液体中での使用のためのパッケージ化された半導体センサチップ
本発明は、センシング回路がパッケージとほぼ同じレベルにあるか、パッケージのレベルの上に配置される、パッケージ化された半導体センサチップを提供する。このため、流体における検体を検出するのに、センサが流体、特に液体に浸漬されるとき、半導体センサチップの上部表面のほぼ全体が流体に接触することになり、これにより検出結果が最適化されることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ化された半導体センサチップに関し、及び斯かるパッケージ化された半導体センサチップを製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、検出精度が向上したパッケージ化された半導体センサチップを提供する。パッケージ化された半導体センサチップは、分子診断に使用するバイオセンサ又は化学センサとして使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
物理属性又は物理イベントを測定するのにセンサが広く使用される。センサは、測定の機能的な読み出しを電気、光学又はデジタル信号として出力する。その信号は、他のデバイスにより情報へと変換されることができるデータである。センサの特定の例は、バイオセンサである。バイオセンサは、例えば、血液、血清、血漿、唾液、組織抽出液、間質液、細胞培養抽出液、食物抽出液、飲料水といった液体中における、たんぱく質、ウイルス、バクテリア、細胞成分、細胞膜、胞子、DNA、RNA等のターゲット分子の存在を検出するか(即ち、定性測定)、又はターゲット分子に関する特定の量を測定する(即ち、定量測定)デバイスである。ターゲット分子は、「検体」とも呼ばれる。ほとんどすべての場合において、バイオセンサは検体を捕捉する特定の認識要素を有する表面を用いる。従って、センサデバイスの表面は、その表面に特定の分子を付けることにより変更されることができる。このことは、液体中に存在するターゲット分子を結合するのに適している。
【0003】
バイオセンサはより重要になりつつある。電気的なインターコネクトを備える使い捨て可能なバイオセンサのため、低コストのパッケージングが非常に重要である。測定原理の1つは、バイオセンサ上の所定のサイトに付けられるラベル付けされた分子の数え上げ(counting)である。例えば、分子が磁性粒子又はビーズでラベル付けされることができる。これらの磁性粒子又はビーズは、磁気抵抗センサを用いて検出されることができる。斯かるセンサは、従来のシリコンウェハ技術を用いて作られることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ほとんどの従来技術におけるパッケージ化された半導体センサチップは、パッケージとセンサチップ表面との間に「壁」が存在するという欠点に苦しんでいる。その壁は、センサチップの性能を低下させる。図1に例が示される。センサチップ1は、ワイヤボンディングによりパッケージ2に付けられる。ワイヤボンディングは、インターコネクトのための標準的な技術である。しかしながら、この技術は、センサ表面に厚みを加える。このため、センサチップ1の上部表面3がパッケージ2の上部表面4から距離を置いて配置され、その結果検体がセンサチップ2に向かって「移動(drive)」しなければならないという欠点をこのパッケージにもたらす。移動とは即ち、流体である検体が角に沿って(図1における矢印5により)ガイドされる必要があり、不規則な構造に遭遇することになることである。これは、大きな流体サンプル、及び流れの少ない又は停滞した領域を必要とすることを意味し、壁6への接着による物質の損失が生じる可能性を意味する。センサ基板を通る金属化されたビア又はスロットを用いる代替的な技術は高価である。
【0005】
本発明の目的は、改良されたパッケージ化された半導体センサチップ及び斯かるパッケージ化された半導体センサチップの製造方法を提供することにある。本発明の利点は、検出精度が向上したパッケージ化された半導体センサチップを提供することができる点にある。本発明の更なる利点は、製造費用が安く、及び/又は適用される検体のほぼ全体を使用するパッケージ化された半導体を提供する点にある。パッケージ化された半導体センサチップは、分子診断において使用されるバイオセンサ又は化学センサとして使用されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、本発明によるデバイス及び方法により実現される。
【0007】
本発明の特定かつ好ましい側面が、対応する独立項及び従属項に記載される。従属項からの特徴は、請求項に明示的な記載がなくても適切な場合には、独立項の特徴及び他の従属項の特徴と組み合わせられることができる。
【0008】
本発明は、回路及びセンシング要素のすべての接点が上部表面に配置されるような、例えばシリコンベースのセンサデバイスといった半導体分野に関する。
【0009】
本発明の第1の側面によれば、パッケージ化された半導体センサチップが与えられる。そのパッケージ化された半導体センサチップは:
センシング回路を具備し、上部表面を持つ半導体センサチップと、
上部表面を持つパッケージとを有し、
上記半導体センサチップの上部表面が、上記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在する。
【0010】
上記パッケージ化された半導体の利点は、実行される測定に対して、センサがわずかな量の流体と共に使用されることができる点である。なぜなら、パッケージの上部表面と、流体の一部が堆積することができるセンサチップの上部表面との間には壁が実質的に存在しないからである。堆積により、その流体の一部は、測定の際に失われることになる。更に、本発明によるパッケージ化された半導体センサチップは、従来技術のセンサチップと比べて改善された検出精度を持つ。
【0011】
本発明の実施形態によれば、上記パッケージの上部表面と上記半導体センサチップの上部表面との間の距離が0から50μmの間にあるとすることができる。本発明の特定の実施形態によれば、パッケージの上部表面と半導体センサチップの上部表面との間の距離は、30μmより短く、できれば20μmより短く、更に好ましくは10μmより短く、最も好ましくは5μmより短い、即ち0から5μmの間にある。
【0012】
本発明による実施形態において、そのパッケージ化された半導体センサチップは、上記半導体センサチップへの電気接続を形成するリードフィンガ又はインターコネクトを更に有することができる。上記リードフィンガは5から15μmの間の厚みを持つことができ、50から100μmの間の幅を持つことができる。本発明の実施形態によれば、導電性リード又はインターコネクトとも呼ばれるリードフィンガは、リードフィンガとセンサチップの上部表面との間の高低差ができるだけ小さくなるよう、できるだけ薄くすることができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、上記パッケージ化された半導体センサチップがリセスエッジを持つことができる。本実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップが、使用される流体、例えば液体又はガスに浸漬されるとき、その半導体センサチップの上部表面のほぼ全体が流体に接触することになり、検出されるべき物質が半導体センサの壁に対して失われることが生じることがない。なぜなら、従来技術のパッケージ化されたセンサチップと比べると、リードフィンガから半導体センサチップの上部表面へと降りる壁が実質的に存在しないからである。
【0014】
本発明の実施形態によれば、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体から電気的に絶縁されるよう、リードフィンガは、例えば有機層又は無機層といった電気的に絶縁するコーティングを具備することができる。なぜなら、流体は一般的に電気的に導電性がある場合があるからである。
【0015】
本発明の実施形態によれば、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体は、その流体に上記パッケージ化されたセンサチップを浸漬することにより、上記パッケージ化された半導体センサチップに適用されることができる。他の実施形態では、その流体は、上記パッケージ化された半導体センサチップ上にその流体を噴霧することにより適用されることができる。更に、本発明の更なる実施形態においては、その流体は、例えば、液体の場合であればマイクロピペットを用いるなどして、他のいずれかの適切な方法で上記パッケージ化された半導体センサチップに適用されることもできる。
【0016】
別の実施形態では、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体は、センサパッケージとは分離される流体含有要素に含まれることができる。その場合、検出されるべき検体を有する流体は、分離される使い捨て可能な「生体的」部分に含まれ、再使用可能なセンサヘッドに適用されることができる。流体含有要素は、例えば、非常に薄い底部又は壁を持つウェル又は側面フローデバイスとすることができる。流体中に存在する検体の検出を可能にするため、センサパッケージは、流体含有要素の底部又は壁に対して押し付けられることができる。
【0017】
更に、本発明の実施形態によれば、上記パッケージ化された半導体センサチップは、生体適合物質のコーティングを更に有することができる。即ち、上記パッケージ化された半導体センサチップは、生体測定に適した物質から作られることができる。生体適合性のある物質は、例えば、生体物質を結合するのに適した物質から作られることができ、ポリスチレン、ナイロン、又はニトロセルロースといったものである。本発明の他の実施形態によれば、コーティングが、ポリエチレングリコールといった低い生物的結合性若しくは特異結合性を示す物質、又は従来技術において非特異結合性(non-specific binding)が低いことが知られている他のいずれかの物質から作られることができる。後者の場合、センサチップの近傍において、コーティングに生体レセプタ分子を結合するには、コーティングはまず、生物的にアクティベートされることを必要とする。
【0018】
コーティングは、種々の方法でパッケージに適用されることができる。例えば、接触プリンティング、非接触プリンティング、噴霧、又はスピンコーティングを用いて、その物質が溶液から適用されることができる。コーティングの物質は、パッケージ上にフォイルをラミネートすることにより、例えば、パッケージ上に薄いフォイルを接着することにより適用されることもできる。これは、例えば、接着剤又は熱処理を用いてなされることができる。また、生体物質の結合に適した例えばニトロセルロースといった物質を運ぶプラスチックフォイルといったハイブリッド物質がパッケージに適用されることができる。本発明の実施形態によれば、上記コーティングが0.1から30μmの間の厚みを持つことができる。
【0019】
本発明の第1の側面による上記パッケージ化された半導体センサチップは、例えば、バイオセンサ又は化学センサとすることができる。
【0020】
本発明の第2の側面によれば、パッケージ化された半導体センサチップの製造方法が提供される。その方法は:
センシング回路を具備し、第1の上部表面を持つ半導体センサチップを与えるステップと、
少なくとも1つのリードフィンガを有する第2の上部表面を備える仮基板を与えるステップと、
上記第1の上部表面が上記第2の上部表面に面するよう、上記センサチップを上記仮基板に付けるステップと、
上記センサチップにパッケージを与えるステップと、
上記仮基板を除去するステップとを有し、
上記半導体センサチップを上記仮基板へ付けるステップが、上記半導体センサチップの上部表面が、上記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在するよう行われる。
【0021】
本発明の第2の側面による方法の利点は、わずかな量の流体と共に使用されることができるパッケージ化された半導体センサデバイスをもたらす点にある。なぜなら、パッケージの上部表面と流体の一部が堆積することができるセンサチップの上部表面との間には、壁が実質的に存在しないからである。堆積により、その流体の一部は、測定の際に失われることになる。更に、本方法は、従来技術のセンサチップと比べて改善された検出精度を持つパッケージ化された半導体センサチップをもたらす。
【0022】
本発明の実施形態によれば、上記半導体センサチップを上記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理、超音波ボンディング、又は接着のいずれかを用いて行われることができる。本発明の実施形態によれば、上記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理を用いて行われることができる。上記ソルダリング処理は:
上記半導体センサチップの基板の上側表面に半田ボールを与えるステップと、
上記センサチップを上記仮基板に付けるステップと、
上記半田ボールを溶かすステップとを有する。
【0023】
本発明の実施形態によれば、上記仮基板を除去するステップが、適切なエッチング溶媒を用いてウェットエッチング処理により行われることができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、上記方法は、上記パッケージ化された半導体センサチップの上部に生体適合物質のコーティングを与えるステップを更に有する。コーティングの厚みは0.1から30μmの間とすることができる。生体適合性のある物質は、例えば、生体物質を結合するのに適した物質であり、ポリスチレン、ナイロン、又はニトロセルロースといったものである。本発明の他の実施形態によれば、コーティングは、ポリエチレングリコールといった低い生物的結合性若しくは特異結合性を示す物質、又は従来技術において非特異結合性が低いことが知られている他のいずれかの物質から作られることができる。後者の場合、センサチップの近傍において、コーティングに生体レセプタ分子を結合するには、コーティングはまず、生物的にアクティベートされることを必要とする。
【0025】
生体適法物質のコーティングは、種々の方法でパッケージに適用されることができる。例えば、接触プリンティング、非接触プリンティング、噴霧、又はスピンコーティングを用いて、その物質が溶液から適用されることができる。コーティングの物質は、パッケージ上にフォイルをラミネートすることにより、例えば、パッケージ上に薄いフォイルを接着することにより適用されることもできる。これは、例えば、接着剤又は熱処理を用いてなされることができる。また、生体物質の結合に適した例えばニトロセルロースといった物質を運ぶプラスチックフォイルといったハイブリッド物質がパッケージに適用されることができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、その方法は更に、
基板上部表面を持ち、異なるセンサチップを形成する少なくとも2つのセンシング回路を上記基板上部表面に有する基板を与えるステップと、
上記少なくとも2つのセンシング回路間に溝を与えるステップと、
上記基板上部表面に半田ボールを与えるステップと、
上記センサチップを上記仮基板に付ける前に、上記基板を複数のセンサチップへと分割するステップとを更に有する。
【0027】
本発明の第3の側面によれば、本発明の第1の側面によるパッケージ化されたセンサが分子診断において使用されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のこれら及び他の特性、特徴及び利点は、例示を介して、本発明の原理を説明する対応する図面を考慮し、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。説明は、例示のためだけに与えられるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。以下に示される参照符号は、添付された図面を参照してのものである。
【0029】
異なる図面において、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を参照するものである。
【0030】
本発明は、特定の実施形態及び特定の図面を参照して説明されることになるが、本発明はそれらに限定されるものではなく、添付された請求項によって定まるものである。請求項における如何なる参照符号もその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。記載された図面は、概略的なものに過ぎず非限定的なものである。図面において幾つかの要素の大きさが誇張されている場合があり、説明目的のため実際のスケール通りに描かれていない場合がある。単数形名詞を参照するとき例えば「a」又は「an」、「the」といった不定冠詞又は定冠詞が使用される場合、これは、他に特別の記述がなければその名詞が複数あることを含むものである。
【0031】
更に、明細書及び請求項における第1、第2、第3等の用語は、同様な要素間を識別するのに使用され、必ずしも順次的な順序又は実際の順序を表すものではない。そのように使用されるこれらの用語は、適切な環境下において互いに交換可能であり、本書に述べられる本発明の実施形態は、本書に説明又は図示される順序以外の他の順序で動作することができる点を理解されたい。
【0032】
更に、明細書及び請求項におけるトップ(表面)、ボトム(底面)、オーバー(上)、アンダー(下)等の用語は、説明目的で使用されるものであり、必ずしも相対的な位置を表すものではない。そのように使用されるこれらの用語は、適切な環境下において互いに交換可能であり、本書に述べられる本発明の実施形態は、本書に説明又は図示される方向以外の他の方向で動作することができる点を理解されたい。
【0033】
請求項において使用される「comprising(有する)」という用語は、その後に記載される手段に限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。即ち、その用語は、他の要素又はステップを除外するものではない。その用語は、記載される特徴、整数、ステップ又は参照される要素の存在を特定するものとして解釈されるべきものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ若しくは要素、又はそれらのグループの存在若しくは追加を排除するものではない。従って、「手段A及び手段Bを有するデバイス」という表現の範囲は、要素A及び要素Bのみからなるデバイスに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスの関連要素がAとBとのみであることを意味する。
【0034】
本発明は、パッケージ化された半導体センサチップを提供する。その半導体センサチップは、パッケージの上部表面より上又はほぼ同じレベルに存在する上部表面を持つ。これは、実行される測定のためにわずかな量の流体を使用するだけで済むという利点を持つ。なぜなら、パッケージの上部表面と、流体の一部が堆積することができるセンサチップの上部表面との間に、実質的に壁が存在しないからである。堆積により、その流体の一部は、測定のために失われることになる。更に、本発明によるパッケージ化された半導体センサチップは、従来技術によるセンサチップに関して改善された検出精度を持つ。
【0035】
パッケージ化された半導体センサチップは、例えば、血液、血清、血漿、唾液、組織抽出液、間質液、細胞培養抽出液、食物抽出液、飲料水といった流体中に存在する、たんぱく質、ウイルス、バクテリア、細胞成分、細胞膜、胞子、DNA、RNA等といった少なくとも1つの検体の検出に使用されることができる。その流体は、液体又はガスとすることができるが、検出されるべき少なくとも1つの発光粒子を有する真空とすることもできる。
【0036】
パッケージ化された半導体センサチップは、検出されるべき検体を含む流体中で浸漬されることができる。しかしながら、特定の用途に対しては、パッケージ化された半導体センサチップは、流体中で浸漬される必要はないが、例えば、その流体がパッケージ化された半導体センサチップに対して噴霧される場合がある。更に、その流体は、他のいずれかの適切な方法で、例えば液体の場合、マイクロピペットを用いて、パッケージ化された半導体センサチップに適用されることもできる。
【0037】
また、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体は、パッケージ化された半導体センサチップとは分離される流体含有要素に含まれることができる。その場合、検出されるべき検体を有する流体は、分離される使い捨て可能な「生物学的」部分に含まれ、再利用可能なセンサヘッドに適用されることができる。流体含有要素は、例えば、非常に薄い底部又は壁を持つウェル(well)又は側面フローデバイスとすることができる。流体中に存在する検体の検出を可能にするため、センサパッケージは、流体含有要素の底部又は壁に対して押し付けられることができる。
【0038】
図2において、本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が概略的に図示される。パッケージ化された半導体センサチップ10は、パッケージ13を有する。パッケージ13の表面は、半導体センサチップ11の上部表面よりも下にある。パッケージ13の上部表面とセンサチップ11の上部表面との間の距離は、0から50μmの間とすることができる。本発明の実施形態において、半導体センサチップ11の上部表面は、パッケージ13の上部表面と実質的に同じレベルにあるとすることができる。
【0039】
半導体センサチップ11は好ましくはシリコンを有することができるが、GaAs又は他のいずれかの適切な半導体物質を有することもできる。半導体センサチップ11は、例えば、1.4 mm x 1.5 mmとすることができる。これは例示に過ぎず、異なるサイズの半導体センサチップ11が本発明に基づき適用されることができることを理解されたい。
【0040】
本発明の実施形態によれば、半導体センサチップ11は、例えばリードフレーム状のインターコネクトフォイル(foil)の形式で与えられるリードフレームに接続されることができる。「リードフレーム」としては、フィンガーボンディング(finger bonding)による半導体センサチップ11への接続のための導電性のあるフィンガー(finger)、例えば金属フィンガーであるリードアウト(lead out)フィンガーが意図される。その導電性のある、例えば金属のフィンガーは、例えば、導電性のある、例えば金属のリボンから押し抜き又はフォトファブリケーションにより作り出される。
【0041】
本発明の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10において、インターコネクト又は導電性のリード12は、センサチップ11の上部表面と実質的に同じレベルに位置するか、又は上部表面のレベルより下に位置する。これは、従来技術のパッケージ化された半導体センサチップとは対照的である。従来技術では、外部世界への導電性インターコネクトが、センサチップ表面より上の所定の高さを必要とするワイヤボンディングを用いて作られており、その結果、斯かるワイヤボンディングを含むパッケージの上部表面は、センサチップの上部表面の上の位置に配置されている。
【0042】
図3から図6は、図2に示されるパッケージ化された半導体センサチップ10の製造のための連続する処理ステップを示す。簡単化のため、これらの図面において1つのデバイスの断面のみが描かれる。しかしながら、実際は、本発明は、半導体センサチップ11のアレイにも適用されることができる。
【0043】
図3に示される第1のステップにおいて、銅基板といった金属基板又は他のいずれかの適切な基板とすることができる仮基板14が与えられる。仮基板14は、標準的な装備における加工しやすさ(ease of handling)に関連する厚みを持つことができ、好ましくは50から100μmの間とすることができる。
【0044】
仮基板14は、例えばシールリングであるスペーサ15と、導電性リード又はリードフィンガ12とを有する。例えばシールリングであるスペーサ15は、例えば、ベンゾシクロブタン(BCB)又はSU-8といった感光性ポリマを有することができる。スペーサ15の高さは、5から15μmの間とすることができる。更なるパッケージングステップの間にパッケージング物質からセンシング回路を密封するのはスペーサ15の機能である(後述)。
【0045】
導電性リード12は、5から15μmの間の、例えば10μmの厚みと、50から100μmの間の、例えば75μmの幅とを持つことができる。本発明の実施形態によれば、インターコネクトとも呼ばれる導電性リード12は、導電性リード12とセンサチップ11の上部表面との間の高低差ができるだけ小さいよう(後述)、できるだけ薄くすることができる。
【0046】
実施形態によれば、決定されるべき検体を有する流体にリードフィンガ12が直接接触するとき、リードフィンガ12は、電気的に絶縁するコーティングを具備することができる。絶縁コーティングは、サンプル流体から電気的に絶縁するため、例えば、有機層(例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、又は基板上にスピンコートされることができる他のいずれかの物質のフォトレジストのスピンコートされた層)又は無機層(例えばSiO2といった酸化物、又はSi3N4といった窒化物)とすることができる。なぜなら、この流体は、一般的に電気的には導電性があるからである。
【0047】
次に、ここで説明される実施形態によれば、半導体センサチップ11が、フリップチップ技術を用いて仮基板14に付けられる。半導体センサチップ11は、基板16とセンシング回路17とを有する。半導体センサチップ11は、例えば、ソルダリング、超音波ボンディング、又は接着を用いて仮基板14に付けられることができる。超音波ボンディングは、接着を形成するのに熱を用いることなく超音波エネルギーと圧力とを使用するボンディング技術である。図4に示される例示において、半導体センサチップ11は、ソルダリングにより仮基板14に付けられる。従って、半導体センサチップ基板16の上部表面19上に、即ち、センシング回路17を有する半導体センサチップ基板16の側に半田ボール18が与えられる。すると半導体センサチップ11は、仮基板14に向かってその上部表面20と共に仮基板14に配置される。半田ボール18が仮基板14上の導電性リード12に接触し、かつ導電性リード12と半田ボール18との間の物理的及び電気的接続を形成するべく半田ボール18が溶けるよう、半導体センサチップ11は配置される。このステップは図4に示される。
【0048】
半導体センサチップ11を仮基板14に取り付けた後、センサチップパッケージ13が与えられる。本発明の実施形態によれば、これは、モールディング(moulding)、例えば、オーバーモールディングを用いて実現されることができる。オーバーモールディング加工は通常、2つのメジャーなカテゴリを含む。それは、インサートモールディングとマルチショットモールディングとである。インサートモールディング加工においては、プラスチック又は金属とすることができる1つ又は複数のサブ要素が、モールドに配置される、言い換えると「挿入される」。これは、手動又は自動で行われることができる。例えば熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、強化エンジニアリングプラスチック(RETP)又は他のいずれかの適切なポリマといった溶融ポリマが、パッケージを形成する同じ空洞に挿入される。マルチショットモールディングは、複数の挿入ユニットの使用を必要とし、各挿入ユニットは独立して、マルチコンポーネント・アセンブリを形成するより複雑なモールドデザインへと所望のプラスチック材料を挿入する。モールディング物質は、例えば、熱硬化性エポキシ複合物とすることができる。モールド温度は通常160℃であり、モールド圧は通常50バールとすることができる。
【0049】
図6に示される次のステップにおいて、仮基板14が除去される。これは、適切なエッチング溶液を用いる例えば選択ウェットエッチングといった当業者に知られた技術を用いて行われることができる。例えば、仮基板14が銅から形成される場合、酸溶媒を用いてウェットエッチングが行われることができる。酸溶媒としては塩化第二鉄溶液が好ましい。なぜなら、塩化第二鉄と銅との反応においては、深刻な煙もガスも全く生成されないからである。そのようにして、パッケージ13の表面にリードフィンガ12を備える本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が得られる。
【0050】
第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ11において、センサチップ11の上部表面20の上のインターコネクトの全体の厚み、言い換えると半導体センサチップ11の上部表面とパッケージ13の上部表面との間の距離は、0から50μmの間とすることができ、好ましくは、30μmより短く、できれば20μmより短く、更に好ましくは10μmより短く、最も好ましくは5μmより短い。所与の例におけるインターコネクトの全体の厚みとしては、半田ボール18の厚みとリード12の厚みとを合わせたものが意図される。これは、センシング回路17と導電性リード12とが、ほぼ同じ平面上にあることを意味する。従って、センサチップ11の上部表面20とパッケージ13の上部表面との間の距離は、導電性リード12の厚みにより制御されることができる。
【0051】
上述において、半導体センサチップ11を仮基板14に付けることは、半田ボール18を与えそれを溶かすことを用いて説明されてきた。しかしながら、本発明による別の実施形態においては、半導体センサチップ11を仮基板14に付けるのに、半田ボール18の代わりに、半田物質、金バンプ又は接着剤の薄い層が使用されることもできる。導電性接着剤と共に半田物質、金バンプ又は接着剤の薄い層が使用される場合、インターコネクトの全体の厚みとしては、半導体センサチップ11を仮基板14に付けるのに使用される物質の厚みとリード12の厚みとを合わせたものが意図される。
【0052】
上記理由から、本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10において、半導体センサチップ11の上部表面20は、パッケージ13の上部表面とほぼ同じレベルにある。インターコネクト又はリード12は、半導体センサチップ11の上部表面20とほぼ同じレベルにある。これは、使用時に、パッケージ化された半導体センサチップ11が例えば液体又はガスといった流体中に浸漬されるとき、半導体センサチップ11の上部表面のほぼ全体が流体に接触することになり、例えば半導体センサの壁に付着することによる、検出されるべき物質の損失が生じないことを意味する。なぜなら、従来技術のパッケージ化された半導体センサチップと比べると、本発明においては、パッケージ13の上部から半導体センサチップ11の上部表面20に降りるような壁が実質的に存在しないからである。
【0053】
本発明の第2の実施形態において、パッケージ化された半導体センサチップ10が与えられる。そこでは、半導体センサチップ11の上部表面20が、パッケージ13の上部表面と同じレベルにあるか、又はそのレベルより上にある。半導体センサチップ11の上部表面20はインターコネクトレベルとの関係でも上にある(図7参照)。
【0054】
このため、まずリセスエッジを備える半導体センサチップ11が与えられる。図8から図10は、リセスエッジを備える斯かる半導体センサチップ11の製造における連続的なステップを示す。
【0055】
第1のステップにおいて、異なる半導体センサチップ11を形成する少なくとも2つのセンシング回路(図示省略)を有する基板21が与えられる。次のステップにおいて、溝22が基板21に与えられる(図8参照)。基板21は好ましくはSiを有することができるが、GaAs又は他のいずれかの適切な半導体物質を有することもできる。溝22は、30から50μmの間の深さdを持つことができ、リード12への半導体センサチップ11のインターコネクトに必要な幅の2倍により決定される幅wを持つことができる。幅wは約300μmとすることができる。本発明の実施形態によれば、溝22は基板21の全長を横切って延在することができる。溝は2つの方向に与えられることができる。例えば、センシング回路が基板21上でアレイ状に与えられる場合、基板21にある少なくとも2つのセンシング回路の間を分割することに備えて、互いにほぼ垂直な方向に溝が与えられることができる。
【0056】
この第2の実施形態において、半導体センサチップ11の表面とリード12との間の距離は、溝22の深さからインターコネクトリード12の厚みを引いたものにより決定される。
【0057】
図9に示される次のステップにおいて、基板21の上部表面23が、インターコネクトバンプと共に与えられる。インターコネクトバンプは、例えば図9に与えられるように、後段において(in a later stadium)、半導体センサチップ11を仮基板14につけるための半田ボール18とすることができる(後述)。本発明による他の実施形態において、インターコネクトバンプは、金バンプ又は導電性接着剤とすることもできる。インターコネクトバンプは、センシング回路の周りで溝の中に与えられる。その後、異なる半導体センサチップ11が互いに分離される(図10参照)。これは、当業者により知られる従来技術により実現されることができる。各半導体センサチップ11は、基板16とセンシング回路(図示省略)とを有する。本発明による他の実施形態においては、半導体チップ11が互いに分離された後に、言い換えると、ダイシング(dicing)の後にインターコネクトバンプが適用されることができる。しかしながら、これはあまり好ましくない。その理由は、主に製造の観点からのものである。なぜなら、大きなウェハを扱う方が簡単だからである。デバイスがその上に加工されなければならないウェハが小さくなると、組立てがより複雑になるからである。
【0058】
第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10の更なる処理は、本発明の第1の実施形態のパッケージ化された半導体センサチップ10に対して議論された処理と同様である。後続の処理ステップが図11から図14に示される。
【0059】
例えば銅基板といった金属基板又は他のいずれかの適切な基板とすることができる仮基板14が与えられる。仮基板14は、50から100μmの間の厚みを持つことができ、導電性リード12を有する(図11参照)。導電性リード12は、5から15μmの間の、例えば10μmの厚みを持つことができる。本発明によれば、導電性リード12、言い換えるとインターコネクトは、できるだけ薄くすることができる。仮基板14は更に、突出するセンシング回路の位置でリセス領域を有することができる。図面の明確さのため、これは図11から図13には図示されない。仮基板14が斯かるリセス領域を持つとき、半導体センサチップ11の上部表面20は、パッケージ13の上部表面の上にあることになる。仮基板14に斯かるリセス領域が存在しないとき、半導体センサチップ11の上部表面20は、パッケージ13の上部表面と同じレベルにあることになる。
【0060】
すると半導体センサチップ11は、仮基板14に向かってその上部表面20と共に、仮基板14上に配置される。次に、半導体センサチップ11は、フリップチップ技術を用いて、仮基板14上に配置される。所与の例において、半導体センサチップ11は、リセスエッジを備える半導体センサチップ11の形成の間与えられる半田ボール18を溶かすことにより、仮基板14に付けられることができる。半田ボール18が導電性リード12に接触し、その後半田ボール18が溶解するよう、半導体センサチップ11が配置される。このステップは図12に示される。
【0061】
半導体センサチップ11を仮基板14に取り付けた後、センサチップパッケージ13が与えられる(図13参照)。本発明によれば、これは、例えば、上述のオーバーモールディングを用いて実現されることができる。本発明による他の実施形態においては、センサチップパッケージ13を与えることが、半導体センサチップ11と仮基板14とを例えばエポキシを用いて充填又は被覆することにより実行されることができる。パッケージ物質は、例えば、プラスチック又は金属とすることができる。例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、強化エンジニアリングプラスチック(RETP)又は他のいずれかの適切なポリマといった溶融ポリマとすることができる。
【0062】
図14に示される次のステップにおいて、仮基板14が除去される。これは、適切なエッチング溶液を用いる例えば選択ウェットエッチングといった当業者に知られた技術を用いて行われることができる。例えば、仮基板14が銅から形成される場合、酸溶媒を用いてウェットエッチングが行われることができる。酸溶媒としては塩化第二鉄溶液が好ましい。なぜなら、塩化第二鉄と銅との反応においては、深刻な煙もガスも全く生成されないからである。そのようにして、パッケージ13の上部表面と同じレベルに半導体センサチップ11の上部表面20を備えるか、又はパッケージ13の上部表面の上に半導体センサチップ11の上部表面20を備えるかのいずれかとなる本発明の第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が得られる。
【0063】
本発明の第3の実施形態による半導体センサチップ10は、そのパッケージ化された半導体センサチップ10が、使用される流体、例えば液体又はガスに浸漬されるとき、その半導体センサチップ11の上部表面20のほぼ全体が流体に接触することになり、検出されるべき物質が半導体センサの壁に対して失われることが生じることがないという意味を含む。なぜなら、従来技術のパッケージ化されたセンサチップと比べると、リードから半導体センサチップ11の上部表面20へと降りる壁が実質的に存在しないからである。
【0064】
本発明の第3の実施形態において、本発明の第1又は第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が、生体適合性のある薄い表面コーティング24を更に有することができる。即ち、薄い表面コーティング24は、生体測定に適した物質から作られることができ、0.1μmから30μmの間の厚み、好ましくは1μmから10μmの間の厚みを持つことができる。生体適合性のある物質は、例えば、生体物質を結合するのに適した物質であり、ポリスチレン、ナイロン、又はニトロセルロースといったものである。本発明の他の実施形態によれば、コーティングは、ポリエチレングリコールといった低い生物的結合性若しくは特異結合性を示す物質、又は従来技術において非特異結合性が低いことが知られている他のいずれかの物質から作られることができる。後者の場合、半導体センサチップ11の近傍において、コーティング24に生体レセプタ分子を結合するには、コーティング24はまず、生物的にアクティベートされることを必要とする。
【0065】
コーティング24は、種々の方法でパッケージ13に適用されることができる。例えば、接触プリンティング、非接触プリンティング、噴霧、又はスピンコーティングを用いて、その物質が溶液から適用されることができる。コーティング24の物質は、パッケージ13上にフォイルをラミネートすることにより、例えば、パッケージ13上に薄いフォイルを接着することにより適用されることもできる。これは、例えば、接着剤又は熱処理を用いて実現されることができる。また、例えばニトロセルロースといった物質を運ぶプラスチックフォイルといったハイブリッド物質がパッケージ13に適用されることができる。
【0066】
第1及び第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ11の実質的な平坦さにより、生体適合物質は良好な完全性、連続性及び均一性をもって適用されることができる。生体適合物質の堆積(deposit)は、例えばプリンティング、スピンコーティング、噴霧、又は蒸発といったいずれかの適切な堆積法を用いて行われることができる。
【0067】
この実施形態の利点は、センシング回路17といった電子部品に対する物質が、生体物質と結合しない、即ち直接接触しない点にある。その結果、これらのシステムは独立に最適化されることができる。
【0068】
本発明の実施形態は、パッケージ化された半導体センサチップ10を提供するソリューションを与える。そこでは、センシング回路17の接点とそのセンシング回路の要素とがすべてセンサチップ11の上部表面に配置され、外部世界へのインターコネクトを備えている。インターコネクトは、パッケージ化されたセンサチップ10を、例えばパッケージ化された半導体チップ10から測定結果を抽出する読み出しデバイスに接続するのに使用されることができる。ワイヤボンディング又はマウンティングといったインターコネクトを提供する従来技術の方法と比べると、本発明による方法は、半導体センサチップにいかなる高さをも追加することなく、従って、センサチップの上部表面が、パッケージの上部表面より上にあるか、又はほぼ同じレベルにあるようなパッケージ化されたセンサチップをもたらす。このパッケージ化されたセンサチップを介して、検出されるべき物質の損失が最小化され、従って検出結果が最適化される。更に、追加的な高さがインターコネクトによりもたらされることがないので、パッケージ化された半導体センサチップは、マイクロ流体システムに使用されることができる。そこでは、非常にわずかな量の液体がセンサに提供され、液体の損失ができるだけ最小化されることが求められる。
【0069】
本発明の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップは、バイオセンサ又は化学センサとして使用されることができ、分子診断に適用されることができる。
【0070】
好ましい実施形態、特定の構造及び構成、並びに物質が本発明によるデバイスに関して説明されてきたが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形式及び詳細に関して様々な変更又は修正がなされることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来技術によるパッケージ化されたバイオセンサを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップを示す図である。
【図3】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図4】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図5】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図6】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップを示す図である。
【図8】リセスエッジを備える半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図9】リセスエッジを備える半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図10】リセスエッジを備える半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図11】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図12】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図13】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図14】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パッケージ化された半導体センサチップに関し、及び斯かるパッケージ化された半導体センサチップを製造する方法に関する。より詳細には、本発明は、検出精度が向上したパッケージ化された半導体センサチップを提供する。パッケージ化された半導体センサチップは、分子診断に使用するバイオセンサ又は化学センサとして使用されることができる。
【背景技術】
【0002】
物理属性又は物理イベントを測定するのにセンサが広く使用される。センサは、測定の機能的な読み出しを電気、光学又はデジタル信号として出力する。その信号は、他のデバイスにより情報へと変換されることができるデータである。センサの特定の例は、バイオセンサである。バイオセンサは、例えば、血液、血清、血漿、唾液、組織抽出液、間質液、細胞培養抽出液、食物抽出液、飲料水といった液体中における、たんぱく質、ウイルス、バクテリア、細胞成分、細胞膜、胞子、DNA、RNA等のターゲット分子の存在を検出するか(即ち、定性測定)、又はターゲット分子に関する特定の量を測定する(即ち、定量測定)デバイスである。ターゲット分子は、「検体」とも呼ばれる。ほとんどすべての場合において、バイオセンサは検体を捕捉する特定の認識要素を有する表面を用いる。従って、センサデバイスの表面は、その表面に特定の分子を付けることにより変更されることができる。このことは、液体中に存在するターゲット分子を結合するのに適している。
【0003】
バイオセンサはより重要になりつつある。電気的なインターコネクトを備える使い捨て可能なバイオセンサのため、低コストのパッケージングが非常に重要である。測定原理の1つは、バイオセンサ上の所定のサイトに付けられるラベル付けされた分子の数え上げ(counting)である。例えば、分子が磁性粒子又はビーズでラベル付けされることができる。これらの磁性粒子又はビーズは、磁気抵抗センサを用いて検出されることができる。斯かるセンサは、従来のシリコンウェハ技術を用いて作られることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ほとんどの従来技術におけるパッケージ化された半導体センサチップは、パッケージとセンサチップ表面との間に「壁」が存在するという欠点に苦しんでいる。その壁は、センサチップの性能を低下させる。図1に例が示される。センサチップ1は、ワイヤボンディングによりパッケージ2に付けられる。ワイヤボンディングは、インターコネクトのための標準的な技術である。しかしながら、この技術は、センサ表面に厚みを加える。このため、センサチップ1の上部表面3がパッケージ2の上部表面4から距離を置いて配置され、その結果検体がセンサチップ2に向かって「移動(drive)」しなければならないという欠点をこのパッケージにもたらす。移動とは即ち、流体である検体が角に沿って(図1における矢印5により)ガイドされる必要があり、不規則な構造に遭遇することになることである。これは、大きな流体サンプル、及び流れの少ない又は停滞した領域を必要とすることを意味し、壁6への接着による物質の損失が生じる可能性を意味する。センサ基板を通る金属化されたビア又はスロットを用いる代替的な技術は高価である。
【0005】
本発明の目的は、改良されたパッケージ化された半導体センサチップ及び斯かるパッケージ化された半導体センサチップの製造方法を提供することにある。本発明の利点は、検出精度が向上したパッケージ化された半導体センサチップを提供することができる点にある。本発明の更なる利点は、製造費用が安く、及び/又は適用される検体のほぼ全体を使用するパッケージ化された半導体を提供する点にある。パッケージ化された半導体センサチップは、分子診断において使用されるバイオセンサ又は化学センサとして使用されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、本発明によるデバイス及び方法により実現される。
【0007】
本発明の特定かつ好ましい側面が、対応する独立項及び従属項に記載される。従属項からの特徴は、請求項に明示的な記載がなくても適切な場合には、独立項の特徴及び他の従属項の特徴と組み合わせられることができる。
【0008】
本発明は、回路及びセンシング要素のすべての接点が上部表面に配置されるような、例えばシリコンベースのセンサデバイスといった半導体分野に関する。
【0009】
本発明の第1の側面によれば、パッケージ化された半導体センサチップが与えられる。そのパッケージ化された半導体センサチップは:
センシング回路を具備し、上部表面を持つ半導体センサチップと、
上部表面を持つパッケージとを有し、
上記半導体センサチップの上部表面が、上記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在する。
【0010】
上記パッケージ化された半導体の利点は、実行される測定に対して、センサがわずかな量の流体と共に使用されることができる点である。なぜなら、パッケージの上部表面と、流体の一部が堆積することができるセンサチップの上部表面との間には壁が実質的に存在しないからである。堆積により、その流体の一部は、測定の際に失われることになる。更に、本発明によるパッケージ化された半導体センサチップは、従来技術のセンサチップと比べて改善された検出精度を持つ。
【0011】
本発明の実施形態によれば、上記パッケージの上部表面と上記半導体センサチップの上部表面との間の距離が0から50μmの間にあるとすることができる。本発明の特定の実施形態によれば、パッケージの上部表面と半導体センサチップの上部表面との間の距離は、30μmより短く、できれば20μmより短く、更に好ましくは10μmより短く、最も好ましくは5μmより短い、即ち0から5μmの間にある。
【0012】
本発明による実施形態において、そのパッケージ化された半導体センサチップは、上記半導体センサチップへの電気接続を形成するリードフィンガ又はインターコネクトを更に有することができる。上記リードフィンガは5から15μmの間の厚みを持つことができ、50から100μmの間の幅を持つことができる。本発明の実施形態によれば、導電性リード又はインターコネクトとも呼ばれるリードフィンガは、リードフィンガとセンサチップの上部表面との間の高低差ができるだけ小さくなるよう、できるだけ薄くすることができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、上記パッケージ化された半導体センサチップがリセスエッジを持つことができる。本実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップが、使用される流体、例えば液体又はガスに浸漬されるとき、その半導体センサチップの上部表面のほぼ全体が流体に接触することになり、検出されるべき物質が半導体センサの壁に対して失われることが生じることがない。なぜなら、従来技術のパッケージ化されたセンサチップと比べると、リードフィンガから半導体センサチップの上部表面へと降りる壁が実質的に存在しないからである。
【0014】
本発明の実施形態によれば、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体から電気的に絶縁されるよう、リードフィンガは、例えば有機層又は無機層といった電気的に絶縁するコーティングを具備することができる。なぜなら、流体は一般的に電気的に導電性がある場合があるからである。
【0015】
本発明の実施形態によれば、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体は、その流体に上記パッケージ化されたセンサチップを浸漬することにより、上記パッケージ化された半導体センサチップに適用されることができる。他の実施形態では、その流体は、上記パッケージ化された半導体センサチップ上にその流体を噴霧することにより適用されることができる。更に、本発明の更なる実施形態においては、その流体は、例えば、液体の場合であればマイクロピペットを用いるなどして、他のいずれかの適切な方法で上記パッケージ化された半導体センサチップに適用されることもできる。
【0016】
別の実施形態では、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体は、センサパッケージとは分離される流体含有要素に含まれることができる。その場合、検出されるべき検体を有する流体は、分離される使い捨て可能な「生体的」部分に含まれ、再使用可能なセンサヘッドに適用されることができる。流体含有要素は、例えば、非常に薄い底部又は壁を持つウェル又は側面フローデバイスとすることができる。流体中に存在する検体の検出を可能にするため、センサパッケージは、流体含有要素の底部又は壁に対して押し付けられることができる。
【0017】
更に、本発明の実施形態によれば、上記パッケージ化された半導体センサチップは、生体適合物質のコーティングを更に有することができる。即ち、上記パッケージ化された半導体センサチップは、生体測定に適した物質から作られることができる。生体適合性のある物質は、例えば、生体物質を結合するのに適した物質から作られることができ、ポリスチレン、ナイロン、又はニトロセルロースといったものである。本発明の他の実施形態によれば、コーティングが、ポリエチレングリコールといった低い生物的結合性若しくは特異結合性を示す物質、又は従来技術において非特異結合性(non-specific binding)が低いことが知られている他のいずれかの物質から作られることができる。後者の場合、センサチップの近傍において、コーティングに生体レセプタ分子を結合するには、コーティングはまず、生物的にアクティベートされることを必要とする。
【0018】
コーティングは、種々の方法でパッケージに適用されることができる。例えば、接触プリンティング、非接触プリンティング、噴霧、又はスピンコーティングを用いて、その物質が溶液から適用されることができる。コーティングの物質は、パッケージ上にフォイルをラミネートすることにより、例えば、パッケージ上に薄いフォイルを接着することにより適用されることもできる。これは、例えば、接着剤又は熱処理を用いてなされることができる。また、生体物質の結合に適した例えばニトロセルロースといった物質を運ぶプラスチックフォイルといったハイブリッド物質がパッケージに適用されることができる。本発明の実施形態によれば、上記コーティングが0.1から30μmの間の厚みを持つことができる。
【0019】
本発明の第1の側面による上記パッケージ化された半導体センサチップは、例えば、バイオセンサ又は化学センサとすることができる。
【0020】
本発明の第2の側面によれば、パッケージ化された半導体センサチップの製造方法が提供される。その方法は:
センシング回路を具備し、第1の上部表面を持つ半導体センサチップを与えるステップと、
少なくとも1つのリードフィンガを有する第2の上部表面を備える仮基板を与えるステップと、
上記第1の上部表面が上記第2の上部表面に面するよう、上記センサチップを上記仮基板に付けるステップと、
上記センサチップにパッケージを与えるステップと、
上記仮基板を除去するステップとを有し、
上記半導体センサチップを上記仮基板へ付けるステップが、上記半導体センサチップの上部表面が、上記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在するよう行われる。
【0021】
本発明の第2の側面による方法の利点は、わずかな量の流体と共に使用されることができるパッケージ化された半導体センサデバイスをもたらす点にある。なぜなら、パッケージの上部表面と流体の一部が堆積することができるセンサチップの上部表面との間には、壁が実質的に存在しないからである。堆積により、その流体の一部は、測定の際に失われることになる。更に、本方法は、従来技術のセンサチップと比べて改善された検出精度を持つパッケージ化された半導体センサチップをもたらす。
【0022】
本発明の実施形態によれば、上記半導体センサチップを上記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理、超音波ボンディング、又は接着のいずれかを用いて行われることができる。本発明の実施形態によれば、上記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理を用いて行われることができる。上記ソルダリング処理は:
上記半導体センサチップの基板の上側表面に半田ボールを与えるステップと、
上記センサチップを上記仮基板に付けるステップと、
上記半田ボールを溶かすステップとを有する。
【0023】
本発明の実施形態によれば、上記仮基板を除去するステップが、適切なエッチング溶媒を用いてウェットエッチング処理により行われることができる。
【0024】
本発明の実施形態によれば、上記方法は、上記パッケージ化された半導体センサチップの上部に生体適合物質のコーティングを与えるステップを更に有する。コーティングの厚みは0.1から30μmの間とすることができる。生体適合性のある物質は、例えば、生体物質を結合するのに適した物質であり、ポリスチレン、ナイロン、又はニトロセルロースといったものである。本発明の他の実施形態によれば、コーティングは、ポリエチレングリコールといった低い生物的結合性若しくは特異結合性を示す物質、又は従来技術において非特異結合性が低いことが知られている他のいずれかの物質から作られることができる。後者の場合、センサチップの近傍において、コーティングに生体レセプタ分子を結合するには、コーティングはまず、生物的にアクティベートされることを必要とする。
【0025】
生体適法物質のコーティングは、種々の方法でパッケージに適用されることができる。例えば、接触プリンティング、非接触プリンティング、噴霧、又はスピンコーティングを用いて、その物質が溶液から適用されることができる。コーティングの物質は、パッケージ上にフォイルをラミネートすることにより、例えば、パッケージ上に薄いフォイルを接着することにより適用されることもできる。これは、例えば、接着剤又は熱処理を用いてなされることができる。また、生体物質の結合に適した例えばニトロセルロースといった物質を運ぶプラスチックフォイルといったハイブリッド物質がパッケージに適用されることができる。
【0026】
本発明の実施形態によれば、その方法は更に、
基板上部表面を持ち、異なるセンサチップを形成する少なくとも2つのセンシング回路を上記基板上部表面に有する基板を与えるステップと、
上記少なくとも2つのセンシング回路間に溝を与えるステップと、
上記基板上部表面に半田ボールを与えるステップと、
上記センサチップを上記仮基板に付ける前に、上記基板を複数のセンサチップへと分割するステップとを更に有する。
【0027】
本発明の第3の側面によれば、本発明の第1の側面によるパッケージ化されたセンサが分子診断において使用されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のこれら及び他の特性、特徴及び利点は、例示を介して、本発明の原理を説明する対応する図面を考慮し、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。説明は、例示のためだけに与えられるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。以下に示される参照符号は、添付された図面を参照してのものである。
【0029】
異なる図面において、同じ参照符号は、同じ又は類似の要素を参照するものである。
【0030】
本発明は、特定の実施形態及び特定の図面を参照して説明されることになるが、本発明はそれらに限定されるものではなく、添付された請求項によって定まるものである。請求項における如何なる参照符号もその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。記載された図面は、概略的なものに過ぎず非限定的なものである。図面において幾つかの要素の大きさが誇張されている場合があり、説明目的のため実際のスケール通りに描かれていない場合がある。単数形名詞を参照するとき例えば「a」又は「an」、「the」といった不定冠詞又は定冠詞が使用される場合、これは、他に特別の記述がなければその名詞が複数あることを含むものである。
【0031】
更に、明細書及び請求項における第1、第2、第3等の用語は、同様な要素間を識別するのに使用され、必ずしも順次的な順序又は実際の順序を表すものではない。そのように使用されるこれらの用語は、適切な環境下において互いに交換可能であり、本書に述べられる本発明の実施形態は、本書に説明又は図示される順序以外の他の順序で動作することができる点を理解されたい。
【0032】
更に、明細書及び請求項におけるトップ(表面)、ボトム(底面)、オーバー(上)、アンダー(下)等の用語は、説明目的で使用されるものであり、必ずしも相対的な位置を表すものではない。そのように使用されるこれらの用語は、適切な環境下において互いに交換可能であり、本書に述べられる本発明の実施形態は、本書に説明又は図示される方向以外の他の方向で動作することができる点を理解されたい。
【0033】
請求項において使用される「comprising(有する)」という用語は、その後に記載される手段に限定されるものとして解釈されるべきではないことに留意されたい。即ち、その用語は、他の要素又はステップを除外するものではない。その用語は、記載される特徴、整数、ステップ又は参照される要素の存在を特定するものとして解釈されるべきものであるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ若しくは要素、又はそれらのグループの存在若しくは追加を排除するものではない。従って、「手段A及び手段Bを有するデバイス」という表現の範囲は、要素A及び要素Bのみからなるデバイスに限定されるべきではない。それは、本発明に関して、デバイスの関連要素がAとBとのみであることを意味する。
【0034】
本発明は、パッケージ化された半導体センサチップを提供する。その半導体センサチップは、パッケージの上部表面より上又はほぼ同じレベルに存在する上部表面を持つ。これは、実行される測定のためにわずかな量の流体を使用するだけで済むという利点を持つ。なぜなら、パッケージの上部表面と、流体の一部が堆積することができるセンサチップの上部表面との間に、実質的に壁が存在しないからである。堆積により、その流体の一部は、測定のために失われることになる。更に、本発明によるパッケージ化された半導体センサチップは、従来技術によるセンサチップに関して改善された検出精度を持つ。
【0035】
パッケージ化された半導体センサチップは、例えば、血液、血清、血漿、唾液、組織抽出液、間質液、細胞培養抽出液、食物抽出液、飲料水といった流体中に存在する、たんぱく質、ウイルス、バクテリア、細胞成分、細胞膜、胞子、DNA、RNA等といった少なくとも1つの検体の検出に使用されることができる。その流体は、液体又はガスとすることができるが、検出されるべき少なくとも1つの発光粒子を有する真空とすることもできる。
【0036】
パッケージ化された半導体センサチップは、検出されるべき検体を含む流体中で浸漬されることができる。しかしながら、特定の用途に対しては、パッケージ化された半導体センサチップは、流体中で浸漬される必要はないが、例えば、その流体がパッケージ化された半導体センサチップに対して噴霧される場合がある。更に、その流体は、他のいずれかの適切な方法で、例えば液体の場合、マイクロピペットを用いて、パッケージ化された半導体センサチップに適用されることもできる。
【0037】
また、検出されるべき少なくとも1つの検体を有する流体は、パッケージ化された半導体センサチップとは分離される流体含有要素に含まれることができる。その場合、検出されるべき検体を有する流体は、分離される使い捨て可能な「生物学的」部分に含まれ、再利用可能なセンサヘッドに適用されることができる。流体含有要素は、例えば、非常に薄い底部又は壁を持つウェル(well)又は側面フローデバイスとすることができる。流体中に存在する検体の検出を可能にするため、センサパッケージは、流体含有要素の底部又は壁に対して押し付けられることができる。
【0038】
図2において、本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が概略的に図示される。パッケージ化された半導体センサチップ10は、パッケージ13を有する。パッケージ13の表面は、半導体センサチップ11の上部表面よりも下にある。パッケージ13の上部表面とセンサチップ11の上部表面との間の距離は、0から50μmの間とすることができる。本発明の実施形態において、半導体センサチップ11の上部表面は、パッケージ13の上部表面と実質的に同じレベルにあるとすることができる。
【0039】
半導体センサチップ11は好ましくはシリコンを有することができるが、GaAs又は他のいずれかの適切な半導体物質を有することもできる。半導体センサチップ11は、例えば、1.4 mm x 1.5 mmとすることができる。これは例示に過ぎず、異なるサイズの半導体センサチップ11が本発明に基づき適用されることができることを理解されたい。
【0040】
本発明の実施形態によれば、半導体センサチップ11は、例えばリードフレーム状のインターコネクトフォイル(foil)の形式で与えられるリードフレームに接続されることができる。「リードフレーム」としては、フィンガーボンディング(finger bonding)による半導体センサチップ11への接続のための導電性のあるフィンガー(finger)、例えば金属フィンガーであるリードアウト(lead out)フィンガーが意図される。その導電性のある、例えば金属のフィンガーは、例えば、導電性のある、例えば金属のリボンから押し抜き又はフォトファブリケーションにより作り出される。
【0041】
本発明の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10において、インターコネクト又は導電性のリード12は、センサチップ11の上部表面と実質的に同じレベルに位置するか、又は上部表面のレベルより下に位置する。これは、従来技術のパッケージ化された半導体センサチップとは対照的である。従来技術では、外部世界への導電性インターコネクトが、センサチップ表面より上の所定の高さを必要とするワイヤボンディングを用いて作られており、その結果、斯かるワイヤボンディングを含むパッケージの上部表面は、センサチップの上部表面の上の位置に配置されている。
【0042】
図3から図6は、図2に示されるパッケージ化された半導体センサチップ10の製造のための連続する処理ステップを示す。簡単化のため、これらの図面において1つのデバイスの断面のみが描かれる。しかしながら、実際は、本発明は、半導体センサチップ11のアレイにも適用されることができる。
【0043】
図3に示される第1のステップにおいて、銅基板といった金属基板又は他のいずれかの適切な基板とすることができる仮基板14が与えられる。仮基板14は、標準的な装備における加工しやすさ(ease of handling)に関連する厚みを持つことができ、好ましくは50から100μmの間とすることができる。
【0044】
仮基板14は、例えばシールリングであるスペーサ15と、導電性リード又はリードフィンガ12とを有する。例えばシールリングであるスペーサ15は、例えば、ベンゾシクロブタン(BCB)又はSU-8といった感光性ポリマを有することができる。スペーサ15の高さは、5から15μmの間とすることができる。更なるパッケージングステップの間にパッケージング物質からセンシング回路を密封するのはスペーサ15の機能である(後述)。
【0045】
導電性リード12は、5から15μmの間の、例えば10μmの厚みと、50から100μmの間の、例えば75μmの幅とを持つことができる。本発明の実施形態によれば、インターコネクトとも呼ばれる導電性リード12は、導電性リード12とセンサチップ11の上部表面との間の高低差ができるだけ小さいよう(後述)、できるだけ薄くすることができる。
【0046】
実施形態によれば、決定されるべき検体を有する流体にリードフィンガ12が直接接触するとき、リードフィンガ12は、電気的に絶縁するコーティングを具備することができる。絶縁コーティングは、サンプル流体から電気的に絶縁するため、例えば、有機層(例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、又は基板上にスピンコートされることができる他のいずれかの物質のフォトレジストのスピンコートされた層)又は無機層(例えばSiO2といった酸化物、又はSi3N4といった窒化物)とすることができる。なぜなら、この流体は、一般的に電気的には導電性があるからである。
【0047】
次に、ここで説明される実施形態によれば、半導体センサチップ11が、フリップチップ技術を用いて仮基板14に付けられる。半導体センサチップ11は、基板16とセンシング回路17とを有する。半導体センサチップ11は、例えば、ソルダリング、超音波ボンディング、又は接着を用いて仮基板14に付けられることができる。超音波ボンディングは、接着を形成するのに熱を用いることなく超音波エネルギーと圧力とを使用するボンディング技術である。図4に示される例示において、半導体センサチップ11は、ソルダリングにより仮基板14に付けられる。従って、半導体センサチップ基板16の上部表面19上に、即ち、センシング回路17を有する半導体センサチップ基板16の側に半田ボール18が与えられる。すると半導体センサチップ11は、仮基板14に向かってその上部表面20と共に仮基板14に配置される。半田ボール18が仮基板14上の導電性リード12に接触し、かつ導電性リード12と半田ボール18との間の物理的及び電気的接続を形成するべく半田ボール18が溶けるよう、半導体センサチップ11は配置される。このステップは図4に示される。
【0048】
半導体センサチップ11を仮基板14に取り付けた後、センサチップパッケージ13が与えられる。本発明の実施形態によれば、これは、モールディング(moulding)、例えば、オーバーモールディングを用いて実現されることができる。オーバーモールディング加工は通常、2つのメジャーなカテゴリを含む。それは、インサートモールディングとマルチショットモールディングとである。インサートモールディング加工においては、プラスチック又は金属とすることができる1つ又は複数のサブ要素が、モールドに配置される、言い換えると「挿入される」。これは、手動又は自動で行われることができる。例えば熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、強化エンジニアリングプラスチック(RETP)又は他のいずれかの適切なポリマといった溶融ポリマが、パッケージを形成する同じ空洞に挿入される。マルチショットモールディングは、複数の挿入ユニットの使用を必要とし、各挿入ユニットは独立して、マルチコンポーネント・アセンブリを形成するより複雑なモールドデザインへと所望のプラスチック材料を挿入する。モールディング物質は、例えば、熱硬化性エポキシ複合物とすることができる。モールド温度は通常160℃であり、モールド圧は通常50バールとすることができる。
【0049】
図6に示される次のステップにおいて、仮基板14が除去される。これは、適切なエッチング溶液を用いる例えば選択ウェットエッチングといった当業者に知られた技術を用いて行われることができる。例えば、仮基板14が銅から形成される場合、酸溶媒を用いてウェットエッチングが行われることができる。酸溶媒としては塩化第二鉄溶液が好ましい。なぜなら、塩化第二鉄と銅との反応においては、深刻な煙もガスも全く生成されないからである。そのようにして、パッケージ13の表面にリードフィンガ12を備える本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が得られる。
【0050】
第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ11において、センサチップ11の上部表面20の上のインターコネクトの全体の厚み、言い換えると半導体センサチップ11の上部表面とパッケージ13の上部表面との間の距離は、0から50μmの間とすることができ、好ましくは、30μmより短く、できれば20μmより短く、更に好ましくは10μmより短く、最も好ましくは5μmより短い。所与の例におけるインターコネクトの全体の厚みとしては、半田ボール18の厚みとリード12の厚みとを合わせたものが意図される。これは、センシング回路17と導電性リード12とが、ほぼ同じ平面上にあることを意味する。従って、センサチップ11の上部表面20とパッケージ13の上部表面との間の距離は、導電性リード12の厚みにより制御されることができる。
【0051】
上述において、半導体センサチップ11を仮基板14に付けることは、半田ボール18を与えそれを溶かすことを用いて説明されてきた。しかしながら、本発明による別の実施形態においては、半導体センサチップ11を仮基板14に付けるのに、半田ボール18の代わりに、半田物質、金バンプ又は接着剤の薄い層が使用されることもできる。導電性接着剤と共に半田物質、金バンプ又は接着剤の薄い層が使用される場合、インターコネクトの全体の厚みとしては、半導体センサチップ11を仮基板14に付けるのに使用される物質の厚みとリード12の厚みとを合わせたものが意図される。
【0052】
上記理由から、本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10において、半導体センサチップ11の上部表面20は、パッケージ13の上部表面とほぼ同じレベルにある。インターコネクト又はリード12は、半導体センサチップ11の上部表面20とほぼ同じレベルにある。これは、使用時に、パッケージ化された半導体センサチップ11が例えば液体又はガスといった流体中に浸漬されるとき、半導体センサチップ11の上部表面のほぼ全体が流体に接触することになり、例えば半導体センサの壁に付着することによる、検出されるべき物質の損失が生じないことを意味する。なぜなら、従来技術のパッケージ化された半導体センサチップと比べると、本発明においては、パッケージ13の上部から半導体センサチップ11の上部表面20に降りるような壁が実質的に存在しないからである。
【0053】
本発明の第2の実施形態において、パッケージ化された半導体センサチップ10が与えられる。そこでは、半導体センサチップ11の上部表面20が、パッケージ13の上部表面と同じレベルにあるか、又はそのレベルより上にある。半導体センサチップ11の上部表面20はインターコネクトレベルとの関係でも上にある(図7参照)。
【0054】
このため、まずリセスエッジを備える半導体センサチップ11が与えられる。図8から図10は、リセスエッジを備える斯かる半導体センサチップ11の製造における連続的なステップを示す。
【0055】
第1のステップにおいて、異なる半導体センサチップ11を形成する少なくとも2つのセンシング回路(図示省略)を有する基板21が与えられる。次のステップにおいて、溝22が基板21に与えられる(図8参照)。基板21は好ましくはSiを有することができるが、GaAs又は他のいずれかの適切な半導体物質を有することもできる。溝22は、30から50μmの間の深さdを持つことができ、リード12への半導体センサチップ11のインターコネクトに必要な幅の2倍により決定される幅wを持つことができる。幅wは約300μmとすることができる。本発明の実施形態によれば、溝22は基板21の全長を横切って延在することができる。溝は2つの方向に与えられることができる。例えば、センシング回路が基板21上でアレイ状に与えられる場合、基板21にある少なくとも2つのセンシング回路の間を分割することに備えて、互いにほぼ垂直な方向に溝が与えられることができる。
【0056】
この第2の実施形態において、半導体センサチップ11の表面とリード12との間の距離は、溝22の深さからインターコネクトリード12の厚みを引いたものにより決定される。
【0057】
図9に示される次のステップにおいて、基板21の上部表面23が、インターコネクトバンプと共に与えられる。インターコネクトバンプは、例えば図9に与えられるように、後段において(in a later stadium)、半導体センサチップ11を仮基板14につけるための半田ボール18とすることができる(後述)。本発明による他の実施形態において、インターコネクトバンプは、金バンプ又は導電性接着剤とすることもできる。インターコネクトバンプは、センシング回路の周りで溝の中に与えられる。その後、異なる半導体センサチップ11が互いに分離される(図10参照)。これは、当業者により知られる従来技術により実現されることができる。各半導体センサチップ11は、基板16とセンシング回路(図示省略)とを有する。本発明による他の実施形態においては、半導体チップ11が互いに分離された後に、言い換えると、ダイシング(dicing)の後にインターコネクトバンプが適用されることができる。しかしながら、これはあまり好ましくない。その理由は、主に製造の観点からのものである。なぜなら、大きなウェハを扱う方が簡単だからである。デバイスがその上に加工されなければならないウェハが小さくなると、組立てがより複雑になるからである。
【0058】
第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10の更なる処理は、本発明の第1の実施形態のパッケージ化された半導体センサチップ10に対して議論された処理と同様である。後続の処理ステップが図11から図14に示される。
【0059】
例えば銅基板といった金属基板又は他のいずれかの適切な基板とすることができる仮基板14が与えられる。仮基板14は、50から100μmの間の厚みを持つことができ、導電性リード12を有する(図11参照)。導電性リード12は、5から15μmの間の、例えば10μmの厚みを持つことができる。本発明によれば、導電性リード12、言い換えるとインターコネクトは、できるだけ薄くすることができる。仮基板14は更に、突出するセンシング回路の位置でリセス領域を有することができる。図面の明確さのため、これは図11から図13には図示されない。仮基板14が斯かるリセス領域を持つとき、半導体センサチップ11の上部表面20は、パッケージ13の上部表面の上にあることになる。仮基板14に斯かるリセス領域が存在しないとき、半導体センサチップ11の上部表面20は、パッケージ13の上部表面と同じレベルにあることになる。
【0060】
すると半導体センサチップ11は、仮基板14に向かってその上部表面20と共に、仮基板14上に配置される。次に、半導体センサチップ11は、フリップチップ技術を用いて、仮基板14上に配置される。所与の例において、半導体センサチップ11は、リセスエッジを備える半導体センサチップ11の形成の間与えられる半田ボール18を溶かすことにより、仮基板14に付けられることができる。半田ボール18が導電性リード12に接触し、その後半田ボール18が溶解するよう、半導体センサチップ11が配置される。このステップは図12に示される。
【0061】
半導体センサチップ11を仮基板14に取り付けた後、センサチップパッケージ13が与えられる(図13参照)。本発明によれば、これは、例えば、上述のオーバーモールディングを用いて実現されることができる。本発明による他の実施形態においては、センサチップパッケージ13を与えることが、半導体センサチップ11と仮基板14とを例えばエポキシを用いて充填又は被覆することにより実行されることができる。パッケージ物質は、例えば、プラスチック又は金属とすることができる。例えば、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性ウレタン(TPU)、強化エンジニアリングプラスチック(RETP)又は他のいずれかの適切なポリマといった溶融ポリマとすることができる。
【0062】
図14に示される次のステップにおいて、仮基板14が除去される。これは、適切なエッチング溶液を用いる例えば選択ウェットエッチングといった当業者に知られた技術を用いて行われることができる。例えば、仮基板14が銅から形成される場合、酸溶媒を用いてウェットエッチングが行われることができる。酸溶媒としては塩化第二鉄溶液が好ましい。なぜなら、塩化第二鉄と銅との反応においては、深刻な煙もガスも全く生成されないからである。そのようにして、パッケージ13の上部表面と同じレベルに半導体センサチップ11の上部表面20を備えるか、又はパッケージ13の上部表面の上に半導体センサチップ11の上部表面20を備えるかのいずれかとなる本発明の第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が得られる。
【0063】
本発明の第3の実施形態による半導体センサチップ10は、そのパッケージ化された半導体センサチップ10が、使用される流体、例えば液体又はガスに浸漬されるとき、その半導体センサチップ11の上部表面20のほぼ全体が流体に接触することになり、検出されるべき物質が半導体センサの壁に対して失われることが生じることがないという意味を含む。なぜなら、従来技術のパッケージ化されたセンサチップと比べると、リードから半導体センサチップ11の上部表面20へと降りる壁が実質的に存在しないからである。
【0064】
本発明の第3の実施形態において、本発明の第1又は第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ10が、生体適合性のある薄い表面コーティング24を更に有することができる。即ち、薄い表面コーティング24は、生体測定に適した物質から作られることができ、0.1μmから30μmの間の厚み、好ましくは1μmから10μmの間の厚みを持つことができる。生体適合性のある物質は、例えば、生体物質を結合するのに適した物質であり、ポリスチレン、ナイロン、又はニトロセルロースといったものである。本発明の他の実施形態によれば、コーティングは、ポリエチレングリコールといった低い生物的結合性若しくは特異結合性を示す物質、又は従来技術において非特異結合性が低いことが知られている他のいずれかの物質から作られることができる。後者の場合、半導体センサチップ11の近傍において、コーティング24に生体レセプタ分子を結合するには、コーティング24はまず、生物的にアクティベートされることを必要とする。
【0065】
コーティング24は、種々の方法でパッケージ13に適用されることができる。例えば、接触プリンティング、非接触プリンティング、噴霧、又はスピンコーティングを用いて、その物質が溶液から適用されることができる。コーティング24の物質は、パッケージ13上にフォイルをラミネートすることにより、例えば、パッケージ13上に薄いフォイルを接着することにより適用されることもできる。これは、例えば、接着剤又は熱処理を用いて実現されることができる。また、例えばニトロセルロースといった物質を運ぶプラスチックフォイルといったハイブリッド物質がパッケージ13に適用されることができる。
【0066】
第1及び第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップ11の実質的な平坦さにより、生体適合物質は良好な完全性、連続性及び均一性をもって適用されることができる。生体適合物質の堆積(deposit)は、例えばプリンティング、スピンコーティング、噴霧、又は蒸発といったいずれかの適切な堆積法を用いて行われることができる。
【0067】
この実施形態の利点は、センシング回路17といった電子部品に対する物質が、生体物質と結合しない、即ち直接接触しない点にある。その結果、これらのシステムは独立に最適化されることができる。
【0068】
本発明の実施形態は、パッケージ化された半導体センサチップ10を提供するソリューションを与える。そこでは、センシング回路17の接点とそのセンシング回路の要素とがすべてセンサチップ11の上部表面に配置され、外部世界へのインターコネクトを備えている。インターコネクトは、パッケージ化されたセンサチップ10を、例えばパッケージ化された半導体チップ10から測定結果を抽出する読み出しデバイスに接続するのに使用されることができる。ワイヤボンディング又はマウンティングといったインターコネクトを提供する従来技術の方法と比べると、本発明による方法は、半導体センサチップにいかなる高さをも追加することなく、従って、センサチップの上部表面が、パッケージの上部表面より上にあるか、又はほぼ同じレベルにあるようなパッケージ化されたセンサチップをもたらす。このパッケージ化されたセンサチップを介して、検出されるべき物質の損失が最小化され、従って検出結果が最適化される。更に、追加的な高さがインターコネクトによりもたらされることがないので、パッケージ化された半導体センサチップは、マイクロ流体システムに使用されることができる。そこでは、非常にわずかな量の液体がセンサに提供され、液体の損失ができるだけ最小化されることが求められる。
【0069】
本発明の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップは、バイオセンサ又は化学センサとして使用されることができ、分子診断に適用されることができる。
【0070】
好ましい実施形態、特定の構造及び構成、並びに物質が本発明によるデバイスに関して説明されてきたが、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、形式及び詳細に関して様々な変更又は修正がなされることができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】従来技術によるパッケージ化されたバイオセンサを示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップを示す図である。
【図3】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図4】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図5】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図6】図2によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップを示す図である。
【図8】リセスエッジを備える半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図9】リセスエッジを備える半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図10】リセスエッジを備える半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図11】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図12】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図13】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図14】図7によるパッケージ化された半導体センサチップの製造における連続するステップを示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態によるパッケージ化された半導体センサチップを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センシング回路を具備し、上部表面を持つ半導体センサチップと、
上部表面を持つパッケージとを有し、
前記半導体センサチップの上部表面が、前記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在する、パッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項2】
前記パッケージの上部表面と前記半導体センサチップの上部表面との間の距離が0から50μmの間にある、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項3】
前記半導体センサチップへの電気接続を形成するリードフィンガを更に有する、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項4】
前記リードフィンガが5から15μmの厚みを持つ、請求項3に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項5】
前記センサチップがリセスエッジを持つ、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項6】
生体適合物質のコーティングを更に有する、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項7】
前記コーティングが0.1から30μmの間の厚みを持つ、請求項6に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項8】
前記センサチップがバイオセンサである、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項9】
パッケージ化された半導体センサチップを製造する方法において、
センシング回路を持ち、第1の上部表面を持つ半導体センサチップを与えるステップと、
少なくとも1つのリードフィンガを有する第2の上部表面を備える仮基板を与えるステップと、
前記第1の上部表面が前記第2の上部表面に面するよう、前記センサチップを前記仮基板に付けるステップと、
前記センサチップにパッケージを与えるステップと、
前記仮基板を除去するステップとを有し、
前記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、前記半導体センサチップの上部表面が、前記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在するよう行われる、方法。
【請求項10】
前記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理、超音波ボンディング、又は接着のいずれかを用いて行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理を用いて行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ソルダリング処理が、
前記半導体センサチップの基板の上側表面に半田ボールを与えるステップと、
前記センサチップを前記仮基板に付けるステップと、
前記半田ボールを溶かすステップとを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記仮基板を除去するステップが、ウェットエッチング処理により行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記パッケージ化された半導体センサチップの表面に生体適合物質のコーティングを与えるステップを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
基板上部表面を持ち、異なるセンサチップを形成する少なくとも2つのセンシング回路を前記基板上部表面に有する基板を与えるステップと、
前記少なくとも2つのセンシング回路間に溝を与えるステップと、
前記基板上部表面に半田ボールを与えるステップと、
前記センサチップを前記仮基板に付ける前に、前記基板を複数のセンサチップへと分けるステップとを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記パッケージ化された半導体センサチップの表面に生体適合物質のコーティングを与えるステップを更に有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップの分子診断における使用。
【請求項18】
請求項4に記載のパッケージ化された半導体センサチップの分子診断における使用。
【請求項1】
センシング回路を具備し、上部表面を持つ半導体センサチップと、
上部表面を持つパッケージとを有し、
前記半導体センサチップの上部表面が、前記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在する、パッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項2】
前記パッケージの上部表面と前記半導体センサチップの上部表面との間の距離が0から50μmの間にある、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項3】
前記半導体センサチップへの電気接続を形成するリードフィンガを更に有する、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項4】
前記リードフィンガが5から15μmの厚みを持つ、請求項3に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項5】
前記センサチップがリセスエッジを持つ、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項6】
生体適合物質のコーティングを更に有する、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項7】
前記コーティングが0.1から30μmの間の厚みを持つ、請求項6に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項8】
前記センサチップがバイオセンサである、請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップ。
【請求項9】
パッケージ化された半導体センサチップを製造する方法において、
センシング回路を持ち、第1の上部表面を持つ半導体センサチップを与えるステップと、
少なくとも1つのリードフィンガを有する第2の上部表面を備える仮基板を与えるステップと、
前記第1の上部表面が前記第2の上部表面に面するよう、前記センサチップを前記仮基板に付けるステップと、
前記センサチップにパッケージを与えるステップと、
前記仮基板を除去するステップとを有し、
前記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、前記半導体センサチップの上部表面が、前記パッケージの上部表面の上にあるか、又はほぼ同じレベルに存在するよう行われる、方法。
【請求項10】
前記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理、超音波ボンディング、又は接着のいずれかを用いて行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体センサチップを前記仮基板へ付けるステップが、ソルダリング処理を用いて行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ソルダリング処理が、
前記半導体センサチップの基板の上側表面に半田ボールを与えるステップと、
前記センサチップを前記仮基板に付けるステップと、
前記半田ボールを溶かすステップとを有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記仮基板を除去するステップが、ウェットエッチング処理により行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記パッケージ化された半導体センサチップの表面に生体適合物質のコーティングを与えるステップを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
基板上部表面を持ち、異なるセンサチップを形成する少なくとも2つのセンシング回路を前記基板上部表面に有する基板を与えるステップと、
前記少なくとも2つのセンシング回路間に溝を与えるステップと、
前記基板上部表面に半田ボールを与えるステップと、
前記センサチップを前記仮基板に付ける前に、前記基板を複数のセンサチップへと分けるステップとを更に有する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記パッケージ化された半導体センサチップの表面に生体適合物質のコーティングを与えるステップを更に有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
請求項1に記載のパッケージ化された半導体センサチップの分子診断における使用。
【請求項18】
請求項4に記載のパッケージ化された半導体センサチップの分子診断における使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−545264(P2008−545264A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519097(P2008−519097)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052160
【国際公開番号】WO2007/004142
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052160
【国際公開番号】WO2007/004142
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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