説明

流体を冷却し液化するための装置および方法

熱交換器の壁(85)内のシェル側(78)およびシェル側(78)を通して延在する複数の流路を有する熱交換器を備える装置内で、流体が冷却され液化される。複数の流路は、1つまたは複数の1次流路の2つ以上の1次群(40a,40b)を備え、それぞれの前記1次群は、液化流体ストリーム(50,70)を提供するために、熱交換器(5)を通して流体ストリームの一部を運び、熱交換器(5)のシェル側(78)の冷媒に接して前記一部を間接的に冷却するためのものである。1次入口ヘッダ(6,6’)は、1次流路の2つ以上の1次群(40a,40b)を流体源(10)に接続し、1次流路の2つ以上の1次群(40a,40b)の間で流体ストリームを分割するように配列される。1次流路の残りの未遮断の1次群を通して流体ストリームが流れることを可能にしながら、1次流路の2つ以上の1次群(40a,40b)の少なくとも1つの1次群を選択的に遮断する手段(25a,25b)が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化流体ストリームを提供するために流体ストリームを冷却し液化するための装置、および、そのための方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
本開示の文脈では、用語「液化される(liquefied)」は、一般に、別途特定されない限り、部分的にまたは完全に液化されることを意味する。
流体ストリーム(stream)は、たとえば販売されるかまたは別の場所に輸送される液化生成物ストリームの形態で提供されることも、装置が使用される方法において、たとえば1つまたは複数の熱交換器に冷却デューティ(duty)を提供する冷媒として内部で使用されることもある。流体ストリームは、炭化水素ストリームの形態で提供することができる。こうした炭化水素ストリームは、本開示の文脈では、天然ガスまたは合成供給源から得ることができる。液化された炭化水素ストリームは、たとえば液化天然ガス(LNG)の形態で生成物ストリームとして使用されることも、装置が使用される方法において、たとえば冷却デューティを提供する冷媒ストリームとして内部で使用されることもある。
【0003】
天然ガスは、有用な燃料供給源であると共に、種々の炭化水素化合物の供給源である。いくつかの理由で、天然ガスストリームの供給源のまたは供給源の近くのLNGプラント内で天然ガスを液化することが望ましいことが多い。例として、天然ガスは、占有する容積がより小さく、高圧で貯蔵される必要がないため、ガス形態と比較してより容易に液体として長い距離にわたって貯蔵および輸送することができる。通常、天然ガスは、主にメタンを含むが、高い圧力でLNGプラントに入り、極低温での液化に適した精製供給ストリームを生成するために前処理される。精製ガスは、熱交換器を使用して少なくとも1つの冷却ステージを通して処理されて、液化が達成されるまで、その温度が徐々に低減される。液体天然ガスは、その後、貯蔵および輸送に適した最終雰囲気圧力になるまでさらに膨張されうる。
【0004】
少なくとも1つの冷却ステージは、天然ガスの温度を経時的に低減する予備冷却および主冷却ステージを備えうる。主冷却ステージは、LNGなどの、液化された、部分的にまたは完全に液化された炭化水素ストリームを提供するために、少なくとも1つの主熱交換器内で実施することができる。
【0005】
米国特許第6,272,882号は、LNGを得るために、ガス状でメタンに富む供給ストリームを液化するためのプロセスを開示する。そのプロセスは、2つの冷却ステージ、プロパン予備冷却冷媒サイクルおよび混合式冷媒主冷却サイクルを利用する。その壁内のシェル側およびシェル側を通して延在する少なくとも1つのチューブ側を画定する主熱交換器は、主冷却ステージにおいて天然ガスを液化するために使用される。天然ガスは、炭化水素ストリームフローチューブ内のチューブ側の1つの側を通って流され、そこで、天然ガスは、熱交換器のシェル側の混合主冷媒に接して間接的に冷却され液化される。
【0006】
米国特許第6,272,882号は、LNGの生産を最適化するために、高度なプロセス制御方策を使用し、その方策は、操作変数としてとりわけ主冷媒の画分(fraction)および冷却される炭化水素ストリームの質量流量、および、被制御変数としてとりわけ主熱交換器内の温度差を利用する。
【0007】
米国特許第6,727,882号の高度なプロセス制御方法は、操作変数として、冷却される炭化水素ストリームの質量流量の変化をもたらしうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
高度なプロセス制御方法の結果としての炭化水素ストリームのマスフローの変化に加えて、このマスフローの減少は、修理と整備のための液化施設の部分的なシャットダウン(換言すれば、部分的な停止)(いわゆる「ターンダウン運転(turn down operation)」)の結果として、または、LNGについての需要が低い期間中に起こる可能性がある。
【0009】
設計された運転条件からの炭化水素ストリームのマスフローの減少は、主熱交換器(複数可)の前後の炭化水素ストリームの摩擦圧力降下の減少をもたらし、冷却プロセスにおける不安定な挙動の可能性を増加させる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の態様では、本発明は、液化流体ストリームを提供するために流体ストリームを冷却し液化する装置を提供し、前記装置は、少なくとも、
−熱交換器であって、熱交換器の壁内のシェル側および熱交換器のシェル側を通して延在する複数の流路を有し、前記複数の流路は、1つまたは複数の1次流路の2つ以上の1次群を備え、前記1次群の各々は、熱交換器を通して流体ストリームの一部を運び、前記一部を熱交換器のシェル側の冷媒に接触させて間接的に冷却し、液化流体ストリームを提供する、熱交換器と、
−1次流路の2つ以上の1次群を流体の供給源に接続し、1次流路の2つ以上の1次群の間で流体ストリームを分割するように配置された1次入口ヘッダと、
−流体ストリームの流量に応答して、1次流路の2つ以上の1次群のうちの少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、1次流路の残りの未遮断の1次群を通して流体ストリームが流れることを許容する手段と、を備える。
【0011】
さらなる態様では、本発明は、液化流体ストリームを提供するために、流体ストリームを冷却し液化する方法を提供し、方法は、
−液化流体ストリームを提供するために、第1の態様で規定される装置に流体ストリームおよび冷媒を流す工程を少なくとも含む。
【0012】
好ましい態様では、装置に流体ストリームを流す前記工程は、1次入口ヘッダ内への流体ストリームを可能にすること、および、1次流路の残りの未遮断の1次群を通して流体ストリームが流れることを可能にしながら、流体ストリームの流量に応答して、1次流路の2つ以上の1次群の少なくとも1つの1次群を選択的に遮断することを含む。
【0013】
さらに別の態様では、本発明は、液化流体ストリームを提供するために、流体ストリームを冷却し液化する方法を提供し、方法は、少なくとも、
−所定流量の流体ストリームおよび冷媒を装置に流す工程であって、装置が、少なくとも、熱交換器であって、熱交換器の壁内のシェル側および熱交換器のシェル側を通して延在する複数の流路を有し、複数の流路は、1つまたは複数の1次流路の2つ以上の1次群を備え、前記1次群の各々は、熱交換器を通して前記流体ストリームの一部を運び、前記一部を熱交換器のシェル側の冷媒に接触させて間接的に冷却し、液化流体ストリームを提供する、熱交換器と、1次流路の前記2つ以上の1次群を流体の供給源に接続し、1次流路の2つ以上の1次群の間で流体ストリームを分割するように配置された1次入口ヘッダとを備える、工程と、
−1次入口ヘッダ内へ流体ストリームを流す工程と、
−流体ストリームの流量に応答して、1次流路の2つ以上の1次群の少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、1次流路の残りの未遮断の1次群を通して流体ストリームが流れることを許容して液化流体ストリームを提供する工程とを含む。
【0014】
本発明の実施形態は、ここで、単に例によってまた添付の非制限的な図面を参照して述べられるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】一実施形態による炭化水素ストリームを液化する装置の図式的概略図である。
【図2】さらなる実施形態による炭化水素ストリームを液化する装置の図式的概略図である。
【図3】別の実施形態による炭化水素ストリームを液化する装置の図式的概略図である。
【図4】別の実施形態による本発明の装置を利用して炭化水素ストリームを液化する方法の図式的概略図である。
【図5】さらなる実施形態による本発明の装置を利用して炭化水素冷媒ストリームを液化する方法の図式的概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本説明のために、単一の参照数字が、ラインならびにそのラインで運ばれるストリームに割当てられる。同様の参照数字は、同様のラインまたは構成要素を示す。本明細書で使用されるように、用語「フロー(flow)」および「マスフロー(mass flow)」は、「質量流量(mass flow rate)」を指す。
【0017】
本発明は、液化される流体ストリームのマスフロー変動によりよく対処しようとして考えられた。
本開示は、流体ストリームがその液化中にそこを通って流れる1次流路の複数の1次群を有する熱交換器を設け、それにより、1次流路の残りに流体が流れるように誘導しながら、1次流路の1次群の少なくとも1つの1次群が選択的に遮断されうることによって、流体ストリームのマスフローの減少中の不安定な挙動を軽減することができる装置および方法を提案する。こうして、低いマスフローの結果としての全ての1次流路の前後の摩擦圧力降下のいずれの減少も、減少した数の1次流路を通して流体ストリームを誘導することによって軽減されうる。こうした装置を通して流体ストリームおよび冷媒を流す工程を少なくとも含む、流体ストリームを冷却し液化する方法が提案される。
【0018】
本明細書で述べる方法および装置は、有利には、所定期間にわたってそのマスフローが変動する流体ストリームと共に働き、装置の熱設計から生じる向上したターンダウン特性を提供する。
【0019】
1次流路の1次群の少なくとも1つの1次群の選択的な遮断は、流体ストリームの流量の減少に応答して実施されうる。こうして、液化施設のターンダウンに対処する方法は、液化施設が上記第1の態様による装置を備える場合に提供することができる。明らかに、選択的に遮断された流路の群の選択的な遮断は、流量の回復または部分的な回復をもたらす流量の増加に応答して終了して、直前に遮断された流路の群を通した流体の流れが回復されうる。
【0020】
冷却され液化された流体ストリームは、好ましくは、装置および/または方法から運び去られる(exported)。冷却され液化された流体ストリームの大部分は、装置および/または方法から除去され、装置および/または方法に戻されない。通常、運び去ることは、冷却され液化された流体ストリームを、装置/方法から離れて別の場所へ輸送するために利用可能にすることを必要とする。任意選択で、冷却され液化された流体ストリームを、前記輸送前におよび/または前記輸送中におよび/または前記輸送後に、貯蔵タンクに貯蔵することができる。
【0021】
米国特許第4,208,198号は、熱蒸気の体積による熱交換負荷の変動が、熱交換器内の冷蒸気通路の等間隔に配置された部分(fraction)の段階的で完全な閉鎖によって補償される方法を開示する。この方法が、流体流が経験する、熱交換器の前後の摩擦圧力降下の減少に関連する上述した安定性問題を解決しないことが述べられる。
【0022】
この説明の残りの部分では、流体は、しばしば、炭化水素流体であり、流体ストリームは炭化水素流体ストリームであると仮定されることになり、装置は、しばしば、液化済み炭化水素ストリームを提供するために、炭化水素ストリームを冷却し液化する装置であると仮定されることになる。その結果、1次流路または1次流路の群は、以下で、「炭化水素流路(hydrocarbon flow passages)」と呼ばれることがある。
【0023】
炭化水素ストリームを冷却し液化する装置は、熱交換器であって、熱交換器のシェル側を通って横断する複数の炭化水素流路を有する、熱交換器を備える。本明細書で開示される方法および装置は、流体の凝縮がそこで起こる、シェルおよび複数の流路を備えるいずれの熱交換器にも適用されうることが当業者に明らかになる。
【0024】
炭化水素流路内の炭化水素は、熱交換器のシェル側の冷媒に接して間接的に熱交換されうる。こうした装置は、LNGまたは凝縮ガスの液化燃料化(Gas to liquid)(GTL)生成物などの液化済み炭化水素ストリームの最適な生産のために設計されうる。所望の出力における生産中に、炭化水素ストリームは、全ての炭化水素流路間で分割されうる。所望の出力における炭化水素ストリームのマスフローから生じる、炭化水素流路の前後での特定の摩擦圧力降下が存在することになる。
【0025】
炭化水素フローチューブは、通常、熱交換器の中央の周りで通常螺旋状に角度をなしてで主熱交換器内に円周方向に配列され、それにより、炭化水素ストリームは、主熱交換器の底部から頂部まで流れるにつれて、少なくとも部分的に凝縮され、蒸気から液体に相を変更する。凝縮された液体炭化水素は、蒸気相より密度が高いため、混合物が上に移動するための十分な駆動力が存在しない場合、炭化水素フローチューブを戻るように落ちることになる。そのため、液化方法は、液化済み炭化水素を、上にまた主熱交換器から出るように移動させるのに十分である流れ速度および摩擦圧力降下を有する炭化水素ストリームによって働くように設計される。
【0026】
しかし、炭化水素ストリームのマスフローは、時々、たとえばターンダウン事象中に、または特に、高度なプロセス制御最適化の結果として減少する可能性がある。これは、炭化水素流路の前後の摩擦圧力降下の減少をもたらす可能性がある。
【0027】
炭化水素ストリームのマスフローは、減少する場合、凝縮炭化水素が炭化水素フローチューブを戻るように落ちるレベルに達し、蒸気炭化水素ストリームの通過を一時的に遮断する液体プラグを提供するように凝集する。したがって、蒸気炭化水素ストリームの圧力は、液体炭化水素プラグが除去されるまで液体炭化水素プラグの下で増加することになる。炭化水素ストリームのマスフローが低過ぎる場合、さらなるプラグが形成し続けることになり、炭化水素フローチューブ内での液体プラグ形成および解除の反復をもたらし、主熱交換器内での不安定なフロー挙動を生成する。この挙動は、主交換器内での急激な熱振動をもたらし、たとえばチューブの漏れの結果として、(長い期間にわたって)交換器の機械的故障の一因となる可能性がある。
【0028】
これは、液化される流体の摩擦圧力降下を設計レベルにまたは設計レベルの近くに維持することによって回避されうる。炭化水素流路の前後の炭化水素ストリーム摩擦圧力降下を設計レベルにまたは設計レベルの近くに維持するために、炭化水素ストリームが、炭化水素ストリーム流路の全てではないが一部に選択的に提供されることが提案される。炭化水素ストリームの減少したマスフローをより少数の炭化水素流路にわたって分散させることによって、摩擦圧力降下のいずれの減少も軽減されうる。これは、設計条件より低い炭化水素ストリームのマスフローで、方法および装置が効果的に働くことを可能にする。
【0029】
こうして、炭化水素ストリームの100%マスフローにおける設計された運転中に圧力降下の減少があり、一方、炭化水素ストリームの減少したマスフローにおいて依然として安定した運転が可能である熱交換器を設計することが可能である。これは、熱交換器の径および複雑さの低減をもたらすことができ、製造コストを下げる。
【0030】
代替の手法は、圧力降下に対処することによって炭化水素ストリームの最小質量流量での安定した運転を有するように主熱交換器を設計することである。
たとえば、単相流を有する主熱交換器の場合、炭化水素フローチューブ内でのマスフローと圧力降下との関係は、ほぼ2次式(quadratic)である。そのため、たとえば、炭化水素ストリームのマスフローの50%減少において安定した挙動を示すように設計された冷却プロセスは、炭化水素ストリームの100%マスフローの場合に必要であるより、4倍高い圧力降下を持って主熱交換器が設計されることを要求することになる。しかし、炭化水素フローチューブ内でのこうした圧力降下の増加に対処する主熱交換器を製造することは、CAPEXの著しい増加、および、LNGなどの液化生成物の生産能力の著しい減少をもたらす。現時点で開示される熱交換器は、より費用効果的でかつより実用的であると予想される。
【0031】
さらに、より小さな圧力降下について設計された本明細書で開示する熱交換器は、より高い圧力降下に対処するように設計された交換器と比較して、減少したマスフローであっても、熱力学的により効率的である。これは、より低い圧力降下によって、液化圧力が高くなり、より高い液化温度、そのため増加した生産能力が可能になるからである。標準的なエネルギー理論によれば、より高い温度で等価な熱デューティを提供することは、より少ない圧縮器電力を可能にする。
【0032】
したがって、本明細書で開示される装置は、60%以上、70%以上、または80%以上の減少など、50%を超える、炭化水素ストリームのマスフローの減少に対処するように設計されうる。
【0033】
図1は、炭化水素ストリーム10の形態の流体を冷却し液化するために使用されうる熱交換器5を備える装置1の図式的概略図である。炭化水素ストリーム10は、天然ガスまたは石油貯留層から得られる天然ガスから得ることができるが、あるいは、同様にフィッシャートロプシュ法(Fischer-Tropsch process)などの合成供給源を含む、別の供給源から得ることができる。炭化水素ストリーム10は、予備処理されていてもよく、これは、以下でより詳細に論じられる。
【0034】
熱交換器5は、コイル巻回式熱交換器またはシェルおよびチューブ熱交換器とすることができる。熱交換器5は、シェル側78を含む内部体積を画定し取り囲む壁85を有する。内部体積は、さらに、フローチューブなどの複数の流路を備える。これらの流路は、それぞれが流路の1つまたは複数を備える群にグループ分けされる。簡単化のために、図1は、こうした流路の4つの群を示す。4つの群とは、熱交換器5を通して液化される流体を輸送するための流路の2つの1次群40a、40b、自動冷却によって液化される冷媒を輸送するための自動冷却流路の2次群240、および、たとえば別の冷媒組成物などの補助ストリームを冷却するための補助流路の3次群340である。各群が、数十または数百の流路を含むことができることが、当業者によって理解されるであろう。これらの流路は、好ましくは、熱交換器5の底部のまたは底部の近くの入口37a、37b、237、337から熱交換器5内の重力方向に関して高い地点の出口45a、45b、245、346まで、その内容物を輸送するように配列される。
【0035】
以降のさらなる説明では、これらの流路の群が、例において冷媒ストリームのために使用されると仮定して、自動冷却流路の2次群は、「冷媒第1流路(refrigerant first flow passages)」と呼ばれることがあり、一方、補助流路の3次群は、「冷媒第2流路(refrigerant second flow passages)」と呼ばれることがある。
【0036】
流路の群40、240、340は、2つ以上の炭化水素流路40a、40bを備える。各炭化水素流路は、炭化水素ストリーム10の一部40a、40bを運ぶ。部分炭化水素ストリーム40a、40bは、熱交換器5のシェル側78の冷媒に接して間接的に冷却される。その冷媒は、通常、重力の影響下でシェル側78を通して下に移動する。
【0037】
1次入口ヘッダ6は、1次流路の2つ以上の1次群40a、40b(ここでは、炭化水素流路40a、40b)を、冷却され液化される炭化水素流体の供給源に接続する。1次入口ヘッダ6は、1次流路の2つ以上の1次群40a、40bの間で炭化水素流体ストリーム10を分割するように配列される。
【0038】
1次流路の残りの未遮断の1次群を通して流体ストリームが流れることを可能にしながら、1次流路の2つ以上の1次群の少なくとも1つの1次群を選択的に遮断する手段が設けられる。図1の実施形態では、これらの手段は、1次入口ヘッダの一部を形成するが、このことは、本発明の要件である必要はない。
【0039】
1次流路の2つ以上の1次群の少なくとも1つの1次群を選択的に遮断する手段は、流体ストリームの流量に応答して働く。装置は、流体ストリーム10の流量を示す信号に応答して選択的な遮断を制御する手段を備えることができる。こうした信号は、ライン10内の流体ストリームの流量を確定する、好ましくは測定する手段を使用して生成することができる。図1の実施形態では、これは、ライン10に接続されたフローセンサFとして示される。しかし、ライン10内の流体ストリームの流量は、ライン70などの代わりに別のラインのフローセンサを使用して直接確定することができる、かつ/または、フローに直接にまたは間接的に関連する代替のパラメータから間接的に計算することができる。
【0040】
冷媒が、主冷却冷媒回路内の主冷媒である場合、熱交換器5は、主熱交換器である。主冷媒は、混合主冷媒とすることができる。適した混合主冷媒の例は、以下でより詳細に論じられる。主冷媒は、少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化された主冷媒として、少なくとも1つの主冷媒入口275a、275bにおいて、主熱交換器のシェル側78に提供されうる。
【0041】
全ての群の流路は、互いに巻き付けられてレイアウトされ、それにより、冷媒によって提供される冷却デューティが、流路の間で均等に分配される。液体冷媒液滴は、群40、240、340内の流路のそれぞれの上に膜を形成しうる。熱は、冷媒と流路の内容物との間で交換される。流路の群40、240、340はそれぞれ、主熱交換器5のシェル側の冷媒と熱交換相互作用状態にあるように配列された熱交換面を備える。主熱交換器5内を垂直に観察すると、流路を構成するフローチューブに沿って、重力方向に関して高い地点から重力方向に関して低い地点へ冷媒膜が流れることができるように、流路が分配される。流路のそれぞれの内容物は、熱交換面に沿って重力に抗する方向に流れる。そのため、たとえば、流体ストリーム10は、重力に抗して、すなわち、重力方向に関して低い地点から重力方向に関して高い地点へ未遮断の1次群を通って流れる。冷媒液滴は、シェル78内の均等な熱分布を維持するために、落ちて、隣接するフローチューブ40、240、340の間で移動しうる。
【0042】
主冷媒は、群40、240、340内の流路の内容物を冷却するにつれて、温められ、蒸発することができる。温められた主冷媒は、主熱交換器5の底部でまたは底部の近くで少なくとも1つの主冷媒出口285を通して、温められた主冷媒ストリーム290として回収される。
【0043】
図1に示す実施形態では、主冷媒の第1および第2の画分を有する混合冷媒が、炭化水素部分ストリーム40a、40bを冷却するために使用される。主冷媒ストリームの第1の画分210aは、主熱交換器5の第1の画分の主冷媒通路入口237に流される。主冷媒ストリームの第1の画分210aは、第1の画分の主冷媒通路出口245において少なくとも1つの冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250を提供するために、少なくとも1つの主冷媒の第1の流路240を通して第1の画分210aを流すことによって、交換器のシェル側78内の主冷媒に接して自動冷却される。単一の冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250が図1に示される。
【0044】
少なくとも1つの冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250は、ここでは第1の画分の主冷媒膨張(expansion)装置255の形態で示す、少なくとも1つの膨張装置に流れることができ、そこで、少なくとも1つのストリームが、膨張して、少なくとも1つの膨張した第1の画分の主冷媒ストリーム270が提供される。少なくとも1つの膨張した第1の画分の主冷媒ストリーム270は、その後、主熱交換器5のシェル側78に、少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームとして流されうる。少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームは、少なくとも1つの膨張した第1の画分の主冷媒入口275に流されて、複数の流路40、240、340内の流体を冷却する主冷媒を提供する。
【0045】
同様に、主冷媒ストリームの第2の画分210bは、主熱交換器5の第2の画分の主冷媒通路入口337に流される。主冷媒ストリームの第2の画分210bは、第2の画分の主冷媒通路出口345において少なくとも1つの冷却された第2の画分の主冷媒ストリーム350を提供するために、ここでは主冷媒の第2の流路340の形態で示される、少なくとも1つの3次群の1つまたは複数の補助流路を通して第2の画分210bを流すことによって、交換器のシェル側78内の主冷媒に接して自動冷却される。単一の冷却された第2の画分の主冷媒ストリーム350が図1に示される。
【0046】
少なくとも1つの冷却された第2の画分の主冷媒ストリーム350は、少なくとも1つの第2の画分の主冷媒膨張装置355に流れることができ、そこで、少なくとも1つのストリームが、膨張して、少なくとも1つの膨張した第2の画分の主冷媒ストリーム370が提供される。少なくとも1つの膨張した第2の画分の主冷媒ストリーム370は、その後、主熱交換器5のシェル側78に、少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームとして流されうる。少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームは、少なくとも1つの膨張した第2の画分の主冷媒入口375に流されて、流路の群40、240、340内の流体を冷却する主冷媒を提供する。
【0047】
設計容量における主熱交換器5の通常運転中、2つ以上の炭化水素流路はそれぞれ、炭化水素ストリームの一部40a、40bを運んで、これを主冷媒に接して冷却し液化することができる。時々、炭化水素ストリーム10のマスフローは、たとえば高度なプロセス制御プロセスの結果として、部分的なシャットダウンの結果として、または供給または需要の減少の結果として減少する。1次入口ヘッダ6内への炭化水素ストリーム10のマスフローが所定期間にわたって減少する場合、好ましくはそのマスフローが設定閾値未満に減少する場合、本明細書で述べる方法および装置は、炭化水素流路40a、40bの少なくとも一方を選択的に遮断できる。炭化水素ストリーム10のマスフローのこうした減少は、「ターンダウン(turn down)」とも呼ばれる。選択的な遮断は、炭化水素ストリームの減少したマスフローが、主熱交換器5内のより少数の炭化水素流路40a、40bの間で分配されることを可能にし、それにより、流路内の圧力降下が、実質的に変化しないままになる、または、不安定な冷却挙動を生成するのに十分に変化しない。
【0048】
図1に示す実施形態では、1次流路の2つの1次群40a、40bが示され、その群は、炭化水素流路40a、40bと呼ばれる。実際には、これらの群はそれぞれ、通常、主熱交換器5内の複数の流路を示す。炭化水素ストリーム10のマスフローの減少に応答して、2つの炭化水素流路40a、40bの一方または他方は、残りの未遮断の炭化水素流路を通るマスフローを可能にしながら、選択的に遮断されることができる。
【0049】
同様に、流路の2次群および3次群240および340はそれぞれ、自動冷却および補助入口ヘッダ235、335に接続された、1つまたは複数の自動冷却または補助流路を備える。本例における自動冷却および補助入口ヘッダは、冷媒入口ヘッダである。群40、240、340内の流路が、主熱交換器5を通して一様に分配されるため、炭化水素流路40a、40bの少なくとも1つの選択的な遮断は、交換器内で不均等な熱分布および熱勾配をもたらさないことになる。
【0050】
図1に示す実施形態は、設計された運転容量から、マスフローの50%より大きいターンダウンを提供する場合に有利である。その理由は、炭化水素ストリーム10の質量流量の50%以上の減少に応答して、炭化水素流路40a、40bの半分(すなわち、一方)が選択的に遮断されて、主熱交換器5内で実質的に一定の圧力降下を維持することができるからである。
【0051】
1次流路の3つ以上の1次群が、さらなるターンダウンオプション(option)を提供することができることが明らかになる。たとえば、その中の少なくとも2つが選択的に遮断可能である3つの1次群(炭化水素流路)を用いて、1次流路の3つの1次群のうちの1つの1次群および3つの1次群のうちの2つの1次群をそれぞれ選択的に遮断することによって、約33%および66%のターンダウン運転に対処することが可能であることになる。さらなる例では、その中の少なくとも3つが選択的に遮断可能である4つの炭化水素流路(1次群)が設けられる場合、炭化水素流路のうちの、1つ、2つ、または3つをそれぞれ選択的に遮断することによって、約25%、50%、および75%のターンダウン運転に対処することが可能であることになる。
【0052】
2つ以上の炭化水素流路40a、40bの選択的な遮断は、ここでは少なくとも1つの炭化水素部分ストリーム入口制御弁25の形態で設けられる、1次部分ストリーム入口制御弁を使用することによって達成することができる。少なくとも1つの炭化水素部分ストリーム入口制御弁25は、炭化水素流路の少なくとも一つに対して部分炭化水素ストリームのマスフローを制御するように動作する。少なくとも1つの炭化水素部分ストリーム入口制御弁25は、選択的に遮断される各炭化水素流路(1次群)について設けられる。
【0053】
好ましくは、炭化水素部分ストリーム入口制御弁25は、スナップアクションコントロール(すなわち、2位置オン/オフ制御モード)によって制御され、それにより、コントローラが弁25を開放するかまたは閉鎖する。好ましくは、弁25内で絞り操作(throttling)は起きない。
【0054】
こうした入口制御弁25は、センサFからの流量を示す信号を使用するコントローラによって制御されうる。流量が、設定された第1の閾値より下がる場合、コントローラは、入口制御弁25を閉鎖する。流量が、設定された第2の閾値を超えて増加する場合、コントローラは、弁25を開放する。第1および第2の閾値は、振動を回避するために互いに異なるとすることができる。あるいは、コントローラは、手動操作であることができ、それにより、弁25は手動で制御される。
【0055】
図1は、1次入口ヘッダ6が2つ以上の1次部分ストリーム入口ヘッダ35a、35b(本例では、同様に「炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ(hydrocarbon part stream inlet headers)」と呼ばれることがある)を備える一実施形態を示す。各ヘッダは、炭化水素流路の形態で、1次流路の1次群40a、40bの一方に一意に接続される。1次ヘッダストリーム分割装置15は、流体ストリーム10を、それぞれが流体部分ストリーム導管に入る2つ以上の流体部分ストリーム20a、20bに分離するように配列される。本例では、流体部分ストリームはまた、「炭化水素部分ストリーム(hydrocarbon part streams)」と呼ばれることがある。選択的に遮断する手段は、ここで、流体部分ストリーム導管20a、20bのそれぞれにおいて1次部分ストリーム入口制御弁25a、25bの形態で具現化される。本例では、1次部分ストリーム入口制御弁はまた、「炭化水素部分ストリーム入口制御弁(hydrocarbon part stream inlet control valves)」と呼ばれ、流体部分ストリーム導管20a、20bは、「炭化水素部分ストリーム導管(hydrocarbon part stream conduits)」と呼ばれることがある。
【0056】
図1に示す実施形態では、炭化水素ストリーム10は、2つ以上の炭化水素流路40a、40bの間の1次ヘッダストリーム分割器15に流される。分割する手段15は、炭化水素ストリーム分割装置を備えることができる。炭化水素ストリーム分割装置15は、2つ以上の炭化水素部分ストリーム20a、20bを提供できる。
【0057】
2つ以上の炭化水素部分ストリーム20a、20bはそれぞれ、炭化水素部分ストリーム入口制御弁25a、25bに流れることができる。炭化水素部分ストリーム入口制御弁25a、25bは、制御された炭化水素部分ストリーム30a、30bを提供する。
【0058】
2つ以上の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bは、制御された炭化水素部分ストリーム30a、30bを受取るために設けられる。各炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bは、選択的に共に遮断される、炭化水素流路40a、40bまたは流路の群に接続される。そのため、炭化水素部分ストリーム入口制御弁25a、25bを閉鎖することによって、部分炭化水素ストリーム20a、20bは、それぞれの炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35b、したがってそれぞれの炭化水素流路40a、40bまたは流路の群に達することを防止される。
【0059】
たとえば、炭化水素ストリーム入口制御弁25bを閉鎖することは、部分炭化水素ストリーム20bが炭化水素流路40bに達することを防止することになる。炭化水素ストリーム入口制御弁25aが開放したままになる場合、炭化水素流路40aを通るマスフローが、炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35aを介して維持されうる。
【0060】
2つ以上の炭化水素流路40a、40bが、特定の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bに接続されうることが明らかになる。図1に示す実施形態では、炭化水素ストリーム流路40a、40bの同等の比率(すなわち、一方)が、所与の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bに接続されうる。こうした実施形態では、炭化水素ストリーム入口制御弁25bを閉鎖することは、炭化水素流路40a、40bの半分、すなわち、流路40bを選択的に遮断することになる。この構成は、炭化水素ストリーム10のマスフローの約50%のターンダウンで安定した冷却を提供しうる。
【0061】
さらなる実施形態(図1には示さず)では、2つ以上の炭化水素流路40a、40bの不同の比率が、異なる炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bに接続されうる。たとえば、2倍の数の炭化水素流路が、第1の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダと比較して、第2の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダに接続されうる。その結果、第1の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ用の炭化水素ストリーム入口制御弁を閉鎖することは、炭化水素流路の33%の選択的な遮断を提供することになり、炭化水素ストリーム10のマスフローの33%の減少を可能にし、33%ターンダウン用の残りの未遮断の流路において比較的一定の圧力降下が維持される。同様に、第2の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ用の炭化水素ストリーム入口制御弁を閉鎖することは、炭化水素流路の67%の選択的な遮断を提供することになり、炭化水素ストリーム10のマスフローの67%のターンダウンに対処する。2つ以上の炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bに対して炭化水素ストリーム10のマスフローの所望の比率を提供するために、こうした実施形態が、2つ以上の炭化水素流路40a、40bの間で炭化水素ストリームを分割する手段15を必要とする場合があることが明らかになる。
【0062】
2つ以上の炭化水素流路40a、40bは、2つ以上の炭化水素流路出口45a、45bにおいて主熱交換器を出る。各出口45a、45bは、液化済み炭化水素ストリーム50a、50bを生成する。2つ以上の炭化水素流路40a、40bは、液化済み炭化水素ストリーム50a、50bを合流させる(combine)するために、少なくとも1つの炭化水素ストリーム出口ヘッダ55a、55bに接続されうる。
【0063】
2つ以上の炭化水素流路40a、40bは、1次流路の2つ以上の1次群から流出する液化済み炭化水素流体ストリームを合流するために、1次出口ヘッダ7に接続されることができる。本例では、1次出口ヘッダは、2つ以上の1次部分ストリーム出口ヘッダ55a、55bを備える。本例では、出口ヘッダは、各炭化水素流路40a、40b用の炭化水素ストリーム出口ヘッダ55a、55bの形態をとる。各炭化水素部分ストリーム出口ヘッダ55a、55bは、液化済み炭化水素部分ストリーム60a、60bを提供しうる。
【0064】
液化済み炭化水素部分ストリーム60a、60bは、液化済み炭化水素ストリーム合流装置65において合流されて、合流された液化済み炭化水素ストリーム70を提供しうる。
【0065】
代替の実施形態(図1では示さず)では、単一炭化水素ストリーム出口ヘッダは、全ての炭化水素流路を合流して、合流された液化済み炭化水素ストリームを提供する。
残りの図には、フローセンサが示されない。それでも、フローセンサは、先に説明した選択的な遮断を制御するのを補助するためにどのようにでも存在することができる。
【0066】
図2は、複数の流路が、さらに、1つまたは複数の自動冷却流路の2つ以上の2次群240a、240bを構成する実施形態の群を概略的に示す。これらは、本例の場合、冷媒の第1の流路240a、240bと呼ばれることになる。2次入口ヘッダ8は、自動冷却流路の2つ以上の2次群240a、240bを、冷媒源210aに接続する。2次入口ヘッダ8は、さらに、冷媒ストリームを、自動冷却流路の2つ以上の2次群の間で分割するように配列される。1次入口ヘッダ6と同様に、2次入口ヘッダ6はまた、自動冷却流路の残りの未遮断の2次群を通して冷媒ストリームが流れることを可能にしながら、自動冷却流路の2つ以上の2次群の少なくとも1つを選択的に遮断する手段を備えることができる。これらの手段は、「2次手段(secondary means)」と呼ばれることがある。
【0067】
そのため、図2の装置1は、炭化水素ストリーム10を冷却し液化するために使用されうる熱交換器5を備える装置1の図式的概略図である。熱交換器5は、好ましくは、図1の実施形態と同様に主熱交換器であり、それにより、部分炭化水素ストリーム40a、40bを間接的に冷却する冷媒は主冷媒である。
【0068】
炭化水素ストリーム10のマスフローが減少するターンダウン運転中、炭化水素ストリームによって必要とされる冷却デューティもまた減少することになることが明らかになる。減少フローの炭化水素ストリーム10の過剰冷却を防止するために、主熱交換器5に対する主冷媒のマスフローもまた減少することが好ましい。炭化水素ストリームの減少を伴う工程における主冷媒のマスフローの減少は、たとえターンダウン運転中でも、冷却デューティについての需要と冷却デューティの供給を整合したままにさせうる。
【0069】
図2の実施形態は、有利には、第1および第2の画分の主冷媒ストリーム210a、210bとして主熱交換器5に供給されうる混合主冷媒を利用する。炭化水素ストリーム10および第2の画分の主冷媒ストリーム210bの作用は、図1の実施形態について論じた作用と同様である。しかし、図2の主熱交換器5は、2つ以上の冷媒の第1の流路240a、240bの少なくとも1つを選択的に遮断する前記第2の手段225a、225bと共に、2つ以上の冷媒の第1の流路240a、240bを提供し、それにより、主熱交換器5を通る第1の画分の主冷媒ストリーム210aのマスフローは、炭化水素ストリーム10のマスフローが減少すると、不安定な冷却挙動をもたらすことなく減少しうる。
【0070】
第1の画分の主冷媒ストリーム210aは、2つ以上の主冷媒の第1の流路240a、240bの間で第1の画分の主冷媒ストリーム210aを分割する手段215aに流されうる。分割する手段215aは、第1の画分の主冷媒ストリーム分割装置を備えることができる。第1の画分の主冷媒ストリーム分割装置215aは、2つ以上の第1の画分の主冷媒部分ストリーム220a、220bを提供しうる。
【0071】
2つ以上の第1の画分の主冷媒部分ストリーム220a、220bはそれぞれ、第1の画分の主冷媒部分ストリーム入口制御弁225a、225bに流れることができる。第1の画分の主冷媒部分ストリーム入口制御弁225a、225bは、制御された第1の画分の主冷媒部分ストリーム230a、230bを提供する。
【0072】
2つ以上の第1の画分の主冷媒部分ストリーム入口ヘッダ235a、235bは、制御された第1の画分の主冷媒部分ストリーム230a、230bを受取るために設けられる。各第1の画分の主冷媒部分ストリーム入口ヘッダ235a、235bは、それぞれの第1の画分の主冷媒通路入口237a、237bを介して1つの主冷媒の第1の流路240a、240b(流路の2次群)に接続される。主冷媒の第1の流路240a、240bは、選択的に共に遮断されうる。そのため、第1の画分の主冷媒部分ストリーム入口制御弁225a、225bを閉鎖することによって、それぞれの第1の画分の主冷媒部分ストリーム220a、220bは、それぞれの第1の画分の主冷媒部分ストリーム入口ヘッダ235a、235b、したがってそれぞれの主冷媒の第1の流路240a、240bに達することを防止される。
【0073】
第1の画分の主冷媒ストリーム210aは、2つ以上の冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250a、250bを提供するために、主冷媒の第1の流路240a、240b内で交換器のシェル側78内の主冷媒に接して自動冷却されうる。2つ以上の主冷媒の第1の流路240a、240bは、2つ以上の第1の画分の主冷媒通路出口245a、245bにおいて主熱交換器5の壁85を出る。
【0074】
さらに、図2の実施形態は、自動冷却流路の2次群の下流に少なくとも1つの膨張装置255a、255bをさらに備える。膨張装置は、熱交換器5のシェル内への冷媒入口装置275aの上流に配列され、冷媒入口装置に接続される。膨張装置はまた、本例のために、「第1の画分の主冷媒膨張装置(first fraction main refrigerant expansion device)」と呼ばれることがある。
【0075】
2つ以上の冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250aは、2つ以上の第1の画分の主冷媒膨張装置255a、255bに流され、そこで、膨張して、2つ以上の膨張した第1の画分の主冷媒ストリーム260a、260bを提供できる。2つ以上の膨張した第1の画分の主冷媒ストリーム260a、260bは、その後、第1の画分の主冷媒合流装置265aにおいて合流されて、冷却用主冷媒ストリーム270aを提供できる。冷却用主冷媒ストリーム270aは、少なくとも1つの膨張した第1の画分の主冷媒入口275aを介して主熱交換器5のシェル側78に流されて、流路の群40a、40b、240a、240b、340内の流体を冷却する主冷媒を提供できる。
【0076】
第1の画分の主冷媒ストリーム210aが、炭化水素ストリーム10に関する工程においてターンダウンされるために、選択的に遮断されうる2つ以上の主冷媒の第1の流路240a、240bの比率が、選択的に遮断されうる2つ以上の炭化水素流路40a、40bの比率と同じであることが好ましい。
【0077】
図2の実施形態は、主熱交換器5内の冷媒の第2の流路340を選択的に遮断する手段を提供しない。これは、冷媒の第2の流路340における冷却中に、第2の画分の相転移、より詳細には凝縮が全く起こらないように、第2の画分の主冷媒ストリーム210bを、液体ストリームとして提供することができるからである。その結果、こうした液体の第2の画分の主冷媒ストリーム210bは、冷却プロセス中に減少したマスフローにおいて不安定な挙動を示さないことになる。
【0078】
しかし、第2の画分の主冷媒ストリーム210bが完全な液体のストリームとして提供されない場合、または、主冷媒の第2の流路340における圧力降下の変化を回避することが所望される場合、2つ以上の主冷媒の第2の流路を備える主熱交換器が設けられうることが当業者に明らかになる。さらに、残りの未遮断の冷媒の第2の流路を通して主冷媒の第2の画分の一部が流れることを可能にしながら、第2の流路の少なくとも1つの流路を選択的に遮断する手段は、第2の画分の主冷媒ストリーム210bのマスフローの減少を可能にすることになる。これは、第1の画分の主冷媒のものと同様に、第2の画分の主冷媒弁および第2の画分の主冷媒ヘッダの構成を使用して達成されうる。
【0079】
図3は、本明細書で開示される方法および装置の第3の実施形態を示し、熱交換器5は、流路の群40a、40a’、40a’’、40b、40b’、40b’’、240、240’、240’’、340、340’が複数の流路束に分割される主熱交換器である。流路束は、一対の入口ヘッダと出口ヘッダとの間で熱交換器5の壁85を通過する少なくとも1つの流路を備える。
【0080】
図1および図2の実施形態と同様に、炭化水素ストリーム10は、炭化水素の第1および第2の部分ストリーム入口制御弁25a、25bに流される炭化水素の第1および第2の部分ストリーム20a、20bに分割される。炭化水素の第1および第2の部分ストリーム入口制御弁25a、25bは、制御された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム30a、30bを炭化水素の第1および第2の部分ストリーム下側入口ヘッダ35a’、35b’に提供する。
【0081】
図1および図2の実施形態と対照的に、図3の主熱交換器5は、流路を交換器内の異なるレベルの複数の束に分割する。図3は、炭化水素の第1および第2の下側流路40a’、40b’ならびに主冷媒の第1および第2の下側流路240’、340’を備える下側束82を示す。中間束84は、炭化水素の第1および第2の中間流路40a’’、40b’’ならびに主冷媒の第1および第2の中間流路240’’、340’’を備える。上側束86は、炭化水素の第1および第2の上側流路40a’’’、40b’’’ならびに主冷媒の第1の上側流路240’’’を備える。
【0082】
炭化水素の第1および第2の部分ストリーム下側入口ヘッダ35a’、35b’は、炭化水素の第1および第2の下側流路40a’、40b’にそれぞれ接続される。これらの炭化水素ストリーム流路は、それぞれの炭化水素部分ストリーム入口制御弁25a、25bを使用して選択的に遮断されうる。
【0083】
炭化水素の第1および第2の下側流路40a’、40b’は、炭化水素の第1および第2の部分ストリーム下側出口ヘッダ105a、105bにそれぞれ接続される。炭化水素の第1および第2の部分ストリーム下側出口ヘッダ105a、105bは、第1の液化済み炭化水素ストリーム合流装置115に流されうる第1の液化済み炭化水素の第1および第2の部分ストリーム110a、110bを生成する。第1の液化済み炭化水素ストリーム合流装置115は、合流された第1の液化済み炭化水素ストリーム120を提供する。合流された第1の液化済み炭化水素ストリーム120は、好ましくは、液相と蒸気相を含む2相ストリームなどの部分液化ストリームである。
【0084】
合流された第1の液化済み炭化水素ストリーム120は、液体ストリームとして底部の第1の液化済み炭化水素ストリーム130を、また、蒸気ストリームとして頂部の第1の冷却された炭化水素ストリーム140を提供できる、ガス/液体分離器などの第1の液化済み炭化水素ストリーム分離装置125に流されうる。底部の第1の液化済み炭化水素ストリーム130は、天然ガス液抽出用の少なくとも1つの分画装置(fractionation device)に流されうる、または、分離装置内で還流(reflux)として使用されうる。
【0085】
頂部の第1の冷却された炭化水素ストリーム140は、ストリームを、頂部の第1の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム150a、150bに合流する、第1の冷却された炭化水素ストリーム合流器(combiner)装置145に流されうる。頂部の第1の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム150a、150bは、第1の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム入口制御弁155a、155bにそれぞれ流されて、制御された第1の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム160a、160bを提供しうる。制御された第1の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム160a、160bは、炭化水素の第1および第2の部分ストリーム中間入口ヘッダ165a、165bに流されうる。炭化水素の第1および第2の部分ストリーム中間入口ヘッダ165a、165bは、炭化水素の第1および第2の中間流路40a’’、40b’’に接続される。そのため、第1の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム入口制御弁155a、155bは、炭化水素の第1および第2の中間流路40a’’、40b’’に対するアクセスを選択的に遮断するために使用されうる。
【0086】
炭化水素の第1および第2の中間流路40a’’、40b’’は、炭化水素の第1および第2の部分ストリーム中間出口ヘッダ175a、175bにそれぞれ接続される。炭化水素の第1および第2の部分ストリーム中間出口ヘッダ175a、175bは、第2の冷却された炭化水素ストリーム合流装置185に流されうる第2の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム180a、180bを生成する。第2の冷却された炭化水素ストリーム合流装置185は、合流された第2の冷却された炭化水素ストリーム190を提供する。合流された第2の冷却された炭化水素ストリーム190は、部分液化ストリームとすることができ、また、好ましくは完全液化ストリームである。
【0087】
合流された第2の冷却された炭化水素ストリーム190は、ストリームを、分割された第2の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム710a、710bに分割できる、随意の第2の冷却された炭化水素ストリーム分離装置195に流されうる。分割された第2の冷却された炭化水素の第1および第2の部分ストリーム710a、710bは、炭化水素の第1および第2の部分ストリーム上側入口ヘッダ715a、715bに流されうる。炭化水素の第1および第2の部分ストリーム上側入口ヘッダ715a、715bは、壁85を通過して主熱交換器5に入る炭化水素の第1および第2の上側流路40a’’’、40b’’’に接続される。
【0088】
炭化水素の第1および第2の上側流路40a’’’、40b’’’は、図1の実施形態に関連して論じたように、液化済み炭化水素ストリーム50a、50bとして熱交換器5を出る。合流された第2の液化済み炭化水素ストリーム190が完全液化ストリームである実施形態では、第1および第2の上側流路40a’’’、40b’’’の少なくとも一方を選択的に遮断する手段は、必要とされないことになる。その理由は、炭化水素ストリーム10のマスフローの減少中に、ストリームが、実質的に蒸気成分がない、したがって、冷却プロセスにおいて不安定な挙動を示す可能性が低いからである。その結果、代替の実施形態(図3には示さず)において、第2の液化済み炭化水素ストリーム分離装置195は、全ての炭化水素上側流路が、合流された第2の炭化水素ストリーム190に接続された単一の炭化水素上側入口ヘッダから供給されるように要求されないとすることができることが当業者に明らかになる。
【0089】
合流された第2の液化済み炭化水素ストリーム190が、液相と蒸気相を含む2相ストリームである代替の実施形態(図3には示さず)では、第1および第2の上側流路40a’’’、40b’’’の少なくとも一方を選択的に遮断する手段は、下側および中間ステージ82、84と同様に設けることができる。
【0090】
図3に示す実施形態では、主冷媒の第1および第2の画分を有する混合冷媒は、炭化水素流路40a’、40b’、40a’’、40b’’、40a’’’、40b’’’内の炭化水素部分ストリームを冷却するために使用される。
【0091】
主冷媒ストリームの第1の画分210aは、少なくとも1つの主冷媒の下側流路240’、少なくとも1つの主冷媒の中間流路240’’、および少なくとも1つの主冷媒の上側の第1の流路240’’’を通して第1の画分210aを流すことによって、交換器のシェル側78内の主冷媒に接して間接的な熱交換によって自動冷却される。
【0092】
主冷媒ストリームの第1の画分210aは、少なくとも1つの第1の画分の主冷媒の部分ストリーム入口ヘッダ235’に流されうる。それぞれの第1の画分の主冷媒の部分ストリーム入口ヘッダ235’は、少なくとも1つの主冷媒の下側の第1の流路240’またはこうした流路の群に接続される。少なくとも1つの主冷媒の下側の第1の流路240’の他端は、主冷媒の第1の画分の下側出口ヘッダ755aに接続される。
【0093】
主冷媒の第1の画分の下側出口ヘッダ755aは、少なくとも1つの主冷媒の第1の画分の下側ストリーム760aに接続される。少なくとも1つの主冷媒の第1の画分の下側ストリーム760aは、主冷媒の第1の画分の中間入口ヘッダ765aに流される。
【0094】
主冷媒の第1の画分の中間入口ヘッダ765aは、少なくとも1つの主冷媒の中間の第1の流路240’’またはこうした流路の群に接続される。少なくとも1つの主冷媒の中間の第1の流路240’’の他端は、主冷媒の第1の画分の中間出口ヘッダ775に接続される。
【0095】
主冷媒の第1の画分の中間出口ヘッダ775は、少なくとも1つの主冷媒の第1の画分の中間ストリーム780に接続される。少なくとも1つの主冷媒の第1の画分の中間ストリーム780は、主冷媒の第1の画分の上側入口ヘッダ785に流される。
【0096】
主冷媒の第1の画分の上側入口ヘッダ785は、少なくとも1つの主冷媒の上側の第1の流路240’’’またはこうした流路の群に接続される。少なくとも1つの主冷媒の上側の第1の流路240’’’の他端は、主冷媒の第1の画分の上側出口ヘッダ795に接続される。
【0097】
主冷媒の第1の画分の上側出口ヘッダ795は、少なくとも1つの冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250’を提供する。単一の冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250’が図3に示される。少なくとも1つの冷却された第1の画分の主冷媒ストリーム250’は、少なくとも1つの第1の画分の主冷媒膨張装置255’に流され、そこで、膨張して、少なくとも1つの膨張した第1の画分の主冷媒ストリーム270’を提供できる。少なくとも1つの膨張した第1の画分の主冷媒ストリーム270’は、その後、少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームとして主熱交換器5のシェル側78に流されうる。少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームは、下側、中間、および上側の流路の群40a’、40b’、40a’’、40b’’、40a’’’、40b’’’、240’、240’’、240’’’、340’、340’’内の流体を冷却する主冷媒を提供する。
【0098】
同様に、主冷媒ストリームの第2の画分210bは、少なくとも1つの主冷媒の下側の第2の流路340’および少なくとも1つの主冷媒の中間流路340’’を通して第2の画分210bを流すことによって、交換器のシェル側78内の主冷媒に接して間接的な熱交換によって自動冷却される。
【0099】
主冷媒ストリームの第2の画分210bは、少なくとも1つの第2の画分の主冷媒の部分ストリーム入口ヘッダ335’に流される。それぞれの第2の画分の主冷媒の部分ストリーム入口ヘッダ335’は、少なくとも1つの主冷媒の下側の第2の流路340’またはこうした流路の群に接続される。少なくとも1つの主冷媒の下側の第2の流路340’の他端は、主冷媒の第2の画分の下側出口ヘッダ755bに接続される。
【0100】
主冷媒の第2の画分の下側出口ヘッダ755bは、少なくとも1つの主冷媒の第2の画分の下側ストリーム760bに接続される。少なくとも1つの主冷媒の第2の画分の下側ストリーム760bは、主冷媒の第2の画分の中間入口ヘッダ765bに流される。
【0101】
主冷媒の第2の画分の中間入口ヘッダ765bは、少なくとも1つの主冷媒の中間の第2の流路340’’またはこうした流路の群に接続される。少なくとも1つの主冷媒の中間の第2の流路340’’の他端は、主冷媒の第2の画分の中間出口ヘッダ347に接続される。主冷媒の第2の画分の中間出口ヘッダ347は、少なくとも1つの冷却された第2の画分の主冷媒ストリーム350’を提供する。単一の冷却された第2の画分の主冷媒ストリーム350’が図3に示される。
【0102】
少なくとも1つの冷却された第2の画分の主冷媒ストリーム350’は、少なくとも1つの第2の画分の主冷媒膨張装置355’に流され、そこで、膨張して、少なくとも1つの膨張した第2の画分の主冷媒ストリーム370’を提供できる。少なくとも1つの膨張した第2の画分の主冷媒ストリーム370’は、その後、少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームとして主熱交換器5のシェル側78に流されうる。少なくとも1つの冷却用主冷媒ストリームは、下側および中間の流路の群40a’、40b’、40a’’、40b’’、240’、240’’、340’、340’’内の流体を冷却する主冷媒を提供する。
【0103】
好ましい実施形態では、本明細書で開示される方法は、炭化水素供給ストリームのための液化プロセスの一部として利用されうる。炭化水素供給ストリームは、冷却され液化される任意の適したガスストリームとすることができるが、通常、天然ガスストリームである。通常、天然ガスストリームは、実質的にメタンからなる炭化水素組成物である。好ましくは、炭化水素供給ストリームは、少なくとも50モル%のメタン、より好ましくは少なくとも80モル%のメタンを含む。
【0104】
天然ガスなどの炭化水素組成物はまた、HO、N、CO、Hg、HSなどの非炭化水素や他の硫黄化合物などを含有することができる。所望される場合、天然ガスは、冷却し液化する前に前処理することができる。この前処理は、COおよびHSなどの望ましくない成分の減少および/または除去、あるいは予冷、予備加圧などのような他の工程を含むことができる。これらの工程は当業者にはよく知られているため、それらのメカニズムは、ここではさらに論じられない。
【0105】
用語「炭化水素供給ストリーム(hydrocarbon feed stream)」はまた、洗浄、脱水、および/またはスクラビングを含む処理などの任意の処理の前の組成物、ならびに、限定はしないが硫黄、硫黄化合物、二酸化炭素、水、Hg、および少なくとも1種のC2+炭化水素を含む少なくとも1つの化合物または物質を低減および/または除去するために部分的、実質的、または完全に処理された組成物を含むことができる。
【0106】
原料によって、天然ガスは、特にエタン、プロパン、およびブタンなどの、メタンより重い種々の量の炭化水素、ならびに、おそらくより少量のペンタンおよび芳香族炭化水素を含有することができる。組成物は、ガスのタイプおよび場所に応じて変わる。
【0107】
慣例的に、メタンより重い炭化水素は、いくつかの理由で、かなり冷却する前に炭化水素供給ストリームから種々の程度に除去することができる。たとえばブタンより重い化合物は、その化合物がメタン液化プラントの一部を塞ぐようにさせうる十分に高い凍結温度を有し、したがって、これらの化合物は、本質的に完全に除去される。C2〜C4化合物は、液化生成物の所望の仕様を満たすために抽出されることが多い。C2〜C4炭化水素が、炭化水素供給ストリームから分離されうる、または、その含有量が、デメタナイザ(換言すれば、メタン除去装置)によって炭化水素供給ストリーム内で低減されうる。デメタナイザは、メタン富化されている頂部の炭化水素ストリームおよびC2〜C4炭化水素を含む底部のメタン希薄ストリームを提供する。底部のメタン希薄ストリームは、その後、液化石油ガス(LPG)および凝縮ストリームを提供するためにさらなる分離器に流されうる。
【0108】
分離後、メタン富化されている炭化水素ストリームが冷却され液化される。炭化水素ストリームは、主冷媒回路などの少なくとも1つの冷媒回路内の少なくとも1つの冷媒ストリームに接して流される。好ましい実施形態では、主冷媒ステージの主熱交換器内で冷却し液化する前に、炭化水素ストリームは、予備冷却用冷媒に接して予備冷却される。予備冷却は、当技術分野で知られているいくつかの方法によって行われうる。
【0109】
こうした冷媒回路は、圧縮冷媒ストリームを提供するために、少なくとも部分的に蒸発した冷媒ストリームを圧縮するための少なくとも1つの冷媒圧縮器を備えることができる。圧縮冷媒ストリームは、その後、冷却器、通常、空気または水冷却器などの周囲冷却器(ambient cooler)内で冷却されて、第1の冷却冷媒ストリームとして冷媒ストリームを提供することができる。冷媒圧縮器は、少なくとも1つのタービンまたは電動機によって駆動されうる。
【0110】
炭化水素ストリームの冷却および液化は、少なくとも1つのステージで実施されうる。予備冷却または補助冷却とも呼ばれる初期冷却は、予備冷却された炭化水素ストリームを提供するために、少なくとも1つの予備冷却用熱交換機器内の予備冷却用冷媒回路の、単一冷媒または混合冷媒などの予備冷却用冷媒を使用して実施されうる。予備冷却された炭化水素ストリームは、好ましくは、0℃より低い温度などで部分的に液化される。
【0111】
好ましくは、こうした予備冷却用熱交換器は、予備冷却ステージを備えることができ、任意の後続の冷却は、少なくとも1つの主および/または副冷却用冷却ステージにおいて炭化水素ストリームの画分を液化するために、少なくとも1つの主熱交換器で実施される。
【0112】
こうして、2つ以上の冷却ステージを含むことができ、それぞれのステージは少なくとも1つの工程、パーツ(parts)などを有する。たとえば、各冷却ステージは、1〜5の熱交換器を備えることができる。炭化水素ストリームおよび/または冷媒の前記画分またはある画分は、冷却ステージの全ての熱交換器および/または全ての同じ熱交換器を通過しない場合がある。
【0113】
一実施形態では、炭化水素は、2つまたは3つの冷却ステージを含む方法において冷却され液化させることができる。予備冷却ステージは、好ましくは、炭化水素供給ストリームの温度を、0℃未満、通常−20℃〜−70℃の範囲に下げることを意図される。
【0114】
2つ以上の予備冷却用熱交換器として使用するための熱交換器は、当技術分野でよく知られている。予備冷却用熱交換器は、コイル巻回式熱交換器、プレートフィン熱交換器、およびシェルおよびチューブ熱交換器を含む群から選択することができる。
【0115】
本明細書で述べる方法および装置による主冷却ステージが、その後実施される。主冷却ステージは、予備冷却ステージと別である。すなわち、主冷却ステージは、少なくとも1つの別個の主熱交換器を備える。主冷却ステージは、好ましくは、炭化水素ストリーム、通常、少なくとも予備冷却ステージによって−100℃未満に冷却された炭化水素ストリームの画分の温度を低減することを意図される。
【0116】
熱交換器の任意の熱交換器の少なくとも1つは、図1、図2、または図3の実施形態によるスプール巻回式熱交換器あるいはシェルおよびチューブ熱交換器などの、本明細書で述べる熱交換器である。任意選択で、熱交換器は、そのシェル内に少なくとも1つの冷却セクションを備えることができ、各冷却セクションは、他の冷却場所に対する冷却ステージまたは別個の「熱交換器」として考えられうる。
【0117】
別の実施形態では、予備冷却用冷媒ストリームおよび任意の主冷媒ストリームの一方または両方は、冷却された混合冷媒ストリームを提供するために、少なくとも1つの熱交換器、好ましくは、先に述べた予備冷却用熱交換器および主熱交換器の2つ以上を通して流されうる。
【0118】
冷媒が、予備冷却用冷媒回路または任意の主冷媒回路などの混合冷媒回路内の混合冷媒である場合、混合冷媒は、窒素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、ペンタンからなる群から選択される2つ以上の成分の混合物から形成されてもよい。少なくとも1つの他の冷媒が、別個のまたはオーバラップ冷媒回路あるいは他の冷媒回路内で使用することができる。
【0119】
予備冷却用冷媒回路は、混合予備冷却用冷媒を含むことができる。主冷媒回路は、好ましくは、混合主冷却用冷媒を含む。本明細書で参照される混合冷媒または混合冷媒ストリームは、少なくとも5モル%の2つの異なる成分を含む。より好ましくは、混合冷媒は、窒素、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、ブタン、およびペンタンを含む群の中の2つ以上を含む。
【0120】
予備冷却用混合冷媒についての一般的な組成は、
メタン(C1) 0〜20モル%
エタン(C2) 5〜80モル%
プロパン(C3) 5〜80モル%
ブタン(C4) 0〜15モル%
とすることができる。組成物全体は100モル%を含む。
【0121】
主冷却用混合冷媒についての一般的な組成は、
窒素 0〜25モル%
メタン(C1) 20〜70モル%
エタン(C2) 30〜70モル%
プロパン(C3) 0〜30モル%
ブタン(C4) 0〜15モル%
とすることができる。組成物全体は100モル%を含む。
【0122】
別の実施形態では、主熱交換器内で冷却され液化された炭化水素ストリームは、予備冷却されている可能性がある。予備冷却された天然ガスストリームなどの炭化水素ストリームは、その後、主熱交換器内でさらに冷却されて、LNGストリームなどの、少なくとも部分的に、好ましくは完全に液化された炭化水素ストリームを提供する。
【0123】
好ましくは、本明細書で述べる方法および装置によって提供される、液化済み炭化水素ストリームは、通常、運搬容器によって別の場所に輸送される前に、少なくとも1つの貯蔵タンクに貯蔵される。
【0124】
図4は、炭化水素ストリーム10を冷却し液化するための装置1の図式的概略図である。炭化水素ストリームを処理し液化するいくつかの方法が当技術分野で知られている。図4の実施形態は、1つのこうした例示的な方法である。
【0125】
天然ガスから得られるストリームなどの炭化水素供給ストリーム510が提供される。炭化水素供給ストリーム510は、好ましくは、COおよびHSなどの望ましくない成分を低減するかつ/または除去するために前処理されているような、液化に適した形態である。
【0126】
炭化水素供給ストリーム510は、好ましくは、所定の仕様の限度内の組成を有する液化済み生成物ストリーム70になるように、いつでも冷却され液化される用意ができている調製されたストリーム580を生成するための成分を、炭化水素供給ストリーム510から抽出するために、随意の抽出ユニット545に流れることができる加圧されたストリームである。調製されたストリーム580は、たとえば、圧縮済みメタン富化ストリーム580の形態で提供される。当業者にも知られている、当技術分野で利用可能な多くのこうした抽出ユニットが存在する。例として、抽出ユニットは、スクラブ塔またはデメタナイザおよび随意の再圧縮器を備えることができる。
【0127】
抽出された成分は、通常液体ストリームである抽出生成物ストリーム570の形態で抽出ユニット545から放出されることができる。抽出ユニット545が、デメタナイザに基づく場合、抽出生成物ストリーム570は、通常NGLストリームの形態のメタン低減(depleted)ストリーム570とすることができる。抽出生成物ストリーム570は、任意選択で、天然ガス液抽出用の、デエタナイザ、デプロパナイザ、および/またはデブタナイザなどの、少なくとも1つのさらなる分画装置(図示せず)に流れることができる。
【0128】
本例の場合、圧縮済みメタン富化ストリームであると仮定されることになる、結果として得られる調製されたストリーム580は、少なくとも1つの予備冷却用熱交換器585に流れることができ、そこで、調製されたストリーム580は、本例では予備冷却されたメタン富化炭化水素ストリームであると仮定される、予備冷却された調製済みストリーム590を提供するために、予備冷却用冷媒に接して冷却される。予備冷却用冷媒は、入って来る冷却された予備冷却用冷媒ストリーム410として予備冷却用熱交換器に供給され、出て行く、温められた予備冷却用冷媒ストリーム420として予備冷却用熱交換器から回収することができる。好ましくは、入って来る冷却された予備冷却用冷媒ストリーム410は、本質的に液体形態であり、一方、出て行く温められた予備冷却用冷媒ストリーム420は、好ましくは本質的に蒸気形態である。予備冷却用冷媒は、しばしば本質的にプロパンからなる単一成分予備冷却用冷媒、または、プロパンを含む混合予備冷却用冷媒などの混合予備冷却用冷媒とすることができる。複数の予備冷却用熱交換器585が存在する場合、予備冷却用冷媒は、それぞれの予備冷却用熱交換器585において異なる圧力で提供されうる。
【0129】
予備冷却されたメタン富化炭化水素ストリーム590は、炭化水素ストリーム10の形態で主熱交換器5に直接流れることができる。しかし、図4の実施形態では、ストリーム590は、たとえば抽出ユニット545(図示せず)のために液体還流ストリーム597を生成するため、ガス液体分離器などの随意の主熱交換器分離器595に最初に流れた。こうした場合、炭化水素ストリーム10は、頂部蒸気ストリームの形態で主熱交換器分離器595から提供される。
【0130】
簡単化のために、予備冷却用冷媒回路の残りは図示されない。こうした予備冷却用冷媒回路の構成は当業者に知られている。適した予備冷却用冷媒回路の一例は、図5に示される。
【0131】
図4の実施形態は、冷却し液化するための主熱交換器である熱交換器5に流される炭化水素ストリーム10を示す。主熱交換器5は、主冷媒の第1および第2の流路240、340の、図1の実施形態と同一の構造を有する。
【0132】
図4の実施形態は、選択的な遮断手段の代替の場所を示す。1次出口ヘッダ7’は、合流器65を示し、合流器65は、それぞれの1次部分ストリーム出口ヘッダ55a、55bからの液化済み流体部分ストリーム60a、60bを合流して、合流された液化済み流体ストリーム70を提供する。しかし、1次流路40a、40bの1次群の少なくとも一方を選択的に遮断する手段は、1次出口ヘッダ7’内に配置される。流体部分ストリーム出口制御弁75a、75bは、1次部分ストリーム出口ヘッダ55a、55bと液化済み流体ストリーム合流装置65との間に設けられる。
【0133】
そのため、この実施形態では、2つ以上の炭化水素流路40a、40bの少なくとも1つを選択的に遮断する手段75a、75bは、図1および図2に示すように上流ではなく、主熱交換器5の下流に設けられる。選択的な遮断手段の下流配置が、同様に、自動冷却流路の2次群240用の2次出口ヘッダ手段に適用することができることが理解されるであろう。図1または図2の構成が、選択的な遮断手段の代替の配置の代わりに、所望である場合、図4のスキームで使用することができることも理解されるであろう。
【0134】
図4の実施形態では、炭化水素ストリーム10は、炭化水素ストリーム分割装置などの、2つ以上の炭化水素ストリーム流路40a、40bの間で炭化水素ストリーム10を分割する手段15に流される。炭化水素ストリーム10を分割する手段15は、2つ以上の炭化水素部分ストリーム20a、20bを提供する。2つ以上の炭化水素部分ストリーム20a、20bは、2つ以上の部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bに接続されうる。それぞれの炭化水素部分ストリーム入口ヘッダ35a、35bは、炭化水素ストリーム流路40a、40bの少なくとも1つに接続される。
【0135】
2つ以上の炭化水素ストリーム流路40a、40bは、2つ以上の炭化水素流路出口45a、45bにおいて主熱交換器5を出る。それぞれの出口45a、45bは、液化済み炭化水素ストリーム50a、50bを生成する。2つ以上の炭化水素ストリーム流路40a、40bは、2つ以上の部分ストリーム出口ヘッダ55a、55bに接続される。それぞれの部分ストリーム出口ヘッダ55a、55bは、液化済み炭化水素部分ストリーム60a、60bを、炭化水素部分ストリーム出口制御弁75a、75bに提供する。炭化水素部分ストリーム出口制御弁75a、75bは、2つ以上の炭化水素ストリーム流路40a、40bの少なくとも1つを選択的に遮断する手段である。
【0136】
それぞれの炭化水素部分ストリーム出口制御弁75a、75bは、制御された液化済み炭化水素部分ストリーム80a、80bを提供する。2つ以上の制御された液化済み炭化水素部分ストリーム80a、80bは、制御された液化済み炭化水素部分ストリーム合流装置65に流されて、合流された液化済み炭化水素ストリーム70を提供しうる。
【0137】
炭化水素部分ストリーム出口制御弁75a、75bの一方を閉鎖することは、それぞれの炭化水素流路40a、40bまたはこうした流路の群を選択的に遮断することになることが明らかになる。こうして、主熱交換器5に対する炭化水素ストリーム10のマスフローは、炭化水素流路40a、40bにおける不安定な冷却挙動を回避しながら低減されうる。
【0138】
図4は、さらに、主冷媒冷却回路201を示す。この実施形態では、主冷媒は、先に論じたような混合主冷媒である。
主冷媒ストリーム200は、ガス/液体分離器などの主冷媒分離装置205に流される。主冷媒分離装置は、主熱交換器5に流される第1および第2の画分の主冷媒ストリーム210a、210bを提供する。第1の画分の主冷媒ストリーム210aは、好ましくは、主冷媒分離装置205から頂部で引出される蒸気ストリームである。第2の画分の主冷媒ストリーム210bは、好ましくは、主冷媒分離装置205の底部から引出される液体ストリームである。
【0139】
第1および第2の画分の主冷媒ストリーム210a、210bは、図1の実施形態について論じたように、主熱交換器5内で自動冷却され、膨張し、交換器のシェル側78に流される。主冷媒は、流路の群40a、40b、240、340内の流体と間接的に熱交換されて、流体を冷却し、主冷媒を温める。温かい冷媒は、温められた主冷媒ストリーム290として、主熱交換器5の底部でまたは底部の近くで少なくとも1つの主冷媒出口285から回収される。
【0140】
温められた主冷媒ストリーム290は、主冷媒圧縮器ノックアウトドラム295に流される。主冷媒圧縮器ノックアウトドラム295は、主冷媒圧縮器供給ストリーム310を提供する。主冷媒圧縮器供給ストリーム310は、実質的にガス状でありうる。
【0141】
主冷媒圧縮器供給ストリーム310は、主冷媒圧縮器315に流され、そこで、圧縮されて、圧縮済み主冷媒ストリーム320を提供する。主冷媒圧縮器315は、ガスまたはストリームタービンあるいは電動機などの主冷媒圧縮器ドライバ345によって機械的に駆動される。
【0142】
圧縮済み主冷媒ストリーム320は、その後、空気または水冷却器などの、少なくとも1つの主冷媒冷却装置325内で冷却されて、第1の冷却済み主冷媒ストリーム330を提供する。第1の冷却済み主冷媒ストリーム330は、その後、予備冷却用冷媒に接してさらに冷却するために少なくとも1つの予備冷却用熱交換器585’に流されて、主冷媒ストリーム200を提供しうる。図4に示すように、第1の冷却済み主冷媒ストリーム330は、圧縮済みメタン富化ストリーム580と別個の予備冷却用熱交換器内で冷却されることができる。入って来るまた出て行く冷媒ストリーム410’,420’は、それでも同じ予備冷却用冷媒サイクルの一部とすることができる。
【0143】
あるいは、第1の冷却済み主冷媒ストリーム330は、たとえば予備冷却用熱交換器内で利用可能な2つの別個のチューブ束が存在するとき、圧縮済みメタン富化ストリーム580と同じ予備冷却用熱交換器内で冷却されることができる。
【0144】
第1の画分の主冷媒ストリーム210aが、通常、自動冷却の影響下で凝縮されるため、選択的な遮断装置はまた、たとえば図2で例示されるような主冷媒の第1の流路240に適用することができる。明らかに、この場合も、選択的遮断は、1次出口ヘッダと同様に、2次出口ヘッダ内で主熱交換器の下流に配置されることができる。
【0145】
結果として得られる液化された炭化水素ストリームが生成物ストリームとして使用されない例として、図5は、主熱交換器に冷却デューティを提供するために、炭化水素ストリーム10’が主冷却用混合冷媒ストリームとして使用される実施形態を示す。この場合、本発明の装置は、主冷却用混合冷媒ストリームが部分的に液化される予備冷却用熱交換器5aの形態で実現される。
【0146】
単一の予備冷却用熱交換器5aだけが図5に示されるが、2つ以上の予備冷却用熱交換器は、選択的に遮断されうる2つ以上の炭化水素流路を備えうる。たとえば、2つの予備冷却用熱交換器は、たとえば直列または並列に設けられることができる。予備冷却用熱交換器は、シェル側78a内の予備冷却用冷媒と同じ圧力または異なる圧力で運転することができる。
【0147】
天然ガスから得られたストリームなどの炭化水素供給ストリーム510aが提供される。炭化水素供給ストリーム510aは、好ましくは、COおよびHSなどの望ましくない成分を低減するかつ/または除去するために前処理されているような、液化に適した形態である。
【0148】
炭化水素供給ストリーム510aは、好ましくは、加圧されたストリームである。炭化水素供給ストリーム510aは、炭化水素供給熱交換器512内で冷却されて、冷却済み炭化水素供給ストリーム514を提供しうる。
【0149】
冷却済み炭化水素供給ストリーム514は、スクラブ塔またはデメタナイザなどの随意の炭化水素供給分画装置545aに流されて、メタン富化頂部ストリーム560aおよびメタン低減底部ストリーム570aを提供することができる。メタン低減底部ストリーム570aは、天然ガス液抽出用の、デエタナイザ、デプロパナイザ、および/またはデブタナイザなどの、少なくとも1つのさらなる分画装置(図示せず)に流されうる。
【0150】
炭化水素供給分画装置545aからのメタン富化頂部ストリーム560aは、少なくとも1つの予備冷却用熱交換器585aに流されうる。メタン富化頂部ストリーム560aは、熱交換器のシェル側78a内の予備冷却用冷媒に接して冷却するための、予備冷却用熱交換器5a内の少なくとも1つのメタン富化ストリーム流路640を通して流されて、予備冷却済みメタン富化炭化水素ストリーム590aが提供されうる。
【0151】
予備冷却用冷媒は、プロパンを含む混合予備冷却用冷媒などの混合予備冷却用冷媒とすることができる。複数の予備冷却用熱交換器585aが混合予備冷却用冷媒と共に使用される場合、混合予備冷却用冷媒は、異なる予備冷却用熱交換器585aのシェル側78a内で異なる圧力で提供されうる。
【0152】
予備冷却用冷媒は、予備冷却用冷媒回路401内に設けられる。予備冷却用熱交換器5aからの、出て行く温められた予備冷却用冷媒ストリームとしての予備冷却用冷媒圧縮器供給ストリーム420aは、予備冷却用冷媒圧縮器425に流される。予備冷却用冷媒圧縮器は、予備冷却用冷媒圧縮器供給ストリーム420aを圧縮して、圧縮済み予備冷却用冷媒ストリーム430を提供する。予備冷却用冷媒圧縮器425は、ガスまたはストリームタービンあるいは電動機などの予備冷却用冷媒圧縮器ドライバ435によって機械的に駆動される。
【0153】
圧縮済み予備冷却用冷媒ストリーム430は、その後、空気または水冷却器などの、少なくとも1つの予備冷却用冷媒冷却装置325a内で冷却されて、第1の冷却済み予備冷却用冷媒ストリーム450を提供する。第1の冷却済み予備冷却用冷媒ストリーム450は、その後、少なくとも1つの予備冷却用熱交換器5aに流されうる。第1の冷却済み予備冷却用冷媒ストリーム450は、予備冷却用熱交換器5a内の少なくとも1つの予備冷却用冷媒流路440を通して流されうる。予備冷却用冷媒流路440内の予備冷却用冷媒は、熱交換器のシェル側78a内の予備冷却用冷媒に接して自動冷却されて、第2の冷却済み予備冷却用冷媒ストリーム460が提供される。
【0154】
第2の冷却済み予備冷却用冷媒ストリーム460は、ジュールトムソン弁または膨張器などの少なくとも1つの予備冷却用冷媒膨張装置465に流されて、そこで、膨張して、少なくとも1つの膨張済み予備冷却用冷媒ストリーム410aを入って来る冷却済み予備冷却用冷媒ストリームとして提供しうる。少なくとも1つの膨張済み予備冷却用冷媒ストリーム410aは、その後、流路40c、40d、440、640の内容物を冷却するために、予備冷却用熱交換器5aのシェル側78aに流されうる。
【0155】
少なくとも1つの予備冷却用熱交換器585aは、予備冷却済みメタン富化炭化水素ストリーム590aを提供する。予備冷却済みメタン富化炭化水素ストリーム590aは、ガス/液体分離器などの主熱交換器分離器595aに流されうる。主熱交換器分離器595aは、メタン富化主熱交換器供給ストリーム610を頂部蒸気ストリームとして、また、供給分画還流ストリーム597を底部液体ストリームとして提供しうる。
【0156】
供給分画還流ストリーム597は、炭化水素供給分画装置545aに流されうる。供給分画還流ストリーム597は、改善された分離を提供するために、冷却済み炭化水素供給ストリーム514より重力に関して高い地点で炭化水素供給分画装置545aに流されることが好ましい。
【0157】
図5の実施形態は、従来の主熱交換器645に流されるメタン富化主熱交換器供給ストリーム610を示す。メタン富化主熱交換器供給ストリーム610は、少なくとも1つのメタン富化ストリーム流路640を通して流れることができ、そこで、混合主冷却用冷媒などの主冷却用冷媒に接して間接的に冷却され液化される。
【0158】
主熱交換器645は、液化された、おそらく部分的に液化されるが、好ましくは完全に液化された、メタン富化ストリーム650を提供する。炭化水素供給ストリーム510aが天然ガスから得られると、液化されたメタン富化ストリーム650はLNGであり得る。
【0159】
図5は、さらに、主冷媒冷却回路201aを示す。この実施形態では、主冷媒は、先に論じたような少なくとも1つの炭化水素を含む混合主冷却用冷媒である。
主冷媒圧縮器供給ストリーム310aは、主冷媒圧縮器315aに流され、そこで、圧縮されて、圧縮済み主冷媒ストリーム320aを提供する。主冷媒圧縮器315aは、ガスまたはストリームタービンあるいは電動機などの主冷媒圧縮器ドライバ345aによって機械的に駆動されうる。
【0160】
圧縮済み主冷媒ストリーム320aは、その後、空気または水冷却器などの、少なくとも1つの主冷媒冷却装置325a内で冷却されて、第1の冷却済み主冷媒ストリームを炭化水素ストリーム10’として提供しうる。第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’(炭化水素ストリーム)は、その後、予備冷却用冷媒に接してさらに冷却するために少なくとも1つの予備冷却用熱交換器5aに流されうる。
【0161】
第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’(炭化水素ストリーム)は、メタン富化頂部ストリーム560aと同じまたは異なる予備冷却用熱交換器内で冷却されることができる。図5の実施形態では、第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’(炭化水素ストリーム)は、メタン富化頂部ストリーム560aと同じ予備冷却用熱交換器5a内で冷却される。
【0162】
図5の予備冷却用熱交換器5aは、2つ以上の主冷媒流路40c、40dの少なくとも1つを選択的に遮断する手段25c、25dと共に、1次流路の2つ以上の1次群として2つ以上の第1の冷却済み主冷媒流路40c、40dを提供し、それにより、予備冷却用熱交換器5aを通る第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’のマスフローは、不安定な冷却挙動をもたらすことなく減少されうる。この設計は、第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’が、予備冷却用熱交換器5a内で少なくとも部分的に液化される実質的に蒸気のストリームであるとき有利である。
【0163】
第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’は、1次流路の2つ以上の1次群40c、40dの間で、第1の冷却済み主冷媒ストリーム10’の形態の流体ストリームを分割する手段15aを備えることができる1次入口ヘッダ6’に流されうる。分割する手段15aは、第1の冷却済み主冷媒分割装置を備えることができる。第1の冷却済み主冷媒分割装置15aは、2つ以上の第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム20c、20dを炭化水素部分ストリームとして提供しうる。
【0164】
2つ以上の第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム20c、20d(流体部分ストリーム)はそれぞれ、第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム入口制御弁25c、25d(1次部分ストリーム入口制御弁)に流れることができる。それぞれの第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム入口制御弁25a、25b(1次部分ストリーム入口制御弁)は、制御された第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム30c、30dを提供する。
【0165】
2つ以上の第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム入口ヘッダ35c、35dは、制御された第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム30c、30dを受取る1次部分ストリーム入口ヘッダとして提供される。それぞれの第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム入口ヘッダ35c、35dは、選択的に共に遮断される、第1の冷却済み主冷媒流路40c、40dまたはこうした流路の群に接続される。そのため、第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム入口制御弁25c、25dを閉鎖することによって、第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム20c、20dは、それぞれの第1の冷却済み主冷媒部分ストリーム入口ヘッダ35c、35d、したがってそれぞれの第1の冷却済み主冷媒流路40c、40dに達することを防止される。こうして、予備冷却用熱交換器5aを通る主冷媒のマスフローは、不安定な冷却挙動を軽減しながら減少されうる。
【0166】
第1の冷却済み主冷媒部分ストリームは、第1の冷却済み主冷媒流路40c、40d内で交換器のシェル側78a内の予備冷却用冷媒に接して間接的に冷却されて、2つ以上の第2の部分的に液化された主冷媒部分ストリーム50c、50dを液化済み炭化水素ストリームとして提供しうる。
【0167】
2つ以上の第1の冷却済み主冷媒流路40c、40dは、少なくとも1つの第2の液化済み主冷媒ストリーム出口ヘッダ55c、55dを備える1次出口ヘッダに接続されうる。図5の実施形態は、選択的に遮断されうる、それぞれの第1の冷却済み主冷媒流路40c、40dまたは流路の群用の、第2の液化済み主冷媒ストリーム出口ヘッダ55c、55dを示す。それぞれの第2の液化済み主冷媒ストリーム出口ヘッダ55c、55dは、予備冷却済み主冷媒部分ストリーム60c、60dの形態で液化済み流体を提供しうる。
【0168】
予備冷却済み主冷媒部分ストリーム60c、60dは、予備冷却済み主冷媒合流装置65aで合流されて、予備冷却済み主冷媒ストリーム200’を主冷媒ストリームとして提供しうる。
【0169】
予備冷却済み主冷媒ストリーム200’は、ガス/液体分離器などの主冷媒分離装置205aに流され得る。主冷媒分離装置205aは、主熱交換器645に流される第1および第2の画分の主冷媒ストリーム210a、210bを提供する。第1の画分の主冷媒ストリーム210aは、好ましくは、主冷媒分離装置205aから頂部で引出される蒸気ストリームである。第2の画分の主冷媒ストリーム210bは、好ましくは、主冷媒分離装置205aの底部から引出される液体ストリームである。
【0170】
第1および第2の画分の主冷媒ストリーム210a、210bは、図1の実施形態について論じたように、主熱交換器内で自動冷却され、膨張し、交換器のシェル側78に流される。主冷媒は、流路の群240、340、640内の流体と間接的に熱交換されて、流体を冷却し、主冷媒を温める。温かい冷媒は、温められた主冷媒ストリーム290として、主熱交換器645の底部でまたは底部の近くで少なくとも1つの主冷媒出口285aから回収される。
【0171】
温められた主冷媒ストリーム290aは、主冷媒圧縮器ノックアウトドラム295aに流され得る。主冷媒圧縮器ノックアウトドラム295aは、実質的に蒸気ストリームでありうる主冷媒圧縮器供給ストリーム310aを提供する。
【0172】
本発明は、添付特許請求項の範囲から逸脱することなく多くの種々の方法で実施されうることを当業者は理解するであろう。たとえば、図4によるプロセススキームは、図2の実施形態に開示される装置と共に利用されることができ、ターンダウン運転中に、第1の画分の主冷媒流れチャネルならびに炭化水素流れチャネルが選択的に遮断されることを可能にする。
【0173】
さらに、図5によるプロセススキームは、図1または図2または図4の実施形態による主熱交換器5と共に使用されることができ、それにより、炭化水素ストリーム10および/または主冷媒ストリームの第1の画分210aの一方または両方に向上した熱的安定性が提供される可能性がある。
【0174】
本明細書で提供される図は、熱交換器のシェルの外に位置する炭化水素部分ストリームおよび冷媒ストリームの種々の入口および出口ヘッダを示す。しかし、代替の実施形態では、入口および出口ヘッダの一方または両方が、熱交換器の内部、その壁内に設置されうることが当業者に明らかになる。しかし、少なくとも選択的に遮断する手段が、これらの手段に対するアクセスおよび制御を容易にするために、熱交換器の壁の外に配置されることが好ましい。
【0175】
先の説明は、概念的なレベルで、1次流路の2つ以上の1次群の少なくとも1つの群を選択的に遮断する手段を述べる。実際には、これらの手段は、当業者によって採用される通常の設計慣行に従ってより精緻な方法で実施することができる。たとえば、選択的に遮断する手段は、遮断された流路の群(図示せず)内への共有ヘッダを介した開放した(非遮断の)流路の群からの逆流を回避するように配列されることができる。これは、たとえば、選択的に遮断される必要がある流路の群の各端部に、また排他的ではなく、流路の群の入口端または出口端に連携動作式弁を設けることによって達成されることができる。
【0176】
本明細書で開示する方法および装置は、流量の比較的大きな変動を受けることが予想される炭層メタンの形態のまたは炭層メタンから得られる天然ガスを含む流体を冷却し液化するのに特に適する。
【0177】
本発明は、添付特許請求項の範囲から逸脱することなく多くの種々の方法で実施されうることを当業者は理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化流体ストリームを提供するために流体ストリームを冷却し液化する装置であって、
前記装置は、少なくとも、
熱交換器であって、前記熱交換器の壁内のシェル側および前記熱交換器の前記シェル側を通して延在する複数の流路を備え、前記複数の流路は、1つまたは複数の1次流路を含む2つ以上の1次群を備え、前記1次群の各々は、前記熱交換器を通して前記流体ストリームの一部を運び、前記一部を前記熱交換器の前記シェル側の冷媒に接触させて間接的に冷却し、液化流体ストリームを提供する、熱交換器と、
1次流路の前記2つ以上の1次群を前記流体の供給源に接続し、1次流路の前記2つ以上の1次群の間で前記流体ストリームを分割するように配置された1次入口ヘッダと、
前記流体ストリームの流量に応答して、1次流路の前記2つ以上の1次群のうちの少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、残りの未遮断の1次流路の1次群を通して前記流体ストリームが流れることを許容する手段と、を備える装置。
【請求項2】
前記1次入口ヘッダは、
2つ以上の1次部分ストリーム入口ヘッダであって、前記1次部分ストリーム入口ヘッダの各々が、1次流路の前記1次群のうちの1つの1次群に一意に接続される、1次部分ストリーム入口ヘッダと、
前記流体ストリームを、2つ以上の流体部分ストリームに分離する1次ヘッダストリーム分割装置であって、前記2つ以上の流体部分ストリームの各々が流体部分ストリーム導管内にある、1次ヘッダストリーム分割装置と、を備えており、
1次流路の前記2つ以上の1次群のうちの少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、残りの未遮断の1次流路の1次群を通して前記流体ストリームが流れることを許容する前記手段は、前記流体部分ストリーム導管のうちの少なくとも1つの導管内の1次部分ストリーム入口制御弁を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、スプール巻回式熱交換器、および、シェルおよびチューブ式熱交換器からなる群から選択され、1つまたは複数の1次流路を含む前記2つ以上の1次群は、互いに巻き付けられて配置される、請求項1または請求項2に記載の装置。
【請求項4】
1次流路の前記2つ以上の1次群から流出する前記液化流体ストリームを合流させるように、1次流路の前記2つ以上の1次群に接続された1次出口ヘッダをさらに備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記1次出口ヘッダは、2つ以上の1次部分ストリーム出口ヘッダを備えており、前記1次部分ストリーム出口ヘッダの各々が、液化流体部分ストリームを提供し、前記1次部分ストリーム出口ヘッダの各々は、1次流路の1つの1次群に一意に接続され、
前記装置は、さらに、
前記1次部分ストリーム出口ヘッダの各々からの前記液化流体部分ストリームを合流させて、合流液化流体ストリームを提供するように、前記1次部分ストリーム出口ヘッダの下流に配置される液化流体ストリーム合流装置を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
1次流路の前記2つ以上の1次群のうちの少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、残りの未遮断の1次流路の1次群を通して前記流体ストリームが流れることを許容する前記手段は、前記1次部分ストリーム出口ヘッダのうちの少なくとも1つと前記液化流体ストリーム合流装置との間に配置される流体部分ストリーム出口制御弁を備える、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1次流路は、前記熱交換器の底部のまたは前記底部の近傍の入口から前記熱交換器内の重力方向に関して高い位置の出口まで前記流体ストリームを移送するように配置される、請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
1次流路の前記1次群は、熱交換面を備えており、前記熱交換面は、前記流体ストリームの前記一部を前記熱交換器の前記シェル側の冷媒に接触させて間接的に冷却するように、前記冷媒と熱交換相互作用状態にあるように配置されており、前記流体ストリームの前記一部は、前記熱交換面に沿って上方に移動するように配置される、請求項1から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
1次流路の前記2つ以上の1次群のうちの少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、残りの未遮断の1次流路の1次群を通して前記流体ストリームが流れることを許容する前記手段は、前記シェル側に対して前記熱交換器の壁の外側に配置される、請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の流路は、さらに、1つまたは複数の自動冷却流路を含む2つ以上の2次群を備えており、
前記装置は、さらに、
自動冷却流路の前記2つ以上の2次群を前記冷媒の供給源に接続し、自動冷却流路の前記2つ以上の2次群の間で冷媒ストリームを分割するように配置された2次入口ヘッダと、
自動冷却流路の前記2つ以上の2次群のうちの少なくとも1つの2次群を選択的に遮断すると共に自動冷却流路の残りの未遮断の2次群を通して前記冷媒ストリームが流れることを許容する第2の手段と、
自動冷却流路の前記2次群の下流で、かつ、前記熱交換器のシェル内への冷媒入口装置の上流に配置され、前記冷媒入口装置に接続される、少なくとも1つの膨張装置とを備える、請求項1から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
液化流体ストリームを提供するために、流体ストリームを冷却し液化する方法であって、前記方法は、少なくとも、
所定流量の流体ストリームおよび冷媒を装置に流す工程であって、前記装置が、少なくとも、熱交換器であって、前記熱交換器の壁内のシェル側および前記熱交換器の前記シェル側を通して延在する複数の流路を備え、前記複数の流路は、1つまたは複数の1次流路を含む2つ以上の1次群を備え、前記1次群の各々は、前記熱交換器を通して前記流体ストリームの一部を運び、前記一部を前記熱交換器の前記シェル側の冷媒に接触させて間接的に冷却し、液化流体ストリームを提供する、熱交換器と、1次流路の前記2つ以上の1次群を前記流体の供給源に接続し、1次流路の前記2つ以上の1次群の間で前記流体ストリームを分割するように配置された1次入口ヘッダと、を備える、工程と、
前記1次入口ヘッダ内へ前記流体ストリームを流す工程と、
前記流体ストリームの流量に応答して、1次流路の前記2つ以上の1次群のうちの少なくとも1つの1次群を選択的に遮断すると共に、1次流路の残りの未遮断の1次群を通して前記流体ストリームが流れることを許容して液化流体ストリームを提供する工程と、を含む方法。
【請求項12】
前記流体ストリームの前記一部は、間接冷却によって少なくとも部分的に凝縮される間に、前記熱交換器を通して上方に移動する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
自動冷却流路の前記2つ以上の2次群を前記冷媒の供給源に接続し、自動冷却流路の前記2つ以上の2次群の間で冷媒ストリームを分割するように配置された2次入口ヘッダ内へ冷媒流体を流す工程と、
前記2次入口ヘッダ内へ前記冷媒流体を流す工程と、
自動冷却流路の前記2つ以上の2次群のうちの少なくとも1つの2次群を選択的に遮断すると共に、自動冷却流路の残りの未遮断の2次群を通して前記冷媒ストリームが流れることを許容する工程と、をさらに含む、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記方法および装置から前記液化流体ストリームの少なくとも一部を運び去る工程をさらに含む、請求項11から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記流体ストリームは、好ましくは天然ガスから得られる炭化水素ストリームである、請求項11から14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−515228(P2013−515228A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535768(P2012−535768)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066065
【国際公開番号】WO2011/051226
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(390023685)シエル・インターナシヨネイル・リサーチ・マーチヤツピイ・ベー・ウイ (411)
【氏名又は名称原語表記】SHELL INTERNATIONALE RESEARCH MAATSCHAPPIJ BESLOTEN VENNOOTSHAP
【Fターム(参考)】