説明

流量計測装置およびそのプログラム

【課題】使用者よる消し忘れを判別する精度を向上し、本当に消し忘れた時につまり必要な時だけガスを遮断する流量計測装置を提供する。
【解決手段】ガス流路に流れるガス流量を所定の時間毎に計測する流量計測手段15と、流量計測手段15が計測するガス流量の変移の特徴をとらえてガス流路下流に接続されるガス器具の起動(点火)・停止(消火)といった動作を判別する器具判別手段18と、器具判別手段18の結果をもとに、器具の起動から停止までの時間(動作時間)を計時する計時手段21と、動作時間の上限値をガス器具毎に記憶する上限値記憶手段22と、動作時間が上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断する遮断手段20とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ガスやLPガスのような可燃性ガスの瞬時流量値や積算流量値を計測するために用いられる流量計測装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の流量計測装置は、各家庭へのガス流路の入り口側に取り付けられる。そして、流量計測装置は、ガス流路を通過するガス流量を計測し、計測したガス流量は定期的なガス請求料金請求の算出に利用される。
【0003】
また、ガス流量の計測という基本的な機能に加えて、ガスによる爆発事故や火災事故、中毒事故などを未然に防止するガス遮断機能を有するものがある。
【0004】
図10は前記従来のガス流量計測装置を示すもので、すなわち、101はガスメータを通過する流量を測定する流量計測手段、102はガスメータの中に内蔵した電磁弁等からなるガス供給遮断用の遮断手段、103はガスの遮断を予告する遮断予告警報手段、104は個別流量推定手段で、流量計測手段101で推定したガス流量の変化を検出した時、ガス器具の使用状態に変動があったものとしてその変化量に相当する個別流量を推測して、登録及び登録の抹消を行い、記憶するものである。
【0005】
105は遮断時間制御手段で、記憶されている個別流量の内容に応じてガス流量の変化が認められない状態が継続し得る限界の継続使用時間を設定し、この時間を経過したときに危険な状態が発生していると判断して遮断手段102に遮断のための閉止信号を発すると共に、閉止信号を発する時間の一定時間前に遮断予告警報手段103に警報信号を発する。
【0006】
次に、従来例の構成の動作を説明する。流量を計測して例えば3%以上の変化が認められれば、個々のガス器具に相当する個別流量を推測して登録及び登録の抹消を行って、大きい順に記憶し、その最大のものに対する遮断時間及び遮断時間警報時間を設定する。
【0007】
遮断時間は図11のようになっている。これは発熱量の異なるガス種(例えば、都市ガスで6Bならば5000kcal/m3、13Aならば11000kcal/m3)も考慮して各ガス器具に相当するガス消費量区分にしてある。
【0008】
従って、最大個別流量に対する遮断時間を図11より求めるときにはガス種によって予め設定しておいた単位流量当たりの発熱量を乗じて行うものとする。
【0009】
なお、このように最大個別流量によって遮断時間を変えているのはガス給湯器のような大流量を要するものは使用時間を短く、ガスストーブのような小さい流量のものは使用時間が長いという使用実態と、未燃ガスであれば大流量になる程短い時間でも爆発する危険が増大することによるものである。
【0010】
そして設定した遮断警報時間になったかどうか、及び設定した遮断時間になったかどうかを判断し、遮断警報時間に達した場合は危険な状態になりつつあると判断してガスの遮断予告警報を発し、遮断時間に到達したら危険な状態になっていると判断して遮断動作を行う。
【0011】
設定した遮断警報時間、遮断時間に達する前に流量の変化が認められた場合には再度個
別流量の推定をやり直す(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3169594号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このとき、個別流量の最も大きいものが入れ替わったときは、この新たな最大個別流量に対応する遮断時間、遮断警報時間を設定しなおす。
【0013】
このように最大個別流量に入れ替わりがなくとも流量に変化があれば継続時間の計測をやり直すのは、流量の変化がある限り別のガス器具が新たに使用開始されたか、使用停止されたかであり、ガスが正常に使用されていると判断されるからである。
【0014】
しかしながら上記従来の構成では、次のような課題がある。
【0015】
ファンヒータのようなガス器具自体でガス流量を変化させてしまうガス器具であった場合には、従来の流量計測装置では、流量変化が発生するたびにガス流量を変化させた時ごとに継続時間の計時をやり直すことになるので、使用者が消し忘れて外出した(長時間の不在の)場合、ガスが遮断されない可能性がある。
【0016】
また、ガス器具には、ファンヒータのように動作設定によって自身でガス流量を変化させるものもあれば、ガステーブルのように使用者の操作によってのみガス流量を変化させるものもある。
【0017】
このようにガス器具によってガスを遮断する条件を変えてやる必要がある。
【0018】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ガスファンヒータなどの自身でガス流量を変化させるガス器具において、使用者が設定する設定によってファンヒータ自身が行う流量変化とは無関係に動作時間だけで遮断時間を決定することが出来る流量計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流量計測装置は、ガス流路に流れるガス流量を所定の時間毎に計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測するガス流量の変移の特徴をとらえて前記ガス流路下流に接続されるガス器具の起動(点火)・停止(消火)といった動作を判別する器具判別手段と、前記器具判別手段の結果をもとに、器具の起動から停止までの時間(動作時間)を計時する計時手段と、前記動作時間の上限値をガス器具毎に記憶する上限値記憶手段と、前記動作時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断する遮断手段とを備えるとしたものである。
【0020】
これによって、ガスファンヒータなどの自身でガス流量を変化させるガス器具において、使用者が設定する設定によってファンヒータ自身が行う流量変化とは無関係に動作時間だけで遮断時間を決定することが出来る流量計測装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の流量計測装置は、ガスファンヒータなどの自身でガス流量を変化させるガス器具において、使用者が設定する設定によってファンヒータ自身が行う流量変化とは無関係に動作時間だけで遮断時間を決定することが出来る流量計測装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
第1の発明は、ガス流路に流れるガス流量を所定の時間毎に計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測するガス流量の変移の特徴をとらえて前記ガス流路下流に接続されるガス器具の起動(点火)・停止(消火)といった動作を判別する器具判別手段と、前記器具判別手段の結果をもとに、器具の起動から停止までの時間(動作時間)を計時する計時手段と、前記動作時間の上限値をガス器具毎に記憶する上限値記憶手段と、前記動作時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断する遮断手段とを備えることによって、次のような効果をえる。
【0023】
それは、ガスファンヒータなどの自身でガス流量を変化させるガス器具において、使用者が設定する設定によってファンヒータ自身が行う流量変化とは無関係に動作時間だけで遮断時間を決定することが出来る流量計測装置を提供することができる。
【0024】
第2の発明は、特に、第1の発明の流量計測装置の前記器具判別手段は、ガス器具の動作により生した前記特徴の中から起動とも停止とも判別できないガス流量変移をガス器具の制御と判別し、その制御が行われたガス器具を動作中と判別しているガス器具の中から判別するとともに、前記計時手段は、制御が行われたガス器具について、制御が施されてからの経過時間を計時し、前記遮断手段は、前記制御が行われたガス器具が使用者によってガス流量が変更されるガス器具の場合には、前記動作時間ではなく前記経過時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断することによって、次のような効果をえる。
【0025】
それは、ガス器具がガステーブルやガスストーブの場合には、使用者が直接制御するガス器具の操作部を操作するので、その時点まで使用者は該当ガス器具の使用を確実に認識している(消し忘れているわけではない)と考えてよい。
【0026】
よって、使用者が火加減を調節しながら長時間ガステーブルを使用している場合に誤ってガスが遮断されることを防止するために、火加減の調節(ガス流量の制御)が行われてからの経過時間が上限値を超えるか否かを判別することによって、より使用者のガス器具の使われ方にマッチさせることができる。
【0027】
第3の発明は、特に、第2の発明の流量計測装置の前記器具判別手段が1つのガス器具について複数回制御が行われたと場合には、前記遮断手段は、最新の制御からの経過時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断することによって、次のような効果をえる。
【0028】
それは、ガス器具の制御は、複数回行われるのが一般的であり、制御が複数回行われた場合には、最後に行われた制御(ガス流量変化)からの経過時間が上限値を超えるか否かを判別することによって、最後に行われた制御までは、使用者は該当ガス器具の使用を確実に認識しているので、より使用者のガス器具の使われ方にマッチさせることができる。
【0029】
第4の発明は、特に、第3の発明の流量計測装置の下流につながる前記ガス器具がガステーブルの場合で、且つ、前記ガステーブルが2口以上のバーナをもつ場合には、前記器具判別手段は、バーナ別に動作を判別し、前記計時手段は、動作中のバーナ別に前記動作時間及び、前記経過時間を計時し、前記遮断手段は、各口の前記動作時間及び、前記経過時間の中で最も短いものが前記上限値に達した時に前記ガス流路に流れるガスを遮断することによって、次のような効果をえる。
【0030】
それは、複数口のガステーブルで2つ以上の口のバーナを点火している(使用中の)場合、使用中の特定の1口の制御を行った時には、ガステーブルは1つのガス器具なので口同士は隣り合っているので、使用者はもう一つのガス器具が使用中であることを確実に確
認する。
【0031】
よって、2口以上のバーナを点火中の場合には、例え片方のバーナの動作時間若しくは、最後に制御が行われてから経過時間が上記上限値以上になっても、もう片方の口のバーナの動作時間若しくは、経過時間が上限値よりも小さい場合には、ガス遮断を行わないようにすることによって、余計な遮断を防止しより使用者のガス器具の使われ方にマッチさせることができる。
【0032】
第5の発明は、特に、第1から4のいずれかの発明において、ガス流路下流に接続されるガス器具に多量のガスを消費する給湯器などの大流量ガス器具を含まれる場合で、更に、前記大流量ガス器具が動作中に前記大流量ガス器具以外のガス器具の前記動作時間または、前記経過時間が前記上限値に達した場合には、前記遮断手段が前記ガス流路に流れるガスを遮断するタイミングは、前記大流量ガス器具が停止後で且つ、前記上限値に達したガス器具が、前記大流量ガス器具が停止後も動作中であると前記器具判別手段が判別できた時点であることによって、次のような効果をえる。
【0033】
それは、給湯器は、温水を瞬時に且つ多量に生成するために、ガステーブルやファンヒータなどの他のガス器具に比べてかなり多量にガスを消費する。また、給湯器は、使用者よって温度調節を行うことでガス流量を変化させることが出来るだけでなく、蛇口のひねり方(水量)を変えるだけでガス流量を変化させることが出来るため、ガス流量の変化が頻繁に発生する。
【0034】
そして、多量のガスを消費するので、制御によって発生する流量の変化は、ガステーブルのバーナ1口点火・消火させて時と同じくらいの流量変化が発生する場合もある。
【0035】
そのため、給湯器が動作中に給湯器の制御とガステーブルなどの他のガス器具の点火・消火を区別することが困難であるので、給湯器動作中は給湯器以外のガス器具の動作時間若しくは、最後の制御からの経過時間が前記上限値を超えてもガスを遮断しない。
【0036】
そして、前記上限値に達したガス器具が、給湯器が停止後も動作中であると前記器具判別手段が判別できた場合にのみガスを遮断することによって、余計な遮断を防止しより使用者のガス器具の使われ方にマッチさせることができる。
【0037】
第6の発明は、特に、第1から4のいずれかの発明において、前記流量計測手段から出力される流量値と所定の時間(N)前の差分値を前記計測の度に計算する第1の演算手段と、前記差分値が予め定めた正の閾値より大きくなった時刻aより前記時間(N)前の流量(Qa)とその後前記差分値の絶対値が前記正の閾値より小さくなった時刻bの流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を前記起動流量の実測値として計算する第2の演算手段と、前記起動流量の登録値を予め記憶する器具情報記憶手段と、動作中のガス器具の個別ガス流量を記憶するガス器具流量記憶手段とを更に備え構成され、前記器具判別手段とは、起動(点火)したガス器具と判別する場合は、前記流量差と前記登録値とを比較して、両者の差が最も小さいガス器具を選択し、且つ、停止したガス器具を判別する場合は、前記流量差と前記個別ガス流量とを比較して、両者の差が最も小さいガス器具を選択することによって判別を行うことによって、次のような効果をえる。
【0038】
それは、ガス器具毎に起動時のガス流量変化量はある程度ユニークであるので、その流量変化量で起動したガス器具を特定することができる。
【0039】
そして、流量計測装置で各時間における動作中のガス器具の個別のガス流量を管理していれば、停止時の流量変化量は、必ず個別のガス流量と同じになるはずなので停止したガ
ス器具を特定することが可能である。
【0040】
ガス器具の起動・停止による流量変化にかかる時間は、ガス器具によって瞬時に完了するものや数秒かかるものがあり一意的に決まっていないので、第1の演算手段によって流量変化の始まりと終わりの時点を捉え、その時点をもとにして第2の演算手段によって流量変化量を計算することによって精度よく流量変化量をとらえることが出来る。
【0041】
第7の発明は、特に、請求項第1から6の何れかの発明において、瞬時流量計測手段としての超音波流量計を用いた構成により流量が変化した瞬間に器具判別動作や学習動作を作動させることができ細かく流量変化を捉えることで器具判別精度を向上することができる。
【0042】
第8の発明は、請求項第1から7の何れかの発明において、流量計測装置の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムとすることにより、パソコンなどで容易に実現することができ、そのプログラムを記録した記録媒体を用いることでソフトウェアを各利用者の家庭でインストールする作業も容易になる。
【0043】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0044】
(実施の形態1)
図1において、ストーブ、ガスオーブン)に対してガス供給を行うための計測流路1が配設されている。
【0045】
この計測流路1には、主に異常時に計測流路自身を遮断するガス遮断弁2と、使用者に対して視覚的な報知を行う表示部3と、計測流路1に流れるガス流量を検出する流量計測部4が配置されている。
【0046】
また、流量計測装置の内部には、流量計測部4の出力を入力するとともに、ガス遮断弁2を制御するコントロール部5が設けられている。
【0047】
前記コントロール部5は、CPU(中央処理装置)6、ROM(リード・オンリー・メモリ)7、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)8、および入出力ポート9を備え、これらは互いにバス10によって接続されている。
【0048】
入出力ポート9には、流量計測部4と、ガス遮断弁2を駆動する駆動回路11と、表示部3を駆動する駆動回路12が接続されている。
【0049】
このコントロール部5では、CPU6がRAM8をワーキングエリアとして、ROM7に格納されてプログラムを実行することによって、流量計測装置としての機能を実現するようになっている。
【0050】
ここで、流量計測部4の動作について図2を用いて説明する。計測流路1は矩形断面を持っており、ガスの流れる方向と直角方向にある対向した壁面には一対の超音波送受信器13,14が角度φを有して斜めに対設してある。
【0051】
超音波送受信器13,14間で交互に超音波を送受信させて流体の流れに対して順方向と逆方向との超音波の伝搬時間差を一定間隔おいて計り、伝搬時間差信号として出力する働きを持つ。
【0052】
この伝搬時間差信号を受けて計算手段(図示せず)により被計測流体の流量を算出するものである。
【0053】
算出式を下記に示す。
【0054】
図2においてLは測定距離であり、t1を上流からの伝達時間、t2を下流からの伝達時間、Cを音速とすると、計測ポイントの時刻Tでの流速Vは
V=(L/2cosφ)((1/t1)−(1/t2)) (1)
である。
【0055】
故に、前記(1)式で得られた流速に計測流路1の断面積、および補正係数を乗じることで流量が演算されるものである。
【0056】
更に、流速を計測するポイントによって計測流路1に流れるガスは突発的に変化するので、流路全体からみた流速よりも大きかったり、小さかったりする場合がある。
【0057】
そのため、その影響を小さくするために前回計測した流速V'との平均を流量計測部4が計測する計測流量としている。
【0058】
なお、本実施の形態の流量計測部4に関しては、超音波方式を使用しているが、他にフルディック方式などの短時間に一定サイクルで連続計測可能な計測方式を採用することも考えられる。
【0059】
計測の時間間隔は、超音波の送受信が可能な範囲で設定できるが、本実施の形態では2秒間隔の計測を行っている。
【0060】
更に、時間間隔を小さくすることは測定原理上可能であり、ガス器具によっては2秒より短時間で起動する器具もあるため、測定時間間隔を小さくすることは器具判別を瞬時に行う点では有利となるが、計測間隔を短くすると電池の消耗が大きくなるなどの課題がある。
【0061】
また、計測時間を従来のガスメータで使用している膜式方式と同等の計測間隔が2桁オーダーの秒数間隔にすると、流量変化の差分値を見て動作しているガス器具を判別することが困難になり、コストや器具判別の性能面からバランスの良い時間として本実施の形態では2秒間隔で計測を行っている。
【0062】
図3で示すように、本実施の形態の流量計測装置は、先ずガス流量を計測する流量計測手段15と少なくとも起動判別を行うために予め登録しておく各種器具情報を記憶する器具情報記憶手段16と流量計測部4が計測する計測流量の履歴を記憶する計測流量履歴記憶手段17と、少なくともガス器具が使用された場合にそのガス器具を特定する器具判別手段18と、計測流量に流量変化が発生しているか監視するとともに器具判別手段18が判別を行うために必要な各種情報を計測流量履歴情報から算出する演算手段19とを備えている。
【0063】
流量計測手段15は、流量計測部4とコントロール部5によって実現される。つまり、流量計測手段15は、2秒毎に計測する計測流路1に流れるガス流量を計測流量履歴記憶手段17に記憶する。
【0064】
計測流量履歴記憶手段17は、RAMによって実現され、器具判別手段18が動作しているガス器具を特定できるために計測したガス流量を履歴情報として数分間分記憶してい
る。
【0065】
なお、本実施の形態において計測流量履歴記憶手段17は、30秒前まで履歴情報として計測したガス流量を記憶している。
【0066】
器具情報記憶手段16は、RAM8によって実現され、図4に示すように器具を起動したときのガス流量(起動流量)と制御パターンとが器具毎に登録値として記憶する。
【0067】
これらの情報は、ガス事業者が事前に端末等を使用して登録するなどして器具情報記憶手段16に記憶させておくものとする。
【0068】
また、制御パターンの急・緩とは、本実施の形態においていえば、流量変化が発生している期間において8秒以上連続して制御によるガス流量変化が発生する[8秒以上連続して前回の計測ガス流量値と現計測ガス流量値の差(絶対値)が3(L/h)以上である]パターンは「緩」で、8秒未満でガス流量変化が終了するパターンは「急」とする。8秒は、変更可能とする。
【0069】
そして、ON/OFF(起動と停止)を繰り返すことで温度調節を行う器具については「ON/OFF」とする。
【0070】
ただし、対象としている期間における全ての第1の演算手段(後述)が算出する差分値が80[L/h]未満である場合に限定する。この80[L/h]という境界値は、可変で50[L/h]、60[L/h]、70[L/h]、100[L/h]など使用者毎に保有しているガス器具の組み合わせによって設定可能であるものとする。
【0071】
第1の演算手段19aと第2の演算手段19bは、コントロール部5によって実現される。
【0072】
第1の演算手段19aとは、計測流量履歴記憶手段17を参照して、現在の流量値と2回(4秒)前の計測流量値との差分を計算する演算手段である。
【0073】
第2の演算手段19bとは、計測流量履歴記憶手段17を参照して第1の演算手段19aが計算する差分値が予め定めた正の閾値より大きくなった時刻aより4秒前の計測流量(Qa)と時刻a後、第1の演算手段19aが計算する差分値の絶対値が前記した正の閾値より小さくなった時刻bの計測流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を起動流量の実測値として計算する処理部である。
【0074】
器具判別手段18は、第1の演算手段19aが算出する差分値の絶対値が予め定めた正の閾値(例えば、3[L/h])以上になった場合に流量変化が発生したと判別し、同差分値の絶対値が3[L/h]未満になると流量変化が収束したと判別し、この流量変化を発生させたガス器具を特定するものである。
【0075】
この手段は、コントロール部5によって実現され、第2の演算手段19bが計算する起動流量の実測値との流量差を器具情報記憶手段16に登録される起動流量の登録値と比較して、例えば、両者が±5[L/h]の誤差であるもの(複数ある場合は、最も近いもの)を対象としている流量変化がガス器具の起動によるものだと判別する。
【0076】
なお、誤差を考慮する理由は、外気温や使用されるガス器具の台数などに計測流路1でのガス圧が若干変化するためである。
【0077】
遮断手段20とは、計測流路1に流れるガスを遮断するもので、ガスが遮断されると計測流路1下流に接続される全てのガス器具へのガス供給が停止する。
【0078】
この手段は、ガス遮断弁2と、駆動回路11と、コントロール部5とによって実現される。
【0079】
計時手段21とは、コントロール部5によって実現される時間を計時するものである。動作しているガス器具ごとの動作時間または、ガス流量制御が行われてからの時間を計時することが出来るものである。
【0080】
上限値記憶手段22とは、計時手段21が計時する時間の上限値をガス器具毎に記憶するもので、RAM8によって実現される。この上限値は、ガス事業者によって設定できるものとし、計時手段21が計時するあるガス器具について計時時間が上限値以上になった時には遮断手段20がガスを遮断する。
【0081】
次に図5にあるファンヒータを動作させた時の流量計測手段15が計測するガス流量の時間特性(一例)を示す。
【0082】
図5から分かるように起動直後はホットダッシュ機能と呼ばれる機能によってある一定のガス流量が流れ(起動流量でガス流量が一定である期間があって)、その後外気温と動作設定によってガス流量(時間特性)が変化する。
【0083】
図5においては130[L/h]くらいから40[L/h]辺りまである程度長いの時間(70秒目から116秒目までの間)をかけながらガス流量が変化している。
【0084】
なお、この流量変化発生するタイミングは外気温・動作設定によって変わるので、流量変化が発生するタイミングを予め推測できるものではない。
【0085】
更に、図6にあるガステーブル(1口のバーナ)を動作させた時の流量計測手段15が計測するガス流量の時間特性(一例)である。
【0086】
この時ガステーブルを着火後、火力調節レバーを「強」→「中」→「弱」→「中」→「強」→「弱」→「強」と変化させている。
【0087】
図6から分かるように火力調節レバーによって使用者はいかようにも使用者がガス流量を変化させることができるとともにその制御のタイミングも変えることができる。そして、ファンヒータの場合と異なり、使用者が火力調節レバーを操作することによってガス流量変化が発生するので比較的短時間にガス流量が変化していることがわかる。
【0088】
なお、ボタンを押すことで点火するガステーブルの多くは、着火直後に立ち消えにくくするために、使用者が着火するために着火用のボタンを押下すると火力調節レバーが何処にあってもある程度大きいガスが流れるように火力調節レバーが自動で火力が最大の方向に動く機構になっている。
【0089】
よって、ガステーブルの着火直後は最大ガス消費量に近い起動流量になっている。
【0090】
このように、起動流量によって動作を開始したガス器具を特定することがガス器具毎に起動流量が異なれば可能である。
【0091】
なお、ファンヒータが点火(起動)する際は、緩点火と呼ばれる緩やかに点火動作が行
われるしくみになっているので、ガステーブルに比べて起動時のガス流量が緩やかに増加する。
【0092】
このようにガス器具によって、起動時流量が安定するまでの時間が異なる。そのため、第1の演算手段19aで流量変化の始まりと終わりを常に見ていて、第2の演算手段19bで起動時の流量を計算するようにすることによって時間が異なることに対応する。
【0093】
流量計測装置が上記のような構成において、動作時の流量変化特性が図5のようなファンヒータを動作させた時の流量計測装置の動作を図7のフローチャートを使って説明する。
【0094】
まず、流量計測手段2は、計測流路1に流れるガスの流量を2秒おきに計測する(S701)。
【0095】
したがって、動作しているガス器具が何も無い場合はもちろん0[L/h]で、ガス器具がきどうすれば、計測流路1にガスが流れる。本実施の形態では、使用者によってファンヒータが起動される。
【0096】
ファンヒータが起動されると流量計測手段15が計測するガス流量が変化する。
【0097】
第1の演算手段19aは、どの時点から流量変化が開始してどの時点で流量変化が収束する(ガス流量が安定する)か検知するために4秒前のガス流量と今現在のガス流量との差分値の絶対値を計算する。
【0098】
ここで、その差分値が3[L/h]以上になった時点を流量変化が発生した点(始点)、その差分値が3[L/h]未満になった時点を流量変化が収束した点(終点)とする。
【0099】
ファンヒータが起動されて流量が安定すると(S702)、第2の演算手段103bは始点から終点までに変化した流量を計算すると共に始点から終点まで時間と、その時間における流量変化量(起動流量の実測値)を計算する(S703)。
【0100】
そして、器具判別手段18は、流量変化量が正の場合には、先ずガス器具が動作を開始したのではないかと考えて、器具情報記憶手段16を参照し起動流量の登録値を読み出す。次に、起動流量の実測値と登録値とを比較し、本実施の形態では両者の差が5[L/h]未満のガス器具がある場合には、そのガス器具が起動したと判別する(S705)。
【0101】
そして、S705で採用したガス器具が起動流量の実測値で動作を開始し、現在そのガス流量で動作中であると判断し、計時手段21が動作時間を流量計測装置が管理できるように時間の計時を開始する。
【0102】
なお、複数個該当する場合には、その流量差が最も小さいものを採用する。
【0103】
また、ガス器具が停止したと考えられる場合(流量変化量が負の場合)には、現在動作中のガス器具のガス流量を確認して、流量変化量とその現在のガス流量とを比較し、本実施の形態では両者の差が5[L/h]未満のガス器具がある場合には、そのガス器具が停止したと判別する(S708)。
【0104】
この時、流量計測装置1は、動作中ガス器具が停止したと判別しているので、計時手段21は対応するガス器具の時間計時を終了する。
【0105】
通常ガス器具が動作すると計時手段21は、ガス器具に制御が行われない場合は、各動作ガス器具の動作時間を計時し上限値記憶手段22を参照して各ガス器具の上限値をみて、動作中のガス器具の動作時間がこの上限値を超えるか否かを確認して(S717)、超えている場合には遮断が必要として遮断手段20が計測流路に流れるガスを遮断する(S718)。
【0106】
しかし、実際のガス器具はガス流量を制御される場合が多いので本実施の形態では、動作しているガス器具の種類(本実施の形態ではファンヒータ)まで判別するので次のように動作する。
【0107】
ファンヒータが動作したと判別した後、図5の70秒目から116秒目までの間で見られるような制御が発生した場合には、前述同様第1の演算手段19aが4秒前と現在の計測流量の差分を計算することで流量変化が起こっている始点と終点を見つけ出し、流量変化量を見てガス器具の起動・停止でないということが分かる。
【0108】
具体的には、第2の演算手段19bが計算する流量変化量が90[L/h]程度の減少で、この流量変化量と流量変化の始点時点でのファンヒータのガス流量とを比較して停止判別を行う(S708)。
【0109】
しかし、両者の差が大きいのでファンヒータが停止したとは判別されない。
【0110】
そこで、発生した流量変化に対して起動判別も停止判別も行われていないので(S710)、器具判別手段18は、動作中のガス器具に対して制御が行われたと判別する。
【0111】
そして、流量変化にかかる時間が8秒以上かかっているので緩やかな制御と判断して、器具情報記憶手段16を参照し、緩やかな制御が行われるのはファンヒータなのでファンヒータが制御されたと判別する。
【0112】
更に、ファンヒータは計時手段21が計時する計時時間をリセットするガス器具ではないとしているので(S714)、計時時間をリセットしないでそのまま上限値との比較を行う(S717)。
【0113】
このようにすれば、ガス器具自身で流量を変化させるファンヒータのようなガス器具について動作時間をみて、動作時間が上限値を超えた場合にだけ危険と判断してガスを遮断できる。
【0114】
なお、流量変化が発生後はガス流量が安定するまでその変化がどのガス器具の起動・停止・制御なのか器具判別手段18は判別しないため流量変化が発生している間は動作時間が上限値を超えてもガスを遮断しないようにしてもよい。
【0115】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1と同じ構成で図6のようなガステーブルを動作させた時の流量計測装置1の動作を図7のフローチャートを使って説明する。
【0116】
まず、流量計測手段15は、計測流路1に流れるガスの流量を2秒おきに計測する(S701)。
【0117】
よって、動作しているガス器具が何も無い場合はもちろん0[L/h]で、ガス器具がきどうすれば、計測流路1にガスが流れる。本実施の形態では、使用者によってガステーブルが起動される。
【0118】
ガステーブルが起動されると流量計測手段15が計測するガス流量が変化する。
【0119】
第1の演算手段19aは、どの時点から流量変化が開始してどの時点で流量変化が収束する(ガス流量が安定する)か検知するために4秒前のガス流量と今現在のガス流量との差分値の絶対値を計算する。
【0120】
ここで、その差分値が3[L/h]以上になった時点を流量変化が発生した点(始点)、その差分値が3[L/h]未満になった時点を流量変化が収束した点(終点)とする。
【0121】
ガステーブルが起動されて流量が安定すると(S702)、第2の演算手段19bは始点から終点までに変化した流量を計算すると共に始点から終点まで時間と、その時間における流量変化量(起動流量の実測値)を計算する(S703)。
【0122】
そして、器具判別手段18は、流量変化量が正の場合には、先ず何かガス器具が動作を開始したのではないかと考えて、器具情報記憶手段16を参照し起動流量の登録値を読み出す。
【0123】
次に、起動流量の実測値と登録値とを比較し、本実施の形態では両者の差が5[L/h]未満のガス器具がある場合には、そのガス器具が起動したと判別する(S705)。
【0124】
そして、S705で採用したガス器具が起動流量の実測値で動作を開始し、現在そのガス流量で動作中であると判断し、計時手段21が動作時間を流量計測装置1が管理できるように時間の計時を開始する。
【0125】
なお、複数個該当する場合には、その流量差が最も小さいものを採用する。
【0126】
また、ガス器具が停止したと考えられる場合(流量変化量が負の場合)には、現在動作中のガス器具のガス流量を確認して、流量変化量とその現在のガス流量とを比較し、本実施の形態では両者の差が5[L/h]未満のガス器具がある場合には、そのガス器具が停止したと判別する(S708)。この時、流量計測装置1は、動作中ガス器具が停止したと判別しているので、計時手段21は対応するガス器具の時間計時を終了する。
【0127】
通常ガス器具が動作すると計時手段21は、ガス器具に制御が行われない場合は、各動作ガス器具の動作時間を計時し上限値記憶手段22を参照して各ガス器具の上限値をみて、動作中のガス器具の動作時間がこの上限値を超えるか否かを確認して(S717)、超えている場合には遮断が必要として遮断手段3が計測流路に流れるガスを遮断する(S718)。
【0128】
しかし、実際のガス器具はガス流量を制御される場合が多いので本実施の形態では、動作しているガス器具の種類(本実施の形態ではガステーブル)まで判別するので次のように動作する。
【0129】
ガステーブルが動作したと判別した後、図6の40秒目あたりで見られるような制御が発生した場合には、前述同様第1の演算手段19aが4秒前と現在の計測流量の差分を計算することで流量変化が起こっている始点と終点を見つけ出し、流量変化量を見てガス器具の起動・停止でないということが分かる。
【0130】
具体的には、第2の演算手段19bが計算する流量変化量が90[L/h]程度の減少で、この流量変化量と流量変化の始点時点でのガステーブルのガス流量とを比較して停止
判別を行う(S708)。
【0131】
しかし、両者の差が大きいのでガステーブルが停止したとは判別されない。
【0132】
そこで、発生した流量変化に対して起動判別も停止判別も行われていないので(S710)、器具判別手段18は、動作中のガス器具に対して制御が行われたと判別する。
【0133】
そして、流量変化にかかる時間が8秒未満であるので急な制御と判断して、器具情報記憶手段16を参照し、急な制御が行われるのはガステーブルなのでガステーブルが制御されたと判別する。
【0134】
更に、ガステーブルは計時手段21が計時する計時時間をリセットするガス器具であるとしているので(S714)、計時時間をリセットして(S715)上限値との比較を行う(S717)。
【0135】
使用者で流量を変化させるガステーブルのようなガス器具については、制御を行ったということはガステーブルに触れて火を使っていることを確認した上でガス流量を変化させているので、動作時間でガスを遮断すると消し忘れではないのに遮断することになる。
【0136】
このように、使用者自身で流量を変化させるガステーブルのようなガス器具については、動作時間ではなく制御されてからの経過時間と上限値とを比較し必要な場合にガスを遮断することによって、より使用者のガス器具の使われ方にマッチさせることができる。
【0137】
なお、使用者自身で流量を変化させるガス器具は、ガステーブルのほかにガスストーブであってもよい。
【0138】
ガスストーブについては、ガステーブル自身の制御の種類が、例えば全開→半開(半開→全開)といった変化するガス量が決まっているので、その量を予め登録しておいて、ガステーブルと区別するようにすればよい。
【0139】
また、本実施の形態では、ガステーブルの動作をバーナの口ごと判断している。複数の口(バーナ)が動作(点火)中の倍は、複数の口のバーナが動作しているガステーブルにおいて口に無関係に動作時間ではなく最新の制御されてからの経過時間と上限値とを比較し必要な場合にガスを遮断する。
【0140】
これは、どのバーナの火力を制御した場合でも使用者がガステーブルの近くにいることは違いないからで、こうすることでより使用者のガス器具の使われ方にマッチさせることができる。
【0141】
(実施の形態3)
図8は、ある給湯器を動作させた時の流量計測手段3が計測するガス流量の時間特性の一例である。
【0142】
給湯器は、前述のガステーブルやファンヒータと異なり、数倍大きなガス流量を使用するガス器具である。
【0143】
そして、使用者が蛇口のひねり具合を変えると水量を変わり、それによって給湯器に制御が加わりガス流量が変化する。また、使用者によって給湯温度も変えることができ、そのことによっても給湯器に制御が加わりガス流量が変化する。
【0144】
この給湯器への制御によるガス流量変化量は、給湯器が動作時に使用するガス流量が大きいためにガステーブルやファンヒータの起動や停止と判断できる位のガス流量変化量になる場合がある。
【0145】
よって、給湯器などのガスをたくさん消費するガス器具が動作中は、もし他のガス器具の動作時間や最新の制御からの経過時間が上限値を超えてもすぐには遮断しないで、給湯器などののガスをたくさん消費するガス器具が停止して、それでも対象となるガス器具が動作中であると器具判別手段18が確認できる場合にガスを遮断するようにする。
【0146】
なお、この確認は少なくとも給湯器動作前と後の流量計測手段2が計測するガス流量の差をみて判断するものとする。
【0147】
このように給湯器の制御か他のガス器具の起動や停止かわからない場合には、給湯器動作前後の計測ガス流量の差をもとに遮断するか否かを判断することによって、給湯器の制御を他のガス器具の停止と判断してしまって本当は遮断しないといけないのに遮断しなかったりすることを防止する。
【産業上の利用可能性】
【0148】
以上のように、本発明にかかる流量計測装置及びそのプログラムは、ガスファンヒータなどの自身でガス流量を変化させるガス器具において、流量変化とは無関係に単純に動作時間だけで遮断時間を決定することが出来る流量計測装置を提供できる。そのため、ガス器具の使用状況を監視することになるので、買い換え時期をお知らせしたり、ガス器具の故障時期をお知らせしたりするメンテナンスサービス等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施の形態1における流量計測装置の構成図
【図2】本発明の実施の形態1における流量計測部の構成図
【図3】本発明の実施の形態1における流量計測装置の機能ブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における器具情報記憶手段に記憶される情報を示す説明図
【図5】本発明の実施の形態1におけるファンヒータ動作時に流れるガス流量の時間特性を示す説明図
【図6】本発明の実施の形態1におけるガステーブル動作時に流れるガス流量の時間特性を示す説明図
【図7】本発明の実施の形態1、および実施の形態2における流量計測装置のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1における上限値記憶手段に記憶される情報を示す図
【図9】本発明の実施の形態3における給湯器動作時に流れるガス流量の時間特性を示す図
【図10】従来の流量計測装置の構成図
【図11】使用時間遮断の制限時間の一覧を示す説明図
【符号の説明】
【0150】
15 流量計測手段
16 器具情報記憶手段
17 計測流量履歴記憶手段
19a 第1の演算手段
19b 第2の演算手段
18 器具判別手段
20 遮断手段
21 計時手段
22 上限値記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流路に流れるガス流量を所定の時間毎に計測する流量計測手段と、前記流量計測手段が計測するガス流量の変移の特徴をとらえて前記ガス流路下流に接続されるガス器具の起動(点火)・停止(消火)といった動作を判別する器具判別手段と、前記器具判別手段の結果をもとに、器具の起動から停止までの時間(動作時間)を計時する計時手段と、前記動作時間の上限値をガス器具毎に記憶する上限値記憶手段と、前記動作時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断する遮断手段とを備える流量計測装置。
【請求項2】
前記器具判別手段は、ガス器具の動作により生した前記特徴の中から起動とも停止とも判別できないガス流量変移をガス器具の制御と判別し、その制御が行われたガス器具を動作中と判別しているガス器具の中から判別するとともに、前記計時手段は、制御が行われたガス器具について、制御が施されてからの経過時間を計時し、前記遮断手段は、前記制御が行われたガス器具が使用者によってガス流量が変更されるガス器具の場合には、前記動作時間ではなく前記経過時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断する請求項1に記載の流量計測装置。
【請求項3】
前記器具判別手段が1つのガス器具について複数回制御が行われたと場合には、前記遮断手段は、最新の制御からの経過時間が前記上限値に達したときに前記ガス流路に流れるガスを遮断する請求項2に記載の流量計測装置。
【請求項4】
前記ガス器具がガステーブルの場合で、且つ、前記ガステーブルが2口以上のバーナをもつ場合には、前記器具判別手段は、バーナ別に動作を判別し、前記計時手段は、動作中のバーナ別に前記動作時間及び、前記経過時間を計時し、前記遮断手段は、各口の前記動作時間及び、前記経過時間の中で最も短いものが前記上限値に達した時に前記ガス流路に流れるガスを遮断する請求項3に記載の流量計測装置。
【請求項5】
前記ガス流路下流に接続されるガス器具に多量のガスを消費する給湯器などの大流量ガス器具を含まれる場合で、更に、前記大流量ガス器具が動作中に前記大流量ガス器具以外のガス器具の前記動作時間または、前記経過時間が前記上限値に達した場合には、前記遮断手段が前記ガス流路に流れるガスを遮断するタイミングは、前記大流量ガス器具が停止後で、且つ、前記上限値に達したガス器具が、前記大流量ガス器具が停止後も動作中であると前記器具判別手段が判別できた時点である請求項1〜4いずれか1項記載の流量計測装置。
【請求項6】
前記流量計測装置は、前記流量計測手段から出力される流量値と所定の時間(N)前の差分値を前記計測の度に計算する第1の演算手段と、前記差分値が予め定めた正の閾値より大きくなった時刻aより前記時間(N)前の流量(Qa)とその後前記差分値の絶対値が前記正の閾値より小さくなった時刻bの流量(Qb)との流量差(Qb−Qa)を前記起動流量の実測値として計算する第2の演算手段と、前記起動流量の登録値を予め記憶する器具情報記憶手段と、動作中のガス器具の個別ガス流量を記憶するガス器具流量記憶手段とを更に備え構成され、前記器具判別手段とは、起動(点火)したガス器具と判別する場合は、前記流量差と前記登録値とを比較して、両者の差が最も小さいガス器具を選択し、且つ、停止したガス器具を判別する場合は、前記流量差と前記個別ガス流量とを比較して、両者の差が最も小さいガス器具を選択することによって判別を行う請求項1〜5いずれか1項記載の流量計測装置。
【請求項7】
流量計測手段は、超音波流量計を用いた請求項1〜6いずれか1項記載の流量計測装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項記載の流量計測装置の少なくとも一部をコンピュータに実行
させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−168703(P2009−168703A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−8856(P2008−8856)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】