説明

液体分配器

本発明は、手動ポンプを備えるスプレーに関し、この手動ポンプは、栓を形成し、そして瓶の口に力を加えて挿入される。この瓶(14)は、全体がプラスチック材料から構成され、そして単一部品として成形され、この瓶の口(24)は、内側の環状係合リブ(28)を備える。本発明における、この瓶を形成するプラスチック材料は、ポンプ本体(16)を形成する材料より硬くかつ剛性であり、その結果、このリブは、ポンプ本体内にはまる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動で作動されるポンプを備える分配器に関し、このポンプのポンプ本体は、可撓性のプラスチック材料から作製され、瓶の口に力を加えて設置される栓を形成する;本発明は、より具体的には、ポンプ本体がプラスチック材料から作製される場合、瓶の改良に関する。本発明の用途の好ましい分野は、液体製品(主として、香水)のサンプルを分配するために使用される、小型分配器の分野である。
【背景技術】
【0002】
分配器を形成するボタンを備える、手動で作動されるポンプが、すでに公知であり、このポンプの本体は、瓶の口に力を加えて設置され得る栓を作製する目的で、わずかにひずみ得る。この瓶は、プラスチック材料から作製され得る。この場合、この口の内側表面は、液密性の目的で、可能な限り平滑である。小型の分配器の分野において、この瓶は、しばしば、小さい注射器の形状で提供される。この場合には、この瓶の内部体積もまた円筒形であり、そしてその口は、この瓶の残りの部分から切り離しては記載され得ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは、このポンプをパッケージし、そして円筒形の口に設置した後に、このポンプが戻って残りの部分から出る危険性を検出した;なぜなら、このポンプは、非常に平滑でありかつ完全に円筒形である壁に対してフィットされ、この瓶の中で十分には安定化され得ないからである。本発明は、この問題を解決することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
より具体的には、本発明は、プラスチック材料から作製される、栓を形成するポンプ本体を備える、手動で作動されるポンプに関し、このポンプ本体は、瓶の口に力を加えて設置される。このポンプは、この瓶が、単一部品として成形されるプラスチック材料から全体が作製されること、およびこの口が、内側に環状係合リブを備えることを特徴とする。このリブは、ポンプ本体を作製するために使用される材料より硬くかつ剛性である、瓶を作製するプラスチック材料を成形することによって、この係合リブがこのポンプ本体を覆うように作製される。
【0005】
上記係合リブは、好ましくは、上記口の開口部のすぐ近くに規定され、これによって、鋳型からの瓶の取り外しを容易にする。より具体的には、この係合リブは、この口の開口部のすぐ近くでの、この口の制限によって規定される。ほとんどの場合において、この係合リブは、この開口部の近くの、より厚い壁によって規定される。
【0006】
上で規定される構造は、瓶の射出成形のためによく適している。その鋳型は、円筒形のダイを備え、このダイの内側に、全体として円柱形のパンチが挿入されるが、このパンチは、環状の後方ドラフト領域を備え、このドラフト領域は、口の開口部の近くにおいて、上記壁の、より厚い壁を規定することが可能である。この瓶は、パンチがダイから取り外される場合に、このパンチに沿ってスライドする排出リングを使用して、強制的にこの鋳型から取り外され、ちょうど成形された瓶を押して外す。
【0007】
本発明は、本発明の原理に従う分配器およびこの分配器の瓶を成形するための方法の以下の説明を考慮して、よりよく理解され、そしてさらなる利点が明らかになる。この説明は、例のみとして提供され、そして添付の図面を参照してなされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1および2に示される小型分配器11は、本質的に、手動で作動されるポンプ12および外部の円筒形の瓶14から作製される。ポンプ12は、公知の型のものであり、柔軟な変形可能なプラスチック材料から作製されるポンプ本体16、吸引管18、および出口管19を備え、この出口管に、スプレー手段を備えるタペットボタン(図示せず)が取り付けられる。ポンプ本体16は、スカート20を備え、このスカートは、瓶の口24の開口部22の周りに適用される。このポンプ本体の、栓26を構成する部分は、より具体的には、円筒形であり、そして瓶の内径dと実質的に同じ直径を有する。この瓶は、製造を簡単にするために、実質的に円筒形である内部空洞25を有する。栓26を形成するポンプ本体の部分を受容することが意図される口24は、この瓶の残りの部分から切り離しては記載され得ない。なぜなら、両方の部品が、同じ直径を有するからである。この瓶は、明らかに、単一部品として成形されたプラスチック材料から全体が作製される。
【0009】
本発明の重要な特徴によれば、口24の内部は、成形される場合に作製される、環状の係合リブ28を備える。別の重要な特徴によれば、瓶14を作製するために使用されるプラスチック材料は、ポンプ本体16、または少なくとも、このポンプ本体の、栓26を形成する部分を作製するために使用される材料より、硬くかつ剛性であり、その結果、係合リブ28は、図2に見られ得るように、ポンプ本体を作製するプラスチック材料をわずかに進めることによって、ポンプ本体を覆い得る。例えば、一方でポンプ本体16、および他方で瓶14は、異なる等級のポリオレフィンから作製され得る。可撓性の等級が、これらのポンプ本体に対して選択され、そして剛性の等級が、この瓶に対して選択される。示されるように、係合リブ28は、開口部22のすぐ近くに規定され、そして口の円筒形表面の残りの部分に対して、内向きに突出する。この係合リブは、この口の開口部のすぐ近くでの、直径の制限によって規定される。換言すれば、この係合リブは、この瓶の開口部の近くにおける、より厚い壁の口によって規定される。
【0010】
図3〜7は、瓶を射出成形するためのプロセスを示す。鋳型30は、完全に円筒形のダイ32(プラスチック材料を注入するための開口部が、このダイの底部に通じる)および全体的に円柱形のパンチ36(これは、後方ドラフト領域38を有する)から作製される。この後方ドラフト領域は、この場合、このパンチが適所にある場合にダイ32の開口部40の隣に位置する、単純な環状の溝から作製される。瓶をこの鋳型から取り外すためのリング42が、このパンチに沿ってスライドし、そしてこのダイの開口部を閉じるように設置される。図4に示されるこの位置において、この瓶の体積は、これらのダイとパンチとの間に規定されることが明らかである。プラスチック材料を注入し(図5)、その後冷却が開始されると、このパンチがダイから取り外され、そしてその後方ドラフトに起因して、この瓶は、パンチに係合したままである(図6)。リング42とパンチ36との間の相対的な移動は、瓶をパンチに沿ってスライドさせることによって、瓶14を強制的に取り外すことを可能にする。この操作の間(図7)、瓶の口は、そのプラスチック材料の単なる弾性に起因して、わずかに拡張する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、組み立て前の瓶およびポンプを示す立面図である。
【図2】図2は、組み立てられた瓶およびポンプを示す、図1に示されるものと類似の図である。
【図3】図3は、プラスチック材料から瓶を成形するためのプロセスの図を示す。
【図4】図4は、プラスチック材料から瓶を成形するためのプロセスの図を示す。
【図5】図5は、プラスチック材料から瓶を成形するためのプロセスの図を示す。
【図6】図6は、プラスチック材料から瓶を成形するためのプロセスの図を示す。
【図7】図7は、プラスチック材料から瓶を成形するためのプロセスの図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動で作動されるポンプ(12)を備える分配器であって、該ポンプは、栓(26)を形成するプラスチック材料から作製されるポンプ本体を備え、該ポンプ本体は、瓶(14)の口に力を加えて設置され、該分配器は、該瓶が、単一部品として成形されたプラスチック材料から全体が作製されること、および該口(24)が、内部環状係合リブ(28)を備えることを特徴とし、該リブは、該ポンプ本体を作製するために使用される材料より硬くかつ剛性である、該瓶を作製するために使用されるプラスチック材料を成形することによって、該係合リブが該ポンプ本体を覆うように作製される、分配器。
【請求項2】
前記係合リブ(28)が、前記瓶の口の開口部(22)のすぐ近くに規定されていることを特徴とする、請求項1に記載の分配器。
【請求項3】
前記係合リブが、前記開口部のすぐ近くで、前記口(24)を制限することによって規定されることを特徴とする、請求項2に記載の分配器。
【請求項4】
前記係合リブが、前記瓶の口の開口部(22)の近くにおける、より厚い壁によって規定されることを特徴とする、請求項3に記載の分配器。
【請求項5】
前記瓶が、環状後方ドラフト(38)を有する内部パンチ(36)を備える鋳型を使用する射出成形プロセスの結果である、請求項4に記載の分配器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−522720(P2006−522720A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505063(P2006−505063)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003765
【国際公開番号】WO2004/089554
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(505190655)レクサム ディスペンシング システムズ (12)
【Fターム(参考)】