説明

流路切換器、液状体交換方法、液滴吐出装置

【課題】液状体の交換の際、交換後の液状体に他の液状体が混ざることを防止する。
【解決手段】液状体を流通させる複数の流入路112(第1流通路)を有する弁座部材1
10(第1部材)と、弁座部材110に対して回転可能かつ回転軸方向に移動可能に設置
され、複数の流入路112のいずれかと連通し、液状体を流通させる流出路121(第2
流通路)を有する回転弁120(第2部材)と、回転弁120を移動させる駆動部130
とを備え、回転弁120は、弁座部材110に対する回転軸方向の移動で、その回転位置
に応じて流出路121が複数の流入路112のいずれかと選択的に連通する連通位置と、
複数の流入路112を塞ぐ閉鎖位置とに配置されるようにした流路切換器100である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の流入路から流出路に連通させる流入路を選択して切り換える流路切換
器、該流路切換器を用いた液状体交換方法、該流路切換器で交換した液の液滴をワークへ
吐出する液滴吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、液滴吐出ヘッドからパネル基板などのワークに機能液の液滴
を吐出して着弾させることにより、該ワークにパターンを形成する工業応用の液滴吐出装
置(インクジェット描画装置)がある。この種の液滴吐出装置は、機能液の液滴を吐出す
る液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに機能液を供給する機能液供給部とを備えている

【0003】
上記のような液滴吐出装置では、一台の液滴吐出装置で、異なる複数種類のワークへの
描画処理を順次に行うことがある。その場合、描画処理を施すワークの種類を変更する度
に、液滴吐出ヘッドに供給する機能液の種類を交換する必要がある。特に、多品種少量生
産に用いる液滴吐出装置では、このような機能液の交換を頻繁に行わなければならない。
【0004】
そこで、機能液供給部は、異なる種類の機能液を貯留する複数の液貯留タンクと、各液
貯留タンクに接続した個別の配管とを備えるとともに、個別の配管の中から液滴吐出ヘッ
ドに連通させる配管を選択して切り換える切換器を備えるようにすることが考えられる。
これにより、液滴吐出ヘッドからの液滴の吐出に際して、切換器による配管の切り換えで
複数の機能液から所望の機能液を選択して液滴吐出ヘッドに供給できる。
【0005】
上記のような切換器に適用可能な構成例として、特許文献2に記載の切換弁がある。特
許文献2に記載の切換弁は、複数の流路を有する弁箱に一の流路を有する回転弁体が回転
自在に装着されており、回転弁体の回転によって、一の流路が複数の流路のいずれかと選
択的に連通する。ところが、特許文献2の切換弁では、回転弁体の回転によって回転弁体
の流路が弁箱の各流路に順番に連通するため、これを液滴吐出装置の切換器に適用すると
、機能液の交換の際に所望する機能液の流路が液滴吐出ヘッドに連通する前に、一旦、他
の機能液の流路が液滴吐出ヘッドに連通する場合がある。そうすると、他の機能液が液滴
吐出ヘッドに流入し、交換後の機能液に混入する。
【0006】
このような他の機能液の混入を防止するには、個別の配管に開閉弁を取り付け、機能液
の交換の際に所望しない機能液の流路を開閉弁で閉じるようにすればよい。しかしながら
、開閉弁で流路を閉じても、開閉弁と切換器との間にある機能液の液滴吐出ヘッドへの流
入は防止できない。また、個別の配管にそれぞれ開閉弁を設置すると、機能液供給部の部
品点数が増える上に、機能液を交換する際に各開閉弁を個別に開閉操作する必要があり、
装置の取り扱いが煩雑になる。
【特許文献1】特開2003−26673号公報
【特許文献2】特開平5−133482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、簡単な構成で、液状体を交
換する際に交換後の液状体に他の液状体が混ざることを効果的に防止できる流路切換器、
及び該流路切換器による液状体交換方法、及び該流路切換器を備える液滴吐出装置を提供
することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明の流路切換器は、液状体を流通させる複数の第1流通路
を有する第1部材と、第1部材に対して回転可能かつ回転軸方向に移動可能に設置され、
複数の第1流通路のいずれかと連通し、液状体を流通させる第2流通路を有する第2部材
とを備え、第2部材は、第1部材に対する回転軸方向の移動で、その回転位置に応じて第
2流通路が複数の第1流通路のいずれかと選択的に連通する連通位置と、複数の第1流通
路を塞ぐ閉鎖位置と、に配置されることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、第2流通路に連通する第1流通路を切り換える際に、第2部材を閉
鎖位置に配置して回転させることで、第1流通路を塞いだ状態で第2流通路を移動させる
ことができる。これにより、第2流通路を所望する第1流通路以外の第1流通路と連通さ
せずに済む。したがって、液状体の交換の際、交換後の液状体に他の液状体が混ざること
を効果的に防止できる。また、第2流通路に連通する第1流通路の切り換えの際にすべて
の第1流通路を塞いだ状態で切り換えが行えるので、各第1流通路に連通する流路に開閉
手段を設ける必要がなく、流路切換器の周辺の構成が簡単になる。
【0010】
また、上記の流路切換器では、第1部材は、第2部材を回転可能かつ回転軸方向に移動
可能な状態で収納する収納部を有し、第2部材は、収納部内で回転軸周りの外周面が収納
部の内周面に当接して回転し、複数の第1流通路は収納部の内周面に開口し、第2流通路
は第2部材の外周面に開口してもよい。
【0011】
この構成によれば、第2流通路に連通する第1流通路を所望する以外の第1流通路に連
通させずに切り換えることが可能な流路切換器を簡単な構成で実現できる。
【0012】
また、上記の流路切換器では、複数の第1流通路の前記開口は、収納部の内周面におけ
る回転軸の軸方向の同一位置に配列されていてもよい。
【0013】
この構成によれば、第2部材の第1部材に対する回転位置に応じて第2流通路に連通す
る第1流通路を選択できるので、第1流通路の選択が簡単に行えるようになる。
【0014】
また、上記の流路切換器では、第2部材は、閉鎖位置でのみ回転可能に構成されていて
もよい。
【0015】
この構成によれば、連通位置で第2部材が回転しない。したがって、連通位置で一の第
1流通路に連通している第2流通路が誤って他の第1流通路に連通することを防止できる
。また、第2流通路に連通する第1流通路を切り換える際に、第2流通路が所望する第1
流通路以外の第1流通路に連通することを確実に防止できるようになる。
【0016】
また、本発明の上記流路切換器を用いた液状体交換方法は、第2部材を連通位置に配置
して、複数の第1流通路のうち一の第1流通路を第2流出路に連通させて第1流通路の液
状体を第2流通路へ流通させる手順と、第2部材を閉鎖位置へ移動して複数の第1流通路
を塞ぐ手順と、閉鎖位置で第2部材の回転により複数の第1流通路のうち他の流通路を選
択する手順と、第2部材を連通位置へ移動して、第2流通路を選択した第1流通路に連通
させて第1流通路の液状体を第2流通路へ流通させる手順とを有することを特徴とする。
【0017】
この液状体交換方法によれば、第2流通路へ流通させる液状体を交換する際に第1流通
路を塞いだ状態で第2流通路を移動させるので、第2流通路を所望する第1流通路以外の
第1流通路と連通させずに済む。したがって、第2流通路へ流通させる液状体を交換する
際に交換後の液状体に他の液状体が混ざるおそれがなくなる。
【0018】
また、本発明は、ワークに機能液の液滴を吐出する液滴吐出装置であって、複数の種類
の機能液を貯留する複数の液貯留部と、上記いずれかに記載の流路切換器と、液滴吐出部
と、複数の機能液貯留部と流路切換器を接続する複数の機能液流路と、液滴吐出部と流路
切換器を接続する一の共通流路とを有し、各機能液流路は、流路切換器の各第1流通路に
接続され、共通流路は、流路切換器の第2流通路に接続されていることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、液滴吐出装置の液滴吐出部に供給する機能液を交換する際に簡単な
手順で機能液を交換でき、かつ、交換後の機能液に他の機能液が混ざるおそれがない。し
たがって、機能液の頻繁な交換が必要な多品種少量生産に用いる液滴吐出装置にこの構成
を適用すれば、液滴吐出装置の運転の効率を向上させ、生産性を上げることができる。ま
た、異なる種類の機能液が混ざらずに済むので、液滴吐出装置で製造されるパネルなどの
製品の品質が良くなる。
【0020】
上記液滴吐出装置では、複数の機能液貯留部のうち少なくとも1つは、洗浄液を貯留す
る洗浄液貯留部であってもよい。
【0021】
この構成によれば、液滴吐出装置に供給する機能液を交換する際に洗浄液貯留部を液滴
吐出装置に連通させることで、流路切換弁や液滴吐出装置を洗浄できる。このように、流
路の切り換えで流路切換弁や液滴吐出装置を洗浄できるので、機能液の交換を短時間で効
率良く行うことができ、液滴吐出装置の稼働率を向上させることが可能となる。
【0022】
上記液滴吐出装置の液滴排出部は、インクジェットヘッドを備えている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の流路切換器、液交換方法、液滴吐出装置によれば、簡単な構成あるいは方法で
、液状体を交換する際に交換後の液状体に他の液状体が混ざることを効果的に防止できる

【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施形態:流路切換器〕
図1は、本発明の一実施形態にかかる流路切換器の概略構成例を示す図で、(a)は平
面図、(b)及び(c)は、(a)のA−A断面図である。流路切換器100は、弁座部
材(第1部材)110と、該弁座部材110に対して回転可能かつ回転軸方向に移動可能
に設置された回転弁(第2部材)120と、回転弁120を駆動する駆動部130とを備
えて構成されている。
【0025】
弁座部材110は、中心部に円柱形状の凹部からなる収納部111が形成された略円筒
形状の部材である。弁座部材110には、複数の流入路112(第1流通路)が形成され
ている。各流入路112は、弁座部材110の中心軸から該中心軸に直交する外側に向か
って放射状に形成されている。各流入路112は、収納部111の内周面に設けた開口1
12aから弁座部材110の外周面に設けた開口112bへ直線状に連通している。本実
施形態では、流入路112は、弁座部材110の円周方向で等間隔(90度間隔)に4個
形成されている。各流入路112は、開口112bに接続された配管113を介してタン
ク(図示せず)などの液体源に接続されている。各タンクには、異なる種類の液が貯留さ
れている。これにより、各流入路112は、異なる種類の液を流入させるようになってい
る。
【0026】
回転弁120は、弁座部材110の収納部111に収納される略円柱形状の部材である
。回転弁120は、収納部111に収納される際に中心軸周りの外周面120aが収納部
111の内周面111aに当接し、外周面120aと内周面111aとの間が液密状態に
なる。回転弁120は、収納部111内で中心軸(回転軸)周りに回転可能になっている
。また、回転軸の軸方向にスライド移動可能になっている。
【0027】
回転弁120には一個の流出路121(第2流通路)が形成されている。流出路121
は、回転弁120の外周面120aに設けた開口121aから回転弁120の上面120
bに設けた開口121bに連通し、両開口121a,121bの間が回転弁120内で略
直角に屈曲する流路になっている。流入路112は、開口121bに接続された配管12
3を介して液を供給する供給先へ連通している。
【0028】
回転弁120を駆動する駆動部130は、モータ及びシリンダ(図示せず)などの駆動
源を備えて構成され、回転弁120に固定されたシャフト131を回転軸周りに回転させ
るとともに回転軸方向に進退移動させる。このシャフト131の回転及び回転軸方向の移
動によって、回転弁120が回転軸周りに回転するとともに回転軸方向にスライド移動す
る。
【0029】
回転弁120は、回転軸方向のスライド移動によって、図1(b)に示す連通位置と図
1(c)に示す閉鎖位置とに配置される。連通位置では、回転弁120が収納部111内
における回転軸方向の一端(図では下端)に位置し、閉鎖位置では、回転弁120が収納
部111内における回転軸方向の他端(図では上端)に位置する。
【0030】
流入路112の開口112aは、収納部111の内周面111aにおける回転軸方向の
一の位置(一の高さ位置)で回転方向に沿って等間隔(90度間隔)に配列されている。
一方、流出路121の開口121aは、回転弁120が連通位置にあるときに、該開口1
21aの回転軸方向の位置(高さ位置)が流入路112の開口112aの回転軸方向の位
置と一致するように形成されている。
【0031】
これにより、回転弁120が連通位置にあるとき、回転弁120の回転位置に応じて流
出路121が流入路112のいずれかと選択的に連通する。一方、回転弁120が閉鎖位
置にあるときは、回転弁120の回転位置に関わらず、すべての流入路112が回転弁1
20の外周面120aで塞がれる。また、流出路121も弁座部材110の内周面111
aで塞がれる。
【0032】
この流路切換器100には、図示は省略するが、回転弁120の回転を閉鎖位置でのみ
許容し、回転軸方向の他の位置での回転を許容しないロック機構を設けるとよい。このロ
ック機構によれば、回転弁120の連通位置での回転を防止できる。このロック機構は、
例えば、駆動部130に設けるストッパー機構などにより、シャフト131が突出した位
置でのみ該シャフト131の回転を許容するように構成する。
【0033】
上記構成の流路切換器100で、流出路121から流出させる液を切り換える手順を説
明する。図2は、この手順を説明するための図である。まず、同図(a)に示すように、
回転弁120を連通位置に配置する。この状態で、回転弁120の回転位置に応じて流出
路121が一の流入路112に連通し、該流入路112の液が流出路121から流出する

【0034】
流出路121から流出させる液の種類を切り換えるには、同図(b)に示すように、回
転弁120を閉鎖位置へスライド移動させる。これにより、各流入路112と流出路12
1とが塞がれる。そこから、同図(c)に示すように、回転弁120を回転させ、流出路
121の開口121aを所望の流入路112の開口112aに対応する位置に配置する。
その後、同図(d)に示すように、回転弁120を回転軸方向にスライド移動させて連通
位置へ戻す。これにより、流出路121が所望の流入路112と連通し、流入路112の
液を流出路121から流出させることができる。流出路121から流出させる液をさらに
他の液に変更する場合は、上記と同じ手順を繰り返す。
【0035】
流路切換器100によれば、流出路121に連通する流入路112を切り換える際に、
流入路112を塞いだ状態で切り換えを行うことができる。これにより、流出路121が
所望の流入路112に連通する前に他の流入路112に連通することがなくなる。したが
って、流出路121から流出させる液を交換する際に、交換後の液に他の液が混ざるおそ
れがない。
【0036】
また、流路切換器100によれば、回転弁120が閉鎖位置で流入路112と流出路1
21とを塞ぐので、従来の流路切換器のように各流入路112に連通する配管に開閉弁を
設ける必要がない。したがって、流路切換器100や周辺の機器の構成が簡単になる。ま
た、回転弁120の回転及び回転軸方向の移動だけで流路の切り換えが行えるので、流路
切換器100の構成が簡単になる上に、液を交換する際の操作が簡単になる。
【0037】
また、流路切換器100では、複数の流入路112の少なくともいずれかを他の流入路
112から流入させる液体を洗浄する洗浄液を流入させる流入路112とすることが望ま
しい。このように構成することで、液の交換の際に、一旦、流出路121を洗浄液の流入
路112と連通させれば、流出路121やその下流側の配管などの洗浄を行うことができ
る。その後、流出路121を所望の液の流入路112に連通させても、交換後の液に交換
前の液が混ざらずに済む。
【0038】
なお、流路切換器100に上記のロック機構を設ければ、連通位置で一の流入路112
に連通している流出路121が誤って他の流入路112に連通することを防止できる。ま
た、流出路121に連通する流入路112を切り換える際に、流出路121が所望する流
入路112以外の流入路112に連通することを確実に防止できる。
【0039】
本実施形態の流路切換器100は4個の流入路112を備えているが、流入路の数はこ
れに限らず複数個であれば他の数でもよい。また、流入路112や流出路121の配置や
形状も上記実施形態に示すものには限定されない。また、本実施形態では、回転弁120
を移動させる駆動部130を備える場合を説明したが、回転弁120を手動で移動させて
流路を切り換えるように構成することも可能である。その場合は、駆動部130を省略で
きる。
【0040】
また、本実施形態では、流出路を有する流出側部材が回転可能に設置された回転弁12
0であり、流入路を有する流入側部材が回転弁120を回転可能に収納する弁座部材11
0である場合を説明したが、これとは逆に、流入路を有する流入側部材が回転可能に設置
された部材であり、流出路を有する流出側部材が回転する部材に対して固定された部材で
あってもよい。
【0041】
また、本実施形態では、流路切換器100の回転軸方向を垂直方向に配置した場合を説
明したが、流路切換器100は回転軸方向を水平方向に配置するなど、他の姿勢で設置す
ることも可能である。
【0042】
〔第2実施形態:液滴吐出装置〕
図3乃至図5は、本発明の一実施形態にかかる液滴吐出装置1の概略全体構成例を示す
図で、図3はその斜視図であり、図4はその平面図であり、図5はその側面図である。ま
た、図6乃至図8は、液滴吐出装置1が備えるヘッドユニット20の構成例を示す図で、
図6はその平面図であり、図7は図6のA方向から見た側面図であり、図8は図6のB方
向から見た側面図である。また図11は、ヘッドユニット20に搭載される液滴吐出ヘッ
ド10の構成例を示す斜視図である。また図12は、この液滴吐出装置1が備える機能液
供給機構80の構成例を模式的に示す図である。
【0043】
液滴吐出装置1は、いわゆるフラットディスプレイなどのパネル基板の製造ラインに組
み込まれる装置であり、機能液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド10を用いた液滴吐出法
により、ワーク(基板)上に液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素とな
る発光素子などを形成するもので、上記の各図に示すように、ワークに機能液の液滴を吐
出して描画処理を施す液滴吐出ヘッド10と、該液滴吐出ヘッド10を取り付けたヘッド
ユニット20と、該ヘッドユニット20を搭載したキャリッジユニット30と、キャリッ
ジユニット30やワークWを移動させる移動機構40と、液滴吐出ヘッド10の保守整備
を行うメンテナンス機構60と、液滴吐出ヘッド10に機能液を供給する機能液供給機構
80とを備えて構成されている。またこの液滴吐出装置1には、いずれも図示は省略する
が、装置全体を制御する図示しない制御機構のほか、装置の各部に駆動・制御用の圧縮エ
アーを供給するエアー供給手段や、ワークWを下記する吸着テーブル45に吸着するため
のエアー吸引を行うエアー吸引装置などの各種の付帯装置も備えられている。また、移動
機構40の下記するセットテーブル42上にワークWをセットする際に用いるワーク認識
カメラ16や、キャリッジユニット30に搭載されたヘッドユニット20の位置補正を行
う図示しないヘッド認識カメラも設置されている。
【0044】
移動機構40は、図3及び図4に示すように、ワークWをセットするセットテーブル4
2と、主走査方向であるX軸方向に延在してセットテーブル42を同方向に移動させるX
軸テーブル41と、一対のY軸支持ベース57を備えて副走査方向であるY軸方向に延在
するY軸テーブル51と、Y軸テーブル51に沿って移動自在に支持されたキャリッジユ
ニット30とを備えている。Y軸テーブル51は、複数本の支柱52によってX軸テーブ
ル41を跨ぐように架け渡されており、キャリッジユニット30は、このY軸テーブル5
1上でY軸方向に沿って複数個(本実施形態では7個)並べて設置されていて、各キャリ
ッジユニット30には、複数個の液滴吐出ヘッド10が取り付けられたヘッドユニット2
0が搭載されている。そして、X軸テーブル41とY軸テーブル51の交わる領域がワー
クWに対して描画を行う描画領域Cになっている。一方、Y軸テーブル51に沿う描画領
域Cの一端側には、メンテナンス機構60の吸引ユニット62及びワイピングユニット6
3が設置されたメンテナンス架台64が備えられている。
【0045】
X軸テーブル41は、図3及び図4に示すように、ワークWをセットするセットテーブ
ル42と、セットテーブル42をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ
43と、X軸方向に延在し、セットテーブル42を介してワークWをX軸方向に移動させ
る左右一対のX軸リニアモータ(図示せず)と、X軸リニアモータに並設されてX軸エア
ースライダ43の移動を案内する一対のX軸ガイドレール44とを備えている。このX軸
テーブル41では、X軸リニアモータを駆動すると、X軸エアースライダ43がX軸ガイ
ドレール44にガイドされた状態でX軸方向に沿って移動し、セットテーブル42上のワ
ークがX軸方向に移動するようになっている。
【0046】
セットテーブル42は、図5に示すように、ワークWを吸着セットする吸着テーブル4
5と、吸着テーブル45を回動自在に支持するθテーブル46とを備えている。吸着テー
ブル45は厚板状の石盤で構成され、図3及び図4に示すように、その表面にはワークW
を吸引するための吸引溝45aが形成されている。そしてこの吸引溝45aには、上記の
エアー吸引手段に連通する図示しない吸引孔が形成されており、この吸引溝45aを介し
てワークWに吸引力を作用させるようになっている。
【0047】
Y軸テーブル51は、複数のブリッジプレート53を支持するY軸スライダ(図示せず
)と、Y軸支持ベース57上に設置されて該Y軸スライダを介してブリッジプレート53
をY軸方向に移動させるY軸リニアモータ(図示せず)と、該Y軸リニアモータと並んで
Y軸支持ベース57上に設置され、各Y軸スライダの移動を案内する一対のY軸ガイドレ
ール(図示せず)とを備えている。Y軸リニアモータを駆動することで、各Y軸スライダ
がY軸ガイドレールで案内されてY軸方向に沿って平行移動する。これにより、ブリッジ
プレート53がY軸方向に沿って移動するようになっている。なおこの場合、Y軸リニア
モータの駆動を制御することにより、各ブリッジプレート53をY軸方向に沿って各々独
立に移動させることも可能であるし、すべてのブリッジプレート53を一体に移動させる
ことも可能である。
【0048】
図9は、キャリッジユニット30の構成を示す図で、該キャリッジユニット30をX軸
方向の一方の側部から見た側面図である。同図及び図5に示すように、ブリッジプレート
53には、該ブリッジプレート53の下面側に垂下する吊設部材54と、この吊設部材5
4の下端に設置された回転支持機構55とを介して、ヘッドユニット20を載置するヘッ
ドユニット載置台56が取り付けられている。回転支持機構55は、このヘッドユニット
載置台56を水平面内で回転可能に支持するように構成されている。なお図示は省略する
が、吊設部材54には、回転支持機構55を介してヘッドユニット載置台56を昇降させ
るヘッドユニット昇降機構が組み込まれており、このヘッドユニット昇降機構によって、
ヘッドユニット載置台56に載置されたヘッドユニット20の高さ位置を調整できるよう
になっている。
【0049】
ヘッドユニット20は、図6乃至図8に示すように、ヘッドプレート21と、該ヘッド
プレート21に取り付けられる複数個(本実施形態では12個)の液滴吐出ヘッド10と
、各液滴吐出ヘッド10をヘッドプレート21に取り付けている図7に示すヘッド保持部
材22とを備えて構成されている。ヘッドプレート21は、図6に示すようにその一部が
切り欠かれた略長方形の平板状に形成された弁座部材21aと、該弁座部材21aの長手
方向の両側の辺に取り付けられた一対の支持部材23,23と、各支持部材23の端部に
設けた一対のハンドル24,24とを備えて構成されている。ハンドル24,24は、こ
のヘッドユニット20をヘッドユニット載置台56に載せ込む際に把持するために用いる
ものである。弁座部材21aは、ステンレス等の厚板で構成され、その長手方向に沿って
二列に各6個の液滴吐出ヘッド10を取り付けるための装着開口25が形成されていると
共に、その適宜位置に、重量を軽減するための抜き孔19が形成されている。各装着開口
25は、6個の液滴吐出ヘッド10の並びに沿ってその軸線が弁座部材21aの長手方向
に沿う軸線に対しわずかに傾いて配置されている。また、図9に示すように、このヘッド
ユニット20は、ヘッドプレート21の弁座部材21aの長手方向が液滴吐出装置1の副
走査方向(Y軸方向)に平行となる向きで、ヘッドユニット載置台56に載せ込まれるよ
うになっている。
【0050】
これにより、ヘッドプレート21上で、主走査方向(X軸方向)に対し所定の角度傾い
た状態で設置された各液滴吐出ヘッド10が、副走査方向(Y軸方向)に沿って6個ずつ
二列に配列された状態になる。また、各列の液滴吐出ヘッド10は、副走査方向(Y軸方
向)に対し相互に位置をずらした状態で配置されていて、各液滴吐出ヘッド10の下記す
る吐出ノズル15aが、副走査方向において一部重複した状態で連続するようになってい
る。なお、上記の液滴吐出ヘッド10の配列パターンは一例であり、各6個の液滴吐出ヘ
ッド10の全吐出ノズル15aによるドットが副走査方向において連続するように構成し
ていれば、これ以外の配列パターンとすることも可能である。また、配列する液滴吐出ヘ
ッド10の個数やその配列数も任意である。
【0051】
さらにこのヘッドプレート21には、各列の液滴吐出ヘッド10の上部位置に設置した
一対の配管接続アッセンブリ26,26と、一対の配管接続アッセンブリ27,27が設
けられている。このうち一方の配管接続アッセンブリ26,26は、液滴吐出装置1のフ
ィルタ材料供給系に配管接続されており、他方の配管接続アッセンブリ27,27は、液
滴吐出装置1の制御系に配線接続されている。なお図6では、一対の配管接続アッセンブ
リ26,26のうち、一方の列の各液滴吐出ヘッド10に取り付けた配管接続アッセンブ
リ26のみを図示しており、他方の列の各液滴吐出ヘッド10に取り付けた配管接続アッ
センブリ26は、その図示を省略している。
【0052】
各配管接続アッセンブリ26は、図7に示すように、ヘッドプレート21の弁座部材2
1aの長辺方向の両端部に立設した一対のスペーサ28,28と、スペーサ28,28の
間に渡した押さえプレート29と、押さえプレート29に搭載した複数組(6組)の配管
アダプタ36とで構成されている。各配管アダプタ36は、その下端のヘッド側接続部分
36aをわずかに突出した状態で、各々が押さえプレート29に固着されている。また、
押さえプレート29の下側に突出する配管アダプタ36のヘッド側接続部分36aと、押
さえプレート29の下方に配置された液滴吐出ヘッド10の間には、配管接続部材38が
介在している。
【0053】
各配管接続アッセンブリ27は、図8に示すように、ヘッドプレート21の左右の端部
に立設した屈曲支持部材37と、屈曲支持部材37の上端に固定したコネクタベース32
と、コネクタベース32上に取り付けた配線コネクタ33付きの4つのヘッド中継基板3
4とで構成されている。4つのヘッド中継基板34は、それぞれが図示しないフレキシブ
ルフラットケーブルを介して、下記する各液滴吐出ヘッド10の2連のヘッド基板13に
接続されている。なお、図7に示すように、ヘッドユニット20にはさらに、配管接続ア
ッセンブリ27を覆う中継基板カバー35が設けられている。
【0054】
また、図8に示すように、各配管接続アッセンブリ26の上側には圧力調節弁50が設
置されている。なお、図6及び図7では圧力調節弁50の図示は省略している。この圧力
調節弁50は、機能液供給機構80の下記する機能液タンク81の水頭に影響されること
なく液滴吐出ヘッド10に機能液を安定して供給するためのもので、機能液タンク81側
に連通する流入路73と、液滴吐出ヘッド10側に連通する流出路74とを備えている。
図10は、この圧力調節弁50の内部構成を示す側断面図である。同図に示すように、圧
力調節弁50は、流入路73から連通する1次室75と、流出路74に連通する2次室7
6と、これら1次室75と2次室76を連通する連通流路77とをバルブハウジング78
内に形成している。そして、1次室75の一方の側面には、外部に面してダイヤフラム7
9が設けられていると共に、連通流路77には、ダイヤフラム79により当該連通流路7
7を開閉動作する弁体86が設置されている。これにより、機能液タンク81から1次室
75に導入された機能液は、2次室76を介して液滴吐出ヘッド10に供給されるが、そ
の際に、所定の調整基準圧力(ここでは大気圧)によってダイヤフラム79が変位する。
すると、連通流路77に設けた弁体86が開閉動作して、2次室76の機能液圧力が所定
の圧力(僅かに負圧)になるように2次室76内の圧力が調整される。
【0055】
このような圧力調節弁50を機能液タンク81と液滴吐出ヘッド10の間に設置したこ
とによって、上記したように機能液タンク81の水頭に影響されることなく、液滴吐出ヘ
ッド10に機能液を安定して供給することが可能となる。すなわち、液滴吐出ヘッド10
のノズル面15(図11参照)の位置と、圧力調節弁50(ダイヤフラム79の中心)の
位置との高低差を所定の値とすることで、機能液の供給圧を所定圧に保つことができるよ
うになっている。なお、弁体86の閉弁時において、1次室75および2次室76は縁切
りされており、圧力調節弁50は、機能液タンク81側(1次側)で発生した脈動等を吸
収するダンパー機能を有している。また、機能液タンク81には加圧送液された機能液が
補充されるが、この場合、1次室75内の圧力が高まることで圧力調節弁50が閉弁状態
となるため、機能液補充時に液滴吐出ヘッド10から余分な機能液が排出されないように
することができる。
【0056】
次に、液滴吐出ヘッド10の構成を説明する。図11に示すように、液滴吐出ヘッド1
0は、機能液を導入する機能液導入部12と、機能液導入部12に連なる2連のヘッド基
板13と、機能液導入部12の下方に連なりその内部に機能液で満たされるヘッド内流路
(図示せず)が形成されたヘッド本体14とを備えている。また、機能液導入部12には
、機能液タンク81に連通する配管(下記する共通配管84)に接続されて機能液導入部
12に機能液を供給する接続針11が設置されている。ヘッド本体14は、キャビティ1
4a(ピエゾ圧電素子)と、多数の吐出ノズル15aが開口したノズル面15を有するノ
ズルプレート14bとで構成されている。この液滴吐出ヘッド10を吐出駆動すると、ピ
エゾ圧電素子に電圧が印加されることによるキャビティ14aのポンプ作用によって、ノ
ズル面15の吐出ノズル15aから機能液の液滴が吐出されるようになっている。
【0057】
なお、多数の吐出ノズル15aは、等間隔(2ドットピッチ間隔)で整列配置され、2
列の分割ノズル列が形成されていると共に、各分割ノズル列同士は、相互に1ドットピッ
チ分だけその位置がずれて配置されている。これにより、液滴の吐出による1ドットピッ
チ(高解像度)の描画処理が可能となっている。また、ヘッドユニット20に搭載された
12×7個の液滴吐出ヘッド10は、R・G・B3色の機能液(インク)のいずれかに対
応しており、ワークに3色の機能液からなる描画パターンを描画できるようになっている

【0058】
そして、上記構成の液滴吐出ヘッド10を取り付けた図6に示すヘッドユニット20を
、図5及び図9に示すY軸支持ベース57に沿って整列した各ブリッジプレート53に取
り付けたヘッドユニット載置台56上に載置することで、ヘッドユニット20をY軸方向
に沿って直線状に並べて配置している。本実施形態では、7個のヘッドユニット20を並
べて配置していることで、12×7個の全液滴吐出ヘッド10がY軸方向に連続して配列
され、各ヘッドユニット20の描画ラインがY軸方向に連続して1描画ラインが形成され
るようになっている。
【0059】
次に、メンテナンス機構60について説明する。メンテナンス機構60は、図3に示す
ように、液滴吐出ヘッド10からの液滴の捨て吐出を受けるフラッシングユニット61と
、液滴吐出ヘッド10から機能液を吸引して強制的に排出させる吸引ユニット62と、液
滴吐出ヘッド10のノズル面15を払拭するワイピングユニット63とを備えている。フ
ラッシングユニット61は、液滴吐出装置1のX軸テーブル41上に設置されていて、吸
引ユニット62とワイピングユニット63は、Y軸テーブル51に沿ってヘッドユニット
20が移動可能な位置の下側に配設されたメンテナンス架台64上に設置されている。
【0060】
フラッシングユニット61は、図4に示すように、描画前フラッシングユニット65と
、定期フラッシングユニット66とを備えている。描画前フラッシングユニット65は、
液滴吐出装置1によるワークWへの描画動作中、ワークWに機能液を吐出する直前にヘッ
ドユニット20の全液滴吐出ヘッド10を吐出駆動してフラッシング処理を行うものであ
り、定期フラッシングユニット66は、ワークWの載せ換えの際など描画動作が一時的に
休止される時に、ヘッドユニット20の全液滴吐出ヘッド10を吐出駆動してフラッシン
グ処理を行うものである。
【0061】
描画前フラッシングユニット65は、セットテーブル42上に設置された機能液を受け
る一対の描画前フラッシングボックス67,67を備えている。各描画前フラッシングボ
ックス67,67は長方形の細長い箱状に形成されていて、その底部に吸収材(図示せず
)が敷設されている。そして、各描画前フラッシングボックス67,67は、ボックス支
持部材(図示せず)を介してその長辺部分が吸着テーブル45のY軸方向に平行な一対の
辺に沿って設置されている。そして、これら描画前フラッシングボックス67,67の上
面が、吸着テーブル45の上面と略同一高さの面になっている。したがって、吸着テーブ
ル45を介してワークWをX軸方向に往復動させると、ヘッドユニット20の全液滴吐出
ヘッド10が、ワークWに臨む直前に、順次描画前フラッシングボックス67,67に臨
み、描画前フラッシングを行うことができるようになっている。
【0062】
定期フラッシングユニット66は、図5に示すように、定期フラッシングボックス68
と、X軸エアースライダ43に搭載されて定期フラッシングボックス68を支持する一対
のボックス支柱部材69とを備えている。定期フラッシングボックス68は、機能液を受
けるようにその上面が開放された長方形の箱状に形成されていて、底面には、機能液を吸
収する吸収材(図示せず)が敷設されている。またこの定期フラッシングボックス68は
、ヘッドユニット20の全液滴吐出ヘッド10からの定期フラッシングを受けられるよう
に、ヘッドユニット20の全液滴吐出ヘッド10を包含し得る大きさに構成されている。
また、ボックス支柱部材69は、セットテーブル42と共にX軸エアースライダ43のス
ライダ本体43aに固定されており、X軸エアースライダ43を移動させると、このボッ
クス支柱部材69を介して定期フラッシングボックス68もX軸方向に沿って移動するよ
うに構成されている。
【0063】
ボックス支柱部材69は、定期フラッシングボックス68の上端面がヘッドユニット2
0に搭載された液滴吐出ヘッド10のノズル面15の高さ位置よりも僅かに(2〜3mm
程度)低い位置となるように、定期フラッシングボックス68を高さ調整可能に支持して
いる。なお、図3及び図4では、X軸テーブル41のX軸方向の手前側の位置がワーク載
せ換え位置Dになっていて、ボックス支柱部材69は、セットテーブル42をワーク載せ
換え位置Dに臨ませた際に、定期フラッシングボックス68がヘッドユニット20に臨む
ようにこれを支持している。これにより、ワークWの載せ換え中にヘッドユニット20の
全液滴吐出ヘッド10の定期フラッシングを行うことができ、液滴吐出ヘッド10を適切
な状態に維持することが可能となる。
【0064】
次に、吸引ユニット62は、図4に示すように、各キャリッジユニット30に搭載され
た各ヘッドユニット20に対応して複数個設けられており、これらは、メンテナンス架台
64上でY軸方向に沿って整列配置されている。各吸引ユニット62は、ヘッドユニット
20に搭載された12個の液滴吐出ヘッド10に対応する12個のキャップ62aを有し
、吸引を行うヘッドユニット20に対して下側から臨み、対応する各キャップ62aをそ
れぞれ各液滴吐出ヘッド10のノズル面15に密着させるようになっている。また、吸引
ユニット62を昇降させて液滴吐出ヘッド10(ノズル面15)に対してキャップ62a
を離接させる昇降機構(図示せず)と、図12に示す、密着させたキャップ62aを介し
て各液滴吐出ヘッド10に吸引力を作用させる吸引機構91とを備えている。
【0065】
吸引機構91は、図12に示すように、キャップ62aから回収タンク92へ機能液を
吸引するチューブポンプ等の吸引ポンプ(吸引駆動源)93と、キャップ62aと吸引ポ
ンプ93との間の流路(吸引路)に設けられた吸引バルブ(開閉手段)94及び該吸引バ
ルブ94の開閉を制御する制御部94aと、吸引バルブ94と吸引ポンプ93の間に設け
られた吸引異常を検出する吸引圧検出センサー99と、回収タンク92に回収された機能
液を機能液ボトル95へ送出する廃液ポンプ96と、回収タンク92内の機能液の上限を
検出するタンク上限検出センサー97などを備えて構成されている。
【0066】
この吸引機構91による機能液の吸引(機能液の強制排出)は、液滴吐出ヘッド10(
吐出ノズル15a)の目詰まりを解消(防止)するために、所定数のワークWの描画処理
を行う毎に、又は所定時間の描画処理を行った後で行われる。また、下記する機能液供給
機構80による機能液の種類の交換を行った際に、流路切換器100から液滴吐出ヘッド
10に至る共通配管84や液滴吐出ヘッド10に機能液を充填するためにも吸引が行われ
る。さらに、液滴吐出装置1を新設した場合や、液滴吐出ヘッド10の交換を行った場合
にも吸引が行われる。一方、吸引ユニット62のキャップ62aは、液滴吐出装置1の非
稼動時に、液滴吐出ヘッド10に被せてこれを保護するためにも用いられる。この場合、
吸引ユニット62にヘッドユニット20を臨ませ、液滴吐出ヘッド10のノズル面15に
キャップ62aを密着させることにより、ノズル面15を封止して吐出ノズル15aの乾
燥を防止する。
【0067】
さらに、吸引ユニット62のキャップ62aは、液滴吐出ヘッド10の捨て吐出(予備
吐出)により吐出された機能液を受けるフラッシングボックスとしての機能も備えており
、吸引ユニット62に臨んだ一部のヘッドユニット20に対してのみ吸引を行う場合には
、吸引を行わない他のヘッドユニット20からキャップ62aに対して捨て吐出を行わせ
るようになっている。この場合、キャップ62aは、昇降機構によってその上面が液滴吐
出ヘッド10のノズル面15から僅かに離間する位置まで移動するようになっている。
【0068】
次に、ワイピングユニット63は、図4に示すように、洗浄液を噴霧したワイピングシ
ート70で液滴吐出ヘッド10のノズル面15を払拭するものであり、ロール状に巻回し
たワイピングシート70を繰り出しながら巻き取る巻取りユニット71と、繰り出したワ
イピングシート70に洗浄液を散布する洗浄液供給ユニット(図示せず)と、洗浄液が散
布されたワイピングシート70でノズル面15を拭き取る拭取りユニット72を備えてい
る。ワイピング動作は、吸引ユニット62による吸引後などに行われ、ノズル面15に付
着した汚れを払拭する。また、図3及び図4に示すように、ワイピングユニット63は吸
引ユニット62よりも描画領域Cに近い側に配設されており、吸引ユニット62による吸
引後に描画領域Cに戻るヘッドユニット20に臨んで、効率良くワイピング動作を行える
ようになっている。
【0069】
また、図示は省略するが、各吸引ユニット62及びワイピングユニット63は、メンテ
ナンス架台64に組み込まれたユニット昇降機構によって昇降自在に支持されており、こ
れらの両ユニット62、63を所定の退避位置まで下降させることにより、ユニット自身
のメンテナンスやキャリッジユニット30に搭載したヘッドユニット20を交換するため
の作業領域をこれら吸引ユニット62、ワイピングユニット63上に確保できるようにな
っている。なお、メンテナンス機構60としては、上記の各ユニットに加えて、図示及び
詳細な説明は省略するが、液滴吐出ヘッド10の吐出不良を検査する吐出不良検査ユニッ
トや、液滴吐出ヘッド10から吐出された液滴の重量を測定する重量測定ユニットなどを
備えても良い。
【0070】
ここで、上記構成の液滴吐出装置1においてワークに描画処理を行う際の一連の動作に
ついて簡単に説明する。先ず、セットテーブル42をX軸テーブル41上のワークの載せ
換え位置Dに配置して、図示しないワーク搬送機構で搬送されたワークWをセットテーブ
ル42上に載置して吸着保持する。そして、X軸テーブル41を駆動することで、セット
テーブル42を介してワークWを主走査(X軸)方向に往動させる。このワークWの往動
と同期して、描画領域Cに臨むヘッドユニット20の液滴吐出ヘッド10が駆動され、ワ
ークWに対する機能液滴の選択的な吐出(描画)処理が行われる。ワークWの往動が終了
すると、Y軸テーブル51が駆動されて、ヘッドユニット20がY軸方向に沿って所定距
離だけ移動する。そして、再度、X軸テーブル41が駆動されると共に、これと同期して
液滴吐出ヘッド10の吐出駆動が行われることで、ワークWの復動とワークWに対する機
能液滴の選択的な吐出が行われる。このように、液滴吐出装置1では、ワークWの主走査
方向への移動及びこれに同期した液滴吐出ヘッド10の吐出駆動(主走査)と、ヘッドユ
ニット20の副走査方向への移動(副走査)とを交互に繰り返すことによって、ワークW
に対する描画処理を行うようになっている。
【0071】
次に、液滴吐出装置1が備える機能液供給機構80について説明する。図12に示す機
能液供給機構80は、液滴吐出ヘッド10に機能液を供給するもので、機能液Lを貯留す
るための機能液タンク(液貯留タンク)81と、機能液タンク81に接続された個別配管
82とを備えている。これら機能液タンク81と個別配管82とで液滴吐出ヘッド10に
機能液Lを供給する配管系統90が構成されている。機能液タンク81は、貯留する機能
液Lの種類ごとに設置されていて、一の機能液供給機構80には、機能液タンク81と個
別配管82とからなる配管系統90が複数設置されている。各機能液タンク81に接続さ
れた個別配管82は、流路切換器100に接続されている。また、流路切換器100と液
滴吐出ヘッド10との間は一本の共通配管84で接続されていて、共通配管84の途中に
は上述した圧力調節弁50が設置されている。
【0072】
流路切換器100は、接続されている各個別配管82の中から液滴吐出ヘッド10に連
通する個別配管82を選択して切り換えるものである。流路切換器100の詳細な構成及
び操作手順は第1実施形態で説明したとおりである。各個別配管82は、それぞれ流路切
換器100の流入路112(図1参照)に接続されており、共通配管84は、流出路12
1(図1参照)に接続されている。
【0073】
また、機能液タンク81のうちの少なくとも一個は、洗浄液L´が貯留された洗浄液タ
ンク81aであり、該洗浄液タンク81aには洗浄液配管82aが接続されている。ここ
での洗浄液は、機能液としてインクを用いる場合には、該インクの溶媒とすることができ
る。また、アルコールと水の混合液などでもよい。
【0074】
流路切換器100は、図8に示すように、液滴吐出装置1におけるキャリッジユニット
30に搭載されたヘッドユニット20上の圧力調節弁50の上部位置などに取り付けるこ
とができる。またその一方で、機能液タンク81は、液滴吐出装置1を設置しているフロ
ア(図示せず)上などに設置することができ、これら流路切換器100と機能液タンク8
1の間を各個別配管82で接続する。
【0075】
次に、上記構成の機能液供給機構80で、液滴吐出ヘッド10に供給する機能液の種類
を交換する手順について説明する。ここでは、一の機能液タンク81から液滴吐出ヘッド
10に供給されている機能液(インク)で描画処理を行った後で、液滴吐出ヘッド10に
供給する機能液を他の種類の機能液に交換する場合を説明する。まず、流路切換器100
によって一の個別配管82と共通配管84とが連通している状態で、流路切換器100の
回転弁120を連通位置から閉鎖位置へ移動させ、個別配管82から流路切換器100へ
の機能液の流入を停止させる。その状態で、流路切換器100の回転弁120を回転させ
、洗浄液配管82aが接続された流入路112を選択する。一方で、ヘッドユニット20
をメンテナンス機構60の吸引ユニット62に臨ませて、液滴吐出ヘッド10に吸引ユニ
ット62のキャップ62aを被せる。その後、流路切換器100の回転弁120を連通位
置へスライド移動させ、共通配管84と洗浄液配管82aとを連通する。キャップ62a
に接続された吸引機構91で液滴吐出ヘッド10から洗浄液L´を吸引することで、流路
切換器100の流出路121と共通配管84と液滴吐出ヘッド10とに洗浄液を流通させ
て、これらの洗浄処理を行う。
【0076】
流路切換器100の流出路121と共通配管84と液滴吐出ヘッド10とが洗浄された
ら、吸引機構91による洗浄液L´の吸引を停止する。そして、流路切換器100の回転
弁120を閉鎖位置へスライド移動させ、洗浄液配管82aが接続された流入路112を
閉じる。その後、閉鎖位置で回転弁120を回転させ、次に使用する種類の機能液Lが貯
留された機能液タンク81が接続された流入路112を選択する。そこから、流路切換器
100の回転弁120を連通位置へスライド移動させて、個別配管82と共通配管84を
連通させる。その後、液滴吐出ヘッド10からキャップ62aを介して吸引機構91で機
能液Lを吸引し、共通配管84及び液滴吐出ヘッド10に機能液Lを流通させる。
【0077】
さらに、液滴吐出ヘッド10に供給する機能液を他の機能液タンク81に貯留された機
能液Lに切り換える際にも、上記と同様の手順を行うようにすればよい。
【0078】
本実施形態の液滴吐出装置1が備える機能液供給機構80では、流路切換器100を設
けたことにより、液滴吐出ヘッド10に供給する機能液を交換する際に簡単な手順で機能
液を切り換えることができ、かつ、切り換えた後の機能液に他の機能液が混ざるおそれが
ない。したがって、機能液の頻繁な交換が必要な多品種少量生産を行う場合などに液滴吐
出装置1の運転の効率が向上し、生産性が良くなる。また、異なる種類の機能液が混ざる
おそれが無いので、液滴吐出ヘッド10から吐出される液滴の質を良好に維持でき、液滴
吐出装置1で生産するパネルなどの品質を向上させることができる。
【0079】
液滴吐出装置1においては、機能液としてインクを用いる場合、同系統の色のインクで
あっても、描画処理を施すワークの種類ごとに僅かに異なる品種のインクを多種類用意し
て、これを切り換えて使用しなければならない場合がある。その場合、本実施形態の液滴
吐出装置1では、各機能液タンク81に貯留する機能液として、それぞれの機能液タンク
81ごとに異なる品種のインクを貯留しておくようにすると良い。またそれ以外にも、液
滴吐出ヘッド10から吐出するインクを、描画処理を施すワークの種類に応じて必要な濃
度のインクに切り換えて使用するような場合には、各機能液タンク81に、同系色であっ
て濃度の異なるインクをそれぞれ貯留しておけば良い。さらに、ワークの描画処理を行う
際に、液滴吐出ヘッド10から吐出するインクの色自体を切り換えることができるように
するためには、各機能液タンク81に異なる色のインクをそれぞれ貯留しておくことも可
能である。また、本実施形態の機能液供給機構80で液滴吐出ヘッド10に供給する機能
液は、上記したインクには限られず、その他にも、配線材料(パターン)や線材形成材料
などの液体材料や他の液体材料などを機能液タンク81に貯留して、液滴吐出ヘッド10
に供給するようにしてもよい。
【0080】
なお、液滴吐出装置1が複数の液滴吐出ヘッド10を備える場合、上記構成の機能液供
給機構80から複数の液滴吐出ヘッド10に一括で機能液が供給されるように構成するこ
とも可能である。即ち、詳細な図示は省略するが、図12に示す機能液供給機構80にお
いて、共通配管84を途中で分岐させてその分岐部の下流側の分岐配管を各液滴吐出ヘッ
ド10に接続するように構成すればよい。それにより、本実施形態のように複数の液滴吐
出ヘッド10を備えた大型のパネル基板に描画処理を施す液滴吐出装置1であっても、機
能液供給機構80の設置数を少なく抑えることが可能となるので、その分、液滴吐出装置
1の小型化や機構の簡単化を図ることができる。
【0081】
上記実施形態の機能液供給機構80が備える機能液タンク81と個別配管82とからな
る配管系統90の設置数は、上記実施形態に示す数には限定されず、液滴吐出ヘッド10
に供給する機能液の種類に応じて適宜増減することが可能である。また、洗浄液用配管系
統90aの設置数も、上記各実施形態で示した1系統には限定されず、複数系統にするこ
とも可能である。また、配管系統90の設置数に応じて流路切換器100の設置数や流路
切換器100が有する流入路112の数を変更することができる。
【0082】
また、上記各実施形態で示した液滴吐出装置1の具体的な構成は一例であり、本発明に
かかる液滴吐出装置1としては、ワークに機能液の液滴を吐出する液滴吐出ヘッド10を
備えているものであれば、移動機構40などの他の部分の具体的な構成は、上記実施形態
とは異なるものであってもよい。また、上記の実施形態で示した流路切換器100や機能
液タンク81の設置場所は一例であり、流路切換器100や機能液タンク81は、上記以
外の場所に設置することも可能である。
【0083】
また、上記各実施形態の液滴吐出装置1では、ヘッドユニット20の設置個数を7個と
して7連ヘッドユニットを構成している場合を説明したが、ヘッドユニット20の設置数
は上記以外の個数であっても良く、例えば、10個のヘッドユニット20を並べて配置し
て10連ヘッドユニットを構成することも可能である。
【0084】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく
、特許請求の範囲、及び明細書、図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変
形が可能である。なお、直接明細書及び図面に記載のない何れの形状・構造・材質であっ
ても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態にかかる流路切換器の概略構成を示す図である。
【図2】流路切換器で流出路から流出させる液を切り換える手順を説明するための図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる液滴吐出装置の全体構成を示す斜視図である。
【図4】液滴吐出装置の全体構成を示す平面図である。
【図5】液滴吐出装置の全体構成を示す側面図である。
【図6】液滴吐出装置が備えるヘッドユニットの構成を示す平面図である。
【図7】ヘッドユニットの構成を示す側面図である。
【図8】ヘッドユニットの構成を示す側面図である。
【図9】キャリッジユニットの構成を示す図である。
【図10】圧力調整弁の内部の構成を示す側断面図である。
【図11】ヘッドユニットに搭載される液滴吐出ヘッドの構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる液滴吐出装置が備える機能液供給機構の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 液滴吐出装置
10 液滴吐出ヘッド
12 機能液導入部
13 ヘッド基板
14 ヘッド本体
15 ノズル面
15a 吐出ノズル
20 ヘッドユニット
21 ヘッドプレート
26 配管接続アッセンブリ
27 配管接続アッセンブリ
30 キャリッジユニット
36 配管アダプタ
38 配管接続部材
40 移動機構
41 X軸テーブル
42 セットテーブル
43 X軸エアースライダ
44 X軸ガイドレール
45 吸着テーブル
46 θテーブル
50 圧力調節弁
51 Y軸テーブル
53 ブリッジプレート
54 吊設部材
55 回転支持機構
56 ヘッドユニット載置台
57 Y軸支持ベース
60 メンテナンス機構
61 フラッシングユニット
62a キャップ
62 吸引ユニット
63 ワイピングユニット
65 描画前フラッシングユニット
66 定期フラッシングユニット
73 流入路
74 流出路
75 1次室
76 2次室
77 連通流路
78 バルブハウジング
79 ダイヤフラム
80 機能液供給機構
81 機能液タンク
81a 洗浄液タンク
82 個別配管
82a 洗浄液配管
84 共通配管
84 共通配管
85 チョークバルブ(開閉弁)
86 弁体
90 配管系統
90a 洗浄液用配管系統
91 吸引機構
100 流路切換器
110 弁座部材(流入側部材)
111 収納部
111a 内周面
112 流入路
112a 開口
112b 開口
113 配管
120 回転弁(流出側部材)
120a 外周面
120b 上面
121 流出路
121a 開口
121b 開口
123 配管
130 駆動部
131 シャフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体を流通させる複数の第1流通路を有する第1部材と、
前記第1部材に対して回転可能かつ回転軸方向に移動可能に設置され、前記複数の第1
流通路のいずれかと連通し、前記液状体を流通させる第2流通路を有する第2部材と、
を備え、
前記第2部材は、前記第1部材に対する前記回転軸方向の移動で、その回転位置に応じ
て前記第2流通路が前記複数の第1流通路のいずれかと選択的に連通する連通位置と、前
記複数の第1流通路を塞ぐ閉鎖位置と、に配置されることを特徴とする流路切換器。
【請求項2】
前記第1部材は、前記第2部材を回転可能かつ回転軸方向に移動可能な状態で収納する
収納部を有し、前記第2部材は、前記収納部内で前記回転軸周りの外周面が前記収納部の
内周面に当接して回転し、
前記複数の第1流通路は前記収納部の前記内周面に開口し、前記第2流通路は前記第2
部材の前記外周面に開口することを特徴とする請求項1に記載の流路切換器。
【請求項3】
前記複数の第1流通路の前記開口は、前記収納部の内周面における前記回転軸の軸方向
の同一位置に配列されていることを特徴とする請求項2に記載の流路切換器。
【請求項4】
前記第2部材は、前記閉鎖位置でのみ回転可能に構成されていることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれかに記載の流路切換器。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の流路切換器を用いた液状体の交換方法であって、
前記第2部材を前記連通位置に配置して、前記複数の第1流通路のうち一の第1流通路
を前記第2流通路に連通させて該第1流通路の液状体を前記第2流通路へ流通させる手順
と、
前記第2部材を前記閉鎖位置へ移動して前記複数の第1流通路を塞ぐ手順と、
前記閉鎖位置で前記第2部材の回転により前記複数の第1流通路のうち他の流通路を選
択する手順と、
前記第2部材を前記連通位置へ移動して、前記第2流通路を前記選択した第1流通路に
連通させて該第1流通路の液状体を前記第2流通路へ流通させる手順と、を有することを
特徴とする液状体交換方法。
【請求項6】
ワークに機能液の液滴を吐出する液滴吐出装置であって、
複数の種類の前記機能液を貯留する複数の機能液貯留部と、
請求項1乃至4のいずれかに記載の流路切換器と、
液滴吐出部と、
前記複数の機能液貯留部と前記流路切換器を接続する複数の機能液流路と、
前記液滴吐出部と前記流路切換器を接続する一の共通流路と、
を有し、
前記各機能液流路は、前記流路切換器の前記各第1流通路に接続され、
前記共通流路は、前記流路切換器の前記第2流通路に接続されていることを特徴とする
液滴吐出装置。
【請求項7】
前記複数の機能液貯留部のうち少なくとも1つは、洗浄液を貯留する洗浄液貯留部であ
ることを特徴とする請求項6に記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
前記液滴吐出部は、インクジェットヘッドを備えていることを特徴とする請求項6に記載
の液滴吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−66565(P2009−66565A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240515(P2007−240515)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】