説明

液体塗布装置及び方法並びに画像形成装置

【課題】液体を供給又は回収するための流路のつまりや塗布異常の発生を防止し、塗布安定性を向上させる。
【解決手段】媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接することで形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材の塗布面を回転させることにより、前記保持部材より前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置であって、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通する第1及び第2の流路と、前記第1及び第2の流路、並びに前記液体保持空間を含む流路において液体の流れを発生させるための液体移動手段と、を備え、前記貯蔵手段には、前記液体に含まれる不要物を除去して該液体を再生させる液体再生手段が設けられている液体塗布装置を提供することにより、前記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体塗布装置及び方法並びに画像形成装置に係り、特に、インクジェット記録装置におけるインク打滴前に色材の凝集促進等を目的として記録媒体に処理液を付与する手段として好適な液体塗布技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクジェット記録装置の高画質化を図るため、インクの打滴に先立って多価金属塩水溶液や酸性水溶液等の処理液を記録媒体に付与し、インクと反応させることで、インクの滲みや混色を防止する技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、処理液等の塗布液を塗布媒体(以下、単に「媒体」ともいう。)に付与する機構として、媒体に塗布液を塗布する塗布面を有する塗布部材としての塗布ローラと、該塗布ローラの周面(ローラ面)に当接することにより形成される液体保持空間に塗布液を保持するための液体保持部材とを備え、塗布ローラを回転させることにより、液体保持部材より塗布ローラの周面に供給された塗布液を媒体に塗布する液体塗布装置が記載されている。
【0004】
この液体塗布装置では、装置を停止した状態で長期間放置していた場合に、塗布液を貯蔵する貯蔵手段と液体保持部材との間で塗布液を供給又は回収するための流路内で塗布液が蒸発し、塗布液の増粘及び固着が発生し、塗布液の良好な供給や回収が阻害されたり、液体保持空間に増粘物が混入して、塗布部材の塗布面に増粘物が付着すると、塗布ムラ等の弊害が発生したりするといった問題を解決するために、塗布液を供給又は回収するための流路に、増粘物(塗布液が増粘して、糊状やゲル状になったもの)や固着物(増粘物よりもさらに粘土が上昇したもの)を回収するための生成物回収部としての回避空間が設けられている。回避空間は、塗布液を供給又は回収するための流路の所定の位置に設けられた空間であり、回避空間が設けられた流路についての、液体(即ち、塗布液)が流れる方向に垂直な断面の面積は、その他の部分(供給路や回収路)の断面の面積よりも大きく構成されている。
【特許文献1】特開2006−167556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の液体塗布装置では、塗布液の増粘物や固着物等の生成物による流路のつまりを一時的に緩和することはできるものの、長期的な使用や、使用時に常時発生する紙粉等の不純物の除去は考慮されておらず、回避空間における塗布液の生成物(増粘物や固着物等)の回収量の限界や、回収した生成物の流路への再混入が生じやすく、流路のつまりや塗布異常を十分に解決することはできない。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液体を供給又は回収するための流路のつまりや塗布異常の発生を防止し、塗布安定性を向上させた液体塗布装置及び方法並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明に係る液体塗布装置(請求項1に記載の発明)は、 媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接することで形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材の塗布面を回転させることにより、前記保持部材より前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置であって、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通する第1及び第2の流路と、前記第1及び第2の流路、並びに前記液体保持空間を含む流路において液体の流れを発生させるための液体移動手段と、を備え、前記貯蔵手段には、前記液体に含まれる不要物を除去して該液体を再生させる液体再生手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、蒸発等により液体(例えば塗布液)の増粘物や固着物等の生成物が多量に発生したり、紙粉等の不純物が液体中に混入したりしても、貯蔵手段に設けられた液体再生手段によって液体に含まれる不要物(生成物や不純物)を除去して該液体を再生させることができる。これにより、貯蔵手段と液体保持部材との間で液体を供給又は回収するための流路のつまりや塗布異常を防止することができ、塗布安定性が向上する。
【0009】
「媒体」は、処理液の塗布を受ける塗布媒体を総称したものであり、例えば、インクジェット記録装置における印字媒体、画像形成媒体、記録媒体、受像媒体、吐出媒体、中間転写体などが含まれる。媒体の形態や材質については、特に限定されず、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、配線パターン等が形成されるプリント基板、ゴムシート、金属シート、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記液体再生手段は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物を該液体に再溶解させる攪拌手段を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、蒸発等による液体の増粘物や固着物等の生成物が多量に発生しても、攪拌手段によって当該生成物を再溶解させることができる。これにより、液体の生成物の流路への再混入を防ぎ、流路つまりや塗布異常を防止することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記攪拌手段は、前記貯蔵手段の底部近傍に設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、貯蔵手段の底部に沈殿した液体の生成物を攪拌手段で攪拌することにより、当該生成物を液体に効率的に再溶解させることができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記液体再生手段は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を排出する排出流路、及び該排出流路を開閉可能な弁手段で構成される不要物回収手段を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、蒸発等による液体の生成物(増粘物や固着物等)及び又は不純物(紙粉等)を排出流路から排出可能であり、液体の生成物や不純物の流路への再混入を防ぎ、流路つまりや塗布異常を防止することができる。
【0016】
なお、本明細書において「A及び又はB」とは「A及びBの少なくとも一方」を意味する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記排出流路は、前記貯蔵手段の底部に接続されていることを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、貯蔵手段の底部に沈殿した液体の生成物や不純物を排出流路から効率的に排出することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記液体再生手段は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物を該液体に再溶解させる攪拌手段と、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を排出する排出流路、及び該排出流路を開閉可能な弁手段で構成される不要物回収手段と、を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、攪拌手段によって蒸発等による液体の生成物の少なくとも一部を該液体に再溶解させつつ、液体に含まれる生成物の残部や不純物を排出流路から排出することができ、流路つまりや塗布異常を防止することができる。また、排出流路から生成物や不純物とともに排出される液体量を減らすことができ、無駄な液体消費量を削減することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記攪拌手段は、前記貯蔵手段の底部近傍に設けられ、前記排出流路は、前記貯蔵手段の底部に接続されていることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載の発明によれば、貯蔵手段の底部に沈殿した液体の生成物を攪拌手段で攪拌することにより、当該生成物を液体に効率的に再溶解させることができるとともに、貯蔵手段の底部に沈殿した液体の生成物や不純物を排出流路から効率的に排出することができる。これにより、貯蔵手段に貯蔵される液体の再生に要する時間を短縮化することが可能となる。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記貯蔵手段は、第1及び第2の貯蔵タンクとからなり、前記第1及び第2の貯蔵タンクは、第3の流路を介して接続され、前記液体移動手段による液体の移動方向上流側から順に、前記第1の貯蔵タンク、前記第3の流路、及び前記第2の貯蔵タンクが配置され、前記第1の貯蔵タンクには前記攪拌手段が設けられるとともに、前記第2の貯蔵タンクには前記不要物回収手段が設けられることを特徴とする。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、第1の貯蔵タンクで液体の生成物の少なくとも一部を該液体に再溶解させてから、第2の貯蔵タンクで液体に含まれる生成物の残部や不純物を排出流路から排出することができる。このように段階的に液体に含まれる不要物を除去して該液体を再生することにより、流路つまりや塗布異常を確実に防止することができる。また、排出流路から生成物や不純物とともに排出される液体量を減らすことができ、無駄な液体消費量を削減することができる。
【0025】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記第3の流路は、一端が前記第1の貯蔵タンクの鉛直方向下部に接続され、他端が前記第2の貯蔵タンクの鉛直方向上部に接続されていることを特徴とする。
【0026】
請求項9に記載の発明によれば、第1の貯蔵タンクから第2の貯蔵タンクに対する液体の移動が容易となり、液体に含まれる生成物や不純物を排出流路から確実に排出することが可能となる。
【0027】
請求項10に記載の発明は、請求項4乃至9のいずれか1項に記載の液体塗布装置の一態様に係り、前記貯蔵手段の底部は、鉛直方向下方に向かって水平方向における断面積が小さくなる略錘型に構成されることを特徴とする。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、液体に含まれる生成物や不純物の排出が容易となる。
【0029】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置(請求項11に記載の発明)は、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の液体塗布装置と、前記液体塗布装置によって第1の液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドから第2の液体を吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、を備えたことを特徴とする。
【0030】
「画像形成装置」は、写真プリントやポスター印刷などのいわゆるグラフィック印刷の用途に限定されず、レジスト印刷装置、電子回路基板の配線描画装置、微細構造物形成装置など、画像として把握できるパターンを形成し得る工業用途の装置も包含する。
【0031】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の画像形成装置の一態様に係り、前記第2の液体は色材を含有するインクであり、前記第1の液体は前記色材を凝集させる作用を有する処理液であることを特徴とする。
【0032】
本発明によれば、媒体に対する処理液の塗布量の精度を向上させることができ、塗布ムラ等による画像劣化を防止することができ、高品質な画像形成が可能となる。
【0033】
また、前記目的を達成するために、本発明に係る液体塗布方法(請求項13に記載の発明)は、媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接することで形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材の塗布面を回転させることにより、前記保持部材より前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置を用いた液体塗布方法であって、前記液体塗布装置は、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通する第1及び第2の流路と、前記第1及び第2の流路、並びに前記液体保持空間を含む流路において液体の流れを発生させるための液体移動手段と、を備え、前記貯蔵手段に貯蔵される液体に含まれる不要物を除去して該液体を再生させる液体再生工程を含むことを特徴とする。
【0034】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の液体塗布方法の一態様に係り、前記液体再生工程は、前記貯蔵手段に貯蔵される液体を攪拌する攪拌手段を用いて、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物を該液体に再溶解させる工程を含むことを特徴とする。
【0035】
請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の液体塗布方法の一態様に係り、前記貯蔵手段には、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を排出する排出流路が接続され、該排出流路には開閉可能な弁手段が設けられ、前記液体再生工程は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を前記排出流路から排出する工程を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、蒸発等により液体(例えば塗布液)の増粘物や固着物等の生成物が多量に発生したり、紙粉等の不純物が液体中に混入したりしても、貯蔵手段に設けられた液体再生手段によって液体に含まれる不要物(生成物や不純物)を除去して該液体を再生させることができる。これにより、貯蔵手段と液体保持部材との間で液体を供給又は回収するための流路のつまりや塗布異常を防止することができ、塗布安定性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態(第1〜第5の実施形態)について詳説する。
【0038】
〔第1の実施形態〕
まず、本発明に係る画像形成装置の一実施形態であるインクジェット記録装置について説明する。
【0039】
図1は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示した構成図である。同図に示すように、インクジェット記録装置10は、記録媒体12を供給する給紙部14と、給紙部14から送り出された記録媒体12に処理液を塗布する処理液塗布部16と、処理液塗布後の記録媒体12にインクを打滴するインク打滴部18と、インク打滴部18によって画像形成された記録媒体12が排出される排出トレイ20と、を備えて構成される。
【0040】
給紙部14には、所定サイズの枚葉紙による複数枚の記録媒体12が装填される給紙カセットを用いる方式が採用されている。複数種類のサイズの用紙を供給できるように、複数の給紙カセットを設けてもよい。また、枚葉紙に代えて、ロール紙(連続紙)を用い、カッターによって適宜のサイズに切断する態様も可能である。
【0041】
処理液塗布部16は、記録媒体12に対して処理液を塗布する処理液塗布手段と、この処理液塗布手段に処理液を供給する処理液供給手段と、を備えて構成される。
【0042】
処理液塗布手段は、塗布部材としての円筒状の塗布ローラ50、塗布ローラ50に対向して配置された円筒状のカウンターローラ(媒体支持部材)52、及び塗布ローラ50を駆動するローラ駆動機構(不図示)などを有して構成される。塗布ローラ50及びカウンターローラ52は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。
【0043】
カウンターローラ52は、不図示の付勢手段により塗布ローラ50の周面に向けて付勢されており、塗布ローラ50を図1において時計回り方向に回転させることにより、両ローラの間に処理液を塗布すべき記録媒体12を挟持しつつ、記録媒体12を図中の矢印方向に搬送する。
【0044】
処理液供給手段は、塗布ローラ50の周面との間で処理液を保持する液体保持部材54、及びこの液体保持部材54に処理液を供給する液体供給装置(不図示)などを有して構成される。液体保持部材54は、塗布ローラ50の長手方向にわたって延在するものであり、塗布ローラ50の周面に対して離間可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
【0045】
インク打滴部18は、処理液塗布部16よりも媒体搬送方向の下流側に設けられている。本例のインク打滴部18は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応したインクジェット方式の記録ヘッドによって構成されている。図には示されていないが、各色の記録ヘッドには、それぞれ図示せぬインクタンクから対応する色のインクが供給される。
【0046】
インク打滴部18の各色の記録ヘッドは、それぞれ記録媒体12における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有し、そのインク吐出面には画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
【0047】
各色の記録ヘッドは記録媒体12の搬送方向と直交する方向(図1の紙面に垂直な方向)に延在するように固定設置され、プラテン30上の記録媒体12に向けてそれぞれ対応する色インクの液滴を吐出する。
【0048】
このように、記録媒体12の画像形成領域の全幅をカバーするノズル列を有するフルラインヘッドがインク色毎に設けられる構成によれば、記録媒体12の搬送方向(副走査方向)について、記録媒体12と記録ヘッドを相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録媒体12の画像形成領域に画像を記録することができる。
【0049】
フルライン型のヘッドに代えて、記録媒体12の搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシリアル(シャトル)型ヘッドを採用する態様も可能であるが、フルライン型(ページワイド)ヘッドによるシングルパス方式の画像形成は、シリアル(シャトル)型ヘッドによるマルチパス方式を適用する場合に比べて高速印字が可能であり、プリント生産性を向上させることができる。
【0050】
また、本例では、CMYKの4色の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する記録ヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
【0051】
本例のインクジェット記録装置10で使用するインクとしては、液体の溶媒に色材が分子の状態(イオンの状態でもよい)で溶解している染料インク、液体の溶媒に色材が微小な塊の状態で分散している顔料インクなどが挙げられる。
【0052】
一方、処理液は、インクと混合した場合に色材の凝集体を生成する液体である。具体的には、インクと反応してインク中の色材を析出あるいは不溶化させる処理液、インク中の色材を含む半固体状の物質(ゲル)を生成する処理液等が挙げられる。
【0053】
インクと処理液との反応を引き起こす手段は、インク中のアニオン性の色材と処理液中のカチオン性の化合物を反応させる方法、互いにpHの異なるインクと処理液を混合させることでインクのpHを変化させてインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法、処理液中の多価金属塩との反応によりインク中の顔料の分散破壊を起こし顔料を凝集させる方法などがある。
【0054】
例えば、本実施形態のインク打滴部18から打滴されるインクに含有される色材を凝集させる作用を有する処理液の例は、凝集処理剤として多価金属塩、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン誘導体、酸性液体、カチオン性界面活性剤などを含んでなるものである。このような処理液によって記録媒体12上の色材の凝集を促進することにより、記録濃度の向上と、ブリーディングの軽減または防止が可能となる。
【0055】
かかる構成により、給紙部14に載置された記録媒体12は、給紙ローラ22によって1枚ずつ繰り出され、搬送路24に送られる。そして、給紙部14から搬送路24に送られた記録媒体12は、両ローラ50、52間に送られると、ローラ駆動機構によって塗布ローラ50は図1において時計回り方向に回転し、記録媒体12を搬送しながら、記録媒体12の記録面に処理液が塗布される。
【0056】
処理液が塗布された記録媒体12は、搬送ローラ対26、27によりプラテン30上を搬送され、インク打滴部18に対向する位置へと移動し、記録ヘッドのノズルから記録媒体12の記録面に対してインク液滴が吐出される。
【0057】
こうして画像が形成された記録媒体12は、排出ローラ対28、29によって、排出トレイ20に排出される。
【0058】
なお、記録媒体12の搬送路24には記録媒体12の先端を検出する媒体先端検出センサ32、34が配置されている。第1の媒体先端検出センサ32は、塗布ローラ50の給紙側入口の近傍に配置されている。第2の媒体先端検出センサ34は、インク打滴部18の給紙側入口の近傍に配置されている。
【0059】
これらセンサ(32、34)によって記録媒体12の位置を検出して、処理液の塗布タイミングやインクの打滴タイミングが制御される。
【0060】
次に、処理液塗布部16の構成について詳しく説明する。
【0061】
図2は、処理液塗布部16の構成を示した断面図である。図3は、液体保持部材54の構成を示した平面図である。図2及び図3に示すように、処理液塗布部16の一部を構成する液体保持部材54は、空間形成基材55と、該空間形成基材55の一方の面に突設された環状の当接部材56とを含んで構成される。液体保持部材54の背面側には、バネ部材40(図1参照)が設けられており、液体保持部材54は、バネ部材40の付勢力によって塗布ローラ50の周面に向けて付勢されている。これにより、液体保持部材54の当接部材56が塗布ローラ50の周面に押し付けられて当接(密着)した状態において、当接部材56、空間形成基材55の一面、及び塗布ローラ50の周面によって閉塞(密閉)された液体保持空間Sが形成される。
【0062】
また、液体保持部材54には、当接部材56に囲まれた領域内に、空間形成基材55を貫通して形成される液体供給口58及び液体回収口59が設けられている(図3参照)。
【0063】
そして、印刷が実行されている間(即ち、塗布動作中)は、液体供給口58から液体保持空間Sに処理液を供給しつつ、液体回収口59から処理液を流出させることにより、液体保持空間S内の処理液の循環が行われる。
【0064】
図4は、液体保持部材54に接続される液体供給装置の構成例を示した概略図である。同図に示すように、液体供給装置100は、処理液を貯蔵する貯蔵タンク110と、貯蔵タンク110から液体保持部材54の液体供給口58に処理液を供給するための供給流路120と、液体保持部材54の液体回収口59から貯蔵タンク110に処理液を回収するための回収流路130と、を備えて構成される。
【0065】
貯蔵タンク110には、大気連通口112が設けられており、この大気連通口112には、大気との連通及び遮断を切り替える大気連通弁114が設けられている。
【0066】
貯蔵タンク110には供給流路120の一端が接続され、供給流路120の他端は液体保持部材54の液体供給口58に接続されている。供給流路120の貯蔵タンク側開口部は、貯蔵タンク110の底部(又はそれに近い位置)に配置されており、貯蔵タンク110内の処理液を完全に消費することができるようになっている。
【0067】
供給流路120には、三方弁122が設けられている。この三方弁122は、互いに連通する3つのポートを有し、このポートのうち2つのポートを、供給流路120における貯蔵タンク側流路120aと、液体保持部材側流路120bと、大気連通口124の中のいずれか2つに選択的に連通させ得るものとなっている。そして、この三方弁122の切り替えにより、貯蔵タンク側流路120aと液体保持部材側流路120bとを連通させる連結状態(以下、「連通状態」という。)と、液体保持部材側流路120bと大気連通口124とを連通させる連結状態(以下、「大気開放状態」という。)とが選択的に切り替えられ、これにより、液体保持部材54と塗布ローラ50とによって形成される液体保持空間Sに対し、貯蔵タンク110内の処理液、或いは大気連通口124から取り込まれる空気を液体保持空間Sに供給することが可能となる。
【0068】
また、貯蔵タンク110には回収流路130の一端が接続され、回収流路130の他端は液体保持部材54の液体回収口59に接続されている。回収流路130には、図4の矢印方向に液体又は空気を強制的に流動させる流れを発生させるポンプ132が設けられている。
【0069】
供給流路120や回収流路130を構成するチューブの材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレンクロロフルオロエチレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、エチレン酢酸ビニル樹脂、ポリエチレンビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリ−3−フッ化エチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリイミド、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリパラバン酸、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、ポリ−4−フッ化エチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン、ポリブチレンテレフタレート、アイオマー樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリ−4−メチルペンテン、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ乳酸およびABS等が挙げられる。
【0070】
これらの中でもガスバリア性の観点から、塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)フィルムを用いるのが好ましい。
【0071】
また、金属管や、金属を蒸着した材料、マイカを薄く平板状に配向させたフィルムも有効である。
【0072】
このように構成される液体供給装置100において、貯蔵タンク110内の塗布液を、供給流路120、液体保持空間S、及び回収流路130で構成される循環経路で塗布液(本例では処理液)の充填動作や回収動作を行っていると、蒸発等による塗布液の増粘物(塗布液が増粘して、糊状やゲル状になったもの)や固着物(増粘物よりもさらに粘度が上昇したもの)等の生成物が発生して、塗布液の循環とともに貯蔵タンク110に徐々に蓄積されることになる。このような状態で塗布ローラ50による塗布動作が行われると、塗布液とともに増粘物や固着物等の生成物が循環経路に混入してしまい、塗布ローラ50のローラ面(塗布面)に増粘物や固着物が付着し、部分的に適切な塗布が難しくなる領域が発生し、塗布ムラなどの弊害が発生することがある。
【0073】
そこで、本実施形態における貯蔵タンク110には、塗布液(本例では処理液)の増粘物や固着物等の生成物を再溶解させる攪拌手段140が設けられている。貯蔵タンク110内に貯蔵される塗布液を攪拌手段140で攪拌することにより、塗布液の生成物を再溶解させて当該塗布液を再生させる。これにより、流路のつまりや塗布異常を防止することができる。
【0074】
攪拌手段140は、貯蔵タンク110の底部(鉛直方向下部)近傍に設置されていることが好ましい。貯蔵タンク110の底部に塗布液から分離して沈殿した塗布液の生成物を効率良く拡散させて塗布液に再溶解させることができる。
【0075】
攪拌手段140は、プロペラ方式、スターラー方式、容器回転式(傾斜回転式、遊星回転式)などの各種方式を適用することができる。これらの中でも、プロペラ方式は、貯蔵タンク110を構成する容器の形状の自由度が高く、簡易であるため、最適な方式である。プロペラの回転数は40〜300rpm(より好ましくは100〜250rpm)が好ましい。40rpm以下では撹拌速度が遅く、再溶解の効率が悪いため、準備時間を多くようしたり、再溶解せずに供給流路120へ流れこんでしまったりといった恐れがある。また、逆に300rpm以上であると、液面が波立ち流路への気体の混入や液面センサの誤動作の原因となる恐れがあるため回転速度は上記の範囲がよい。本例の攪拌手段140には、プロペラ方式が適用されている。
【0076】
図5は、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の制御系の構成を示すブロック図である。
【0077】
図5において、制御部60(「駆動制御手段」に相当)は、インクジェット記録装置10の全体を統括して制御する制御手段である。制御部60は、所定のプログラムに従い各種の処理を実行するCPU(Central Processing Unit)61と、前記プログラムや各種データなどを格納するROM(Read Only Memory)62と、各種の処理に用いられるデータなどを一時的に格納するRAM(Random Access memory)63を含んで構成されている。
【0078】
入力操作部64は、所定の指令あるいはデータの入力などに用いるキーボード、マウス(あるいは各種スイッチなど)を含んで構成されている。表示部66は、入力操作部64とともにユーザインターフェースを構成するものであり、制御部60と連携して各種の表示を行う。表示部66は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0079】
インクジェット記録装置10は、記録媒体12(図1参照)の幅サイズ(媒体搬送方向に直交する幅方向のサイズ)を検出するためのセンサ(媒体サイズ検出用センサ)、記録媒体12の位置を検出するセンサ(媒体位置検出用センサ)、その他、各部の動作状態を検出するセンサなどを含む検出部68を備える。検出部68からの信号は制御部60に送られ、ローラ駆動その他の動作制御に利用される。なお、検出部68は、図1に示した媒体先端検出センサ32、34を含むものである。
【0080】
また、インクジェット記録装置10は、塗布ローラ50(図10参照)を駆動するローラ駆動モータ70、ポンプ132、大気連通弁114、三方弁122、攪拌手段140、並びにこれら各要素に対応する駆動回路80、82、84、86、88を備えており、制御部60はプログラムにしたがって各駆動回路80〜88に制御信号を送り、各要素の動作を制御する。
【0081】
また、図示を省略するが、後述する他の実施形態(第2〜第4の実施形態)の場合には、排出弁152(図9等を参照)及びそれに対応する駆動回路が設けられており、前記同様、制御部60はプログラムにしたがって排出弁152に対応する駆動回路に制御信号を送り、排出弁152の動作を制御する。
【0082】
図6は、インクジェット記録装置10の動作シーケンスを示したフローチャートである。当該動作は、図5で説明した制御部60の制御によってプログラムに従い実行される。なお、本シーケンスの開始時における初期状態では、液体保持空間S及び各流路120、130には処理液が充填されていないものとする。
【0083】
まず、液体塗布装置に電源が投入されると、液体保持空間Sに処理液を充填する充填動作(供給動作)を実行する(ステップS10)。
【0084】
この充填動作では、貯蔵タンク110の大気連通弁114を開放するとともに、三方弁122を切り替えて供給流路120を連通状態(貯蔵タンク側流路120aと液体保持部材側流路120bとを連通させた状態)にして、ポンプ132を一定時間駆動する。ポンプ132の駆動時間は、各部に処理液が充填されるまでの時間(即ち、各部に存在する空気が全て排出されるまでの時間)を見込んで設定されている。
【0085】
こうして、液体保持空間S及び各流路120、130に存在する空気は貯蔵タンク110へと送られるとともに、各部に処理液が充填され、液体保持空間Sと接する塗布ローラ50に対して処理液を供給できる状態になる。
【0086】
このようにして充填動作が行われた後、塗布液再生動作を実行する(ステップS12)。
【0087】
ここで、図6を参照しながら、塗布液再生動作について詳しく説明する。図7は、塗布液再生動作の詳細を示したフローチャートである。この塗布液再生動作では、まず、攪拌手段140の駆動を開始(ON)する(ステップS40)。この攪拌手段140の駆動によって、貯蔵タンク110内の塗布液の生成物(増粘物や固化物等)を該塗布液に再溶解させることができる。
【0088】
次に、攪拌終了タイミングの判断を行う(ステップS42)。本例では、攪拌手段140の駆動時間があらかじめ設定された時間を経過するまで、ステップS42の判断はNo判定となり、攪拌手段140を継続して駆動する。
【0089】
攪拌手段140の駆動時間は、貯蔵タンク110内の液体に含まれる生成物(増粘物や固着物)を再溶解させるのに十分な時間(例えば180秒)が設定されている。
【0090】
貯蔵タンク110内の液面を検出する液面センサ(不図示)を設け、液面センサにより検出された結果に応じて、攪拌手段140の駆動時間を制御する態様も好ましい。貯蔵タンク110内の塗布液が多いときは、攪拌手段140の駆動時間を長く設定する一方で、貯蔵タンク110内の塗布液が少ないときは、攪拌手段140の駆動時間を短く設定することにより、攪拌手段140の無駄な駆動時間を削減することができ、塗布液の再生を効率的に実施することができる。
【0091】
攪拌手段140の駆動時間があらかじめ設定された時間を超えるなど、攪拌手段140による攪拌終了タイミングになった場合(ステップS42においてYes判定時)、攪拌手段140の駆動を停止(OFF)する(ステップS44)。
【0092】
このようにして塗布液再生動作が行われた後、塗布開始指令の有無を判断する(図6のステップS14)。塗布開始指令の信号は、記録媒体12の搬送に連動して発せられる。記録媒体12が塗布ローラ50とカウンターローラ52のニップ部に到達するタイミングで処理液の塗布が開始されるように、所定の時間差で塗布開始指令信号が発せられる。
【0093】
塗布開始指令が入力され、ステップS12においてYes判定となると、ポンプ132を作動させて(ステップS16)、図7に示した塗布液再生動作を再び実行する(ステップS18)。そして、塗布液再生動作終了後、塗布ローラ50を図1の時計回り方向に回転させるローラ駆動を開始する(ステップS20)。
【0094】
これにより、液体保持空間Sに保持された処理液は、塗布ローラ50に対する液体保持部材54の当接部材56の押圧力に抗して、塗布ローラ50の外周面に処理液が層状態となって付着する。塗布ローラ50の外周面に付着した処理液は、塗布ローラ50の回転に伴ってカウンターローラ52との当接部に送られる。
【0095】
次いで、媒体搬送機構によって塗布ローラ50とカウンターローラ52との間に記録媒体12が搬送され、これらのローラ50、52間に記録媒体12が挿入されるとともに、塗布ローラ50とカウンターローラ52の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される。この搬送の間に、塗布ローラ50の外周面に塗布された処理液が記録媒体12に転写される(ステップS22)。
【0096】
このステップS22における塗布工程の様子を図8に示す。なお、同図における処理液層の厚みは実際の比率よりも過大に強調して描かれている。図8に示すように、塗布ローラ50とカウンターローラ52に挟まれた記録媒体12は、塗布ローラ50の回転力によって、図8の矢印方向に搬送されるとともに、塗布ローラ50の外周面に供給された処理液が記録媒体12に塗布される。こうして、塗布ローラ50とカウンターローラ52の間を通過した記録媒体12の記録面には一定量の処理液が付与される。
【0097】
塗布ローラ50から記録媒体12への処理液の転写性を高めるために、塗布ローラ50の表面自由エネルギーを記録媒体12の表面自由エネルギーよりも小さいものとすることが望ましい。即ち、次式(1)で示す不等式の関係となるような材料が塗布ローラ50の表面部材として適用される。
【0098】
塗布ローラの表面自由エネルギー<記録媒体の表面自由エネルギー ・・・(1)
上述した記録媒体12への塗布動作が実行されると、制御部60は塗布動作の終了タイミングの判断を行う(ステップS24)。記録媒体12の全面に塗布を行う場合、記録媒体12が通過し終えるまで、ステップS24の判断はNo判定となり、ステップS22に戻る。
【0099】
記録媒体12の後端が通過するタイミングが検知される、或いは指定枚数のジョブの終了が検知されるなど、必要な塗布範囲の塗布動作が終了したと判断した場合(ステップS24においてYes判定時)、塗布ローラ50を停止させ(ステップS26)、ポンプ132を停止させ(ステップS28)、ステップS14に戻る。
【0100】
なお、カウンターローラ52の表面はフッ素コーティングなど撥液性が高いものであり、塗布ローラ50とカウンターローラ52の接触によって、カウンターローラ52の表面に処理液が付着しにくい構成となっている。両ローラの表面部材における自由表面エネルギーの関係を適切に設計することにより、カウンターローラ52への処理液の付着を防止できる。また、塗布ローラ50及びカウンターローラ52の少なくとも一方に両者の相対距離を可変する移動機構を設け、ステップS20において塗布動作が終了したと判断した場合には、両者を離間させた状態にすることにより、カウンターローラ52面への処理液の付着を防止する態様が好ましい。
【0101】
ステップS14において、塗布開始指令が新たに入力されていれば、上述したステップS16〜ステップS28の処理を繰り返す。その一方、ステップS14において、塗布開始指令が入力されていなければ、ステップS30に進み、塗布の終了指令の有無を判定する(ステップS30)。終了指令は、タイマーなどの時間管理によって規定の待機時間を経過したら自動的に終了指令が発せられる態様、指定した媒体枚数の塗布が終了することによって発せられる態様、入力操作部64からの操作による態様、装置の電源OFF操作など様々な態様があり得る。
【0102】
終了指令が入力されなければ、ステップS14に戻る。ステップS30において終了指令が入力されると、液体保持空間S内の処理液を回収する回収動作を実行する(ステップS32)。
【0103】
この回収動作では、貯蔵タンク110の大気連通弁114を開放するとともに、三方弁122を切り替えて供給流路120を大気開放状態(液体保持部材側流路120bと大気連通口124を連通させた状態)にして、ポンプ132を一定時間駆動する。ポンプ132の駆動時間は、各部の処理液が全て回収されるまでの時間(即ち、各部に空気が充満されるまでの時間)を見込んで設定されている。
【0104】
こうして、液体保持空間Sを含む供給流路120の液体保持部材側流路120bから回収流路130に至る経路に存在する処理液は貯蔵タンク110へと送られるとともに、大気連通口124から取り込まれた空気が各部に充満された状態となる。
【0105】
回収動作後は、大気連通弁114を閉じるともに、三方弁122を切り替えて液体保持部材側流路120bと大気連通口124を連通させた状態にして、貯蔵タンク110を大気から遮断し、蒸発や外部流出を防止する。
【0106】
第1の実施形態によれば、液体の貯蔵手段を構成する貯蔵タンク110内には、液体再生手段を構成する攪拌手段140が設けられているので、長期間にわたる使用によって、蒸発等による塗布液の生成物(増粘物や固着物等)が多量に発生しても、貯蔵タンク110内の塗布液を攪拌手段140で強制的に攪拌することにより、塗布液の生成物を該塗布液に溶解させることでき、塗布液の再生を行うことができる。これにより、貯蔵タンク110と液体保持部材54との間で塗布液を供給又は回収するための流路(120、130)に塗布液の生成物が再混入するのを防ぐことができる。この結果、流路のつまりや塗布異常を防止することができ、塗布安定性を向上することができる。
【0107】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0108】
図9は、第2の実施形態に係るインク供給装置の要部構成例を示した概略図である。図9中、図4と共通する部分については同一番号を付している。
【0109】
第2の実施形態では、図9に示すように、貯蔵タンク110には、塗布液の増粘物や固着物等の生成物及び又は紙粉等の不純物を排出する排出流路150の一端が接続されている。なお、排出流路150の他端は回収タンク(不図示)に接続されている。
【0110】
また、排出流路150には、開閉可能な排出弁152が設けられており、この排出弁152の開閉によって、排出流路150の連通及び遮断を切り替えることが可能となっている。
【0111】
そして、排出弁152を開いて、排出流路150を連通した状態にすることにより、貯蔵タンク110内の塗布液に含まれる生成物や不純物を塗布液とともに排出流路150から排出することができる。
【0112】
排出流路150の一端は、貯蔵タンク110の底部(鉛直方向下方)に接続されていることが好ましい。貯蔵タンク110内の底部に沈殿した生成物や不純物を排出流路150から容易に排出することが可能となる。
【0113】
図10は、第2の実施形態における塗布液再生動作の詳細を示したフローチャートである。この塗布液再生動作では、まず、貯蔵タンク110の大気連通弁114を開放して(ステップS50)、更に、排出弁152を開いた状態にする(ステップS52)。これにより、貯蔵タンク110の底部に沈殿している塗布液の生成物(増粘物や固着物)や不純物(紙粉等)が塗布液とともに排出流路150から回収タンク(不図示)に排出される。
【0114】
次に、排出動作の終了タイミングの判断を行う(ステップS54)。本例では、排出弁152を開いている時間があらかじめ設定された時間を経過するまで、ステップS54の判断はNo判定となり、排出弁152を継続して開いた状態にしておく。
【0115】
排出弁152を開いている時間は、貯蔵タンク110内の液体に含まれる生成物(増粘物や固着物)や不純物(紙粉など)を排出させるのに十分な時間が設定される。
【0116】
また、貯蔵タンク110内の液面を検出する液面センサ(不図示)を設け、液面センサにより検出された結果に応じて、排出弁152を開いている時間を変化させる態様も好ましい。貯蔵タンク110内の塗布液が多いときは、排出弁152を開いている時間を長く設定する一方で、貯蔵タンク110内の塗布液が少ないときは、排出弁152を開いている時間を短く設定することにより、塗布液の再生処理の効率化を図ることができ、無駄な塗布液の消費量を削減することができる。
【0117】
排出弁152を開いている時間があらかじめ設定された時間を超えるなど、排出弁152による排出動作の終了タイミングになった場合(ステップS54においてYes判定時)、排出弁152を閉じるとともに(ステップS56)、大気連通弁114を閉じる。こうして、第2の実施形態における液体再生動作が終了する。
【0118】
第2の実施形態によれば、液体再生手段として、貯蔵タンク110に接続される排出流路150、及び排出流路150を開閉可能な排出弁152で構成される不要物回収手段が設けられているので、塗布液が高粘度化した増粘物や固着物等の生成物だけでなく、紙粉等の不純物も排出流路150から排出することができる。これにより、生成物や不純物の流路への再混入を防ぎ、流路つまりや塗布異常を防止することができる。
【0119】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。以下、第1又は第2の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0120】
図11は、第3の実施形態に係るインク供給装置の要部構成例を示した概略図である。図11中、図4又は図9と共通する部分については同一番号を付している。
【0121】
第3の実施形態では、図11に示すように、貯蔵タンク110の底部は、鉛直方向下方に向かって水平方向における断面積が小さくなる略錘型に構成されており、その断面積が最小となる先端部(鉛直方向下端部)に排出流路150の一端が接続されている。
【0122】
第3の実施形態によれば、貯蔵タンク110の底部が略錘型に構成されているので、貯蔵タンク110内の塗布液に含まれる生成物や不純物が沈殿する際、貯蔵タンク110の底部に接続される排出流路150の開口部(又はその周辺部)に集まりやすく、排出流路150から生成物や不純物を容易に排出することができる。
【0123】
〔第4の実施形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。以下、第1〜第3の実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0124】
図12は、第4の実施形態に係るインク供給装置の要部構成例を示した概略図である。図12中、図4又は図9と共通する部分については同一番号を付している。
【0125】
第4の実施形態では、図12に示すように、塗布液の貯蔵手段は、第1及び第2の貯蔵タンク110A、110Bとからなり、第1の貯蔵タンク110Aにはタンク間流路160の一端が接続され、タンク間流路160の他端は第2の貯蔵タンク110Bに接続されている。
【0126】
また、第1の貯蔵タンク110Aには回収流路130の一端が接続され、第2の貯蔵タンク110Bには供給流路120の一端が接続されている。なお、供給流路120の他端は液体保持部材54の液体供給口58に接続され、回収流路130の他端は液体保持部材54の液体回収口59に接続されている(図4参照)。
【0127】
これにより、液体移動手段を構成するポンプ132(図4参照)によって、液体保持空間Sを含む循環経路を循環した塗布液(本例では処理液)は、回収流路130から第1の貯蔵タンク110Aに流入して、更にタンク間流路160から第2の貯蔵タンク110Bに流れ込み、供給流路120から流出して、再び循環経路を循環する。即ち、ポンプ132による塗布液の移動方向上流側から順に、第1の貯蔵タンク110A、タンク間流路160、及び第2の貯蔵タンク110Bが配置されている。
【0128】
第1の貯蔵タンク110Aの内部(好ましくは底部近傍)には、攪拌手段140が設けられている。また、第2の貯蔵タンク110Bの底部は、鉛直方向下方に向かって水平方向における断面積が小さくなる略錘型に構成されており、その断面積が最小となる先端部(鉛直方向下端部)に排出流路150の一端が接続されている。
【0129】
第1の貯蔵タンク110Aよりも第2の貯蔵タンク110Bの方が鉛直方向下方に配置されており、タンク間流路160の一端が第1の貯蔵タンク110Aの鉛直方向下部(好ましくは底部近傍)に接続され、他端が第2の貯蔵タンク110Bの鉛直方向上部(好ましくは天井部近傍)に接続されている。これにより、第1の貯蔵タンク110A内の塗布液を第2の貯蔵タンク110Bに確実に移動させることができる。
【0130】
本実施形態では、第1及び第2の貯蔵タンク110A、110B間を接続するタンク間流路160は、液体(塗布液)の流れる方向が水平方向となるように構成されているが、第1の貯蔵タンク110A側よりも第2の貯蔵タンク110B側が低くなるように水平方向に対して斜めの方向に傾いて構成されていてもよい。
【0131】
図13は、第4の実施形態に係るインク供給装置の他の構成例を示した概略図である。同図に示す例では、タンク間流路160の一端は、第1の貯蔵タンク110Aの底部全体に開口し、液体の流れる方向が、第1の貯蔵タンク110A側よりも第2の貯蔵タンク110B側が低くなるように水平方向に対して斜めの方向に傾いて構成されている。このような構成によれば、塗布液の増粘物や固着物等の生成物を攪拌手段140で塗布液に溶解させることができるとともに、塗布液に含まれる紙粉等の不純物を、第1の貯蔵タンク110Aに残すことなく、第2の貯蔵タンク110Bで確実に集めることができ、排出流路150から容易に排出することができる。
【0132】
図14は、第4の実施形態における塗布液再生動作の詳細を示したフローチャートである。この塗布液再生動作では、まず、攪拌手段140の駆動を開始(ON)し(ステップS60)、攪拌終了タイミングとなるまで攪拌手段140の駆動を継続する(ステップS62)。そして、攪拌終了タイミングになった場合(ステップS62においてYes判定時)、攪拌手段140の駆動を停止(OFF)する(ステップS64)。
【0133】
このように攪拌手段140を駆動することにより、第1の貯蔵タンク110A内の塗布液の生成物(増粘物や固着物等)の少なくとも一部を該塗布液に再溶解させつつ、再溶解しなかった生成物の残部や不純物(紙粉等)は該塗布液中に拡散して、タンク間流路160を経由して第2の貯蔵タンク110Bに塗布液とともに流れ込んで、第2の貯蔵タンク110Bの底部に沈殿する。
【0134】
次に、第1の貯蔵タンク110Aの大気連通弁114を開放するとともに(ステップS66)、排出弁152を開いた状態にして(ステップS68)、その状態を排出動作の終了タイミングとなるまで維持する(ステップS70)。この間、第2の貯蔵タンク110Bの底部に沈殿している塗布液の生成物や不純物が塗布液とともに排出流路150から排出され、回収タンクで回収される。
【0135】
そして、排出動作の終了タイミングになった場合(ステップS70においてYes判定時)、排出弁152を閉じた状態にするとともに(ステップS72)、大気連通弁114を閉じる(ステップS74)。こうして、第4の実施形態における塗布液再生動作が終了する。
【0136】
第4の実施形態によれば、塗布液の貯蔵手段が第1及び第2の貯蔵タンク110A、110Bからなり、第1の貯蔵タンク110Aには攪拌手段140が設けられ、第2の貯蔵タンク110Bの底部には排出弁152を有する排出流路150が接続されているので、塗布液の増粘物や固着物等の生成物の一部を該塗布液に再溶解させることができるとともに、再溶解しなかった生成物の残部や不純物(紙粉等)を第2の貯蔵タンク110Bの底部に接続される排出流路150から回収することができ、塗布液に含まれる生成物や不純物に起因する流路のつまりや塗布異常を確実に防止することができ、塗布安定性を向上させることができる。
【0137】
上述の実施形態では、印刷用のインクジェット記録装置への適用を例に説明したが、本発明の適用範囲はこの例に限定されない。例えば、電子回路の配線パターンを描画する配線描画装置、マテリアルデポジション用の材料を用いて微細構造物を形成する微細構造物形成装置など、液状機能性材料を用いて様々な形状やパターンを得る装置にも広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略を示した構成図
【図2】処理液塗布部の構成を示した断面図
【図3】液体保持部材の構成を示した平面図
【図4】液体供給装置の構成例を示した概略図
【図5】インクジェット記録装置の制御系の構成を示すブロック図
【図6】インクジェット記録装置の動作シーケンスを示すフローチャート図
【図7】塗布液再生動作を示すフローチャート図
【図8】処理液の塗布工程の様子を示す説明図
【図9】第2の実施形態に係るインク供給装置の要部構成例を示した概略図
【図10】第2の実施形態に係る塗布液再生動作を示すフローチャート図
【図11】第3の実施形態に係るインク供給装置の要部構成例を示した概略図
【図12】第4の実施形態に係るインク供給装置の要部構成例を示した概略図
【図13】第4の実施形態に係るインク供給装置の他の構成例を示した概略図
【図14】第4の実施形態に係る塗布液再生動作を示すフローチャート図
【符号の説明】
【0139】
10…インクジェット記録装置、12…記録媒体、16…処理液塗布部、18…インク打滴部、50…塗布ローラ、52…カウンターローラ、54…液体保持部材、55…空間形成基材、56…当接部材、58…液体供給口、59…液体回収口、60…制御部、100…液体供給装置、110…貯蔵タンク、112…大気連通口、114…大気連通弁、120…供給流路、122…三方弁、124…大気連通口、130…回収流路、132…ポンプ、140…攪拌手段、150…排出流路、152…排出弁、160…流路、S…液体保持空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接することで形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材の塗布面を回転させることにより、前記保持部材より前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置であって、
前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、
前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通する第1及び第2の流路と、
前記第1及び第2の流路、並びに前記液体保持空間を含む流路において液体の流れを発生させるための液体移動手段と、を備え、
前記貯蔵手段には、前記液体に含まれる不要物を除去して該液体を再生させる液体再生手段が設けられていることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体塗布装置において、
前記液体再生手段は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物を該液体に再溶解させる攪拌手段を含むことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体塗布装置において、
前記攪拌手段は、前記貯蔵手段の底部近傍に設けられていることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体塗布装置において、
前記液体再生手段は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を排出する排出流路、及び該排出流路を開閉可能な弁手段で構成される不要物回収手段を含むことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項5】
請求項4に記載の液体塗布装置において、
前記排出流路は、前記貯蔵手段の底部に接続されていることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液体塗布装置において、
前記液体再生手段は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物を該液体に再溶解させる攪拌手段と、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を排出する排出流路、及び該排出流路を開閉可能な弁手段で構成される不要物回収手段と、を含むことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項7】
請求項6に記載の液体塗布装置において、
前記攪拌手段は、前記貯蔵手段の底部近傍に設けられ、
前記排出流路は、前記貯蔵手段の底部に接続されていることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の液体塗布装置において、
前記貯蔵手段は、第1及び第2の貯蔵タンクとからなり、
前記第1及び第2の貯蔵タンクは、第3の流路を介して接続され、
前記液体移動手段による液体の移動方向上流側から順に、前記第1の貯蔵タンク、前記第3の流路、及び前記第2の貯蔵タンクが配置され、
前記第1の貯蔵タンクには前記攪拌手段が設けられるとともに、前記第2の貯蔵タンクには前記不要物回収手段が設けられることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項9】
請求項8に記載の液体塗布装置において、
前記第3の流路は、一端が前記第1の貯蔵タンクの鉛直方向下部に接続され、他端が前記第2の貯蔵タンクの鉛直方向上部に接続されていることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項10】
請求項4乃至9のいずれか1項に記載の液体塗布装置において、
前記貯蔵手段の底部は、鉛直方向下方に向かって水平方向における断面積が小さくなる略錘型に構成されることを特徴とする液体塗布装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の液体塗布装置と、
前記液体塗布装置によって第1の液体が塗布された媒体に対して、記録ヘッドから第2の液体を吐出して前記媒体に画像を記録する記録手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成装置において、
前記第2の液体は色材を含有するインクであり、前記第1の液体は前記色材を凝集させる作用を有する処理液であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接することで形成される液体保持空間に液体を保持するための保持部材とを備え、前記塗布部材の塗布面を回転させることにより、前記保持部材より前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置を用いた液体塗布方法であって、
前記液体塗布装置は、前記液体を貯蔵する貯蔵手段と、前記貯蔵手段と前記保持部材とを連通する第1及び第2の流路と、前記第1及び第2の流路、並びに前記液体保持空間を含む流路において液体の流れを発生させるための液体移動手段と、を備え、
前記貯蔵手段に貯蔵される液体に含まれる不要物を除去して該液体を再生させる液体再生工程を含むことを特徴とする液体塗布方法。
【請求項14】
請求項13に記載の液体塗布方法において、
前記液体再生工程は、前記貯蔵手段に貯蔵される液体を攪拌する攪拌手段を用いて、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物を該液体に再溶解させる工程を含むことを特徴とする液体塗布方法。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の液体塗布方法において、
前記貯蔵手段には、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を排出する排出流路が接続され、該排出流路には開閉可能な弁手段が設けられ、
前記液体再生工程は、前記液体から生成される該液体よりも粘度が高い生成物及び又は不純物を前記排出流路から排出する工程を含むことを特徴とする液体塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−82556(P2010−82556A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−254808(P2008−254808)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】