説明

液体を受容し、かつ分配するための装置

本発明は、液体を受容し、かつ分配するための装置であって、複数のピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)を備えており、各ピストン・シリンダユニットがピストンプレート(2)及びシリンダプレート(3)に配置されており、液体の受容及び分配が、駆動機構(6)によるプレート(2,3)の間隔変化を介してピストン(1′)をシリンダ(1″)内に摺動させることによって、及びプレート平面に対して垂直にプレートをガイドすることによって行われ、容積が上側のストッパ(4)及び下側のストッパ(5)によって規定され、これらのストッパのうちの少なくとも一方が、少なくとも1つの調節手段(8)によって調節可能である形式のものに関する。本発明によれば、上側のストップ位置(9)及び下側のストップ位置(10)におけるプレート(2,3)の面平行性が前記2つのストッパ(4,5)によって得られるように、これら2つのストッパ(4,5)が構成され、かつ配置されていることによって、プレート平面の面平行性に関する要求が小さい場合に、プレートガイド内への運動中におけるピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)の同じ受容容積及び分配容積が保証されるようになっている。このように構成された装置は、安価な技術的コストで、多数のピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)の精確な容積を操作するために適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を受容し、かつ分配するための装置であって、複数のピストン・シリンダユニットを備えており、各ピストン・シリンダユニットがピストンプレート及びシリンダプレートに配置されており、液体の受容及び分配が、駆動機構によるプレートの間隔変化を介してピストンをシリンダ内に摺動させることによって、及びプレート平面に対して垂直にプレートをガイドすることによって行われ、容積が上側のストッパ及び下側のストッパによって規定され、これらのストッパのうちの少なくとも一方が、少なくとも1つの調節手段によって調節可能である形式のもの関する。
【0002】
最近の生物学的な研究では、大量処理法つまり試料を大量に処理する方法が行われ、これに続いてピペッティング(分注)段階が行われる。試料は、標準的なフォーマットでは96384又は1563の凹部を有するプレート内で処理される。必要な回数の多くのピペッティング段階は、従来の手動による8チャンネルピペット若しくは12チャンネルピペットによる作業では処理できない。このために96チャンネル又は384チャンネルの自動ピペット装置が用いられる(Beckman-Coulter, Gilson, Tecan, Zymark, Quiagen, Robbins, Zinsser, Perkin Elmer その他)。しかしながらこれらの装置は、著しく高価であって、非常に広い設置スペースを必要とし、またプログラミング、操作及び保守のための多大な人的コストを必要とする。このような自動化されたピペッティングシステムにおいては、ピストンユニットが、高速回転するスピンドル駆動装置によって著しく精確に平行ガイドされて昇降運動せしめられる。規定されたZ位置で停止することによって、ピペット容積が精確に規定される。
【0003】
手動によって又は簡単な駆動装置によって駆動されるピペッティングシステムにおいては、高速で精確な同時に行われる必要なスピンドル回転数を有する、このようなスピンドル駆動装置は解決策ではない。何故ならば、このようなスピンドル駆動装置は、非常に高価な機械的なコスト、又は非常に高価な制御コスト及び駆動コストを必要とするからである。
【0004】
冒頭に述べた形式の構造を有する簡単な機械的な装置は、アメリカ合衆国特許第5540889号明細書により公知である。この装置においては、ピストンプレートは、このピストンプレートの中央に配置された手動式駆動ロッドによって、シリンダプレートに対して相対的に移動せしめられる。この場合、シリンダプレートに対するピストンプレートの平行性は、手動式駆動ロッドのガイドによって、及び場合によってはピストンをシリンダ内でガイドすることによっても得られる。この原理は、公知である多チャンネルピペット(上記8チャンネルピペット若しくは12チャンネルピペット)に相当する。1回のピペッティング過程において非常に精確な容積を操作する必要があるので、このような機構は不十分である。何故ならば、このような形式のガイドは、冒頭に述べた自動装置の制御されたスピンドル駆動装置とは異なり、絶対的な平行性及びひいては、ピペッティング(分注)しようとする液体の非常に精確な容積が保証されないからである。この場合、平行ガイドの制御のためのあまりに高い費用な非経済的である。このような問題は、ピストン・シリンダユニットの数、ひいてはプレートの大きさに伴って大きくなるので、このような形式のガイドでは、非常に少ないピストン・シリンダユニットだけしか同時に操作できないか、又は容積の制御ができない。
【0005】
そこで本発明の課題は、冒頭に述べた形式の装置を改良して、安価な技術的な費用で、多数のピストン・シリンダユニットの精確な容積を操作するために適したものを提供することである。
【0006】
この課題は本発明によれば、上側のストップ位置及び下側のストップ位置におけるプレートの面平行性が前記2つのストッパによって得られるように、これら2つのストッパが構成され、かつ配置されていることによって、プレート平面の面平行性に関する要求が小さい場合に、プレートガイド内での運動中におけるピストン・シリンダユニットの同じ受容容積及び分配容積が保証されるようになっていることによって解決された。
【0007】
本発明による解決策は、精確な容積をピペッティングするために、全ピペッティング過程中に、すべてのピストンの一体的な運動、つまりピストンプレート及びシリンダプレートの平行性を常に保証する必要がない、という点にある。むしろ、受容若しくは分配する容積の精度のためには、すべてのピストン・シリンダユニットが精確に2回の時点で同じ位置(下の終端位置並びに上の終端位置)にあれば、十分だからである。これはストッパによって保証される。液体受容の開始及び終了若しくは液体分配の開始及び終了に相当する、これら2つの位置が精確に一致していれば、複数のプレートが精確に平行であるかどうかは、容積の精度のために重要ではない。何故ならば、このような非均等性は、遅くともそれぞれのストッパ(つまり液体受容のためのストッパ、及び液体分配のためのストッパ)にぶつかると共に再び補償されるからである。従って精度はピペット駆動装置とは無関係である。
【0008】
従って、本発明によれば、精確で繰り返し可能なピペッティングのための次の2つの条件が満たされている。
【0009】
1.ピストン・シリンダユニットの経路及びひいては容積の大きさは、下側のストッパと上側のストッパとの間の間隔によって精確に調節可能である。
【0010】
2.複数のプレートは、容積を規定するための始端位置及び終端位置におけるストッパによって完全に平行に整列される。
【0011】
これによってすべてのピストン・シリンダユニットが同じ経路を進むようになっている。またこれによって、ピペット容積が精確に規定されるだけではなく、このピペット容積がシステムの各ピストン・シリンダユニットのために同じであることが保証される。これに従って、各ユニットは同じ容積をピペッティング(分注)することができ、この場合、すべての容積は同時に非常に精確に調節され得る。しかも操作力も、実際に適した範囲内にある。
【0012】
前記装置によって、まず、大量処理作業のための平行な多くのピペッティング過程を実施するための安価な可能性が得られる。高価な投資は必要なく、また冒頭に述べた形式の自動装置におけるよりも、維持費用は著しく安価であり、装置の全重量は著しく少ない。これは特に、小企業、大学又は研究所及び発展途上国の企業にとって好都合である。
【0013】
本発明の装置によれば、多チャンネルピペットと全自動システムとの間のギャップが埋められる。本発明による装置は、多数の有利には96の液体試料の受容若しくは分配を可能にする。容積は、自由に選択可能で、かつ精確に調整可能である。ピペッティング過程自体は、簡単かつ容易に習得可能であって、手動によるピペッティングによって既に数十年来公知であるピペッティング過程に十分に匹敵する。
【0014】
電子制御装置若しくは電気駆動装置は必要ないが、このような形式の非常に簡単に得られる手段を使用することを排除するものではない。何故ならば、手動操作においても、またモータ駆動装置においても、ストッパ間の制御されない昇降運動で十分だからである。ストッパは、その平行性が一度調整されていれば、表示装置を備えた簡単な調節運動によって調節することができる。従って、このシステムは、高価なプログラミング操作なしで駆動することができる。従って操作は、訓練を受けた作業員によって、時間的及びコスト的な集中学習を行うことなしに簡単に実施することができる。従来の手動によるピペッティングにおけるように、いつでも申し分のない操作を目視によって制御することができる。このシステムは、簡単かつフレキシブルに、それぞれの要求に適合させることができ、その小さい寸法に基づいて、スペース的に狭められた条件下(例えば無菌の作業台)においても使用することができる。
【0015】
ストッパは種々異なる形式で構成することができる。重要なことは、ストッパによって、プレートの平行性、つまり上側及び下側のストッパ位置におけるピストンプレート及びシリンダプレートの平行性が保証されるだけでよい。例えばピストンプレートが移動せしめられると、シリンダプレートは下側のストッパとして用いられるか、又は下側のストッパを支持するようになっている。下側のストッパを支持している場合は、上側のストッパを配置するだけでよい。この上側のストッパも、それ自体が平らなプレートであるか、又は線形の2つのストッパであってよい。しかしながら有利な形式で、それぞれ上側のストッパ及び下側のストッパがそれぞれ少なくとも3つのストップポイントを有していて、これらのストップポイントが移動するプレートの外側の領域内で当接するようになっている。少なくとも3つのポイントを設けたのは、これによって、面の精確な位置が規定されるからである。ピペッティング過程は、一般的に、直交配列の格子ひいては4角形の形状を有する作業プレートによって行われる。これによって、プレート角縁における4つのストップポイントが提供される。この場合、勿論前記のような3つのストップポイントの可能性もある。
【0016】
有利な形式で、ストップ位置の平行性を調節するために調整手段が設けられる。この調整手段、精確な最初の調節のためにも、また場合によっては後調節のためにも用いられる。
【0017】
容積調節をできるだけ簡単に実施することができるようにするために、容積調節のための調節手段は、調節可能なストッパのストップポイントが同時に高さ調節可能であるように、構成されている。このような形式で、1回の操作によって容積調節を実施することができ、この場合、終端位置におけるプレートの平行性及びひいては、すべてのピストン・シリンダユニットの精確な容積が常に保証される。これは、種々異なる構成を有していてよい。例えば、ストップポイントがステップモータによって調節可能であってもよい。これは、1つの表示装置を有する非常に簡単な制御によって実現可能である。
【0018】
別の可能性は、ストップポイントが、伝動装置によって同時に調節可能である、という点にある。例えばストップポイントはねじ山付きスピンドル又は定置のねじ山付きスピンドルにおいて回転可能な調節ナットによって調節することができる。これらのねじ山付きスピンドル及び調節ナットは、歯付きベルト及び歯車を介して調節装置によって同時に移動せしめられる。この調節は、負荷なしで、ストッパに当接する当接プレートによって実施することができる。ストッパ若しくはストップポイントが、当接プレート(例えばピストンプレート)に向かう方向に移動せしめられる場合、このプレートは有利な形式で前もって離反移動せしめられ、これによって僅かな力によるスムーズな移動が保証される。勿論、これを保証するような手段、例えば調節手段のロック、又はストッパのための調節手段の開始操作におけるプレートの自動的な離反運動も可能である。しかしながら一般的に、作業員は自分で、プレートを離反移動させることを思い出すことができる。何故ならば調節手段が、当接プレートによってロックされるか、又は移動しにくくなるからである。従って必要な力及び耐久性は、自動装置のスピンドル駆動装置に対する要求とは比較にならない。これによって、本発明による装置におけるストッパ若しくはストップポイントの、僅かな力で可能な調節において、簡単な手段で高い精度が得られる。有利な形式で、調節装置は、調節された容積を表示する表示装置を有している。
【0019】
容積調節の実施態様のために重要なことは、調節機構が、すべての力に関連した負荷特に、ピペッティング過程のための駆動装置による負荷とは無関係であって、従って安価なコストで高い精度が得られる、ということである。
【0020】
本発明による装置は、8チャンネルピペット又は12チャンネルピペットにおいて用いられるよりも著しく多くのピストン・シリンダユニットが必要とされ、格子状の配置例えば96個のユニットを備えて構成されている場合に、有利な形式で使用することができるので、本発明による装置を、同様に多くの作業位置を備えた作業プレート上に問題なく載せることができる。従って、ピストンプレート、シリンダプレート、ストッパ及び駆動装置を、垂直方向ガイドによってスタンドに懸架されているピペットヘッド内に配置することが提案されている。この場合有利には、ピストン・シリンダユニットの格子配置を作業プレート上の作業位置の格子配置と合致させるために、前記スタンドが、ピペッティングのために用いられる作業プレートに対してピペットヘッドを位置決めするための位置決め装置を有している。このような形式で、作業の熟練性に対して過剰な要求を課すことなしに、特に迅速な作業が可能である。
【0021】
また、例えば貯蔵タンクから液体を受容し、次いで処理しようとする作業プレートに再び分配するために、複数の作業プレートで作業したい、という要求がしばしばある。同様に、スムーズな作業のために、複数の液体受容及び液体分配を、作業プレートを常に交換する必要なしに相次いで行う必要があることも考えられる。しばしば液体受容部例えばピペット先端を格子状の配置で受容する必要もある(後述されている)。次いで液体の受容及び分配、そして最後に液体受容部を遠ざける作業が行われる。このために、4つの作業プレートを配置する必要がある。このために、作業プレートのための別の複数の位置決め装置が設けられており、これらの位置決め装置が、選択的に、ピストン・シリンダユニットの格子配置と合致せしめられるようになっている。
【0022】
作業プレート用の複数の位置決め装置を準備するために、様々な可能性がある。第1の可能性(実施態様)として、複数の作業プレートを格子配置で合致させるために、位置決め装置を1つの回転テーブル上に取り付けることが、挙げられている。第2の可能性(実施態様)として、スタンドが、ピペットヘッドのための水平方向ガイドと、該水平方向ガイドの下に相並んで配置された、作業プレートのための複数の位置決め装置とを有しており、この場合、水平方向ガイドにおいて格子に対応配置するための位置決め補助手段が設けられている構成が挙げられている。第3の可能性(実施態様)として、複数の作業プレートのための複数の位置決め装置が設けられており、これらの位置決め装置が、これらの位置決め装置のための少なくとも1つの水平方向ガイド(例えば摺動可能なトレー)によって、前記位置決め補助手段によって規定された位置に対して摺動可能であって、この位置にある作業プレートがピストン・シリンダユニットの格子に対応配置されるようになっている。この第3の可能性は、作業プレートのための水平方向ガイドがピペットヘッドのための水平方向ガイドに対して直交する方向に移動することによって、前記可能性と組み合わせることもできる。前記第1及び第2の実施態様においては、それぞれ2箇所で位置決めする必要があるので、位置決め補助手段としては、それぞれ水平方向ガイドの終端ストッパが用いられる。これによって、前記しばしば必要とされる4つの作業プレートを位置決めすることができる(図2参照)。勿論、これらのストッパ間に係止位置が設けられていれば、別の位置決めを実施することもできる。
【0023】
ピペットヘッドの垂直方向運動のために、有利な形式で少なくとも1つの下側のストッパが設けられている。この下側のストッパは、下方への垂直運動時に、所望のピペッティング過程が行われる停止位置を調節するために用いられる。何故ならば、液体受容又は液体分配のための正しい高さ位置は、それぞれの作業プレートとの関係で得られるからである。従って、少なくとも1つの下側のストッパが、作業プレートの液体受容部内への侵入深さを調節するために調節可能であっても、有利である。例えばピペットヘッドのための水平方向ガイドの下に、複数の作業プレートが位置決め装置に配置されていれば、勿論各位置決め装置のために1つのストッパが設けられている。これによって、各作業プレート上における正しい高さが調節可能である。
【0024】
簡単でスムーズな作業を実施するために、ピペットヘッドの垂直方向ガイドに重量補償装置が対応配置されていて、該重量補償装置は、わずかな力でスムーズな垂直方向運動が可能となるように寸法設計されている。これは、カウンタウエイト(釣り合い重り)であってよい。しかしながら有利な形式で、装置の全重量を重くすることのないばねであってもよい。この場合、渦巻きばね(Spiralfeder)が特に適している。何故ならば、このばねは、ほぼ直線的な特性曲線を有しており、それによって垂直方向運動のために必要とされる力はすべての運動軌道上で同じである。ピペットヘッドの垂直方向ガイドに対して、強い加速に反応する降下ストッパ又は降下ブレーキが対応配置されている。これは、落下及びこれによって発生する事故を避けるために、有利である。このような落下は、例えばばねが破損した時に発生する。また液圧式又は空圧式の降下ストッパ又は降下ブレーキ、例えば空圧式のばねを使用してもよい。
【0025】
さらにまた、ピストン・シリンダユニットのための駆動機構が、伝動装置を備えたハンドレバーによって操作可能であれば、簡単な作業のために有利である。この場合、相応のレバー伝動装置又は歯車伝動装置若しくはラック伝動装置又はこれらの部材の組み合わせであってよい。その他の可能性も勿論考えられる。
【0026】
液体を受容若しくは分配するために、シリンダプレートは有利な形式で、作業プレートに対して所定の高さ位置に位置決めされるべきである。従って、このシリンダプレートは可動なプレートにおいてはピストンプレートであるので、駆動装置は有利な形式でピストンプレートに対応配置される。駆動装置は、ピストンプレートをその下側のストッパ位置にもたらし、戻しばねがピストンプレートをその上側のストッパ位置に戻し案内するようになっている。これによって、特に簡単な作業が可能となり、ピストンプレートが規定されない位置に留まることは避けられる。
【0027】
ピストンはシリンダに対してシールによってシールされている。これによって、ピストン及びシリンダに関連して高すぎる精度の要求が課されることはない、という利点が得られる。高い程度のシール性が保証され、調節中に、固着が発生することなしに、プレートの所定の非平行性が可能である。シールは、ピストンに配置されたシールリングとして構成されていてよい。しかしながらまた、シリンダプレートが水平方向で分割されていて、弾性的なシール材料が挿入されていて、シリンダプレートのプレート部分を互いに押圧するための手段によってシリンダ直径をシール箇所に調節可能であって、この際にピストンがシール箇所の領域内で移動するようになっていてもよい。シール材料においては、弾性的な材料より成る孔付きプレートであるか、又は各シリンダにリング状の弾性的なシールエレメントを対応配置してもよい。このような構成の利点は、ピストンにおけるシールの当接が調節可能及び後調節可能である、という点にある。
【0028】
シリンダに吸込み開口を直接設けるか、又はシリンダの下端部に、液体受容部特にピペット先端を差し込むための受容部を配置してもよい。これによって、液体受容部だけが液体によって濡らされ、ピストン・シリンダユニットが吸い込み装置として用いられ、この吸込み装置が、吸込みに対応する負圧を生ぜしめ、下方運動によって、液体受容部内に存在する液体を吐出させる。従って、1作業段階後に、又は分注しようとする液体を交換する前に、液体受容部を交換するだけでよい。液体受容のための受容部、つまり例えば小管又はピペット先端は、弾性的なリングを備えていてもよい。これによって、液体受容部又はピペット先端が不精確な直径を有していても、確実な保持及び気密な座着が保証される。
【0029】
このような液体受容部若しくはピペット先端を大量に、例えば格子全体を一度に受容することができるようにするために、所定の力が必要である。従って、力伝達手段が設けられており、該力伝達手段が、液体受容部特にピペット先端を受容するためのピペットヘッドを、位置決め装置内にある液体受容部支持体特にピペット先端支持体に押し付けるか、又はピペット先端支持体をピペットヘッドに押し付けるようになっている。力伝達手段は、例えば伝動レバーであってよい。この伝動レバーは、スタンドとピペットヘッドとの間に作用して、ピペットヘッドを液体受容部支持体特にピペット先端支持体に押し付ける。このような力伝達手段によって、ピペッティングのための駆動装置をそのために引き込む必要はないので、この駆動装置は、高い力を生ぜしめるように設計する必要はない。
【0030】
さらにまた、液体受容部ストリッパ又はピペット先端ストリッパが設けられていれば、有利である。この液体受容部ストリッパ又はピペット先端ストリッパは、シリンダプレートの下に配置された、レバー操作される垂直方向にしゅう動可能な孔付きプレートであってよい。この場合、該孔付きプレートの複数の孔の大きさは、前記受容部よりも大きいが、液体受容部又はピペット先端よりも小さい。
【0031】
このような形式の液体受容部例えばピペット先端を操作するために、残留液体が吐出されるようになっていれば、有利である。このために、下側のストッパが係止部材(ラッチ)として構成されていて、移動せしめられたプレートが、ストッパのストップ位置を形成する保持力を克服するか、又は残留液体を吐出させるために、係止解除することによってさらに移動せしめられるようになっている。
【0032】
本発明による装置の別の有利な実施態様によれば、受容された液体を計量分配するために、上側のストッパと下側のストッパとの間に少なくとも1つの調節可能な格子状の中間ストッパが配置されており、該中間ストッパが、同様にプレートを平行に整列させるように作用し、また強い力で又は係止解除することによって克服可能となっている。このような形式の単数又は複数の中間ストッパは、1回の液体受容後に規定された、液体の容積が相前後して、2つ又はそれ以上の作業プレートに分配されるようにするために用いられる。このような形式で、複数の作業プレートに同じ液体が供給される場合、より効率的に作業することができる。勿論、このような少なくとも1つの格子状の中間ストッパも調節可能であり、また相次いで引き渡される液体に関連して、容積も精確に規定可能である。
【0033】
本発明を、以下に図示の実施例を用いて詳しく説明する。
【0034】
図1は、本発明による装置の機能的な構造、
図2は、ピペットヘッドを用いた、本発明による装置をスタンドに配置した配置構造、
図3は、ピペッティング過程のための可能な駆動機構を示す。
【0035】
図1は、本発明による装置の実施例の機能的な構造を示している。ピストン・シリンダユニット1は、ピストン1′がピストンプレート2に配置されていて、シリンダ1″がシリンダプレート3に配置されていることによって、格子状に配置されている。シリンダ1″は、図示の実施例では、シリンダプレート3が相応に複数の孔を備えていることによって形成されている。このような形式で、ピストンプレート2が上方に移動することによって吸込み運動が生ぜしめられ、ピストンプレート2が下方に移動することによって吐出運動が生ぜしめられる。ピストン1′をシリンダ1″に対してシールするために、ピストン1′はそれぞれシールリング31を備えている。図示の実施例では、ピストン・シリンダユニット1はピストン1′とシールリング31とシリンダ1″と共に、例として破線で示されている。実際には、このような形式の複数のユニット1が設けられており、このために格子状の配置が選択されている。相応に通常の作業プレート16は、この作業プレート16上の作業位置を操作するために、例えば96個のピストン・シリンダユニット1の格子が選択される。勿論、その他の格子を設けてもよい。
【0036】
駆動機構6(そのうちの駆動ロッド46だけが示されている)の調節運動35は、ピストンプレート2を下側のストップ位置10に移動させる。この位置で、ピストン・シリンダユニット1は、液体を吸込むための準備位置にある。この状態では、駆動機構6は、非作動状態にもたらされるか、又は図示していないロックを解除する必要があるだけである。このために、戻しばね34はピストンプレート2を再び、上側のストップ位置9まで上方に移動させる。運動特性曲線は、相応の手段によって繰り返し可能な形式であらかじめ与えることができる。この位置9において液体が吸い込まれる。ピストンプレート2が再び下方へ移動せしめられると、液体が再び吐出される。
【0037】
本発明の本質は、ピストンプレート2が、上側のストップ位置9及び下側のストップ位置10におけるシリンダプレート3に対して精確に位置決めされていることによって、すべてのピストン・シリンダユニット1によって吸い込まれ、吐出される容積が、精確に同じであるという点にある。このために、上側のストッパ4及び下側のストッパ5が用いられる。ピストンプレート2のできるだけ精確な位置決めを維持するために、ストッパ4,5は、それぞれストップポイント4′,4″,4″′若しくはストップポイント5′,5″,5″′及び5″″より成っており、これらのストップポイントが、ピストンプレート2の外側の領域内にぶつかって、それによって良好な平行の整列が得られるようになっている(図面では破断して示されているので、相応に配置されたストップポイント4″′,4″″,5″′,5″″は示されておらず、矢印がその位置を示している)。下側のストップポイント5′,5″,5″′及び5″″は、下側のストップポイント10内でピストンプレート2を精確に並列に整列させるためにだけ調整可能である。これらのストップポイント5′,5″,5″′及び5″″は、図示のストップ位置10においてストッパ5を形成するが、前記付加的な吐出し機能を得るために(つまり付着性の残留液体を取り除くために)、より強い力でさらに下方に押しやることができるように構成されている。
【0038】
これに対して、上側のストップポイント4′,4″,4″′,4″″は、調整可能なだけではなく、受容するか若しくは分配しようとする容積を調節できるようにするために、同時に調節可能でもある。このような調節は、ストップポイント4′,4″,4″′,4″″に関連して同時に行われるストッパ調節を考慮したものである。この伝動装置11は、調節ホイール47を備えた調節手段8より成っており、この調節ホイール47によって、駆動輪44が駆動可能である。調節ホイール47の相応の回転に応じて、容積表示装置45において調節され容積が表示される。調節ホイール47を介して、駆動輪44が歯付きベルト42を駆動し、この歯付きベルト42が同時に駆動歯車43を駆動する。この駆動歯車43は、ねじ山付きスピンドル41に支承された調節ナット48に接続されているので、同時にこの調節ナット48はその高さが調節される。これらの調節ナット48は、その両下端部でストップポイント4′,4″,4″′,4″″を形成しているので、このような形式ですべてのストップポイント4′,4″,4″′,4″″が同時に調節可能であって、調節時にシリンダプレート3に対するピストンプレート2に関連して精確に面平行な上側のストップ位置9が保証される。選択的に、駆動歯車43も駆動輪として用いることができる。
【0039】
ピストン・シリンダユニット1が汚れないようにするために、ピストン・シリンダユニット1は空気だけを吸い込み、吐出し、液体がシリンダ″内に達しないようにすれば、有利である。このために、シリンダ1″の下端部には受容部25が配置されており、この受容部25に液体受容部が被せ嵌められている。液体受容部としては有利にはピペット先端26が用いられる。このようなピペット先端26を受容するために、図示のユニットは精確にピペット先端支持体28上にもたらされる。次いで図示のユニットが下方に移動せしめられると、このユニットは受容部25と共に、ピペット先端受容部28内に配置されたピペット先端26を受容する。別の液体受容部が使用される場合、それに応じた過程が実施される。受容部25上に確実に保持するために、弾性的なリング27が配置されており、このリング27は、必要な保持力が常に得られるように、わずかな寸法差も補償する。
【0040】
さらにまた、孔付きプレートとして構成された液体受容部又はピペット先端ストリッパ30が図示されており、このピペット先端ストリッパ30は、弾性的なリング27の下方の位置に示されている。このことはつまり、ピペット先端26が脱ぎ取られるということである。ピペット先端26を受容するために、ピペット先端ストリッパ30は、シリンダプレート3にぶつかるまで、上側に移動せしめられる。次いでピペット先端26が受容部25に被せ嵌められ、弾性的なリング27で停止する。何故ならば、弾性的なリング27は受容部25よりもわずかに小さい直径を有しているからである。ピペット先端ストリッパ30が再び図時の位置に移動すると、ピペット先端26が脱ぎ取られ、このために準備された例えば支持体内に落下する。このような脱ぎ取り作業のために、孔付きプレートの複数の孔は、受容部25(弾性的なリング27を含む)よりも大きいが、ピペット先端26の直径よりも小さくなければならない。
【0041】
図2には、図1に示された、スタンド14における装置の配置が示されている。図1に示した装置はピペットヘッド7内に位置しており、この場合、ピペットヘッド7上にピペッティング過程のための駆動機構6が配置されており、この駆動機構6は、旋回可能なハンドレバー22及び定置の保持ハンドル32によって手動で操作される。スタンド14はベースプレート49と構造部50とから成っており、この構造部50にピペットヘッド7が垂直方向ガイド13によって配置されている。この垂直方向ガイド13に沿ってピペットヘッド7が摺動せしめられ、ピペット先端26等の液体受容部が液体受容部支持体又はピペット先端支持体28によって受容され、液体もピペット先端26内に吸い込まれ、この液体が再び別の作業プレート16に分配され、この作業プレート16上に作業位置33例えば凹部が配置されていて、この凹部内に液体が分配されるようになっている。この過程を実施するために正しい高さ調節を得るために、ピペットヘッド7のために下側のストッパ12が設けられており、この下側のストッパ12は調整ねじ21によってそれぞれの必要に応じて高さが調節される。ストッパ12は位置決め装置15に応じてここで位置決め可能な作業プレート16に対応配置されていて、この作業プレート上で調節される。
【0042】
また、位置決め装置15によって位置決めされた図示の2つの作業プレート16間でピペットヘッド7を走行させることができるようにするために、水平方向ガイド17が設けられている。格子を合致させるために、水平方向ガイド17の両端部にストッパとしての位置決め補助手段18が形成されている。
【0043】
さらに多くの作業プレート16で作業できるようにするために、ベースプレート49上に水平方向ガイド19によって摺動可能な2つのトレー51が配置されており、これら2つのトレー51は、作業プレート16のためのそれぞれ2つの位置決め装置15を有している。この位置決め装置15は例えば凹部であって、この凹部内に作業プレート16が精確に合致するようになっている。トレー51は、それぞれ2つのストッパ20間で水平方向ガイド19に沿って摺動可能である。これらの2つのストッパ20は水平方向ガイド19の両端部に配置されており、各終端位置は、位置決め装置15内の作業プレート16とピペットヘッド7との間で精確な格子合致を形成する。勿論、異なる大きさの作業プレート16を位置決めさせるための調節可能な位置決め装置15も可能である。異なる格子のために、プレート2,3若しくはピペットヘッド7も交換可能であって、位置決め補助手段18,20が調節可能である。
【0044】
特に多くのピペット先端、例えば96個のピペット先端より成る格子を受容しようとする場合に、ピペット先端26及び別の液体受容部を受容部25に受容するために、より強い力を加える必要があるので、伝動レバー29が設けられている。この伝動レバー29は、ヒンジ36によって旋回可能にピペットヘッド7に配置されていて、支持部37が設けられている。より強い力でピペットヘッド7を下方に押しやり、それによって受容部25が複数のピペット先端26より成る格子全体を受容するために、前記支持部37内に伝動レバー29の端部が係合するようになっている。勿論、伝動レバー29は図示の実施例では一方側だけが示されているが、伝動レバー29をピペットヘッド7の両側に配置してもよい。この場合は、1つの横方向ロッドが共通操作のために両端部に作用する。
【0045】
図3には、ピペッティング過程のための可能な駆動機構6が示されている。この場合、ハンドレバー22はヒンジ23によってピペットヘッド7に旋回可能に枢着されていて、伝達ロッド38によって旋回運動を歯車39に伝達する。歯車39は歯付きセグメントとして構成されていてもよい。歯付きセグメントはラック40に噛み合い、ラック40は、図1に示した駆動ロッド46に接続されている。2重矢印35は、略示されたピストンプレート2に作用する調節運動を示している。このような形式で、ハンドレバー22とピストンプレート2の調節運動35との間で相応の伝達が得られる。
【0046】
図面は、本発明の可能な実施例だけを示している。このような簡単に構成された、例えば図1に示した装置は、スタンド14なしで作業プレート16上に相応に載せることができる。さらに、ストッパ4又はストッパ5をステップモータによって調節するか、又はハンドレバー操作の代わりに簡単なモータ駆動装置を設けることも可能である。勿論、ピストンプレート2の代わりにシリンダプレート3を移動させることもできるが、この場合は、正しい作業間隔を維持するために、操作しようとする作業プレート16も一緒に移動せしめられる。別の実施態様によれば、ストッパ4と5との間に中間ストッパが設けられており、この中間ストッパは、格子状に係止して、受容された液体を複数の位置に相前後して供給するために用いられる。その他の変化実施例も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明による装置の機能的な構造を示す部分的な斜視図である。
【図2】ピペットヘッドを用いた、本発明による装置をスタンドに配置した配置構造を示す斜視図である。
【図3】ピペッティング過程のための可能な駆動機構を示す概略図である。
【符号の説明】
【0048】
1 ピストン・シリンダユニット、 1′ ピストン、 1″ シリンダ、 2 ピストンプレート、 3 シリンダプレート、 4 上側のストッパ(調整及び調節可能)、 4′,4″,4″′,4″″ 上側のストッパのストップポイント、 5 下側のストッパ(調整可能)、 5′,5″,5″′,5″″ 下側のストッパのストップポイント、 6 ピペッティング過程のための駆動機構、 7 ピペットヘッド、 8 ストッパの調節手段、 9 上側のストップ位置、 10 下側のストップ位置、 11 同時ストッパ調節のための伝動装置、 12 ピペットヘッドのための下側のストッパ、 13 ピペットヘッドのための下側のストッパ、 13 ピペットヘッドの垂直方向ガイド、 14 スタンド、 15 作業プレート用の位置決め装置、 16 作業プレート、 17 ピペットヘッドの水平方向ガイド、 18 ピペットヘッドのための位置決め補助手段(例えばストッパ)、 19 作業プレート用の位置決め装置のための水平方向ガイド、 20 位置決め装置のための位置決め補助手段、 21 調整ねじ、 22 ハンドレバー、 23 ハンドレバーのヒンジ、 24 伝動装置、 25 受容部、 26 ピペット先端、 27 弾性的なリング、 28 液体受容部又はピペット先端支持体、 29 伝動レバー、 30 液体受容部又はピペット先端ストリッパ、 31 シールリング、 32 保持ハンドル、 33 作業プレート上の作業位置、 34 戻しばね、 35 ピペッティングのための調節運動、 35 ピペットヘッドにおける伝動レバーのヒンジ、 36 ピペットヘッドにおける伝動レバーのヒンジ、 37 スタンドにおける伝動レバー支持部、 38 伝達ロッド、 39 歯車又は歯付きセグメント、 40 ラック、 41 ねじ山付きスピンドル、 42 歯付きベルト、 43 駆動歯車、 44 駆動輪、 45 容積表示装置、 46 駆動ロッド、 47 調節ホイール、 48 調節ナット、 49 ベースプレート、 50 構造部、 51 トレー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を受容し、かつ分配するための装置であって、複数のピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)を備えており、各ピストン・シリンダユニットがピストンプレート(2)及びシリンダプレート(3)に配置されており、液体の受容及び分配が、駆動機構(6)によるプレート(2,3)の間隔変化を介してピストン(1′)をシリンダ(1″)内に摺動させることによって、及びプレート平面に対して垂直にプレートをガイドすることによって行われ、容積が上側のストッパ(4)及び下側のストッパ(5)によって規定され、これらのストッパのうちの少なくとも一方が、少なくとも1つの調節手段(8)によって調節可能である形式のものにおいて、
上側のストップ位置(9)及び下側のストップ位置(10)におけるプレート(2,3)の面平行性が前記2つのストッパ(4,5)によって得られるように、これら2つのストッパ(4,5)が構成され、かつ配置されていることによって、プレート平面の面平行性に関する要求が小さい場合に、プレートガイド内での運動中におけるピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)の同じ受容容積及び分配容積が保証されるようになっていることを特徴とする、液体を受容し、かつ分配するための装置。
【請求項2】
各ストッパ(4,5)が少なくとも3つのストップポイント(4′,4″,4″′,4″″及び5′,5″,5″′,5″″)を有しており、これらのストップポイントが移動するプレート(2及び/又は3)の外側の面領域内で当接するようになっている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ストッパ(4,5)が、ストップ位置(9,10)の平行性を調節するための調整手段を備えている、請求項2記載の装置。
【請求項4】
容積調節のための調節手段(8)が、調節可能なストッパ(4及び/又は5)のストップポイント(4′,4″,4″′,4″″及び5′,5″,5″′,5″″)が同時に高さ調節可能であるように、構成されている、請求項2又は3記載の装置。
【請求項5】
前記ストップポイント(4′,4″,4″′,4″″及び5′,5″,5″′,5″″)がステップモータによって調節可能である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記ストップポイント(4′,4″,4″′,4″″及び5′,5″,5″′,5″″)が、伝動装置(11)によって同時に調節可能である、請求項4記載の装置。
【請求項7】
ピストンプレート(2)と、シリンダプレート(3)とストッパ(4,5)とが、ピペットヘッド(7)内に配置されており、該ピペットヘッド(7)が垂直方向ガイド(13)によってスタンド(14)に懸架されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
ピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)の格子配置を作業プレート(16)上の作業位置(33)の格子配置と合致させるために、前記スタンド(14)が、ピペッティングのための作業プレート(16)に対してピペットヘッド(7)を位置決めするための位置決め装置(15)を有している、請求項7記載の装置。
【請求項9】
複数の作業プレート(16)のための別の複数の位置決め装置(15)が設けられており、これらの位置決め装置が、選択的に、ピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)の格子配置と合致せしめられるようになっている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
位置決め装置(15)が回転テーブル上に取り付けられている、請求項9記載の装置。
【請求項11】
スタンド(14)が、ピペットヘッド(7)のための水平方向ガイド(17)と、該水平方向ガイド(17)の下に並んで配置された、複数の作業プレート(16)のための複数の位置決め装置(15)と、格子に対応配置するための位置決め補助手段(18)とを有している、請求項9記載の装置。
【請求項12】
複数の作業プレート(16)のための複数の位置決め装置(15)が設けられており、これらの位置決め装置(15)が、少なくとも1つの水平方向ガイド(19)によって、位置決め補助手段(20)によって規定された位置に対して摺動可能であって、この位置にある作業プレート(16)がピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)の格子に対応配置されるようになっている、請求項9又は11記載の装置。
【請求項13】
ピペットヘッド(7)の垂直方向運動のために少なくとも1つの下側のストッパ(12)が設けられている、請求項7から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
少なくとも1つの下側のストッパ(12)が、作業プレート(16)の液体受容部内への侵入深さを調節するために調節可能である、請求項13記載の装置。
【請求項15】
前記作業プレート(16)のための各位置決め装置(15)にそれぞれストッパ(12)が対応配置されている、請求項13又は14記載の装置。
【請求項16】
ピペットヘッド(7)の垂直方向ガイド(13)に重量補償装置が対応配置されていて、該重量補償装置は、わずかな力でスムーズな垂直方向運動が可能となるように寸法設計されている、請求項7から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
ピペットヘッド(7)の垂直方向ガイド(13)に対して、強い加速に反応する降下ストッパが対応配置されている、請求項16記載の装置。
【請求項18】
ピストン・シリンダユニット(1,1′,1″)のための駆動機構(6)が、伝動装置(24)を備えたハンドレバー(22)によって操作可能である、請求項1から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
駆動機構(6)がピストンプレート(2)に作用する、請求項1から18までのいずれか1項記載の装置。
【請求項20】
駆動機構(6)が、ピストンプレート(2)をその下側のストッパ位置(10)にもたらし、戻しばね(34)がピストンプレート(2)をその上側のストッパ位置(9)に戻し案内する、請求項19記載の装置。
【請求項21】
ピストン(1′)がシリンダ(1″)に対してシール(31)によってシールされている、請求項1から20までのいずれか1項記載の装置。
【請求項22】
シリンダプレート(3)が水平方向で分割され、弾性的なシール材料が挿入されていて、シリンダプレートのプレート部分を互いに押圧するための手段によってシリンダ直径がシール箇所に調節可能で、この際にピストン(1′)がシール箇所の領域内で移動するようになっている、請求項21記載の装置。
【請求項23】
シリンダ(1″)の下端部に、液体受容部特にピペット先端(26)を被せ嵌めるための受容部(25)が配置されている、請求項1から22までのいずれか1項記載の装置。
【請求項24】
液体を受容するための受容部(25)が弾性的なリング(27)を備えている、請求項23記載の装置。
【請求項25】
力伝達手段が設けられており、該力伝達手段が、液体受容部特にピペット先端(26)を受容するためのピペットヘッド(7)を、位置決め装置(15)内にある液体受容部支持体特にピペット先端支持体(28)に押し付けるか、又はピペット先端支持体(28)をピペットヘッド(7)に押し付けるようになっている、請求項23又は24記載の装置。
【請求項26】
力伝達手段が伝動レバー(29)であって、該伝動レバー(29)が、スタンド(14)とピペットヘッド(7)との間に作用して、ピペットヘッド(7)を液体受容部支持体特にピペット先端支持体(28)に押し付ける、請求項25記載の装置。
【請求項27】
液体受容部ストリッパ又はピペット先端ストリッパ(30)が設けられている、請求項23から26までのいずれか1項記載の装置。
【請求項28】
液体受容部ストリッパ又はピペット先端ストリッパ(30)が、シリンダプレート(3)の下に配置された、レバー操作される垂直方向にしゅう動可能な孔付きプレートであって、該孔付きプレートの複数の孔の大きさが、前記受容部(25)よりも大きいが、液体受容部又はピペット先端(26)よりも小さい、請求項27記載の装置。
【請求項29】
下側のストッパ(5,5′,5″,5″′,5″″)が係止部材として構成されていて、移動せしめられたプレート(2,3)が、ストッパ(5,5′,5″,5″′,5″″)のストップ位置(10)を形成する保持力を克服するか、又は残留液体を吐出させるために、係止解除することによってさらに1ステップ移動せしめられるようになっている、請求項1から28までのいずれか1項記載の装置。
【請求項30】
受容された液体を計量分配するために、上側のストッパ(4′,4″,4″′,4″″)と下側のストッパ(5,5′,5″,5″′,5″″)との間に少なくとも1つの調節可能な格子状の中間ストッパが配置されており、該中間ストッパが、同様にプレート(2,3)を平行に整列させるように作用し、また強い力で又は係止解除することによって克服可能である、請求項1から29までのいずれか1項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−537427(P2007−537427A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511986(P2007−511986)
【出願日】平成17年4月30日(2005.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004694
【国際公開番号】WO2005/113149
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506373169)
【氏名又は名称原語表記】Bernd Steinbrenner
【住所又は居所原語表記】Bergstrasse 32, D−69151 Neckargemuend, Germany
【出願人】(506373170)
【氏名又は名称原語表記】Roger Steinbrenner
【住所又は居所原語表記】Ersheimer Str. 15, D−69434 Hirschhorn, Germany
【Fターム(参考)】