説明

流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法

【課題】コスト安で媒体を正確に搬送でき、クリーニング処理と記録処理とを迅速に切り替えることができる流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法を提供する。
【解決手段】インクを噴射する記録ヘッド6を備えるインクジェットプリンター1であって、記録ヘッド6と対向して配置され、複数のノズルを囲むようにノズル形成面21Aと当接可能なキャップ部材71と、記録用紙Pを搬送する搬送路の一部を構成すると共に記録ヘッド6とキャップ部材71との間を遮る遮蔽位置と、上記遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間を移動自在で、上記対向する方向に貫通する貫通口83を備えるプラテン81と、ノズル形成面21Aと当接したキャップ部材71を介して吸引動作を行うと共に、遮蔽位置に位置するプラテン81の貫通口83からキャップ部材71を介して吸引動作を行う吸引ポンプ72とを有するという構成を採用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体に流体を噴射する流体噴射装置として、例えば下記特許文献1及び特許文献2に記載のインクジェットプリンターが知られている。
特許文献1におけるインクジェットプリンターは、複数のインクジェットヘッドをメンテナンスすべく、インクジェットヘッドの下方に配置されている紙葉類を支持する無端状の搬送ベルトを弛ませてインクジェットヘッドと搬送ベルトとの間を離間させた後、メンテナンスユニットを上昇させてインクジェットヘッドのノズル面にキャップを密着させて所望のクリーニング処理を行う構成となっている。
特許文献2におけるインクジェットプリンターは、インクジェットヘッドの対向領域において媒体を正確に搬送すべく、媒体を搬送する搬送ベルトに沿って電極を配置し、媒体を搬送ベルトに静電吸着させる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−321239号公報
【特許文献2】特許第3969863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、無端状の搬送ベルトは、そのつなぎ目の強度の確保が難しく、小さい角度で湾曲することができないため、必然的に搬送ベルト用のローラの径が大きくなり、搬送ベルトの下方に配置されたメンテナンスユニットがインクジェットヘッドから離れてしまう。したがって、上記のような大掛かりな機構が必要とされ、メンテナンスユニットの昇降動作に時間がかかるという問題がある。
また、特許文献2においては、媒体を搬送ベルトに吸着させる電極を別途特別に設けなければならず、部品点数が増加しコスト高となるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、コスト安で媒体を正確に搬送でき、クリーニング処理と記録処理とを迅速に切り替えることができる流体噴射装置及び流体噴射装置のクリーニング方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、流体を噴射する複数のノズルが設けられた噴射面から上記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、上記流体噴射ヘッドと対向して配置され、上記複数のノズルを囲むように上記噴射面と当接可能なキャップ部材と、上記媒体を搬送する搬送路の一部を構成すると共に上記流体噴射ヘッドと上記キャップ部材との間を遮る遮蔽位置と、上記遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間を移動自在で、上記対向する方向に貫通する貫通口を備える媒体支持部材と、上記噴射面と当接した上記キャップ部材を介して吸引動作を行うと共に、上記遮蔽位置に位置する上記媒体支持部材の上記貫通口から上記キャップ部材を介して吸引動作を行う吸引装置とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、対向する流体噴射ヘッドとキャップ部材との間に配置された媒体支持部材を、遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることによりキャップ部材を露出させ、流体噴射ヘッドとキャップ部材とを直接対向させることが可能となるため、流体噴射ヘッドにキャップ部材を当接させて吸引装置で流体を吸引することができる。また、媒体支持部材に設けられた貫通口からキャップ部材を介して吸引動作を行うことによって、媒体支持部材に媒体を吸着させて姿勢を安定させ、流体噴射ヘッドの対向位置において媒体を正確に搬送することが可能となる。そして、キャップ部材と吸引装置とを共通して利用することにより、部品点数の低減を図ることができる。
【0007】
また、本発明においては、上記媒体の種類に応じて上記吸引装置の駆動を制御する制御装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、媒体の種類に応じて吸引装置の駆動が制御される。
【0008】
また、本発明においては、上記媒体の所定面積あたりの重さに応じて上記吸引装置の駆動を制御する第2制御装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、媒体の搬送時において吸引装置を常に駆動させると吸引装置の寿命が短くなる虞があるため、例えば、搬送中に反り返ってジャム(詰まり)が生じ易い所定面積あたりの重さが軽い媒体(例えば薄紙)と、搬送中に反り返り難い所定面積あたりの重さが重い媒体(例えば厚紙)とで吸引装置の駆動を切り替えることにより、吸引装置の長寿命化やエネルギ消費の低減を図ることができる。
【0009】
また、本発明においては、温度及び湿度の少なくともいずれか一方を検出する検出装置と、上記検出装置の検出結果に応じて上記吸引装置の駆動を制御する第3制御装置とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、媒体の搬送時において吸引装置を常に駆動させると吸引装置の寿命が短くなる虞があるため、例えば、媒体が空気中に含まれる湿気を吸収し、搬送中に反り返ってジャムが生じ易い高温多湿のときと、媒体が吸湿し難く搬送中に反り返りが生じ難い温度や湿度のときとで吸引装置の駆動を切り替えることにより、吸引装置の長寿命化やエネルギ消費の低減を図ることができる。
【0010】
また、本発明においては、上記媒体の搬送方向と直交する上記搬送路の幅方向に沿って上記貫通口が複数設けられており、上記幅方向の上記貫通口における吸引力をそれぞれ調節する吸引力調節装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、幅方向における吸引力を調節することにより媒体の幅方向における姿勢を安定させて搬送させることができる。
【0011】
また、本発明においては、上記吸引力調節装置は、少なくとも上記幅方向両端部における上記貫通口における吸引力を他の位置の上記貫通口における吸引力より高くなるように調節するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、幅方向両端部における貫通口の吸引力を高めることで、特に反り返り易い媒体の幅方向両端部を安定させることができる。
【0012】
また、本発明においては、上記媒体の搬送方向に沿って上記貫通口が複数設けられており、上記搬送方向の上記貫通口における吸引力をそれぞれ調節する第2吸引力調節装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、搬送方向における吸引力を調節することにより媒体の搬送方向における姿勢を安定させて搬送させることができる。
【0013】
また、本発明においては、上記吸引力調節装置は、上記搬送方向に向かうにつれて上記貫通口における吸引力が順次高くなるように調節するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、流体を受けた媒体は吸湿して搬送方向前方側が反り返りやすいため、搬送方向に向かうにつれて貫通口の吸引力を順次高めることで媒体の搬送方向における姿勢を安定させることができる。
【0014】
また、本発明においては、上記吸引力調節装置及び上記第2吸引力調節装置の少なくともいずれか一方の駆動を、上記媒体に所定のパターンで上記流体を噴射するためのパターンデータに基づいて制御する第4制御装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、流体を噴射するパターンによって媒体の反り易さの特性が変化するため、パターンデータに応じて貫通口における吸引力を調節することで、媒体の安定した搬送が実現できる。
【0015】
また、本発明においては、上記媒体支持部材は、上記流体噴射ヘッドが設けられる側に上記媒体を支持する支持部を有する略板形状であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、流体噴射ヘッドと流体受け部材との間の距離を短くすることができるため、流体受け部材を流体噴射ヘッドに当接させる時間の短縮、あるいは流体受け部材を動かさずにフラッシング動作を行うことが可能となる。
【0016】
また、本発明においては、上記媒体支持部材の移動方向は、上記媒体の搬送方向であるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、キャップ部材の短辺方向に媒体支持部材を移動させることが可能となるため、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動距離を短くすることができる。
【0017】
また、本発明においては、上記流体噴射ヘッドと、上記キャップ部材と、上記媒体支持部材と、上記吸引装置とを有するユニットを上記媒体の搬送方向に沿って複数備え、上記媒体の位置に応じて各ユニットの上記媒体支持部材の移動を上記搬送方向に沿って順次実行させる第5制御装置を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、媒体に対する記録処理を停止あるいは中断することなくクリーニング処理を行うことが可能となる。例えば、一方の媒体支持部材上から媒体が移動し終えたら、その媒体支持部材を遮蔽位置から非遮蔽位置へ移動させ、フラッシング動作を行う。このとき他方(媒体の搬送方向前方側)の媒体支持部材上には媒体が存在するので、流体噴射ヘッドで媒体への噴射を行う。このため、一方の流体噴射ヘッドでフラッシング動作を行いつつ他方の流体噴射ヘッドで媒体への噴射を行うことができる。
【0018】
また、本発明においては、先に記載の流体噴射装置のクリーニング方法であって、上記媒体支持部材を上記遮蔽位置から上記非遮蔽位置に移動させる第1移動工程と、上記第1移動工程の後に、上記流体噴射ヘッドから上記キャップ部材に上記流体を噴射するフラッシング動作を含むクリーニング工程と、上記クリーニング工程の後に、上記媒体支持部材を上記非遮蔽位置から上記遮蔽位置に移動させる第2移動工程と、上記第2移動工程の後に、上記貫通口から上記キャップ部材を介して吸引動作を行う吸引工程とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、対向する流体噴射ヘッドとキャップ部材との間に配置された媒体支持部材を、遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることによりキャップ部材を露出させ、流体噴射ヘッドとキャップ部材とを直接対向させることにより、流体噴射ヘッドからキャップ部材へのフラッシング動作を含むクリーニング処理が実行可能となる。上記工程の後、媒体支持部材に設けられた貫通口からキャップ部材を介して吸引動作を行うことによって、媒体支持部材に媒体を吸着させて姿勢を安定させ、流体噴射ヘッドの対向位置において媒体を正確に搬送することが可能となる。また、吸引動作には、キャップ部材内に溜まった流体を吸引する吸引装置を利用することにより、部品点数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンターの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンターの要部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンターの要部構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンターの要部構成を示す平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態におけるノズル形成面におけるノズルの配列状態を示す図である
【図6】本発明の第1実施形態における記録ヘッドの内部構成を示す部分断面図である
【図7】本発明の第1実施形態におけるクリーニング処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態における吸引工程を説明するフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンターの動作を説明する図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるインクジェットプリンターの要部構成を示す断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態におけるインクジェットプリンターの要部構成を示す図である。
【図12】本発明の第4実施形態におけるプラテンの構成を示す図である。
【図13】本発明の第5実施形態におけるインクジェットプリンターの要部構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の第6実施形態におけるプラテンの構成を示す平面図である。
【図15】本発明の第7実施形態におけるインクジェットプリンターの動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る流体噴射装置の各実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。本実施形態では、本発明に係る流体噴射装置として、インクジェット式プリンター(以下、インクジェットプリンターと称する)を例示する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンター1の概略構成を示すブロック図である。
図2は、本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を示す斜視図である。
図3は、本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を示す断面図である。
図4は、本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を示す平面図である。
なお、図2〜図4に示すように、記録用紙(媒体)Pの搬送方向をX方向と、該搬送方向と直交する搬送路幅方向をY方向と、X方向及びY方向と直交する高さ方向をZ方向と称して以下説明する場合がある。
【0022】
インクジェットプリンター1は、記録用紙Pにインク(流体)を噴射することで記録用紙に所定の情報や画像を印字する記録処理を行うものである。このインクジェットプリンター1は、図1に示すように入力装置2と、記憶装置3と、制御装置(第2制御装置、第3制御装置)4と、記録用紙搬送装置5と、記録ヘッド(流体噴射ヘッド)6と、キャッピング装置7と、プラテン移動装置8と、温湿度センサ(検出装置)9とを有する。
【0023】
入力装置2は、制御装置4に外部からの記録処理に係る各種指令やデータを入力するものであり、使用者が操作する操作パネルや、記録ヘッド6から記録用紙Pにインクを噴射し所定の画像(パターン)を形成するための画像データ(パターンデータ)等を外部から入力する通信装置等を含む。なお、使用者は、操作パネルを操作することで記録処理を行う記録用紙Pの種類(例えば、普通紙、薄紙、厚紙等)を選択可能な構成となっている。
記憶装置3は、記録処理に係る各種構成機器の動作プログラムや入力装置2から入力されるデータを記憶するものである。
制御装置4は、各種構成機器の動作を電気的に制御するものであり、入力装置2、記憶装置3、記録用紙搬送装置5、記録ヘッド6、キャッピング装置7、プラテン移動装置8、温湿度センサ9との間でデータ授受を行う各種入出力インターフェイス回路や、該データに基づき所定の演算処理等を行うCPU等を有する。
温湿度センサ9は、インクジェットプリンター1の外部環境の温度及び湿度を検出するものであり、検出結果を所定時間毎に制御装置4に出力する構成となっている。
【0024】
記録用紙搬送装置5は、図3に示すように、X方向に延びる搬送路に沿って記録用紙Pを搬送する複数の搬送ローラ51を有する。搬送ローラ51は、Y方向に延びる回転軸周りに回転することにより記録用紙Pを+X方向に移動させる構成となっている。
【0025】
記録ヘッド6は、インクを噴射する複数のノズル17が設けられたノズル形成面(噴射面)21Aを有する。この記録ヘッド6は、ノズル形成面21Aが−Z方向に向くように配置されており、本実施形態では、搬送方向において所定間隔を空けて計2つ(記録ヘッド6a,6b)が設けられている。
【0026】
ここで、図5及び図6を参照して記録ヘッド6の構成について説明する。
図5は、本発明の第1実施形態におけるノズル形成面21Aにおけるノズル17の配列状態を示す図である。
図6は、本発明の第1実施形態における記録ヘッド6の内部構成を示す部分断面図である。
【0027】
図5に示すように、ノズル17はノズル形成面21Aにおいて搬送路の幅方向に沿って複数設けられ、ノズル列16を形成する。このノズル列16は、搬送方向に沿って計5列設けられる。ノズル列16Y、16M、16C、16K1、16K2は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K1)、顔料ブラック(K2)の各色に応じたインクを噴射する構成となっている(図4参照)。
なお、記録ヘッド6同士をノズル17間のピッチの半分だけY方向ずらして配置してもよい。これにより、記録用紙Pに対して印字する解像度を向上させることができる。
【0028】
図6に示すように、記録ヘッド6は、ヘッド本体18と、ヘッド本体18に接続された流路形成ユニット22とを備えている。流路形成ユニット22は、振動板19と、流路基板20と、ノズル基板21とを備えると共に、共通インク室29と、インク供給口30と、圧力室31とを形成する。さらに、流路形成ユニット22は、ダイヤフラム部として機能する島部32と、共通インク室29内の圧力変動を吸収するコンプライアンス部33とを備える。ヘッド本体18には、固定部材26と共に駆動ユニット24を収容する収容空間23と、インクを流路形成ユニット22に案内する内部流路28とが形成される。
【0029】
上記構成の記録ヘッド6によれば、ケーブル27を介して駆動ユニット24に駆動信号が入力されると、圧電素子25が伸縮する。これにより、振動板19がキャビティに接近する方向及び離れる方向に変形(移動)する。このため、圧力室31の容積が変化し、インクを収容した圧力室31の圧力が変動する。この圧力の変動によって、ノズル17から、インクが噴射される。
【0030】
図3に戻り、記録用紙Pを搬送する搬送路の一部を構成するプラテン(媒体支持部材)81(81a,81b)は、プラテン移動装置8により、記録ヘッド6とキャップ部材71との間を遮る遮蔽位置と該遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間を、搬送方向(X方向)に沿って往復移動自在な構成となっている。プラテン81は、搬送方向に延びる略板形状を有し、記録ヘッド6が設けられる表面81(支持部)A側で記録用紙Pを支持する。なお、プラテン81の表面81Aには、記録用紙Pを平らに支持するためのリブ(凹凸)を有していても良い。また、プラテン81には、Z方向(対向する方向)に貫通する複数の貫通口83が形成されている。貫通口83は搬送路の幅方向に沿って列を成し、この列は、搬送方向において所定距離を空けて計2列で設けられる(図2参照)。
【0031】
プラテン移動装置8は、プラテン81のキャップ部材71が設けられる側(裏面81B側)に設けられた不図示のラックと、該ラックと噛合可能で、搬送路の幅方向に延びる回転軸周りに回転自在なピニオン82とを有する。プラテン移動装置8は、ピニオン82を回転させることにより、プラテン81を遮蔽位置と非遮蔽位置との間を移動させる構成となっている。なお、遮蔽位置においては、プラテン81a及びプラテン81bは互いの端部81Cを当接させて記録用紙Pを支持する連続的支持面を形成する構成となっている。
【0032】
キャッピング装置7は、各記録ヘッド6と対応して設けられており、キャップ部材71と、吸引ポンプ(吸引装置)72と、大気開放バルブ73と、廃インクタンク74とを備える。
キャップ部材71は、記録ヘッド6に対向する側が開口する略枡形状を有する(図2参照)。なお、キャップ部材71の開口縁部をリップ部(当接部)71Aと称する。リップ部71Aは、ゴム部材等の弾性部材から形成され、複数のノズル17を囲うようにノズル形成面21Aと当接可能な構成となっている。また、リップ部71Aは、プラテン81が遮蔽位置にあるとき、複数の貫通口83を囲うように裏面81Bと当接可能な構成となっている。キャップ部材71の内には、インクを吸収するスポンジ等の吸収材75が設けられている。このキャップ部材71は、キャップ部材移動装置71B(図2において不図示、図3参照)により、上下方向(Z方向)に移動可能な構成となっている。
【0033】
キャップ部材移動装置71Bは、制御装置4の制御の下にキャップ部材71を、プラテン81と所定距離を空けて離間する位置(図3に示す位置、以下、離間位置と称する)と、プラテン81の裏面81Bとリップ部71Aとが当接する位置(図9(a)に示す位置、以下、プラテン当接位置と称する)と、記録ヘッド6のノズル形成面21Aとリップ部71Aとが当接する位置(図9(b)に示す位置、以下、ノズル形成面当接位置と称する)との間を移動させる構成となっている。キャップ部材移動装置71Bの構成の一例としては、ラック・ピニオン機構やカム機構等の周知の構成を採用できる。
【0034】
吸引ポンプ72は、キャップ部材71の底部に接続された配管76に設けられ、キャップ部材71を介して吸引動作を行うものである。なお、キャップ部材71を当接位置に位置させ、記録ヘッド6とキャップ部材71との間に気密室を形成した後、吸引ポンプ72を駆動させて該気密室を負圧状態にし、各ノズル17から粘性が高くなったインクや付着したゴミ等を吸引してメニスカスを調整し、記録ヘッド6から正常にインクを噴射させる動作をインク吸引動作と呼ぶ。また、記録ヘッド6からキャップ部材71にインクを噴射させる動作をフラッシング動作と呼ぶ。このインク吸引動作とフラッシング動作を併せてクリーニング処理と呼ぶ。なお、吸引ポンプ72による吸引動作は、インク吸引動作のほかに、フラッシング動作によりキャップ部材71内に溜まったインクを廃インクタンク74に廃棄する動作も含む。
大気開放バルブ73は、上記気密室の負圧状態を解除するものであり、キャップ部材71の底部に接続された配管77に設けられる。この大気開放バルブ73は、配管77を介した気体の流通経路の開放の度合い(開度)を調節可能な構成となっている。
廃インクタンク74は、各配管76と接続され各キャップ部材71からのインクを貯溜する構成となっている。
【0035】
続いて、図7〜図9を参照して、上記構成のインクジェットプリンター1のクリーニング処理(クリーニング方法)について説明する。
図7は、本発明の第1実施形態におけるクリーニング処理を示すフローチャートである。
図8は、本発明の第1実施形態における吸引工程を説明するフローチャートである。
図9は、本発明の第1実施形態におけるインクジェットプリンター1の動作を説明する図である。
初期状態では、図9(a)に示すように、プラテン81は遮蔽位置に位置している。また、キャップ部材71は、プラテン当接位置に位置している。この状態で、インクジェットプリンター1は、記録用紙Pを搬送し、記録ヘッド6からインクを噴射して記録処理を行う。インクジェットプリンター1は、所定の駆動時間毎あるいは印字枚数(例えば5〜10枚)毎に、記録ヘッド6のフラッシング動作を実施する。
【0036】
先ず、制御装置4は、キャップ部材移動装置71Bに駆動指令を与えて、キャップ部材71をプラテン当接位置から離間位置に移動させる(ステップS1:キャップ部材移動工程)。次に、制御装置4は、プラテン移動装置8に駆動指令を与えて、プラテン81を遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させる(ステップS2:第1移動工程)。
【0037】
上記工程で、プラテン81を移動させたことでキャップ部材71と記録ヘッド6とが直接対向した状態となる。このように、プラテン81がキャップ部材71上から完全に退避した状態となった後、制御装置4は、キャップ部材移動装置71Bに駆動指令を与えて、キャップ部材71を離間位置からノズル形成面当接位置に移動させる(ステップS3:キャップ部材移動工程)。キャップ部材71のリップ部71Aは、図9(b)に示すように、複数のノズル17を囲うようにノズル形成面21Aと当接する。
【0038】
次に、制御装置4は、記録ヘッド6からキャップ部材71へインクを吐出(噴射)するフラッシング動作を実行させる(ステップS4:クリーニング工程)。記録ヘッド6は、使用時間によってノズル17内のインク増粘、あるいはノズル17開口近傍へのゴミの付着によって吐出不良が生じてくるおそれがある。そのため、非記録処理時にノズル17からインクを予備噴射させて増粘したインクやゴミ等を排出させるフラッシング動作を行うことで、記録ヘッド6の噴射特性を維持或いは回復させる。
なお、ここで、キャップ部材71をノズル形成面当接位置に位置させ、記録ヘッド6とキャップ部材71との間に気密室を形成した後、吸引ポンプ72を駆動させて該気密室を負圧状態にし、各ノズル17から粘性が高くなったインクや付着したゴミ等を強制的に吸引するインク吸引動作を行ってもよい。
また、フラッシング動作は、キャップ部材71を記録ヘッド6に当接させず、キャップ部材を待機位置にて行っても良い。本実施形態のプラテン81は、記録用紙Pを支える作用とキャップ部材71を清掃する作用を持っているだけなので略板形状に薄くすることができ、キャップ部材71が待機位置にいても記録ヘッド6との隙間は大きくならず、フラッシング動作時に噴射されたインクがミスト化することがない。
【0039】
次に、制御装置4は、キャップ部材移動装置71Bに駆動指令を与えて、キャップ部材71をノズル形成面当接位置から離間位置に移動させる(ステップS5:キャップ部材移動工程)。そして、制御装置4は、プラテン移動装置8に駆動指令を与えて、図9(c)に示すように、プラテン81を非遮蔽位置から遮蔽位置に移動させる(ステップS6:第2移動工程)。
【0040】
以上の工程が完了したら、制御装置4は、記録処理を再開させるべく、次の工程を行う。先ず、制御装置4は、キャップ部材移動装置71Bに駆動指令を与えて、キャップ部材71を離間位置からプラテン当接位置に移動させる(ステップS7:キャップ部材移動工程(当接工程))。キャップ部材71のリップ部71Aは、図9(a)に示すように、複数の貫通口83を囲うように裏面81Bと当接する。そして、リップ部71Aが裏面81Bと当接した後、吸引工程(ステップS8)に移行する。
【0041】
吸引工程においては、図8に示すように、先ず、記録用紙Pの坪量や温湿度センサ9による検出結果に基づいて吸引ポンプ72を駆動させるか否かの判断が行われる(ステップS81:吸引ポンプ駆動判断工程)。すなわち、記録用紙Pの搬送時において吸引ポンプ72を常に駆動させるとポンプの寿命が短くなる虞があるため、紙ジャムが生じ易い場合にのみ吸引ポンプ72を駆動させることで、吸引ポンプ72の寿命やエネルギ消費を考慮した駆動が可能となる。以下、具体的に説明する。
【0042】
制御装置4は、記録用紙Pの坪量(所定面積(1m)あたりの紙の重さ)に応じて、吸引ポンプ72を駆動させるか否かを判断する。記録用紙Pの坪量は、使用者が入力装置2の操作パネルを操作して記録用紙Pの種類を選択したデータと、記憶装置3に予め記憶されている記録用紙Pの種類と坪量とが対応するテーブルデータとに基づいて求められる。例えば、選択した記録用紙Pが普通紙の場合には坪量は50g/mと、薄紙の場合には坪量は40g/mと、厚紙の場合には坪量は60g/mと求められる。
ここで、制御装置4は、搬送中に反り返って紙ジャムが生じ易い坪量が小さい薄紙が選択された場合は、吸引動作が必要と判断する。一方、搬送中に反り返り難い坪量大きい普通紙や厚紙が選択された場合は、吸引動作が必要とならないと判断する。
【0043】
また、制御装置4は、温湿度センサ9の検出結果に応じて、吸引ポンプ72を駆動させるか否かを判断する。記録処理をする環境は、通常、温度が25℃で湿度が50%程度の環境下を想定している。したがって、例えば、温度が35℃で湿度が65%程度の高温多湿の環境下では、記録用紙Pが空気中の湿気を吸収して反り返る(カールする)ことがある。記録用紙Pが反り返ると紙ジャムや画像形成不良を引き起こす虞があるため、制御装置4は、上記環境下もしくは、それ以上に記録用紙Pが吸湿し易い環境下においては、吸引動作が必要と判断する。一方、制御装置4は、それ以外の環境下においては、吸引動作が必要とならないと判断する。
【0044】
次に、制御装置4は、坪量と温度及び湿度とによる判断のいずれか一方が、吸引が必要と判断した場合は、吸引ポンプ72に駆動指令を与えて、貫通口83を介した吸引動作を実行させる(ステップS82:吸引ポンプ駆動工程)。一方、制御装置4は、坪量と温度及び湿度とによる判断が共に、吸引が必要でないと判断した場合は、吸引ポンプ72に駆動停止指令を与えて、吸引動作を実行させない制御を行う。また、制御装置4は、坪量と温度及び湿度とに応じて、吸引ポンプ72の吸引力を調節する。例えば、記録用紙Pの種類が薄紙で、且つ、高温多湿である場合は、特に記録用紙Pが反り返り易くなるため、制御装置4は、吸引ポンプ72による吸引力を通常よりも高く調節する。
【0045】
制御装置4により吸引ポンプ72が駆動すると、図9(a)に示すように、貫通口83から空気が吸引される。貫通口83からの吸引により、記録用紙Pは、記録ヘッド6の対向位置において、プラテン81の表面81Aに吸着され姿勢が安定する。したがって、紙ジャムが生じることなく、記録用紙Pに対してインクを適切に噴射することができ、画像形成不良が防止される。
【0046】
したがって、上述した第1実施形態によれば、インクを噴射する複数のノズル17が設けられたノズル形成面21Aからインクを記録用紙Pに噴射する記録ヘッド6を備えるインクジェットプリンター1であって、記録ヘッド6と対向して配置され、複数のノズル17を囲むようにノズル形成面21Aと当接可能なキャップ部材71と、記録用紙Pを搬送する搬送路の一部を構成すると共に記録ヘッド6とキャップ部材71との間を遮る遮蔽位置と、上記遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間を移動自在で、上記対向する方向に貫通する貫通口83を備えるプラテン81と、ノズル形成面21Aと当接したキャップ部材71を介して吸引動作を行うと共に、遮蔽位置に位置するプラテン81の貫通口83からキャップ部材71を介して吸引動作を行う吸引ポンプ72とを有するという構成を採用することによって、対向する記録ヘッド6とキャップ部材71との間に配置されたプラテン81を、遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることによりキャップ部材71を露出させ、記録ヘッド6とキャップ部材71とを直接対向させることが可能となるため、記録ヘッド6にキャップ部材71を当接させて吸引ポンプ72でインクを吸引することができる。また、プラテン81に設けられた貫通口83からキャップ部材71を介して吸引動作を行うことによって、プラテン81に記録用紙Pを吸着させて姿勢を安定させ、記録ヘッド6の対向位置において記録用紙Pを正確に搬送することが可能となる。また、吸引動作には、キャップ部材71内に溜まったインクを吸引する吸引ポンプ72を利用することにより、部品点数の低減を図ることができる。
したがって、第1実施形態では、コスト安で記録用紙Pを正確に搬送でき、クリーニング処理と記録処理とを迅速に切り替えることができるインクジェットプリンター1を提供できる効果がある。
【0047】
また、第1実施形態においては、記録用紙Pの坪量に応じて吸引ポンプ72の駆動を制御する制御装置4を有するという構成を採用することによって、記録用紙Pの搬送時において吸引ポンプ72を常に駆動させると吸引ポンプ72の寿命が短くなる虞があるため、搬送中に反り返って紙ジャムが生じ易い坪量の小さい薄紙と、搬送中に反り返り難い坪量が大きい普通紙や厚紙とで吸引ポンプ72の駆動を切り替えることにより、吸引ポンプ72の長寿命化やエネルギ消費の低減を図ることができる。
【0048】
また、第1実施形態においては、制御装置4は、坪量に応じて、吸引ポンプ72を駆動させる、あるいは、吸引ポンプ72の駆動を停止させる制御を行うという構成を採用することによって、吸引動作が必要なときと吸引動作が必要とならないときとを判断し、吸引動作が必要なときは吸引ポンプ72を駆動させ、吸引動作が必要とならないときは吸引ポンプ72の駆動を停止させることが可能となる。
【0049】
また、第1実施形態においては、制御装置4は、坪量に応じて、吸引ポンプ72の吸引力を調節する制御を行うという構成を採用することによって、坪量(厚み)に応じて記録用紙Pの反り返り易さが異なるため、坪量に応じて吸引力を調節することで適切に記録用紙Pをプラテン81に吸着させることが可能となる。
【0050】
また、第1実施形態においては、温度及び湿度を検出する温湿度センサ9と、上記温湿度センサ9の検出結果に応じて上記吸引ポンプ72の駆動を制御する制御装置4とを有するという構成を採用することによって、記録用紙Pの搬送時において吸引ポンプ72を常に駆動させると吸引ポンプ72の寿命が短くなる虞があるため、記録用紙Pが空気中に含まれる湿気を吸収し、搬送中に反り返って紙ジャムが生じ易い高温多湿のときと、記録用紙Pが吸湿し難く搬送中に反り返りが生じ難い温度及び湿度のときとで吸引ポンプ72の駆動を切り替えることにより、吸引ポンプ72の長寿命化やエネルギ消費の低減を図ることができる。
【0051】
また、第1実施形態においては、制御装置4は、上記検出結果に応じて、吸引ポンプ72を駆動させる、あるいは、吸引ポンプ72の駆動を停止させる制御を行うという構成を採用することによって、温度や湿度に応じて吸引動作が必要なときと吸引動作が必要とならないときとを判断し、吸引動作が必要なときは吸引ポンプ72を駆動させ、吸引動作が必要とならないときは吸引ポンプ72の駆動を停止させることが可能となる。
【0052】
また、第1実施形態においては、制御装置4は、上記検出結果に応じて、上記吸引ポンプ72の吸引力を調節する制御を行うという構成を採用することによって、温度や湿度に応じて記録用紙Pの反り返り易さが異なるため、温度や湿度に応じて吸引力を調節することで適切に記録用紙Pをプラテン81に吸着させることが可能となる。
【0053】
また、第1実施形態においては、プラテン81は、記録ヘッド6が設けられる側に記録用紙Pを支持する略板形状であるという構成を採用することによって、記録ヘッド6とキャップ部材71との間の距離を短くすることができるため、キャップ部材71を記録ヘッド6に当接させる時間の短縮、あるいはキャップ部材71を動かさずにフラッシング動作を行うことが可能となる。したがって、クリーニング処理と記録処理とを迅速に切り替えることができる効果がある。
【0054】
また、第1実施形態においては、プラテン81の移動方向は、記録用紙Pの搬送方向であるという構成を採用することによって、キャップ部材71の短辺方向にプラテン81を移動させることが可能となるため、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動距離を短くすることができる。
【0055】
また、第1実施形態においては、インクジェットプリンター1のクリーニング方法であって、プラテン81を上記遮蔽位置から上記非遮蔽位置に移動させる第1移動工程と、上記第1移動工程の後に、記録ヘッド6からキャップ部材71に上記インクを噴射するフラッシング動作を含むクリーニング工程と、上記クリーニング工程の後に、プラテン81を上記非遮蔽位置から上記遮蔽位置に移動させる第2移動工程と、上記第2移動工程の後に、貫通口83からキャップ部材71を介して吸引動作を行う吸引工程とを有するという構成を採用することによって、対向する記録ヘッド6とキャップ部材71との間に配置されたプラテン81を、遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させることによりキャップ部材71を露出させ、記録ヘッド6とキャップ部材71とを直接対向させることで、記録ヘッド6からキャップ部材71へのフラッシング動作を含むクリーニング処理が実行可能となる。上記工程の後、プラテン81に設けられた貫通口83からキャップ部材71を介して吸引動作を行うことによって、プラテン81に記録用紙Pを吸着させて姿勢を安定させ、記録ヘッド6の対向位置において記録用紙Pを正確に搬送することが可能となる。また、吸引動作には、キャップ部材71内に溜まったインクを吸引する吸引装置を利用することにより、部品点数の低減を図ることができる。
【0056】
(第2実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。
図10は、本発明の第2実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を示す断面図である。
第2実施形態においては、制御装置(第4制御装置,吸引力調節装置)4が、画像データに基づいて、記録用紙Pの搬送方向における貫通口83(83a,83b)における吸引力を搬送方向に向かうにつれて順次大きくなるように調節する点で、上記実施形態と異なる。
【0057】
例えば、記録用紙Pにインクを噴射するパターンが記録用紙Pの先端部から始まる場合等は、インクを吸収した記録用紙Pの搬送方向前方側(+X側)が、図10の2点鎖線に示す如くカールし、紙ジャムを引き起こすことがある。したがって、制御装置4は、吸引ポンプ72b側の吸引動作を吸引ポンプ72a側の吸引動作よりも強くなるように調節し、貫通口83bにおける吸引力を高めて搬送方向前方側における記録用紙Pのカールを抑制する。
したがって、第2実施形態では、搬送方向における吸引力を調節することにより記録用紙Pの搬送方向における姿勢を安定させて搬送することができる。
なお、貫通口83a、貫通口83bにおける吸引力は、吸引ポンプ72a及び吸引ポンプ72bにおける吸引出力を同じにし、大気開放バルブ73a、大気開放バルブ73bにおける開度を調節することで、吸引力を調節する構成であってもよい。
【0058】
(第3実施形態)
次に、図11を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。
図11(a)は、本発明の第3実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を示す平面図であり、図11(b)は、図11(a)における線視K−K断面図を示す。
図11(a)に示すように、記録ヘッド6は、搬送路の幅方向に沿って複数設けられて、記録ヘッド6a1、6a2、6a3の列aと、記録ヘッド6a1、6a2、6a3の列bの計2列を構成する。この複数の記録ヘッド6は幅方向に沿って互い違いに配置される千鳥配列となっている。すなわち、Y方向に沿って、記録ヘッド6a1、記録ヘッド6b1、記録ヘッド6a2、記録ヘッド6b2、記録ヘッド6a3、記録ヘッド6b3が順次配置される。また、各記録ヘッド6に対応するように、貫通口83及びキャッピング装置7がそれぞれ設けられる構成となっている(図11(b)参照、なお列b側は不図示)。
第3実施形態においては、制御装置(第4制御装置,第2吸引力調節装置)4が、画像データに基づいて、記録用紙Pの搬送方向と直交する搬送路の幅方向における貫通口83における吸引力を幅方向両端部で大きくなるように調節する点で、上記実施形態と異なる。
【0059】
例えば、記録用紙Pにインクを噴射するパターンが記録用紙Pの幅方向両端部まである場合等は、インクを吸収した記録用紙Pの幅方向両端部が、図11(b)の2点鎖線に示す如くカールし、紙ジャムを引き起こすことがある。したがって、制御装置4は、吸引ポンプ72a1及び吸引ポンプ72a3の吸引動作を吸引ポンプ72a2の吸引動作よりも強くなるように調節し、貫通口83a1及び貫通口83a3における吸引力を高めて幅方向両端部における記録用紙Pのカールを抑制する。なお、列bにおける貫通口83における吸引力も同様に調節することが望ましい。
したがって、第3実施形態では、幅方向における吸引力を調節することにより記録用紙Pの幅方向における姿勢を安定させて搬送することができる。
【0060】
(第4実施形態)
次に、図12を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。
図12(a)は、本発明の第3実施形態におけるプラテン81を示す平面図である。図12(b)は、図12(a)における線視L−L断面図を示す。
上記実施形態では、吸引ポンプ72の駆動や大気開放バルブ73の開度を調節することにより貫通口83における吸引力を調節しているが、第4実施形態では、貫通口83の径の大きさを調節することで貫通口83における吸引力を調節している点で、上記実施形態と異なる。
【0061】
図12(a)に示すように、第4実施形態におけるプラテン81は、搬送路幅方向端部に向かうにつれて順次貫通口83の径が大きくなるように形成されている。また、図12(b)に示すように、第4実施形態におけるキャップ部材71内には、搬送路幅方向に沿って強度を担保するためのリブ71Cが等間隔に複数設けられている。また、リブ71Cによって分割された領域の底部にはそれぞれ配管76が接続され、吸引ポンプ72が一括的に各配管76を介して吸引動作を行う構成となっている。
上記構成によれば、吸引ポンプ72を駆動させると、貫通口83の径が異なるため搬送路幅方向両端部に向かうにつれて吸引力が高まり、電気的な制御を行うことなく幅方向における吸引力を調節することが可能となる。したがって、上記実施形態と比べてメモリ資源の節約に寄与することができる。
【0062】
(第5実施形態)
次に、図13を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。
図13は、本発明の第2実施形態におけるインクジェットプリンター1の要部構成を示す斜視図である。
第5実施形態におけるインクジェットプリンター1は、プラテン81が搬送路の幅方向(Y方向)に移動する点で、上記実施形態と異なる。この構成によれば、プラテン移動装置8によって、プラテン81がY方向に往復移動することにより、キャップ部材71が露出することとなる。
【0063】
キャップ部材71の側部には、プラテン移動装置8による移動に伴って、プラテン81の裏面81Bに付着したインクを清掃する清掃部材10が設けられる。清掃部材10は、プラテン81の遮蔽位置から非遮蔽位置に移動する方向側のキャップ部材71の側部に設けられる。この清掃部材10は、キャップ部材71が離間位置にあるときにプラテン81の裏面81Bと当接可能な位置まで+Z方向に突出している。清掃部材10は、キャップ部材71がプラテン当接位置に位置するときに、キャップ部材71とプラテン81との間の密着不良を生じさせないように、Z方向に弾性変形が可能なゴムやスポンジ等、また、復元性を有する部材から構成されるのが望ましい。
【0064】
(第6実施形態)
次に、図14を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。
図14は、本発明の第6実施形態におけるプラテン81の構成を示す平面図である。
なお、図14(a)は、プラテン81aが遮蔽位置に位置するときを示し、図14(b)は、プラテン81aが非遮蔽位置に位置するときを示す。
第6実施形態では、プラテン81が搬送路の幅方向において2つに分割され、それぞれが互いに隣り合う遮蔽位置と、互いに離間する非遮蔽位置との間を、互いに逆方向で同時に移動する点で、上記実施形態と異なる。この構成によれば、一方の領域でのキャップ部材71を遮蔽する占有面積を低減でき、遮蔽位置と非遮蔽位置との間の移動に要する距離が2分の1となるため、移動時間が短縮され、上記実施形態よりも記録処理及びクリーニング処理の迅速な切り替えが可能となる。
【0065】
(第7実施形態)
次に、図15を参照して、本発明の第7実施形態について説明する。なお、上記実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛することとする。
図15は、本発明の第7実施形態におけるインクジェットプリンター1の動作を説明する図である。
上述したように、インクジェットプリンター1は、記録ヘッド6、キャップ部材71、プラテン81、吸引ポンプ72を有するユニットを、記録用紙Pの搬送方向(X方向)に沿って複数(本実施形態では2つ)備えている。第7実施形態における制御装置(第5制御装置)4は、図15に示すように、記録用紙Pの位置に応じて各ユニットのプラテン81a、81bの移動を搬送方向に沿って順次実行させて、記録用紙Pに対する記録処理を停止あるいは中断させることなくクリーニング処理を行う点で、上記実施形態と異なる。
【0066】
具体的に、先ず、制御装置4は、記録用紙搬送装置5による記録用紙Pの搬送量及び記録用紙Pのサイズに基づいて、記録用紙Pの現在位置を求める。次に、制御装置4は、記録用紙Pが所定の位置まで来たら、次の記録用紙Pを給紙するか否か、とフラッシング動作が必要か否か、とを判断する。制御装置4は、次の記録用紙Pへの記録データがあれば、次の記録用紙Pを給紙させる。しかし、制御装置4は、フラッシング動作が必要か否かに応じてその給紙のタイミングを異ならせる。
【0067】
なお、給紙するか否かを判断する所定の位置とは、フラッシング動作をせずに次の記録用紙Pを給紙したときに、現在の記録用紙Pと重ならず、かつ、無駄に時間がかからないように離れすぎない位置である。このため、フラッシング動作判断が否の場合(通常の給紙の場合)の給紙のタイミングは、様々な誤差を考慮して、現在の記録用紙Pとは、例えば5〜10mmくらい離れるようなタイミングとしている。しかし、フラッシング動作が必要な場合は、フラッシング動作判断が否のときに比べて、時間を置いてから給紙を行う。それは、フラッシング動作をするときは次のような動作が行うからである。
【0068】
制御装置4は、記録用紙Pの現在位置からプラテン81a、81bが記録用紙Pを支持しているか否かを判断する。なお、プラテン81a、81bが記録用紙Pを支持しているか否かの判断は、プラテン81a、81bにそれぞれ記録用紙Pの有無を検知するセンサを備えて判断してもよい。また、プラテン81a、81bより上流側の記録用紙Pの搬送経路中にセンサを備えて、センサの検知と記録用紙Pの搬送量から記録用紙Pの位置を判断し、プラテン81a、81bが記録用紙Pを支持しているか否かの判断をしてもよい。
【0069】
制御装置4は、図15(a)に示すように、プラテン81a上から記録用紙Pが移動し終えたと判断したら、プラテン移動装置8に駆動指令を与えて、プラテン81aを遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させ、記録ヘッド6aのフラッシング動作を行う。一方、制御装置4は、プラテン81b上には記録用紙Pが存在するので、プラテン81bを遮蔽位置のまま待機させ、記録ヘッド6bで記録用紙Pに記録処理を行う。
【0070】
記録ヘッド6aのフラッシング動作(時間にして0.2秒程度)が終了したら、制御装置4は、次に搬送される記録用紙Pに備えるべく、プラテン移動装置8に駆動指令を与えて、プラテン81aを非遮蔽位置から遮蔽位置に移動させる(図15(b)参照)。一方、記録ヘッド6bにおいては、記録用紙Pの後端までの記録処理が終了する。
【0071】
つまり、記録用紙Pの後端がプラテン81aを外れてから、プラテン81aが遮蔽位置から非遮蔽位置へ移動し、記録ヘッド6aがフラッシング動作をし、プラテン81aが非遮蔽位置から遮蔽位置へ移動した後、次の記録用紙Pはプラテン81a上に移動してくる。制御装置4は、フラッシング動作が必要な場合、記録用紙Pの間がこのような間隔となるように時間を置いて給紙を行わせる。
【0072】
さらに、制御装置4は、図15(c)に示すように、プラテン81b上から記録用紙Pが移動し終えたと判断したら、プラテン移動装置8に駆動指令を与えて、プラテン81bを遮蔽位置から非遮蔽位置に移動させ、記録ヘッド6bのフラッシング動作を行う。一方、制御装置4は、プラテン81a上に新たに搬送された記録用紙Pが存在するので、プラテン81aを遮蔽位置のまま待機させ、記録ヘッド6aで記録用紙Pに記録処理を行う。
そして、記録ヘッド6bのフラッシング動作が終了したら、制御装置4は、プラテン81aに支持されている記録用紙Pを受け取るべく、プラテン移動装置8に駆動指令を与えて、プラテン81bを非遮蔽位置から遮蔽位置に移動させることとなる(図15(d)参照)。
【0073】
上述したように、第7実施形態によれば、一方の記録ヘッド6の記録処理を行っている間に、他方の記録ヘッド6のフラッシング動作を行うことができ、記録用紙Pに対する記録処理を停止あるいは中断させることなくクリーニング処理を行うことが可能となるため、記録ヘッド6のメンテナンスの間、記録用紙Pを搬送できないという問題を解消できる効果がある。
【0074】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0075】
例えば、上述の実施形態においては、制御装置、第2制御装置、第3制御装置、吸引力調節装置、第2吸引力調節装置を、制御装置4として説明したが、本発明はこの構成に限定されるものでなく、各機能に応じて各々別に装置を設ける構成であってもよい。
【0076】
また、例えば、上述の実施形態においては、温度及び湿度に応じて、吸引ポンプ72の駆動の判断が行われると説明したが、温度及び湿度のいずれか一方で吸引ポンプ72の駆動の判断を行う構成であってもよい。
【0077】
また、例えば、上述の実施形態においては、流体噴射装置がインクジェットプリンター1である場合を例にして説明したが、インクジェットプリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
【0078】
また、上述の実施形態においては、流体噴射装置が、インク等の流体(液状体)を噴射する流体噴射装置である場合を例にして説明したが、本発明の流体噴射装置は、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に適用することができる。流体噴射装置が噴射可能な流体は、流体、機能材料の粒子が分散又は溶解されている液状体、ジェル状の流状体、流体として流して噴射できる固体、及び粉体(トナー等)を含む。
【0079】
また、上述の実施形態において、流体噴射装置から噴射される流体(液状体)としては、インクのみならず、特定の用途に対応する流体を適用可能である。流体噴射装置に、その特定の用途に対応する流体を噴射可能な噴射ヘッドを設け、その噴射ヘッドから特定の用途に対応する流体を噴射して、その流体を所定の物体に付着させることによって、所定のデバイスを製造可能である。例えば、本発明の流体噴射装置(液状体噴射装置)は、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、及び面発光ディスプレイ(FED)の製造等に用いられる電極材、色材等の材料を所定の分散媒(溶媒)に分散(溶解)した流体(液状体)を噴射する流体噴射装置に適用可能である。
【0080】
また、流体噴射装置としては、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置、ジェルを噴射する流状体噴射装置、トナーなどの粉体を例とする固体を噴射するトナージェット式記録装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体噴射装置に本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0081】
1…インクジェットプリンター(流体噴射装置)、4…制御装置(第2制御装置、第3制御装置、第4制御装置、第5制御装置、吸引力調節装置、第2吸引力調節装置)、6…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、9…温湿度センサ(検出装置)、17…ノズル、21A…ノズル形成面(噴射面)、71…キャップ部材、72…吸引ポンプ(吸引装置)、81…プラテン(媒体支持部材)、81A…表面(支持部)、83…貫通口、S2…第1移動工程、S4…クリーニング工程、S6…第2移動工程、S8…吸引工程、P…記録用紙(媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を噴射する複数のノズルが設けられた噴射面から前記流体を媒体に噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
前記流体噴射ヘッドと対向して配置され、前記複数のノズルを囲むように前記噴射面と当接可能なキャップ部材と、
前記媒体を搬送する搬送路の一部を構成すると共に前記流体噴射ヘッドと前記キャップ部材との間を遮る遮蔽位置と、前記遮蔽位置から退避する非遮蔽位置との間を移動自在で、前記対向する方向に貫通する貫通口を備える媒体支持部材と、
前記噴射面と当接した前記キャップ部材を介して吸引動作を行うと共に、前記遮蔽位置に位置する前記媒体支持部材の前記貫通口から前記キャップ部材を介して吸引動作を行う吸引装置とを有することを特徴とする流体噴射装置。
【請求項2】
前記媒体の種類に応じて前記吸引装置の駆動を制御する制御装置を有することを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項3】
前記媒体の所定面積あたりの重さに応じて前記吸引装置の駆動を制御する第2制御装置を有することを特徴とする請求項1または2に記載の流体噴射装置。
【請求項4】
温度及び湿度の少なくともいずれか一方を検出する検出装置と、
前記検出装置の検出結果に応じて前記吸引装置の駆動を制御する第3制御装置とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項5】
前記媒体の搬送方向と直交する前記搬送路の幅方向に沿って前記貫通口が複数設けられており、
前記幅方向の前記貫通口における吸引力をそれぞれ調節する吸引力調節装置を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項6】
前記吸引力調節装置は、少なくとも前記幅方向両端部における前記貫通口における吸引力を他の位置の前記貫通口における吸引力より高くなるように調節することを特徴とする請求項5に記載の流体噴射装置。
【請求項7】
前記媒体の搬送方向に沿って前記貫通口が複数設けられており、
前記搬送方向の前記貫通口における吸引力をそれぞれ調節する第2吸引力調節装置を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項8】
前記吸引力調節装置は、前記搬送方向に向かうにつれて前記貫通口における吸引力が順次高くなるように調節することを特徴とする請求項7に記載の流体噴射装置。
【請求項9】
前記吸引力調節装置及び前記第2吸引力調節装置の少なくともいずれか一方の駆動を、前記媒体に所定のパターンで前記流体を噴射するためのパターンデータに基づいて制御する第4制御装置を有することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項10】
前記媒体支持部材は、前記流体噴射ヘッドが設けられる側に前記媒体を支持する支持部を有する略板形状であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項11】
前記媒体支持部材の移動方向は、前記媒体の搬送方向であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
【請求項12】
前記流体噴射ヘッドと、前記キャップ部材と、前記媒体支持部材と、前記吸引装置とを有するユニットを前記媒体の搬送方向に沿って複数備え、
前記媒体の位置に応じて各ユニットの前記媒体支持部材の移動を前記搬送方向に沿って順次実行させる第5制御装置を有することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に流体噴射装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の流体噴射装置のクリーニング方法であって、
前記媒体支持部材を前記遮蔽位置から前記非遮蔽位置に移動させる第1移動工程と、
前記第1移動工程の後に、前記流体噴射ヘッドから前記キャップ部材に前記流体を噴射するフラッシング動作を含むクリーニング工程と、
前記クリーニング工程の後に、前記媒体支持部材を前記非遮蔽位置から前記遮蔽位置に移動させる第2移動工程と、
前記第2移動工程の後に、前記貫通口から前記キャップ部材を介して吸引動作を行う吸引工程とを有することを特徴とする流体噴射装置のクリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−201788(P2010−201788A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49861(P2009−49861)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】