しない角度にパワーの一部を励起することにより達成され得、それによって、選択された経路のパワーが減衰する。
【0048】
格子エレメント(116)は、くさび型のプリズムの使用により格子のxの角依存性を減少するように設計されても良い。この場合、くさび型のプリズムは反対の角依存性を有する。
【0049】
さらに、明確性のために透過型の円柱レンズシステムを記載したが、本発明の範囲から逸脱することなく、よりコンパクトな設計が望まれる場合には、第1の円柱レンズ114は、反射型円柱レンズに置換されても良い。
【0050】
図12および図11を同時に参照すると、光路に沿って多様な点における光プロファイルが示されている。ポイント210は、ファイバ、例えば、ファイバ110から放たれるビームの光プロファイルに対応する。プロファイル213は、エレメント113から放たれる光の光プロファイルに対応する。ここで、別々の偏光が、波長板112によって分離される。プロファイル214は、レンズ114から放たれる光に対応する。プロファイル215は、レンズ115から放たれる光に対応し、プロファイル217は、SLM装置117、118に当たる光に対応する。
【0051】
上記記載は、本発明の好ましい実施形態である。当業者にとって自明な修正は、本発明の範囲から逸脱することなく為され得る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】好ましい実施形態の側面斜視図を概略的に示す。
【図2】好ましい実施形態の配置の概略上平面図である。
【図3】反射モードの動作を概略的に示す。
【図4】液晶表示装置上のセルの配置を概略的に示す。
【図5】異なった回折次数を生成するための多様な駆動配置を示す。
【図6】異なった回折次数を生成するための多様な駆動配置を示す。
【図7】異なった回折次数を生成するための多様な駆動配置を示す。
【図8】異なった回折次数を生成するための多様な駆動配置を示す。
【図9】異なった回折次数を生成するための多様な駆動配置を示す。
【図10a】液晶タイプ表示のAC駆動の駆動配置を示す。
【図10b】液晶タイプ表示のAC駆動の駆動配置を示す。
【図10c】液晶タイプ表示のAC駆動の駆動配置を示す。
【図10d】液晶タイプ表示のAC駆動の駆動配置を示す。
【図11】本発明のさらなる代替的な実施形態を概略的に示す。
【図12】図11の光学部品の配置に沿った光ビームプロファイルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の波長チャネルを含む光信号を入力するための少なくとも一つの第1の光入力ポートと、
該光信号の該波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための第1の波長分散エレメントと、
角分散のディメンションにおいて、該角分散された波長信号を、細長に空間分離された波長帯のシリーズへ収束するための光パワーエレメントと、
空間的に操作された波長帯を生成するために、該空間分離された波長帯の特性を選択的に、空間的に操作するための空間操作エレメントと
を備える、波長選択的操作装置。
【請求項2】
第1の出力信号を生成するために、前記空間的に操作された波長帯を選択的に組み合わせるための第1の波長組み合わせエレメントをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の波長分散エレメントが回折格子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記収束エレメントが少なくとも一つの円柱レンズを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記空間操作エレメントが、空間光変調器または液晶表示装置を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記液晶表示装置が、前記細長に空間分離された波長帯と実質的にマッチするシリーズ細長セル領域へ分割される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記セル領域の各々が複数の駆動可能セルを含み、該セルは、用いられる際、該セル領域に注ぐ対応する光信号を出力次数モードシリーズの一つへ実質的に投射する選択的駆動構成を提供するように駆動される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記光パワーエレメントが球面鏡装置をも含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記回折格子が実質的にリトロー型の様相において利用される、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記光パワー装置が球面鏡を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記空間操作エレメントが第1の状態にある場合、前記第1の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長が第1の出力ポートにおいて出力され、
該空間操作エレメントが第2の状態にある場合、該第1の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長が第2の出力ポートにおいて出力される、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記空間操作エレメントが前記第1の状態にある場合、第3の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長が第4の出力ポートにおいて出力され、
該空間操作エレメントが第2の状態にある場合、該第3の光入力ポートにおいて入力される第1の所定の波長が前記第1の出力ポートにおいて出力される、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
複数の波長チャネルを含む光信号を入力する第1の光入力ポートを含む光入力および出力ポートのシリーズと、
該光信号の該波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための第1の波長分散エレメントと、
該角分離された波長信号を、細長に空間分離された波長帯のシリーズへ収束するための光パワーエレメントと、
空間的に操作された波長帯を生成するために、該空間分離された波長帯の特性を選択的に、空間的に操作するための空間操作エレメントと
を備え、
該空間的に操作された波長帯が、空間的に選択的な態様において該出力ポートにて出力するために、該光パワーエレメントによって後に収束され、該第1の波長分散エレメントによって空間的に選択的な態様において組み合わされる、
波長選択的操作装置。
【請求項14】
複数の波長成分を有する光入力信号に対する波長選択的分離能力を提供するための方法であって、該方法は、
(a)該波長成分を角分散するために該光入力信号を格子構成に対して投射するステップと、
(b)該波長成分の各々を細長波長構成要素エレメントへ収束するステップと、
(c)該細長波長構成要素エレメントを別々に操作するステップと、
(d)該操作された細長波長構成要素のうちの所定のものを組み合わせるステップと
を包含する、方法。
【請求項15】
前記収束するステップが、前記波長成分を収束するために円柱レンズを利用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記収束するステップが、前記波長成分を収束するために球面鏡を利用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ステップ(c)が、前記波長成分の各々を別々に操作するために液晶表示装置を利用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記液晶表示装置が、前記細長波長構成要素と実質的にマッチするシリーズ細長セル領域へ分割される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記セル領域の各々が複数の駆動可能セルを含み、該セルは、用いられる際、該セル領域に注ぐ対応する光信号を出力次数モードシリーズの一つへ投射する選択的駆動構成を提供するように駆動される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記収束するステップが球面鏡を利用することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
複数の波長チャネルを含む光信号を入力するための少なくとも一つの第1の光入力ポートと、
該光信号の偏光状態を整列するための偏光整列エレメントと、
該光信号の該波長チャネルを角分散された波長信号に角分散するための波長分散エレメントと、
該角分散された波長信号を、細長に空間分離された波長帯のシリーズへ収束するための光パワーエレメントと、
空間的に操作された波長帯を生成するために、該空間分離された波長帯の特性を選択的に、空間的に操作するための空間操作エレメントと
を備える、波長選択的操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−510957(P2007−510957A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538592(P2006−538592)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001473
【国際公開番号】WO2005/047942
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506157477)エンガナ ピーティーワイ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】