説明

流量計及び流量制御装置

【課題】被測定流体の整流効果を得ながら圧力損失を低減させることができる流量計及びこれを備える流量制御装置を提供する。
【解決手段】被測定流体が流れる流路5と、流路5内に配置される整流体20と、を備え、被測定流体の流量を計測する流量計2であって、整流体20は、被測定流体の整流用の孔を有するとともに、流路5の延在方向に対して垂直な方向における流路断面積よりも広い面積を有する。流量制御装置1は、流量計2と、制御弁3と、流量計2によって検出された流量に係る情報に基づいて制御弁3を制御することにより流量計2の流路5を流れる流体の流量を調整する制御手段4と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流量計及び流量制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被測定流体の流量を検出する流量計が実用化されている。かかる流量計を用いて流量を正確に計測するためには、流路を流れる被測定流体の乱れを抑制して速度分布を安定させる必要がある。
【0003】
このため、現在においては、流量計の流路に複数枚の整流板を設けることにより、流路を流れる被測定流体の乱れを抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、近年においては、流路に複数の屈曲部を設けて流路の内壁に流体を衝突させることによって流体の速度分布を安定させる技術も提案されている(例えば、特許文献2及び3参照)。
【特許文献1】特開2005−24080号公報
【特許文献2】国際公開第2005/121718号パンフレット
【特許文献3】特開2007−121036号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたような技術を採用すると、従来の整流板は流路の延在方向に対して直交するように配置されていたため、被測定流体の圧力損失が増大するという問題があった。また、特許文献2や特許文献3に記載の技術を採用しても、再現性のある一定の流速分布を得るために設けた多くの屈曲部により、被測定流体の圧力損失が増大するおそれがある。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、圧力損失の増大を抑制しながら被測定流体の整流効果を得ることができる流量計及びこれを備える流量制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る流量計は、被測定流体が流れる流路と、この流路内に配置される整流体と、を備え、被測定流体の流量を計測する流量計であって、整流体は、被測定流体の整流用の孔を有するとともに、流路の延在方向に対して垂直な方向における流路断面積よりも広い面積を有するものである。
【0007】
かかる構成を採用すると、整流体は、流路の延在方向に対して垂直な方向における流路断面積よりも広い面積を有しているため、整流体に形成される整流用の孔の数や総面積を増大させることができるので、整流体に起因する被測定流体の圧力損失の増大を抑制することができ、しかも整流効果を得ることができる。従って、被測定流体の流量の測定精度を高めることが可能となる。
【0008】
前記流量計において、流路の延在方向に対して斜めに配置される少なくとも一つの整流板を有する整流体を採用することができる。
【0009】
かかる構成を採用すると、整流体を構成する整流板が、流路の延在方向に対して「斜め」に(すなわち流路の延在方向に直交しない状態で)配置されるため、従来のように整流板を流路の延在方向に直交させた状態で配置するよりも、整流板の面積を増大させることができる。従って、整流板に形成される整流用の孔の数や総面積を増大させることができるので、整流体に起因する被測定流体の圧力損失の増大を抑制することができ、しかも整流効果を得ることができる。従って、被測定流体の流量の測定精度を高めることが可能となる。
【0010】
前記流量計において、整流板の外周面が全周にわたって流路の内壁に当接するように配置することができる。
【0011】
かかる構成を採用すると、整流板の外周面と流路の内壁との間に作用する摩擦力により、流路に対して整流板を確実に固定することができる。また、整流板の外周面が全周にわたって流路の内壁に当接しているので、整流板と流路との間に隙間が形成されるのを防ぐことができる。
【0012】
また、前記流量計において、流路を形成するための直線状に延在する流路形成部が内部に設けられるとともに流路形成部の上方を外部に連通させるための開口部を有する流路ブロックと、この流路ブロックの開口部を塞ぐように配置される蓋部材と、を採用し、流路ブロックの開口部を蓋部材が塞ぐことにより直管状流路を形成することができる。そして、蓋部材が流路ブロックの開口部を塞ぐ際に、整流板の外周面を蓋部材に当接させる一方、整流板の外周面を流路ブロックの内壁に当接させ、整流板を蓋部材と流路ブロックの内壁との間に挟み込んで固定することができる。この際、蓋部材における整流板の当接位置と、流路ブロックにおける整流板の当接位置と、を直管状流路の延在方向において異なるように設定することができる。
【0013】
また、前記流量計において、被測定流体の流速又は流量を検出する流れセンサが配置されるセンサ流路部と、センサ流路部の上流側及び/又は下流側に形成されセンサ流路部より流路断面積が大きい拡径流路部と、を有する直管状流路を採用することができる。そして、拡径流路部のセンサ流路部側の端面を、直管状流路の延在方向に垂直な面に対して傾斜した状態で設け、整流板を、直管状流路の拡径流路部の端面に当接するように配置して固定することができる。
【0014】
かかる構成を採用すると、整流板を、直管状流路の延在方向に対して斜めに配置して固定することができる。従って、直管状流路を有する流量計において、被測定流体の圧力損失の増大を抑制することができ、なおかつ整流効果を得ることができるので、被測定流体の流量の測定精度を高めることが可能となる。
【0015】
また、前記流量計において、被測定流体の流速又は流量を検出する流れセンサが配置され直線状に延在するセンサ流路部を有するとともに、センサ流路部の上流側及び/又は下流側が屈曲部で屈曲するように構成された屈曲流路を採用することができる。かかる場合に、センサ流路部の内壁上に配置される平板と、平板の上流側端部及び/又は下流側端部に斜めに接続される整流板と、から構成される整流体を採用し、整流板の外周面を屈曲流路の屈曲部の内壁に当接するように配置することにより、整流体を屈曲流路に固定することができる。
【0016】
かかる構成を採用すると、整流板を、屈曲流路のセンサ流路部の延在方向に対して斜めに配置して固定することができる。従って、屈曲流路を有する流量計において、被測定流体の圧力損失の増大を抑制することができ、なおかつ整流効果を得ることができるので、被測定流体の流量の測定精度を高めることが可能となる。
【0017】
また、前記流量計において、屈曲流路のセンサ流路部を形成するための直線状に延在するセンサ流路形成部が内部に設けられるとともにセンサ流路形成部の上方を外部に連通させるための開口部を有する流路ブロックと、一方の面に流れセンサを有し他方の面に流れセンサを用いた計測原理を行う電気回路に接続する電気回路用電極を有する回路基板と、を採用することができる。かかる場合に、流路ブロックの開口部を回路基板が塞ぐように、かつ、回路基板の流れセンサが流路ブロックのセンサ流路形成部に臨むように、流路ブロックに対して回路基板を配置することにより、屈曲流路のセンサ流路部を形成することができる。
【0018】
かかる構成を採用すると、屈曲流路を構成する流路ブロックの開口部から整流体を入れて屈曲流路内に容易に配置することができる。
【0019】
また、前記流量計において、剛性を有する板状部材にパンチングで孔を形成することにより整流板を構成することができる。
【0020】
かかる構成を採用すると、剛性を有する整流板を得ることができ、この整流板を中流量乃至大流量計測用の流量計に適用することができる。
【0021】
また、前記流量計において、薄板にエッチングで孔を形成することにより整流板を構成することもできる。
【0022】
かかる構成を採用すると、薄型の整流板を得ることができ、この整流板を微小流量計測用の流量計に適用することができる。
【0023】
また、前記流量計において、流路の延在方向の一方に膨出するように形成された笊状の整流体を採用することもできる。
【0024】
また、本発明に係る流量制御装置は、前記流量計と、制御弁と、前記流量計によって検出された流量に係る情報に基づいて制御弁を制御することにより前記流量計の流路を流れる流体の流量を調整する制御手段と、を備えるものである。
【0025】
かかる構成を採用すると、圧力損失の増大を抑制しながら被測定流体の整流効果を得ることができ流量の測定精度が高い流量計を備えるため、流体の流量調整の精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、圧力損失の増大を抑制しながら被測定流体の整流効果を得ることができる流量計及びこれを備える流量制御装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る流量計及び流量制御装置について説明する。
【0028】
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態に係る流量制御装置1の構成の概要を説明する。本実施形態に係る流量制御装置1は、図1に示すように、流体の流量を計測する流量計2と、流量計2の下流側に設けられて流体の流量を調整する制御弁3と、制御弁3を制御する制御手段4と、を備えている。流量計2は、本発明の第1の実施形態に係る流量計であり、ストレート形状の流路(直管状流路)を有するものである。流量計2の構成については、後に詳述する。
【0029】
制御弁3は、流体が流れる一次側流路31及び二次側流路32が形成された弁座33、一次側流路31及び二次側流路32を連通する弁室34、弁室34に収納されて二次側流路32を開閉する弁体35、弁体35に連結された磁性体のプランジャ36、通電されてプランジャ36を上下させるソレノイドコイル37、等を有するソレノイド弁である。
【0030】
制御手段4は、流量計2によって検出された流量に係る情報に基づいて制御弁3を制御することにより、流体の流量を調整するものである。制御手段4は、流量計2からの検出信号を処理する信号処理回路41、制御弁3を駆動する駆動回路42、信号処理回路41によって処理された流量の検出値に基づいて駆動回路42を制御するCPU43等を有している。CPU43は、流量の検出値が設定値よりも多い場合は駆動回路42を介して制御弁3を駆動制御して流量を低減させる一方、流量の検出値が設定よりも少ない場合は駆動回路42を介して制御弁3を駆動制御して流量を増加させる。
【0031】
次に、図2〜図9を用いて、本実施形態に係る流量計2の構成について説明する。
【0032】
流量計2は、図2に示すように、被測定流体が流れる直管状流路5、直管状流路5の長手方向略中央位置に配置されて被測定流体の流速又は流量を検出する流れセンサ10、被測定流体の整流用の孔21が形成され直管状流路5内に配置される整流体20(整流板20a、20b)等を備えている。
【0033】
本実施形態における直管状流路5は、図2に示すように、流れセンサ10が配置されるセンサ流路部5aと、センサ流路部5aの上流側及び下流側に形成されセンサ流路部5aより流路断面積が大きい拡径流路部5bと、を有している。センサ流路部5a及び拡径流路部5bの断面形状は、いずれも矩形状である。直管状流路5(センサ流路部5a及び拡径流路部5b)は、流路ブロック6の上面に設けられた開口部6bを蓋部材7が塞ぐことによって形成されている。
【0034】
流路ブロック6は、図3及び図4に示すような略直方体状の筐体であり、金属や樹脂等で構成される。流路ブロック6の内部には、その長手方向一端部から他端部にわたって直線状に延在する断面矩形状の流路形成部6aが設けられている。また、流路ブロック6の上面には矩形状の開口部6bが設けられており、この開口部6bを介して流路形成部6aが外部と連通している。
【0035】
流路ブロック6の流路形成部6aの長手方向両端には、図4に示すように雌ネジ部6cが形成されており、これら雌ネジ部6cに外部の配管(例えば図1における配管P)の雄ネジ部が螺入されることにより、流量計2と配管とが接続される。流路形成部6aの長手方向中央底部6d(開口部6bと対向する下方の部分)は、長手方向両端底部6eよりも上方に若干突出するように構成されている。
【0036】
また、流路形成部6aの長手方向中央底部6dと長手方向両端底部6eとを接続する端面(拡径流路部5bのセンサ流路部5a側の端面となる部分)6fは、図4に示すように、流路形成部6aの延在方向に垂直な面に対して若干傾斜した状態で形成されている。これら端面6fは、流路ブロック6の開口部6bの長手方向両端縁6gの位置よりも内側(中央寄り)に配置されている。これら端面6fには、整流板20の下方部分が当接する。また、流路ブロック6の開口部6bの長手方向両端縁6gの近傍には、整流板20a、20bの上方部分を係止させるための切欠部6hが形成されている。切欠部6hは、端面6fに平行な傾斜面を有しており、この傾斜面に整流板20a、20bの上方部分が当接する。
【0037】
蓋部材7は、図2に示すような略直方体状の筐体であり、その下面には、流路ブロック6の開口部6bを塞ぐような形状を有する凸状部7aが設けられている。凸状部7aは、図2に示すように、その長手方向中央部7bが長手方向両端部7cよりも下方に若干突出するように形成されている。凸状部7aの長手方向両端部7cの角部7dには、流路ブロック6の切欠部6hの傾斜面と平行になるように形成された傾斜面が設けられており、この傾斜面に整流板20の上方部分が当接する。凸状部7aの長手方向中央部7bの表側(流路ブロック6側)には、直管状流路5を流れる流体の流速又は流量を検出する流れセンサ10が配置されている。流れセンサ10の構成及び機能については後に詳述する。
【0038】
蓋部材7の内部には、各種電気回路が設けられた回路基板8が配置されており、この回路基板8と流れセンサ10とが凸状部7aの長手方向中央部7bの裏側(蓋部材7の内部側)に設けられた電極を介して電気的に接続されている。また、回路基板8には信号ケーブル9が接続されており、信号ケーブル9は蓋部材7に形成された開口部7eから外部に導かれて制御手段4の信号処理回路41に接続される。
【0039】
流路ブロック6の上に蓋部材7を被せ、図2に示すように流路ブロック6の開口部6bを蓋部材7の凸状部7aで塞ぐことにより、直管状流路5が形成される。この際、蓋部材7の凸状部7aの長手方向中央部7bと、流路ブロック6の流路形成部6aの長手方向中央底部6dと、により直管状流路5のセンサ流路部5aが形成される。また、蓋部材7の凸状部7aの長手方向両端部7cと、流路ブロック6の流路形成部6aの段状底部6f及び長手方向両端底部6eと、により直管状流路5の拡径流路部5bが形成される。
【0040】
流れセンサ10は、図7及び図8に示すように、キャビティ11が設けられた基板12、基板12上にキャビティ11を覆うように配置された絶縁膜13、絶縁膜13に設けられたヒータ14、ヒータ14より上流側に設けられた上流側測温抵抗素子15、ヒータ14より下流側に設けられた下流側測温抵抗素子16、上流側測温抵抗素子15より上流側に設けられた周囲温度センサ17等を有している。
【0041】
絶縁膜13のキャビティ11を覆う部分は、断熱性のダイアフラムを構成している。周囲温度センサ17は、図2に示す直管状流路5を流れる流体の温度を測定する。ヒータ14は、キャビティ11を覆う絶縁膜13の中心に配置されており、直管状流路5を流れる流体を、周囲温度センサ17が計測した温度よりも一定温度(例えば10℃)高くなるように加熱する。上流側測温抵抗素子15はヒータ14より上流側の温度を検出するために用いられ、下流側測温抵抗素子16はヒータ14より下流側の温度を検出するために用いられる。
【0042】
ここで、図2に示す直管状流路5中の流体が静止している場合、図7及び図8に示すヒータ14で加えられた熱は、上流方向と下流方向へ対称的に拡散する。従って、上流側測温抵抗素子15及び下流側測温抵抗素子16の温度は等しくなり、上流側測温抵抗素子15及び下流側測温抵抗素子16の電気抵抗は等しくなる。これに対し、直管状流路5中の流体が上流から下流に流れている場合、ヒータ14で加えられた熱は、下流方向に運ばれる。従って、上流側測温抵抗素子15の温度よりも、下流側測温抵抗素子16の温度が高くなる。このため、上流側測温抵抗素子15の電気抵抗と、下流側測温抵抗素子16の電気抵抗に差が生じる。下流側測温抵抗素子16の電気抵抗と上流側測温抵抗素子15の電気抵抗の差は、直管状流路5中の流体の速度又は流量と相関関係がある。このため、下流側測温抵抗素子16の電気抵抗と上流側測温抵抗素子15の電気抵抗の差から、直管状流路5を流れる流体の流速又は流量が求められる。
【0043】
図7及び図8に示す基板12の材料としては、シリコン(Si)等が使用可能である。絶縁膜13の材料としては、酸化ケイ素(SiO2)等が使用可能である。キャビティ11は、異方性エッチング等により形成される。またヒータ14、上流側測温抵抗素子15、下流側測温抵抗素子16及び周囲温度センサ17のそれぞれの材料には白金(Pt)等が使用可能であり、リソグラフィ法等により形成可能である。
【0044】
整流体20は、図2に示すように、直管状流路5内の拡径流路部5bに配置され、被測定流体を整流する(被測定流体の乱れを抑制する)という機能を果たす。本実施形態における整流体20は、直管状流路5のセンサ流路部5aの上流側及び下流側に配置した2枚の整流板20a、20bである。整流体20(整流板20a、20b)は、図9(A)に示すように、直管状流路5の断面形状に対応するような矩形状の平面形状を有しており、その表側から裏側に貫通するように整流用の孔21が複数個形成されている。
【0045】
整流体20(整流板20a、20b)は、図2や図9(B)に示すように、直管状流路5の延在方向に対して斜めに(直管状流路5の延在方向に直交しない状態で)配置されている。整流板20a、20bの配置態様を具体的に説明する。整流板20a、20bの外周面の一部を含む上方部分は、図2、図5及び図6に示すように、流路ブロック6の開口部6bを蓋部材7の凸状部7aで塞いで直管状流路5を形成する際に、流路ブロック6の開口部6a付近に形成された切欠部6hの傾斜面と、蓋部材7の凸状部7aの長手方向両端部7cの角部7dの傾斜面と、に当接する(挟まれる)ように配置される。一方、整流板20a、20bの外周面の一部を含む下方部分は、流路ブロック6の長手方向中央底部6dと長手方向両端底部6eとを接続する端面(拡径流路部5bのセンサ流路部5a側の端面)6fに当接するように配置される。この端面6fは、切欠部6hよりも中央寄りに配置されているため、整流板20a、20bは、下方になるに従って中央に傾くように(上方になるに従って外方に傾くように)配置されることとなる。
【0046】
なお、整流板20a、20bの傾斜角度と、流路ブロック6の開口部6a付近に形成された切欠部6hの傾斜面の傾斜角度と、蓋部材7の凸状部7aの長手方向両端部7cの角部7dの傾斜面の傾斜角度と、流路ブロック6の長手方向中央底部6dと長手方向両端底部6eとを接続する端面6fの傾斜角度と、は全て同一の値に設定されている。また、整流板20a、20bの外周面の他の部分は、流路ブロック6の流路形成部5aを形成する内壁に当接している。この結果、整流板20a、20bは、その外周面が全周にわたって直管状流路5の内壁に当接し、流路ブロック6の内壁と蓋部材7とに挟み込まれて固定されることとなる。
【0047】
整流板20a、20bの縦横の寸法(平面形状)・厚さや整流板20a、20bに形成する孔21の個数・大きさ・形状は、流量計2の仕様、規模、被測定流体の種類等に応じて適宜設定することができる。本実施形態においては、図9(A)に示すように、縦2.93cm×横2.54cmの長方形の整流板を採用している。また、本実施形態においては、直径0.16cmの真円形の孔21を99個(縦11×横9)採用しており、全ての孔21を併せた開口面積は、1.98cm2とされている。なお、本実施形態においては、長手方向に延在する複数の孔がパンチングにより予め形成された四角柱部材を斜めに切断することにより、図9(B)に示すように、外周面の上方部分及び下方部分が若干傾斜した(主平面に対して直角でない)比較的厚手の剛性を有する整流板を構成している。整流板20a、20bの材料としては、ステンレス鋼等を採用することができる。
【0048】
以上説明した実施形態に係る流量計2においては、整流体20(整流板20a、20b)を直管状流路5の延在方向に対して「斜め」に(すなわち直管状流路5の延在方向に直交しない状態で)配置して固定することができる。従って、従来のように整流板を流路の延在方向に直交させた状態で配置するよりも、整流板20a、20bの面積を増大させることができ、整流板20a、20bに形成される整流用の孔21の数や総面積を増大させることができる。
【0049】
具体的に説明すると、本実施形態における整流体20(整流板20a、20b)は、流路の延在方向に直交した状態で配置される図10に示すような縦横2.54cm(孔81個、開口面積1.63cm2)の正方形の整流板100と比較すると、縦方向の寸法が増大しているため、孔を縦方向に2列分(18個)多く形成することができ、この結果、開口面積を0.35cm2増大させることができる。従って、整流体に起因する被測定流体の圧力損失の増大を抑制することができ、しかも整流効果を得ることができる。この結果、被測定流体の流量の測定精度を高めることが可能となる。
【0050】
また、以上説明した実施形態に係る流量計2においては、整流板20a、20bを、その外周面が全周にわたって直管状流路5の内壁に当接するように配置しているので、整流板20a、20bの外周面と直管状流路5の内壁との間に作用する摩擦力により、直管状流路5に対して整流板20a、20bを確実に固定することができる。また、整流板20a、20bの外周面が全周にわたって直管状流路5の内壁に当接しているので、整流板20a、20bと直管状流路5との間に隙間が形成されるのを防ぐことができる。
【0051】
また、以上説明した実施形態に係る流量制御装置1においては、圧力損失の増大を抑制しながら被測定流体の整流効果を得ることができ流量の測定精度が高い流量計2を備えるため、流体の流量調整の精度を向上させることができる。
【0052】
なお、本実施形態においては、孔が予め形成された四角柱部材を斜めに切断することにより図9(B)に示すような上下の側面が若干傾斜した整流体20(整流板20a、20b)を採用した例を示したが、板材をプレス加工することにより、外周面の上下部分が主平面に対して直角でかつ孔21Aを有する板状部材を形成して、図11(A)、(B)に示すような整流板20Aを製作することもできる。
【0053】
また、本実施形態においては、断面矩形状の直管状流路5を採用した例を示したが、断面円形状の直管状流路を採用することもできる。かかる場合には、図12(A)、(B)に示したように、平面形状が円形状の整流板20Bを採用することができる。なお、図12(A)、(B)に示した円形状の整流板20Bは、孔が予め形成された円柱部材を斜めに切断することにより製作したものであるが、板材をプレス加工することにより円形状の整流板を製作することもできる。また、流量計の流路の断面形状(及びこれに対応する整流板の平面形状)は、直線と曲線とを組み合わせた形状であってもよい。
【0054】
また、本実施形態においては、整流板20a、20bの外周面の一部を含む上方部分を、流路ブロック6の開口部6a付近の切欠部6hと、蓋部材7の凸状部7aの長手方向両端の角部7dと、によって挟むように配置し、整流板20a、20bを下方になるに従って中央に傾くように配置した例を示したが、整流板の配置態様はこれに限られるものではない。
【0055】
例えば、図13に示すように、蓋部材7の凸状部7aの長手方向中央部7bと長手方向両端部7cとを接続する端面(拡径流路部5bのセンサ流路部5a側の端面)7fを、流路形成部6aの延在方向に垂直な面に対して若干傾斜させて形成し、この端面7fに整流板20c、20dの外周面の一部を含む上方部分を当接させることもできる。図13に示した変形例においては、蓋部材7の凸状部7aの端面7fを、流路ブロック6の底部の端面6fよりも中央寄りに配置しており、整流板20c、20dは、上方になるに従って中央に傾くように(下方になるに従って外方に傾くように)配置される。かかる場合においても、整流板20c、20dの傾斜角度と、蓋部材7の凸状部7aの端面7fの傾斜角度と、流路ブロック6の底部の端面6fの傾斜角度と、を全て同一の値に設定することができる。
【0056】
また、本実施形態においては、整流板20a、20bの上方部分の位置と下方部分の位置とを直管状流路の延在方向において異ならせることによって、整流板20a、20bを直管状流路5の延在方向に対して斜めに配置した例を示したが、整流板の配置態様はこれに限られるものではない。例えば、整流板の前方部分(例えば図2において紙面手前側の部分)の位置と、後方部分(図2において紙面奥側の部分)の位置と、を直管状流路の延在方向において異ならせることによって、整流板を直管状流路の延在方向に対して斜めに配置することもできる。
【0057】
また、本実施形態においては、板状部材にパンチングにより孔21を形成した比較的厚手の剛性を有する(中流量乃至大流量計測用の)整流板20a、20bを採用した例を示したが、薄板にエッチングで孔を形成した薄手の(微小流量計側用の)整流板を採用することもできる。また、本実施形態においては、板状部材に複数の孔が形成された整流板20a、20bを採用した例を示したが、メッシュ状の金網を用いた整流板やスリットが複数形成された整流板を採用することもできる。
【0058】
また、本実施形態においては、整流板を流れセンサ10の上流側及び下流側の双方に配置した例を示したが、流れセンサ10の上流側にのみ整流板を配置することもできる。また、必要に応じて、整流板を3枚以上配置してもよい。また、本実施形態においては、平坦な(断面「I」字状の)整流板を採用した例を示したが、断面が「く」の字状(又は「く」の字を複数接続した形状)の整流板を採用することもできる。
【0059】
また、本実施形態においては、整流体として2枚の整流板を採用した例を示したが、整流体の構成はこれに限られるものではなく、流路の延在方向に対して垂直な方向における流路断面積よりも広い面積を有するものであればよい。例えば、図14(A)、(B)に示すような笊状の整流体20Cを採用することができる。笊状の整流体20Cは、整流用の孔21Cが多数形成され流路5の延在方向の一方(例えば下流側)に膨出するように形成された整流部22と、整流部22の周縁に連接された平坦なフランジ部23と、を有している。整流部22は、茶漉しや笊のような(球面の一部のような)曲面形状を有しており、流路5の延在方向に対して垂直な方向における流路断面積よりも広い面積を有している。フランジ部23は、拡径流路部5bのセンサ流路部5a側の端面(流路ブロック6の長手方向中央底部6dと長手方向両端底部6eとを接続する端面6f、及び、蓋部材7の凸状部7aの長手方向中央部7bと長手方向両端部7cとを接続する端面7f)に当接するように配置される。
【0060】
このような笊状の整流体20Cを採用する場合には、図14(A)に示すように、整流体20Cのフランジ部23に隣接させて固定部材24を配置するとともに、流路5の拡径流路部5bの長手方向端部の内壁に雌ネジ部SFを形成しておく。流路5の雌ネジ部SFに外部の配管Pの雄ネジ部SMを螺入し、この雄ネジ部SMの端部で固定部材24を整流体20Cのフランジ部23に押し付けることにより、固定部材24と、拡径流路部5bのセンサ流路部5a側の端面と、で整流体20Cのフランジ部23を挟持して固定することができる。
【0061】
[第2の実施形態]
次に、図15〜図20を用いて、本発明の第2の実施形態に係る流量制御装置1Aについて説明する。本実施形態に係る流量制御装置1Aは、第1の実施形態に係る流量制御装置1の流量計1の構成を変更したものであり、その他の構成については第1実施形態と実質的に同一である。このため、異なる構成を中心に説明することとし、重複する構成については第1実施形態と同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0062】
本実施形態に係る流量制御装置1Aは、図15に示すように、流体の流量を計測する流量計2Aと、流体の流量を調整する制御弁3と、制御弁3を制御する制御手段4と、を備えている。流量計2Aは、本発明の第2の実施形態に係る流量計であり、屈曲形状の流路(屈曲流路)を有するものである。制御弁3及び制御手段4の構成は、第1実施形態と実質的に同一であるので、説明を省略する。なお、図15は、流量計2Aと制御弁3とが流路を介して接続されることを示す概略構成図である。このため、流量計2Aと制御弁3とを接続する流路の構成や、流量計2A及び制御弁3の相対的な位置関係については、図15に示したものに限定されることはなく、適宜変更することができる。
【0063】
流量計2Aは、図16に示すように、流路ブロック60、整流体70、流れセンサ10等を備える。流路ブロック60は、屈曲流路50を有しており、この屈曲流路50は、第1の屈曲部51及び第2の屈曲部52で屈曲し、第1及び第2の屈曲部51、52の間で一定方向に直線状に延在している。整流体70は、第1の整流板71及び第2の整流板72を有している。これら第1の整流板71及び第2の整流板72は、各々、第1の屈曲部51及び第2の屈曲部51において、一定方向に対して斜めに屈曲流路50内に配置されている。流れセンサ10は、第1及び第2の屈曲部51、52の間の流路部(センサ流路部53)の内壁に配置され、屈曲流路50を流れる流体の流速又は流量を検出する。
【0064】
流路ブロック60の上面61には、図17及び図18に示すように、本発明におけるセンサ流路形成部に相当する凹部62が設けられている。さらに凹部62の長手方向両端の底面から、流路ブロック60の底面63に向かって、貫通孔64及び貫通孔65が形成されている。貫通孔64及び貫通孔65の断面形状は、例えば矩形とされる。但し、矩形に限定されず、直線と曲線を組み合わせた形状であってもよい。流路ブロック60の上面61の外周には、凹部62を囲むように枠66が設けられている。流路ブロック60の材料には、金属又は樹脂等が使用可能である。
【0065】
流路ブロック60の上面61には、図16に示すように、凹部62の開口部67を塞ぐように回路基板80が配置される。図17及び図18に示すように、流路ブロック60に設けられた貫通孔64、65と回路基板80で覆われた凹部62とによって、屈曲流路50が構成される。回路基板80で覆われ凹部62に設けられた貫通孔64の上方が、図16に示す第1の屈曲部51となり、第1の屈曲部51で屈曲流路50は直角に屈曲する。また、回路基板80で覆われ凹部62に設けられた貫通孔65の上方が、図16に示す第2の屈曲部52となり、第2の屈曲部52で屈曲流路50は再び直角に屈曲する。本実施形態においては、屈曲流路50の第1の屈曲部51側を屈曲流路50の上流とし、屈曲流路50の第2の屈曲部52側を屈曲流路50の下流とする。
【0066】
第1の屈曲部51及び第2の屈曲部52の間において、屈曲流路50の内壁として機能する回路基板80の下面には、流れセンサ10が配置される。流れセンサ10の構成は、第1実施形態と実質的に同一であるので、説明を省略する。回路基板80の上面には、流れセンサ10を用いた計測原理を行う電気回路に接続する(図示されていない)電気回路用電極が設けられている。そして、流路ブロック60の開口部67を回路基板80が塞ぐように、かつ、回路基板80の流れセンサ10が屈曲流路50のセンサ流路部53に臨むように、回路基板80が配置される。
【0067】
整流体70は、第1及び第2の整流板71、72と、これらの間に配置され第1及び第2の整流板71、72に接続された平板73と、を有している。整流体70の平板73は、図19に示すように平面形状が矩形状とされており、図20に示すように流路ブロック60の凹部62の平坦な底面に貫通孔64、65を塞がないように配置される。流路ブロック60の凹部62の幅と整流体70の平板73の幅とは略同一寸法とされ、平板73の側面は凹部62の内壁に接している。このため、流路ブロック60の凹部62の内壁と整流体70の平板73の側面との間に働く摩擦力により、平板73は凹部62の底面に固定される。
【0068】
整流体70の第1及び第2の整流板71、72は、平面形状が矩形状とされており、図20に示すように、平板73に対して斜めに(直交しない状態で)接続されている。第1及び第2の整流板71、72は、一辺で平板73の一辺に接続され、他の三辺で流路ブロック60の凹部62の内壁に当接している。また、第1及び第2の整流板71、72の外周面の上方部分は、回路基板80の下面にも当接している。このため、流路ブロック60及び回路基板80と第1及び第2の整流板71、72の外周面との間に働く摩擦力により、第1及び第2の整流板71、72は、凹部62の底面に設けられた貫通孔64、65(開口)を斜めに覆うように固定される。
【0069】
整流体70の第1及び第2の整流板71、72には、多数の孔が設けられている。第1及び第2の整流板71、72の縦横の寸法(平面形状)・厚さや、第1及び第2の整流板71、72に形成する孔の個数・大きさ・形状は、流量計2Aの仕様、規模、被測定流体の種類等に応じて適宜設定することができる。本実施形態においては、第1及び第2の整流板71、72として、メッシュ状の整流板を採用している。平板73と第1及び第2の整流板71、72は一体化していてもよい。平板73及び第1及び第2の整流板71、72は、例えばステンレス鋼板の端部に多数の孔をエッチングにより設け、端部を折り曲げることにより得ることができる。折り曲げる際には、平板73の一部に多数の孔が残るように折り曲げてもよい。
【0070】
以上説明した実施形態に係る流量計2Aにおいては、整流体70を構成する第1及び第2の整流板71、72を屈曲流路50のセンサ流路部53の延在方向に対して「斜め」に(すなわちセンサ流路部53の延在方向に直交しない状態で)配置して固定することができる。このため、従来のように整流板を流路の延在方向に直交させた状態で配置するよりも、整流板71、72の面積を増大させることができ、整流板71、72に形成される整流用の孔の数や総面積を増大させることができる。従って、整流体70に起因する被測定流体の圧力損失の増大を抑制することができ、しかも整流効果を得ることができる。この結果、被測定流体の流量の測定精度を高めることが可能となる。
【0071】
また、以上説明した実施形態に係る流量計2Aにおいては、整流体70を構成する整流板71、72の3辺と、整流体70を構成する平板73の側面と、を屈曲流路50の内壁に当接するように配置しているため、整流板71、72及び平板73と屈曲流路50の内壁との間に作用する摩擦力により、屈曲流路50に対して整流体70を確実に固定することができる。
【0072】
また、以上説明した実施形態に係る流量計2Aにおいては、屈曲流路50を構成する流路ブロック60の凹部62の底面に整流体70を配置した状態で、流路ブロック60の開口部67を回路基板80で塞ぐことにより、センサ流路部53を形成するので、整流体70をセンサ流路部53に対してきわめて容易に配置することができる。
【0073】
また、以上説明した実施形態に係る流量制御装置1Aにおいては、圧力損失の増大を抑制しながら被測定流体の整流効果を得ることができ流量の測定精度が高い流量計2Aを備えるため、流体の流量調整の精度を向上させることができる。
【0074】
なお、本実施形態においては、断面矩形状の屈曲流路50を採用した例を示したが、断面円形状の流路や、直線と曲線とを組み合わせた形状の流路を採用することもできる。かかる場合には、その流路の断面形状に対応した平面形状を有する整流板を採用するようにする。
【0075】
また、本実施形態においては、エッチングで孔を形成した薄手の(微小流量計側用の)整流板71、72を採用した例を示したが、板状部材にパンチングにより孔を形成した比較的厚手の剛性を有する(中流量乃至大流量計測用の)整流板を採用することもできる。
【0076】
また、以上の各実施形態においては、流量検出手段として熱式流量センサを採用した例を示したが、かかる熱式流量センサに代えて、他の方式(超音波式や電磁式)の流量センサを流量検出手段として採用することもできる。また、本実施形態においては、本発明を気体流量計に適用した例を示したが、液体の流量を検出する流量計に本発明を適用することもできる。その他、本発明を、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。なお、以上の説明において用いた「上」及び「下」という語は便宜的な表現であり、必ずしも重力方向に対する方向の限定を表すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る流量制御装置の構成を説明するための概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る流量計(直管状流路を有するもの)の断面図である。
【図3】図2の流量計の流路ブロックの上面図である。
【図4】図3の流路ブロックをIV-IV方向から見た場合の断面図である。
【図5】図2の流量計の整流体(整流板)が配置された流路ブロックの上面図である。
【図6】図5の整流板が配置された流路ブロックをVI-VI方向から見た場合の断面図である。
【図7】図2の流量計の流れセンサの斜視図である。
【図8】図7の流れセンサをVIII-VIII方向から見た場合の端面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る流量計の整流板の一例(矩形状)を示すものであり、(A)は流路上流側から見た図、(B)は流路側方から見た断面図である。
【図10】従来の流量計の矩形状の整流板を示すものであり、(A)は流路上流側から見た図、(B)は流路側方から見た断面図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る流量計の整流板の他の例(矩形状)を示すものであり、(A)は流路上流側から見た図、(B)は流路側方から見た断面図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る流量計の整流板の他の例(円形状)を示すものであり、(A)は流路上流側から見た図、(B)は流路側方から見た断面図である。
【図13】本発明の第1の実施形態に係る流量計の整流板の配置態様の変更例を示す断面図である。
【図14】本発明の第1の実施形態に係る流量計の整流体の変形例(笊状)を示すものであり、(A)は流路側方から見た断面図、(B)は流路上流側から見た図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る流量制御装置の構成を説明するための概略構成図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る流量計(屈曲流路を有するもの)の端面図である。
【図17】図16の流量計の流路ブロックの上面図である。
【図18】図17の流路ブロックをXVIII-XVIII方向から見た場合の端面図である。
【図19】図16の流量計の整流板が配置された流路ブロックの上面図である。
【図20】図19の整流板が配置された流路ブロックをXX-XX方向から見た場合の端面図である。
【符号の説明】
【0078】
1・1A…流量制御装置
2・2A…流量計
3…制御弁
4…制御手段
5…直管状流路
5a…センサ流路部
5b…拡径流路部
6…流路ブロック
6a…流路形成部
6b…開口部
6f…拡径流路部のセンサ流路部側の端面
7…蓋部材
7f…拡径流路部のセンサ流路部側の端面
10…流れセンサ
20・20C…整流体
20a・20b・20c・20d・20A・20B…整流板
21・21A・21B・21C…孔
50…屈曲流路
51…第1の屈曲部
52…第2の屈曲部
53…センサ流路部
60…流路ブロック
62…凹部(センサ流路形成部)
67…開口部
70…整流体
71…第1の整流板
72…第2の整流板
73…平板
80…回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定流体が流れる流路と、前記流路内に配置される整流体と、を備え、前記被測定流体の流量を計測する流量計であって、
前記整流体は、前記被測定流体の整流用の孔を有するとともに、前記流路の延在方向に対して垂直な方向における流路断面積よりも広い面積を有するものである、
流量計。
【請求項2】
前記整流体は、前記流路の延在方向に対して斜めに配置される少なくとも一つの整流板を有し、
前記整流板は、その外周面が全周にわたって前記流路の内壁に当接するように配置される、
請求項1に記載の流量計。
【請求項3】
前記流路を形成するための直線状に延在する流路形成部が内部に設けられるとともに前記流路形成部の上方を外部に連通させるための開口部を有する流路ブロックと、
前記流路ブロックの前記開口部を塞ぐように配置される蓋部材と、を備え、
前記流路は、前記流路ブロックの前記開口部を前記蓋部材が塞ぐことにより形成された直管状流路であり、
前記蓋部材が前記流路ブロックの前記開口部を塞ぐ際に、前記整流板の外周面が前記蓋部材に当接する一方、前記整流板の外周面が前記流路ブロックの内壁に当接し、前記整流板が前記蓋部材と前記流路ブロックの内壁との間に挟み込まれて固定される、
請求項2に記載の流量計。
【請求項4】
前記蓋部材における前記整流板の当接位置と、前記流路ブロックにおける前記整流板の当接位置と、が前記直管状流路の延在方向において異なるように配置される、
請求項3に記載の流量計。
【請求項5】
前記直管状流路は、前記被測定流体の流速又は流量を検出する流れセンサが配置されるセンサ流路部と、前記センサ流路部の上流側及び/又は下流側に形成され前記センサ流路部より流路断面積が大きい拡径流路部と、を有するものであり、
前記拡径流路部の前記センサ流路部側の端面は、前記直管状流路の延在方向に垂直な面に対して傾斜した状態で設けられ、
前記整流板は、前記直管状流路の前記拡径流路部の前記端面に当接するように配置され固定される、
請求項3又は4に記載の流量計。
【請求項6】
前記流路は、前記被測定流体の流速又は流量を検出する流れセンサが配置され直線状に延在するセンサ流路部を有するとともに、前記センサ流路部の上流側及び/又は下流側が屈曲部で屈曲するように構成された屈曲流路であって、
前記整流体は、前記センサ流路部の内壁上に配置される平板と、前記平板の上流側端部及び/又は下流側端部に斜めに接続される前記整流板と、から構成され、
前記整流板の外周面が前記屈曲流路の前記屈曲部の内壁に当接するように配置されることにより、前記整流体が前記屈曲流路に固定される、
請求項2に記載の流量計。
【請求項7】
前記屈曲流路の前記センサ流路部を形成するための直線状に延在するセンサ流路形成部が内部に設けられるとともに前記センサ流路形成部の上方を外部に連通させるための開口部を有する流路ブロックと、
一方の面に前記流れセンサを有し、他方の面に前記流れセンサを用いた計測原理を行う電気回路に接続する電気回路用電極を有する回路基板と、を備え、
前記流路ブロックの前記開口部を前記回路基板が塞ぐように、かつ、前記回路基板の前記流れセンサが前記流路ブロックの前記センサ流路形成部に臨むように、前記流路ブロックに対して前記回路基板が配置されることにより、前記屈曲流路の前記センサ流路部が形成される、
請求項6に記載の流量計。
【請求項8】
前記整流板は、剛性を有する板状部材にパンチングで前記孔を形成することにより構成される、
請求項2から7の何れか一項に記載の流量計。
【請求項9】
前記整流板は、薄板にエッチングで前記孔を形成することにより構成される、
請求項2から7の何れか一項に記載の流量計。
【請求項10】
前記整流体は、前記流路の延在方向の一方に膨出するように形成された笊状のものである、
請求項1に記載の流量計。
【請求項11】
請求項1から10の何れか一項に記載の流量計と、
制御弁と、
前記流量計によって検出された流量に係る情報に基づいて前記制御弁を制御することにより前記流量計の前記流路を流れる流体の流量を調整する制御手段と、
を備える、
流量制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−66177(P2010−66177A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−234119(P2008−234119)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】