説明

液体の微生物分析用の試料を調製するための装置及び方法

【課題】同型であるが同時により多機能且つ実用的な、液体の微生物分析用の試料を調製するための装置を提供すること。
【解決手段】本装置は、フィルター膜(6)、フィルターモジュール(2)及び前記フィルターモジュールから来る各液体の回収モジュール(3)を含み、前記フィルターモジュールは液体の注入コンパートメント及び排出コンパートメントを含み、フィルターモジュールと回収モジュールとは互いに対して回転可能に取り付けられる。本方法は、そのような装置(1)を得るステップと、フィルターモジュール及び回収モジュールを第1の位置に配置するステップと、液体をフィルターモジュールから回収モジュールに達するように通過させるステップと、フィルターモジュールと回収モジュールとを互いに対して第2の位置に配置するステップと、別の液体をフィルターモジュールから回収モジュールに達するように通過させるステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体の微生物分析用の試料の調製に関する。
【背景技術】
【0002】
最も一般的には、そのような試料の調製は、微生物を含み得る液体を、その液体が微生物を含んでいる場合、液体の微生物が保持されるフィルター膜を備えた調製装置に通すことで行われる。
【0003】
そのような調製装置は、その液体を膜に通し、且つ膜を通過した時点で液体を排出するため、所定量の分析する液体をその装置のコンパートメントに注入するために提供される。
【0004】
場合により、フィルター膜が保持し得る微生物に特有の処理(例えば、分析のためにそれらの微生物の生体物質を回収する目的で、それらの微生物の溶解処理)を受けた後、時には膜を通過した液体を回収することも必要であるが、その液体を予め濾過された液体と混合しないようにする必要がある。
【0005】
分析する液体を注入するためのコンパートメント、注入コンパートメントの周囲に配置された複数のコンパートメント及びそれらのコンパートメントに突出するとともに、それらのコンパートメントを直接若しくはロータリーバルブが含むフィルター膜を介して一対連通させるように構成されたロータリーバルブを含む調製装置が米国特許第6,374,684号明細書から知られている。
【0006】
注入コンパートメント内のプランジャーの摺動は、注入コンパートメントを取り囲むコンパートメントの1つのコンパートメントから吸引することにより(プランジャーを引っ張ることにより)、液体を取除くことが可能であるのみならず、バルブの回転後、直接又はその液体がフィルター膜を通過した後に注入コンパートメントを取り囲むコンパートメントの別のコンパートメント内にその液体を回収する(プランジャーを押すことにより)ことも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6,374,684号明細書
【特許文献2】米国特許第6,300,142号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、同型であるが同時により多機能且つ実用的な装置の提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明は、微生物を含み得る所定量の液体の微生物分析用の試料を調製するための装置であって、フィルター膜フィルターモジュール及び前記フィルターモジュールから来る各液体の回収モジュールを含み、前記フィルターモジュールは前記フィルターモジュールの注入開口部によって前記所定量を注入するための注入コンパートメントと、前記フィルターモジュールの排出開口部によって前記所定量を前記回収モジュールに排出するための排出コンパートメントとを含み、前記注入コンパートメントは前記所定量の全部を含むように構成され、前記排出コンパートメントは前記膜によって前記注入コンパートメントから分離され、フィルターモジュールと回収モジュールとは互いに対して回転可能に取り付けられ、互いに対して前記フィルターモジュールの排出開口部が前記回収モジュールの第1の開口部と一致する第1の相対所定位置と、前記フィルターモジュールの前記排出口が前記回収モジュールの第2の開口部と一致する、前記第1の相対所定位置と異なる第2の相対所定位置とを有する装置であって、前記注入コンパートメントと前記排出コンパートメントとが前記フィルター膜に対して互いに反対側にあり、前記注入コンパートメントが、前記所定量が前記注入コンパートメント内にある場合、液体が少なくとも表面の大半にわたってフィルター膜と接触するように配置されることを特徴とする、装置を提供する。
【0010】
注入コンパートメントと排出コンパートメントとのフィルター膜に対する互いに反対側への配置により、液体が膜の少なくとも表面の大半と接触して配置されることを可能にする注入コンパートメントと共に、液体がフィルターモジュールから回収モジュールに達するように流れさせる多くの可能性が得られる。
【0011】
従って、膜を横断した調製装置内への液体の流入は、例えば、その装置を遠心分離機に配置することによって実施され得る。
【0012】
より詳細には、液体の注入コンパートメントと排出コンパートメントとが膜に対して互いの反対側(即ち、膜の両側)にあるということは、従って、液体が濾過の全長に対して単一方向に流れることを可能にし、その結果、装置を遠心分離による液体流と適合させる。
【0013】
更に、注入コンパートメントのレベルに配置されると、液体は表面の大半にわたって膜と接触し、従って、液体通過のための大領域が得られ、その結果、圧力損失も少なくなり、遠心分離によるフローを可能にする。
【0014】
これは、例えば、特に、米国特許第6,374,684号明細書に述べられているような従来技術のデバイスに対する利点であり、この明細書は、それらのデバイスのコンパートメントがすべて膜の同じ側に配置される(従って、そのようなデバイスの遠心分離は、液体を1つのコンパートメントから別のコンパートメントへ通過させることを可能としない)ということにより、更に、注入コンパートメントの液体が表面の大半にわたって膜と直接接触するのではなく、狭いチャネルを介して接触し、その配置を遠心分離による液体の通過と不適合にさせ、液体流域における断面の制約が大きすぎるということにより、そのような可能性を付与しなかった。
【0015】
製造及び使用に関する簡便性及び利便性の理由で好ましい特徴に従って、前記第1の所定位置において前記第2の開口部が封鎖され、前記第2の所定位置において前記第1の開口部が封鎖される。
【0016】
他の好ましい特徴に従って、前記フィルターモジュールと前記回収モジュールとが、前記排出開口部が封鎖される、第1及び第2の位置と異なる、封鎖位置と称される、互いに対する別の所定位置も有する。
【0017】
排出開口部が封鎖されるこの位置では、試薬が回収モジュール中を流れることなく、試薬をフィルターモジュールに付着させることが可能である。従って、フィルター膜上に保持される微生物の溶解を行うには化学溶解剤でもよい。この溶解剤は流出することができないため、より長い接触時間により、その作用は微生物に対してより効果的である。従って、小量の溶解剤を用いることが可能であり、これは、そのようにして得られる溶解物に対して行われる分析の感度を向上させる(過度に大量の試薬は、特に、核酸増幅法のような分析に対する暗騒音源となり得るため)。
【0018】
他の好ましい特徴に従って:
前記封鎖位置において前記第1及び第2の開口部も封鎖され、且つ/或いは、
前記フィルターモジュールと前記回収モジュールとが、前記装置が含む取除き開口部と一致する、第1及び第2の位置と異なる、取除き位置と称される、互いに対する別の所定位置も有する。
【0019】
更に他の好ましい特徴に従って、前記フィルターモジュールは、前記フィルター膜及び前記注入開口部と前記フィルター膜との間に位置する分離膜が内部に固定される本体部を含み、前記分離膜は前記フィルター膜の孔径より大きい孔径を有する。
【0020】
フィルターモジュールにおける異なる孔径の2つの膜の存在により、不要な微生物(例えば、膜を通過するには大きすぎるサイズの真核細胞)を第2の膜に回収される分析微生物(例えば、細菌又はウイルス)から分離することが可能になる。
【0021】
他の好ましい特徴に従って、前記分離膜は前記本体部の第1の部分に固定され、前記フィルター膜は前記本体部の第2の部分に固定され、前記第1及び第2の部分は一方が他方の内側に入れ子にされるように構成され、互いに溶接される。
【0022】
他の好ましい特徴に従って、前記フィルターモジュールは、フィルター膜に対する分離膜の反対側で前記分離膜に対して並置された別の膜を含み、前記別の膜は前記分離膜の孔径より大きい孔径を有する。
【0023】
分離膜に対して並置され、且つ孔径がより大きい別の膜の存在により、特に、濾過する液体が分析微生物から分離する細胞で特に満ちている場合、分離膜のみである場合には分離膜で生じ得る詰まり現象が防止される。
【0024】
他の好ましい特徴に従って:
前記分離膜の孔径は1μm超であり、且つ/或いは、
前記フィルター膜の孔径は1μm未満である。
【0025】
他の好ましい特徴に従って、前記フィルターモジュールは、前記本体部内に形成され、且つ前記分離膜及びフィルター膜間に位置する前記本体部のコンパートメントへのアクセスを付与する別の開口部を含む。
【0026】
従って、この開口部はフィルター膜が保持する微生物を溶解するための作用剤のような試薬をフィルター膜に付着させるため、フィルター膜に容易にアクセスすることを可能にする。
【0027】
他の好ましい特徴に従って:
前記開口部は、前記本体部内に形成されるチャネルの端部に位置し、
前記チャネルの前記開口部は、微生物を含み得る液体の注入開口部と同じレベルにほぼ位置し、
前記回収モジュールは、前記フィルターモジュールが含む環状溝に周囲が収容されるように構成されたディスクを含み、
前記フィルターモジュールは指標付け手段を含み、前記回収モジュールは、回収モジュールに対するフィルターモジュールの各所定位置のための相補的指標付け手段を含み、
前記指標付け手段はフィンを含み、前記相補的指標付け手段は前記フィンを収容するように構成された切欠部を各々が有するリブを含み、
回収モジュールの前記第1の開口部は前記回収モジュールが含むリザーバに通じ、
回収モジュールは、空気が前記リザーバ内に入ることを可能にするように構成された通気孔を含み、
前記リザーバは三日月形断面を有し、
回収モジュールの前記第2の開口部は、前記回収モジュールが含むリザーバに通じ、
前記リザーバは、前記回収モジュールが含む相補的ラッチ手段と共働するように構成されたラッチ手段を有し、
前記回収モジュールは、前記第1の開口部及び前記第2の開口部により、各々がそれぞれフィルターモジュールと同じ側へ通じる2つの管路が形成されるシールを含み、
前記シールは豆形断面を有し、且つ/或いは、
前記フィルターモジュールは、空気が前記注入コンパートメント内に入ることを可能にするように構成された通気孔を含む。
【0028】
第2の態様に従って、本発明は、微生物を含み得る所定量の液体の微生物分析用の試料を調製する方法に関し、本方法は:
上記に示す調製装置を得るステップと、
装置のフィルターモジュールと回収モジュールとを互いに対して前記第1の所定位置に配置するステップと、
微生物を含み得る前記所定量の液体を、フィルターモジュールから回収モジュールに達するように、フィルターモジュールの前記排出開口部及び回収モジュールの前記第1の開口部の中に通過させるステップと、
フィルターモジュールと回収モジュールとを互いに対して前記第2の所定位置に配置するステップと、
所定量の別の液体を、フィルターモジュールから回収モジュールに達するように、フィルターモジュールの前記排出開口部及び回収モジュールの前記第2の開口部の中に通過させるステップとを含むことを特徴とする。
【0029】
製造及び使用に関する簡便性及び利便性の理由で好ましい特徴に従って:
前記所定量をフィルターモジュールから回収モジュールに達するように通過させる前記ステップは、遠心分離によって実施され、
前記方法は、前記所定量の前記別の液体をフィルターモジュールの前記排出開口部及び回収モジュールの前記第2の開口部の中に通過させる前記ステップの前に、別の液体として前記フィルター膜に保持される微生物の溶解を引き起こすように構成された液体を選択するステップと、前記フィルター膜に前記所定量の前記別の液体を付着させるステップと、次いで、所定時間の間、前記微生物に作用するように前記別の液体を残置するステップとを含み、且つ/或いは、
前記方法は、前記所定量の前記別の液体をフィルターモジュールの前記排出開口部及び回収モジュールの前記第2の開口部の中に通過させるステップの後、分析のために前記所定量の前記別の液体を回収するステップを含む。
【0030】
本発明の特徴及び利点は、添付図面を参照し、好ましいが非限定的な例を通じて付与される以下の説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明による調製装置を示す分解斜視図である。
【図2】調製装置を示す斜視図である。装置が含む液体の回収モジュール及びそれらの液体のフィルターモジュールが示され、フィルターモジュールと回収モジュールとは、フィルターモジュールの排出開口部により、液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第1のリザーバに流れることを可能にする相対角度位置にて互いに対して配置されている。
【図3】異なる平面断面での調製装置を示す断面立面図である。装置が含む液体の回収モジュール及びそれらの液体のフィルターモジュールが示され、フィルターモジュールと回収モジュールとは、フィルターモジュールの排出開口部により、液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第1のリザーバに流れることを可能にする相対角度位置にて互いに対して配置されている。
【図4】異なる平面断面での調製装置を示す断面立面図である。装置が含む液体の回収モジュール及びそれらの液体のフィルターモジュールが示され、フィルターモジュールと回収モジュールとは、フィルターモジュールの排出開口部により、液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第1のリザーバに流れることを可能にする相対角度位置にて互いに対して配置されている。
【図5】異なる平面断面での調製装置を示す断面立面図である。装置が含む液体の回収モジュール及びそれらの液体のフィルターモジュールが示され、フィルターモジュールと回収モジュールとは、フィルターモジュールの排出開口部により、液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第1のリザーバに流れることを可能にする相対角度位置にて互いに対して配置されている。
【図6】図2から図5に類似する図であるが、フィルターモジュールから回収モジュールへの液体流を可能にした排出開口部が封鎖された、別の相対角度位置における調製装置を示す類似図である。
【図7】図2から図5に類似する図であるが、フィルターモジュールから回収モジュールへの液体流を可能にした排出開口部が封鎖された、別の相対角度位置における調製装置を示す類似図である。
【図8】図2から図5に類似する図であるが、フィルターモジュールから回収モジュールへの液体流を可能にした排出開口部が封鎖された、別の相対角度位置における調製装置を示す類似図である。
【図9】図2から図5に類似する図であるが、フィルターモジュールから回収モジュールへの液体流を可能にした排出開口部が封鎖された、別の相対角度位置における調製装置を示す類似図である。
【図10】図2から図5に類似する図であるが、排出開口部によって液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第2のリザーバに流れることを可能にする更に別の相対角度位置での調製装置を示す類似図である。
【図11】図2から図5に類似する図であるが、排出開口部によって液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第2のリザーバに流れることを可能にする更に別の相対角度位置での調製装置を示す類似図である。
【図12】図2から図5に類似する図であるが、排出開口部によって液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第2のリザーバに流れることを可能にする更に別の相対角度位置での調製装置を示す類似図である。
【図13】図2から図5に類似する図であるが、排出開口部によって液体がフィルターモジュールから回収モジュールの第2のリザーバに流れることを可能にする更に別の相対角度位置での調製装置を示す類似図である。
【図14】分離したフィルターモジュール本体の一部を示す上方斜視図である。
【図15】分離したフィルターモジュール本体の一部を示す下方斜視図である。
【図16】回収モジュールが含む液体を分配するためのディスクであって、フィルターモジュールと共働するディスクを示す図14の類似図である。
【図17】回収モジュールが含む液体を分配するためのディスクであって、フィルターモジュールと共働するディスクを示す図15の類似図である。
【図18】フィルターモジュールが含み、且つ液体を分配するためのディスクと共働するシールを示す分離斜視図である。
【図19】本発明による調製装置の第2の実施形態を示す立面断面図である。
【図20】本発明による調製装置の第3の実施形態を示す立面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1から図13に示される調製装置1は、フィルターモジュール2と、フィルターモジュールを通過した後の液体の回収用のモジュール3とを含む。
【0033】
フィルターモジュールは、3つのフィルター膜4、5及び6、本体部7(図3)並びに本体部の周囲に入れ子式に嵌合され、且つ本体部を密閉するカバー11を含む。
【0034】
このカバー11は壁部13及び環状カラー14を有し、カラー14において、そのカラーの内面に局所的に形成され(図1において点線で示される)、以下からわかるように、空気が通過することを可能にする通気孔を形成する溝部12を有する。
【0035】
本体部7は一方が他方に入れ子状態になった上部8及び下部9を有する。
【0036】
上部8は液体の注入開口部18を有し、一方、下部9はその液体の排出開口部19を有する(図3、図14及び図15)。
【0037】
上部8は開口部18を画定し、且つ周囲にカバー11が入れ子式に嵌合する第1の円筒部20と、第1の円筒部20より小径の第2の円筒部21とを有し、これらの円筒部は円錐台部22によって結合している。次のコンパートメントへの液体の通過用の開口部27(図3)を除き、円筒部21は壁部23によって円錐台部22の対向側で密閉される。膜4及び5(互いに対して配置される)はその周囲にてその壁部に対して固着される。
【0038】
膜4及び5はポリプロピレンから形成され、膜4の孔径は30μmに相当し、一方、膜5の孔径は5μmに相当する。
【0039】
これらの膜は、それらの膜を通過した後の液体の排水路が形成される壁部23の領域に載置され、排水路は液体を通過開口部27へ方向づけるために設けられる。排水路の幅(0.4mm)は、液体の十分な排水を付与するとともに、特に、遠心分離による濾過の場合、高圧応力に抵抗する必要がある膜4及び5に対して十分な機械的支持を確実にするように選択される。
【0040】
上部8には、両端にて開口し、円筒部21の内面に対して配置され、且つその円筒部を超えて開口部18の方向に延伸するチャネル24も形成される(図3)。そのチャネルの開口部25は実質的に開口部18のレベルに位置し、円筒部20の周囲に入れ子式に嵌合される際にカバー11によって密閉され、そのチャネルは開口部25に対向する開口部26により、膜6と膜4及び5との間に位置するフィルターモジュールの領域に渡る。
【0041】
下部9は、円筒部30、円錐台部31及び横方向壁部32を有する。
【0042】
円筒部30は円筒部21の直径と実質的に同程度の直径であり、円筒部21の変形によって入れ子式に嵌合されるように設けられ、次いで、その円筒部21に対して溶接される薄厚領域33を有し、遠心分離時の漏出に対し、更に、汚染リスクに対して装置の一体性を付与する(特に、抽出フード下にて作動することが不可能な場合)。
【0043】
円錐台部31は、上部8に入れ子式に嵌合されるように設けられたその領域と反対側で円筒部30に結合され、外向きに先細になる。
【0044】
その円錐台部上に一定間隔にて、以下からわかるように、フィルターモジュールと回収モジュールとが互いに対してとるように構成された3つの相対角度位置に対応する、それぞれ数字「1」、「2」、「3」がオーバープリントされる。これらの各銘刻文字に沿って関連位置を読み取るための対応するリブが配置される(数字「1」には36、数字「2」には37、且つ数字「3」には38)。
【0045】
円筒部30の内面及び円錐台部31との接合部の近傍に環状溝34が形成される。
【0046】
更に、円筒部30の内面から指標付けフィン35(図15)が突出し、これは、フィルターモジュールを回収モジュールに対して所望の位置に保持するため、回収モジュール3における相補的な指標付け手段と共働するために設けられる。
【0047】
横方向壁部32は円筒部30に対して実質的に横方向に延在するとともに、これを部分的に密閉し、その縁部間のほぼ中間にて円筒部30に結合する。この壁部はその周囲にてステップ形成を有してボウルを形成し、その底部に膜6がその周囲に固定される。
【0048】
その壁部から、膜6と共働するために設けられた壁部と反対側に、図15に示すように2つの環状リブ43及び44が突出する。
【0049】
その壁部に液体排出用の開口部19を形成する円形開口部が形成される。
【0050】
膜6は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)から形成され、0.45μmに相当する孔径を有し、膜を通過する液体の排水路46(図14)が形成される壁部32の領域に載置し、それらのチャネルは排出開口部45に結合する管路へ液体を方向づけるために設けられる。これらの管路は、特に、遠心分離時の溶解物の回収時に膜下の液体の保持を最小限にするため、傾斜している。
【0051】
上部8は、膜4及び5と共に第1のコンパートメント40を画定し、入れ子状態にて上部8及び下部9は、片側で膜4及び5且つ反対側で膜6と共に第2のコンパートメント41を画定し、一方、下部9は、膜6と共に第3のコンパートメント42を画定する(特に、排水路46により、且つ管路45及び開口部19に隣接して位置する空間によって形成される)。
【0052】
従って、液体が濾過の全長に対して単一方向に流れることを可能にし、その結果、装置を遠心分離による液体流と適合させるように、このフィルターモジュールは、コンパートメント40及び41から形成される液体の導入コンパートメントと、液体の排出コンパートメント42とが膜6に対して互いに反対側(即ち、膜6の両側)にあるように配置される。
【0053】
液体がコンパートメント41のレベルに位置すると、その表面10にわたって膜6と接触し、従って、液体通過のための大領域が得られ、遠心分離によるそのフローも可能になる。
【0054】
回収モジュール3は、流体分配ディスク50、流体密封シール51並びにディスク50の同じ側に取り付けられる第1のリザーバ52及び第2のリザーバ53を含む。
【0055】
リザーバ52はレーザー溶接によってディスク50に対して固定され、3つの膜を通して濾過され、且つ分析対象ではない液体を回収するために設けられる。従って、リザーバ52は、リザーバ53が収容される凹領域54を有するように、三日月形断面を有する(図1)。リザーバ52の外面からリブ55が突出し、これは、以下からわかるように、回収モジュール3に対するフィルターモジュール2の位置を読み取るための滑動板を形成する。
【0056】
リザーバ53はリザーバ52より少ない最大容積を有し、この場合、最大容積1.5mLを有するマイクロチューブ型の回収チューブである。このリザーバ53は、以下からわかるように、微生物を膜6上で溶解した後、分析する微生物を回収するために設けられる。
【0057】
リザーバ53はディスク50のカラー81とのラッチング共働のために設けられるリム56を有する。
【0058】
このディスク50は、同径の開口部63及び64並びに開口部63及び64の直径より著しく小さい直径の開口部65が形成される壁部60を有し、開口部63、64及び65は、それぞれ、リザーバ52及び53の対向側に位置する壁部60の表面61から突出するリブ66、67、68に囲まれている。
【0059】
開口部65を取り囲むリブ68は円形である。
【0060】
このディスクはその表面61から突出する3つのリブ69、70及び71も含み、その各々は、以下からわかるように、フィルターモジュールに対する回収モジュールの位置を指標付けするためのハウジングを形成するために設けられる。
【0061】
リブ69(71)は、フィルターモジュールが含む指標付けフィン35に対するガイド部72(75)、そのフィンに対する当接部73(76)及びガイド部72と当接部73との間に位置する、そのフィンに対するハウジング形成切欠部74(77)を有する。
【0062】
中間リブ70は2つのガイド部78及び79並びにガイド部78及び79間の切欠部80を有する。
【0063】
このディスクはまた、表面61と対向する面62から突出する、リザーバ53にラッチするための環状カラー81及びそのディスクに対して溶接されるリザーバ52を中心合わせするための環状カラー82を含む。
【0064】
シール51は豆形縦断面の(例示ではシリコーンの)エラストマーのシールであり、各端部の近傍にフィルターモジュールから来る液体の通過管90、91が形成される。通過管90(91)の周囲に、開口部63(64)に接するディスク50の壁部60の部分をその中に収容するために形成される環状溝92(93)が形成される。
【0065】
図18に示すように、通過管90(91)は、第1の開口部95(96)によってフィルターモジュール2と共働するように設けられたシールの片側に、且つ第2の開口部(図面では見えない)によって反対側に露出する。
【0066】
ディスク50におけるシール51の入れ子位置において、リブ66及び67はそのシールを部分的に囲む。
【0067】
従って、フィルターモジュールが回収モジュールに対して回転可能に取り付けられるように、ディスク50の壁部60はその外周においてフィルターモジュールの環状溝34に収容され、フィルターモジュールのフィン35は、実施される試料を調製するステップに依存し(以下参照)、回収モジュールの切欠部74、77又は80の1つに収容されるように設けられる。
【0068】
フィルターモジュール2の環状溝34における回収モジュール3のディスク50のラッチ位置において、シール51はディスクの壁部60とフィルターモジュールの壁部32との間で圧迫され、この圧迫が漏出リスクなしに1つのモジュールから他のモジュールへの液体の通過を可能にする(流体密封結合)。
【0069】
従って、フィルターモジュール2は回収モジュール3に対して3つの異なる位置を有するように設けられ、フィルターモジュールのフィン35が各位置に対して対応するハウジングにラッチされる。
【0070】
従って、図2から図5に示す位置では、フィン35は切欠部74に係合し、排出開口部19がシールの管路90の開口部95と一致して位置するように、回収モジュールはフィルターモジュールに対して配置される(図3)。従って、排出コンパートメント42は管路90を介してリザーバ52と連通して配置される。このようにして、フィルターモジュールに注入される液体は、膜4及び5を介し、次に膜6により、そして開口部19、開口部95、最後に管路90を通過することにより、そのモジュールを通過してリザーバ52に達することができる。
【0071】
この第1の位置では、管路91及びリザーバ53へのアクセスはフィルターモジュールの下部9の壁部32によって阻止され、従って、そのリザーバを汚染の可能性から防御する(図4)。
【0072】
図6から図9に示す、回収モジュールに対するフィルターモジュールの別の相対角度位置では、フィン35は切欠部80にあり、シールの管路90及び91の開口部95及び96はその壁部32によって封鎖される。従って、環状リブ43及び44は、管路のそれぞれ開口部95、開口部96を取り囲むとともに(図8及び図9)、リザーバ52及び53の流体密封分離を確実にするため、シール51に対して加圧し、これは、1つのリザーバから他のリザーバに移りやすい空気による汚染リスク(例えば、蒸発及び/又は凝縮による)を回避するためである。
【0073】
その壁部の開口部19も管路90及び91間に位置するシールの部分94によって流体密封式に封鎖され(図7)、従って、液体がフィルターモジュールから流れるのを阻止する。
【0074】
最後に、図10から図13に示す、回収モジュールに対するフィルターモジュールの更に別の相対角度位置では、フィン35は切欠部77にあり、開口部19は管路91の開口部96と一致して位置する(図11)。この位置では、排出コンパートメント42は管路91を介してリザーバ53と連通して配置され、一方、シールの管路90へのアクセスは壁部32によって阻止され、従って、リザーバ52を汚染の可能性から防御する(図13)。このようにして、フィルターモジュール2から来る液体は、開口部19、開口部96、最後にシールの開口部91を通過することにより、リザーバ53に達することができる。
【0075】
1つの位置から他の位置に移すべく、操作者はフィン35が配置されている切欠部からフィン35を解放するため、調製装置1を把持し、回収モジュール3に対してフィルターモジュール2を回転させる。リブ69、71及び70の部分72、75、78及び79は、フィンが対応する切欠部に入るように誘導することに関与し、一方、操作者が指定角度位置を超えてモジュールを互いに対して回転させることを防止するため、部分73及び76はそのフィンに対する当接部を形成する。
【0076】
ここで、選択例では、真核細胞のみならず、それらの細胞の間に存在を検出することが所望される細菌も含み得る濾過用液体から分析試料を調製する異なるステップについて説明する。
【0077】
それらの細菌を検出するためには、細菌はモジュール2によって提示される二段濾過によって液体に含まれる細胞から分離される必要がある。
【0078】
第1のステップでは、操作者は調製装置を把持し、済んでいない場合には回収モジュール3に対してフィルターモジュール2を回転させ、円錐台部31上の「1」位置と関連するリブ36を、リザーバ52に位置する滑動板55と整合するように位置決めする。
【0079】
事前にカバー11を取り外した後、操作者は所定量の分析する液体をフィルターモジュール2のコンパートメント40に注入する(例えば、20ml)。
【0080】
操作者はカバー11を元に戻し、次いで、調製装置1は遠心分離機に配置される。
【0081】
所定量が膜4及び5を通過し、フィルターモジュールのコンパートメント41を占めるように、遠心分離機を回転させて液体の移動を促進する。
【0082】
膜4及び5の膜孔の大きなサイズは、それらの膜が浸潤している場合、わずかな加圧(極くわずかなバブルポイント現象)のみで空気が通ることを可能にするということを意味する。従って、空気がコンパートメント41に入ることができ、従って、次いで、液体がコンパートメント42を占めるように、膜6を通過して流れ、最後に、開口部19及び管路90を通過することにより、そうして濾過された液体の回収リザーバ52に達することを可能にする。
【0083】
膜5の孔径(この場合、5μm)は、最大サイズの微生物、この場合、真核生物のみがその膜に保持され、一方、他の微生物、この場合、細菌(5μmをはるかに下回るサイズの)がその膜を通過し、最後に膜6上に回収されるように選択される。
【0084】
膜5の孔径より更に大きい孔径(この場合、30μm)を有する膜4は、濾過膜が液体の残余物から分離する極く多数の真核細胞を含む場合に備え、膜5の詰まりの危険性を回避するため、上流に配置され、膜5に対して並置される。
【0085】
これに関連し、膜4及び5の30μm/5μmの組合せは、比較的大量であって分離する細胞(最大2・10個の細胞)を多く含み得る量が完全に濾過される(最大100ml)ことを可能にするのみならず、大多数のそれらの細胞が保持される(約99.9%)ことも可能にするとともに、試料中に存在する大量の細菌が通過する(約50%)ことを可能にするため、細菌からの哺乳類細胞の分離における実質的な濾過前利点を有することに留意されたい。
【0086】
そのような良好な結果は、10μm超から40μm未満の膜4の孔径に対して得られる。
【0087】
従って、濾過液に最初に存在した細菌の存在を最大の精度で検出するため、膜6に達する極く小量の細胞(10個の細胞)は、そのようなデバイスの感度を有意に高めるとともに、核酸増幅法(PRC/TMAタイプの)に対する暗騒音を低減することを可能にする。
【0088】
当然ながら、膜6の膜孔は検出することが所望される細菌を保持するような大きさである(本例では0.45μm)。
【0089】
リザーバ52、及び従って、コンパートメント42が大気圧に維持されることを可能にし、従って、液体の濾過時に膜6がドーム状に膨張する危険性を防止する通気孔を形成する開口部65の存在のため、リザーバ52の充填時、そのリザーバ内の空気量の減少はそのリザーバ内に加圧現象をもたらさない。
【0090】
同様に、カバー11に形成される通気孔12(図1)は、コンパートメント40及び41が大気圧に維持されることを確実にし、従って、コンパートメント42における加圧ではなく、コンパートメント40及び41における減圧により、膜6がドーム状に膨張することも防止する。
【0091】
この操作が遂行されると、操作者は遠心分離機を停止し、調製装置を把持し、フィルターモジュールの円錐台部31上の数字「2」の近傍に位置するリブ37を、滑動板55と整合するように位置決めするため、回収モジュールに対するフィルターモジュールの相対回転移動を行う(図6)。
【0092】
この位置2では、管路90及び91は横方向壁部32によって封鎖され、開口部19はシールの中実部94によって封鎖される。この態様では、フィルターモジュールのコンパートメント42とリザーバ52及び53との間の液体又は空気のフローは不可能である。
【0093】
従って、リザーバ52に含まれる液体によるリザーバ53の汚染リスクはない(蒸発/凝縮による)。
【0094】
次いで、操作者はカバー11を取り外し、チャネル25に所定量の溶解剤(例えば、300μL)を注入し、これは、そのチャネル中を流れてコンパートメント41に達し、膜6の上面10を覆う。溶解剤を付着させた後、操作者はカバー11を元に戻す。
【0095】
ディスク50の通気孔65及びカバー11の通気孔12が、コンパートメント40、41及び42が大気圧に維持されることを可能にしているため、膜6は平坦な状態のままであり、これは、溶解剤が膜全体にわたって均一且つ均等に付着することを可能にする(膜がドーム状になった場合のように、単にその周囲のみではない)。
【0096】
回収モジュールのリザーバ方向への液体流が不可能であるため、細菌溶解ができる限り効果的であるように、溶解剤は、所定時間の間、意図的に膜との接触を維持される。
【0097】
溶解剤の有効性を高めるため、溶解剤を所定温度(例えば、60℃)で所定時間の間(溶解剤に依存する)、膜と接触させ続けた後、操作者は再度回収モジュールに対してフィルターモジュールを回転させ、フィルターモジュールの円錐台部31上の数字「3」の近傍に位置するリブ38を滑動板55と整合するように位置決めする(図10)。
【0098】
次いで、調製装置は再度遠心分離機に配置され、溶解物(細菌の生体物質を含む)を装置6中に通過させ、その生体物質は溶解を受けた後、その膜孔を通過するのに十分に縮小したサイズであり、従って、リザーバ53内に回収される。
【0099】
次いで、操作者は調製装置を遠心分離機から取り外し、リザーバ53をディスク50からアンラッチし、そのリザーバ内に回収された溶解物の分析を行うことができる。
【0100】
検出する微生物は必ずしも細菌ではなく、特に、ウイルス、酵母(膜4及び5に保持されないほどに小さいサイズの)又は糸状菌であり得ることに留意されたい。分析する液体が真核細胞ではなく、他の種類の微生物(検出する細菌から分離する)、例えば、酵母又は糸状菌を含むことがあり得る。
【0101】
調製装置の別の実施形態が図19に示される。
【0102】
概して、同様の要素に対して同じ符号が用いられているが、各実施形態に対して100を単位として増加している。
【0103】
リザーバ53がこの実施形態では削除されており、図19に示すように、ディスク150の末端形成部181が、この場合、例えば、ホース157に結合されるように設けられ、例えば、遠隔リザーバに至ることを別にすれば、図19の調製装置101は装置1に類似している。
【0104】
図示しない更に別の実施形態では、リザーバ152が同様に置換される。
【0105】
調製装置の別の実施形態が図20に示される。
【0106】
図20の調製装置201はフィルターモジュール202及び回収モジュール203を含み、フィルターモジュールは膜206を備え、モジュール202とモジュール203とは互いに対して回転可能に取り付けられる。
【0107】
装置1及び101のように、これらのモジュールは、前述と同一の3つの異なる相対位置及び図20に示す第4の相対角度位置を有するように構成され、シールの開口部296は回収モジュール203の壁部に形成された追加開口部298と一致して配置される。リザーバ253を回収モジュール203の残部からアンラッチするというのではなく、ピペット99を用いてそれが含む液体をそこから直接取除くことができるためにリザーバ253がアクセス可能となるように、この開口部は操作者が取り外すことが可能な熱融着フィルム(図示せず)によって封鎖される。
【0108】
図示しない別の実施形態では、カバー11は、特に、抽出フード下又は汚染から防御された閉鎖空間にて作動することが不可能な場合、汚染リスクを低減するためにフィルターモジュールの本体部に溶接されるように設けられたカバーに置換され、そして、そのカバーは、その場合、濾過用液体量を導入するバルブに結合する第1の末端形成部(例えば、雌ルアー型の)と、微生物に対するバリアを形成するが空気を通す膜を含む微生物フィルター(多孔性:0.22μm)に結合し、従って、コンパートメント40の無菌通気を可能にするために微生物フィルターに結合する、やはり雌ルアー型の第2の末端形成部と、雄型ルアー末端形成部を備えたシリンジに結合する第3の雌型ルアー末端形成部とを有し、その第3の末端形成部はアクセスチャネル24に通じ、シリンジがその末端形成部に結合していない場合、プラグによって封鎖される。
【0109】
図示しない別の実施形態では、調製装置は膜4及び5を欠き、フィルター膜6のみを含み、且つ/或いはその膜6はPVDFではなく、例えば、ポリエステルスルホン(PES)からなる。
【0110】
本発明による調製装置は、上述の方法の代わりに他の任意の濾過法、例えば、溶解が液体化学剤ではなく、膜6に向かって超音波を放射することにより、又はその膜のマイクロ波加熱により、次いで、リザーバ53内に回収される回収液体を調製装置に通すことによって膜上で溶解を受けた生体物質を回収することにより行われる濾過法にも用いられ得ることにも留意されたい。
【0111】
より一般的には、調製装置は、液体が少なくとも2つの異なる容器内に回収されることを必要とする他の任意の濾過法にも用いられ得る。
【0112】
本発明は、既述及び既示の実施形態に限定されるものではなく、その任意の変形例を包含する。
【符号の説明】
【0113】
1、101、201 調製装置
2、102、202 フィルターモジュール
3、103、203 回収モジュール
4、104 別の膜
5、105、205 分離膜
6、106、206 フィルター膜
7、107、207 本体部
8、108 第1の部分
9、109 第2の部分
10、61、110、210 表面
11 カバー
12、65 通気孔
13、23、60 壁部
14、81、82 環状カラー
18、118、218 注入開口部
19、45、219 排出開口部
20 第1の円筒部
21 第2の円筒部
22、31 円錐台部
24 チャネル
25、26、27、63、64、65 開口部
30 円筒部
32 横方向壁部
33 薄厚領域
34、92、93 環状溝
35 指標付け手段
36、37、38、66、67、68 リブ
40、41、140、141、240、241 注入コンパートメント
42、142、242 排出コンパートメント
43、44 環状リブ
46 排水路
50 ディスク
51 シール
52 第1のリザーバ
53 第2のリザーバ
54 凹領域
55 滑動板
56 リム
62 対向する面
69、70、71 相補的指標付け手段
72、75、78、79 ガイド部
73、76 当接部
74、77、80 切欠部
90、91 管路
94 シールの中実部
95 第1の開口部
96、196、296 第2の開口部
99 ピペット
152、253 リザーバ
157 ホース
181 末端形成部
298 取除き開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物を含み得る所定量の液体の微生物分析用の試料を調製するための装置であって、フィルター膜フィルターモジュール(2、102、202)と、前記フィルターモジュール(2、102、202)から来る各液体の回収モジュール(3、103、203)とを含み、前記フィルターモジュール(2、102、202)が、前記フィルターモジュール(2、102、202)の注入開口部(18、118、218)によって前記所定量を注入するための注入コンパートメント(40、41、140、141、240、241)と、前記フィルターモジュール(2、102、202)の排出開口部(19、219)によって前記所定量を前記回収モジュール(3、103、203)に排出するための排出コンパートメント(42、142、242)とを含み、前記注入コンパートメント(40、41、140、141、240、241)が前記所定量の全部を含むように構成され、前記排出コンパートメント(42、142、242)が前記膜(6、106、206)によって前記注入コンパートメント(40、41、140、141、240、241)から分離され、フィルターモジュール(2、102、202)と回収モジュール(3、103、203)とが、互いに対して回転可能に取り付けられ、互いに対して前記フィルターモジュール(2、102、202)の前記排出開口部(19、219)が前記回収モジュール(3、103、203)の第1の開口部(95)と一致する第1の相対所定位置と、前記フィルターモジュール(2、102、202)の前記排出開口部(19、219)が前記回収モジュール(3、103、203)の第2の開口部(96、196、296)と一致する、前記第1の相対所定位置と異なる第2の相対所定位置とを有する装置であって、前記注入コンパートメント(40、41、140、141、240、241)と前記排出コンパートメント(42、142、242)とが前記フィルター膜(6、106、206)に対して互いに反対側にあり、前記注入コンパートメント(40、41、140、141、240、241)が、前記所定量が前記注入コンパートメント(40、41、140、141、240、241)内にある場合、液体が少なくとも表面(10、110、210)の大半にわたってフィルター膜(6、106、206)と接触するように配置されることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記第1の所定位置において前記第2の開口部(96、196、296)が封鎖され、前記第2の所定位置において前記第1の開口部(95)が封鎖されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記フィルターモジュール(2、102、202)と前記回収モジュール(3、103、203)とが、前記排出開口部(19、219)が封鎖される、第1及び第2の位置と異なる、封鎖位置と称される、互いに対する別の所定位置も有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記封鎖位置において前記第1の開口部(95)及び前記第2の開口部(96、196、296)も封鎖されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記フィルターモジュール(202)と前記回収モジュール(203)とが、前記第2の開口部(296)が前記装置が含む取除き開口部(298)と一致する、第1及び第2の位置と異なる、取除き位置と称される、互いに対する別の所定位置も有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記フィルターモジュール(2、102)が、前記フィルター膜(6、106、206)及び前記注入開口部(18、118、218)と前記フィルター膜(6、106、206)との間に位置する分離膜(5、105、205)が内部に固定される本体部(7、107、207)を含み、前記分離膜(5、105、205)が前記フィルター膜(6、106、206)の孔径より大きい孔径を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記分離膜(5、105)が前記本体部(7、107)の第1の部分(8、108)に固定され、前記フィルター膜(6、106)が前記本体部(7、107)の第2の部分(9、109)に固定され、前記第1の部分(8、108)と前記第2の部分(9、109)とが、一方が他方の内側に入れ子にされるように構成され、互いに溶接されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記フィルターモジュール(2、102)が、フィルター膜(6、106)に対する分離膜(5、105)の反対側で前記分離膜(5、105)に対して並置された別の膜(4、104)を含み、前記別の膜(4、104)が前記分離膜(5、105)の孔径より大きい孔径を有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記分離膜(5、105)の孔径が1μm超であることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記フィルター膜(6、106、206)の孔径が1μm未満であることを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルターモジュール(2)が、前記本体部(7)内に形成され、且つ前記分離膜(5)及び前記フィルター膜(6)間に位置する前記本体部(7)のコンパートメント(41)へのアクセスを付与する別の開口部(25)を含むことを特徴とする、請求項6から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記開口部(25)が、前記本体部(7)内に形成されるチャネル(24)の端部に位置することを特徴とする、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記チャネル(24)の前記開口部(25)が、微生物を含み得る液体の注入開口部(18)と同じレベルにほぼ位置することを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記回収モジュール(3)が、前記フィルターモジュール(2)が含む環状溝(34)に周囲が収容されるように構成されたディスク(50)を含むことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記フィルターモジュール(2)が指標付け手段(35)を含み、前記回収モジュール(3)が、回収モジュール(3)に対するフィルターモジュール(2)の各所定位置のための相補的指標付け手段(69、70、71)を含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記指標付け手段がフィン(35)を含み、前記相補的指標付け手段が、前記フィン(35)を収容するように構成された切欠部(74、77、80)を各々が有するリブ(69、70、71)を含むことを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記回収モジュール(3)の前記第1の開口部(95)が、前記回収モジュール(3)が含むリザーバ(52)に通じることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記回収モジュール(3)が、空気が前記リザーバ(52)内に入ることを可能にするように構成された通気孔(65)を含むことを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記リザーバ(52)が三日月形断面を有することを特徴とする、請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記回収モジュール(3)の前記第2の開口部(96)が、前記回収モジュール(3)が含むリザーバ(53)に通じることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記リザーバ(53)が、前記回収モジュール(3)が含む相補的ラッチ手段(81)と共働するように構成されたラッチ手段(56)を有することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記回収モジュール(3)が、前記第1の開口部(95)及び前記第2の開口部(96)により、各々がそれぞれフィルターモジュール(2)と同じ側へ通じる2つの管路(90、91)が形成されるシール(51)を含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記シール(51)が豆形断面を有することを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記フィルターモジュール(2)が、空気が前記注入コンパートメント(40、41)内に入ることを可能にするように構成された通気孔(12)を含むことを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
微生物を含み得る所定量の液体の微生物分析用の試料を調製する方法であって、
請求項1から24のいずれか一項に記載の調製装置(1、101、201)を得るステップと、
装置(1)のフィルターモジュール(2、102、202)と回収モジュール(3、103、203)とを互いに対して前記第1の所定位置に配置するステップと、
微生物を含み得る前記所定量の液体を、フィルターモジュール(2、102、202)から回収モジュール(3、103、203)に達するように、フィルターモジュール(2、102、202)の前記排出開口部(19、219)及び回収モジュール(3、103、203)の前記第1の開口部(95)の中に通過させるステップと、
フィルターモジュール(2、102、202)と回収モジュール(3、103、203)とを互いに対して前記第2の所定位置に配置するステップと、
所定量の別の液体を、フィルターモジュール(2、102、202)から回収モジュール(3、103、203)に達するように、フィルターモジュール(2、102、202)の前記排出開口部(19、219)及び回収モジュール(3、103、203)の前記第2の開口部(96、196、296)の中に通過させるステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項26】
前記所定量をフィルターモジュール(2、102、202)から回収モジュール(3、103、203)に達するように通過させる前記ステップが、遠心分離によって実施されることを特徴とする、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記所定量の前記別の液体をフィルターモジュール(2、102、202)の前記排出開口部(19、219)及び回収モジュール(3、103、203)の前記第2の開口部(96、196、296)の中に通過させる前記ステップの前に、別の液体として前記フィルター膜(6、106、206)に保持される微生物の溶解を引き起こすように構成された液体を選択するステップと、前記フィルター膜(6、106、206)に前記所定量の前記別の液体を付着させるステップと、次いで、所定時間の間、前記微生物に作用するように前記別の液体を残置するステップとを含むことを特徴とする、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記所定量の前記別の液体をフィルターモジュール(2、102、202)の前記排出開口部(19、219)及び回収モジュール(3、103、203)の前記第2の開口部(96)の中に通過させるステップの後、分析のために前記所定量の前記別の液体を回収するステップを含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−25931(P2010−25931A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−158440(P2009−158440)
【出願日】平成21年7月3日(2009.7.3)
【出願人】(390019585)ミリポア・コーポレイション (212)
【氏名又は名称原語表記】MILLIPORE CORPORATION
【Fターム(参考)】