説明

液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法

【課題】 高いメッキ密着力を効率良く得るための、液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法を提供する。
【解決手段】 シリカを20〜60重量%(組成物中)含有する液晶性ポリマー組成物より得られる成形品を、アルカリ性水溶液で処理し、次いでフッ化物水溶液で処理する液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法に関し、液晶性ポリマー成形品表面に優れたメッキ密着力を効率良く付与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶性ポリマーは、一般金属の熱線膨張係数に匹敵する低い線膨張係数を示し、耐熱的には260℃のハンダ浴に10秒間浸漬しても異常を生じない等の特徴を有し、この特性を生かして、メッキを付与した基板等への応用が図られている。液晶性ポリマー成形品の表面は強い配向のため表層部は剥離し毛羽立ちを生じ易く、そのままではメッキによる2次加工ができない。そこで、従来一般の樹脂に用いられている様な薬品による表面粗面化処理を行うことが考えられるが、表面は化学的には極めて不活性で親和性のある適切な溶剤がなく、表層の配向層を取り除き表面を粗面化することができない。この問題の解決のため、特許文献1では、リン酸塩等の特定の充填剤を配合した液晶性ポリマー組成物成形品をアルカリエッチングすることが提案されており、同様に特許文献2では、酸性溶液およびアルカリ溶液による処理することが提案されており、かかる手法により液晶性ポリマー成形品のメッキが可能となった。
【0003】
しかしながら、このような従来の手法では、近年の液晶性ポリマーの多種多様な分野への応用に際し、求められる機能の高性能化に対してメッキ密着力が必ずしも十分ではないという問題が判明した。
【特許文献1】特開平1−92241号公報
【特許文献2】特開平4−293786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、高いメッキ密着力を効率良く得るための、液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は上記目的を達成すべく、高いメッキ密着力を得るための液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法に関し、材料面、処理条件について鋭意探索、検討を行ったところ、液晶性ポリマーにシリカを配合し、その成形品を、アルカリ性水溶液で処理し、次いでフッ化物水溶液で処理することが極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち本発明は、シリカを20〜60重量%(組成物中)含有する液晶性ポリマー組成物より得られる成形品を、アルカリ性水溶液で処理し、次いでフッ化物水溶液で処理することを特徴とする液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、液晶性ポリマー成形品のメッキ密着力を向上させるメッキ前処理方法である。メッキ密着力は、メッキされた製品の重要な特性の一つであり、十分なメッキ密着力を得るには、エッチング処理工程により成形品表面にフィラーの抜けた穴を多く作り、メッキを保持するアンカー部を多く形成させることが重要となる。
【0008】
この点から、本発明者は、液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法に用いるフィラーとして好適なものを探索した結果、シリカは低コストで様々な粒径を持つグレードが多くあり、アンカー部の大きさをコントロールする目的で極めて優れていることを見出した。しかしながら、反面で、シリカは耐薬品性に優れているので、従来提案されているリン酸塩等を含有する液晶性ポリマー成形品に対する一般的なエッチング処理では状態が変化しないため、アルカリエッチング処理で周辺の樹脂が十分溶解し大きく露出したシリカのみ脱離し、それ以外のシリカ、例えばほぼ半分程度樹脂から突出しているシリカでも僅かなアンダーカット部があると脱離せず、十分なアンカー部が作成できず、その結果、十分なメッキ密着力が得られないという問題があった。
【0009】
そこで、本発明では、シリカを含有する液晶性ポリマー成形品について、先ずアルカリ性水溶液で処理し、次いでフッ化物水溶液で処理するという2段階のエッチング処理工程を行うことにより、シリカを脱離させて十分なアンカー部を形成し、その結果、十分なメッキ密着力を持つ製品を得たものである。
【0010】
ここで、アルカリ性水溶液による処理工程を省くと、シリカが表面に多く出ないため、フッ化物水溶液で処理してもアンカー部が十分形成されない。即ち、最初にアルカリ性水溶液による処理を行い、シリカを表面に浮き上がらせてからフッ化物水溶液で処理することにより、良好な表面状態となるのである。
【0011】
本発明で用いるシリカとしては特に限定されず、市販の各種シリカを使用することができるが、好ましくは微粉状(球状)であるのが好ましい。微粉状シリカとしては、各種粒径のものが市販されているが、特に最大径が50μm以下のもの(一般的に平均粒径として0.5〜25μm程度)の使用が好ましい。
【0012】
最大径が50μm以下のシリカを使用すると、アンカー部が小さくなり、0.1mmピッチ(回路及び回路間が各々50μm)以下の微細な回路に対応することが可能となり、より好ましい。例えば、最大径が50μmを超えるシリカを使用した場合、0.1mmピッチでは回路間を跨ぐ大きな穴が発生するため、回路間をUV樹脂等でマスクしても回路部からこの穴にメッキ液が入り込み、メッキされてしまい回路が短絡してしまう場合が考えられる。
【0013】
また、シリカの配合量は、液晶性ポリマー組成物中20〜60重量%である。配合量が20重量%未満であると、アンカー部の数が少なく、十分なメッキ密着力が得られず、60重量%を超えると組成物の流動性が悪化し、成形性に問題が生じる。好ましい配合量は、35〜50重量%である。
【0014】
通常、エッチング処理前に、上記液晶性ポリマー組成物からなる成形品を脱脂処理する。この工程を省くことも可能であるが、成形品の一部に皮脂等の脂が付着していると、その部分だけエッチングが阻害され、表面状態が不均一になり、メッキ密着力のばらつきの原因となるので、脱脂工程を加えるほうが好ましい。
【0015】
上記液晶性ポリマー組成物からなる成形品については、次に、公知のアルカリ性水溶液によるエッチング処理が施される。
【0016】
本発明におけるエッチング処理液であるアルカリ金属の水酸化物又はアルカリ土類金属の水酸化物を主成分とする水溶液とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物の水溶液、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属の水酸化物の水溶液であり、好ましくは水酸化カリウム水溶液である。この水溶液は、更に液晶性ポリエステルの表面分解物を溶解し、かつアルカリ水溶液に可溶な有機溶媒、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール、テトラヒドロフランの様なフラン化合物、エチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、プロピルアミン、アニリン、ピリジン、ホルムアミド等の窒素化合物、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素等の中から選ばれた1種又は2種以上の溶剤を添加し、複合液として用いることができる。
【0017】
また、かかる水溶液で液晶性ポリマー組成物成形品をエッチング処理するに当たり、エッチング液への浸漬処理条件はエッチング液の組成に応じ適宜最適条件が探索、選択されるが、本組成物からなる成形品の好ましい処理条件は前記水酸化物の6〜15mol/Lの水溶液を用い、50〜90℃で5〜60分の範囲で、好ましくは水酸化物9〜12mol/L水溶液を用い、60〜80℃で10〜40分である。特に好ましい処理条件例を示せば水酸化カリウムの11mol/L水溶液で、70℃×30分程度の処理が適当である。
【0018】
また、本発明においては、アルカリ性水溶液による処理後、低濃度の塩酸水溶液等の弱酸によるアルカリの中和工程を加えることが好ましい。アルカリ性水溶液が成形品表面に残ったままであると、次工程のフッ化物水溶液による処理の際、フッ化物とアルカリが反応し、フッ化物の濃度を低下させ、フッ化物水溶液による処理工程の効果を阻害する場合がある。
【0019】
次いで、本発明では、フッ化物水溶液による処理が施される。ここで用いられるフッ化物としては、フッ化水素酸、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、酸性フッ化アンモニウム、フッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、ケイフッ酸等が挙げられる。水溶液の濃度は高いほうが処理効果は高く好ましいが、安全上、10〜70重量%程度の状態で使用される。また、処理温度も高いほうが処理効果は高く好ましいが、揮発を防ぐため、20〜80℃程度の間で行われる。処理時間は5〜60分程度で十分である。
【0020】
フッ化物水溶液による処理後も、低濃度の水酸化ナトリウム水溶液等の弱アルカリによる中和工程を加えることが好ましい。フッ化物が成形品表面に残ったままであると、後の工程への悪影響、例えばメッキ液の汚染によるメッキ処理の阻害、残存フッ化物の揮発による人体への吸引等の安全上の問題等が発生する場合がある。
【0021】
尚、アルカリ性水溶液による処理、フッ化物水溶液による処理の各々の処理後あるいは処理中に超音波洗浄を行うことも好ましい。超音波洗浄処理により、フィラーが振動し、成形品表面のフィラーの離脱が促進される。エッチング処理後、中和処理後に超音波洗浄を行えば、樹脂とフィラーとの隙間に深く入り込んだ各処理液の洗浄も可能となり、好ましい。
【0022】
超音波洗浄については、印加時の温度としては室温から40℃程度で問題なく、超音波の周波数は特に制限はないが、20kHz以上、好ましくは25kHz以上である。超音波の強度についても特に制限はないが、通常は0.1〜10W/cm2の出力である。
【0023】
上記の如くメッキ前処理された成形品に対しては、公知の手法で無電解メッキ等の湿式メッキ処理、イオンプレーティング等のドライメッキ処理が施され、表面金属化処理樹脂成形品を得ることができる。
【0024】
なお、本発明の液晶性ポリマー組成物に対し、本発明の効果を損なわない範囲で、核剤、カーボンブラック、無機焼成顔料等の顔料、酸化防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、離型剤および難燃剤等の添加剤を添加して、所望の特性を付与した組成物も本発明で言う液晶性ポリマー組成物の範囲に含まれる。
【0025】
また、本発明で使用する液晶性ポリマーとは、光学異方性溶融相を形成し得る性質を有する溶融加工性ポリマーを指す。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した慣用の偏光検査法により確認することが出来る。より具体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz偏光顕微鏡を使用し、Leitzホットステージに載せた溶融試料を窒素雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施できる。本発明に適用できる液晶性ポリマーは直交偏光子の間で検査したときに、たとえ溶融静止状態であっても偏光は通常透過し、光学的に異方性を示す。
【0026】
前記のような液晶性ポリマーとしては特に限定されないが、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドであることが好ましく、芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエステルもその範囲にある。これらは60℃でペンタフルオロフェノールに濃度0.1重量%で溶解したときに、好ましくは少なくとも約2.0dl/g、さらに好ましくは2.0〜10.0dl/gの対数粘度(I.V.)を有するものが使用される。
【0027】
本発明に適用できる液晶性ポリマー(A) としての芳香族ポリエステル又は芳香族ポリエステルアミドとして特に好ましくは、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの群から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を構成成分として有する芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステルアミドである。
【0028】
より具体的には、
(1)主として芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上からなるポリエステル;
(2)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステル;
(3)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミド;
(4)主として(a)芳香族ヒドロキシカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(b)芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンおよびその誘導体の1種又は2種以上と、(c)芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸およびその誘導体の1種又は2種以上と、(d)芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオールおよびその誘導体の少なくとも1種又は2種以上、とからなるポリエステルアミドなどが挙げられる。さらに上記の構成成分に必要に応じ分子量調整剤を併用してもよい。
【0029】
本発明に適用できる前記液晶性ポリマーを構成する具体的化合物の好ましい例としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、レゾルシン、下記一般式(I)および下記一般式(II)で表される化合物等の芳香族ジオール;テレフタル酸、イソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸および下記一般式(III)で表される化合物等の芳香族ジカルボン酸;p−アミノフェノール、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類が挙げられる。
【0030】
【化1】

【0031】
(但し、X :アルキレン(C1〜C4)、アルキリデン、-O- 、-SO-、-SO- 、-S-、-CO-より選ばれる基、Y :-(CH)-(n =1〜4)、-O(CH)O-(n =1〜4)より選ばれる基)
本発明が適用される特に好ましい液晶性ポリマーとしては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を主構成単位成分とする芳香族ポリエステルである。
【実施例】
【0032】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜7
液晶性ポリマー(ポリプラスチックス(株)製、ベクトラC950)とシリカ−1(電気化学工業(株)製シリカFB−48(最大径64μm))あるいはシリカ−2(電気化学工業(株)製シリカFB−7SDC(最大径30μm))とを押出機による溶融混練方法により混練分散させ、ペレット化し、140℃で3時間の乾燥をした後、成形機により150〜160℃に温調された金型を用いて試験片を成形し、成形した平板について、以下の要領で特性を試験した。結果を表1に示す。
(1) 流動性(0.3mmt流動長)
シリンダー温度330℃で100MPaで0.5mmt×5mm幅の短冊を成形し、流動長を測定し、下記基準で評価した。
◎…流動長30mm以上
○…流動長15mm以上30mm未満
×…流動長15mm未満
(2) エッチング表面最大穴径
全エッチング工程終了後、電子顕微鏡でサンプルの表面を観察し、表面にある穴の最大のものを探し出して写真を取り、径を測定した。
(3) メッキ密着力
電気銅メッキ処理した平板を、カッターナイフで1cm巾の帯状カットを入れ先端を90゜の角度にめくり上げ、先端部をバネばかりでつかみ引き剥がす力をメッキ密着力(N/mm)とし、5枚の平均値を、下記基準で評価した。
◎…1.2N/mm以上
○…0.8N/mm以上1.2N/mm未満
×…0.8N/mm未満
[成形、処理方法]
成形、および各処理工程の詳細は以下の通りである。
(成形)
金型はサイドゲートの80mm×80mmの2mm厚平板を用いた。成形は型締め力100t油圧式成形機を用い、シリンダー温度330℃、金型温度120℃、射出速度3m/minとして、80mm×80mmの2mm厚平板を成形した。
(脱脂工程)
1.脱脂:60℃の奥野製薬工業(株)製エースクリンA220中に5分間浸漬処理
2.水洗
(アルカリエッチング工程)
1.アルカリエッチング:70℃の11.0mol/L濃度の水酸化カリウム水溶液中に30分間浸漬処理
2.水洗
3.超音波洗浄:室温の水道水で1分間処理(超音波洗浄機;海上電気(株)製sono cleaner 200a、周波数;38kHz、出力;0.36W/cm2(以下の超音波洗浄も同条件))
4.水洗
5.中和:室温の5重量%塩酸水溶液中に3分間浸漬処理して中和
6.水洗
(フッ化水素酸エッチング工程)
1.フッ化水素酸処理:室温の30重量%フッ化水素酸水溶液中に10分間浸漬処理
2.水洗
3.超音波洗浄:室温の水道水で1分間処理
4.水洗
5.中和:室温の1mol/L水酸化カリウム水溶液中に3分間浸漬処理して中和
6.水洗
(硫酸エッチング工程)
1.硫酸処理:室温の30重量%硫酸水溶液中に10分間浸漬処理
2.水洗
3.超音波洗浄:室温の水道水で1分間処理
4.水洗
5.中和:室温の1mol/L水酸化カリウム水溶液中に3分間浸漬処理して中和
6.水洗
(湿式銅メッキ工程)
1.コンディショニング:室温の奥野製薬工業(株)製OPC-350コンディショナー中に3分間浸漬処理
2.水洗
3.触媒付与:室温の奥野製薬工業(株)製A-30キャタリスト中に3分間浸漬処理
4.水洗
5.活性化:室温の5vol%塩酸水溶液中に2分間浸漬処理
6.水洗
7.無電解メッキ:室温の奥野製薬工業(株)製無電解メッキ液OPC-750水溶液中に20分間浸漬処理
8.水洗
9.コンディショニング:室温の奥野製薬工業(株)製OPC-350コンディショナー中に3分間浸漬処理
10.水洗
11.表面活性化:室温の5重量%硫酸水溶液中に3分間浸漬処理
12.水洗
13.電気メッキ:室温の硫酸10重量%、硫酸銅10重量%、1N−塩酸0.1vol%水溶液中に浸漬し、負電極に無電解メッキサンプルを接続、正電極に銅を接続し、4A/dmの電流を流し、30μmの膜厚になるまで処理
14.水洗
15.コンディショニング:室温の奥野製薬工業(株)製OPC-350コンディショナー中に3分間浸漬処理
16.水洗
17.乾燥:アセトンにて洗浄後、自然乾燥
(ドライ銅メッキ工程)
1.イオンプレーティング:神港精機(株)製AIF-850SB型イオンプレーティング装置にて銅を1μmイオンプレーティング
2.表面活性化:室温の5重量%硫酸水溶液中に3分間浸漬処理
3.水洗
4.電気メッキ:室温の硫酸10重量%、硫酸銅10重量%、1N−塩酸0.1vol%水溶液中に浸漬し、負電極に無電解メッキサンプルを接続、正電極に銅を接続し、4A/dmの電流を流し、30μmの膜厚になるまで処理
5.水洗
6.コンディショニング:室温の奥野製薬工業(株)製OPC-350コンディショナー中に3分間浸漬処理
7.水洗
8.乾燥:アセトンにて洗浄後、自然乾燥
【0033】
【表1】

【0034】
尚、表中の「処理方法・順番」は、各工程をA、B、C、D(あるいはA、B、C)の順に行ったことを意味する。例えば、実施例1は、「脱脂工程」、「アルカリエッチング工程」、「フッ化水素酸エッチング工程」、「湿式銅メッキ工程」の順で工程を行ったもの、比較例3は、「脱脂工程」、「フッ化水素酸エッチング工程」、「アルカリエッチング工程」、「湿式銅メッキ工程」の順で工程を行ったもの、比較例7は、「脱脂工程」、「フッ化水素酸エッチング工程」、「湿式銅メッキ工程」の順で工程を行ったものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカを20〜60重量%(組成物中)含有する液晶性ポリマー組成物より得られる成形品を、アルカリ性水溶液で処理し、次いでフッ化物水溶液で処理することを特徴とする液晶性ポリマー成形品のメッキ前処理方法。
【請求項2】
シリカが最大径50μm以下のものである請求項1記載のメッキ前処理方法。
【請求項3】
シリカの含有量が35〜50重量%(組成物中)である請求項1又は2記載のメッキ前処理方法。

【公開番号】特開2006−28207(P2006−28207A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−204298(P2004−204298)
【出願日】平成16年7月12日(2004.7.12)
【出願人】(390006323)ポリプラスチックス株式会社 (302)
【Fターム(参考)】