説明

浄水器

【課題】取り扱いが簡単であり、雑菌の侵入を防止することができる浄水器を提供する。
【解決手段】浄水器1は、給水機構を底部に備え、原水が貯留される貯留容器10と、逆浸透膜により原水から分離対象物を分離する膜分離機構と、貯留容器10内の原水を加圧して膜分離機構に供給する供給機構と、逆浸透膜を透過した原水が流通する浄水流通管と、逆浸透膜を透過しなかった原水が流通する排水流通管と、浄水流通管に設けられた逆止弁と、貯留容器10が上面に載置される載置部41b、給水機構と着脱自在に接続する接続部材、浄水流通管が接続され、浄水を外部に吐出する吐出口、排水流通管が接続され、排水を外部に排出する排出口を備え、膜分離機構,供給機構,浄水流通管及び排水流通管が内蔵される本体40とからなる。貯留容器10が載置部41b上に載置されて給水機構と接続部材とが接続したときに貯留容器10内の原水が供給機構側に供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原水中に含まれた分離対象物を逆浸透膜により分離,除去して浄水にする浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水器として、例えば、特開平9−299933号公報に開示されたものが知られている。この浄水器は、上部が開口し、原水が貯水される貯水タンクと、貯水タンクの上部に着脱自在に取り付けられ、貯水タンクの上部開口部を閉塞する蓋体と、蓋体の下面に着脱自在に取り付けられ、貯水タンク内の原水中に配置される濾過槽と、蓋体に設けられ、貯水タンク内の原水を濾過槽内に供給するポンプなどから構成される。
【0003】
前記蓋体は、内部が中空に形成されており、この中空部内に前記ポンプが配設される。また、蓋体には、濾過槽の内部を流通した原水を外部に吐出するための吐出口が形成されており、この吐出口には、濾過槽の原水流通方向下流側に一端側が接続された流通管の他端側が接続されている。また、更に、この蓋体には、ポンプを駆動させるための押しボタンが設けられている。
【0004】
前記濾過槽は、活性炭層,ミネラル添加層及び中空糸膜層の3つの処理層を備え、ポンプによって供給された原水が活性炭層,ミネラル添加層及び中空糸膜層を順次流通するように構成されており、原水は、活性炭層において脱臭(カルキ臭の除去など)されたり、有害な化学物質が除去され、ミネラル添加層においてミネラル分が添加され、中空糸膜層において、前記活性炭層で除去されなかった不純物などが除去される。
【0005】
前記ポンプは、貯水タンクの底部に向かって伸びる吸水管と、濾過槽の原水流通方向上流側に接続された供給管とを備えており、吸水管から吸い込んだ原水を供給管を介して濾過槽の内部に供給し、濾過槽の内部を流通後、流通管内を流通させて吐出口から吐出させる。
【0006】
この浄水器によれば、まず、貯水タンクから蓋体が一旦取り外され、この貯水タンク内に原水(例えば水道水)が入れられた後、蓋体が再び貯水タンクに取り付けられる。この後、蓋体の押しボタンが押されてポンプが駆動せしめられると、貯水タンク内の原水は、濾過槽内部の活性炭層,ミネラル添加層及び中空糸膜層を順次流通して有害物質や不純物などが除去されるとともにミネラル分が添加されて、成分調整された浄水とされ、流通管内を流通して蓋体の吐出口から外部に吐出される。
【0007】
【特許文献1】特開平9−299933号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の浄水器では、貯水タンク内に原水を入れるのに蓋体の取り外し及び取り付けを行わなければならず、面倒であるという問題があった。また、蓋体には、濾過槽、ポンプの吸水管や供給管が外部に露出した状態で取り付けられているので、蓋体を貯水タンクから取り外すと、取り扱いに注意しなければならないという問題や、誤って濾過槽,吸水管及び供給管を何かにぶつけると、当該濾過槽,吸水管及び供給管が破損する恐れがあるという問題もある。
【0009】
また、更に、濾過槽の内部が外部と流通管及び蓋体の吐出口を介して常に連通状態となっているので、空気中の雑菌がこの吐出口及び流通管から濾過槽の内部に侵入して繁殖し、当該濾過槽の内部が汚染されるという問題や、濾過槽の内部が汚染されることによって、活性炭層,ミネラル添加層及び中空糸膜層の各処理機能が低下したり、この濾過槽内を流通し吐出口から吐出される浄水に雑菌が含まれるという問題もある。
【0010】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、取り扱いが簡単であり、雑菌の侵入を防止することができる浄水器の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、
原水中に含まれた分離対象物を分離,除去する浄水器であって、
給水弁を具備した給水機構を底部に備え、前記原水が貯留される貯留容器と、
逆浸透膜を備え、この逆浸透膜により前記原水から前記分離対象物を分離する膜分離手段と、
一端側が前記膜分離手段に接続された供給管を備え、この供給管を介し、前記貯留容器内の原水を加圧して前記膜分離手段に供給する供給手段と、
一端側が前記膜分離手段に接続され、前記逆浸透膜を透過した原水たる浄水が流通する浄水流通管と、
一端側が前記膜分離手段に接続され、前記逆浸透膜を透過しなかった原水たる排水が流通する排水流通管と、
前記貯留容器が上面に載置される載置部と、前記載置部上に配設されて前記給水機構と着脱自在に接続し、前記供給管の他端側が接続される接続部材と、前記浄水流通管の他端側が接続され、前記浄水を外部に吐出するための吐出口と、前記排水流通管の他端側が接続され、前記排水を外部に排出するための排出口とを備え、前記膜分離手段,供給手段,浄水流通管及び排水流通管が内蔵される本体とからなり、
前記給水弁は、前記給水機構と前記接続部材とが接続するように前記貯留容器が前記載置部上に載置されたときにこの接続部材によって開かれ、この給水弁が開かれると、前記貯留容器の内部と前記供給管の他端側とが連通状態となるように構成されてなることを特徴とする浄水器に係る。
【0012】
この発明によれば、まず、貯留容器の給水機構と本体の載置部上の接続部材との接続が解除されるように貯留容器が載置部上から取り外されて、例えば、水道水などの原水が貯留容器内に入れられた後、給水機構と接続部材とが接続するように貯留容器が載置部上に載置される。このとき、給水機構の給水弁が接続部材によって開かれるとともに、給水弁が開くことで、貯留容器の内部と供給手段の供給管の他端側とが連通状態となる。
【0013】
この後、供給手段が適宜駆動されると、この供給手段により、貯留容器内の原水が、供給管を介し、加圧されて膜分離手段に供給される。そして、逆浸透膜を透過した原水は、浄水流通管内を流通し、分離対象物の分離された浄水として本体の吐出口から外部に吐出され、逆浸透膜を透過しなかった原水は、排水流通管内を流通し、排水として本体の排出口から外部に排出される。尚、吐出口から吐出された浄水は、適宜容器に貯留されるようになっている。
【0014】
このように、本発明に係る浄水器によれば、使用者は、貯留容器内に原水を入れて、給水機構と載置部上の接続部材とが接続するように貯留容器を載置部上に載置するだけで良く、従来の浄水器のように蓋体の着脱作業を行う必要がないので、簡単に使用することができる。また、膜分離手段,供給手段,浄水流通管及び排水流通管が本体に内蔵されており、貯留容器のみを本体の載置部上に載置したり、載置部上から取り外せば良いので、取り扱いが簡単である。また、更に、膜分離手段,供給手段,浄水流通管及び排水流通管を本体に内蔵することで、装置構成のコンパクト化を図り、持ち運びに適したものとすることもできる。
【0015】
尚、前記浄水器は、前記浄水流通管に設けられ、その一端側から他端側に向けてのみ前記浄水を流通させる逆止弁を更に備えて構成されていても良い。このようにすれば、浄水流通管内を浄水が流通していないときは、この逆止弁によって管路を閉塞することができ、空気中の雑菌が浄水流通管及び本体の吐出口から膜分離手段の内部に侵入するのを防止することができる。これにより、逆浸透膜が汚染されたり、逆浸透膜の分離,除去機能が低下したり、吐出口から吐出される浄水に雑菌が含まれるのを効果的に防止することができる。
【発明の効果】
【0016】
斯くして、本発明に係る浄水器によれば、取り扱いが簡単で使い勝手が良いだけでなく、コンパクト且つ持ち運びに便利なものとしたり、吐出口から侵入した雑菌によって逆浸透膜が汚染されるのを防止して衛生的に優れた浄水を吐出口から吐出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る浄水器の概略構成を示した斜視図であり、図3は、本実施形態に係る浄水器の概略構成を示した模式図である。また、図4は、本実施形態に係る浄水器の内部構造を示した斜視図であり、図5及び図6は、図1における矢示A−A方向の断面図であり、図7は、本実施形態に係る膜分離機構の概略構成を示した断面図である。
【0018】
図1乃至図4に示すように、本例の浄水器1は、例えば、水道水たる原水Lに含まれる水汚染物質を分離対象物として分離,除去し、浄水とするものであり、原水Lが貯留される貯留容器10と、原水L中に含まれた分離対象物を分離する膜分離機構20と、膜分離機構20に供給される原水Lに対して前処理を行い、分離対象物の一部を分離する前処理機構25と、原水Lを膜分離機構20に供給する供給機構30と、膜分離機構20に接続した浄水流通管35及び排水流通管37と、供給機構30の作動を制御する制御装置(図示せず)と、膜分離機構20,前処理機構25,供給機構30,浄水流通管35,排水流通管37及び制御装置(図示せず)が内蔵された本体40とから構成される。
【0019】
前記貯留容器10は、図5及び図6に示すように、上部が開口し、原水Lが貯留される容器本体11と、この容器本体11の内部に貯留された原水Lを供給機構30側に供給するための給水機構12とを備えており、容器本体11の底面には、上下に貫通し、給水機構12が装着される貫通穴11aが形成されている。
【0020】
前記給水機構12は、下面が開口するとともに、上面中央部に上下に貫通する貫通穴13aが形成され、前記容器本体11の貫通穴11a内に嵌挿される給水部材13と、上下方向に移動可能に設けられ、貫通穴13aを開閉するための給水弁14と、この給水弁14を下方に付勢するためのばね体18とからなり、給水弁14及びばね体18が給水部材13によって保持されている。
【0021】
前記給水弁14は、前記貫通穴13a内に挿通されて長手方向が上下方向に沿って設けられるとともに、上下方向に移動自在に設けられる棒状の移動部材15と、この移動部材15の上端部に設けられ、貫通穴13aを上側から封止する封止部材16と、移動部材15の下端部に設けられた板状の係合部材17とからなり、給水部材13の下面と係合部材17の上面との間に前記ばね体18が配設される。
【0022】
この給水弁14によれば、ばね体18の付勢力によって係合部材17が下方に付勢されることで、移動部材15及び封止部材16が下方に移動して当該封止部材16により貫通穴13aが上側から封止される(図5参照)。一方、係合部材17が、後述の接続部材42の係合突起42bと係合し、ばね体18の付勢力に抗して上方に移動せしめられると、移動部材15及び封止部材16が上方に移動して貫通穴13aの封止が解除される(図6参照)。
【0023】
前記膜分離機構20は、図7に示すように、内部が中空の円筒状に形成された耐圧構造の容器体21と、円筒状に形成され、容器体21の内部に収容された逆浸透膜22とを備えており、前記容器体21には、その上端部中央に前記供給機構30の第4供給管32dが、その下端部中央に前記浄水流通管35が、その下端部外周側に前記排水流通管37がそれぞれ接続されている。
【0024】
前記逆浸透膜22は、容器体21の下端側の端面に開口し、浄水流通管35と連通する中空部22aを備えており、分離対象物は、原水Lが外周側から内周(中空部22a)側に透過する際に分離,除去されるようになっている。尚、この逆浸透膜22は、前処理機構25で分離,除去されなかった、例えば、水中に溶解した化学物質、微生物、重金属などを分離する。
【0025】
前記前処理機構25は、第1フィルタ処理部26と、この第1フィルタ処理部26よりも下流側に設けられた第2フィルタ処理部27とからなる。第1フィルタ処理部26は、適宜フィルタにより、原水L中に含まれる、例えば、比較的粒子径の大きい沈殿物質や浮遊物質などを分離,除去し、第2フィルタ処理部27は、活性炭フィルタにより、第1フィルタ処理部26で処理された原水Lから、例えば、化学物質や有機的汚染物質の一部、塩素などを吸着して除去する。
【0026】
前記供給機構30は、容器体21の内部(膜分離機構20)に原水Lを加圧して供給する供給ポンプ31と、前記接続部材42と第1フィルタ処理部26とを接続する第1供給管32aと、第1フィルタ処理部26と供給ポンプ31とを接続する第2供給管32bと、供給ポンプ31と第2フィルタ処理部27とを接続する第3供給管32cと、第2フィルタ処理部27と容器体21(膜分離機構20)とを接続する第4供給管32dとを備えており、供給ポンプ31により、貯留容器10内の原水Lを、第1供給管32a,第1フィルタ処理部26,第2供給管32b,第3供給管32c,第2フィルタ処理部27及び第4供給管32d内を順次流通させて膜分離機構20に供給する。尚、前記第3供給管32cには、原水Lを第2フィルタ処理部27側に向けてのみ流通させる逆止弁33が設けられ、前記第4供給管32dには、原水Lを膜分離機構20側に向けてのみ流通させる逆止弁34が設けられている。
【0027】
前記浄水流通管35は、容器体21(膜分離機構20)と後述の吐出部材43とを接続しており、逆浸透膜22を透過した原水Lが分離対象物の分離された浄水として流通するようになっている。尚、この浄水流通管35には、吐出部材43側に向けてのみ浄水を流通させる逆止弁36が設けられている。
【0028】
前記排水流通管37は、容器体21(膜分離機構20)と排水弁38とを接続する第1流通管37aと、排水弁38と後述の排出部材44とを接続する第2流通管37bとからなり、逆浸透膜22を透過しなかった原水Lが排水として流通するようになっている。尚、排水弁38は、逆浸透膜22を透過しないで排水流通管37内を流通し、排出部材44から排出される排水の流量を調整する。また、第1流通管37aには、排水弁38側に向けてのみ排水を流通させる逆止弁39が設けられている。
【0029】
前記本体40は、膜分離機構20,前処理機構25,供給機構30,浄水流通管35,排水流通管37及び制御装置(図示せず)を、図4に示すような状態で内部に収容するケース41と、貯留容器10の給水機構12が着脱自在に接続される接続部材42と、浄水を外部に吐出するための吐出部材43と、排水を外部に排出するための排出部材44と、ケース41の底部側側面に接続され、吐出部材43から吐出された浄水を貯留する容器5を載置するための載置台45とを備える。尚、図4において、符号41aは、供給ポンプ31が載置される底板を示している。
【0030】
前記ケース41は、貯留容器10が上面に載置される載置部41bを前面側に備える。また、ケース41の上面には、供給ポンプ31を作動させるタイマスイッチのつまみ46が設けられ、ケース41の前面には、排水弁38の開度を調整するつまみ47が設けられている。また、更に、ケース41の裏面には、家庭用コンセントや車のシガーライター、バッテリといった適宜電力供給部から供給される電力を供給ポンプ31や制御装置(図示せず)などに供給するためのコードのプラグ差込口48、運転中に点灯するランプ49、電力供給部に対応した適宜制御回路に切り換えるための切換スイッチ50などが設けられている。
【0031】
前記接続部材42は、上面が開口しており、下面に上下に貫通した貫通穴42aを備えるとともに、下面中央部に立設された係合突起42bを備える。また、この接続部材42は、載置部41bの上面中央部に配設され、下面には第1供給管32aが接続されている。
【0032】
また、この接続部材42には、給水機構12の給水部材13が着脱自在に外嵌されるようになっており、給水部材13が接続部材42に外嵌されるように容器本体11が載置部41b上に載置されると、給水弁14の係合部材17と係合突起42bとが係合して貫通穴13aの封止が解除され、容器本体11の内部と第1供給管32aとが連通状態となるようになっている。そして、容器本体11の内部と第1供給管32aとが連通状態となると、容器本体11内の原水Lが、貫通穴13a,接続部材42の内部及び貫通穴42aを通って第1供給管32a側に流入するようになっている。
【0033】
前記吐出部材43は、ケース41の上面に取り付けられ、浄水を吐出する吐出口(図示せず)をケース取付側とは反対側に備えている。また、この吐出部材43には、浄水流通管35が接続されており、浄水流通管35内を流通した浄水が吐出口(図示せず)から吐出される。
【0034】
前記排出部材44は、ケース41の裏面に取り付けられ、排水を排出する排出口(図示せず)を備えている。また、この排出部材44には、排水流通管37の第2流通管37bが接続されており、第2流通管37b内を流通した排水が排出口(図示せず)から排出される。
【0035】
前記制御装置(図示せず)は、タイマスイッチのつまみ46によって作動時間が調整されるタイマスイッチや、切換スイッチ50によって切り換えられる制御回路などから構成されるもので、使用者がタイマスイッチのつまみ46を回すことで設定された時間、供給ポンプ31を作動させる。
【0036】
以上のように構成された本例の浄水器1によれば、まず、給水機構12の給水部材13が接続部材42から取り外されるように容器本体11が載置部41b上から取り上げられ、原水(水道水)が容器本体11内に入れられる。このとき、給水弁14は、ばね体18の付勢力によって係合部材17が下方に付勢され、封止部材16によって貫通穴13aを上側から封止している。
【0037】
この後、給水部材13が接続部材42に外嵌されるように容器本体11が載置部41b上に載置されると、係合部材17と係合突起42bとが係合して係合部材17,移動部材15及び封止部材16がばね体18の付勢力に抗して上方に移動せしめられ、貫通穴13aの封止が解除されて、容器本体11の内部と第1供給管32aとが連通状態となる。
【0038】
次に、使用者がタイマスイッチのつまみ46を回して作動時間を設定すると、当該設定された時間、供給ポンプ31が作動する。これにより、容器本体11内の原水Lが、第1供給管32a,第1フィルタ処理部26,第2供給管32b,第3供給管32c,第2フィルタ処理部27及び第4供給管32d内を順次流通して容器体21内に供給される。
【0039】
容器体21内に供給された原水Lの一部は、逆浸透膜22を透過して浄水流通管35内を流通し、この後、吐出部材43の吐出口(図示せず)から浄水として吐出され、容器5内に貯留される。一方、供給された原水Lの残りは、逆浸透膜22を透過せずに排水流通管37(第1流通管37a,第2流通管37b)内を流通し、この後、排出部材44の排出口(図示せず)から排水として排出される。
【0040】
このように、本例の浄水器1によれば、使用者は、容器本体11内に原水を入れて、給水部材13が接続部材42に外嵌されるように容器本体11を載置部41b上に載置するだけで良く、従来の浄水器のように蓋体の着脱作業を行う必要がないので、簡単に使用することができる。また、膜分離機構20,前処理機構25,供給機構30,浄水流通管35,排水流通管37及び制御装置(図示せず)が本体40に内蔵されており、貯留容器10のみを本体40の載置部41b上に載置したり、載置部41b上から取り外せば良いので、取り扱いが簡単である。また、更に、膜分離機構20,前処理機構25,供給機構30,浄水流通管35,排水流通管37及び制御装置(図示せず)を本体40に内蔵することで、装置構成のコンパクト化を図り、持ち運びに適したものとすることもできる。
【0041】
また、浄水流通管35に、吐出部材43側に向けてのみ浄水を流通させる逆止弁36を設けたので、浄水流通管35内を浄水が流通していないときは、この逆止弁36によって管路を閉塞することができ、空気中の雑菌が吐出部材43の吐出口(図示せず)及び浄水流通管35から容器体21の内部に侵入するのを防止することができる。これにより、逆浸透膜22が汚染されたり、逆浸透膜22の分離,除去機能が低下したり、吐出部材43の吐出口(図示せず)から吐出される浄水に雑菌が含まれるのを効果的に防止することができる。
【0042】
また、使用者がタイマスイッチのつまみ46を回すことで設定した時間だけ供給ポンプ31が作動するように構成したので、即ち、設定時間が経過すると、供給ポンプ31が停止するように構成したので、貯留容器10内の原水Lが無くなった後も、供給ポンプ31が作動し続けるといった不都合を防止することもできる。
【0043】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0044】
上例では、原水Lを水道水としたが、これに限られるものではない。また、給水機構12や給水弁13、膜分離機構20、本体40の構造や形状は上例のものに限定されず、また、原水Lや浄水、排水の流路構成も上例のものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る浄水器の概略構成を示した斜視図である。
【図2】本実施形態に係る浄水器の概略構成を示した斜視図である。
【図3】本実施形態に係る浄水器の概略構成を示した模式図である。
【図4】本実施形態に係る浄水器の内部構造を示した斜視図である。
【図5】図1における矢示A−A方向の断面図である。
【図6】図1における矢示A−A方向の断面図である。
【図7】本実施形態に係る膜分離機構の概略構成を示した断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 浄水器
5 容器
10 貯留容器
11 容器本体
12 給水機構
13 給水部材
14 給水弁
15 移動部材
16 封止部材
17 係合部材
18 ばね体
20 膜分離機構
21 容器体
22 逆浸透膜
25 前処理機構
30 供給機構
31 供給ポンプ
32a 第1供給管
32b 第2供給管
32c 第3供給管
32d 第4供給管
35 浄水流通管
36 逆止弁
37 排水流通管
40 本体
41 ケース
42 接続部材
43 吐出部材
44 排出部材
45 載置台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水中に含まれた分離対象物を分離,除去する浄水器であって、
給水弁を具備した給水機構を底部に備え、前記原水が貯留される貯留容器と、
逆浸透膜を備え、この逆浸透膜により前記原水から前記分離対象物を分離する膜分離手段と、
一端側が前記膜分離手段に接続された供給管を備え、この供給管を介し、前記貯留容器内の原水を加圧して前記膜分離手段に供給する供給手段と、
一端側が前記膜分離手段に接続され、前記逆浸透膜を透過した原水たる浄水が流通する浄水流通管と、
一端側が前記膜分離手段に接続され、前記逆浸透膜を透過しなかった原水たる排水が流通する排水流通管と、
前記貯留容器が上面に載置される載置部と、前記載置部上に配設されて前記給水機構と着脱自在に接続し、前記供給管の他端側が接続される接続部材と、前記浄水流通管の他端側が接続され、前記浄水を外部に吐出するための吐出口と、前記排水流通管の他端側が接続され、前記排水を外部に排出するための排出口とを備え、前記膜分離手段,供給手段,浄水流通管及び排水流通管が内蔵される本体とからなり、
前記給水弁は、前記給水機構と前記接続部材とが接続するように前記貯留容器が前記載置部上に載置されたときにこの接続部材によって開かれ、この給水弁が開かれると、前記貯留容器の内部と前記供給管の他端側とが連通状態となるように構成されてなることを特徴とする浄水器。
【請求項2】
前記浄水流通管に設けられ、その一端側から他端側に向けてのみ前記浄水を流通させる逆止弁を更に備えてなることを特徴とする請求項1記載の浄水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−23481(P2008−23481A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200833(P2006−200833)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(500272439)株式会社セイワ・プロ (13)
【Fターム(参考)】