説明

洗顔洗髪装置及び該装置を備えた洗面化粧台ユニット

【課題】小型の逆浸透膜式純水生成装置を用いながらも洗顔や洗髪時には十分な量の純水を取り出すことを可能にした洗顔洗髪装置と洗面化粧台ユニットを提供すること。
【解決手段】逆浸透膜式純水生成装置1と、該装置1が生成した純水を貯水する貯水タンク2と、該貯水タンク2内が下限レベルになると逆浸透膜式純水生成装置1に原水を供給し、上限レベルになると原水の供給を停止させるレベルスイッチ15と、貯水タンク2内の純水を殺菌処理する紫外線殺菌装置3と、混合水栓器具6の開閉に関連して駆動・停止制御されて貯水タンク2から純水を送出するポンプ装置4と、該ポンプ装置4から送出される純水を加熱して送出する加熱装置5と、該加熱装置5から送出される純水を高温水と低温水とに混合調節して出水する混合水栓器具6とを備え、貯水タンク2には少なくとも1回の洗顔・洗髪に使用する水量以上の純水を貯水可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容と健康のために使用される洗顔洗髪装置及び該装置を備えた洗面化粧台ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、洗顔や洗髪に際して、化粧品や化粧水、シャンプーやリンスに拘る人は多いが、水に拘る人は少ないのが実情である。
なお、従来、病院、実験室、飲食品加工業、調理場など衛生の確保が高度に要求される作業現場に設置される手洗い装置として、紫外線殺菌器とフィルターとを給水配管中に設置した殺菌水洗面化粧台が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】実開昭61−90490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、洗顔や洗髪に使用している水の大半は、水道水又は井戸水である。前記特許文献1のものは、原水を紫外線殺菌器で殺菌し、フィルターで濾過して使用するようにしているが、純水に比較すれば、不純物が残留しているものと推定されるのみならず、温水として使用するようにしたものではない。
一方、純水は、水道水や井戸水とは違い、不純物(例えば、塩素、トリハロメタン、有機物、無機物、細菌類等)を全く含まないピュアな水のため、素肌に浸透し易く、馴染み易い性質を有している。
【0004】
純水を使用した洗顔や洗髪は、従来使用している水道水や井戸水と比較すると、素肌に対して、遙かに浸透性が高く、老廃物(脂肪等)や汚れを落とす作用効果が優れている。
特に、純水を加熱して温水として使用することによって、洗顔や洗髪時に素肌に沈着している老廃物(脂肪等)を容易に浮かせ、より質の高い洗顔や洗髪を可能にする。
しかし、純水を作るためには、例えば、逆浸透膜式純水生成装置を従来使用している洗面化粧台等に組み込む必要があり、その組み込みスペースとして、洗面化粧台等の下部スペースが想定されるが、この下部スペースでは、小型のものしか組み込めず、これでは、純水の生成能力が低く満足な洗顔や洗髪を行うことができないという問題がある。なお、純水を大量に生成できる能力のある大型の逆浸透膜式純水生成装置を前記洗面化粧台等とは別設置することも考えられるが、その場合では、先ず、高価な大型の逆浸透膜式純水生成装置を必要とし、しかも、該装置の設置場所の確保が問題となり、取付施工性及び運搬・取扱性等にも問題がある。
【0005】
本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みて開発されたもので、その目的とするところは、小型の逆浸透膜式純水生成装置を用いながらも洗顔や洗髪時には十分な量の純水を取り出すことを可能にした洗顔洗髪装置及び該装置を備えた洗面化粧台ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために本発明は、原水から純水を生成する逆浸透膜式純水生成装置と、該逆浸透膜式純水生成装置が生成した純水を貯水する貯水タンクと、該貯水タンク内の純水の貯水量が下限レベルになると前記逆浸透膜式純水生成装置に原水を供給して純水を生成させて貯水タンクに貯水させ、上限レベルになると原水の供給を停止させるレベルスイッチと、前記貯水タンク内の純水を殺菌処理する紫外線殺菌装置と、後記混合水栓器具の開閉に関連して駆動・停止制御されて前記貯水タンクから純水を送出するポンプ装置と、該ポンプ装置から送出される純水を加熱して後記混合水栓器具に送出する加熱装置と、該加熱装置から送出される純水を高温水と低温水とに混合調節して出水する混合水栓器具とを備えていることを特徴としている。
【0007】
上記構成によれば、貯水タンクに純水を貯水可能とし、しかも、貯水中、純水を殺菌処理して溜めておくことができるため、洗顔・洗髪時、細菌類等の不純物を全く含まない純水を適温に加熱した状態で混合水栓器具から出水して洗顔・洗髪をすることができ、素肌に沈着している老廃物(脂肪等)を容易に浮かせ、質の高い洗顔・洗髪が可能となる。
また、前記貯水タンクには少なくとも1回の洗顔・洗髪に使用する水量以上の純水を貯水可能としてあることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、洗顔・洗髪時には、細菌類等の不純物を全く含まない純水を適温に加熱した状態で混合水栓器具から必要十分な量だけ出水して洗顔・洗髪をすることができ、しかも、1回の洗顔・洗髪に使用する水量以上の純水を貯水可能とした容量の貯水タンクを用いたため、小型の逆浸透膜式純水生成装置を採用でき、全体のコンパクト化が図れる。
【0009】
また、前記加熱装置から混合水栓器具に接続されている高温水と低温水の配管途中には、外部給湯設備に接続可能とされた給湯配管と原水供給源に接続可能とされた給水配管とに切換接続するための三方切換弁が設置されており、該三方切換弁は、貯水タンク内の貯水量の不足時や純水供給系統の故障時等の緊急時に、混合水栓器具を外部給湯設備への給湯配管と原水供給源への給水配管とに切換接続し、通常時には、前記加熱装置から混合水栓器具に連通接続させるように構成されていることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、貯水タンク内の貯水量の不足時や純水供給系統の故障時等の緊急時には、外部給湯設備からの温水と原水供給源からの原水を混合水栓器具から出水させることができ、洗顔や洗髪途中での水不足による不測の中断を回避することができる。
また、前記紫外線殺菌装置は、貯水タンク内の純水を循環ポンプで循環させる純水循環回路の途中に設置されていることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、貯水タンク内の純水を循環ポンプで紫外線殺菌装置に送り込んで循環殺菌処理することができるため、貯水タンク内で細菌類が繁殖することを防止することができ、TDS(全溶存固形物量)測定値も低く維持させることができる。
また、前記加熱装置から混合水栓器具に接続されている低温水側の給湯配管の途中には、紫外線殺菌装置が設置されていることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、貯水タンク以降の配管中や、ポンプ装置内及び加熱装置内に滞留した純水が、例えば、長時間の滞留等によって細菌類が繁殖することがあっても、加熱装置を通して高温で出水される純水は加熱殺菌されるが、低温で出水される純水は殺菌が不足する場合もあり、そのような場合でも、低温側の純水を紫外線殺菌装置で殺菌処理して出水させることができ、TDS(全溶存固形物量)測定値も低く維持させることができる。
【0013】
また、前記洗顔洗髪装置が洗面化粧台にユニットとして組み込まれていることを特徴としている。
上記構成によれば、適温の純水で質の高い洗顔、洗髪を可能とした洗面化粧台をユニット商品として製造販売することができる。
また、前記貯水タンクが扁平薄型とされ、洗面化粧台の背面又は側面に配置され、前記逆浸透膜式純水生成装置、紫外線殺菌装置、ポンプ装置及び加熱装置が洗面化粧台の下部に収納配置されていることを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、容量の大きい貯水タンクを洗面化粧台の背面又は側面に、その他の主要装置を洗面化粧台の下部にコンパクトに組み込むことができ、これによって、洗面化粧台の設置場所の確保が容易で取付施工性及び運搬・取扱性にも優れたものとすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、小型の逆浸透膜式純水生成装置を用いながらも洗顔や洗髪時には十分な量の純水を取り出すことを可能にした洗顔洗髪装置及び該装置を備えた洗面化粧台ユニットを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る洗顔洗髪装置の全体の配管系統図であって、1は逆浸透膜式純水生成装置、2は貯水タンク、3は紫外線殺菌装置、4はポンプ装置、5は加熱装置、6は混合水栓器具を示している。
逆浸透膜式純水生成装置1は、原水から粗大物(例えば、5ミクロン以上)を濾過除去するセディメントフィルタ1aと、それよりも細かい不純物除去と脱臭を行うプリカーボンフィルタ1bと、微細な不純物(例えば、塩素、細菌類、その他、0.0001ミクロン以上の溶質)を濾過除去して純水を生成するメンブレンフィルタ1cとを1組として、上記順に設置され、供給された原水から純水を生成し、残りは、濃縮水として分離排出する構成とされる。
【0017】
上記セディメントフィルタ1aを使用するのは、粗大不純物を濾過除去させてメンブレンフィルタ1cの純水生成機能を可及的に長く良好に維持させるためであり、また、プリカーボンフィルタ1bを使用するのは、それよりも細かい不純物を濾過除去すると共に原水を脱臭するためである。
原水としては、水道水、井戸水その他、いずれでも使用可能である。本実施形態においては、水道水、井戸水その他、何れかの原水供給源に一次側給水止水弁7を介して接続される給水配管8から分岐継手9を介して分岐された分岐給水配管10が逆浸透膜式純水生成装置1の一次側に接続されており、この分岐給水配管10の途中には、自動開閉弁11が設置されている。
【0018】
前記メンブレンフィルタ1cは、浸透膜を利用したフィルタであって、通常では、溶液の濃度差により、薄い側から濃い側へ溶液が透過して濃度が平衡するまで透過が進行するのが浸透膜の特性であるが、上記濃い側の溶液に圧力を掛けてやると、上記浸透膜の部分で逆透過現象が起こり、これを利用するのが逆浸透膜式純水生成装置1であって、そのための原水側の圧力は、水道水の場合は、その水圧を利用するのであり、井戸水その他の場合では、専用ポンプの供給水圧を利用するのである。
【0019】
貯水タンク2は、逆浸透膜式純水生成装置1の二次側配管12に連通接続されて前記逆浸透膜式純水生成装置1が生成した純水を貯水するものであって、この貯水タンク2には少なくとも1回の洗顔・洗髪に使用する水量以上(例えば、80リットル)の純水を貯水可能としてある。この貯水タンク2の上部には、細菌混入防止空気弁13が設置されており、これによって、貯水タンク2内の水位変動に拘わらずタンク内の空気圧を一定に保ち、かつ、細菌の混入を防いでいる。また、貯水タンク2内の純水の貯水量が下限レベルになるとコントローラ14を介して前記自動開閉弁11を開放して逆浸透膜式純水生成装置1に原水を供給して純水を生成させて貯水タンク2に貯水させ、上限レベルになると前記コントローラ14を介して前記自動開閉弁11を閉じて原水の供給を停止させるレベルスイッチ15が貯水タンク2に設置されている。
【0020】
紫外線殺菌装置3は、貯水タンク2内の純水を殺菌処理するものであって、貯水タンク2内の純水を循環ポンプ16で循環させる純水循環回路17の途中に設置されている。
ポンプ装置4は、吸入配管18が貯水タンク2の底部に接続され、吐出配管19が加熱装置5の入口部5aに接続されており、混合水栓器具6の開閉に関連してコントローラ20を介して駆動・停止制御されて前記貯水タンク2から純水を加熱装置5に送出するものである。
【0021】
加熱装置5は、内部に電熱ヒータ又はガスヒータなどの加熱手段が装備されており、ポンプ装置4から送出される純水を加熱して高温給湯配管21と、低温給湯配管22とを通して混合水栓器具6に送出するもので、内部に1回の洗顔・洗髪に使用する容量の平均値(例えば、25リットル)の容量の貯湯タンクが装備されており、この貯湯タンクの上部から高温水が高温給湯配管21を通して、また、貯湯タンクの下部から低温水が低温給湯配管22を通して混合水栓器具6に供給され、該混合水栓器具6でそれらの混合量が調整されて出水される。なお、加熱装置5から混合水栓器具6に接続されている低温給湯配管22の途中には、紫外線殺菌装置23が設置されている。
【0022】
また、上記加熱装置5から混合水栓器具6に接続されている高温給湯配管21と低温給湯配管22との途中には、外部給湯設備に一次側給湯止水弁24を介して連通接続される給湯配管25と前記給水配管8とに切換接続するための三方切換弁26,27が設置されており、この三方切換弁26,27は、貯水タンク2内の貯水量の不足時や純水供給系統の故障時等の緊急時に、例えば、警報ランプを点灯表示させ、切換スイッチにより前記三方切換弁26,27を電動モータなどで自動的に切り換えて、混合水栓器具6を外部給湯設備に繋がる給湯配管25と原水供給源に繋がる給水配管8とに切換接続して、これら給湯配管25と給水配管8とから直接出水可能とされており、通常時には、前記加熱装置5から混合水栓器具6に連通接続させるように構成されている。
【0023】
図1では、上記混合水栓器具6にシャワーヘッド28を接続した場合を例示しているが、カランを切り換え可能に設けることができることは勿論である。
上記図1に示した洗顔洗髪装置は、図2〜図4に示すように、洗面化粧台29にユニットとして組み込むことができる。
この場合、貯水タンク2は、図2〜図4に示すように、ポリプロピレンなどの合成樹脂材又はステンレスなどの不錆乃至錆止め処理された金属材により扁平薄型に製造され、これを薄型枠体又は薄型収納ボックス30に収納して図2のように洗面化粧台29の背面又は図3、図4のように洗面化粧台29の左右いずれか一方の側面に配置するものである。薄型枠体又は薄型収納ボックス30は、洗面化粧台29の高さ(例えば、1800mm)と同一高さとし、既存の壁面や新設の壁面に埋め込みを可能としてもよく、露出させたままとしてもよい。洗面化粧台29は、例えば、左右方向の幅が750mm、奥行きが700mmとされるが、市販品を利用し、薄型枠体又は薄型収納ボックス30を付加して構成してもよい。
【0024】
そして、混合水栓器具6は、洗面化粧台29の洗面受け31の上方の適宜の位置に設置され、前記逆浸透膜式純水生成装置1、紫外線殺菌装置3、ポンプ装置4、加熱装置5等の主要機器は、洗面化粧台29に下部に整理整頓して収納配置される。
なお、図1における給水配管8、給湯配管25、分岐継手9、自動開閉弁11、三方切換弁26,27及び紫外線殺菌装置23は、洗面化粧台29の下部や薄型枠体又は薄型収納ボックス30の下部などに適宜収納配置され、また、一次側給水止水弁7及び一次側給湯止水弁24は、洗面化粧台29の下部側面や背面などの適宜箇所に取り付けられる。
【0025】
洗面化粧台29の前面一側(例えば、向かって右側)には、操作盤32が設置され、この操作盤32には、自動運転スイッチ、個別単独動作スイッチ、緊急時などの切換スイッチ、警報ランプなどが装備される。また、自動運転などの設定制御を行うプログラムソフトの設定登録や変更を可能とする入出力装置及び総合的な動作指令や動作制御、判断などを行わせる中央演算装置を収容した制御ボックスが付設される。
【0026】
本発明の実施形態は、以上の構成からなり、次に全体の動作を図1を参照して説明する。
先ず、給水配管8は、一次側給水止水弁7を介して水道水や井戸水などの原水供給源に接続される。また、給湯配管25は、一次側給湯止水弁24を介して外部給湯設備、例えば、瞬間湯沸器やセントラル給湯設備などに接続される。そして、上記一次側給水止水弁7と一次側給湯止水弁24とが使用に先立って開状態とされる。この状態で、自動運転スイッチを投入すると、準備運転が開始され、貯水タンク2が空、即ち、下限レベル以下のため、レベルスイッチ15により自動開閉弁11が開放される。これにより、原水が逆浸透膜式純水精製装置1に供給され、純水が生成されて貯水タンク2に貯水される。貯水タンク2の上部には細菌混入防止空気弁13が設けてあるため、タンク内水位の変動に拘わらず、タンク内の空気圧を一定に保持し、しかして、外部から細菌類が混入することを防止している。やがて、貯水タンク2内の貯水量が上昇し、ある程度の水量になると、ポンプ装置4が駆動されて貯水タンク2内の純水が加熱装置5に向けて送られ、加熱されて貯湯タンクに溜められる。貯湯タンクが一杯になると、ポンプ装置4の駆動は停止される。そして、貯水タンク2内の純水の貯水量が上限レベルに達すると、自動開閉弁11が閉じられる。これにより、運転準備が完了し、洗顔・洗髪のための純水の使用が可能となる。なお、自動運転においては、三方切換弁26,27は、加熱装置5から混合水栓器具6に向けて純水を供給できる状態に切り換えられている。
【0027】
循環ポンプ16は、自動プログラムにより適宜の形態で運転され、例えば、タイマーなどで設定された時間ごとに一定時間駆動されて貯水タンク2内の純水を循環させ、紫外線殺菌装置3で殺菌処理される。これにより、貯水タンク2内の純水に細菌類が繁殖することが防止される。
そして、洗顔・洗髪のために、混合水栓器具6が開放操作されると、ポンプ装置4が駆動され、貯湯タンク内の高温水と低温水とが高温給湯配管21と低温給湯配管22から混合水栓器具6に供給され、洗顔、洗髪が可能となる。
【0028】
貯湯タンク内の湯温は、高温給湯配管21から出る側の湯温が所定温度(例えば、75℃)に維持されるように電熱ヒータ又はガスヒータなどがON−OFF制御され、また、低温給湯配管22から出る湯温は所定温度(例えば、5〜15℃)に設定されている。
これによって、混合水栓器具6の操作加減によって、適当な湯温に混合調節して適温に加熱された純水を出水させて洗顔・洗髪を行うことができる。
【0029】
このように、本発明装置によれば、原水から不純物を除去したピュアな純水を洗顔・洗髪に使用できるため、素肌への浸透性がよく、しかも、適温に加熱できるため、素肌に沈着した汚れ(脂肪等)を容易に浮かせて洗い落とすことができ、従来よりも高品位の洗顔・洗髪が可能となる。勿論、1回の洗顔・洗髪に必要な水量以上の純水を供給できると共に、万一、純水量が不足した場合やポンプ装置4の故障などの緊急時には、三方切換弁26,27を切り換えて給水配管8及び給湯配管25から混合水栓器具6に出水させることができるため、洗顔・洗髪途中での水不足による支障は回避することができる。
【0030】
本発明においては、純水タンク2の容量を1回の洗顔・洗髪に必要な水量以上の容量としているため、逆浸透膜式純水生成装置1として、小型のものを採用することができ、コスト低減が図れる。しかも、貯水タンク2を扁平薄型として、洗面化粧台29の背面又は側面に配置することによって、洗面化粧台ユニットをコンパクト化することができ、洗面化粧台の設置場所の確保が容易で取付施工性及び運搬・取扱性にも優れたものとすることができる。
【0031】
本発明の実施形態は以上の構成と作用効果を有するものであるが、本発明は、上記実施形態にのみ制約されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で自由に変更して実施してもよい。例えば、自動開閉弁11の代わりにポンプを使用し、貯水タンク2に設置したレベルスイッチ15でON−OFF制御させてもよい。また、既存の洗面化粧台に本装置を組み込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る洗顔洗髪装置の全体の配管系統図である。
【図2】本発明装置を組み込んだ洗面化粧台ユニットの第1実施例であって、(A)は正面図、(B)は背面図、(C)は右側面図、(D)は貯水タンク及び薄型枠体又は薄型収納ボックスの側面図である。
【図3】本発明装置を組み込んだ洗面化粧台ユニットの第2実施例であって、(A)は正面図、(B)は右側面図、(C)は貯水タンク及び薄型枠体又は薄型収納ボックスの側面図、(D)は貯水タンク及び薄型枠体又は薄型収納ボックスの正面図である。
【図4】本発明装置を組み込んだ洗面化粧台ユニットの第3実施例であって、(A)は正面図、(B)は左側面図、(C)は貯水タンク及び薄型枠体又は薄型収納ボックスの側面図、(D)は貯水タンク及び薄型枠体又は薄型収納ボックスの正面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 逆浸透膜式純水生成装置
2 貯水タンク
3 紫外線殺菌装置
4 ポンプ装置
5 加熱装置
6 混合水栓器具
8 給水配管
25 給湯配管
11 自動開閉弁
15 レベルスイッチ
16 循環ポンプ
21 高温給湯配管
22 低温給湯配管
23 紫外線殺菌装置
26,27 三方切換弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水から純水を生成する逆浸透膜式純水生成装置(1)と、該逆浸透膜式純水生成装置(1)が生成した純水を貯水する貯水タンク(2)と、該貯水タンク(2)内の純水の貯水量が下限レベルになると前記逆浸透膜式純水生成装置(1)に原水を供給して純水を生成させて貯水タンク(2)に貯水させ、上限レベルになると原水の供給を停止させるレベルスイッチ(15)と、前記貯水タンク(2)内の純水を殺菌処理する紫外線殺菌装置(3)と、後記混合水栓器具(6)の開閉に関連して駆動・停止制御されて前記貯水タンク(2)から純水を送出するポンプ装置(4)と、該ポンプ装置(4)から送出される純水を加熱して後記混合水栓器具(6)に送出する加熱装置(5)と、該加熱装置(5)から送出される純水を高温水と低温水とに混合調節して出水する混合水栓器具(6)とを備えていることを特徴とする洗顔洗髪装置。
【請求項2】
前記貯水タンク(2)には少なくとも1回の洗顔・洗髪に使用する水量以上の純水を貯水可能としてあることを特徴とする請求項1に記載の洗顔洗髪装置。
【請求項3】
前記加熱装置(5)から混合水栓器具(6)に接続されている高温水と低温水の配管(21)(22)の途中には、外部給湯設備に接続可能とされた給湯配管(25)と原水供給源に接続可能とされた給水配管(8)とに切換接続するための三方切換弁(26)(27)が設置されており、該三方切換弁(26)(27)は、貯水タンク(2)内の貯水量の不足時や純水供給系統の故障時等の緊急時に、混合水栓器具(6)を外部給湯設備への給湯配管(25)と原水供給源への給水配管(8)とに切換接続し、通常時には、前記加熱装置(5)から混合水栓器具(6)に連通接続させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗顔洗髪装置。
【請求項4】
前記紫外線殺菌装置(3)は、貯水タンク(2)内の純水を循環ポンプ(16)で循環させる純水循環回路(17)の途中に設置されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の洗顔洗髪装置。
【請求項5】
前記加熱装置(5)から混合水栓器具(6)に接続されている低温水側の給湯配管(22)途中には、紫外線殺菌装置(23)が設置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の洗顔洗髪装置。
【請求項6】
前記請求項1〜5の何れかに記載の洗顔洗髪装置が、洗面化粧台(29)にユニットとして組み込まれていることを特徴とする洗面化粧台ユニット。
【請求項7】
前記洗顔洗髪装置の貯水タンク(1)が扁平薄型とされて洗面化粧台(29)の背面又は側面に配置され、前記逆浸透膜式純水生成装置(1)、紫外線殺菌装置(3)、ポンプ装置(4)及び加熱装置(5)が洗面化粧台(29)の下部に収納配置されていることを特徴とする請求項6に記載の洗面化粧台ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−159937(P2007−159937A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−362416(P2005−362416)
【出願日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(505464420)有限会社ワタリ・システムメカニック (7)
【Fターム(参考)】