説明

流体膜軸受の不安定性制御方法

【課題】流体膜軸受と組み合わせた磁気軸受を用いて流体膜軸受の不安定性を制御する方法の提供。
【解決手段】流体膜軸受18が主耐荷軸受として作用し、磁気軸受アッセンブリ12がこの流体膜軸受の不安定性を制御する。この効果的な組み合わせによって、安定性の問題も信頼性の問題もなく高速で使用できる軸受が提供される。流体膜軸受の不安定性を制御する代替の方法は、軸方向におけるフローを妨害することである。例えば、スリーブ(ジャーナル)軸受は、軸受軸をシャフト軸に対して傾けて製造することができ、あるいは、可変ジオメトリの軸受は、軸受の角度ミスアラインメントを作るように製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の属する技術分野
本発明は流体膜軸受に関し、特に、磁気軸受を用いて、および軸受内で意図的にミスアラインさせたジャーナルの使用を含むユニークな方法を用いて、よく知られている流体膜軸受の不安定性を制御することに関する。
【0002】
発明の背景
軸振動のユニークな特徴は、定義によると、時に非常に高速で回転し、機械にその機能を実行させるロータの存在である。この回転には二つの主な意味がある。一つは、膨大な量の運動エネルギィが回転する機械に保存されることである。機構により、このエネルギィのうちのいくらかが回転から軸振動に移動すると、この移動により確実に機械の不安定性を引き起こすであろう。このエネルギィを移動させた結果、回転する機械の不安定性を引き起こすいくつかの機構は:内部ダンピング、空気力学的クロスカップリング、シール、高速ジャーナル軸受、インターシャフトスクイーズ膜ダンパ、その他である。
【0003】
回転のもう一つの意味は、回転機械上に励磁力が永久的に存在することである。ロータには常にいくらかの残留不釣合いがあり、この残留不釣合いがロータに異なる速度で力をかけて、臨界速度を引き起こすことがある。
【0004】
軸振動のこれらの二つのユニークな特徴の存在は:不安定性と不釣合いな励磁であり、このため軸振動を制御する必要がある。制御されないままにしておくと、不釣合な励磁によって過剰に力の移動が生じ、臨界速度が過剰な振動振幅を起こし、その一方で不安定性によって機械の破損が生じることがある。
【0005】
機械は臨界速度をクロスすることは決してないということを提言したRankineの初期の研究以来、ロータ−軸受システムの開発に主ストライドが生じた。今日では、ガスタービン、コンプレッサ、蒸気タービン、ターボエキスパンダ、およびターボチャージャなどの高速−高性能回転機械がその通常の動作工程の間に日常的に6つほどの臨界速度を超えている。
【0006】
このような高速機械の振動を制御するために、多くのターボ機械メーカが、受動的あるいは能動的振動制御に頼っている。おそらく、振動制御の最初の方法は、19世紀後半における流体膜軸受の導入であった。全ての回転する機械の問題を解決に導く提言を伴う「非接触」ジャーナル軸受の最初の適用は当時の重大な成功と認められた。しかしながら、その後すぐに、ジャーナル軸受と流体膜軸受の問題が一般に明らかになった。二つの基本的な特徴が流体膜軸受の成功を阻んだ。一つは、ジャーナル軸受のオイルワール(oil whirl)とオイルホイップ(oil whip)を引き起こす傾向であり、これは、ロータ−軸受システムの破壊的な不安定機構となりうる。これは、楕円軸受、オフセットハーフ軸受、油圧ダム型軸受、多円弧型軸受、ティルティングパッド軸受、より最近はフォイル軸受などのより精巧な流体膜軸受の導入をもたらした。これらの流体膜軸受は、より低い耐荷力のコストと、臨界速度における低減されたダンピングで、徐々に改善された安定特性を提供している。
【0007】
流体膜軸受に関する第2の問題は、速度依存特性である。流体膜軸受の剛性とダンピング特性は、無次元速度/負荷ファクタであるゾンマーフェルト数に依存している。流体膜軸受の正確な剛性とダンピング特性を決定することの困難性は、定差と有限要素法を用いたCFD計算の困難さと、流体膜軸受に装着されたロータの臨界速度の予測に影響する速度依存特性との両方によって、現在に至るまで広く行き渡っている。
【0008】
大きくて、重いロータは、耐荷力のために、流体膜軸受を使用しなくてはならない。しかしながら、より小さく、より早いロータが回転要素軸受に装着される。残念なことに、回転要素軸受は、その剛性が高く、実質的にダンピング特性がないため、なんら振動制御を提供するものではない。このため、電気モータなどのより小さい機械には問題が生じなかったが、高速で軽量の軸を使用することが必要なガスタービンジェットエンジンのアドベントに伴い、航空機エンジンに振動制御方法が必要であることは明らかであった。流体膜軸受は、高速エンジンを破壊するであろうオイルホイップの不安定な機構のため、航空機エンジンに可能な制御方法から除去されていた。
【0009】
1960年代は、受動的振動制御方法としてのスクイーズ膜ダンパとソフトサポートの導入に機が熟していた。スクイーズ膜ダンパは、回転は制限されているが振動するローリング要素軸受の外側レースを取り巻くオイル膜である。従って、これは、耐荷力または回転によって生じる不安定性のない、流体膜軸受のクラスに分類される。スクイーズ膜ダンパによって、航空機エンジンの設計者は、振動制御方法として回転機械にダンピングを取り入れることができるようになった。更に、ソフトサポートの導入によって、臨界速度の公正な配置が可能となった。従って、スクイーズ膜ダンパとソフトサポートの組み合わせは、設計者に剛性とロータ振動を受動的に制御するダンピングを提供した。
【0010】
1980年代には、研究者は回転機械用サポートとして磁気軸受を使用するという考えを開始した。このことは、軸受への電流の制御を介して磁気軸受の剛性とダンピング特性を能動的に制御することが可能であるため、回転機械の振動を能動的に制御するための扉を開くものであった。更に、制御システムの構成部品とインターフェースをとることが容易であるため、電磁システムの能動制御を考慮することは幾分自然である。
【0011】
研究の産物は、磁気軸受を用いた回転機械の能動制御に関する文献にある。実際、磁気軸受は、様々な欠点はあるものの、おそらく陸上ベースのアプリケーションで軸振動を制御するために入手可能な最良の方法であると、発明者は個人的には考えている。
【0012】
磁気軸受は、能動的振動制御のための連続的に可変である剛性とダンピング特性を提供することができ、大きな耐荷力とオイルフリーの機械を使用する可能性と共に、非接触特性に加えて、おそらく磁気軸受が回転機械の振動のサポートと能動制御に対する最良の選択であるということが明らかになる。
【0013】
しかしながら、磁気軸受には様々な欠点がある。これらの欠点には:通常の軸受より相当高価である磁気軸受のコスト;おそらく機械の完全な交換を意味するであろう故障のコスト;大きな軸受の重量とそれに関連する制御;高温に対する磁気軸受の感度;故障が生じた場合にロータを支えるための「キャッチャ軸受」と呼ばれる並行支持システムを確立する必要性と共に、信頼性を確立する必要性;が含まれる。
【0014】
これらの欠点は、航空機のエンジンへの磁気軸受の適用に影響し、今まで20年以上も積極的な研究開発を行ってきたにもかかわらず、磁気軸受は航空機のエンジンに取り入れられていない。しかしながら、多くの回転機械、特に改装したコンプレッサは、その分野に磁気軸受を使用してきており、かなりの成功を収めている。
【0015】
流体膜軸受の不安定性の歴史
オイルホイップ理論に関して1959年のY.Horiの優秀な論文があり、流体膜軸受の不安定性についての歴史が述べられている。Horiによれば、オイルワールおよびオイルホイップ現象は1925年に最初に報告された。この不安定性が報告されてから4分の3世紀がたっているにもかかわらず、この主題は現在でもまだ興味深いものである。G.Kirkは2003年に、この興味は、本質的には以下の二つの疑問に答えることにあると説明した。「ロータシステムがスレッシュホールド速度を越える可能性があるか?ロータシステムはこのスレッシュホールド速度より上で動作するか?」である。これらの二つの疑問は、不安定性の開始に影響するパラメータを理解する必要性と共に、ここに与えられているこの研究の動機でもある。
【0016】
固定ジオメトリの流体膜軸受の安定性を研究することの興味は、おそらくその歴史的な意義に有る。彼らによって、19世紀に回転機械が開発された。実際、潤滑の理論に関するD.D.Fullerの本において、流体膜軸受は、おそらくこれまでの技術開発における最も重要な単一の要素であり、重要性においては電力の効果にのみ比較可能であると提言している。初期の流体膜軸受は、負荷を担うように設計されており、連続的に機械を支えることが可能である低摩擦デバイスとして認められていた。しかしながら、20世紀になって回転機械の速度が増すと、ジャーナル軸受自体がオイルワールおよびオイルホイップの問題を起こすことがあることが確認された。このことで、多くの研究者がオイルワールとオイルホイップの現象を実験的かつ理論的に調べるようになった。
【0017】
Horiの論文においては、主な結果は、当時報告された実験結果を説明することであった。Horiは、B.L.NewkirkとJ.F.Lewisが1956年に、不安定性が生じる前に回転速度が最初の臨界速度の5、6倍に達したという実験ケースを報告し、一方で、O.Pinkusが1953年と1956年に、ホイッピングが消えて再開したケースと、安定状態と不安定状態が過渡のホイップ領域によって分かれているケースとを報告した、と報告している。Horiによれば、NewkirkとPinkusの実験は、温度効果に関してさえも多くの意味で矛盾している。NewkirkとLewisは、より温度の高いオイルはより大きな範囲で安定動作を提供すると報告しており、一方、1956年に報告されたPinkusの実験は、より低い温度のオイルがより大きな範囲の安定動作を提供することを示している。Y.Horiは1959年に、NewkirkとPinkus間のギャップの説明を試みたオイルホイップに関する理論を提供した。
【0018】
以来、60年代および70年代には、不安定性を制御する代替の流体膜軸受の設計に関する有意な研究がなされた。さらに、線形にした軸受係数を計算し、ロータの動的応答を予測することに、有意な努力が払われた。
【0019】
80年代には、ジャーナル軸受の不安定性への興味が再開した。A.Muszynskaは、ジャーナル軸受で支持されているロータを詳細にわたって試験した。彼女は、第2のモードホイールの存在を説明した。また、80年代には、分岐の分析を介してジャーナル軸受の非直線的動力を理解することの大きな進捗とホップ分岐がなされた。
【0020】
発明の概要
本発明の一の実施例は、複合型磁気−流体膜軸受であり、もう一つの実施例は、安定型流体膜軸受である。
【0021】
複合型磁気−流体膜軸受
発明の背景において述べたように、磁気軸受がおそらく回転機械の最良のサポートである。しかしながら、その欠点、本質的に信頼性に関する欠点は、多くのアプリケーション、特に航空機エンジンへのその使用を阻んでいる。又、上述したように、流体膜軸受には、高速のアプリケーションへの使用を阻む安定性の問題がある。
【0022】
本発明は、実際、両デバイスの利点と欠点によるものである。本発明は、流体膜軸受(円筒形のジャーナル軸受であるか、楕円形軸受であるか、オフセットハーフ軸受であるか、多円弧型軸受であるか、ティルティングパッド軸受であるかは、問題ではない)を、主耐荷軸受として使用し、この流体膜軸受と組み合わせた磁気軸受を不安定性の制御に使用するものである。これは、非常に効果的な組み合わせであり、この組み合わせによって安定性の問題も信頼性の問題もなく、高速で使用することができる軸受にできる。
【0023】
磁気軸受に関する多くの特許がある。例えば、
6,737,777 Magnetic bearing and use thereof;
6,727,617 Method and apparatus for providing three axis magnetic bearing having permanent magnets mounted on radial pole stock;
6,720,695 Rotor spinning device with a contact less, passive, radial bearing for the spinning rotor;
6,717,311 Combination magnetic radial and thrust bearing;
6,707,200 Integrated magnetic bearing;
6,703,736 Magnetic bearing;
6,653,756 Magnetic bearing device; 及び
6,606,536 Magnetic bearing device and magnetic bearing control device
【0024】
しかしながら、これらの特許のいずれも、磁気軸受をジャーナル軸受の不安定性の制御手段として使用することに関しては述べていない。実際、この技術の状態のほとんど、および現在の磁気軸受の開発努力は、磁気軸受を主耐荷要素として使用することに関するものであり、過剰な制御動作を用いて、回転機械にいくらかの所望の安定性の受益を提供するものである。
【0025】
また、流体膜軸受に関する多くの特許がある。例えば、
6,089,756 Plain bearing;
5,879,085 Tilt pad hydrodynamic bearing for rotating machinery;
5,879,076 Tilt pad hydrodynamic bearing for rotating machinery;
5,772,334 Fluid film bearings;
5,743,657 Tilting pad journal bearing;
5,743,654 Hydrostatic and active control movable pad bearing;
5,634,723 Hydrodynamic fluid film bearings;
5,549,392 Shaft seal for hydrodynamic bearing unit;
5,531,523 Rotor journal bearing having adjustable bearing pads;
5,516,212 Hydrodynamic bearing with controlled lubricant pressure distribution;
5,489,155 Tilt pad variable geometry bearings, having tilting bearing pads and methods of making same;
5,480,234 Journal bearing;
5,322,371 Fluid film bearing;
5,201,585 Fluid film journal bearing with squeeze film damper for turbo machinery;
5,096,309 Hydrodynamic bearing system;
5,032,028 Fluid film bearing;
4,961,122 Hydrodynamic grooved bearing device;
4,828,403 Resiliently mounted fluid bearing assembly;
4,880,320 Fluid film journal bearings;
4,767,223 Hydrodynamic journal bearings;
4,597,676 Hybrid bearing;
4,526,483 Fluid foil bearing;
4,415,281 Hydrodynamic fluid film bearing;
4,300,808 Tilting-pad bearings;
4,034,228 Tilting pad bearing; 及び
3,969,804 Bearing housing assembly method for high speed rotating shafts
【0026】
しかしながら、これらの特許はいずれも、流体膜の不安定性を制御する手段としての磁気軸受の使用を提言するものではない。
【0027】
実際、磁気軸受の開発と流体膜軸受の開発は、二つの完全に別のアイテムであり、両分野における調査は、あたかもこれらが二つの島にあるように、他方の分野における開発を認識していない。
【0028】
米国特許第6,353,273号の、ハイブリッドフォイル−磁気軸受は例外である。この発明では、フォイル軸受と磁気軸受が耐荷要素として使用されていると提言している。大きな負荷を支持するにあたり、このように、フォイル軸受と磁気軸受の各々が負荷の一部を負担することが可能である。しかしながら、本発明者の意見では、これはよい解決ではない。ハイブリッドフォイル−磁気軸受は、高速での動作は可能であるが、磁気軸受の同じ不利益をこうむっている。
【0029】
流体膜軸受と磁気軸受は公知のデバイスであるが、これらを組み合わせた形で使用できることは自明ではない。なぜなら現在の技術は、これらの軸受は競合型デバイスであり、相補型デバイスではないからである。双方とも、ある制御能力(流体膜軸受は受動制御、磁気軸受は能動制御)を有する耐荷デバイスであると考えられている。従って、磁気軸受を制御デバイスとしてのみ、また、流体膜軸受を耐荷デバイスとしてのみ考えることは発明である。これらの組み合わされた効果は、流体膜軸受と磁気軸受のすべての公知の利点に加えて、大きな耐荷能力と、優れた信頼性と、不安定性のない高速での使用という利点を有する軸受を提供することである。更に、磁気軸受は耐荷要素としては使用されないので、必要な電力が低減され、従って、ロータの振動を高い信頼性で制御することができるより小型で軽量の磁気軸受を使用することができるという更なる利点がある。
【0030】
この組み合わせは、一方が流体膜軸受で、他方が磁気軸受である二つの隣接する軸受、あるいは非隣接軸受の形を取るか、あるいは、流体膜軸受の流体が磁気軸受のロータを通過して、磁気軸受のロータとステータ間のクリアランスに入るようにした、磁気軸受内に流体膜軸受を有する一つの一体型軸受の形をとっても良い。
【0031】
しかしながら、この場合、発生する熱を消散させるために磁気軸受に大きなクリアランスが必要であり、流体膜軸受は、耐荷能力を改善するために小さなクリアランスを必要とする、という設計上の問題が生じる。この設計上の問題には、二つの方法で取り組むことができる。一つは、二つの相反する要求間の妥協するクリアランスを選択することであり、もう一つは、流体膜軸受には耐荷用の小さなクリアランスを用いて、磁気軸受において発生した熱を消散させるために増やした流体フローを用いることである。
【0032】
安定流体膜軸受
上述したとおり、流体膜軸受は、オイルワールおよびオイルホイップと呼ばれる不安定性の問題を抱えている。多くの特許が、より安定している流体膜軸受を設計する方法について述べている。例えば、
6,089,756 Plain bearing;
5,879,085 Tilt pad hydrodynamic bearing for rotating machinery;
5,879,076 Tilt pad hydrodynamic bearing for rotating machinery;
5,772,334 Fluid film bearings;
5,743,657 Tilting pad journal bearing;
5,743,654 Hydrostatic and active control movable pad bearing;
5,634,723 Hydrodynamic fluid film bearings;
5,549,392 Shaft seal for hydrodynamic bearing unit;
5,531,523 Rotor journal bearing having adjustable bearing pads;
5,516,212 Hydrodynamic bearing with controlled lubricant pressure distribution;
5,489,155 Tilt pad variable geometry bearings, having tilting bearing pads and methods of making same;
5,480,234 Journal bearing;
5,322,371 Fluid film bearing;
5,201,585 Fluid film journal bearing with squeeze film damper for turbo machinery;
5,096,309 Hydrodynamic bearing system;
5,032,028 Fluid film bearing;
4,961,122 Hydrodynamic grooved bearing device;
4,828,403 Resiliently mounted fluid bearing assembly;
4,880,320 Fluid film journal bearings;
4,767,223 Hydrodynamic journal bearings;
4,597,676 Hybrid bearing;
4,526,483 Fluid foil bearing;
4,415,281 Hydrodynamic fluid film bearing;
4,300,808 Tilting-pad bearings;
4,034,228 Tilting pad bearing; 及び
3,969,804 Bearing housing assembly method for high speed rotating shafts
【0033】
しかしながら、最も安定した流体膜軸受であるティルティングパッド軸受を含めて、これらの特許はすべて、不安定性を制御するための円周方向におけるフローを妨害する(あるいは、フォイル軸受の場合は、流体膜と連続して弾性を使用する)という共通の特徴がある。実際、ASME Journal of Tribology, vol. 126, pp.125-131(2004)は、流体膜軸受の安定性特性を改善するために円周方向における最適クリアランス構造を得るための研究を記載している。いまだ、だれもこの不安定性を制御するために軸方向におけるフローを妨害するといった試みは思いついていない。
【0034】
本発明者は実験を行い、この実験では、事実上、不安定性の問題を有することが周知であるカップリングにおける角度ミスアラインメントが、円筒型ジャーナル軸受における不安定性を取り除いていた。これらの実験は、本発明者によって、Proceedings of ASME Turbo Expo, Vienna, Austria, paper GT-2004-53644にある論文に報告されている。この論文はこの明細書に引用されている。この論文の予稿は、2004年6月15日に出願された米国暫定特許出願US60/579,866号に取り入れている。本出願は、この暫定出願の優先権の利益を主張している。これは、カップリングにおける正確なアラインメントが全ての回転機械に対して良いことであると考えられている現在の技術と逆である。実際、米国特許第4,033,042号、「Shaft alignment apparatus and method」は、カップリングにおけるロータ間のアラインメントの改善に関する技術について述べている。
【0035】
本発明は、非常に単純で、率直である。発想は軸方向におけるフローを妨げるというものであり、これによって不安定性を改善する。最も単純な形では、スリーブ(ジャーナル)軸受が、軸受軸がシャフト軸に対して斜めになるようにつくられる。従って、シャフト軸は水平方向にまっすぐであるが、軸受軸は垂直方向において所定の傾斜で傾いている。一端がシャフト軸より低く、他端がシャフト軸より高い。同じ発明が固定ジオメトリ軸受に適用されるが、水平方向に適用される。軸受軸が横向き(右側)に傾いており、これによって、軸受に所定の水平ミスアラインメントを与えている。
【0036】
もう一つの実施例では、可変ジオメトリ軸受によって軸受の角度ミスアラインメントができる。基本的な概念は非常に単純である。軸受についての所定の傾斜が事前にわかっていない場合、その分野において調整が必要である。この場合、固定ボルトによってある通路を円筒型軸受全体を斜めにすることができるような簡単な円筒型ジャーナル軸受(あるいはいずれかのタイプの流体軸受)で、軸受軸がシャフト軸に対してある傾斜を有し、この傾斜が調整可能である軸受を考える。適宜の傾斜を選択して、固定ボルトを用いて、軸受本体(および通路)をスキッドまたは台に固定する。
【0037】
上述の実施例は本発明の最も単純な形式であり、Proceedings 2004 ASME Turbo Expo Power for Land, Sea and Air on June 15, 2004に表されている上述の技術文献に記載された実験によってさらに支持されている。
【0038】
しかしながら、本発明は流体膜軸受の設計におけるその他の多くの可能性に扉を開いている。このことは、上側部分と下側部分との間に単純に歪みを取り入れることによって、二つのオフセットハーフの軸受を導入すること(これは、オフセットハーフが水平方向にオフセットしている現在の技術と対照をなしている)を含む。その他の実施例は、現在の技術を包含する場合に、楕円、多円弧型、油圧ダム型、およびティルティングパッドを、円周方向でなく軸方向に導入することを含む。あらゆる変形の可能性あるいはオイルワールおよびオイルホイップを制御するために、軸受軸に沿ったフローを妨害することが本発明の一実施例である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
添付の図面では:
【図1】図1は、隣接型磁気−ジャーナル軸受のロータ支持を示す本発明の一実施例の正面図であり、この実施例の断面図を示す。
【図2】図2aは、非隣接型磁気−ジャーナル軸受のロータ支持を示す別の実施例の正面図であり、この実施例の断面図を示す。図2bは、図2aのB部分の詳細を示す図である。
【図3】図3は、一体型磁気−ジャーナル軸受を示す本発明の別の実施例の正面図であり、この実施例の断面図を示す。
【図4】図4a−4cは、本発明の縦方向に傾斜した固定ジオメトリアッセンブリの実施例を集合的に示す図である。
【図5】図5a−5dは、本発明の水平方向に傾斜した固定ジオメトリ軸受アッセンブリの実施例を集合的に示す図である。
【図6】図6a−6cは、本発明のティルティングハウジング軸受の実施例を集合的に示す図である。
【図7】図7a−7eは、本発明の上側ティルティングハーフ軸受の実施例を集合的に示す図である。
【図8】図8a−8dは、本発明の傾斜した油圧ダム型軸受の実施例を集合的に示す図である。
【図9】図9a−9dは、本発明の傾斜した多円弧型軸受の実施例を集合的に示す図である。
【図10】図10a−10cは、本発明の先細−末広(converging-diverging)軸受アッセンブリの実施例を集合的に示す図である。
【図11】図11a−11dは、本発明の末広−先細(diverging-converging)軸受アッセンブリの実施例を集合的に示す図である。
【図12】図12a−12dは、本発明の先細(convergent)軸受の実施例を集合的に示す図である。
【図13】図13a−13dは、本発明の末広(divergent)軸受アッセンブリの実施例を集合的に示す図である。
【図14】図14a−14dは、本発明のティルティングパッド軸受の実施例を集合的に示す図である。
【図15】図15a−15dは、軸受上で軸方向において揺動する末広−先細パッド付のティルティングパッド軸受アッセンブリを示す、及び/又は軸方向の末広−先細プロファイルを有する図である。
【図16】図16a−16dは、軸受上で軸方向において揺動する先細−末広パッド付のティルティングパッド軸受アッセンブリを示す、及び/又は軸方向の先細−末広プロファイルを有する図である。
【図17】図17a−17dは、軸方向にねじれたパッドを有するティルティングパッド軸受アッセンブリを示す図である。
【図18】図18a−18dは、軸方向にステップを設けたパッドを有するティルティングパッド軸受アッセンブリを示す図である。
【0040】
発明の詳細な説明
本発明は、流体膜軸受(円筒型ジャーナル軸受、楕円軸受、オフセットハーフ軸受、多円弧型軸受、フォイル軸受、またはティルティングパッド軸受であるかどうかは実際問題でない)と組み合わせた磁気軸受を用いて流体膜軸受の不安定性を制御する方法であり、ここでは、流体膜軸受が主耐荷軸受として働き、磁気軸受が流体膜軸受の不安定性を制御する。この有効な組み合わせによって、安定性の問題も信頼性の問題もない高速で使用することのできる軸受をもたらす。流体膜軸受の不安定性を制御する代替の方法は、軸方向におけるフローを妨げることである。例えば、スリーブ(ジャーナル)軸受は、軸受軸がシャフト軸に対して傾斜しており、あるいは可変ジオメトリ軸受を製造して、軸受の角度ミスアラインメントができるようにする。
【0041】
ここで、図面を参照すると、図1ないし3は、組み合わせた磁気軸受−流体膜軸受の本発明の様々な実施例を、隣接型、非隣接型、および一体的な実施例中で、それぞれ示す。
【0042】
図1は、隣接型磁気軸受−流体膜軸受構造の構成を示す図である。図1に示す正面図では、電磁ステータ12aを具える磁気軸受アッセンブリ12がハウジング12b内に固定されており、シャフト16に装着されているロータ12cを制御するのに使用されている。耐荷要素は、流体膜軸受アッセンブリ18であり、ハウジング18aによって支持されている。この負荷は流体膜軸受18によって支持され、一方、磁気軸受12は、高速時に流体膜軸受18内で生じる不安定性を制御するのに使用されている。
【0043】
図2a−2bは、非隣接型磁気軸受−流体膜軸受構造の構成を示す図である。図2aは、正面図を示しており、電磁ステータ12aを有する磁気軸受アッセンブリ12はハウジング12bに固定されて、シャフト16に装着されたロータ12cを制御するのに使用されている。耐荷要素は、ハウジング18aによって支持されている流体膜軸受アッセンブリ18である。負荷は、流体膜18によって支持され、一方で、磁気軸受12を用いて、高速の流体膜軸受18に生じる不安定性を制御している。図2bは、巻線と、ロータ12cと、ハウジング12bと、シャフト16が付いた磁気軸受ステータ12aの詳細を示す。図1と図2の間の主な相違は、図1においては、磁気軸受と流体膜軸受が隣接しており(互いに近接している)、図2では、磁気軸受と流体膜軸受が非隣接である(比較的遠い、あるいは互いにスペースを置いて遠くに配置されている)ことである。
【0044】
図3は、一体型磁気軸受−流体膜軸受アッセンブリ14構造の構成を示す図である。図3には正面図が示されており、電磁ステータ14aを有する磁気軸受14dはハウジング14bに固定されて、シャフト16に装着されたロータ14cを制御するのに使用されている。耐荷要素は、流体膜軸受14eであり、流体膜は、ステータ14aとロータ14cとの間のクリアランスを埋めている。負荷は、流体膜軸受14eによって支持され、一方で、磁気軸受14dを用いて、高速の流体膜軸受14eに生じる不安定性を制御している。これは、磁気軸受14dに一体化させた流体膜軸受14eによるコンパクトな構成である。
【0045】
図4ないし18は、縦方向に傾斜した固定ジオメトリ軸受、水平方向に傾斜した固定ジオメトリ軸受、ティルティングハウジング軸受、上側傾斜ハーフ軸受、傾斜した油圧ダム軸受、傾斜した多円弧型軸受、先細−末広軸受、末広−先細軸受、末広軸受、先細軸受、および軸方向のティルティングパッド軸受および変形を含む、安定した流体膜軸受の実施例の様々な例を示す。
【0046】
縦方向に傾斜した固定ジオメトリ軸受アッセンブリ20の実施例の一例を図4a乃至4cに示す。この軸受20aは、縦方向に傾斜して、システムの安定性を促進している(図4bのC−C線断面図を参照)。流体膜20bは、軸受20aの上のシャフト20cを支持しており、シーリング20dを用いてシールされている。ハウジング下側部分20eとハウジング上側部分20fのハウジングハーフは、軸受アッセンブリ20の部分を成しており、軸受20aを支持している。この場合のシャフト軸20gは水平機械用で水平であるが、軸受自体は縦方向に傾斜して、安定性を促進している。
【0047】
水平方向に傾斜した固定ジオメトリ軸受アッセンブリ30の実施例の一例が図5a乃至5dに示されている。軸受30aは水平方向に傾いており、システムの安定性を促進している(図5cのB−B線断面図を参照)。流体膜30bは、軸受30a上でシャフト30cを支持しており、シーリング30dを用いてシールされている。ハウジング下側部分30eとハウジング上側部分30fのハウジングハーフは、軸受アッセンブリ30の部分を成しており、軸受30aを支持している。図5dは、水平方向の傾きを持つ二つの軸受ハーフを示す図である。この場合のシャフト軸30gは水平機械用で水平になり、軸受自体が機械の軸に対して水平方向に傾斜して、安定性を促進している。
【0048】
図6a−6cは、ティルティングハウジング軸受アッセンブリ40の実施例の一例を示す図である。軸受40aはまっすぐであり、ハウジング下側部分40bとハウジング上側部分40cを具えるハウジングが調整可能である。各側部の二本のボルト40dを使用して、ハウジングをサポートに固定している。ハウジング部分40b、40c内の曲線溝がこのボルト40dに使用されている。ボルト40dを緩めることによって、ハウジング部分40b、40c(従って、及び軸受40a)をシャフト40eに対してねじることができ、次いで、ハウジング部分を再び締めて所望のねじり量に固定する。オイル膜40gが図6cに示されている。これは、調整した軸受の角度ミスアラインメントを有する安定軸受を案内する。
【0049】
図7a−7eは、上側ティルティングハーフ軸受アッセンブリ50の実施例の一例を示す。この実施例では、上側軸受ハーフ50aのみが傾斜しており、シャフト50cの軸に整合しておらず、下側軸受ハーフ50bは正常である。この状態は、図7dおよび7eに最も良く見られる。これらの後者の二つの図面はさらに、オイル膜50dとハウジングの上側部分および下側部分50e、50fを示す。実際、現在の技術によれば、上側ハーフをオフセットさせることが可能であるが、本発明では、上側ハーフ50aが傾斜している(軸がシャフト軸に対して傾いている)。実際、これらの図面は、オフセットし、かつ傾斜している上側ハーフ50aを有する軸受に関するものである。
【0050】
図8a−8dは、傾斜した油圧ダム型軸受アッセンブリ60の実施例の一例を示す。この軸受60aは、本質的に円筒型軸受であるが、ダム60dを具えている。ダムの目的は、軸受のフローと負荷を妨害し、これによって、安定特性を改善することである。現在の技術によればダムが可能である。しかしながら、本発明は、シャフト60bの軸60cに対して傾斜したエッジを有するダムであり、従って、角度負荷と軸上の流れの妨害を提供している。図8bのA−A線断面、および図8cの拡大図がこのダムを示す。オイル膜が図8cに符号60eで示されている。傾斜したダムの詳細を図8dに示す。
【0051】
図9a−9dは、傾斜した多円弧型軸受アッセンブリ70の実施例の一例を示す。現在の技術によれば、いくつかの円弧で多円弧型軸受70aを構成し、各円弧が異なる位置に曲率中心を有し、従って、フローに対する円周上の妨害を提供して安定性を改善することが可能である。このことは、一つの中心しかない円筒型軸受と逆である。多円弧型軸受は、二つの円弧(楕円形軸受であり、上側および下側ハーフが二つの異なる中心を有する)、三つの円弧、四つの円弧(図9a−9dに示すような)、あるいはそれ以上の円弧を有していても良い。我々が請求することは、各円弧が自身の曲率中心を有している(図9d、符号70b参照)ばかりでなく、図9d、および図9bと9cに示すA−A線断面およびB−B線断面にそれぞれ明らかに示すように、各円弧が軸上で傾斜しており、軸上のフローを妨害していることである。
【0052】
軸上でフローを妨害するという概念を完成するためには、先細軸受、末広軸受、先細−末広軸受、あるいは、末広−先細軸受を考えることができる。現在の技術では同様の軸受はないが、これらの実施例は、軸上のフローの妨害を介して安定性を改善することができる。
【0053】
上記に示している通り、これらの実施例は以下のように示される:先細−末広軸受アッセンブリ80(図10a−10c)、末広−先細軸受アッセンブリ90(図11a−11d)、先細軸受アッセンブリ100(図12a−12d)及び、末広軸受アッセンブリ110(図13a−13d)。これらの全ての軸受アッセンブリにおいて、対応する軸受80a、90a、100a、110aは、各シャフト80b、90b、100b、110bに対して、その各名称によってそれぞれ示されているように、軸上で流れを妨害する。
【0054】
もう一つの実施例は、ティルティングパッド軸受アッセンブリ120である。これらの軸受は、円周方向において本質的に揺動する複数パッド120bを有するように設計されており、これによって、円周方向においてフローを妨害する。図14a−14dは、この実施例を代表的に示すものであり、軸方向にはっきりと揺動し、従って軸方向のフローを妨害している。図14dは、外側ケーシング120c上で軸方向に揺動するティルティングパッド120bを示す。
【0055】
ティルティングパッド軸受においてさらに軸上のフロー妨害を行うための、本発明の更なる実施例が図15、16、17、及び18に示されている。図15a−15dは、軸受130c上で軸方向に揺動し、及び/又は軸上に末広−先細プロファイルを有する末広−先細パッド130bを有するティルティングパッド軸受アッセンブリ130を示し、一方、図16a−16dは、軸受140c上で軸方向に揺動し、及び/又は軸上に先細−末広プロファイルを有する先細−末広パッド140bを有するティルティングパッド軸受アッセンブリ140を示す。図17a−17dは、軸方向にねじったパッド150bを有するティルティングパッド軸受アッセンブリ150を示し、一方、図18a−18dは、軸方向にステップのついたパッド160bを有するティルティングパッド軸受アッセンブリ160を示す。
【0056】
これらの実施例は、軸方向のフローを妨害することによって安定性を進歩的に強化する本発明の様々な実施例のすべてである。
【0057】
本発明は、上記の概念的な実施例を用いてフォイル軸受に適用することもできる。軸上のフローを妨害する本発明の上述した構成は、上述したようにねじるあるいは傾斜させることによって軸上のフローを妨害することを介して、フォイル軸受に適用することができる。
【0058】
上述した内容は、単に本発明の一又はそれ以上の実施例の詳細な説明に過ぎず、本発明の精神と範囲から離れることなくここに示す開示によって、開示した実施例に様々な変更を行うことができると解するべきである。従って、上述の説明は、本発明の範囲を制限することを意味するものではない。むしろ、本発明の範囲は、請求の範囲とその均等物によってのみ決められるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高速ロータあるいはシャフトアッセンブリで使用するラジアル流体膜軸受を含む流体膜軸受における不安定性を制御する方法において、
磁気軸受とラジアル流体膜軸受とを組み合わせるステップを具え、前記ラジアル流体膜軸受が主耐荷軸受であり、
前記組み合わせた磁気軸受とラジアル流体膜軸受とが二つの隣接型軸受あるいは非隣接型軸受の形を取り、一方が前記ラジアル流体膜軸受であり、他方が前記磁気軸受であり、
前記磁気軸受が前記ラジアル流体膜軸受の不安定性を制御する手段として作用するように構成されていることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記ラジアル流体膜軸受が、円筒型ジャーナル軸受、楕円軸受、オフセットハーフ軸受、多円弧型軸受、ティルティングパッド軸受、およびフォイル軸受からなる群から選択されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図12d】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図13d】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図14d】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図15d】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図16d】
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【図17a】
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【図17b】
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【図17c】
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【図17d】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図18d】
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【公開番号】特開2012−177480(P2012−177480A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108503(P2012−108503)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2007−516079(P2007−516079)の分割
【原出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(506414705)
【Fターム(参考)】