説明

洗濯乾燥機

【課題】時間短縮重視もしくは電力量低減重視のいずれかの乾燥運転が選択できる洗濯乾燥機を提供する。
【解決手段】洗濯から乾燥まで行う洗濯乾燥コースもしくは乾燥のみのコースにおいて、加熱手段を用いて乾燥させる通常乾燥運転と主に加熱手段を使わない節電乾燥運転とを、任意に選択できる手段を設ける。さらに、以下の特徴のうち少なくとも一つを設ける。一連の洗濯乾燥運転の場合には、最終脱水回転数の上限設定を、通常乾燥運転のときよりも負荷ランクごとに可能な限り上げたものとする。最終脱水時間を、通常乾燥運転のときよりも長くする。また、乾燥開始時の送風手段の設定回転数までの加速は、加熱手段の併用による制約がないことから、機器損傷に及ばない範囲で迅速に立ち上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類を乾燥する手段を備えた洗濯乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
乾燥機又は洗濯から乾燥までを連続して行える洗濯乾燥機による衣類の乾燥は、送風ファンと熱源により高温・低湿度の空気を作り、これを洗濯槽内に吹込み、衣類の温度を高くし、衣類から水分を蒸発させ、蒸発した水分を機外へ排出することにより行う。蒸発した水分の除去方法としては、そのまま洗濯乾燥機外へ排出する排気方式(常に新しい空気を供給)と蒸発した水分を冷やし結露させて水分を除去する除湿方式(同じ空気を循環させる)がある。
【0003】
前者に関する技術として、下記特許文献1がある。この特許文献1には、温風による乾燥運転の終了に続いて、送風手段の送風による冷却運転を実行するとともに、空気排出手段の排気弁を開放し密閉空間内の空気を外部に排出することが記載されている。
【0004】
後者に関する技術として、下記特許文献2には、強制乾燥時には、排気ダクトが閉鎖状態のときに送風器とヒータと除湿器を運転し、余熱乾燥時には、排気ダクトを閉鎖状態から開放状態に切換え、ヒータを運転状態から運転停止状態に切換えることが記載されている。
【0005】
また、下記特許文献3には、還流空気を熱交換器を介さずに直接乾燥機外へ排出し、かつ新しい空気を吸込んでドラム内へ送込む手段を有すること記載されている。
【0006】
一方で、乾燥においては、乾燥終了時の衣類のしわが少ないことによる仕上がりのよさも求められる。これに関する技術として、下記特許文献4がある。この特許文献4には、風量は0.8m3/min以上であり、風速は風量に応じて設定されることが記載されている。
【0007】
更に、風量制御に関する技術として、下記特許文献5がある。この公報には、ファン駆動電動機を回転数制御して乾燥の3期間のおのおのに対応した最適の熱風風量と精度の温度を効果的に制御して供給することが記載されている。
【0008】
また、ヒータ入力をせずに風乾燥とする運転が選択可能な技術として、下記特許文献6がある。この特許文献6には、ヒータの上流側にあたる循環風路の部位を機体外に通じさせたり、閉ざしたりする蓋開閉手段を有し、開閉手段を開いた状態でヒータの通電がともなわない冷風による風乾燥運転を設けたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−104715号公報
【特許文献2】特開2008−110135号公報
【特許文献3】実開平3−128094号公報
【特許文献4】特開2009−72500号公報
【特許文献5】特開昭62−44299号公報
【特許文献6】特開2011−11079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、洗濯物に吹付けた後の温風空気をそのまま排気する従来技術では、時間短縮と使用水量や消費電力の低減を図ることはできるが、乾燥機または洗濯乾燥機周囲の室内に高湿な空気をそのまま排気してしまい、室内の環境を悪化させてしまう。また温風を用いるため、温風と衣類の当たり具合の偏りから、個々の衣類の乾燥度にばらつきが生じ、いわゆる乾きムラが生じていた。最近では生活の多様化や電力供給側からの節電要求により、乾燥時間の短縮よりも消費電力量を削減し、さらには運転中の消費電力のピーク値を極力下げて節電を望む要望が強い。一方、従来どおりの乾燥時間の短縮との両立(バランス)を重要視する場合があるが、ヒータの使用不使用を任意に選択できる従来技術は、衣類乾燥機を対象としたものであり、衣類の収縮、傷みを低減することを目的としたものである。このため、ヒータの不使用以外に消費電力量を削減する手段や技巧については何ら言及されていない。よって乾燥時間の短縮を望む運転及び消費電力量の削減を望む運転のどちらにも対応できる家庭用の洗濯乾燥機及びその技術は見受けられない。またあえて言及すれば、前者の運転においても、使い勝手の面から、可能な限り時間を短縮させた運転が望まれる。
【0011】
一方、仕上がりのみを重視した温風速度と風量を構成する従来技術では、しわを少なくできるが乾燥の消費電力量の削減への考慮はされていない。
【0012】
そこで本発明は、時間短縮重視もしくは電力量低減重視のいずれかの乾燥運転が選択できる洗濯乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
洗濯から乾燥まで行う洗濯乾燥コースもしくは乾燥のみのコースにおいて、加熱手段を用いて乾燥させる通常乾燥運転と主に加熱手段を使わない節電乾燥運転とを、使用者が任意に選択できるようにボタンなどの設定手段を設ける。さらに以下の特徴のうち少なくとも一つを設ける。一連の洗濯乾燥運転の場合には、最終脱水回転数の上限設定を、通常乾燥運転のときよりも負荷ランクごとに可能な限り上げたものとする。最終脱水時間を、通常乾燥運転のときよりも長くする。乾燥開始時の送風手段の設定回転数までの加速は、加熱手段の併用による制約がないことから、機器損傷に及ばない範囲で迅速に立ち上げる。また必要に応じて、以下のような特徴を設ける。送風手段により昇圧した空気をドラム内に吹き込む際には、ノズル部に吹出し速度48m/s以上の高速風として衣類に当てる。乾燥の基本運転パターンを、同一の空気をドラムと送風ダクト内で循環させる循環工程と、筐体内もしくは筐体を通過した雰囲気を送風手段の吸気に取り入れ、その同量の空気を排水ホースを介して排気する送風排気工程から構成させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、節電重視もしくは乾燥所要時間短縮重視のいずれかの乾燥運転を選択することができる。また、前者を選択すると、昇圧に伴う熱の利用とドラム内への吹出し風の高速化による伝熱性能のバランスにより、効率よく乾燥できるため、乾燥に必要な消費電力量を削減できる。さらに送風空気の昇温に、別置した熱源を用いないため、乾燥工程内で消費電力のピークを作らず、高温となる部位もないため、運転中の安全性を確保できる。さらに送風空気の温度レベルも比較的低いため、衣類間の温度差もつきにくく、衣類の乾きムラを低減できる。またドラムへの吹出し風速を所望の値以上に確保すれば、しわを少なくでき仕上がりを良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施例に係るもので洗濯乾燥機の斜視図を示す。
【図2】本発明の第1の実施例に係るもので乾燥工程前半の循環時の洗濯乾燥機の断面図を示す。
【図3】本発明の第一の実施例に係るもので乾燥工程前半の循環空気フローと一部切断して内部構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るもので乾燥工程後半の送風排気時の洗濯乾燥機の断面図を示す。
【図5】本発明の第1の実施例に係るもので乾燥工程の運転パターンを示す。
【図6】本発明の第1の実施例に係るもので、従来方式との乾燥度分布の違いを示す。
【図7】本発明の第1の実施例に係るもので、風速v(m/s)の違いに対する乾燥仕上がりの一例を示す。
【図8】本発明の第1の実施例に係るもので、洗濯乾燥機の制御装置のブロック図を示す。
【図9】本発明の第1の実施例に係るもので、洗濯乾燥機の制御処理プログラムのフローチャートを示す。
【図10】本発明の第1の実施例に係るもので、負荷レベルに応じた脱水回転数の上限値テーブルを示す。
【図11】本発明の第1の実施例に係るもので、負荷レベルに応じた乾燥終了の規定温度テーブルを示す。
【図12】本発明の第1の実施例に係るもので、ヒータ加熱の有無に対する乾燥電力量と乾燥時間の比較を示す。
【図13】本発明の第2の実施例に係るもので一部切断して内部構造を示す斜視図である。
【図14】本発明の第3の実施例に係るもので吹出しノズル部の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施例に係るもので、洗濯乾燥機の斜視図を示す。ベース1の上部には鋼板と樹脂成形品で組合わされて構成された外枠2が載せられている。外枠2の正面には洗濯物30を出し入れするドア3と前面カバー22及び背面には背面カバー23が設けられている。
【0018】
図2は、本発明の第1の実施例に係るもので、内槽たる回転ドラム29にファン49で昇圧した空気を送風して乾燥対象物である洗濯物30から水分を蒸発させ、その蒸気を含んだ空気を外槽20、送風ダクト40を通過させる間に上記外槽20、送風ダクト40と熱交換させて、蒸気の一部を結露させての除湿する循環乾燥工程時の洗濯乾燥機の断面図を示す。また図3は前記循環乾燥工程時の空気フローを、筐体の一部を切断して内部構造を示したものに、矢印にて示した斜視図である。ファン49により昇圧した空気は、ノズル部を通して、回転ドラム29内に吹出す。
【0019】
まず、洗濯乾燥機の概略構造および洗濯脱水工程について簡単に説明する。外枠2の内側には外槽20が備えられる。外槽20は下部の複数個のサスペンション21により支持されている。外槽20の内側にある回転ドラム29にはドア3を開けて投入された洗濯物30があり、回転ドラム29の開口部の外周には脱水時の洗濯物30のアンバランスによる振動を低減するための流体バランサー31が設けられている。また、回転ドラム29の内側には洗濯物30を掻き揚げる複数個のリフター33が設けられている。回転ドラム29は回転ドラム用金属製フランジ34に連結された主軸35を介してドラム駆動用モータ36に直結されている。外槽20の開口部には弾性体からなるゴム系のパッキン38が取付けられている。このパッキン38は外槽20内とドア3との水密性を維持する役割をしている。これにより、洗い,すすぎ及び脱水時の水漏れの防止が図られている。回転ドラム29は、側壁に遠心脱水および通風用の多数の小孔(図示せず)を有する。外槽20の底壁に開口した排水口37は、排水弁8を介して排水ホース9に接続する。またオーバーフローホース17はドラム背面の送風ダクト40に取り付けられており、排水弁8手前で排水口37からのホースと合流させる。即ち、排水弁8が開となれば、排水ホース9と連通される構成となっている。
【0020】
乾燥装置6は、送風手段として、回転ドラム29内の洗濯物30に送風を導く送風ダクト5、ファン49及び吹出しノズル11と、加熱手段として、ヒータ50を備えている。この乾燥装置6は、外槽20から離して外枠2に固定(図示せず)されている。ヒータ50の出口と吹出しノズル11は外槽20の最上面から中心までの間に且つ外槽20の中心より前面の位置に柔軟構造のベローズ7で外槽20に対し略垂直に接続して外槽20の振動を吸収している。排水孔37,ファン49の吸気口及び吐出口には温度センサ(図示せず)が設けてある。ただし、本実施例の加熱手段であるヒータ50は別の運転時に使用するもので、本実施例においては、ヒータは使用しない。
【0021】
このように構成したドラム式洗濯乾燥機は、洗濯工程においては、回転ドラム29内に洗濯物30を投入し、排水弁8を閉じた状態で給水して外槽20に洗濯水を溜め、回転ドラム29を回転させて洗濯物30を洗濯する。ドラム式洗濯乾燥機の場合、ドラムの回転に伴って、リフター33により洗濯物30をドラム頭頂部に持ち上げた後、重力によりドラム底部に落とすたたき洗いが主流となる。オーバーフローホース17が送風ダクト40に接続されているため、場合によっては送風ダクト40の前記オーバーフローホース17の位置まで洗濯水は流入してくる。また洗濯工程中に、送風ダクト40内のリントを洗い流すために、送風ダクト40上部に設けた注水具(図示せず)より送風ダクト40内に注水する場合もある。外槽20背面部と送風ダクト40底部をつなぐジャバラホース52ならびに外槽側取付部53に、送風ダクト40から外槽背面部に向かって下り傾斜をつけてあるため、流入してきた水は、洗濯終了時には、速やかに外槽20から排水口を通して機外へ排水される。
【0022】
また、脱水工程においては、排水弁8を開いて外槽20内の洗濯水を排水した後、回転ドラム29を回転させて遠心脱水する。脱水水の一部が送風ダクト40側に巻き上げられてきても、外槽20背面部と送風ダクト40底部をつなぐジャバラホース52ならびに外槽側取付部53に、送風ダクト40から外槽20背面部に向かって下り傾斜をつけてあるため、速やかに外槽側に戻すことが出来る。脱水回転数を上げて、回転ドラム29が高速回転すると、外槽20にも振動が伝わり、外槽20自身も僅かながら振動する。送風ダクト40は筐体に固定されているため、外槽20背面部と送風ダクト40底部をつなぐジャバラホース52が連動して、振動の一部を吸収する。
【0023】
乾燥工程の前半では、図2に示したように、ファン49による断熱圧縮で昇温した空気を回転ドラム29内へ吹出しノズル11を通して送風して、洗濯物30と熱交換させるとともに洗濯物30から水分を蒸発させる。蒸発した水分を含んで高湿となった空気を、送風ダクト40を通してファン吸込口に導き、再び昇圧した後、回転ドラム29内へ送風する。吸気弁13は送風ダクト40の壁面の一部を形成して、送風ダクト40の内と外を隔離した全閉状態としている。また本実施例では、ファン49による圧力上昇が約6000Paであるため、圧縮工程が断熱圧縮であれば温度上昇分は約5℃となる。加えてこの圧縮時にファン49を駆動させるファンモータ51から軸(図示せず)を通しての伝熱でも空気は温められ、合わせて空気は約9℃温度上昇する。回転ドラム29出口の高湿な空気は、外槽20及び送風ダクト40を通るときに、前記外槽20及び前記送風ダクト40とも熱交換して、飽和蒸気圧が下がる分の水分を前記外槽20及び前記送風ダクト40の壁面において凝縮させる。送風ダクト内で凝縮した水分は、やがてダクト底部からジャバラホース52に溜まってくるが、送風ダクト40から外槽20の背面部に向かって下り傾斜をつけてあるため、凝縮水も外槽20を介して排水口付近まで移送できる。
【0024】
乾燥工程の後半では、吸気弁13および排水弁8を開く。図4に、乾燥工程後半における洗濯乾燥機内の空気の流れを示す。ファン49吸込側にある吸気弁13を送風ダクト40の内側(風路内)に折り曲げるようにして開く。開度θは、送風ダクト40の風路を大略(漏洩レベルは無視)塞ぐように開いた全開状態θTに対して、本実施例では略半分開く(0<θ<θT)。送風ダクト40外の筐体内空気を吸い込み、循環空気の一部と混ぜて、回転ドラム29内へ送風する。回転ドラム29から押し出される空気は、排水口37より排水ホース9を通り、排水孔39に排出される。一般的な排水トラップの場合、水封じ高さは50〜80mm程度あるため、この工程のはじめに、吸気弁を全開にして、ドラム内圧力を上げて水封じを破っておく。水封じを破るには排水ホース9側の圧力は約1000Pa以上必要となる。また、乾燥が進むにつれ、凝縮水が生じ、排水トラップに溜まって来る。このため、一定間隔をおいて、前記水封じを破る動作を行う。
【0025】
回転ドラム29からの排気は、排水口37から排水弁8までの接続ホースと、オーバーフローホース17とを通して排気させる。一方、主に筐体底部から筐体内に導かれる吸気は、筐体上部にある給気孔18までの間に、回転ドラム駆動用モータ36やファンモータ51の周囲を通されるため、高温となって給気弁13から送風路内に取り込まれる。このため通常は、ファン49出口に設けてあるヒータ50は通電する必要はない。回転ドラム29からオーバーフローホース17を通して排水弁から排気する排気経路内に、外槽20背面部の外槽側取付部53とジャバラホース52が含まれるが、外槽20背面部から送風ダクト40に対しては上り傾斜となり、排気の送風ダクト40への流入角は、90度よりも大きい鈍角となり、排気経路の風路損失を減らすことが出来る。
【0026】
図5は、本実施例における乾燥工程の運転パターンと回転ドラム29に送り込むファン出口空気と、吸気と一部のドラム出口空気が混合されたファン入口空気温度の変化を模式的に示したものである。乾燥工程前半では、空気を、回転ドラム29と送風ダクト40の間でファン49により循環させる。ファンの昇圧により、循環空気は温度上昇していく。それとともに温風は、回転ドラム内で衣類と熱交換し、その熱の一部で蒸発した水分を含むことにより、高湿となる。高湿となった空気は回転ドラム29から外槽、送風ダクト40を介してファン吸込みに戻される。このとき、外槽や送風ダクトによる冷却で、露点以下となる場合は、外槽、送風ダクト内壁で凝縮し、除湿される。これにより、外槽や送風ダクトは循環空気とともに序々に温度が上がり、循環系にも熱を蓄えることができる。乾燥工程の後半では、ファン49吸込側にある吸気弁13を開くことにより、送風ダクト40外の筐体内空気を吸い込み、循環空気の一部と混合させた後、ファン49により回転ドラム29内へ送風する。即ちこの工程では、ファンモータ51や回転ドラム駆動用モータ36の排熱により温められた筐体内空気を循環空気内に取り込み、ファンの断熱圧縮を伴って温風として回転ドラムに送られる。取り込んだ空気と同量の循環空気を、オーバーフローを介して機外へ排気する。本実施例では、前述のように昇圧時の温度上昇とモータ損失熱の伝熱などにより、約9℃ほど上がっている。乾燥終了後は、排水口39側の圧力より排水ホース9側の圧力を高く保ちながら水封じを破らない圧力レベルまでファン49の回転数を下げて、給水電磁弁28を開いて流し、排水トラップ10の水封じを回復させて乾燥工程終了となる。
【0027】
このように、乾燥終了後に、排水ホース9側の圧力を所定以上に保ちながら排水ホース9を経由して排水口37に水を供給することにより、排水孔39からの臭気を抑えながら排水トラップ10の水封じを回復させることができる。なお、この排水トラップ10の回復は、排水ホース9側の圧力を高く保っていれば、(排水ホース排気の)乾燥運転の最後又は乾燥運転の終了後のいずれでも良い。
【0028】
図6は、衣類負荷5kg、ファン回転数13400r/min、ノズル部からの吹出し風速約83m/sとしたときの乾燥結果から、個々の衣類の乾燥度の確率頻度分布を正規化したものである。ここで乾燥度とは、完全に乾燥させた布本来の質量を試験終了後の布の質量で除した値を百分率表示したものである。また同図には、同様の試験条件において、ヒータ約900Wを用いたときの結果も示している。ヒータOFFの結果は、ヒータ50を用いた結果よりも、若干高めまで乾燥させた結果となっているが(図中の各々の平均乾燥度にほぼ比例)、同レベルとみなせば、乾燥に時間を掛ける本実施例のほうが、各々の衣類の温風との接触時間が十分に確保でき、衣類間での伝熱も良好となり、個々の衣類の乾燥度のばらつきは押さえられる。
【0029】
また図7は、負荷2kg、風量1.5m3/min一定のもと、風速vm/sの違いに対する衣類仕上がり状態の一例を示す図である。なお風速は、ファン49の風量をノズル吹出口の出口11aの面積で除した値とする。図中(a)は風速20m/sの仕上がり状態、(b)は風速48m/sの仕上がり状態、(c)は風速82m/sの仕上がり状態を示している。この図からわかるように、風速が48m/sよりも小さいと仕上がりが悪化することがわかる。
【0030】
図8は、洗濯乾燥機の制御装置41のブロック図である。26はマイクロコンピュータで、各スイッチ24,24a,24bに接続される操作ボタン入力回路25や水位センサ44,温度センサ45と接続され、使用者のボタン操作や洗濯工程,乾燥工程での各種情報信号を受ける。マイクロコンピュータ26からの出力は、駆動回路5に接続され、給水電磁弁28,排水弁8,モータ26,ファン49,本実施例の加熱手段であるヒータ62(本実施例の運転では使用せず),吸気弁13などに接続され、これらの開閉や回転,通電を制御する。また、使用者に洗濯機の動作状態を知らせるための7セグメント発光ダイオード表示器7や発光ダイオード15,ブザー19に接続される。前記マイクロコンピュータ26は、電源スイッチ47が押されて電源が投入されると起動し、図9に示すような洗濯および乾燥の基本的な制御処理プログラムを実行する。
【0031】
ステップS101
洗濯乾燥機の状態確認及び初期設定を行う。
【0032】
ステップS102
操作パネル48の表示器7を点灯し、操作ボタンスイッチ24bからの指示入力にしたがって洗濯/乾燥コースを設定する。指示入力がない状態では、標準の洗濯/乾燥コースまたは前回実施の洗濯/乾燥コースを自動的に設定する。例えば、操作ボタンスイッチ24aを指示入力された場合は、乾燥の高仕上げコースを設定する。ここで、ヒータを使用する乾燥コースもしくは、時間を要するが消費電力量を低減できるヒータ(本実施例の加熱手段)を使用しない節電乾燥コースの何れかを、操作ボタン等の選択手段により適宜選択して設定する。
【0033】
ステップS103
操作パネル48のスタートスイッチ24からの指示入力を監視して処理を分岐する。
【0034】
ステップS104
センシング動作により負荷レベルを自動計測して、洗剤投入量の指標を表示した後、洗濯を実行する。このとき、負荷レベルの確認の後でも乾燥運転の変更は可能とする。洗濯は洗い,中間脱水,すすぎ,最終脱水を順次実行するが、通常のドラム式洗濯乾燥機と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0035】
ステップS105
洗濯乾燥コースが設定されているかどうかを確認して処理を分岐する。洗濯コースのみが設定されている場合は、運転を終了する。
【0036】
ステップS106
洗濯乾燥コースが設定されている場合は、高速脱水を実行する。高速脱水は、ファン49を中低速回転で運転し、昇圧により温度上昇した空気を回転ドラム29内に吹込み、衣類を温める。同時に、回転ドラム29を段階的に高速まで回転させ、温まった衣類から効果的に水分を脱水する(温度が上がると水の粘性が低下するため効率よく脱水できる)。
【0037】
図10には、高速脱水時のドラム回転数の上限設定の一例を示す。洗濯物30の量が少ない、すなわち負荷が軽いと、ドラムの周方向で衣類が偏って固定されてしまう確率も高く、いわゆるアンバランス状態になりやすい。このため上限値は押さえ気味としている。さらに節電乾燥運転では、極力脱水により衣類から水分を取り除いておきたいので、靜音制振の配慮から押さえ気味とした通常乾燥よりも高めの設定としている。
【0038】
また、本実施の形態例では、ファン49の回転数を毎分11000回転以下に設定している。これは、許容電流値(15A)を超えないようにするためである。洗濯から脱水までに送風ダクト40に流入した水は、外槽20背面部に向かって下り傾斜をなすジャバラホース52及び外槽側取付部53を通して速やかに排水口20から機外へ除去できるため、乾燥時の熱損失を低減できる。脱水の終了後は、衣類どうしの絡まりをほぐす動作が入る。具体的には、ドラムを低速(例えば毎分20〜50回転)で左右に回転させて、絡みをとる。節電乾燥運転が選択されている場合は、通常乾燥運転時よりも脱水回転数を高めとするため、ドラム内側への衣類の張り付きや前記衣類どうしの絡みも強いので、必要に応じてほぐし動作を強化しておく。このように、ヒータ50を使わない節電乾燥運転の場合、ヒータ50を使う通常乾燥運転の場合と比べて、洗濯乾燥運転の最終脱水時における回転ドラム29の回転数を高くしたので、乾燥工程に入る前の脱水工程の段階で衣類に含まれる水分量を極力少なくでき、乾燥運転時間の短縮を図ることができる。
【0039】
ステップS107
乾燥工程前半を実行する。ファン49は高速回転、回転ドラム29の正逆回転を繰り返し、回転ドラム29内の衣類の位置を入れ替えながら、断熱圧縮で温度上昇した空気をノズル部から衣類に吹き付ける。このとき送風ダクト20内で高湿空気から除湿された凝縮水は、送風ダクト40底部から外槽20背面部に向かって下り傾斜をなすジャバラホース52及び外槽側取付部53を通して速やかに排水孔37近まで除去できるため、凝縮水が温風に対して熱損失となることを回避できる。節電乾燥運転の場合、送風空気の温度上昇は、前述のように昇圧に伴う温度上昇とファン排熱回収が主な要因となる。このため、ファン効率を著しく低下させない範囲において、通常乾燥運転に対して、ファン49の回転数を高回転とする運転でも良い。またファン49の起動は、通常乾燥運転では加熱手段であるヒータ50の入力を伴うため、電流制御などによる回転数の上昇速度の調整が必要となる。これに対して節電乾燥運転では、前記調整の必要はなく、機器の損傷に至らない範囲において迅速に立ち上げるのが好ましい。
【0040】
ステップS108
乾燥開始からの経過時間が規定の時間になったかどうかを確認して処理を分岐する。
【0041】
ステップS109
乾燥開始から規定の時間が経過した場合、もしくは中間温度と初期温度の差が規定の温度より大きくなった場合、洗濯物の乾燥度が(=乾布の質量/湿布の質量)が0.90〜0.95と判断し、ファン49を一端低速に落とし、給気弁を全開にする(送風ダクト側の風路は全閉)。
【0042】
ステップS110
ファン49を高速回転に戻して、ドラム内の圧力を上げて、排水トラップの水封じを破る。
【0043】
ステップS111
給気弁を半開にもどし、ファン49を再び高速回転として、乾燥工程後半を実行する。ステップS102において、ヒータ50を使用しない乾燥コースを選択されているか否かを確認して、もしヒータ50を使用するコースを選択している場合には、ヒータ50に通電する。
【0044】
ステップS112
外槽下部排水口温度T1aと外気温度T2aを測定する(初期温度の設定)。
【0045】
ステップS113
乾燥開始からの経過時間が規定の時間になったかどうかを確認して処理を分岐する。
【0046】
ステップS114
終了判定のための外槽下部排水口温度T1bと外気温度T2bを測定する。
【0047】
ステップS115
排気開始からの経過時間が規定の時間になったかどうかを確認して処理を分岐する。
【0048】
ステップS116
外槽下部排水口温度と外気温度の各々中間温度と終了判定温度との差を求め(ΔT1=T1a−T1b,ΔT2=T2a−T2b)、さらにそれらの温度差(ΔT1−ΔT2)が規定温度以上であるかどうかを確認して処理を分岐する。図11に、負荷レベルに対する規定温度テーブルの一例を示す。ヒータ50を使用した通常の乾燥運転では、温度レベルが高いため、各々の温度差ΔT1,ΔT2も大きく取れる。一方、本実施例の加熱手段であるヒータ50を使用しない節電乾燥では、乾燥が進んでもΔT1,ΔT2も小さい。このため、前者と同じ規定温度とすると、乾燥が実質おわっているのに終了判定を満たせないので、結果として乾燥運転を継続してしまう。時間も電力量もかさみ、無駄が生じてしまう。このため図11に示したように規定温度レベルを下げて、節電乾燥に対して適正なテーブルを用いる。
【0049】
ステップS117
排気開始から規定の時間が経過した場合、もしくは中間温度と終了温度の差が規定の温度より大きくなった場合、洗濯物の乾燥度が(=乾布の質量/湿布の質量)が1.0以上となり乾燥が終了したと判断し、排水孔39側の圧力より排水ホース9側の圧力を高く保ちながら水封じを破らない圧力レベルまでファン49の回転数を下げて給水電磁弁28を開いて冷却水を流し、排水トラップ10の水封じを回復させる。このとき、ヒータを使用するコースを選択している場合には同時に本実施例の加熱手段であるヒータをOFFにする。
【0050】
ステップS118
給水電磁弁28を開いてからの経過時間が規定の時間になったかどうかを確認して処理を分岐する。
【0051】
ステップS119
水位センサ44の圧力が規定の圧力になったかどうかを確認して処理を分岐する。
【0052】
ステップS120
給水電磁弁28を開いてから規定の時間が経過した場合、もしくは水位センサ44の圧力が規定の圧力より大きくなった場合、排水トラップ10の水封じが回復したと判断し、ファン49を停止、モータ36を停止、吸気弁13を閉じ、給水電磁弁28を閉じて乾燥工程が終了する。
【0053】
このように構成した洗濯乾燥機は、ファン49へ吸込まれる筐体内部空気を補うために、外部空気を筐体内に取り込んで、筐体内において外槽20,モータ36,ファン49などの排熱により温める。直接外部空気を吸込んだ場合と比較して乾燥工程の消費電力量全体の約7%を削減できる。また、外部空気を吸込んでも排水ホース9より洗濯物30の水分を排水口39に排出するため室内の環境を悪化させることはない。外槽20背面部と送風ダクト40底部をつなぐジャバラホース52の外槽側取付部53に、洗濯乾燥機設置面に対して、外槽20から送風ダクト40に向けて上り傾斜を持たせてある。さらに、外槽20背面部の前記取付部位置よりも送風ダクト40底部の取付部位置を高くして、ジャバラホース52にも傾斜をつけた構造とすることにより、洗濯から脱水までの残水の送風経路からの除去による熱損失、さらには排気工程時の風路損失を低減できる。本実施例では、ステップS111の乾燥後半において吸気弁13を半開としているが、全開にすると、前述のように送風ダクト40内の風路をおおよそ完全に塞ぐ状態(漏えいレベルは無視)となる。よって回転ドラム29から押し出された全風量は、排水口37もしくはオーバーフローホース17を介して排水ホース9を通り、排水孔39に排出される。よって大半の送風空気を周囲外気と入れ替えるため、送風空気の温度レベルは下がるが、湿度レベルも下げられる。このため、吸気弁13の開度は負荷容量や布質によって調整するのが好ましい。全開としても基本動作及び本実施例の効果については何ら影響しない。本実施例の加熱手段であるヒータ50を用いた通常乾燥よりも送風空気温度レベルが低いため循環空気は速く飽和湿度に達する。また加熱手段を用いていないことから循環空気温度の上昇速度も通常乾燥運転に比べて遅い。このため、乾燥工程前半から乾燥工程後半へ切り替えるタイミングは、通常乾燥運転よりも速いほうがよいが、外気温度や負荷レベルに応じて調整するのが好ましい。
【0054】
図12は、一例として乾燥運転中のヒータ50の加熱時間の違いによる乾燥電力量比と乾燥時間比についてまとめた図である。本実施例の加熱手段であるヒータ50の加熱時間25分の乾燥電力量と乾燥時間の結果を基準の1.0として、ヒータ加熱時間13分,0分(ヒータ加熱時間無し)の結果を比として示している。本図から分かるように、ヒータ50の加熱時間を減らしていくと、乾燥度100%までの乾燥電力量は低減できるが、乾燥に要する時間は増加していく傾向にある。このため、時間を優先するか、乾燥電力量低減を優先するかにより、ヒータ50による加熱の有無が決まる。このことから、ヒータの使用、不使用の選択ではなく、ヒータ50の通電時間を任意に調整して好みの乾燥所要時間と節電具合を選ぶことも容易に考えられる。このとき、本実施例の加熱手段であるヒータ50の入力を絞って低減できる入力の一部もしくは全てを、ファン49の回転数の高速化に転用して、吹出し風速と風量を増やすことで乾燥の高効率化を図って、乾燥所要時間を縮めることにより、消費電力量の節電を図っても何ら差し支えない。また、厚みのあるタオル代表される乾きにくい綿布などの場合には、通常乾燥運転よりも節電となる電力量範囲において、乾燥終了直後に加熱手段を用いて温風を送り、乾き具合や手触り感の仕上がりを良くする設定もしくは自動布質検知を設けても、本発明の主旨を損なうものではない。
【0055】
さらに、節電乾燥運転を設定し、乾燥工程に入った後でも、乾燥終了時間を速めたいために通常乾燥モードへ切り替えるもしくはその逆の設定変更ができる構成であっても基本的には本実施例と変わらず、何ら差し支えない。また、本実施例では加熱手段としてヒータを用いた実施例としてあるが、ヒータに限らず、ヒートポンプや熱電素子などの別方式の加熱手段を用いたものでも、本発明の主旨や効果については変わるものではない。当然、これら別方式の加熱手段を用いたものでも何ら差し支えない。
【0056】
図13は、本発明の第2の実施例における全体斜視図を示したものである。本実施例は、乾燥運転コースに応じて、回転ドラム29内への吹出し位置を切り替える構成となっている。通常乾燥の場合は、ドラム前面に設けたノズルの出口11aを絞って高風速としたノズル11から、送風手段出口からの送風空気を送風する。節電乾燥運転では、切り替えダンパ54を分岐ダクト57に送風する方向に切り替えて、外槽の背面に設けた絞り抵抗の小さい背面吹出し口から、送風する構成となっている。このような構成とすることにより、節電乾燥時は絞り抵抗のより小さい吹出し口からの送風となるため、ファン49の回転数を落としても所望の風量が確保できる。これにより節電乾燥運転の消費電力をさらに低減できる。一方、通常乾燥時は高風速を維持できるため、仕上がりを確保できる。また必要に応じて、どちらの運転においても、途中で吹出し位置を相互に切り替えて、消費電力の低減もしくは風速維持による仕上がり確保の選択をしても、本質的には何ら差し支えない。
【0057】
図14は本発明における第2の実施例のノズル部53の拡大図を示したものである。本発明では、ノズル部53内に仕切り板55を設け、仕切り板55で二分された風路の一方の入口にダンパ54を設けた構成となっている。通常乾燥運転では、図中(a)のように、ダンパ54を閉じて高風速を維持し、仕上がりを重視する。節電乾燥運転の場合には、図中(b)に示すように、ダンパ54を開けて、ノズルの出口11a,11bとすることにより、通風抵抗を小さくして同じ風量に対するファン49の入力を低減する。前から直接、回転ドラム29内に吹出す構成を堅持できるため、仕上がりも確保できる。以上のような構成とすることにより、通常乾燥運転では仕上がり状態を良くするような運転とすることができ、節電乾燥運転では、より消費電力を低減した運転ができる。また、一連の乾燥において、前者のノズルの出口11aのみとする運転と、後者のノズル出口11a,11bを合わせた運転とを組み合わせて、たとえば衣類に水分が多く含まれていて仕上がりに影響の大きい乾燥初期は、前者のノズル状態として高速風で仕上がりをある程度確保し、後半は節電重視の後者のノズル状態とすることにより、仕上がりと節電の調節ができる。ダンパ54を設けずに、ノズル部自体を複数個設けて、通風数を調整する方式においても、本質的には変わらない。
【符号の説明】
【0058】
1 ベース
2 外枠
3 ドア
4 ベローズ
5 駆動回路
6 乾燥装置
7 表示器
8 排水弁
9 排水ホース
10 排水トラップ
11 吹出しノズル
11a 吹出しノズルの出口
12 循環空気
13 吸気弁
14 筐体内部空気
15 発光ダイオード
16 外部空気
17 オーバーフローホース
18 給気孔
19 ブザー
20 外槽
21 サスペンション
22 前面カバー
23 背面カバー
24,24a,24b スイッチ
25 操作ボタン入力回路
26 マイクロコンピュータ
27 フィルタダクト
28 給水電磁弁
29 回転ドラム
30 洗濯物
31 流体バランサー
32 モータ固定具
33 リフター
34 金属製フランジ
35 主軸
36 ドラム駆動用モータ
37 排水孔
38 パッキン
39 排水口
40 送風ダクト
41 制御装置
42 吸気口
43 ベース部
44 水位センサ
45 温度センサ
46 振動センサ
47 電源スイッチ
48 操作パネル
49 ファン
50 ヒータ
51 ファンモータ
52 ジャバラホース
53 ノズル部
54 切り替えダンパ
55 仕切り板
56 背面吹出し口
57 分岐ダクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽内に回転自在に配置され、乾燥時に内部が乾燥室となり、洗濯物を収容する内槽と、該内槽を駆動するモータと、前記外槽を支持し外装を成す筐体と、空気を加熱する加熱手段と、前記内槽内に空気を送風する送風手段を備えた洗濯乾燥機において、乾燥全工程において前記加熱手段を使わず、前記送風手段により空気を前記内槽内の衣類に送風する運転と、前記加熱手段を使って、前記送風手段により空気を前記内槽内の衣類に送風する運転とを有し、前記加熱手段を使わない運転の場合、前記加熱手段を使う運転の場合と比べて、洗濯乾燥運転の最終脱水時における前記内槽の回転数を高くすることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項2】
外槽内に回転自在に配置され、乾燥時に内部が乾燥室となり、洗濯物を収容する内槽と、該内槽を駆動するモータと、前記外槽を支持し外装を成す筐体と、空気を加熱する加熱手段と、前記内槽内に空気を送風する送風手段を備えた洗濯乾燥機において、乾燥全工程において前記加熱手段を使わず、前記送風手段により昇圧昇温した空気を、前記内槽内の衣類に送風する運転と、前記加熱手段を使って、より高温とした空気を前記内槽内の衣類に送風する運転とを選択する手段を有し、前記加熱手段を使わない運転の場合、前記加熱手段を使う運転の場合と比べて、洗濯乾燥運転の最終脱水時の所要時間を長くすることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項3】
外槽内に回転自在に配置され、乾燥時に内部が乾燥室となり、洗濯物を収容する内槽と、該内槽を駆動するモータと、前記外槽を支持し外装を成す筐体と、空気を加熱する加熱手段と、前記内槽内に空気を送風する送風手段を備えた洗濯乾燥機において、乾燥全工程において前記加熱手段を使わず、前記送風手段により昇圧昇温した空気を、前記内槽内の衣類に送風する運転と、前記加熱手段を使って、より高温とした空気を前記内槽内の衣類に送風する運転とを選択する手段を有し、前記加熱手段を使わない運転の場合、前記加熱手段を使う運転の場合と比べて、前記送風手段のファンの乾燥開始から所定回転数に到達するまでの時間を短くしたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項4】
請求項1記載の洗濯乾燥機において、所定の負荷以下のときに、前記加熱手段を使わない運転の場合、前記加熱手段を使った運転の場合と比べて、洗濯乾燥運転の最終脱水時における前記内槽の回転数の上限設定値を上げたことを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項5】
請求項1乃至4記載の洗濯乾燥機において、少なくとも前記加熱手段を使わない乾燥運転の場合、前記送風手段により風速48m/s以上の風を前記内槽へ吹出し、衣類に吹き付けることを特徴とする洗濯乾燥機。
【請求項6】
請求項1乃至5記載の洗濯乾燥機において、前記外槽から水を排出する排水ホースと、前記外槽からオーバーフローした水を排水するためのオーバーフローホースと、前記筐体内を通して前記筐体周囲外気を送風路内に導く吸気手段を備え、少なくとも前記加熱手段を使わない乾燥運転の一部工程において、前記吸気手段から前記筐体内を通して周囲空気を前記送風路内に導き、前記外槽内の空気を、前記オーバーフローホース及び前記排水ホースを通して外部へ排気することを特徴とする洗濯乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−70833(P2013−70833A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211794(P2011−211794)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】