説明

洗車排水の処理方法およびその装置

【課題】 各洗車処理場等で生じる油分、泥、砂、界面活性剤等を含有する洗車排水を、天然素材を用いた濾過装置により処理する、環境に優しく、処理方法が簡便で、処理効果が優れた処理方法を提供する。
【解決手段】 (a)清水に濾過助剤を配合してスラリーを形成させ、(b)該スラリーを第1の濾過装置のフィルター表面にプリコートさせ、(c)洗車排水を該第1の濾過装置で濾過し、得られる濾過水を洗浄水として車両の洗浄に供し、(d)該第1の濾過装置の濾過水の一部は濾過助剤と混合してスラリーを形成し、かつ(e)該第1の濾過装置の濾過水の一部または該濾過水の一部と加圧空気の導入により該第1の濾過装置を逆洗にかけてケーキを除去することを特徴とする洗車排水の処理方法およびその装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗車場で発生した機械油、ワックス等の油分、泥、砂、界面活性剤等を含む洗車排水を、天然素材を用いた濾過装置により処理し、洗浄用水および仕上用水に分けて再利用する洗車排水の処理方法およびリサイクルされた水から異臭の発生を防止する洗車排水の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水資源の有効利用への関心がますます高まっている現在、水の再利用技術への期待が大きくなっている。
洗車場においては、大量の水道水を利用しており、その排水を充分処理しないまま下水道に排出しているため、洗車における節水への要望および水質汚染への懸念が高まっている。
【0003】
そこで、洗車排水を処理し、その処理水を洗車用水として再利用することにより、上記課題を解決しようとする試みがなされている。
洗車排水処理等の方法としては、特許文献1〜9に記載された砂濾過装置、凝集沈殿処理、生物処理、オゾン処理、電気分解処理、中空糸膜分離等の方法による洗車排水の処理方法が知られている。
しかしながら、これらの方法では、使用する装置が大きく、広い設置場所を確保する必要があるだけでなく、処理時間がかかり、このため処理コストが高い等の問題があった。
【0004】
また、特許文献10〜12には、洗車排水処理のコンパクト化の方法が記載されているが、いずれの方法においても、凝集沈殿処理、中空糸膜分離等の方法が用いられるため、処理コストが高く、かつ廃棄物処理量が多い等の問題があった。
【0005】
さらに、上記方法においては、タンク内での水の貯留によって細菌が発生するため、特に夏期において水から異臭が発生し、周囲の住民からの苦情が発生するという問題があった。
このような異臭発生の防止方睦として、特許文献13には、銀とその他の金属混合体からなる防臭浄化手段が知られているが、これらの金属は高価であるうえに、その処理に問題があった。
【特許文献1】特開2000−127913号公報
【特許文献2】特開2001−025616号公報
【特許文献3】特開2002−361049号公報
【特許文献4】特開2003−327093号公報
【特許文献5】特開2005−074295号公報
【特許文献6】特開2004−060376号公報
【特許文献7】特開2003−305489号公報
【特許文献8】特開平09−271798号公報
【特許文献9】特開平11−207376号公報
【特許文献10】特開2003−326105号公報
【特許文献11】特開2006−028339号公報
【特許文献12】特開2005−074294号公報
【特許文献13】特開2005−296764号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、改良された洗車排水の処理方法およびその装置を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、各洗車場等で生じる油分、泥、砂、界面活性剤等を含有する洗車排水を、天然素材を用いた濾過装置により処理してなる環境に優しくかつ処理方法が簡便で、しかも処理効果が優れた洗車排水の処理方法およびその装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、処理された洗車用水が、小量の界面性剤が残留している洗浄用水および高度処理した仕上用水として利用できる、処理コストが低い処理方法およびその装置を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、天然素材を用いた、水からの異臭発生防止手段を備えたコンパクトでかつ操作が容易な洗車排水の処理方法およびその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、[特許請求の範囲]に記載した[請求項1]乃至[7]により特定される。
【0011】
[特許請求の範囲]

[請求項1]
(a)清水に濾過助剤を配合してスラリーを形成させ、
(b)該スラリーを第1の濾過装置のフィルター表面にプリコートさせ、
(c)洗車排水を該第1の濾過装置で濾過し、得られる濾過水を洗浄水として車両の洗浄に供し、
(d)該第1の濾過装置の濾過水の一部は濾過助剤と混合してスラリーを形成し、かつ
(e)該第1の濾過装置の濾過水の一部または該濾過水の一部と加圧空気の導入により該第1の濾過装置を逆洗にかけてケーキを除去することを特徴とする洗車排水の処理方法において、
該第1の濾過装置が、ディスクフィルターであり、
かつ、
該第2の濾過装置は、バッグフィルター
であることを特徴とする洗車排水の処理方法。

[請求項2]
該第1の濾過装置で得られた濾過水の一部は、第2の濾過装置で濾過操作に供され該第1の濾過装置で濾過できなかったさらに細かい微粒子が除去され、かつ該第3の濾過装置に供されてなる請求項1記載の方法。

[請求項3]
該第2の濾過装置で得られた濾過水の一部は、第3の濾過装置で濾過操作に供され、該第2の濾過装置で濾過できなかったさらに細かい微粒子が除去され、かつ硬度成分、溶解性成分が除去され、得られた水を仕上水として使用してなる請求項2に記載の方法。

[請求項4]
該第3の濾過装置は、精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)および逆浸透膜(RO)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の膜である請求項3に記載の方法。

[請求項5]
該濾過助剤は、珪藻土と活性炭の混合物である請求項1乃至4の何れかに記載の方法。

[請求項6]
(イ)洗車排水貯水ピットと、
(ロ)濾過助剤を水中に分散させるためのプリコートタンクと、
(ハ)該排水を濾過するための第1の濾過装置から得られる濾過水を使用して車両を洗浄するための洗浄機と、
(ニ)該第1の濾過装置で得られた濾過水を濾過助剤と混合しスラリーを形成するためのプリコートタンクと、
(ホ)該第1の濾過装置のケーキ形成側に連通した逆洗水供給源または該逆洗水供給源と加圧空気源とよりなる洗車排水処理装置において、
第1の濾過装置が、ディスクフィルターであり、
かつ、
第2の濾過装置が、バッグフィルター
であることを特徴とする洗車排水処理装置。

[請求項7]
該第3の濾過装置が、精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)および逆浸透膜(RO )よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項6に記載の装置。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、濾過助剤を用いて一次濾過を行なっているので、泥、砂等の固形分はもちろんのこと、界面活性剤、その他の有機物が除去できる。
このため、長時間にわたって連続的に循環使用しても腐敗等の問題はなく臭気は発生しない。
また、仕上水は水道水ではなく、高度処理した循環水を使用することで、最初のプリコート用助剤(濾過助剤)の分散時にのみ水道水を使用する以外は、新鮮な水(例えば、水道水)の使用の必要がないので、水道水の節約になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0014】
すなわち、図1は、本発明による洗車排水の処理方法およびその装置を説明するための全体構成を示すフローシートである。
【0015】
なお、本発明より洗浄されるべき「車」とは、乗用車、バス、トラック等の自動車、オートバイ等の二輪自動車、電車、汽車等の車両をも指すものであるが、以下、主として乗用車を例にとって説明する。
【0016】
(1)原水循環工程
本発明による洗車排水処理(サイクル)装置は、洗浄されるべき自動車1を洗車機2からノズル3等を介して供給される洗浄水により洗浄された後、該排水は洗車排水収集床4に収集され、ついで貯水ピット5に貯蔵される。
該貯水ピット5内の洗車排水(原水)6は、ここで洗車時に混入してくる油分、泥、砂、界面活性剤等を含んでいるので、沈降(泥、砂等の固形分)および油水分離(油分等)される。
なお、本発明の洗車排水処理装置における処理対象としては、洗車排水のみでもよく、また油水分離槽に貯溜されている洗車排水を含む雑排水でもよい。
【0017】
次いで、これらの不純物をある程度除去された洗車排水6は、原水ポンプP1を経由して原水タンク8に送られ、余剰の洗車排水6は、溢流させて導管9により貯水ピット5に循環される。
【0018】
(2)プリコート工程
プリコートタンク10には、例えば、最初だけは水道水等の清浄な水が導管11を経て供給される。
また、定常、定態に達すれば、該プリコートタンク10には、後述する仕上水タンク12からの仕上水13が、逆洗ポンプP3および導管14を経てプリコートタンク10に供給される。
さらに、該プリコートタンク10には、後述する第1の濾過装置15から導管16、 17を経て濾過水が供給される。
【0019】
そして、このプリコートタンク10には、プリコート剤自動供給装置18より導管19を経てプリコート剤が供給される。該プリコート剤は、珪藻土、ゼオライト(沸石)、麦飯石、医王石、活性白土、セルロース、活性炭、木炭、竹炭等の吸着剤よりなる濾過助剤であり、通常、平均粒径10−150μm、好ましくは20−60μmの粉末状物である。
すなわち、平均粒径が20μm未満では、吸着力は高いガ、フィルターの間隙を通してしまい、プリコートされ難いからである。
一方、平均粒径が60μmを超えると、吸着力が低くなり、プリコートは充分できるが、目づまりが早くなるからである。
【0020】
これらのプリコート剤としては、種々の吸着剤の組合わせが考えられるが、これらのうち珪藻土、ゼオライト等の鉱物系吸着剤と活性炭等の炭素系吸着剤との組合わせがより好ましく、特に珪藻土と活性炭との組合わせが好ましい。
天然吸着剤と炭質材との質量比は、9:1〜5:5であり、好ましくは8:2〜7:3である。
すなわち、該質量比が9:1未満では活性炭による有機物等の吸着、分解効果が低下し、一方、該質量比が7:3を超えると、活性炭による目づまりが発生しやすいからである。
【0021】
該プリコート剤は、前記のように粉末状吸着剤よりなる濾過助剤であり、これらの粉末は、プリコートタンク10内に収容されている前記水と混合されてスラリーとなる。
【0022】
(3)一次濾過工程
前記原水タンク8より導管20を経て送られてくる洗車排水(被処理原水)は、導管21より送られてくるスラリーと混合されて、濾過ポンプP2の作用により導管21を経て第1の濾過装置15に送られてくる。
該第1の濾過装置15における渡通水の一部は、前記のように、導管16、17を経てプリコートタンク10に循環される。
【0023】
該第1の濾過装置15としては、原水とともに供給されるスラリー中の濾過助剤を漣別できるものであれば、いずれも使用できる。
このような濾過装置15としては、一例を挙げると、例えば、ディスクフィルター、スプリングフィルター等の濾過装置がある。このような濾過装置15に供給されたスラリーは、濾過助剤が渡別されて、その濾過水の一部は、前記のように、導管16、17を経てプリコートタンク10に循環され、導管22を経て第2の濾過装置33へ供給され、その濾過水(一次濾過水)は導管23を経て第3の濾過装置24へ供給され、さらにその濾過水は高純度の水となって、導管24を経て仕上水タンク12に供給される。そして、この仕上水タンク12内の仕上水13は高純度であるので、導管26を経て送水ポンプP4により洗車機に送られてノズル3より噴射して自動車1が洗浄される。
【0024】
第1の濾過装置15からの濾過水(一次濾過水)の一部は、導管16、27を経て洗浄水タンク28−送られ、その内部に収容されている洗浄水(一次濾過水)29は、導管30、 26を経て洗浄機2に供給されて自動車の洗浄に供される。
また、仕上水タンク12および洗浄水タンク28においては、各仕上水13および洗浄水2 9は、余剰水は溢流されて、それぞれ導管31および32より導管9を経て、貯水ピット5−循環される。
【0025】
第1の濾過装置15としては、前記のように、種々のタイプのものがあるが、好適にはディスクフィルター、スプリングフィルター等があり、特にディスクフィルターが好ましい。ここに、ディスクフィルターとは、例えば、表面にエッジ部および溝部を交互に有するドーナツ状ディスクを積層して筒状ハウジング内に収納し、該ハウジングとディスク積層体との間で濾過助剤とともに濾過するもので、濾過助剤はディスク積層体の外側に堆積し、濾過水はディスク積層体内の空間に濾別され、その上部または下部より抜き出されて、導管16により排出されるものである。
【0026】
ディスクフィルターとしては、具体的には、スピンクリン(SPIN KLIN (ARKAL FILTRATION SYSTEMS社製 自動逆洗濾過システム)等がある。
【0027】
このような濾過助剤の作用により原水中の不純物、特に有機物やその他の界面活性剤(洗剤)が吸着されているので、これらの不純物は、該濾過助剤に吸着される。
したがって、該原水からは除去され、濾過水中には実質的に存在しなくなる。
また、これらの不純物、特に有機物が除去されるので、長期間にわたって処理水を循環使用しても、水の腐敗はなく、臭気発生の問題は完全になくなる。
【0028】
(4)二次濾過工程
第1の濾過装置15より排出される濾過水の一部は、前記のとおり洗浄タンク28へ送られるが、残りの一部は、前記のように、導管22を経て第2の濾過装置33へ供給される。この第2の濾過装置33としては、第1の濾過装置15ではなお捕集し得なかった濾過水(二次処理水)中の微粒子を捕集するためのものであり、例えばバッグフィルター等が用いられている。
しかして、そのメッシュサイズは0.01〜1μm、好ましくは0.2〜0.5μmである。
【0029】
このように濾過された濾過水(二次処理水)は、そのまま仕上水として洗車に使用してもよいが、導管23を経て第3の濾過装置24に送り、さらに微粒子状不純物を除去してもよい。これにより濾過水の純度は、さらに向上する。
第3の濾過装置24は、逆浸透膜(RO)、限外濾過膜(UF)、精密濾過膜(MF)のいずれかを用いる。
【0030】
上記の二次処理水は、一次処理水に比べ処理コストはやや高いが、仕上水のみに利用されるので、処理量が少なく、フィルターまたは膜の使用寿命が長く、処理コストを低減することができる。
上記の各処理水は、前洗浄水タンク、仕上水タンクにそれぞれ貯水される。
【0031】
水の腐敗を防ぐため、上記の有機物の除去、水の循環の他に、例えば、医王石、ゼオライト、麦飯石などの天然鉱物のいずれのもの、またはそれらを混合したものを上記の一部またはすべてのタンクに入れてもよい。添加量は、水100リットルにつき2kg程度、好ましくは5kgとする。その粒径は特に定められていない。
また、添加方法として、直接タンク内に投入してもよいし、網等に入れてタンク内に投入してもよい。
【0032】
(5)第1の濾過装置の逆洗工程
(a)エアー逆洗
コンプレッサ34から導管35、36を経て制御弁37を切換えて第1の濾過装置15 (の積層ディスク内)に加圧空気を送り込み、その外部に付着しているケーキを離脱させ、導管38を経て排水処理タンク39に送られる。
【0033】
(b)水逆洗
仕上水タンク12から逆洗ポンプP3および導管14、36を経て制御弁37を切換えてエアー逆洗の場合と同様に仕上水を第1の濾過装置15に送り、その外部に付着しているケーキを離脱され、導管38を経て排水処理タンク39に送られる。
【0034】
排水処理タンク39に収容された汚泥は、汚泥受槽40に送られる。
該排水処理タンク39内のスラリーは、その上澄液を導管9を経て貯水ピットに循環してもよい。
同様に、汚泥受槽の濾過水も貯水ピットに戻してもよい。
【0035】
なお、前記逆洗工程は(a)エアー逆洗を行なったのちに(b)水逆洗を行なってもよいし、あるいは(a)エアーと水とを混合して逆洗を行なってもよい。(6)第3の濾過装置の逆洗工程 仕上水タンク12内の仕上水をポンプP3および導管14を経て第3の濾過装置24において逆洗をかけ、その逆洗水は、導管41、9を経て貯水ピットに循環される。
【実施例】
【0036】
つぎに、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
ただし、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例)
(1)各貯水タンクの容量
各貯水タンクの容量は下記の通りである。
【0038】
貯水ピット 200リットル
原水タンク 500リットル
プリコートタンク 100リットル
洗浄水タンク 500リットル
仕上水タンク 500リットル
(2)一次処理条件
ディスクフィルター波過装置:ディスクフィルターはポリプロピレン製で、濾過精度は55μmのものを用いた。
【0039】
プリコート材の混合比及び添加量:プリコート材として、珪藻土および活性炭を用いた。珪藻土は600メッシュのものを用い、活性炭は100メッシュのものを用いた。
【0040】
2種類のプリコート剤の混合比(質量)は、珪藻土:活性炭=7:3である。
【0041】
上記のプリコート剤の1回分の合計添加量は、100g以上とした。
【0042】
(3)二次処理条件
バッグフィルター処理条件:1μmのバッグフィルターを用いた。
【0043】
MF処理条件:濾過精度は、0.3μmのものを用いた。流入水の流量を45リットル/minに設定した。
【0044】
(4)分析項目の選択
分析項目として、外観、臭気、pH、電気伝導率、色度、SS(浮遊物質)、ヘキサン抽出物質(油分)およびCODMn(有機物)を用いた。
【0045】
(5)分析対象試料の準備
分析対象試料として、原水、ディスクフィルター濾過水(洗浄水)およびMF膜処理水(仕上水)を採取し、分析した。
【0046】
(6)処理水の評価
原水および処理水の分析結果を表1に示す。
また、比較のため、洗車用水基準値及び下水排除基準値を表の右に併記した。ディスクフィルタ一波過水時、無臭、透明で、油分および有機物はほぼなくなった。分析結果より、前洗浄水、または、仕上水として再利用するには適正な水質となった。
【0047】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の洗車用排水処理方法およびその装置の全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1・・・自動車、
2・・・洗車機、
3・・・洗車ノズル、
5・・・貯水ピット、
8・・・原水タンク、
10・・・プリコートタンク
12・・・仕上水タンク、
15・・・第1の濾過装置、
18・・・プリコート剤自動供給装置、
24・・・第3の濾過装置、
28・・・洗浄水タンク、l
33・・・第2の濾過装置、
34・・・コンプレッサ、
39・・・排水処理タンク、
40・・・汚泥受槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)清水に濾過助剤を配合してスラリーを形成させ、
(b)該スラリーを第1の濾過装置のフィルター表面にプリコートさせ、
(c)洗車排水を該第1の濾過装置で濾過し、得られる濾過水を洗浄水として車両の洗浄に供し、
(d)該第1の濾過装置の濾過水の一部は濾過助剤と混合してスラリーを形成し、かつ
(e)該第1の濾過装置の濾過水の一部または該濾過水の一部と加圧空気の導入により該第1の濾過装置を逆洗にかけてケーキを除去することを特徴とする洗車排水の処理方法において、
該第1の濾過装置が、ディスクフィルターであり、
かつ、
該第2の濾過装置は、バッグフィルター
であることを特徴とする洗車排水の処理方法。
【請求項2】
該第1の濾過装置で得られた濾過水の一部は、第2の濾過装置で濾過操作に供され該第1の濾過装置で濾過できなかったさらに細かい微粒子が除去され、かつ該第3の濾過装置に供されてなる請求項1記載の方法。
【請求項3】
該第2の濾過装置で得られた濾過水の一部は、第3の濾過装置で濾過操作に供され、該第2の濾過装置で濾過できなかったさらに細かい微粒子が除去され、かつ硬度成分、溶解性成分が除去され、得られた水を仕上水として使用してなる請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該第3の濾過装置は、精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)および逆浸透膜(RO)よりなる群から選ばれた少なくとも1種の膜である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該濾過助剤は、珪藻土と活性炭の混合物である請求項1乃至4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
(イ)洗車排水貯水ピットと、
(ロ)濾過助剤を水中に分散させるためのプリコートタンクと、
(ハ)該排水を濾過するための第1の濾過装置から得られる濾過水を使用して車両を洗浄するための洗浄機と、
(ニ)該第1の濾過装置で得られた濾過水を濾過助剤と混合しスラリーを形成するためのプリコートタンクと、
(ホ)該第1の濾過装置のケーキ形成側に連通した逆洗水供給源または該逆洗水供給源と加圧空気源とよりなる洗車排水処理装置において、
第1の濾過装置が、ディスクフィルターであり、
かつ、
第2の濾過装置が、バッグフィルター
であることを特徴とする洗車排水処理装置。
【請求項7】
該第3の濾過装置が、精密濾過膜(MF)、限外濾過膜(UF)および逆浸透膜(RO )よりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項6に記載の装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−259996(P2010−259996A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112178(P2009−112178)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(594199407)株式会社オスモ (10)
【Fターム(参考)】