説明

洗浄料

【課題】 適度な粘度を有し、使用性に優れる洗浄料を提供することを課題とする。
【解決手段】 アニオン界面活性剤と両性界面活性剤とカチオン化高分子とを含有することを特徴とする洗浄料であって、特にアニオン界面活性剤と両性界面活性剤との質量比が、3:7〜7:3であることが好ましい。アニオン界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキル硫酸塩が好ましく例示でき、両性界面活性剤としてはアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインが好ましく例示できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄料に関し、更に詳細には、増粘剤を含有せず適度な粘度を有し、べたつき感を改善する洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
全身を清潔に保つために、一般的には入浴時にシャワー等により汗や皮脂を洗い流す。その際、多くの場合、毛髪用洗浄料、ボディ用洗浄料を用いる。これらの洗浄料には、古くから脂肪酸石鹸が用いられてきたが、近年では、洗浄主成分としてアニオン界面活性剤、特に、硫酸系アニオン活性剤が汎用されており、特にラウリル硫酸ナトリウム乃至はそのPOE付加体を用いる場合が多い。これは、1)弱酸性域で洗浄剤として使用可能である、2)カルシウムイオンによりペアードイオンを形成せず、カルシウムペアードイオンの被膜を毛髪上などに形成しない等の利点が存するためである。
【0003】
また、アミノ酸系あるいはベタイン系界面活性剤といった陰イオン界面活性剤または両性界面活性剤を使用した洗浄料が多く市販されているが、これらは洗浄力や泡立ちの点で少々劣るものの、低刺激であるため、敏感肌等の刺激に感受性の高い使用者にとって有用なものであった(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
一方、弱酸性洗浄料が刺激の少ない洗浄剤として使用されており(例えば、特許文献3参照)、その他、通常の洗浄料の防腐剤として使用されるパラオキシ安息香酸エステル等を配合せずに、アシルアミノ酸とイミダゾリニウムベタイン型界面活性剤を配合することにより防腐効果を有し、防腐剤を配合しないことにより刺激の少ない弱酸性洗浄料が調製できることも報告されている(例えば、特許文献4参照)。
【0005】
一般的に洗浄剤においては、多量に使用した場合、使用した洗浄剤が皮膚に残存し、残存した脂肪酸によって生じる皮膚炎などの問題が生じる場合があり、少ない使用量で洗浄効果が高いものが望まれていた。又、別の問題として、使用時の液だれの問題が存し、液だれにより洗浄剤が洗浄行為とは関係のない部位にまで広がる問題、例えば、目などに流れ込み、眼粘膜刺激を呈する問題などが存し、この様な問題が起こらないように粘度を高く設定し、液だれを防ぐのが通常の方法であった。通常、使用時の洗浄剤のたれを防ぐには、系の粘度を1500〜3000mPa・sに調整するが、かかる調整の手段としては、増粘剤の使用等が汎用されるが、弱酸性域で増粘作用を示す増粘剤は限られており、使用性を向上させるのに十分な粘度を具現化することは非常に困難であった。この為、固形脂、半固形脂を併用する場合が存した。しかしながら、この様な固形脂、半固形脂の使用は洗浄力を損なう場合が多く、増粘剤の使用も、アニオン界面活性剤とのコンプレックスの形成により、洗浄性を損ねる場合も存した。即ち、洗浄性を損なわない、適正な粘度の実現手段の開発が望まれていたと言える。カチオン化グアーガム、カチオン化セルロース、カチオン化ローカストビーンヒドロキシプロピルトリアンモニウム塩等のカチオン化高分子は、毛髪との親和性が高く、側鎖の4級アンモニウム構造の反発により、櫛通りを良くし、毛髪にしなやかさを与える作用が知られている(例えば、特許文献5を参照)。しかしながら、 アニオン界面活性剤と、両性界面活性剤とともに洗浄剤に含有させる技術は知られていない。
【0006】
【特許文献1】特開2003−286156号公報
【特許文献2】特開2002−012538号公報
【特許文献3】特開2006−022116号公報
【特許文献4】特開2003−226636号公報
【特許文献5】特開2003−183119 号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、この様な条件下為されたものであり、1500〜3000mPa・sと言う、適度な粘度を有し、使用性に優れる洗浄料を提供することを課題とする。

【課題を解決するための手段】
【0008】
この様な実状に鑑みて、本発明者らは、洗浄料に於ける粘性付与手段を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、A)アニオン界面活性剤と、B)両性界面活性剤と、C)カチオン化高分子とを含有する洗浄料がこの様な特性を備えていることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す通りである。

<1>A)アニオン界面活性剤と、B)両性界面活性剤と、C)カチオン化高分子とを含有することを特徴とする、洗浄料。
<2>アニオン界面活性剤と両性界面活性剤との質量比が、3:7〜7:3であることを特徴とする、<1>に記載の洗浄料。
<3>前記アニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の洗浄料。
<4>前記両性界面活性剤がアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインであることを特徴とする、<1>乃至<3>に記載の洗浄剤。
<5>前記カチオン化高分子は、アルキル基がC1〜C5のトリアルキルアンモニウム塩変性多糖類であることを特徴とする、<1>乃至<4>に記載の洗浄剤。
<6>粘度が1500〜3000mPa・Sであることを特徴とする、<1>乃至<5>に記載の洗浄料

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1500〜3000mPa・sと言う、適度な粘度を有し、使用性に優れる洗浄料を提供することができる。

【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の洗浄料は、A)アニオン界面活性剤と、B)両性界面活性剤と、C)カチオン化高分子とをを含有することを特徴とする。
【0011】
本発明の必須成分であるアニオン界面活性剤としては、例えば、リン酸系アニオン界面活性剤や硫酸系アニオン界面活性剤などが使用可能であり、リン酸系アニオン界面活性剤としては、アルキル乃至はアルケニルリン酸ジエステル塩、ポリオキシエチレン付加型のアルキル乃至はアルケニルリン酸ジエステル塩等が好ましく例示できる、硫酸系アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸ナトリウム、アルケニル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン付加型のアルキル硫酸ナトリウム、アルケニル硫酸ナトリウム 、スルホコハク酸アルキルエステルなどが好ましく例示できる。これらは何れも化粧料用原料として市販されている。前記アニオン界面活性剤に於けるアルキル基乃至はアルケニル基は、炭素数10〜30のものが特に好ましく例示でき、中でも炭素数12のラウリル基は優れた界面活性作用を発現するので特に好ましい。ラウリル硫酸エステル塩以外の硫酸エステル系アニオン界面活性剤としては、セチル硫酸エステル、ミリスチル硫酸エステル、ステアリル硫酸エステル、ベヘニル硫酸エステル、オレイル硫酸エステル、イソステアリル硫酸エステルが例示でき、その塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミン塩が好ましく例示できる。又、ポリオキシエチレン付加アルキル乃至はアルケニル硫酸エステル塩は、前記アルキル乃至はアルケニル硫酸エステルの高級アルコール残基に1〜10モルのポリオキシエチレンを付加させて、硫酸エステルとしたものが好ましく例示でき、例えば、ポリオキシエチレンラウリル硫酸、ポリオキシエチレンセチル硫酸エステル、ポリオキシエチレンミリスチル硫酸エステル、ポリオキシエチレンステアリル硫酸エステル、ポリオキシエチレンベヘニル硫酸エステル、ポリオキシエチレンオレイル硫酸エステル、ポリオキシエチレンイソステアリル硫酸エステル等が好適に例示でき、その塩として、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩類、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミン塩が好ましく例示できる。
前記アニオン界面活性剤は唯一種を含有することも出来るし、二種以上を組み合わせて含有することも可能である。
本発明の効果を奏するためには、アニオン界面活性剤の含有量は、洗浄料全量に対して、1〜30質量%含有することが好ましく、より好ましくは、1〜10質量%である。
【0012】
本発明の洗浄料の必須成分である、両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン系界面活性剤、イミダゾリウム系界面活性剤等が好ましく例示でき、ベタイン系界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインが例示でき、脂肪酸アミドプロピルベタインが特に好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、炭素数8〜18であることが好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインとしては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインである「ビスターCAP」(松本油脂製薬)が市販品として使用することが出来る。イミダゾリウム系界面活性剤としては、ラウロアンホ酢酸ベタイン、ココアンホ酢酸ベタイン、コオカンホジ酢酸ベタイン、ラウロアンホ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、2−アルキルーN−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエテルイミダゾリウムベタインあるいはその塩が好ましく例示できる。ベタイン系界面活性剤、イミダゾリウム系界面活性剤又はその塩は単独あるいは複数を組み合わせて含有することが出来、洗浄料に対して、1〜50質量%が好ましく、特に好ましくは1〜20質量%である。
【0013】
前述のアニオン界面活性剤と、両性界面活性剤との質量比は、3:7〜7:3であることが好ましい。この比率の上限以上であっても以下であっても、洗浄剤としての洗浄能が低下する場合が存する。、特にアニオン界面活性剤の含有量が、許容量の上限では使用感が悪く、べたつき感を感じるからである。粘度は通常使用されるB型粘度計にて測定することが出来、使用時の扱いやすさから1000〜10000mPa・s(3号ローター、12回転/分)の粘度が好ましい。
【0014】
本発明のカチオン化高分子としては、セルロース、ヒドロキシセルロース、ガラクトマンナン多糖類等の高分子基体に水酸基を介して或いはヒドロキシプロピル基を介してトリアルキルアンモニウム残基を洗浄剤として配合した場合、感触が優れ、適度な粘度が得られるため、導入したものが好ましく例示できる。特に、高分子基体にグリシジルトリアンモニウム塩を縮合させて修飾したヒドロキシプロピルトリアンモニウム変性高分子は、適度な粘度創出が可能であり、使用性を高められるので好ましい。この様なカチオン化高分子としては、例えば、カチオン化グァーガム、カチオン化セルロース、カチオン化ローカストビーンガムなどが好適に例示できる。前記トリアンモニウム残基を構成する、アルキル基としては、C1〜C5のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル基、ブチル基等が好ましく例示できるが、特にトリプロピルアンモニウム塩が好ましい。このようなトリアルキルアンモニウム塩として市販品として、「カチナールCLB―100」(東邦化学工業;ヒドロキシプロピルトリプロピルアンモニウム変性ローカストビーンガム)を使用することが出来る。本発明の洗浄料において、カチオン化高分子の含有量は、洗浄料に対して、0.1〜5質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜1質量%である。又、この量は前記アニオン界面活性剤に対して、1/30〜1/10質量であることが好ましい。この量範囲において、アニオン界面活性剤とカチオン化高分子とが安定な複合体を形成し、系の粘度を著しく増加させる。かかる複合体は、前記両性界面活性剤の存在下、大過剰の水によって解離し、洗浄剤としての働き、蛋白表面処理剤としての働きを示す。このメカニズムが、使用勝手の良い、1500〜3000mPa・sの粘度でありながら、優れた洗浄除去性、洗い上がり感を呈する源となっている。従って、前記の量範囲を外れた場合には、粘度、洗い上がり感、洗浄性の何れかの特性が損なわれる場合が存する。
【0015】
また、本発明の洗浄剤においては、アニオン界面活性剤とカチオン化高分子のコンプレックスの安定性の観点、肌への刺激性回避の観点から、系のpHを弱酸性域、具体的にはpH4.5〜6.5に設定することが好ましい。
【0016】
更に、本発明の皮膚外用剤は、これら上記の成分以外に通常化粧料で使用される任意成分を含有することができる。任意成分としては、例えば、このような任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等の増粘剤、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6トリパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン等のビタミン類などが好ましく例示できる。

【0017】
本発明の洗浄料の使用部位の制限はないが、毛髪、顔面、ボディ用洗浄料として使用可能であり、効果の実感、使用範囲の大きさを考慮すると、特にボディ用で効果実感が高く好ましい。剤形としては、固形状、液状、泡状洗浄料が例示できるが、広範囲への使用を考えると液状洗浄料が好ましい。毛髪用洗浄料としては、前記に示したメカニズムより、カチオン化高分子のしなやか付与効果を具現化できるのでリンスインシャンプーの使用態様が可能となり、この様な使用態様が好ましい。

【0018】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみに限定されないことは言うまでもない。

【実施例1】
【0019】
以下に示す処方に従って、洗浄料1を調製した。アの成分を均一に撹拌し、本発明の洗浄料1を調製した。
【0020】
【表1】

【実施例2】
【0021】
下記に示す処方に従い、洗浄料1と同様にして洗浄料2を調製した。
【0022】
【表2】

【実施例3】
【0023】
洗浄料1のポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムを7質量%、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインを3質量%としたものを洗浄料3、洗浄料1のポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムを3質量%、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインを7質量%としたものを洗浄料4として、洗浄料1と同様に調製した。洗浄料1のヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインを2質量%とし、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムを7質量%としてものを洗浄料5(ベタイン系界面活性剤:硫酸エステル系アニオン界面活性剤の質量比が2:7)、洗浄料1のヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインを7質量%とし、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムを2質量%としてものを洗浄料6(ベタイン系界面活性剤:硫酸エステル系アニオン界面活性剤の質量比が7:2)とした。

【比較例】
【0024】
洗浄料1のカチナールCLB100をラウリン酸アミドプロピルベタインに置換したものを比較例1とした。また、洗浄料1のヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインを全てポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウムに置換した比較例2を調製した。
【0025】
<粘度測定>
洗浄料1〜5及び比較例1〜3についてB型粘度計(3号ローター、12回転/分、20℃)にて粘度を測定し表3に示した。その結果、本願発明の洗浄料1〜6は比較例に比べて粘度が高い結果であった。

【0026】
【表3】

【0027】
<効果実感>
更に、5人の女性被験者により洗浄料のべたつき感と液だれについて、以下の5点で評価した。結果は表4に示した。
1)使用時の粘度がよく、べたつき感がない(5点)
2)使用時の粘度がややよく、べたつきが少ない(4点)
3)使用時の粘度がやや低く、べたつきを少し感じる(3点)
4)使用時の粘度が低く、べたつきを感じる(2点)
5)使用時の粘度が非常低く、べたつきを非常に感じる(1点)
点数が低いほど実感が低いと評価した。

【0028】
【表4】

【0029】
表4の結果から本願発明の洗浄料が比較例に比べてベトツキ感がなく、使用時の粘度が適度で良好な使用感を示すことが明らかとなった。

【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、洗浄料に応用できる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)アニオン界面活性剤と、B)両性界面活性剤と、C)カチオン化高分子とを含有することを特徴とする、洗浄料。
【請求項2】
アニオン界面活性剤と両性界面活性剤との質量比が、3:7〜7:3であることを特徴とする、請求項1に記載の洗浄料。
【請求項3】
前記アニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の洗浄料。
【請求項4】
前記両性界面活性剤がアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタインであることを特徴とする、請求項1乃至3に記載の洗浄剤。
【請求項5】
前記カチオン化高分子は、アルキル基がC1〜C5のトリアルキルアンモニウム塩変性多糖類であることを特徴とする、請求項1乃至4に記載の洗浄剤。
【請求項6】
粘度が1500〜3000mPa・sであることを特徴とする、請求項1乃至5に記載の洗浄料


【公開番号】特開2010−70491(P2010−70491A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239319(P2008−239319)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】