説明

流体分離器を備えた貯蔵袋

貯蔵袋は、食物を収容するための内部容積と、内部容積からの空気を排出できる逆止め弁要素を有する。蓄えた食物からの流体とジュースで弁要素が汚れるのを防ぐために、内部容積に弁要素を封止接続する小室を画定する分離器が含まれている。分離器内で、流体とジュースは、重力分離によって排出空気から分けられ、内部容積に戻される。実施形態では、複数の貯蔵袋の梱包と配送を容易にするために、分離器は、小室を提供する拡張状態と、小室を実質的になくす折り畳み状態の間で調整可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に貯蔵容器に関し、より詳細には密閉され排気されるように設計された柔軟で熱可塑性の貯蔵袋に関する。本発明は、食品貯蔵の分野に特定の利用可能性を見出す。
【背景技術】
【0002】
貯蔵袋は、一般に、食物の貯蔵などの様々な目的に使用される。そのような貯蔵袋は、一般に、食物を入れることができる内部容積を画定する柔軟で低コストの熱可塑性材料で形成される。入れられた食品を保存するために、貯蔵袋は、内部容積に通じる開口部を閉じて封止するために、噛み合い式の締め付けストリップなどの別個の封止機構を備えることがある。
【0003】
前述の貯蔵袋に生じる1つの問題は、開口部を閉じて封止した後で、内部容積内に潜在空気が閉じ込められたままになることがあることである。閉じ込められた空気は、食物を腐らせたり乾かせたりすることがある。閉じ込められた空気を除去するために、内部容積と連通する逆止め弁要素や他の排気装置を設けることが知られている。逆止め弁要素は、周囲容積から空気が内部容積に進入するのを防ぎ且つ閉じ込められた空気の排気を可能にする。逆止め弁要素は、例えば、柔軟な側壁に圧縮圧力を加えて内部容積から空気を押し出したり、逆止め弁要素に真空源のノズルを繋いで内部容積から空気を吸い出したりするなどの様々な方法で動作させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貯蔵された食物は、排気中に吸い込まれてそれにより弁要素を汚すことがある流体またはジュースを含む場合がある。汚れた弁要素は、衛生上の問題を引き起こしまた適切に機能しない場合があることは理解されよう。更にまた、流体またはジュースは、弁要素を通って真空源に吸い込まれたり、他の方法で環境に放出されて更なる衛生上または操作上の問題を引き起こす場合がある。本発明の貯蔵袋は、以上のその他の問題を改善する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、逆止め弁要素を介して排気される空気から流体とジュースを分離する分離器が構成された貯蔵袋を提供する。弁要素は、排出空気が分離器を通らなければならないように分離器を介して内部容積と連通する。空気が逆止め弁要素を通る前に排出空気から流体とジュースを除去することによって、弁要素の汚れが回避される。
【0006】
本発明の態様では、分離器は、弁要素を貯蔵袋の滑らかな側壁に封止接続する柔軟な材料の余材として構成される。柔軟な分離器は、折り畳み状態と拡張状態の間で調整可能であり、折り畳み状態では、弁要素は、側壁のほぼ平面内に配置されて、複数の袋のコンパクトな積み重ねと折りたたみが可能になる。拡張状態では、分離器は、弁要素を側壁から持ち上げるかまたは離す小室を画定するように拡大する。空気が小室に流れ込むとき、流体とジュースが、排出空気から重力で分離され、凝縮し、内部容積に戻される。
【0007】
本発明の利点は、排出空気から流体を分離することによって逆止め弁要素の汚れを防ぐように構成された貯蔵袋を提供することである。別の利点は、一態様において、分離器を有するバッグが、配送の際にコンパクトに梱包するためにバッグを潰し折りたたむことを可能にする柔軟な材料から形成されることである。本発明の以上その他の利点と特徴は、詳細な説明と添付図面から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、類似の参照番号が類似の要素を指す図面を参照すると、図1には、食品などの品物を貯蔵するための貯蔵袋100が示されている。図示した実施形態では、貯蔵袋100は、第1の側壁102と、第1の側壁に重なる反対側の第2の側壁104とからなり、それらの壁の間に内部容積106を画定する。第1と第2の側壁102と104は、第1の側縁110、これと平行または非平行な第2の側縁112、および第1と第2の側縁の間に延在する閉じた底縁114に沿って結合されている。第1と第2の側壁102と104は、滑らかな薄肉シートに形成または延伸された柔軟または曲げやすい熱可塑性材料で形成されることが好ましい。適切な熱可塑性材料の例には、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、エチレンビニルアルコールがあり、これらの熱可塑性材料は、単一層または複数層に形成することができる。熱可塑性材料は、透明でも半透明でも不透明でもよく、着色されていてもよい。更に、側壁に使用される材料は、気体を通さない材料でよい。側壁102、104は、例えばヒートシールなどの任意の適切な方法によって、第1と第2の側縁110と112、および底縁114に沿って結合することができる。
【0009】
内部容積106への出し入れのために、第1と第2の側壁102と104の、底縁114と反対側の上縁120と122は結合されておらず、開口部124が画定されている。開口部124を閉じ封止するために、第1と第2の噛み合い式の締め付けストリップ126、128を、それぞれの対応する第1と第2の側壁102と104の内側面に取り付けることができる。第1と第2の締め付けストリップ126と128は、第1と第2の側縁110と112の間の全体に、上縁120と122に平行で且つそれらの下に離間されて延在している。他の実施形態では、袋100は、開口部124の開閉を容易にするために締め付けストリップ126と128にまたがる可動式スライダを有することができる。他の実施形態では、締め付けストリップの代わりに、開口部の上縁を封止するために、第1と第2の側壁に、感圧またはコールドシール接着剤(米国特許第6,149,304号に開示されており、引用によりこの特許全体は本明細書に組み込まれる)、ヒートシール、または粘着剤(cling)が配置されてもよい。
【0010】
開口部を封止し閉じた後で潜在している空気すなわち閉じ込められた空気を袋から排出するために、内部容積106と連通する逆止め弁要素130が設けられている。一実施形態では、逆止め弁要素130は、差圧が加えられた状態で開き、それにより内部容積106から空気が流出することができ、また差圧が除去または低減された後で閉じ、それにより環境空気が内部容積に入るのが防止されるように構成される。本発明によれば、逆止め弁要素は、流体やジュースを排出空気から分離する分離器を介して袋の残りの部分に接続される。
【0011】
図1と図2に示したように、分離器132は、一片の余材から薄肉ドーム134の形状に形成されており、薄肉ドーム134は、その底面に沿って第1の側壁102に接合されそこから外方に突出している。余材の薄肉ドーム134は、内部容積106と連通する閉じた小室136を取り囲み画定する。弁要素130は、ドーム134の頂上に封止接合され、それにより第1の側壁102に接続されそこから離間される。
【0012】
図2を参照すると、内部容積106から吸い出されるか押し出された空気は、小室136を通って弁要素130に達しそこから流出しなければならない。小室136内で、内部容積から排出空気と一緒に運ばれた流体とジュースは、重力による分離によって除去され内部容積106に戻される。より具体的には、小室136から吸い出されまたは押し出された空気の圧力、速度、およびほぼ垂直な方向が互いに作用して、流体とジュースを小滴に凝縮させ、この小滴は、排気中に、小室に残り、重力の作用によって内部容積106に戻ることができる。これは、流体の密度が空気よりも大きく、また生じた凝縮液が小室を通り抜けることができないために容易になる。更に、排出空気を側壁102と104の内側面全体に沿って接触させ、排出空気を分離器132を構成する余材の内側面に沿って弁要素130の方に導くことによって、流体とジュースの分離と凝縮が容易になる。従って、弁要素130を実際に通る排出空気には、液体か小滴の形で一緒に運ばれる流体とジュースが比較的少なく、それにより弁要素の汚れが防止される。小室136のサイズと形状を内部容積106、第1の側壁102および弁要素130の形状に対して最適化して、流体とジュースの分離を最大にすることができる。
【0013】
図2と図3を参照すると、貯蔵袋100の折り畳みと梱包を可能にするために、分離器132は、折り畳み状態と拡張状態の間で調整可能であることが好ましい。分離器132は、第1または第2の側壁102、104と同じかまたは類似の柔軟または曲げやすい材料で形成することができる。袋100がほぼ平らな面の上に置かれたとき、分離器132は、ドーム形からつぶれて、弁要素130のまわりにひと塊りになるか折り重なることができ、それにより図3に示したように、弁要素が第1の側壁102のほぼ平面内に入る。分離器132が折り畳み状態のとき、小室はほとんどなくなる。従って、第1と第2の側壁102、104はほぼ平行であり、押し合わせて内部容積106をなくし袋100を平坦化することができる。梱包と配送のために、複数の平坦化した袋を互いに積み重ねてコンパクトにできることを理解されよう。
【0014】
一実施形態では、再び図2を参照すると、分離器132を「飛び出させ」て分離器をその拡張状態にするために、第1の側壁102の弁要素130近くの両側に差圧を加える。この差圧は、袋100から空気を排出するために使用するのと同じ真空源で生成することができ、異なる真空源で生成することもできる。具体的には、ほぼ管状のノズル140が、弁要素130と分離器132のほぼまわりで第1の側壁102に当てられる。ノズルの第2の端が真空源と連通している間にノズル140の第1の端を第1の側壁102に押し付けることができる。真空源が作動すると、内部容積106とノズル140の差圧によって、分離器132は、薄肉ドーム134の形で第1の側壁102から拡張し突出する。拡張した分離器132は、弁要素130を第1の側壁102から持ち上げまたは離間する小室136を画定し、この小室136内で排出空気から流体とジュースが分離される。内部容積106を排気した後で、差圧が小さくなるかなくなったとき弁要素130が閉じ、ノズル140を外すことができる。ノズルを外した後で、分離器132を袋内の真空または外部からの手の圧力によって潰して、小室136内に残っている空気を内部容積に押し戻すことができる。他の応用例では、ノズルおよび取り付けた真空源を使用するのではなく、第1と第2の側壁を手で押し合わせ、それにより空気を分離器に送り込んで拡張させることによって、内部容積の排気を行うことができることを理解されよう。
【0015】
図2と図3を参照すると、分離器132用の余材は、第1の側壁102に使用されるものと同じシート材料から提供されることが好ましい。例えば、第1の側壁102の曲げやすい材料を打ち抜くか、熱成形するか、他の方法で配置または形成して、分離器132のドーム形134を提供することができる。従って、分離器132は、第1の側壁102と一体であり、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルなどの任意の適切な熱可塑性材料から同様に形成することができ、また単一層または複数層で形成することができる。
【0016】
図4を参照すると、分離器232がほぼ管状の形状を有し且つ第1の側壁202の材料と別に形成された貯蔵袋200の別の実施形態が示されている。具体的には、図示した実施形態では、分離器232は、フランジ付き基部252と封止キャップ254の間に延在する柔軟または曲げやすい薄肉材料からなる円筒形の管状スリーブ250として形成される。スリーブ250は、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルを含む任意の適切な材料から形成することができ、単一層または複数層で形成することができる。更に、材料の種類は、第1と第2の側壁202、204に使用された材料の種類と同じでもよく異なってもよい。管状スリーブ250は、前述のように排出空気から流体とジュースを分離することができる小室236を画定し密閉する。逆止め弁要素230は、小室236と連通するように封止キャップ254に封止接合される。
【0017】
管状の分離器232を袋200の残りの部分に動作可能に接合するために、第1の側壁202には内部容積206に通じる穴238が設けられる。次に、フランジ付き基部252は、穴238の位置が小室236と合い且つ逆止め弁要素230が第1の側壁から離間されるように第1の側壁202に対して配置される。例えば接着剤やヒートシールを含む任意の適切な方法を使って、フランジ付き基部252を第1の側壁202に接合することができる。次に、内部容積206からの排出空気は、穴238を通って小室236に入りそこで分離され、弁要素230を通って出る。
【0018】
図5と図6を参照すると、管形状の分離器232は、梱包と配送を単純化するために、拡張状態と折り畳み状態とに切り替わるように構成されることが好ましい。図6に示したように、折り畳み状態では、管状スリーブ250を構成する余材が、第1の側壁202とほぼ隣り合った弁要素230のまわりに積み重なる。分離器232が折り畳み状態のとき、小室236はほとんどなくなる。更に、第1の側壁202を第2の側壁204に対して平坦化して内部容積を実質的になくすことができる。
【0019】
図5を参照すると、分離器232を拡張し小室236を回復させるために、弁要素230の近くの第1の側壁202の両側に差圧が加えられる。この差圧は、真空生成装置に接続されたノズル240を弁要素230のまわりに当てることによって作り出すことができる。真空生成装置が作動すると、穴238から吸い込まれた排出空気によって分離器232が管状スリーブ250内で拡張し、それにより弁要素230が持ち上がり第1の側壁202から離間される。従って、空気が逆止め弁要素230を通って出る前に、排出空気と一緒に運ばれた流体とジュースを、前述のプロセスによって小室236内で分離することができる。
【0020】
図5と図6の実施形態に示したように、袋200は、内部容積206から空気を排出し易くする他の特徴を有することができる。例えば、第2の側壁204の内側面は、第1の側壁202の方に突出する複数の細長いリブ260を有することができる。リブ260は、袋200の内側面を部分的または完全に横切る任意の適切なパターンで延在することができる複数のチャネル262を画定する。当業者によって理解されるように、チャネル262を設けることにより、排気中に袋200内の様々な領域から弁要素230に空気を導くことができる。更に、チャネル262は、側壁を折り畳んだときにでも、側壁202、204を構成する柔軟な材料が、チャネルを詰まらせたり弁への空気の流れを別の形で妨げたりしないようにサイズが決められることが好ましい。当然ながら、更に、リブの代わりに内側面に形成された溝によってチャネル262を画定することができることを理解されたい。更に、チャネル262は、側壁の一方に画定されても両方に画定されてもよい。
【0021】
図7と図8に、分離器332がベロー334として成形され且つ第1の側壁302の材料と別に形成された貯蔵袋300の別の実施形態を示す。ベロー334は、開いたフランジ付き基部350とその反対側の封止キャップ352を有するほぼ円筒状の薄肉の管である。管状ベロー334は、小室336を画定し密閉し、その小室336内で排出空気から流体とジュースを分離することができる。逆止め弁要素330は、エンドキャップ352に封止接合されている。管状の側壁には、ベロー334が第1の側壁302に対して拡張し収縮することを可能にする複数の環状プリーツ354が形成されている。ベロー334は、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルを含む任意の適切な材料で形成することができ、単一層または複数層で形成することができる。
【0022】
ベローを袋300の残りの部分に動作可能に接続するために、フランジ付き基部350は、接着剤またはヒートシールによって、第1の側壁302に設けられた穴338のまわりに第1の側壁に隣接して取り付けられる。図8に示したように分離器332が折り畳み状態にあるとき、小室336は実質的になくなり、弁要素330は、第1の側壁302のほぼ隣りまで移動する。分離器332は、ベロー334を形成する環状プリーツ354を折り畳むことによって潰される。更に、第1と第2の側壁302、304を一緒に平坦化して内部容積306をなくすことができる。ベロー334を拡張することによって図7で達成されるように、分離器332が拡張状態にあるとき、小室336ができ、弁要素332が持ち上がりすなわち第1の側壁302から離間される。内部容積306からの空気は、穴338を通って小室336に入ることができ、そこで流体とジュースが前述のように分かれることができる。次に、空気は、逆止め弁要素330を通って小室336から出ることができる。分離器332を拡張して小室336を拡大するときは、真空源と連通するノズル340を分離器と弁要素330のまわりに当てることによって、第1の側壁302の両側に差圧を加えることができる。
【0023】
図9と図10を参照すると、分離器が第1の側壁と一体形成された貯蔵袋400の別の実施形態が示されている。図示した実施形態では、袋400は、内部容積406を画定するように、第1の側壁402と第2の側壁404を、シールされた第1の側縁410、これと平行でシールされた第2の側縁412、および第1と第2の側縁の間に延在する閉じた底縁414を接合することによって形成される。内部容積406に出し入れするために、第1と第2の側壁402と404の上縁420と422は接合されず、それにより開口部424が設けられる。
【0024】
図9、図10、図11および図12に示したように、分離器432を形成するために、第1と第2の逆のZ字形折り畳み部450、452が、第1の側壁402に形成され、第1と第2の側縁410、412の間に互いに平行に延在する。第1と第2のZ字形折り畳み部450、452は、平行で隣り合った第1と第2の曲げ部454、456を提供するように配置され、第1の側壁402の平面からZ字形折り畳み部によって少し離間される連続した材料ストリップ458によって相互接続されている。隣り合った曲げ部454、456は、材料ストリップ458の下に配置される。2つの平行な離間したシール460、462が、第1と第2の側縁410、412のほぼ中間のストリップ458内に形成されて、突出した方形の分離器432の輪郭が画定される。分離器432は、流体とジュースを排出空気から分離する拡張可能且つ折り畳み可能な小室436を取り囲み画定する。逆止め弁要素430は、分離器432に封止接合されて小室436と連通する。
【0025】
図11と図12を参照すると、内部容積の排気中に、空気は、分離器432に入るためにZ字形折り畳み部450、452の隣り合った曲げ部454、456の間を通らなければならないことを理解されよう。排出空気は、分離器432に入ると、ストリップ458を隣り合った曲げ部454、456より少し高くすることによって、小室436を拡大させる。流体とジュースは、拡張小室436内で前述のように排出空気から分離され、内部容積406に戻ることができ、同時に空気は逆止め弁要素430を通って外に出る。
【0026】
逆止め弁要素130、230、330、430は、任意の適切な設計を有することができる。例えば、図9に示した実施形態を参照すると、逆止め弁要素430は、弁要素を開閉するために弾性の最上層472と協力する可撓性の基板層470を有する。基板層470と最上層472は、例えば、熱可塑性フィルムなどの任意の適切な材料から形成することができる。基板層470の中心に開口474が配置され、それにより基板層が環状形になる。最上層472は、開口474の両側に沿って延在する平行な接着ストリップ476によって基板層470の上にぴんと延ばされて接着され、それにより開口が最上層で覆われ、接着ストリップ間にチャネルが形成される。次に、基板層470と最上層472は、小室436に通るように分離器432に開けられた穴の上に接着される。
【0027】
当業者によって理解されるように、弁要素430の両側に差圧が形成されるとき、最上層472は、基板層470から部分的に離され、それにより基板層470と最上層472の間にチャネルまたは空間ができる。内部小室436から流出する空気は、基板層470と最上層472の間のチャネルに入り、それにより環境に流出することができる。当然ながら、他の実施形態では、逆止め弁要素は異なる構造を有することができる。例えば、別の実施形態では、基板層470がなくされ弁要素の一部ではない。他の実施形態では、弁要素は、本体内に開けられた穴を開閉する移動式弁円板を備えた剛体でよい。
【0028】
本明細書で引用した出版物、特許出願および特許を含むすべての参考文献は、それぞれの参照文献が、参照により組み込まれるように個別且つ具体的に示され、全体が本明細書で説明されたのと同じように参照により本明細書に組み込まれる。
【0029】
本明細書で特に示すか文脈によって明らかに否定されない限り、単数と複数の両方をカバーするように解釈されるべきである。用語「含む」、「有する」、「もつ」等は、特に断らない限り、オープンエンドの用語(即ち、「含むが限定されない」の意味)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書で特に示さない限り、範囲内にあるそれぞれの別の値を個々に参照する簡略的な方法として役立つように意図されており、それぞれの別の値は、本明細書で個々に引用されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で述べたすべての方法は、本明細書に特に示さないかまたは文脈によって明らかに否定しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書に提供される任意およびすべての例、または例示的用語(例えば、「のような」)の使用は、単に本発明をよりよく解明するように意図されており、特に請求しない限り本発明の範囲を限定しない。本明細書内の言語は、本発明の実施に不可欠なものとしていかなる非請求要素も示すように解釈されるべきでない。
【0030】
本明細書において、本発明を実施するために発明者に知られている最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態が説明される。そのような好ましい実施形態の変形例は、以上の説明を読むことにより当業者に明らかになる。当業者でれば、そのような変形例を適切に使用することができ、本明細書に具体的に示された以外の方法で本発明を実施することができる。従って、本発明は、準拠法によって許可されるように添付された特許請求の範囲内で列挙された内容のすべての修正物と均等物を含む。更に、すべての可能な変形例における前述の要素の任意の組み合わせは、本明細書に特に示されず文脈によって明確に否定されない限り、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の教示従って設計された貯蔵袋の斜視図であり、この貯蔵袋は、逆止め弁要素と、流体とジュースを排気空気から分離する分離器とを有する。
【図2】図1の線2−2に沿って切断された弁要素と分離器の断面図であり、弁要素と分離器は、排気中にノズルによる作用を受け、分離器が拡張状態で示されている。
【図3】図1の線3−3に沿って切断された弁要素と分離器の断面図であり、分離器は、折り畳み状態で示されている。
【図4】逆止め弁要素と排出空気から流体とジュースを分離する分離器とを有する貯蔵袋の別の実施形態の分解組立図である。
【図5】図1の線5−5に沿って切断された弁要素と分離器の断面図であり、弁要素と分離器は、排気中にノズルの作用を受け、分離器が拡張状態で示されている。
【図6】図4の線6−6に沿って切断された弁要素と分離器の断面図であり、分離器は折り畳み状態で示されている。
【図7】排気中にノズルの作用を受けている弁要素と分離器で切断された貯蔵袋の別の実施形態の断面図であり、分離器は拡張状態で示されている。
【図8】弁要素と分離器で切断された図7に示した貯蔵袋の実施形態の断面図であり、分離器は折り畳み状態で示されている。
【図9】逆止め弁要素と、排出空気から流体とジュースを分離する分離器とを有する貯蔵袋の別の実施形態の斜視図であり、分離器は、逆のZ字形折り畳み部をバッグの側壁に形成することによって提供される。
【図10】図9の示した部分の詳細図であり、逆のZ字形折り畳み部の構成を示す。
【図11】分離器が折り畳み状態で示された図9の線11−11に沿って切断された弁要素と分離器の断面図である。
【図12】分離器が拡張状態で示された図9の線12−12に沿って切断された弁要素と分離器の断面図である。
【符号の説明】
【0032】
100 貯蔵袋
102 第1の側壁
104 第2の側壁
106 内部容積
110 第1の側縁
112 第2の側縁
114 底縁
124 開口部
126、128 締め付けストリップ
130 逆止め弁要素
132 分離器
136 小室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵袋であって、
内部容積を提供する柔軟な側壁と、
内部容積と連通する逆止め弁要素と、
側壁に逆止め弁要素を封止接続する分離器とを含む貯蔵袋。
【請求項2】
分離器は、折り畳み状態と拡張状態の間で調整可能であり、分離器は拡張状態で弁要素を側壁から離す、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項3】
分離器は拡張状態で、内部容積と弁要素の間で連通する小室を画定する、請求項2に記載の貯蔵袋。
【請求項4】
分離器は、側壁に接合された基部と弁要素に接合された頂上とを有する薄肉ドームとして形成される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項5】
分離器は、側壁に接合された第1の端と弁要素に接合された第2の端とを有するほぼ管状のスリーブとして形成される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項6】
分離器は、側壁に接合された第1の端と弁要素に接合された第2の端とを有する拡張収縮するベローとして形成される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項7】
分離器は、柔軟性材料で構成される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項8】
分離器は、側壁材料から一体形成される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項9】
分離器は、別に側壁に形成され取り付けられる、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項10】
分離器は、ヒートシールによって側壁に取り付けられる、請求項9に記載の貯蔵袋。
【請求項11】
分離器は、接着剤によって側壁に取り付けられる、請求項9に記載の貯蔵袋。
【請求項12】
内部容積に通じる開口部が側壁に形成される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項13】
開口部の近くの側壁の内側面に取り付けられた第1と第2の噛み合い式の封止ストリップを更に有する、請求項12に記載の貯蔵袋。
【請求項14】
第1と第2の側壁は、ガス不浸透性材料を含む、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項15】
側壁は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリアミド、およびエチレンビニルアルコールから成るグループから選択された材料で構成された、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項16】
少なくとも1つの側壁は、弁要素への空気の通過を可能にする複数のチャネルを有する、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項17】
側壁内に第1と第2のZ字形折り畳み部が形成され、第1と第2のZ字形折り畳み部が、側壁から離間された材料ストリップによって相互接続される、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項18】
第1のシールと第2のシールは、第1と第2のZ字形折り畳み部を横切り且つストリップを横切って配置され、分離器は、第1と第2のZ字形折り畳み部と第1と第2のシールの間のストリップの一部分によって提供される、請求項17に記載の貯蔵袋。
【請求項19】
第1と第2の逆のZ字形折り畳み部は、第1の側壁とストリップの間に隣り合った第1と第2の曲げ部を形成する、請求項18に記載の貯蔵袋。
【請求項20】
内部容積を提供するために側壁に接合された第2の側壁を更に有し、側壁は、第1の側縁、これと平行な第2の側縁、閉じた底縁に沿って接合され、側壁の上縁が、内部容積に通じる開口部を形成するために接合されていない、請求項1に記載の貯蔵袋。
【請求項21】
貯蔵袋を排気する方法であって、
内部容積、内部容積に通じる開口部、内部容積と連通する逆止め弁要素、および弁要素を内部容積に封止接続する分離器とを含む袋を提供する工程と、
開口部を閉じる工程と、
内部容積から分離器に空気を送る工程と、
分離器内で空気から流体を分離する工程と、
分離器から弁要素まで空気を排出する工程とを含む方法。
【請求項22】
分離器に空気を送ることで分離器によって画定された小室を拡張する工程を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
空気から流体を分離する工程が、重力分離によって行われる、請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2008−528388(P2008−528388A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552134(P2007−552134)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/045790
【国際公開番号】WO2006/078387
【国際公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(501090940)ザ・グラッド・プロダクツ・カンパニー (28)
【氏名又は名称原語表記】THE GLAD PRODUCTS COMPANY
【住所又は居所原語表記】1221 Broadway, Oakland, California, United States of America
【Fターム(参考)】