説明

流体動圧軸受装置

【課題】焼結金属製の軸受スリーブを有する軸固定型の流体動圧軸受装置において、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力低下を抑制すると共に、油量を減じてシール空間の容積を縮小する。
【解決手段】軸受スリーブ8のうち、ラジアル軸受面の軸方向領域(第1領域H1及び第2領域H2)における気孔率を小さくする(11%以下にする)と共に、ラジアル軸受面以外の軸方向間領域(第3領域H3)における気孔率をそれよりも大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体動圧軸受装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体動圧軸受装置は、その高回転精度および静粛性から、情報機器(例えばHDD)の磁気ディスク駆動装置や、CD、DVD、ブルーレイディスク等の光ディスク駆動装置、あるいはMD、MO等の光磁気ディスク駆動装置等のスピンドルモータ用として好適に使用されている。
【0003】
例えばHDDのディスク駆動装置は、HDDの大容量化に伴って、搭載されるディスクの枚数が増加する傾向にある。ディスクの搭載枚数が増えると重量が増大するため、ディスクを回転させたときの振れが大きくなり、ディスクの読み取り精度が低下する恐れがある。このため、HDDに組み込まれる流体動圧軸受装置は、より一層の高負荷容量が求められている。
【0004】
流体動圧軸受装置としては、軸受スリーブの内周に挿入した軸部材を回転させる軸回転タイプが一般的である。しかし、軸回転タイプの流体動圧軸受装置の場合、軸部材の端部に、ディスクを搭載したディスクハブが固定され、軸部材の中間部をラジアル軸受部(ラジアル軸受隙間の油膜)で片持ち支持するような状態になる。このため、ディスクハブに搭載されるディスクの枚数が増えて重量が増大すると、ディスクの振れが大きくなる恐れがある。
【0005】
これに対し、例えば特許文献1には、軸部材を固定側とし、軸受スリーブを回転側とした軸固定タイプの流体動圧軸受装置が示されている。この場合、回転側の部材(軸受スリーブ及びハウジング)とディスクハブとの固定部を、ラジアル軸受部の軸方向領域内に設けることができるため、ディスクの搭載枚数が増えた場合でもディスクハブを安定的に支持することができ、ディスクの振れが抑られる。
【0006】
また、特許文献1に記載の流体動圧軸受装置では、軸受スリーブを焼結金属で形成している。これにより、焼結金属の内部気孔に含浸された潤滑油が軸受スリーブの表面開孔からラジアル軸受隙間及びスラスト軸受隙間に滲み出し、各軸受隙間における潤滑性が高められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−74951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、回転側となる軸受スリーブを焼結金属製とすることで、以下のような不具合が生じる。
【0009】
(1)ラジアル軸受隙間の油が、焼結金属製の軸受スリーブの表面開孔から内部に抜けることにより、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力が低下する、いわゆる「動圧抜け」が生じる。特に、軸固定タイプの場合、焼結金属製の軸受スリーブが回転することで、焼結金属の内部に含浸された潤滑油が遠心力により外径側に移動するため、ラジアル軸受隙間の油が軸受スリーブの内部に抜けやすくなる。これを防止するために、軸受スリーブの表面に回転サイジングやコーティング等による封孔処理を施すと、工数増によるコスト高を招く。
【0010】
(2)焼結金属の内部気孔に油が含浸されることで油量が増え、温度変化に伴う油の体積変化量が大きくなる。このため、油の体積変化を吸収するシール空間を増大させる必要が生じ、流体動圧軸受装置の大型化を招く。特に、ハウジングの軸方向両端を開口し、両端部にそれぞれシール空間を形成した場合、シール空間に保持された油面が重力の影響を受けて変動する。このため、シール空間の幅を狭めて毛細管力を高めることでシール性を向上させる必要がある。しかし、シール空間の幅を狭めることでシール空間の容積が小さくなるため、シール空間の軸方向寸法をさらに拡大する必要があり、流体動圧軸受装置のさらなる大型化を招く。これを回避するために、シール空間を増大させた分だけラジアル軸受部の軸受スパンを短縮すると、ラジアル軸受部の軸受剛性が低下する。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、焼結金属製の軸受スリーブを有する軸固定型の流体動圧軸受装置において、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力低下を抑制すると共に、油量を減じてシール空間の容積を縮小することを解決すべき課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するためになされた本発明は、固定側となる軸部材と、内周に軸部材が挿入され、回転側となる焼結金属製の軸受スリーブと、内周面に軸受スリーブの外周面が固定され、軸方向両端を開口した筒状のハウジングと、軸部材の外周面から外径に突出して設けられ、軸受スリーブの軸方向両側に配された第1シール部及び第2シール部と、軸部材の外周面に設けられたラジアル軸受面と軸受スリーブの内周面に設けられたラジアル軸受面との間のラジアル軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で、軸受スリーブをラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、軸受スリーブの一方の端面に設けられたスラスト軸受面と第1シール部の端面に設けられたスラスト軸受面との間のスラスト軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で、軸受スリーブをスラスト方向一方に支持する第1スラスト軸受部と、軸受スリーブの他方の端面に設けられたスラスト軸受面と第2シール部の端面に設けられたスラスト軸受面との間のスラスト軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で、軸受スリーブをスラスト方向他方に支持する第2スラスト軸受部と、第1シール部の外周面とハウジングの内周面との間に形成された第1シール空間と、第2シール部の外周面とハウジングの内周面との間に形成された第2シール空間とを備え、第1シール空間と第2シール空間との間に潤滑油が満たされ、第1シール空間及び第2シール空間に油面が保持された軸固定型の流体動圧軸受装置であって、軸受スリーブのうち、ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を、ラジアル軸受面以外の軸方向領域における気孔率よりも小さくしたことを特徴とする。
【0013】
焼結金属製の軸受スリーブのうち、ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を小さくすることで、ラジアル軸受面の表面開孔率が小さくなり、且つ、軸受スリーブの内部における油の流動性を抑えることができる。このため、ラジアル軸受隙間の油が軸受スリーブの内部に抜けにくくなり、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力の低下を抑えることができる。この場合、ラジアル軸受面の封孔処理を軽減あるいは省略することができるため、加工コストの低減が図られる。また、軸受スリーブの気孔率を小さくすることで、軸受スリーブの内部に含浸される油量を減じられる。これにより、油の体積変化が小さくなるため、シール空間の容積、ひいてはシール部の軸方向寸法を縮小することができ、流体動圧軸受装置の小型化、あるいは、軸受スパンの拡大を図ることができる。
【0014】
このとき、軸受スリーブ全体の気孔率を小さくすると、軸受スリーブの内部全域において油の流動性が低下するため、軸受スリーブの内部と外部との間を行き来する油の循環が妨げられ、油の早期の劣化を招く恐れがある。そこで、軸受スリーブに気孔率の大きい領域を設ければ、この領域における油の流動性が高められて、油の早期の劣化を防止することができる。特に、上記のように軸受スリーブに遠心力が加わることで、気孔率の大きい領域の内部に含浸された油が外径側に移動することで、この領域の内周面から軸受スリーブの内部に油が引き込まれやすくなるため、油の循環が促される。
【0015】
従って、軸受スリーブのうち、ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を小さくすると共に、ラジアル軸受面以外の軸方向領域における気孔率を相対的に大きくすれば、上記のような効果を奏することができる。すなわち、ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を、ラジアル軸受面以外の軸方向領域における気孔率よりも小さくすればよい。
【0016】
本発明者らの鋭意検討により、焼結金属製の軸受スリーブのうち、少なくともラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を11%以下とすれば、中実の金属からなる軸受スリーブと同程度の油膜の圧力が得られることが明らかとなった。尚、「気孔率」は下記の式で表される。ここで、焼結密度とは、焼結体の内部気孔を含めた見かけ体積の単位量あたりの重さである。また、真密度とは、焼結体の組成における気孔が無い場合の密度、すなわち、焼結体の内部気孔を含まない実体積の単位量あたりの重さであり、焼結体の組成及び各元素の密度から求められる。
気孔率=[(真密度−焼結密度)/真密度]×100
(焼結密度=重量/見かけ体積、真密度=重量/実体積)
【0017】
例えば、軸受スリーブが、銅を60%以上含む焼結金属からなる場合、ラジアル軸受面の軸方向領域における密度を7.4g/cm3以上とすれば、この領域の気孔率を11%以下にすることができる。また、軸受スリーブが、鉄を60%以上含む焼結金属からなる場合、ラジアル軸受面の軸方向領域における密度を7.1g/cm3以上とすれば、この領域の気孔率を11%以下にすることができる。
【0018】
上記の流体動圧軸受装置では、第1及び第2スラスト軸受部のスラスト軸受隙間を介して対向するスラスト軸受面の一方に、スラスト軸受隙間の油膜に動圧作用を発生させるスラスト動圧発生部を形成することができる。また、上記の流体動圧軸受装置では、ラジアル軸受隙間を介して対向するラジアル軸受面の一方に、ラジアル軸受隙間の油膜に動圧作用を発生させるラジアル動圧発生部を形成することができる。
【0019】
上記の流体動圧軸受装置において、軸受スリーブを回転させると、第1及び第2スラスト軸受部のスラスト軸受隙間の油が外径側に流動する。このため、スラスト軸受隙間の内径端と連通するラジアル軸受隙間の油がスラスト軸受隙間に流動し、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力がさらに低下する恐れがある。そこで、スラスト動圧発生部を、スラスト軸受隙間の潤滑油を内径側に流動させるポンプインタイプとすれば、第1及び第2スラスト軸受部のスラスト軸受隙間の油が内径側に流動し、この油がラジアル軸受隙間に流入するため、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力を維持することができる。
【0020】
ところで、軸部材の外周面と軸受スリーブとの間の空間(ラジアル軸受隙間を含む空間)における負圧の発生を防止するために、ラジアル動圧発生部として、一方の傾斜溝を延ばして軸方向非対称としたヘリングボーン形状の動圧溝を設ける場合がある。この場合、一方の傾斜溝を延ばした分だけ、軸受スパンの縮小を招く恐れがある。そこで、上記のようにスラスト動圧発生部をポンプインタイプとすれば、スラスト軸受隙間から、軸部材の外周面と軸受スリーブとの間の空間に油が送り込まれるため、この空間における負圧の発生が防止できる。これにより、ラジアル動圧発生部としてのヘリングボーン形状の動圧溝を軸方向対称な形状とすることができるため、軸受スパンの縮小を回避することができる。
【0021】
スラスト動圧発生部は、例えば軸受スリーブの両端面にプレス加工により形成することができる。あるいは、スラスト動圧発生部を、第1シール部及び第2シール部の端面にプレス加工により形成することもできる。
【0022】
ラジアル動圧発生部は、例えば軸受スリーブの内周面にプレス加工により形成することができる。あるいは、ラジアル動圧発生部を、軸部材の外周面に転造加工により形成することもできる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明に係る軸固定型の流体動圧軸受装置によれば、焼結金属製の軸受スリーブのうち、ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を小さくすることで、ラジアル軸受隙間の油膜の圧力低下を抑制してラジアル方向の支持力の低下を防止できると共に、油量を減じてシール空間の容積を縮小し、流体動圧軸受装置の小型化、あるいは、軸受スパンの拡大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る流体動圧軸受装置が組み込まれたHDDのディスク駆動装置のスピンドルモータの断面図である。
【図2】上記流体動圧軸受装置の断面図である。
【図3】上記流体動圧軸受装置の第1シール部の下面図である。
【図4】上記流体動圧軸受装置の第2シール部の上面図である。
【図5】他の実施形態に係る流体動圧軸受装置の軸部材の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る流体動圧軸受装置1を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの断面図を示す。このスピンドルモータは、例えばHDDのディスク駆動装置に用いられるもので、固定側(ベース6a)に設けられたステータコイル4と、回転側(ディスクハブ3)に設けられたロータマグネット5とを備える。流体動圧軸受装置1は、軸部材2を固定側とし、ハウジング7及び軸受スリーブ8を回転側とした、いわゆる軸固定タイプである。本実施形態では、軸部材2の軸方向両端部が固定され、図示例では軸部材2の下端部がベース6aに、上端部がカバー6bにそれぞれ固定される。ハウジング7の外周面にはディスクハブ3が固定される。ディスクハブ3には所定枚数(図示例では2枚)のディスクDが搭載される。ディスクハブ3とハウジング7との固定部は、ラジアル軸受部R1、R2の外径側に設けられる。具体的には、ディスクハブ3とハウジング7との固定部の軸方向領域が、ラジアル軸受部R1、R2の軸方向領域の少なくとも一部と径方向で重なり、図示例ではラジアル軸受部R1、R2の軸方向全域と径方向で重なっている。このように構成されたスピンドルモータにおいて、ステータコイル4に通電するとロータマグネット5が回転し、これに伴ってディスクハブ3、ディスクD、ハウジング7、及び軸受スリーブ8が一体に回転する。
【0027】
流体動圧軸受装置1は、図2に示すように、固定側となる軸部材2と、内周に軸部材2が挿入され、回転側となる軸受スリーブ8と、内周面7aに軸受スリーブ8が固定され、軸方向両端を開口した筒状のハウジング7と、軸部材2の外周面2aから外径側に突出して設けられ、軸受スリーブの軸方向両側に配された第1シール部10及び第2シール部11とを備える。尚、以下では、説明の便宜上、軸方向において、ハウジング7から軸部材2が大きく突出している側を下側、その反対側を上側とする。
【0028】
軸部材2は、例えばステンレス鋼で略円柱状に形成される。例えば2.5インチHDDのディスク駆動装置のスピンドルモータに適用される場合は、軸部材2の直径が2〜4mmの範囲とされる。軸部材2の下端部には、ハウジング7の下側開口部から下方に突出し、他の領域よりも若干小径な圧入部2bが一体に設けられ、この圧入部2bがベース6aの固定穴6a1に圧入固定される。軸部材2の上端部には軸方向のねじ穴2cが形成され、このねじ穴2cに、カバー6bに設けられた固定穴6b1を介してボルト等(図示省略)を固定することにより、軸部材2の上端部がカバー6bに固定される。
【0029】
軸部材2の外周面2aには、ラジアル軸受面が形成され、図示例では軸方向に離隔した2箇所にラジアル軸受面2a1、2a2が形成される。ラジアル軸受面2a1、2a2には、それぞれラジアル動圧発生部が形成される。本実施形態では、ラジアル動圧発生部としてヘリングボーン形状の動圧溝G1、G2が形成される。図示例では、動圧溝G1、G2がそれぞれ軸方向対称な形状を成している。動圧溝G1、G2の溝深さは、例えば2.5〜5μmの範囲に設定される。動圧溝G1、G2は、例えば転造加工により形成される。具体的には、成形型を押し付けることにより、軸部材2の外周面2aの一部を凹ませて動圧溝G1、G2が形成され、各動圧溝G1、G2の円周方向間領域が丘部G1’G2’となる。
【0030】
軸部材2の外周面2aのうち、ラジアル軸受面2a1、2a2の軸端側には、円筒面2a3、2a4が形成される。円筒面2a3、2a4は、丘部G1’、G2’と同一円筒面上に連続して設けられる。円筒面2a3、2a4は、第1シール部10及び第2シール部11が固定される固定面として機能する。軸部材2の外周面2aのラジアル軸受面2a1、2a2の軸方向間には、ラジアル軸受面2a1、2a2(動圧溝G1、G2)よりも若干小径に形成された逃げ部2a5が形成される。逃げ部2a5の上下両端部は、傾斜面を介してラジアル軸受面2a1、2a2と連続している。
【0031】
軸受スリーブ8は焼結金属で略円筒状に形成され、例えば、銅を主成分とする銅系の焼結金属や、鉄を主成分とする銅鉄系の焼結金属、あるいは、銅及び鉄を主成分とする銅鉄系の焼結金属で形成され、本実施形態では銅鉄系の焼結金属で形成される。軸受スリーブ8の内周面8aには、軸部材2のラジアル軸受面2a1、2a2とラジアル軸受隙間を介して対向するラジアル軸受面が設けられる。図示例では、軸受スリーブ8の内周面8aが凹凸の無い平滑な円筒面とされ、この円筒面状の内周面8aがラジアル軸受面として機能する。軸受スリーブの上側端面8b及び下側端面8cには、第1シール部10及び第2シール部11のスラスト軸受面とスラスト軸受隙間を介して対向するスラスト軸受面が設けられる。図示例では、軸受スリーブの上側端面8b及び下側端面8cが凹凸の無い平坦面とされ、この上側端面8b及び下側端面8cがスラスト軸受面として機能する。
【0032】
軸受スリーブ8のうち、ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率は11%以下に設定される。具体的には、軸受スリーブ8のうち、上側のラジアル軸受面の下端よりも上方の軸方向領域(第1領域H1)、及び、下側のラジアル軸受面の上端よりも下方の軸方向領域(第2領域H2)における気孔率がそれぞれ11%以下に設定される。例えば、軸受スリーブ8が、銅を60%以上含む銅鉄系の焼結金属からなる場合、第1領域H1及び第2領域H2における密度が7.4g/cm3以上に設定される。また、軸受スリーブが、鉄を60%以上含む銅鉄系の焼結金属からなる場合、第1領域H1及び第2領域H2における密度が7.1g/cm3以上に設定される。尚、第1領域H1及び第2領域H2における気孔率は、なるべく小さい方が好ましいが、焼結金属を成形する成形金型の強度等を考慮すると9%程度が下限値となる。
【0033】
軸受スリーブ8のうち、第1領域H1と第2領域H2との軸方向間領域(第3領域H3)における気孔率は、第1領域H1及び第2領域H2における気孔率よりも大きく設定され、例えば11%より大きく設定される。尚、第3領域H3における気孔率は、なるべく大きい方が好ましいが、焼結金属の成形性等を考慮すると15%程度が上限値となる。
【0034】
軸受スリーブ8の外周面8dとハウジング7の内周面7aとの間には、後述する第1シール空間S1と第2シール空間S2とを連通する連通路12が設けられる。本実施形態では、軸受スリーブ8の外周面8dに軸方向に延びる所定本数の軸方向溝8d1が形成され、例えば3本の軸方向溝8d1が円周方向等間隔位置に形成される。流体動圧軸受装置1を組み立てた状態では、図2に示すように、軸受スリーブ8の軸方向溝8d1とハウジング7の内周面7aとで連通路12が形成され、この連通路12により、ハウジング7の両端開口部に形成された両シール空間S1、S2が連通される。尚、本実施形態では、ラジアル動圧発生部が軸方向対称形状に形成されているが、動圧溝G1、G2を完全に軸方向対称形状に形成することはできず、加工誤差により若干アンバランスに形成される。このため、ラジアル軸受隙間の油が軸方向一方(上方あるいは下方)に押し込まれ、油が押し込まれる側の一方のシール空間から油が漏れ出す恐れがある。従って、上記のように両シール空間S1、S2を連通する連通路12を設けることで、一方のシール空間に油が偏在する事態を回避し、油漏れを防止できる。
【0035】
軸受スリーブ8は、フォーミング工程、焼結工程、及びサイジング工程を経て製造される。まず、フォーミング工程において、銅系金属粉末及び鉄系金属粉末を含む混合金属粉末を圧縮成形して略円筒状の圧粉体が形成される。具体的には、フォーミング金型(図示省略)のキャビティに充填された混合金属粉末を、上パンチ及び下パンチで上下両側から加圧することにより、圧粉体を成形する。次に、焼結工程において、圧粉体を所定の焼結温度で焼結することで、金属粉末同士が結合して焼結体が形成される。そして、サイジング工程では、焼結体をさらに圧縮成形することで寸法精度を高める。具体的には、サイジング金型(図示省略)の内部に配置した焼結体を上パンチ及び下パンチで上下両側から加圧することにより、圧粉体を所定寸法に整形する。以上により、軸受スリーブ8が完成する。尚、本実施形態では、サイジング工程後に回転サイジング等の封孔処理は施されない。すなわち、軸受スリーブ8の表面は、サイジング工程で成形されたままの状態となっている。
【0036】
上記のフォーミング工程では、圧粉体の上下端面は上下パンチで直接加圧されるため、その付近の密度は他の領域よりも高くなる。また、上記のサイジング工程では、焼結体の上下端面は上下パンチで直接加圧されるため、その付近の密度は他の領域よりも高くなる。従って、軸受スリーブ8の上下端面付近の密度が他の領域の密度よりも相対的に高くなり、第1領域H1及び第2領域H2の気孔率が第3領域H3の気孔率よりも小さくなる。また、軸受スリーブ8の第1領域H1及び第2領域H2における気孔率を小さくするために、具体的には気孔率を11%以下に設定するために、フォーミング工程及びサイジング工程の一方又は双方における圧縮率を通常より高めに設定する必要がある。この場合、フォーミング金型と圧粉体、あるいはサイジング金型と焼結体との食いつきが強くなり離型が困難となる恐れがあるが、上記のように軸受スリーブ8の内周面8aを凹凸の無い円筒面状とすることで、成形品を金型から容易に取り出すことができる。
【0037】
ハウジング7は、金属材料や樹脂材料で筒状に形成され、本実施形態では、真ちゅうにより軸方向両端を開口した円筒状に形成される(図2参照)。ハウジング7の内周面7aには、軸受スリーブ8の外周面8dが、例えば隙間接着により固定される。ハウジング7と軸受スリーブ8との固定方法はこれに限らず、例えば圧入、接着剤介在下での圧入、あるいは溶着(超音波溶着やレーザ溶着を含む)などの手段も採用可能である。
【0038】
第1シール部10及び第2シール部11は、金属材料あるいは樹脂材料で環状に形成され、例えば金属板のプレス加工により形成される。第1シール部10及び第2シール部11は、軸部材2の外周面2aの円筒面2a3、2a4に圧入、接着、溶着、溶接、加締めなど任意の手段で固定される。第1シール部10の外周面10a及び第2シール部11の外周面11aは、軸方向中心側に向けて徐々に拡径したテーパ面状をなす。第1シール部10の外周面10a及び第2シール部11の外周面11aと、ハウジング7の円筒面状内周面7aとの間には、軸方向中心側に向けて径方向幅を徐々に小さくした楔形の第1シール空間S1及び第2シール空間S2が形成される。
【0039】
第1シール部10の下側端面10b及び第2シール部11の上側端面11bは、それぞれスラスト軸受面として機能する。各スラスト軸受面にはスラスト動圧発生部が形成される。本実施形態では、スラスト軸受隙間の油を内径側に流動させるポンプインタイプのスラスト動圧発生部が形成され、図示例ではポンプインタイプのスパイラル形状の動圧溝G3、G4が形成される(図3及び図4参照)。動圧溝G3、G4の円周方向間には、スパイラル形状の丘部G3’、G4’が形成される。図示例では、丘部G3’、G4’の内径端が、環状の平坦部で連結されている。スラスト動圧発生部は、例えばプレス加工により形成され、本実施形態では第1シール部10及び第2シール部11のプレス加工と同時にスラスト動圧発生部が成形される。
【0040】
上記の構成部品からなる流体動圧軸受装置1は、以下のようにして組み立てられる。まず、軸受スリーブ8の内周に軸部材2を挿入すると共に、軸部材2の軸方向両端から第1シール部10及び第2シール部11を嵌合させる。そして、第1シール部10の端面10bと軸受スリーブ8の上側端面8bとの間のスラスト軸受隙間、及び、第2シール部11の端面11bと軸受スリーブ8の下側端面8cとの間のスラスト軸受隙間を所定量に設定した状態で、第1シール部10及び第2シール部11を軸部材2に固定する。このとき、軸受スリーブ8及びシール部10、11の外周がハウジング7で覆われていないため、外周からスラスト軸受隙間の大きさを確認することができ、スラスト軸受隙間の設定を簡単かつ正確に行うことができる。そして、軸部材2、軸受スリーブ8、第1シール部10、及び第2シール部11からなるサブアッシを、ハウジング7の内周に挿入し、ハウジング7の内周面7aと軸受スリーブ8の外周面8dとを固定する。
【0041】
そして、固定側の部材(軸部材2、第1シール部10、及び第2シール部11)と回転側の部材(軸受スリーブ8及びハウジング7)との間の空間に潤滑油を注入することにより、流体動圧軸受装置1が完成する。具体的には、第1シール空間S1と第2シール空間S2との間の空間に、軸受スリーブ8の内部気孔を含めて潤滑油が途切れなく満たされ、油面は常に第1シール空間S1及び第2シール空間S2の内部に保持される。
【0042】
このとき、軸受スリーブ8の一部(本実施形態では、第1領域H1及び第2領域H2)における気孔率を小さくすることで、軸受スリーブ8の内部気孔に含浸される油量を減じることができる。これにより、流体動圧軸受装置1に注入された油の体積変化が抑えられるため、第1シール空間S1及び第2シール空間S2の容積を縮小することができる。従って、第1シール部10及び第2シール部11の大きさ(特に軸方向寸法)を縮小することができるため、流体動圧軸受装置1の小型化を図ることができ、あるいは、軸受スリーブ8を軸方向に延ばして軸受スパンを拡大し、軸受剛性の向上を図ることができる。
【0043】
以上の構成からなる流体動圧軸受装置1において、ディスクハブ3、ハウジング7、及び軸受スリーブ8が一体に回転すると、軸受スリーブ8の内周面8a(ラジアル軸受面)と軸部材2の外周面2aのラジアル軸受面2a1、2a2との間にラジアル軸受隙間が形成される。そして、動圧溝G1、G2によってラジアル軸受隙間の油膜の圧力が高められ、この動圧作用により軸受スリーブ8を含む回転側の部材をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部R1、R2が軸方向に離隔した2箇所に形成される。
【0044】
これと同時に、軸受スリーブ8の上側端面8b(スラスト軸受面)と第1シール部10の下側端面10b(スラスト軸受面)との間、及び、軸受スリーブ8の下側端面8c(スラスト軸受面)と第2シール部11の上側端面11b(スラスト軸受面)との間に、それぞれスラスト軸受隙間が形成される。そして、動圧溝G3、G4によって両スラスト軸受隙間の油膜の圧力が高められ、この動圧作用により軸受スリーブ8を含む回転側の部材を両スラスト方向に非接触支持するスラスト軸受部T1、T2が形成される。
【0045】
このとき、上記のように軸受スリーブ8の第1領域H1及び第2領域H2の気孔率が小さいことで、この第1領域H1及び第2領域H2に形成されるラジアル軸受面及びスラスト軸受面における表面開孔率が小さくなっているため、これらの軸受面から軸受スリーブ8の内部への油の浸入を抑えることができる。また、軸受スリーブ8が回転することで、軸受スリーブ8の内部に含浸された油に遠心力が加わるが、第1領域H1及び第2領域H2の気孔率が小さいことでこれらの領域に含浸された油の外径側への流動を抑制できる。以上により、ラジアル軸受隙間及びスラスト軸受隙間の油が軸受スリーブ8の内部に抜けにくくなり、各軸受隙間に生じる油膜の圧力の低下を防止することができる。
【0046】
また、スラスト動圧発生部がポンプインタイプであることで、スラスト軸受隙間の油が内径側に押し込まれ、軸部材2の外周面2aと軸受スリーブ8の内周面8aとの間の空間(ラジアル軸受隙間を含む空間)に軸方向両側から油が流入する。これにより、第1ラジアル軸受部R1と第2ラジアル軸受部R2の軸方向間領域(逃げ部2a5が面する空間)に油が供給され、この領域における負圧の発生を防止できる。従って、ラジアル動圧発生部を軸方向非対称形状とする必要はなく、図2に示すように軸方向対称な形状とすることができ、軸受スパンの縮小を回避することができる。
【0047】
本発明は上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記実施形態と同一の構成及び機能を有する箇所には同一の符号を付して重複説明を省略する。
【0048】
例えば、上記の実施形態では、ラジアル動圧発生部として、図2に示すようなヘリングボーン形状の動圧溝G1、G2が示されているが、これに限られない。例えば、図5に示すように、動圧溝G1、G2の軸方向中央部に環状の平滑部G5を設けてもよい。この平滑部G5は、丘部G1’、G2’と同一円筒面上で連続している。
【0049】
また、ラジアル動圧発生部は、ヘリングボーン形状の動圧溝に限らず、スパイラル形状の動圧溝や、円周方向でステップ形状や波形形状をなした軸方向溝で構成することができる。あるいは、複数の円弧を組み合わせた多円弧面で、ラジアル動圧発生部を構成することもできる。
【0050】
また、上記の実施形態では、ラジアル動圧発生部が軸部材2のラジアル軸受面2a1、2a2に形成されているが、これに限らず、ラジアル動圧発生部を軸受スリーブ8の内周面8aに設けられたラジアル軸受面に形成してもよい。この場合、ラジアル動圧発生部は、例えばプレス加工により形成することができ、特に、軸受スリーブ8のサイジング工程と同時にプレス成形することができる。あるいは、軸受スリーブ8の内周面8aのラジアル軸受面、及び、軸部材2の外周面2aのラジアル軸受面2a1、2a2の双方を円筒面状とした、いわゆる真円軸受を構成してもよい。この場合、動圧作用を積極的に発生させる動圧発生部は形成されないが、軸受スリーブ8の僅かな振れ回りにより動圧作用が発生する。
【0051】
また、上記の実施形態では、スラスト動圧発生部が第1シール部10の端面10b及び第2シール部11の端面11bに形成されているが、これに限らず、スラスト動圧発生部を軸受スリーブ8の上下端面8b、8cに設けられたスラスト軸受面に形成してもよい。この場合、スラスト動圧発生部は、例えばプレス加工により形成することができ、特に、軸受スリーブ8のサイジング工程と同時にプレス成形することができる。
【0052】
また、上記の実施形態では、スラスト動圧発生部として、図3及び図4に示すようなポンプインタイプのスパイラル形状の動圧溝G3、G4が示されているが、これに限られない。例えば、図示は省略するが、ヘリングボーン形状の動圧溝や、円周方向でステップ形状や波形形状をなした半径方向溝でスラスト動圧発生部を構成することもできる。
【0053】
また、上記の実施形態では、第1シール部10及び第2シール部11を何れも軸部材2と別体に形成した場合を示したが、これに限らず、例えば一方のシール部を軸部材2と一体形成してもよい。
【0054】
また、上記の実施形態では、軸受スリーブ8に封孔処理を施さない場合を示したが、これに限らず、サイジング工程の後に回転サイジング等の封孔処理を施してもよい。この場合でも、軸受スリーブ8の気孔率を小さくしていることで表面開孔率が小さくなっているため、封孔処理の負担を軽減して加工コストの低減を図ることができる。
【0055】
また、上記の実施形態では、本発明に係る流体動圧軸受装置をHDDのディスク駆動装置のスピンドルモータに組み込んだ例を示しているが、これに限らず、他のディスク駆動装置のスピンドルモータや、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、あるいはプロジェクタのカラーホイールモータ等に適用することもできる。
【符号の説明】
【0056】
1 流体動圧軸受装置
2 軸部材
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
10 第1シール部
11 第2シール部
12 連通路
D ディスク
G1、G2 動圧溝(ラジアル動圧発生部)
G3、G4 動圧溝(スラスト動圧発生部)
H1 第1領域(ラジアル軸受面の軸方向領域)
H2 第2領域(ラジアル軸受面の軸方向領域)
H3 第3領域(ラジアル軸受面以外の軸方向領域)
R1 第1ラジアル軸受部
R2 第2ラジアル軸受部
T1 第1スラスト軸受部
T2 第2スラスト軸受部
S1 第1シール空間
S2 第2シール空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定側となる軸部材と、内周に前記軸部材が挿入され、回転側となる焼結金属製の軸受スリーブと、内周面に前記軸受スリーブの外周面が固定され、軸方向両端を開口した筒状のハウジングと、前記軸部材の外周面から外径に突出して設けられ、前記軸受スリーブの軸方向両側に配された第1シール部及び第2シール部と、前記軸部材の外周面に設けられたラジアル軸受面と前記軸受スリーブの内周面に設けられたラジアル軸受面との間のラジアル軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で前記軸受スリーブをラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、前記軸受スリーブの一方の端面に設けられたスラスト軸受面と前記第1シール部の端面に設けられたスラスト軸受面との間のスラスト軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で前記軸受スリーブをスラスト方向一方に支持する第1スラスト軸受部と、前記軸受スリーブの他方の端面に設けられたスラスト軸受面と前記第2シール部の端面に設けられたスラスト軸受面との間のスラスト軸受隙間に生じる油膜の動圧作用で前記軸受スリーブをスラスト方向他方に支持する第2スラスト軸受部と、前記第1シール部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に形成された第1シール空間と、前記第2シール部の外周面と前記ハウジングの内周面との間に形成された第2シール空間とを備え、前記第1シール空間と前記第2シール空間との間の空間に潤滑油が満たされ、前記第1シール空間及び前記第2シール空間に油面が保持された軸固定型の流体動圧軸受装置であって、
前記軸受スリーブのうち、前記ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率を、前記ラジアル軸受面以外の軸方向領域における気孔率よりも小さくしたことを特徴とする流体動圧軸受装置。
【請求項2】
前記軸受スリーブのうち、前記ラジアル軸受面の軸方向領域における気孔率が11%以下である請求項1記載の流体動圧軸受装置。
【請求項3】
前記軸受スリーブが、銅を60%以上含む焼結金属からなり、前記ラジアル軸受面の軸方向領域における密度が7.4g/cm3以上である請求項2記載の流体動圧軸受装置。
【請求項4】
前記軸受スリーブが、鉄を60%以上含む焼結金属からなり、前記ラジアル軸受面の軸方向領域における密度が7.1g/cm3以上である請求項2記載の流体動圧軸受装置。
【請求項5】
前記第1及び第2スラスト軸受部のスラスト軸受隙間を介して対向するスラスト軸受面の一方に、前記スラスト軸受隙間の油膜に動圧作用を発生させるスラスト動圧発生部を形成した請求項1〜4の何れかに記載の流体動圧軸受装置。
【請求項6】
前記ラジアル軸受隙間を介して対向する前記ラジアル軸受面の一方に、前記ラジアル軸受隙間の油膜に動圧作用を発生させるラジアル動圧発生部を形成した請求項5記載の流体動圧軸受装置。
【請求項7】
前記スラスト動圧発生部が、前記スラスト軸受隙間の潤滑油を内径側に流動させるポンプインタイプである請求項6記載の流体動圧軸受装置。
【請求項8】
前記ラジアル動圧発生部が、軸方向対称なヘリングボーン形状の動圧溝である請求項7記載の流体動圧軸受装置。
【請求項9】
前記軸受スリーブの両端面に、前記スラスト動圧発生部がプレス加工により形成された請求項5記載の流体動圧軸受装置。
【請求項10】
前記第1シール部及び第2シール部の端面に、前記スラスト動圧発生部がプレス加工により形成された請求項5記載の流体動圧軸受装置。
【請求項11】
前記軸受スリーブの内周面に、前記ラジアル動圧発生部がプレス加工により形成された請求項6記載の流体動圧軸受装置。
【請求項12】
前記軸部材の外周面に、前記ラジアル動圧発生部が転造加工により形成された請求項6記載の流体動圧軸受装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44395(P2013−44395A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182718(P2011−182718)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】