説明

液化ガスによる多用途水中波動洗浄機。

【課題】無酸素で、低温で、瞬間的に、微細間隙内部洗浄も可能な、同時に滅菌処理も可能で、かつ設備価格低廉な水中洗浄装置の提供。
【解決手段】洗浄槽13内の液化ガス水中放散管1で構成された放散管立体枠2に、液化ガス放散ノズル5が装着された底部放散管3及び側面放散管4を装着し、ボンベ又はタンク等の液化ガス貯留槽8に接続した液化ガス蒸散機9にフレキシブルな液化ガス供給管7の一端を脱着可能状態で固着し、側面放散管4の上端に液化ガス供給管7のもう一方端を接続し、前記液化ガス放散ノズル5から低温液化ガスを洗浄槽13の概中心に向かって放散し、水中複合波動で洗浄する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
各種被洗浄物の、水中洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から既存の電気発振装置によって発振素子で単周波数帯固有の超音波洗浄機に関する技術では、振動素子からの直進性の電気的特徴に阻まれ、被洗浄物の直射部以外の陰影部位及び裏面部位の洗浄力の劣りが致命傷である。
【0003】
電子機器の通常の水中洗浄技術は、洗浄水を暖気しながら、各種波長の、単一超音波発振器によるものが主であり、膨大な電気エネルギ−消費と共に、振動発信素子は低周波数発信素子、高周波数発信素子共に、周波数帯で期間は替わるが機能低下で年次交換を必要とし、時には、周波数帯によっては人体への影響も発生し、設備機器一式価格も高価で、消費電力も膨大で、採算ロスも計り知れない。
【0004】
又、洗浄槽に洗浄水を充填して、被処理物を浸し、加熱ヒ−タ−で加温しながら、長時間洗浄で劣化洗浄も氾濫している。
【0005】
生食野菜や果物の農薬洗浄には、効果な電気超音波洗浄機など使用に値せず、従来洗浄法では、被洗浄物を洗浄槽に投入し、洗浄液の流水又はシャワリングも多く、これも機能性は劣り、只単に気安め効果しか無い。
【0006】
つまり、全ての物質劣化は酸化にあり、無酸素で、低温で、瞬間的に、微細間隙内部洗浄も可能な、同時に滅菌処理、それに設備価格低廉な総合的技術は全く無い。
【特許文献1】
【非特許文献】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の通り、電気機器部品の多種多様な洗浄、並びに医学組織等の周囲滅菌洗浄及び水中保存等で、目的が替わっても共通の必須事項があり、その全てを機能的に1機で網羅する事が現状の課題であった。
【0008】
最も必要な事は、温度と時間の相関関係でいかに早く目的を達成するかに掛かり、その処理必要時間の為に有形無形のロスが発生することが日常茶飯事で、大きな課題である。
【0009】
現代経済界で最も重要な事は、従来から電気的高周波振動水中放射しても、電気的発振装置の消費電力は大きく、ユ−ザ−はその消費電力にも悩んでいる。
【0010】
従来の電気的超音波発振装置による振動素子からの強制振動波長は、高周波になればなる程に、被洗浄処理物の分子振動摩擦熱が大きくなり、組織劣化に繋がり、ひいては、人間にも影響があり得ることは周知の事実である。
【0011】
ちまたに氾濫している単一波動高周波洗浄機器に至っては、被洗浄物の振動受波部面の洗浄に限定され、背面を含む機械的微細間隙部位の洗浄力劣化に困惑している。
【0012】
ましてや、被処理物によっては、温度上昇や雑菌付着を嫌うものも多く、従来の全ての洗浄技術は、高温洗浄にのみ効果を表し、滅菌洗浄などおぼつかない。
【0013】
又、日毎替わる被洗浄物を扱う企業では、各種電気超音波洗浄機は超音波発振装置自体で単一周波数帯に限定された電気式超音波洗浄器では、都度、超音波発振装置自体の交換が必須となり、複合周波数帯振動を望めば、高価な機器の複合装備となり問題が大きい。
【課題を解決する為の手段】
【0014】
本発明は、電子機器部品洗浄から生鮮食品洗浄、或は多種多様な業界での環境保全各種洗浄で、低温液化ガス利用の水中無酸素表面酸化防止洗浄処理技術で、付随して、低温水中滅菌、或は超低温雰囲気槽での電気抵抗試験槽にも使用可能な、1機で全ての加工が可能な多機能性洗浄機能をも保有している。
【0015】
先ず、真っ先に記述すべきは、上記課題の全てを解消するには、液化窒素ガス、或は液化炭酸ガスのような、超低温で無酸素の液化ガスの使用が、無酸素酸化防止と、液化ガスの水中放散で、洗浄水との大きな温度差により、瞬間的大小複合気泡の水中破裂による複合水中振動による、低温水中波動エネルギ−の利用が最優先となる。
【0016】
−196℃超低温液化窒素ガス利用で洗浄滅菌処理と言う事は、全世界で思いもよらなかった事が現実化する事で、実質的に数多くの実地検証で明らかとなった。
【0017】
一例として、−196℃液化窒素ガス使用での実証試験結論を先に述べれば、洗浄槽(13)内の、18℃の油脂分解配合の洗浄水中に、液化ガス水中放散管(1)によって、液化窒素加圧ボンベの液化ガス開閉バルブA(10)を流量調節で僅かに水中放散して100lの水を急激に洗浄笛音水温迄低温化させ、10℃で液化ガス開閉バルブA(10)閉鎖、次に油脂付着の被洗浄物を水中装填した。
【0018】
次に洗浄槽(13)内に液化ガス水中放散管(1)によって洗浄槽(13)内の水道水100lに、液化ガス開閉バルブB(11)を僅かに開放すれば、200℃前後の温度差で、水中窒素ガス気泡急激膨張破裂波動エネルギ−で、2分単位で瞬間的、水槽水は油脂分解で透明、ここで、水温低下を嫌う洗浄物の場合は気化ガスの放熱経路を長くするか、或は蒸散放熱器の経過で良く、電気動力機器一切不要の理想の洗浄が可能であった。
【0019】
つまり、設備機器は洗浄槽と洗浄水があれば、液化ガス水中放散管を水槽内に投入装填するだけが全容で、超シンプルで、格安となり、液体窒素ボンベは液化ガス業者が持参貸与するもので、従って、既存の水槽をユ−ザ−が所有している場合は、液化ガス水中放散管(1)のユニットだけでの供給でも機能を発揮する。
【0020】
もう一つ重要な機能性は、上記の洗浄と全く同じ機能で、洗浄槽(13)内の低温水中滅菌処理等もそのままの装備機器で可能であり、液化ガス放散ノズルの種類選択装着で、食品関連では水槽水に59%未満のエチルアルコ−ル添加で電気冷却機不要のマイナス水温での超低温水中洗浄迄可能である。
【0021】
−196℃液化窒素ガスを洗浄水中放散をすれは、洗浄槽内の洗浄水が、瞬間的に低温化或は凍結と言う物理化学的温度差理論の常識的先入観が吹き飛ぶ理由の一つは、−196℃の液化窒素ガスを、一旦、液化ガス蒸散機(9)を通じて窒素ガスにして、拡散性孔及び直進性孔のノズルから、0℃前後の水中に、或は既に−60℃前後に低温化した不凍水中でも、150℃前後の温度差によって、空気の水中散気のように比重差と水抵抗で大人しくコロコロと浮上せず、大小の気泡は超温度差の為に、お互いが狂気のように水中で大小無数の気泡化で水中破裂しながら暴れ回り、電気的発信素子からの直進性一定波長帯では得られない、大小気泡破裂の水中振動周波数がそれぞれ異なった水中複合波長帯の水中振動を構成し、超伝導体の液体により、被洗浄物の外部瞬間で波動伝達され、種々付着物質は低温水中で固着力を失い、無酸素環境で分単位で洗浄が可能となるが、洗浄水の温度を急激に下げる目的の場合は、液化ガス蒸散機(9)の蒸散機能回路を経由せずに、バイパス経路で洗浄水中に放散すれば良い。
【0022】
生食野菜低温水中洗浄の場合は、単に水でシャブシャブ洗っても微細農薬は表面細胞毛皮にしがみついていて洗浄効果が無く、鮮度維持から低温水中で、液化窒素ガスの水中放散による大小気泡破裂による水中波動で洗浄離脱して効果を発揮した。
【0023】
低温滅菌処理、或は滅菌水の製造には、水中紫外線殺菌灯も良いが、紫外線光線受光部だけが滅菌されるが裏側等の非受光部の滅菌効果は無く、又、洗浄水自体に滅菌性機能を付与することも不能であることから、約3ミクロン金属銅繊維の一定量の不織布を水槽水中にカセットで投入することで滅菌効果が生じるが、薬品と異なり、数か月毎の交換で継続的機能を発揮し、この機能は鳥取大学、鳥由来人獣共通感染症疫学研究センタ−によって、H5N3亜型鳥インフレンザウイ−ルスの減少試験で、10分で98%、30分で99.999減少検証結果もあり、種々菌類の滅菌効果を持っていることも判明し、この試験デ−タ−も保持している。
【0024】
使用する低温液化ガスの種類では、液化窒素ガスを本発明に使用すれば、不活性ガスで引火性も無く、無酸素で、−196℃の超低温で、ボンベ圧力も強く、その儘、全ての洗浄処理に、有効的に使用が可能である。
【0025】
使用する低温液化ガスの種類で、液化炭酸ガス使用の場合は、これも無酸素で有効に使えるが、昨今の世界的地球環境保全から、気中放散するには企業の社会的責任面で、イメ−ジ的に難点があるが、密閉室内での使用は人体呼吸吸引防除を含め、当該ガスの収集設備で処理して、安全に注意しながら使用することであれば、機能的には全く問題は無い。
【0026】
液化空気ガス、及び液化低酸素空気使用の場合は、環境空気は酸素約20%、低酸素空気でも酸素保有である限り、医学の裸組織処理には、酸化劣化の欠点があり、その場合はあくまでもフイルム包装形態の各種処理には、価格も他の液化ガスよりも低廉で有利性がある。
【0027】
使用する低温液化ガスの種類で、液化水素ガス使用の場合は、これは引火性が強いので充分な安全性を確保すれば利用は可能であるが、価格面では医学研究に関する組織検証では有効かも知れないが、価格と安全面に留意すれば使用可能である。
【0028】
洗浄槽(13)さえあれば、液化ガス水中放散の、液化ガス使用洗浄ユニットを、洗浄槽(13)内に投入するだけで有効に使えるシステムの為に、既存水槽の利用の為に、被洗浄処理物が小さなものであるが大きな既存水槽に合わして、大きな放散管立体枠で構成された場合には、複数装着の液化ガス放散ノズル形状を直進放散孔にして、被洗浄物に液化ガスの放散が到達して機能をより向上させるのが直進放散孔の目的で、逆に、小さな既存水槽に装填される放散管立体枠で、大きな被洗浄物等を処理する場合、被洗浄物に液化ガスの放散が近距離から衝突すればその部位の組織変性もあり得るので、液化ガス放散ノズル(5)を拡散放散孔にして機能を発揮するものであり、時には複数設置の液化ガス放散ノズル(5)の水中放散不要部位を盲にして使用し、液化ガスの浪費を押さえる事もある。
【0029】
又、液化ガス放散ノズル(5)自体で、直進孔及び拡散孔、或は孔閉鎖の調整、又閉鎖が可能な液化ガス放散ノズル(5)を装着して、自由に機能を発揮させる事もある。
【0030】
請求項2は、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)の使用過程での汚れ濾過をする為に、あくまでも電気動力使用を回避し、洗浄槽(13)内に、水中濾過管(15)の端は吸水可能な下端開放で垂直設置して、下端開放部から少し上部位に、液化ガス水中放散管(1)から枝管(16)によって水中濾過管(15)と貫通接続し、垂直設置の水中濾過管(15)はの水面上上端は濾過滅菌器(17)に結続し、清浄滅菌された洗浄水(12)は、清浄管(18)によって洗浄槽(13)内に戻す事により全く無電力システムとなる。
【0031】
この濾過滅菌器(17)の濾過材及び滅菌材は、低温水中瞬間的無酸素処理の為に、水中処理による洗浄水(12)内への大きな汚れ残存が無い場合は、被洗浄物のよほどの汚れ付着がない限り、重厚な濾過材の使用は必要が無く、活性炭素不織布の一定量積層と同時に、超極細の銅繊維不織布の組み合わせで、濾過通過した洗浄水(12)が滅菌される構成であるが、銅繊維不織布の滅菌効果は鳥取大学におけるウイ−ルス減少試験で立証されているが、これにこだわるもので無く、水中紫外線滅菌灯によるものでも良く、時には過酸化水素添加、或はジ亜鉛酸滅菌剤の規定量添加でも良いが、表面酸化防止洗浄には、銅繊維不織布の滅菌しか通用しない。
【0032】
請求項3は、洗浄槽(13)の上端と洗浄水(12)水面上との空間は、不活性ガス、例えば液化窒素ガス等、無酸素気体(19)空間であるために、この気体を大気放散廃棄することなく、コンプレサ−(20)で吸引加圧し、再度、液化ガス水中放散管(1)で洗浄水(12)を再度水中に放散する事で、従来の通常空気の水中放散のような酸化劣化は全く無く、液化ガス貯留槽(8)からの超低温液化ガスの水中放散で洗浄水(12)の温度が低下し過ぎるような時、或は液化ガスの節減をする場合も、一定時分定期的に、液化ガス貯留槽(8)と無酸素気体(19)を交互に水中放散する事で、無酸素処理と同時に、液化ガスの消費削減にも繋がる。
【0033】
請求項4は、洗浄槽(13)は既存の水槽等を洗浄槽(13)として利用し、本発明の洗浄医槽(13)以外を一括構成で液化ガス使用洗浄ユニット(21)として構成したもので、その要旨は第3図に示す通りである。
【0034】
請求高5は、既存又は新規購入の、電気発振装置による水中発振素子から一定単周波数帯発振の従来周知の超音波洗浄槽の洗浄力弱体性を補う為に、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)に液化ガス使用洗浄ユニット(21)を挿入し、液化チッソガス等の無酸素液化ガス放散水流と気泡浮上水流及び気泡破裂水流により、洗浄水(12)の水中波動を均一化して被洗浄物の細部間隙付着汚れの剥離離脱洗浄力を付与して、より大きな洗浄効果を発揮するもので、その要旨は、第4図に示した。
【発明の効果】
【0035】
本発明の効果を大局的見地から列挙すれば下記の通りである。
【0036】
1、超低温の液化ガスの用途開発で、全世界の業界で新分野への進展が可能となった。
2、電気機器業界、食品流通界、医学界その他多くの用途で省エネルギ−が可能となる。
3、各業界で、従来に無い、格安設備費で、しかも最高の機能が得られる。
4、洗浄槽と洗浄水、後は低温液化ガス業界からのボンベ等の貸与設置で簡単。
5、1機で多くの業界に機能性を提供、従来の目的別機種購入の必要がない。
6、処理槽容量選択だけで小型から工場用大型に至る迄、電気不要の機能性と格安設備。
7、電力不要であるにも係らず機能性は、従来の高価機器機能も到達し得ない高度機能。
8、電気業界、食品機業界、或は他の業界、液化ガス業界も各種業界への参入が可能。
9、大手中小を問わず、所有既存水槽の流用も可能で、瞬間的に全世界制覇も可能。
【0037】
本発明の効果を具体的見地から列挙すれば下記の通りである。
【0038】
1、水槽と超低温液化ガスボンベだけで無電源で電気機器低温無酸素洗浄が可能。
2、水槽と超低温液化ガスボンベだけで無電源で医学業界機器低温無酸素洗浄が可能。
3、水槽と超低温液化ガスボンベだけで無電源で生鮮食品低温水中無酸素洗浄が可能。
4、水槽と超低温液化ガスボンベだけで無電源で生鮮食品低温水中滅菌鮮度維持が可能。
5、水槽と超低温液化ガスボンベと僅かな電力で、水面上無酸素気体の吸引と水中放散の 循環で、低温液化ガスの消費削減が可能。
6、既存の水槽及び電気超音波洗浄槽に投入可能な液化ガス使用洗浄ユニットも可能。
7、上記各項目、或はそれ以上の各種処理が、1基多機能で、しかも高機能稼動が可能。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0039】
ステンレス鋼製管、又は樹脂素材管の液化ガス水中放散管(1)で構成された放散管立体枠(2)は、底部放散管(3)及び側面放散管(4)に装着される液化ガス放散ノズル(5)が装着されるが、時には上部放散管(6)も装着されて立体構造で構成され
【0040】
底部放散管(3)及び側面放散管(4)には、必要に応じて一定距離間隔で、液化ガス放散ノズル(5)が、洗浄槽(13)の概中心に向かって放散される一で装着される。
【0041】
側面放散管(4)の上端から、フレキシブルな液化ガス供給管(7)の一方端が、液化ガス蒸散機(9)に脱着可能状態で固着され、液化ガス蒸散機(9)とボンベ又はタンク等の液化ガス貯留槽(8)に装着の液化ガス開閉バルブA(10),及び液化ガス開閉バルブB(11)の量バルブも同様にに結続され、洗浄水中放出する。
【0042】
洗浄水(12)が一定量注入された鋼製又は他の素材の洗浄槽(13)内に、被洗浄処理物装填の単数又は複数の蓋付き網籠(14)が挿入、撤去可能な状態で放散管立体枠(2)を周囲に介して挿入された一体化したユニットが挿入される。
【0043】
液化ガス貯留槽(8)内下部の、液自体放出の液化ガス開閉バルブA(10)と、液化ガス貯留槽(8)の、上部ガス自体放出の液化ガス開閉バルブB(11)の選択開放で、目的別で液化ガス放散ノズル(5)から、蓋付き網籠(14)に向かって水中放散されるが、上部蒸散ガス自体放出の液化ガス開閉バルブB(11)だけの放散使用でも、全処理法に適応し、洗浄水(12)の冷却にも、充分に使用は可能である。
【0044】
水中放散された超低温の液化ガスは、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)水温と100℃乃至200℃と言う大きな温度差により、水中放散と同時に超過激に暴れ回り、大小無数の液化ガス気泡が出来、瞬間的に水中破裂しながら、大気泡破裂から中気泡に、中気泡破裂から小気泡に、小気泡破裂は微細気泡に変化しながら、液化ガス開閉バルブB(11)の液化蒸散ガス放出で、超低温液化ガスでも、水中気泡存在と言う特種環境から、先入観的洗浄水凍結、或は急激な洗浄水温度低下も無く、気泡の大きさで破裂時に生じる種々の複合的波長水中振動エネルギ−と、その終末で生じる多様な水中キャビテ−ションエネルギ−は、種々の有効機能を発揮する。
【0045】
液化ガス放散ノズル(5)の孔形状の調整又は型式選択変更と、液化ガス開閉バルブA(10)のバルブ開閉度選択により、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)の温度低下時間も自由に変化可能で、同様に液化ガス貯留槽(8)の液化ガス開閉バルブB(11)の開放度によって、水中無酸素洗浄、低温水中滅菌処理、洗浄水にエチルアルコ−ル添加による不凍液化も可能で、超低温水中洗浄も可能である。
【0046】
不活性ガス、例えば液化窒素ガスは、引火爆発危険も無く安全性で有効である。
【0047】
液化ガスの種類に、低温液化炭酸ガス利用も可能であるが、昨今の地球環境低炭素化社会の観点から、企業イメ−ジ的に使用を控えるのも一案であろうが、コスト的には有効な液化ガスであり、万一の火災事故発生の場合には、消化剤による生態組織に瑕疵を与えずに消化が可能である。
【0048】
液化ガスの種類が超低温液化水素ガス利用の場合は、機能的には全く問題は無いが、引火性ガスの性質から安全性確保設備に本発明の何倍もの投資が必要であり、特種用途としては有効である。
【0049】
既存の水槽灯を洗浄槽(13)として利用も可能で、洗浄処理物が小さなものであるが大きな水槽(13)に合わして大きな放散管立体枠(2)で構成された場合に、複数装着の液化ガス放散ノズル(5)が直進放散孔の場合は、被解凍物に液化ガスの放散水流が到達して、機能をより向上させる為のものである。
【0050】
逆に、小さな水槽を洗浄槽(13)として利用する場合は、装填される放散管立体枠(2)で大きな被加工処理物等を処理する場合、液化ガスの水中放散が近距離から衝突すればその部位の組織変性もあり得るので、複数装着の液化ガス放散ノズル(5)を拡散放散孔にして機能を発揮するものである。
【0051】
液化ガス放散ノズル(5)を、直進孔及び拡散孔或は孔閉鎖の調整が可能な、液化ガス放散ノズル(5)を装着して、既存の各種洗浄槽(13)を利用する場合に、洗浄槽(13)と液化ガス拡散ノズル(5)の形状を自由に調整するものも有効である。
【0052】
請求項2は、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)の使用過程での汚れ濾過をする為に、あくまでも電気動力使用を回避し、洗浄槽(13)内に、水中濾過管(15)の端は吸水可能な下端開放で垂直設置して、下端開放部から少し上部位に、液化ガス水中放散管(1)から枝管(16)によって水中濾過管(15)と貫通接続し、垂直設置の水中濾過管(15)はの水面上上端は濾過滅菌器(17)に結続し、濾過清浄された清水又は海水或は不凍水(12)は清浄管(18)によって水槽(13)内に循環注水する。
【0053】
請求項3は、洗浄槽(13)の上端と水面上との空間は無酸素液化ガス気体空間であるために、この無酸素気体(19)を、洗浄槽(13)の大きさにもよるがコンプレサ−(20)で吸引加圧し、再度、液化ガス水中放散管(1)経由で洗浄水(12)内に放散するもので、又、洗浄水(12)の温度をセンサ−感知で、超低温の液化ガス水中放散で必要以上に洗浄水温低下をキャッチし、電磁弁等により必要に応じて無酸素気体(19)に切り替える制御をする事もあるが、この場合は、唯一電気使用の個所となる。
【0054】
請求項4は第3図、請求項5は第4図に示す通り、既存の水槽又は既存の電気超音波洗浄機を、それぞれ洗浄槽(13)のして利用し、その洗浄槽(13)内に装填して使用する為、本発明の洗浄槽(13)を除く全てを液化ガス使用洗浄ユニット(21)として構成したもので、処理槽自体が鋼製の場合と樹脂製の差は、物理的には洗浄槽(13)内壁の反射効率では鋼製の方が多少良いが、洗浄時間で大きな変化は無く、両者共に有効に使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】処理槽内に、放散管立体枠、及ぶ蓋付き網籠を装填し、請求項2記載の濾過滅菌器も併設した、本発明の正面断面図である。
【図2】洗浄槽内の洗浄水水面上に滞留の、無酸素液化ガスの蒸散ガス自体の無酸素ガスを、コンプレサ−によって吸引加圧し、液化ガス水中放散管から洗浄水中放散する構成の断面図である。
【図3】既存の槽を洗浄槽としての利用で、放散管立体枠と蓋付き網籠、洗浄槽水の濾過滅菌、及び洗浄水槽水面上の無酸素気体の循環利用で、既存槽の利用適応装備の、液化ガス使用洗浄ユニットの正面断面図である。
【図4】既存の電気超音波洗浄槽を複合洗浄槽としての利用で、放散管立体枠と蓋付き網籠、洗浄槽水の濾滅菌、及び洗浄水槽水面上の無酸素気体の循環利用で、槽底部位に電気発振機器装着の、電気超音波洗浄槽に適応装備の、液化ガス使用洗浄ユニットの正面断面図である。
【符号の説明】
【0056】
1 液化ガス水中放散管
2 放散管立体枠
3 底部放散管
4 側面放散管
5 液化ガス放散ノズル
6 上部放散管
7 液化ガス供給管
8 液化ガス貯留槽
9 液化ガス蒸散機
10 液化ガス開閉バルブA
11 液化ガス開閉バルブB
12 洗浄水
13 洗浄槽
14 蓋付き網籠
15 水中濾過管
16 枝管
17 濾過滅菌器
18 清浄管
19 無酸素気体
20 コンプレサ−
21 液化ガス使用洗浄ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガス水中放散管(1)の放散管立体枠(2)は、底部放散管(3)のみ、或は側面放散管(4)との併設、その他必要に応じて他の部位にも液化ガス放散管構成される事もある。。
底部放散管(3)及び側面放散管(4)には、一定距離間隔で、複数の液化ガス放散ノズル(5)が装着される。
底部放散管(3)、又は側面放散管(4)、時には必要に応じて上部放散管(6)によって構成された放散管立体枠(2)は、フレキシブルな液化ガス供給管(7)によって、液化ガス貯留槽(8)から、液化ガス蒸散機(9)経由で結合され、安全性を考慮し、例えば液化窒素ガス、液化低酸素空気、或は人体安全性を考慮した安全機構併設で液化炭酸ガス等々の、ボンベ又はタンク等の液化ガス貯留槽(8)も有効である。
液化ガス貯留槽(8)の液化ガスの液体自体供給の液化ガス開閉バルブA(10),及び液化蒸散ガス自体供給の液化ガス開閉バルブB(11)に結続される液化ガス供給管(7)は、炭化水素水或は洗浄剤添加の洗浄水(12)が一定量注入された鋼又は他の素材の洗浄槽(13)内で、単数又は複数の蓋付き網籠(14)に向かって、液化ガス貯留槽(8)内下部の液自体放出の液化ガス開閉バルブA(10)と、液化ガス貯留槽(8)の液化蒸散ガス自体放出の液化ガス開閉バルブB(11)が、目的別で、液化ガス蒸散機(9)内の蒸散回路経由で、又は洗浄水(12)の急速冷却等の目的によっては蒸散回路を経由せずにバイパス経路で液化ガス放散ノズル(5)から水中放散される。
洗浄槽(13)内に水中放散された超低温の液化ガスは、常温水中温度との大きな温度差により超急激に気泡化と水中破裂で暴れ回り、大小無数の液化ガス気泡が出来、瞬間的に水中破裂しながら、大気泡破裂から中気泡に、中気泡破裂から小気泡に、小気泡破裂は微細気泡に変化しながら、水圧変動水流攪拌と同時に、気泡の大きさで破裂時に生じる種々の複合的波長水中振動エネルギ−が発生し、その終末で生じる多様な水中キャビテ−ションエネルギ−は低温水中でも大きなエネルギ−を発散し、種々の有効な水中複合波動機能を発揮する。
液化ガス放散ノズル(5)の孔形状は、洗浄槽(13)内に投入する被処理物毎に水中直進或は水中拡散等調整又は停止等の選択も可能である。
液化ガス開閉バルブA(10)のバルブ開閉度により、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)に液化ガスの液自体を放散して水温低下率を早めることも自由に変化可能で、同様に液化ガス貯留槽(8)の液化ガスバルブB(11)の蒸散ガス自体の放散は液化ガスの液自体程の超低温では無く、液化ガス開閉バルブA(10)同様な水中波動機能を発揮し、必要最小限の液化ガス省消費量に繋がる。
洗浄槽(13)の水温の温度センサ−により液化ガスバルブA(10)と液化ガスバルブB(11)の切り替え或は停止も可能で、低温水中無酸素洗浄、低温水中無酸素冷却、低温水中滅菌処理、洗浄槽(13)を空槽にして液化ガス開閉バルブA(10)又は液化ガス開閉バルブB(11)の開放により、超低温雰囲気での電気抵抗試験も合わせて可能な、液化ガス多用途水中波動洗浄機。
【請求項2】
洗浄槽(13)内に垂直装填された水中濾過管(15)の下端は開放で、下端から少し上部位に、液化ガス水中放散管(1)からの枝管(16)で結続して液化ガスを僅かに注入する事で、液化ガスの水中濾過管(15)内での比重差と温度差の爆発的気泡化で低水圧の水面側に洗浄液を押し上げ、活性炭素繊維不織布と極細銅繊維不織布による濾過滅菌器(17)を通過し、清浄管(18)で洗浄槽(13)内に戻す洗浄水濾過滅菌器装着の、液化ガスによる多用途水中波動洗浄機。
【請求項3】
洗浄槽(13)の水面上部位の液化ガス空間の無酸素気体(19)を、コンプレサ−(20)で吸引加圧して、液化ガス水中放散管(1)により、洗浄水(12)水中に放散する、液化ガスによる多用途水中波動洗浄機。
【請求項4】
基本的に、洗浄槽(13)自体の洗浄をも容易にする為に、洗浄槽(13)内に、挿入或は撤去可能形状としている事から、既存の各種水槽を、洗浄槽(13)として利用し、本発明の洗浄槽(13)を除く全てをユニット化し、第3図記載の通り、液化ガス使用洗浄ユニット(21)を挿入するだけで、各種既存水槽も利用可能な、液化ガスによる多用途水中波動洗浄機。
【請求項5】
既存又は新設の、電気発振装置による発振素子から一定周波数帯発振の従来周知の超音波洗浄槽の大きな欠点である、振動波直射受面の裏側や微細間隙内部の洗浄力弱体性を補う為に、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)に液化ガス使用洗浄ユニット(21)を挿入し、液化窒素ガス等の無酸素液化ガス放散水流と気泡浮上水流及び気泡水中破裂水流により、洗浄槽(13)内の洗浄水(12)の水中全個所の水中波動を均一化して被洗浄物の細部間隙付着汚れの剥離離脱洗浄力を付与し、より大きな洗浄効果を発揮する為に、液化ガス使用洗浄ユニット(21)を挿入した、液化ガスによる多用途水中波動洗浄機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−247140(P2010−247140A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119237(P2009−119237)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(591220148)伸洋産業株式会社 (69)
【Fターム(参考)】