説明

浴室暖房乾燥機

【課題】衣類および浴室乾燥において、浴室内の温度、相対湿度に応じて乾燥運転の運転時間延長を行い乾燥運転停止後の乾燥対象物の仕上がり状態を向上することを目的とする。
【解決手段】衣類または浴室1を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室1空気の温度を検知する温度センサ23と相対湿度を検知する湿度センサ24を設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室1の乾燥運転の運転時間を延長させるという構成にしたことにより、浴室1内の温度、相対湿度に応じて乾燥運転の運転時間延長を行い乾燥運転停止後の乾燥対象物の仕上がり状態を向上させることができるという浴室暖房乾燥機を得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類乾燥および浴室乾燥に使用される浴室暖房乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の浴室暖房乾燥機は、浴室内の空気を取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、吸い込まれた空気を再び浴室に戻す循環風路と、循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記吹出し口から送風された風向を任意に変化させる風向制御手段と、前記浴室内から吸い込んだ空気を建物の外側に換気する換気手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
以下、その浴室暖房乾燥機について図6を参照しながら説明する。
【0004】
図6に示すように、浴室内の空気を取り入れる吸込口101と、前記空気を加熱する空気加熱手段102と、吸い込まれた空気を再び浴室に戻す循環風路と、循環送風手段103により前記浴室内に前記空気を送風する吹出口104と、前記吹出し口から送風された風向を任意に変化させる風向制御手段105と、前記浴室内から吸い込んだ空気を建物の外側に換気する換気手段106を備え、衣類または浴室を乾燥させる運転のときは、前記空気加熱手段102と、前記循環送風手段103と、前記換気手段106を同時に駆動し、前記風向制御手段105により、ユーザが任意に吹き出し空気を乾燥対象物に向けるようにする構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4497631号公報(第15頁、図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来の浴室暖房乾燥機においては、衣類乾燥および浴室乾燥は、乾燥対象物が違うため、ユーザが設定する運転時間によって乾き方に違いが出る、特に季節などの温度・相対湿度に対しての影響をユーザが考慮し難く、乾燥運転停止後の乾燥対象物の仕上がり状態に満足いかないという課題を有していた。
【0007】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、衣類および浴室乾燥において、浴室内の温度、相対湿度に応じて乾燥運転の運転時間延長を行い乾燥運転停止後の乾燥対象物の仕上がり状態を向上させることができる浴室暖房乾燥機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために、本発明は、浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の運転時間を延長させることを特徴としたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【0009】
また、他の手段は、浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の前記循環送風の風量を変化させることを特徴としたものである。
【0010】
また、他の手段は、算出した絶対湿度を機器停止時において時系列的に記憶する絶対湿度記憶手段を設け、衣類および浴室の乾燥運転の運転時間を延長させる判断を前記絶対湿度記憶手段に記憶された運転前の絶対湿度を目標とすることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の運転時間を延長させることにより、浴室内の温度、相対湿度に応じて乾燥運転の運転時間延長を行い乾燥運転停止後の乾燥対象物の仕上がり状態を向上させることができるという効果を得ることができる。
【0012】
また、浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の前記循環送風の風量を変化させることにより、風量を変化させることで乾燥運転の省エネになるという効果を得ることができる。
【0013】
また、請求項1または2のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機において前記算出した絶対湿度を機器停止時において時系列的に記憶する絶対湿度記憶手段を設け、衣類および浴室の乾燥運転の運転時間を延長させる判断を前記絶対湿度記憶手段に記憶された運転前の絶対湿度を目標とすることにより、運転前の絶対湿度を記憶して各環境に応じた定常状態を目標にすることで季節による温度や相対湿度に対して影響が小さくなるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1の浴室暖房乾燥機の斜視図
【図2】同浴室暖房乾燥機の側構成図
【図3】同浴室暖房乾燥機の制御手段のブロック図
【図4】同浴室暖房乾燥機の制御手段のブロック図
【図5】同浴室暖房乾燥機の制御手段のブロック図
【図6】従来の浴室暖房乾燥機の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の請求項1記載の浴室暖房乾燥機は、浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の運転時間を延長させるという構成を有する。これにより、算出した絶対湿度に応じて衣類および浴室の乾燥運転の運転時間を延長させるので、浴室内の温度、相対湿度に応じて乾燥運転停止後の仕上がり状態を向上させるという効果を奏する。
【0016】
また、浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の前記循環送風の風量を変化させるという構成にしてもよい。これにより、算出した絶対湿度に応じて衣類および浴室の乾燥運転の循環送風の風量を変化させるので、乾燥運転の省エネになるという効果を奏する。
【0017】
また、請求項1または2のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機において前記算出した絶対湿度を機器停止時において時系列的に記憶する絶対湿度記憶手段を設け、衣類および浴室の乾燥運転の運転時間を延長させる判断を前記絶対湿度記憶手段に記憶された運転前の絶対湿度を目標とするという構成にしてもよい。これにより、乾燥運転の運転時間を延長させる判断を前記絶対湿度記憶手段に記憶された運転前の絶対湿度を目標とするので、各環境に応じた定常状態を目標にできるので季節による温度や相対湿度に対して影響が小さくなるという効果を奏する。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1に示すように、浴室1は浴槽2と、浴槽2と壁などで分断されていない空間である洗い場空間3を備え、天井面4には点検口5および開口部6があり、図2に示す浴室1の天井裏空間7に浴室暖房乾燥機を形成する本体8を設け、開口部6を介して浴室1に連通している。
【0020】
なお、図1に示す点検口5は洗い場空間3の直上、開口部6は浴槽2の直上に位置している。
【0021】
また、図2に示すように浴室暖房乾燥機は、浴室1の天井面4にパネル9が設置され、パネル9は吸込口10と吹出口11を備え、浴室暖房乾燥機の本体8は、吸込口10の近傍に浴室1の空気を吸込口10から取り入れた空気を加熱する空気加熱手段としての温水を用いた熱交換器12と、熱交換器12に対して下流側に空気を循環させる循環送風手段としての循環ファンモータ13とを備えており、循環ファンモータ13が駆動することにより、吸込口10から取り入れた空気は熱交換器12により加熱され温風となる。前記温風は、循環ファンモータ13により浴室1に空気を送風する吹出口11まで、を繋ぐ通風路14を通過し吹出口11に到達する。
【0022】
さらに、前記温風は、吹出口11から送風された風向を変化させる風向制御手段としての風向板15と、前記風向板15を稼動させる手段としてのモータ好ましくはステッピングモータ(図示せず)により、浴室1の任意の方向へ送風することができる。
【0023】
なお、循環ファンモータ13として、ファンは例えばシロッコファンを用い、モータはDCを用いている。
【0024】
なお、本実施の形態1において、浴室暖房乾燥機の本体8に浴室1をサウナ空間とすることができる加湿手段を設けても良い。
【0025】
なお、本実施の形態1では空気加熱手段として温水を用いた熱交換器12を用いたが、熱交換器12に換えてPTCヒータ、ハロゲンヒータ、シーズヒータ等他の電気式ヒータでもよい。
【0026】
そして、前記浴室暖房乾燥機は、本体8の点検口5側の外部に浴室1の空気を屋外に排出する換気手段としての換気ファンモータ16を備えた換気部17をねじ止めさせて設け、換気部17と本体8を連通し、連通する開口形状(開口面積に相当)を調節するダンパ18を備え、浴室1の換気を行うことができる。
【0027】
なお、ダンパ18なし、本体8内部に換気手段を備えた浴室暖房乾燥機、または外部換気装置と浴室暖房乾燥機とをダクト配管を介して連通する構成でも良い。
【0028】
また、前記浴室暖房乾燥機は、運転の制御を行なう運転制御手段としての電装基板19と、前記浴室暖房乾燥機を脱衣室20内から操作し運転状態を表示する操作手段としての脱衣室リモコン21と前記浴室暖房乾燥機を浴室1から操作し運転状態を表示する操作手段としての浴室リモコン22とを備え、脱衣室リモコン21および浴室リモコン22からの操作により、浴室暖房乾燥機の運転を行うことができる。
【0029】
また、前記浴室暖房乾燥機は、浴室内温度検知手段としての温度センサ23と、湿度検知手段としての湿度センサ24を備え、温度センサ23と湿度センサ24で検知された温度より浴室1の空間温度と相対湿度より絶対湿度を演算をし、前記絶対湿度より浴室空間内の水分量がわかる。
【0030】
なお、絶対湿度の演算は、マイクロコンピュータに予め入力されている計算式を活用する構成とし、前記マイクロコンピュータは電装基板19に設けられている。前記マイクロコンピュータは、一般的にマイコンと呼ばれるもので、浴室暖房乾燥機の運転制御を行うものであり、マイコンは脱衣室リモコン21または浴室リモコン22に設け、通信によって浴室暖房乾燥機の運転制御を行う構成とし、電装基板19、脱衣室リモコン21または浴室リモコン22いずれかに少なくとも1個搭載されていれば良く、複数個および複数個所に搭載しても問題ない。
【0031】
なお、通信は、ワイヤード線やワイヤレスなど通信形態を限定しない。
【0032】
なお、温度センサ23は、サーミスタセンサや赤外線センサ他多種の温度センサを用いてよく、さらに湿度センサ24は、相対湿度や抵抗変化数値、電流変化数値から演算するものでも良く、絶対湿度を直接値として得られるものであれば、演算を省くこともできる。
【0033】
なお、温度センサと湿度センサは互いに近い位置に設けられることが空間内の温度ムラに対しての誤差が少なく絶対湿度が算出できるので、好ましく、一体となったものでも良い。
【0034】
図3に示すように、浴室リモコン22もしくは脱衣室リモコン21を操作することで浴室1内に洗濯後の衣類または入浴後の浴室を乾燥させる運転モード、例えば衣類乾燥運転、浴室乾燥運転などが始動すると、風向板15は運転モード毎に使用者(ユーザ)が設定した角度A0となるが、その角度A0の設定はあらかじめ設定されているいくつかの設定角度から使用者が選択するものであり、乾燥対象物に向けて設定するのが一般的である。
【0035】
なお、角度とは、天井面4と風向板15との間の洗い場空間3側の角度である。
【0036】
また、使用者は、運転モードの運転時間T0すなわち運転終了時間を設定することができる(例えは、最小時間10分、最大6時間まで10分ごとに運転継続時間を設定できる)。
【0037】
そして、循環ファンモータ13が作動すると吸込口10から吸い込まれた空気は熱交換器12および通風路14を経て吹出口11へ到達し、風向板15により定められた角度A0で浴室1に吹き出され、衣類または浴室すなわち乾燥対象物の水分を蒸発させる。
【0038】
さらに換気ファンモータ16が作動することで浴室内の空気を換気部17と本体8を連通する開口形状を調節するダンパ18が開いて、換気部17と本体8を連通する開口部を介して蒸発した水分を含む浴室1内の空気を屋外へ排出する。
【0039】
その際浴室内へ吹き出される空気の風量および屋外へ排出する風量は、あらかじめ各運転モードで設定されている吹き出される風量の初期設定値Q0、屋外へ排出する風量の初期設定値Q1である。
【0040】
その後、徐々に浴室1内の乾燥対象物は乾燥していくが、浴室暖房乾燥機の設置状態や浴室1の広さや季節毎の温度・湿度などの影響により乾燥対象物の乾燥状態に差があり、
使用者が設定した時間では乾燥のこりが生じることがある。
【0041】
乾燥運転を継続しながら、使用者が設定した運転時間の運転終了前T1(例えば5分)の際に、温度センサおよび湿度センサで検知した値より浴室内の絶対湿度演算を行い、あらかじめ決めた浴室内空気の水分量すなわち浴室内空気の絶対湿度閾値により、乾燥対象物の状態を判断する。
【0042】
浴室1内の絶対湿度が小さいと判断された場合は、使用者が設定した運転時間T0を運転終了時間として運転を継続し、運転開始からT0時間経過した際に運転を終了する。
【0043】
また、浴室1内の絶対湿度が大きいと判断された場合、使用者が設定した運転時間T0に対しあらかじめ決められた運転時間T2(例えば30分)を延長させる。
【0044】
なお、運転時間T2を延長した後も運転終了前T1の際に同様の判断を行う。
【0045】
また、運転時間の延長は、累積時間(例えは、延長による運転継続が24時間)によって強制的に運転終了させる手段を備えても良い。
【0046】
なお、上記のように運転時間を延長させないように設定することも可能であるとする。
【0047】
また、浴室1内の絶対湿度が小さいと判断された場合に、使用者が設定した運転時間内に乾燥対象物を乾かせる手段として風量を変化させる場合の動作について説明する。
【0048】
図4に示すように、運転開始後、一定時間T1(例えば30分または設定運転時間の半分)経過した後に、温度センサおよび湿度センサで検知した値より浴室内の絶対湿度演算を行い、あらかじめ決めた浴室内空気の水分量すなわち浴室内空気の絶対湿度閾値により、乾燥対象物の状態を判断する。
【0049】
浴室1内の絶対湿度が小さいと判断された場合は、初期循環風量Q0を変更せずに運転を継続、運転開始からT0時間経過した際に運転を終了する。
【0050】
また、浴室1内の絶対湿度が大きいと判断された場合、初期循環風量Q0に対しあらかじめ決められた循環風量Qmax(例えば、300m3/h以上)に風量を増加させて、運転開始からT0時間経過した際に運転を終了する。
【0051】
なお、上記のように風量を増加させないように設定することも可能であるとする。
【0052】
また、運転開始前の浴室1内の絶対湿度すなわち浴室1内の初期水分量を記憶し、前記初期水分量を乾燥対象物の乾燥状態を判断する閾値とする場合の動作について説明する。
【0053】
図5に示すように、運転開始前のt0(例えば、始動30分前)の際に、温度センサおよび湿度センサで検知した値より浴室内の絶対湿度演算を行い、浴室内空気の水分量すなわち初期水分量を乾燥対象物の状態を判断する閾値とする。そして、運転開始は使用者が任意に行うため、前記初期水分量を時系列的に記憶する手段を備える。
【0054】
なお、初期水分量は、一定期間(例えば、24時間)経過した値を記憶値から消していく構成でも良い。
【0055】
乾燥運転を継続しながら、使用者が設定した運転時間の運転終了前T1(例えば5分)の際に、温度センサおよび湿度センサで検知した値より浴室内の絶対湿度演算を行い、運転終了前T1の浴室内空気の水分量より乾燥対象物の状態を判断する。
【0056】
初期水分量より小さいまたは同等量と判断された場合は、使用者が設定した運転時間T0を運転終了時間として運転を継続し、運転開始からT0時間経過した際に運転を終了する。
【0057】
また、初期水分量より大きいと判断された場合、使用者が設定した運転時間T0に対しあらかじめ決められた運転時間T2(例えば30分)を延長させる。
【0058】
なお、運転時間T2を延長した後も運転終了前T1の際に同様の判断を行う。
【0059】
また、運転時間の延長は、累積時間(例えは、延長による運転継続が24時間)によって強制的に運転終了させる手段を備えても良い。
【0060】
なお、上記のように運転時間を延長させないように設定することも可能であるとする。
【0061】
また、使用者が設定した運転時間の運転終了前T1(例えば5分)の際の度センサで検知した値より浴室内の絶対湿度演算を行い、運転終了前T1の浴室内空気の水分量と初期水分量との差に応じて乾燥対象物の状態を判断し、延長する運転時間T2に段階を設けた構成でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明にかかる浴室暖房乾燥機は、乾燥対象物および対象空間を乾燥することを目的とした機能を有し、機器操作部より運転時間を設定する機能を有する機器を対象に適用できる。
【符号の説明】
【0063】
1 浴室
2 浴槽
3 洗い場空間
4 天井面
5 点検口
6 開口部
7 天井裏空間
8 本体
9 パネル
10 吸込口
11 吹出口
12 熱交換器
13 循環ファンモータ
14 通風路
15 風向板
16 換気ファンモータ
17 換気部
18 ダンパ
19 電装基板
20 脱衣室
21 脱衣室リモコン
22 浴室リモコン
23 温度センサ
24 湿度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、
前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の運転時間を延長させることを特徴とする浴室暖房乾燥機。
【請求項2】
浴室内の空気を浴室暖房乾燥機に取り入れる吸込み口と、前記空気を加熱する空気加熱手段と、前記空気を循環させる循環送風手段と、前記循環送風手段により前記浴室内に前記空気を送風する吹出し口と、前記空気が前記循環送風手段より前記吹出し口に到達するまでに通過する通風路と、前記吹出し口から送風された風向を変化させる風向制御手段と、
前記浴室を換気する換気手段と、前記浴室暖房乾燥機を操作し運転状態を表示する操作手段と、運転の制御を行なう運転制御手段とを備え、衣類または浴室を乾燥させることを目的とした運転モードを設け、かつ浴室空気の温度を検知する温度センサと相対湿度を検知する湿度センサを設け、検知した前記温度および前記相対湿度から絶対湿度を算出する手段を設け、算出した前記絶対湿度に応じて前記衣類および前記浴室の乾燥運転の前記循環送風の風量を変化させることを特徴とする浴室暖房乾燥機。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかに記載の浴室暖房乾燥機において、算出した絶対湿度を機器停止時において時系列的に記憶する絶対湿度記憶手段を設け、衣類および浴室の乾燥運転の運転時間を延長させる判断を前記絶対湿度記憶手段に記憶された運転前の絶対湿度を目標とすることを特徴とする浴室暖房乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−61106(P2013−61106A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199303(P2011−199303)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】