説明

液晶表示素子、及び、液晶表示素子の駆動方法

【課題】 多様な色表示の可能な液晶表示素子を提供する。
【解決手段】 第1電極を備えた第1基板と、第2電極を備え、第1及び第2表示単位を含む表示単位と背景領域を画定する第2基板と、第1及び第2基板間に配置された液晶層と、第1基板に対向配置された第1偏光板と、第1偏光板に対向配置された第1光源と、第2基板に対向配置された、偏光状態によって入射光を透過または反射する透過・反射板と、透過・反射板に対向配置された第2偏光板と、第2偏光板に対向配置され、第1及び第2表示単位の表示を行う第1及び第2出射口を備える第2光源と、第1及び第2電極間に電圧を印加する電圧印加手段と、1フレームをサブフレームに時分割し、各サブフレーム内で第1または第2光源を発光させる制御回路とを有し、透過・反射板は、第1偏光板、及び電圧無印加時の液晶層を透過する偏光状態の光を反射し、第2偏光板を透過する偏光状態の光を透過させる液晶表示素子を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示素子(liquid crystal display;LCD)、及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セグメントタイプ、ドットマトリックスタイプ、及び両者を複合したタイプの液晶表示素子において、表示に用いるセグメント部またはドット部以外の領域(非表示領域)の表示色を調整し、表示の見易さやデザイン性を向上させることが行われている。
【0003】
図9(A)〜(C)は、非表示領域の色調を調整することの可能な液晶表示素子の内部構成例を示す概略的な分解斜視図である。
【0004】
図9(A)を参照する。液晶表示素子は、略平行に対向配置される上側基板50a及び下側基板50b、及び、その間に挟持される液晶層55を含んで構成される。上側基板50a及び下側基板50bは、たとえば平板なガラス基板(上側及び下側ガラス基板51a、51b)、その対向面上に、ITO(indium tin oxide)等の透明導電材で形成され、所定のパタンを有する電極(上側及び下側透明電極52a、52b)、及び各電極を覆って形成された配向膜(上側及び下側配向膜53a、53b)を備える。液晶層55は、たとえば正の誘電率異方性(Δε>0)をもつネマティック液晶で形成されるツイストネマティック液晶層であり、上側及び下側配向膜53a、53bのラビング方向によって定まるツイスト角は、たとえば90°である。
【0005】
上側基板50a及び下側基板50bの外側に、一対の上側及び下側偏光板54a、54bが、ラビング方向に沿って直交ニコル状態に配置される。上側及び下側偏光板54a、54bは、それぞれ面内方向に透過軸を有し、透過軸の方向に偏光する光だけを透過させる。電圧を印加しない状態で、入射光の偏光方向は液晶分子の配向に従って回転し、偏光板を透過してノーマリホワイト表示を行う。図9(A)には、透過軸の方向を矢印で示した。
【0006】
マルチカラーバックライト56が、下側偏光板54bの外側に配置される。マルチカラーバックライト56は、複数の色の光を出射することが可能なバックライトであり、たとえばRGBマルチカラーLED光源を用いる。
【0007】
上側及び下側透明電極52a、52b間に接続される電圧印加手段で、液晶層55に電圧を印加することによって、液晶分子が水平方向から垂直方向に立ち上がることにより、入射光の偏光方向は液晶層の影響を受けないようになり、クロス偏光子により遮光される。
【0008】
マルチカラーバックライト56から発せられ、液晶層55を通過した光が、上側偏光板54aを透過するとき、発せられた光の色によって「明」表示、上側偏光板54aに遮蔽されるときに「暗」表示が行われる。
【0009】
「暗」表示を用いて、表示部を黒表示するノーマリホワイトタイプの液晶表示素子においては、バックライトの発光色を変化させることのできるマルチカラーバックライトを用いることで、非表示領域の色調を任意に変化させることが可能である。
【0010】
図9(B)を参照する。図9(B)に示す液晶表示素子は、図9(A)に示すそれと比較した場合、上側及び下側偏光板54a、54bに代えて、上側及び下側カラー偏光板54c、54dを用いている点、及び、マルチカラーバックライト56の代わりに白色バックライト57を使用している点において異なる。
【0011】
白色バックライト57は、たとえば冷陰極蛍光管(cold cathode fluorescent lamp;CCFL)を用いて構成される。無機白色LED(light emitting diode)、有機白色LED等を用いて構成される場合もある。
【0012】
なお、上側及び下側カラー偏光板54c、54dは直交ニコル配置されている。
【0013】
図9(A)の上側及び下側偏光板54a、54bは、たとえばニュートラルグレー色調の偏光板であるが、図9(B)の上側及び下側カラー偏光板54c、54dは、たとえば色素により染色したカラー偏光板である。白色バックライト57から出射した光を、上側及び下側カラー偏光板54c、54dを透過させることにより、上側及び下側カラー偏光板54c、54dによって定められる色に、背景色を設定することができる。
【0014】
図9(C)を参照する。図9(C)に示す液晶表示素子は、図9(B)に示すそれと比較した場合、上側偏光板54aと上側基板50aとの間に、位相差板58が挿入されている点において異なる。位相差板58を挿入することによって、非表示領域の色調を調整することが可能である。
【0015】
非表示領域の色調の調整は、液晶層の厚さ、液晶分子のねじれ度合いの調整、偏光板、位相差板の組み合わせ等によって行うことができる。
【0016】
なお、図9(B)及び(C)に示した液晶表示素子については、素子完成後は、非表示領域の色を変えることはできない。
【0017】
図10(A)及び(B)は、ドット部またはセグメント部の色調を調整することの可能な液晶表示素子の内部構成例を示す概略的な分解斜視図である。
【0018】
図10(A)を参照する。図10(A)に示す液晶表示素子は、図9(A)に示すそれと比較した場合、上側及び下側基板50a、50b間に、エリアカラーフィルタ60とブラックマスク59が配置されている点、及び、マルチカラーバックライト56の代わりに白色バックライト57を使用している点において異なる。
【0019】
エリアカラーフィルタ60は、たとえば赤色部60r、緑色部60g、青色部60b、及び白色部60wを含んで構成される。図示の液晶表示素子においては、白色バックライト57から発せられた光が、エリアカラーフィルタ60の異なる色の領域(各色部60r,g,b,w)を透過することで、複数色の表示が可能になる。
【0020】
ブラックマスク59は、色領域の境界を覆い、コントラストや色純度を高めるために配置される。
【0021】
図10(B)を参照する。図10(B)に示す液晶表示素子は、図9(A)に示すそれと比較した場合、上側及び下側偏光板54a、54bが平行ニコル配置されている点において異なる。マルチカラーバックライト56から発せられた光が、下側偏光板54bで偏光され、電圧無印加時の液晶分子の配向状態に従って偏光方向を回転すると、上側偏光板54aの偏光方向と直交することとなり、遮光される。すなわち本図に示す液晶表示素子は、マルチカラーバックライトを用いたノーマリブラックタイプの液晶表示素子である。電圧印加時の発光色によって、複数色による表示を行うことができる。
【0022】
たとえばセグメント表示を行う液晶表示素子において、表示領域の色をセグメント単位で独立して変える方法として、フィールドシーケンシャル(field sequential;FS)駆動法が周知である。
【0023】
図11(A)は、FS駆動を行うことの可能な液晶表示素子の内部構成例を示す概略的な分解斜視図であり、図11(B)は、液晶表示素子の表示部を示す平面図である。
【0024】
図11(A)を参照する。図11(A)に示す液晶表示素子は、図10(B)に示すそれに、バックライト同期駆動回路75が加入されている。
【0025】
FS駆動においては、マルチカラーバックライト56は、たとえば赤(R)、緑(G)、青(B)の順に時分割発光を繰り返す。バックライト同期駆動回路75は、たとえばマルチカラーバックライト56と上側及び下側透明電極52a、52bとの間に接続され、マルチカラーバックライト56の発光タイミングに同期させて、液晶セルのスイッチング(光を透過させる/させないのオンオフ)を行う。
【0026】
FS駆動法においては、画像データをR、G、Bの各色データに分解し、これを時間軸上で合成(加法混色)することにより表示を行う。マルチカラーバックライト56の発光を、人間の目には分解できないほど高速に切り替えることで、人間の目にその混色画像を認識させる。
【0027】
図11(B)を参照する。液晶表示素子の表示は、たとえば7セグメントの表示部30で行われる。表示部30は、表示単位(各セグメント)31〜37、及び背景領域38を含んで構成される。表示単位31〜37の各々には、それぞれ独立に駆動可能な電極が対応して設けられている。それらの電極に選択的に電圧を印加することにより、電極に対応する液晶層の液晶分子の配向状態を変化させ、たとえば「0」〜「9」の各数字を表示することができる。
【0028】
本明細書においては、たとえば各数字の表示に用いられる表示単位を表示領域と呼び、それ以外の表示単位及び背景領域を非表示領域と呼ぶ。たとえば、数字の「7」を表示するとき、表示領域とは、表示単位31〜33を意味し、非表示領域とは、表示単位34〜37、及び背景領域38を意味する。
【0029】
図12は、FS駆動方式を用いた液晶表示素子における表示制御の一例を示すタイミングチャートである。図12を参照して、FS方式の液晶駆動方法を説明する。
【0030】
FS駆動法では、前述のように、マルチカラーバックライト56が、たとえばR、G、Bの順に時分割発光を繰り返す。R、G、Bの各々が、順次1回ずつ発光する期間を1フレームという。1フレームは、たとえば16.7msである。フレーム単位で、1つの画像が表示される。R、G、Bの光を加法混色するためには、1フレームはたとえば20ms以下(フレーム周波数が50Hz以上)であることが望ましい。
【0031】
1フレームは複数(3つ)のサブフレーム(sub−frame;SB)に分割される。1SBは、たとえば5.57msである。
【0032】
「マルチカラーバックライト」の段を参照する。1つのSBは、発光期間とブランク期間とに分けられる。それぞれのSB(SB1〜SB3)の発光期間に、R、G、Bのいずれか1つの発光が行われる。図12に示すタイミングチャートにおいては、SB1、SB2、及びSB3の各発光期間に、それぞれR、G、及びBの発光が行われる。
【0033】
液晶表示素子においては、印加電圧に対する液晶層の応答に要する時間は、マルチカラーバックライトの発光色の切り替えに要する時間よりも長い。ブランク期間とは、いずれの色の光も発光されない期間であり、印加された電圧によって液晶層の液晶分子が、ある程度配向状態を変化させるのに必要な時間である。
【0034】
「表示単位31」の段を参照する。以下用いる「表示単位31」、「表示単位32」等の表記は、図11(B)に示した各表示単位を表すものとする。また、本図では、駆動タイミングチャートの表示単位の段における「ON」は、液晶表示素子が光を透過する状態にあることを示し、「OFF」は、液晶表示素子が光を透過しない状態にあることを示す。
【0035】
表示単位31は、SB1及びSB2において光が透過される。したがって、RとGの混色である黄(Y)が観察者に認識される。
【0036】
「表示単位32」の段を参照する。表示単位32は、SB1及びSB3において光が透過される。したがって、RとBの混色であるマゼンダ(M)が観察者に認識される。
【0037】
「表示単位37」の段を参照する。表示単位37は、SB2において光が透過される。したがって、Gが観察者に認識される。
【0038】
しかし、2色以上の加法混色により得られる表示部分から視線を逸らせた場合、液晶表示素子に振動が加わった場合等には、通常は観察者の目に認識されない各SBの画像が分離して観察される現象、いわゆるカラーブレーク現象が生じることがある。カラーブレーク現象は周囲が暗いとき顕著に起こる。カラーブレーク現象の発生は、観察者の心理に及ぼす影響からも好ましくない。
【0039】
そこで本願発明者らは、SBごとに所望の色の光を形成して発光させ、あるSBで透光状態とされた表示単位は他のSBでは遮光状態とすることによって、カラーブレーク現象を防止した液晶表示素子の駆動方法を提案した。(たとえば、特許文献1参照。)
図13は、先の提案による液晶駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【0040】
「マルチカラーバックライト」の段を参照する。図示した1フレームにおいて、SB1では、複数色の光源の同時点灯により白、SB2ではオレンジ、そしてSB3では単光源発光による青色の光が出射される。なお、本図においては、5.57msの1SB期間のうち、ブランク期間を3msとした。
【0041】
「表示単位31」の段を参照する。表示単位31においては、SB1のみが透光状態とされる。したがって、白色による表示が行われる。
【0042】
「表示単位32」の段を参照する。表示単位32においては、すべてのSBで遮光状態とされる。したがって、表示色は黒となる。
【0043】
「表示単位37」の段を参照する。表示単位37においては、SB2のみが透光状態とされる。したがって、オレンジ色による表示が行われる。
【0044】
特許文献1記載の液晶表示素子の駆動方法によれば、フレームごとにマルチカラーバックライトの点灯色を変えることが可能であるため、多様な色表示が可能である。
【0045】
しかしながら、上述の技術では、表示領域と非表示領域とを、それぞれ別個独立に、かつ、液晶表示素子の製造後に任意の色調に制御することは困難である。マイクロカラーフィルタを用いたフルドットマトリクス液晶表示素子であれば、外観的には実質的な非表示領域と表示領域の色調整を独立して行えるように見せるのは可能ではあるが、マイクロカラーフィルタの使用によりコストが高くなる。
【0046】
特にセグメントタイプや、セグメントとドットの複合タイプの液晶表示素子の場合は、低コストが求められるため、マイクロカラーフィルタ等カラーフィルタを用いないことが好ましい。(たとえば、特許文献2参照。)
なお、FS駆動においては、液晶層の光学応答は、1つのSB内に完了することが好ましい。光学応答の遅い液晶層を備える液晶表示素子を用いてFS駆動を行った場合、意図した表示色が得られにくくなることがある。殊に、たとえばデューティ比の大きい、ドットマトリクス表示素子において、単純マトリクス駆動を行う場合、通常は、応答速度の遅い液晶動作モード(たとえばSTNモードなど)が用いられるため、意図した表示状態の実現が困難であることが多いと考えられる。
【0047】
【特許文献1】特開2005−070440号公報
【特許文献2】特開昭49−074438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0048】
本発明の目的は、多様な色表示の可能な液晶表示素子、及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0049】
本発明の一観点によれば、所定形状の第1の電極を備えた第1の基板と、前記第1の基板と略平行に配置された、所定形状の第2の電極を備えた第2の基板であって、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向する位置に表示を行う、第1及び第2の表示単位を含む複数の表示単位が画定され、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向しない位置に背景領域が画定される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することで、配向状態を切り替えることのできる液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された第1の偏光板と、前記第1の偏光板の前記第1の基板が配置された側とは反対側に配置された第1の光源と、前記第2の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された、偏光状態にしたがって入射光を透過させ、または反射する透過・反射板と、前記透過・反射板の前記第2の基板が配置された側とは反対側に配置された第2の偏光板と、前記第2の偏光板の前記透過・反射板が配置された側とは反対側に配置され、出射した光でそれぞれ前記第1及び第2の表示単位の表示を行うことのできる第1及び第2の出射口を備える第2の光源と、前記第1の電極と前記第2の電極間に電圧を印加することのできる電圧印加手段と、1つの画像を表示する期間を1フレームとするとき、1フレームを複数のサブフレームに時分割し、各サブフレーム内で前記第1または第2の光源を発光させることのできる制御回路とを有し、前記透過・反射板は、前記第1の偏光板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過する偏光状態の光を反射し、前記第2の偏光板を透過する偏光状態の光を透過させ、前記第2の偏光板、前記透過・反射板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過した光は、前記第1の偏光板で遮光される、前記第2の光源から出射される光に対してノーマリブラックタイプの液晶表示素子が提供される。
【0050】
また、本発明の他の観点によれば、所定形状の第1の電極を備えた第1の基板と、前記第1の基板と略平行に配置された、所定形状の第2の電極を備えた第2の基板であって、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向する位置に表示を行う、第1及び第2の表示単位を含む複数の表示単位が画定され、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向しない位置に背景領域が画定される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することで、配向状態を切り替えることのできる液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された第1の偏光板と、前記第1の偏光板の前記第1の基板が配置された側とは反対側に配置された第1の光源と、前記第2の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された、偏光状態にしたがって入射光を透過させ、または反射する透過・反射板と、前記透過・反射板の前記第2の基板が配置された側とは反対側に配置された第2の偏光板と、前記第2の偏光板の前記透過・反射板が配置された側とは反対側に配置され、出射した光でそれぞれ前記第1及び第2の表示単位の表示を行うことのできる第1及び第2の出射口を備える第2の光源と、前記第1の電極と前記第2の電極間に電圧を印加することのできる電圧印加手段と、1つの画像を表示する期間を1フレームとするとき、1フレームを複数のサブフレームに時分割し、各サブフレーム内で前記第1または第2の光源を発光させることのできる制御回路とを有し、前記透過・反射板は、前記第1の偏光板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過する偏光状態の光を反射し、前記第2の偏光板を透過する偏光状態の光を透過させ、前記第2の偏光板、前記透過・反射板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過した光は、前記第1の偏光板で遮光される、前記第2の光源から出射される光に対してノーマリブラックタイプの液晶表示素子の駆動方法であって、あるサブフレームにおいて、前記第1の光源から出射された光で表示を行う工程と、他のサブフレームにおいて、前記第2の光源から出射された光で表示を行う工程とを含み、前記表示単位の各々は、1フレームでは高々1つのサブフレームにおいて、前記第1または第2の光源から出射された光で表示が行われる液晶表示素子の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、多様な色表示の可能な液晶表示素子、及びその駆動方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
本願発明者は、特願2006−005156号において、多様な色表示を可能とする、新規な構造の液晶表示素子を提案した(特願2006−005156号 発明の開示[0028]段〜[0116]段)。本発明は、当該出願に係る発明について、更に考察を深めたものである。
【0053】
また、本願発明者らは、特願2004−118870号においても、新規な構造の液晶表示装置とその表示方法を提案している(特願2004−118870号 発明の開示[0010]段〜[0042]段)。
【0054】
図1(A)〜(C)を用いて、特願2004−118870号に係る液晶表示装置に関して簡単に説明する。
【0055】
図1(A)に、液晶表示装置の表示部を示す。表示部は、たとえばセグメント部(「STANLEY R&D」)とドット部(本図においては、行列状に配置した四角で表した部分)とを含んで構成される。当該液晶表示装置によれば、たとえば「STANLEY」、「R&D」のまとまりごと、また、ドット部で文字表示を行う場合、文字単位で色調を変化させることが可能である。
【0056】
たとえば「STANLEY」及び「R&D」のセグメント部を表示する。そしてドット部では、左から順に5行4列の20ドットで1文字の表示を行い、ドット部全体で「L」、「C」、「D」の文字を表示する。表示色は、たとえば「STANLEY」と「L」が赤、「C」が青、「R&D」と「D」が黄である。本図においては、有色で表示される領域に斜線を付して示した。
【0057】
図1(B)に、液晶表示装置の内部構成例を示す概略的な分解斜視図を示す。
【0058】
本図に示す液晶表示装置は、表示用液晶セル76及びエリア分割用液晶セル77を含んで構成される。両セル76、77は、表示用液晶セル76が上側に、エリア分割用液晶セル77が下側に、位置合わせして配置される。
【0059】
両セル76、77ともに、略平行に対向配置される上側基板50a及び下側基板50b、そしてその間に挟持される液晶層55を含んで構成される。
【0060】
セル76、77の双方について、上側基板50a及び下側基板50bは、たとえば平板なガラス基板(上側及び下側ガラス基板51a、51b)、その対向面上に、ITO等の透明導電材で形成され、所定のパタンを有する電極(上側及び下側透明電極52a、52b)、及び各電極を覆って形成された配向膜(上側及び下側配向膜53a、53b)を備える。
【0061】
また、液晶層55は、たとえば正の誘電率異方性(Δε>0)をもつネマティック液晶で形成されるツイストネマティック液晶層であり、上側及び下側配向膜53a、53bのラビング方向によって定まるツイスト角は、たとえば90°である。
【0062】
上側透明電極52aと下側透明電極52bとの間には、両電極52a、52b間に任意の電圧を印加することのできる電圧印加手段68が接続されている。電圧印加手段68で両電極52a、52b間に印加された電圧により、両電極52a、52b間の液晶層55の液晶分子の配向状態を変化させることができる。
【0063】
表示用液晶セル76とエリア分割用液晶セル77とは、電極の形状において相違する。表示用液晶セル76の電極は、図1(A)に示したドット部及びセグメント部の形状に対応する形状を有する。エリア分割用液晶セル77の電極については、次図を参照して説明する。
【0064】
表示用液晶セル76の上側基板50aの外側に上側偏光板54aが配置される。エリア分割用液晶セル77の下側基板50bの外側に下側偏光板54bが配置される。また、両液晶セル76、77間に中央偏光板54iが配置される。これらの偏光板54a、54b、54iは、それぞれ面内方向に透過軸を有し、透過軸の方向に偏光する光だけを透過させる。図には、透過軸の方向を矢印で示した。
【0065】
表示用液晶セル76、上側偏光板54a、中央偏光板54iで構成される部分、及び、エリア分割用液晶セル77、下側偏光板54b、中央偏光板54iで構成される部分は、たとえばともにノーマリブラックの液晶素子である。
【0066】
マルチカラーバックライト56が、下側偏光板54bの外側に配置される。マルチカラーバックライト56は、複数の色の光を選択的に出射することが可能なライトであり、たとえば側方にRGBマルチカラーLED光源を有し、入射する光を液晶層に向かって照射する。カラー光源としては、有機LED、無機LED、CCFL、FEランプ等を用いて構成することが可能である。出射光色の変化は、互いに異なる発光色の単色光源を複数用いる構成で実現してもよいし、発光色を変化することのできる単一光源を用いる構成で実現してもよい。
【0067】
マルチカラーバックライト56とエリア分割用液晶セル77の電圧印加手段68との間に、同期回路78が接続される。同期回路78は、マルチカラーバックライト56の点消灯と、エリア分割用液晶セル77の両電極52a、52bへの電圧の印加(液晶層55の液晶分子の配向状態の変化)を同期させることができる。
【0068】
図1(C)を参照して、図1(B)に示した液晶表示装置の動作を説明する。たとえば1フレームをSB1〜SB3の3つのSBに分けたFS駆動法を用いて駆動を行う。
【0069】
マルチカラーバックライト56からは、SB1、SB2、SB3のそれぞれにおいて、赤、青、黄の光が出射される。出射された光は、下側偏光板54bの透過軸方向に偏光方向をもつ偏光となって、エリア分割用液晶セル77に入射する。
【0070】
エリア分割用液晶セル77は、入射したマルチカラーバックライト56からの光を、電極の形状によって上側基板50a側に画定される所定のエリア(図1(C)においては、エリア81〜85の5つのエリア)ごとに区切って出射することが可能である。すなわち、エリア分割用液晶セル77の電極の形状は、エリア81〜85の形状に対応して形成されている。
【0071】
エリア81は、図1(A)に示したドット部のうち、左側に位置する5行4列の領域に対応するエリアである。エリア81を出射した光によって「L」の文字が表示されうる。
【0072】
エリア82は、図1(A)に示したドット部のうち、中央に位置する5行4列の領域に対応するエリアである。エリア82を出射した光によって「C」の文字が表示されうる。
【0073】
エリア83は、図1(A)に示したドット部のうち、右側に位置する5行4列の領域に対応するエリアである。エリア83を出射した光によって「D」の文字が表示されうる。
【0074】
エリア84は、図1(A)に示したセグメント部のうち、「STANLEY」の文字列に対応するエリアであり、エリア84を出射した光によって当該文字列を表示することができる。
【0075】
エリア85は、図1(A)に示したセグメント部のうち、「R&D」の文字列に対応するエリアであり、エリア85を出射した光によって当該文字列を表示することができる。
【0076】
SB1〜SB3を通して、表示用液晶セル76においては、「STANLEY」及び「R&D」を表示するセグメント部、ドット部の左側、中央、右側の各5行4列に対応する電極52a、52bのうち、それぞれ「L」、「C」、「D」の文字を表示する電極52a、52b間に電圧を印加しておく。
【0077】
SB1においては、エリア分割用液晶セル77のエリア81及び84に対応する電極52a、52b間に電圧を印加する。このため、マルチカラーバックライト56を出射した赤色の光のうち、エリア81及び84を出射する光のみが、下側偏光板54bで定められた偏光状態を保ったまま、中央偏光板54iを透過する。
【0078】
中央偏光板54iを透過した光のうち、表示用液晶セル76において、「STANLEY」を表示するセグメント部、及び、ドット部の左側の5行4列に対応する電極52a、52bのうち、「L」の文字を表示する電極52a、52bに対応する液晶層55を透過した光(「STANLEY」及び「L」の文字を表示する赤色の光)のみが、そのままの偏光状態で上側偏光板54aを透過して観察者の目に到達する。
【0079】
SB2においては、前述のように、マルチカラーバックライト56から青色の光を出射する。また、エリア分割用液晶セル77のエリア83及び85に対応する電極52a、52b間に電圧を印加する。表示用液晶セル76においては、「R&D」を表示するセグメント部、及び、ドット部の右側の5行4列に対応する電極52a、52bのうち、「D」の文字を表示する電極52a、52b間に電圧が印加されているので、「R&D」及び「D」の文字を表示する青色の光のみが、上側偏光板54aを透過して観察者の目に到達する。
【0080】
SB3においては、前述のように、マルチカラーバックライト56から黄色の光が出射する。また、エリア分割用液晶セル77のエリア82に対応する電極52a、52b間に電圧を印加する。表示用液晶セル76においては、ドット部の中央の5行4列に対応する電極52a、52bのうち、「C」の文字を表示する電極52a、52b間に電圧が印加されるので、「C」の文字を表示する黄色の光のみが、上側偏光板54aを透過して観察者の目に到達する。
【0081】
このように、特願2004−118870号に係る液晶表示装置を用いると、たとえばセグメント部のまとまりごと、また、ドット部で文字表示を行う場合、文字単位で色調を変化させることができる。
【0082】
図2(A)〜(C)を用いて、図3〜図7を参照して詳説する実施例による液晶表示素子の概略を説明する。
【0083】
図2(A)を参照する。液晶表示素子は、表示用液晶セル76及びエリア分割用液晶セル77を含んで構成される。両セル76、77は、表示用液晶セル76が上側に、エリア分割用液晶セル77が下側に、位置合わせして配置される。
【0084】
両セル76、77ともに、略平行に対向配置される上側基板50a及び下側基板50b、そしてその間に挟持される液晶層55を含んで構成される。
【0085】
上側基板50a及び下側基板50bは、たとえば平板なガラス基板(上側及び下側ガラス基板51a、51b)、その対向面上に、ITO等の透明導電材で形成され、所定のパタンを有する電極(上側及び下側透明電極52a、52b)、及び各電極を覆って形成された配向膜(上側及び下側配向膜53a、53b)を備える。
【0086】
上側透明電極52aと下側透明電極52bとの間には、両電極52a、52b間に任意の電圧を印加することのできる電圧印加手段68が接続されている。電圧印加手段68で両電極52a、52b間に印加された電圧により、両電極52a、52b間の液晶層55の液晶分子の配向状態を変化させることができる。
【0087】
表示用液晶セル76とエリア分割用液晶セル77とは、電極の形状において相違する。これについては、図2(B)及び(C)を参照して説明する。
【0088】
表示用液晶セル76の上側基板50aの外側に上側偏光板54aが配置される。エリア分割用液晶セル77の下側基板50bの外側に下側偏光板54bが配置される。また、表示用液晶セル76の下側基板50bの外側に、偏光分離透過・反射板67が配置される。偏光分離透過・反射板67とエリア分割用液晶セル77の上側基板50aとの間に、中央偏光板54iが配置される。
【0089】
上側偏光板54a、下側偏光板54b、中央偏光板54iは、たとえば直線偏光板、円偏光板、または楕円偏光板である。これらの偏光板54a、54b、54iは、それぞれ面内方向に透過軸を有し、透過軸の方向に偏光する光だけを透過させる。円偏光板、楕円偏光板の場合は、さらに内側に位相差板を備える。
【0090】
偏光分離透過・反射板67は、入射光を、その偏光状態に従って透過または反射する。偏光分離透過・反射板67としては、たとえば(株)3M製のD−BEF(brightness enhane film)や(株)日東電工製の輝度向上フィルムPCF(polarization conversion film)等に用いられている広帯域コレステリックフィルムを使用することができる。
【0091】
表示用液晶セル76においても、エリア分割用液晶セル77においても、上側透明電極52aと下側透明電極52bとの間には、両電極52a、52b間に任意の電圧を印加することのできる電圧印加手段68が接続されている。電圧印加手段68で両電極52a、52b間に印加された電圧により、両電極52a、52b間の液晶層55の液晶分子の配向状態を変化させることができる。
【0092】
マルチカラーフロントライト66、及びマルチカラーバックライト56が、それぞれ上側偏光板54a、下側偏光板54bの外側に配置される。マルチカラーフロントライト66、及びマルチカラーバックライト56は、複数の色の光を選択的に出射することが可能なライトであり、たとえば側方にRGBマルチカラーLED光源を有し、入射する光を液晶層に向かって照射する。カラー光源としては、有機LED、無機LED、CCFL、FEランプ等を用いて構成することが可能である。出射光色の変化は、互いに異なる発光色の単色光源を複数用いる構成で実現してもよいし、発光色を変化することのできる単一光源を用いる構成で実現してもよい。マルチカラーフロントライト66は、液晶層からの光は透過させる。
【0093】
マルチカラーバックライト56は、ドット、セグメント等の表示領域の表示を制御する。マルチカラーフロントライト66は、非表示領域の色表示を実現するのに用いられる。
【0094】
同期回路78は、マルチカラーバックライト56の点消灯、マルチカラーフロントライト66の点消灯、及び両セル76、77の液晶層55のスイッチング(液晶分子の配向状態の変化、透光状態と遮光状態の切り替え)を同期させて行うための回路である。1フレームを複数のサブフレームに時分割し、各サブフレーム内でマルチカラーフロントライト66またはマルチカラーバックライト56を発光させ、その発光に同期させて、両セル76、77の液晶層55のスイッチングを行うことができる。
【0095】
表示用液晶セル76、上側及び中央偏光板54a、54i、及び、偏光分離透過・反射板67で構成される部分は、マルチカラーバックライト56から発光される光に対して、ノーマリブラックタイプの液晶素子である。また、エリア分割用液晶セル77、及び、中央及び下側偏光板54i、54bで構成される部分は、マルチカラーバックライト56から発光される光に対して、ノーマリブラックタイプまたはノーマリホワイトタイプの液晶素子である。
【0096】
図2(B)は、液晶表示素子の表示部を示す平面図である。表示用液晶セル76の上側透明電極52aと下側透明電極52bとで、上側基板50a側に表示部(表示を行う単数または複数の表示単位、及び背景領域)を画定することができる。表示部は、表示単位であるドット88a〜88uとセグメント89、及び背景領域90を含んで構成される。ドット88a〜88uとセグメント89の各々には、表示用液晶セル76にそれぞれ独立に駆動可能な電極が対応して設けられている。それらの電極に選択的に電圧を印加することにより、電極に対応する液晶層55の液晶分子の配向状態を変化させ、様々に表示を行うことができる。
【0097】
表示単位は、表示用液晶セル76の上側透明電極52aと下側透明電極52bとが対向する位置に対応して画定され、背景領域は、表示用液晶セル76の上側透明電極52aと下側透明電極52bとが対向しない位置に対応して画定される。
【0098】
図2(C)は、エリア分割用液晶セル77の上側基板50a側に画定されたエリアを示す平面図である。
【0099】
エリア分割用液晶セル77は、入射したマルチカラーバックライト56からの光を、電極の形状によって画定される所定のエリア(図2(C)においては、エリア86、87の2つのエリア)ごとに区切って出射することが可能である。エリア86及び87の形状は、エリア分割用液晶セル77の電極の形状に対応し、エリア分割用液晶セル77の上側透明電極52aと下側透明電極52bとが対向する位置に画定される。
【0100】
このような液晶表示素子において、マルチカラーフロントライト66、及びマルチカラーバックライト56の発光色を制御することにより、表示領域と非表示領域を異なる色調で別個独立に表現することが可能となる。
【0101】
以下、液晶表示素子の具体的な構成と動作について説明する。図3〜図5に示した液晶表示素子においては、図2(A)における偏光分離透過・反射板67として、(株)3M製のD−BEFを用いた。D−BEFは面内方向に反射軸を有し、反射軸方向に偏光する光を反射する。また、図6及び図7に示した液晶表示素子においては、図2(A)における偏光分離透過・反射板67として、(株)日東電工製の輝度向上フィルムPCFに用いられている広帯域コレステリックフィルムを使用した。広帯域コレステリックフィルムは、たとえば右円偏光を反射し、左円偏光を透過する。その逆を行う広帯域コレステリックフィルムもある。
【0102】
図3は、第1の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【0103】
表示用液晶セル76は、液晶層55を負の誘電率異方性(Δε<0)をもつ液晶材料を用いて形成し、垂直配向型の液晶表示素子とした。また、エリア分割用液晶セル77の液晶層55は、正の誘電率異方性(Δε>0)をもつネマティック液晶で形成し、ツイスト角を90°とした。本図には、両セル76、77ともに、電圧無印加時の液晶分子の配向状態を示してある。
【0104】
上側、下側、及び中央偏光板54a、54b、54iとして、直線偏光板を用いた。上側及び中央偏光板54a、54iは直交ニコル配置とし、中央及び下側偏光板54i、54bは平行ニコル配置とした。図には、偏光板54a、54b、54iの透過軸の方向を矢印で示してある。
【0105】
D−BEF69は、反射軸と、上側偏光板54aの透過軸とが平行となるように配置した。
【0106】
第1の実施例による液晶表示素子の動作を説明する。
【0107】
表示用液晶セル76の液晶分子は、電圧無印加時には、上側及び下側基板50a、50bにほぼ垂直に配向している。このため、液晶層に入射した光は偏光方向を変化させることなく液晶層を透過する。
【0108】
電圧印加時には、非表示領域での液晶分子の配向状態は電圧無印加時と変わらないが、表示領域においては電圧無印加時から液晶分子が上側及び下側偏光板54a、54bの透過軸に対して面内方向45°の方向に向かって倒れ、液晶層に入射した光には複屈折効果が与えられる。液晶層は1/2波長板と同等な効果を有することとなり、入射光は、偏光方向を90°変化されて液晶層から出射する。
【0109】
一方、エリア分割用液晶セル77の液晶分子は、電圧無印加時には、上側及び下側基板50a、50b間で90°ねじれ配向している。このため、電圧の印加されていないエリアにおいては、液晶層に入射した光は、90°偏光方向を変化されて液晶層を透過する。
【0110】
電圧印加時には、液晶分子は、上側及び下側基板50a、50b間でほぼ垂直に配向する。したがって、電圧の印加されたエリアにおいては、液晶層に入射した光は、偏光方向を変化されないまま液晶層を透過する。
【0111】
まず、マルチカラーフロントライト66から出射した光について説明する。
【0112】
マルチカラーフロントライト66から出射した光は、上側偏光板54aの透過軸方向に偏光方向を有する直線偏光となって液晶層55に入射する。
【0113】
非表示領域(電圧の印加されていない領域)においては、光は液晶層55を偏光状態を変えることなく透過し、D−BEF69に入射する。D−BEF69の反射軸方向は、上側偏光板54aの透過軸方向と平行である。このため、液晶層55を透過したマルチカラーフロントライト66の光は、D−BEF69でほぼ100%反射され、再び液晶層55及び上側偏光板54aを透過する。透過した光は、観察者に視認される。
【0114】
表示領域(電圧の印加されている領域)においては、液晶分子の配向状態は、電圧無印加時から変化しているので、液晶層55に入射した光は偏光方向を90°変化させて液晶層55を出射する。液晶層55を出射する直線偏光の偏光方向と、D−BEF69の反射軸方向とは直交している(D−BEF69の透過軸方向と平行である)。このため、液晶層55を出射した直線偏光は、D−BEF69、次いで中央偏光板54iを透過して、エリア分割用液晶セル77側に伝播し、散乱等により消失する。このため、マルチカラーフロントライト66から出射した光は、観察者に視認されることはない。
【0115】
次に、マルチカラーバックライト56から出射した光について説明する。
【0116】
マルチカラーバックライト56から出射した光は、下側偏光板54bの透過軸方向に偏光方向を有する直線偏光となってエリア分割用液晶セル77に入射する。
【0117】
電圧の印加されていないエリアにおいては、マルチカラーバックライト56から出射した光は、偏光方向を90°変化されてエリア分割用液晶セル77を出射するため、下側偏光板54bと平行ニコル配置された中央偏光板54iに吸収され、表示用液晶セル76側には入射しない。
【0118】
電圧の印加されたエリアにおいては、マルチカラーバックライト56から出射した光は、偏光方向を変化されずエリア分割用液晶セル77を出射するため、下側偏光板54bと平行ニコル配置された中央偏光板54i、続いてD−BEF69を透過し、表示用液晶セル76に入射する。
【0119】
表示用液晶セル76において、マルチカラーバックライト56からの光が出射したエリアに対応する位置にある電極に電圧が印加されていた場合、その電極位置においては、光は偏光方向を90°変化されて表示用液晶セル76を出射し、上側偏光板54aを透過するため、観察者に視認される。
【0120】
したがって、非表示領域においては、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、表示領域においては、マルチカラーバックライト56から発せられた光が観察者に視認されうることになる。
【0121】
このように、第1の実施例による液晶表示素子は、マルチカラーフロントライト66で非表示領域の色調を、マルチカラーバックライト56で表示領域の色調を、それぞれ独立に表現することができる。また、ライト56及び66から出射される光の色を選択することにより、それぞれ表示領域及び非表示領域の表示色を選択することができる。
【0122】
上述のように、第1の実施例による液晶表示素子は、マルチカラーフロントライト66とマルチカラーバックライト56とが同時に点灯している場合であっても、任意の一箇所については一方の光のみが観察者に視認される。液晶表示素子がオン/オフの2値動作を行うのであれば、両者の同時点灯が混色を生じさせることはほぼない。
【0123】
図4は、第2の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。第1の実施例においては、表示用液晶セル76として垂直配向型の液晶セルを用いた。第2の実施例においては、上側及び中央偏光板54a、54i側にそれぞれ配置した補償セル(上側セル)70及び駆動セル(下側セル)71を含んで構成される2層構造の液晶セルを表示用液晶セル76として用いた点において、第1の実施例による液晶表示素子と異なっている。
【0124】
補償セル70及び駆動セル71の液晶層55は、ともに正の誘電率異方性(Δε>0)をもつ同じ液晶材料を用いて形成し、各セル70、71をそれぞれ、左ねじれ角90°、右ねじれ角90°の水平配向型液晶表示素子とした。各セル70、71の液晶層55の厚さ方向の中央における液晶分子配向方向は互いに直交するようにし、また、両セル70、71の液晶層55の厚さは等しくした。本図には、電圧無印加時の液晶分子の配向状態を示してある。
【0125】
表示用液晶セル76における表示動作は、駆動セル(下側セル)71への電圧印加のみで行い、補償セル(上側セル)70への通電は行わなかった。
【0126】
補償セル70、駆動セル71、上側及び中央偏光板54a、54i、D−BEF69で構成される液晶素子は、マルチカラーバックライト56から発光される光に対して、ノーマリブラックタイプの液晶素子である。
【0127】
第2の実施例による液晶表示素子の動作を説明する。前述のように、補償セル70には通電を行わないため、補償セル70の液晶分子は、常に、左ねじれ角90°の状態を保つ。したがって、補償セル70に入射した光は偏光方向を左向きに90°変化させて補償セル70を出射する。
【0128】
駆動セル71は、電圧無印加時においては、入射光を偏光方向を右向きに90°変化させて出射する。すなわち、駆動セル71において、光は補償セル70においてと逆向きに偏光方向を90°変化される。そこで光は、2層構造の液晶セルに入射するときと等しい偏光方向で2層構造の液晶セルを出射することになる。
【0129】
しかし、電圧印加時においては、非表示領域での液晶分子の配向状態は電圧無印加時と変わらないが、表示領域においては電圧無印加時から駆動セル71の液晶分子の配向状態が変化(上側及び下側基板50a、50bにほぼ垂直に配向)し、駆動セル71に入射した光は、偏光方向を変化させることなく駆動セル71から出射する。そこで光は、2層構造の液晶セルに入射するときと偏光方向を90°異ならせて、2層構造の液晶セルを出射することになる。
【0130】
したがって、電圧無印加時、及び電圧印加時であっても非表示領域においては、2層構造の液晶セル(補償セル70及び駆動セル71)によって、光は、偏光方向を変化されない。一方、電圧印加時、表示領域においては、光は、偏光方向を90°変化されて、2層構造の液晶セルを出射する。
【0131】
したがって、第2の実施例による液晶表示素子は、第1の実施例による液晶表示素子と同様に動作し、電圧無印加時においては、表示部の全領域において、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、電圧印加時には、非表示領域においては、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、表示領域においては、マルチカラーバックライト56から発せられた光が観察者に視認されることになる。
【0132】
本願発明者が、様々なねじれ角の液晶セルを検討した結果、補償セル70及び駆動セル71のねじれ角が70°〜240°のとき、第2の実施例による液晶表示素子は、実用上有効に作用することがわかった。
【0133】
なお、補償セル(上側セル)70を、これと同等の光学的機能を有する液晶性ポリマ配向位相差板である(株)ポラテクノ社製のTwistarに置き換えても同様の効果が得られた。
【0134】
図5は、第3の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【0135】
第3の実施例による液晶表示素子は、表示用液晶セル76の上側基板50aと上側偏光板54aとの間に、位相差板72を備えた液晶表示素子である。
【0136】
液晶分子のねじれ角、液晶層の厚さ、位相差板の位相差値、及び遅相軸の方位を適切に定めることにより、上側及び下側基板50a、50b、液晶層55、上側及び中央偏光板54a、54i、D−BEF69、及び位相差板72で構成される液晶素子を、マルチカラーバックライト56から発光される光に対して、ノーマリブラックタイプの液晶素子とした。ここで位相差板72は色調を調整する役割を果たす。
【0137】
構成の詳細は以下の通りである。
【0138】
表示用液晶セル76の液晶層55の厚さを6μmとし、液晶材料として、(株)大日本インキ製のRDP00333を用いた。液晶分子は、ねじれ角が左ねじれ240°であるねじれ水平配向とした。位相差板72として、位相差値600nmの一軸光学異方性の位相差板を用いた。また、位相差板72の遅相軸、上側偏光板54aの透過軸、D−BEF69の透過軸、及び中央偏光板54iの透過軸が、それぞれ表示用液晶セル76の液晶層55の厚さ方向中央の分子配向方向となす角を140°、95°、70°、70°とした。
【0139】
本図には、電圧無印加時の液晶分子の配向状態を示した。また、上側及び中央偏光板54a、54iの透過軸の方向、位相差板72の遅相軸の方向、及びD−BEF69の透過軸の方向を矢印で示した。
【0140】
また、第3の実施例による液晶表示素子においては、エリア分割用液晶セル77の液晶層55を負の誘電率異方性(Δε<0)をもつ液晶材料を用いて形成し、垂直配向型の液晶セルとした。また、中央、及び下側偏光板54i、54bは、直交ニコル配置とした。
【0141】
第3の実施例においては、1枚の位相差板72を用いたが、複数の位相差板を用いることもできる。また、一軸光学異方性の位相差板に限らず、二軸光学異方性の位相差板を使用してもよい。
【0142】
なお、表示用液晶セル76の液晶分子のねじれ角は、180°〜240°とするのが好ましい。
【0143】
図6は、第4の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【0144】
第4の実施例による液晶表示素子は、図3に示す第1の実施例による液晶表示素子と類似している。第1の実施例による液晶表示素子は、表示用液晶セル76の液晶層55を挟持する上側及び下側基板50a、50bのそれぞれ外側に、上側及び中央偏光板54a、54iが配置されていた。そして、入射光を、その偏光状態に従って透過または反射する偏光分離透過・反射板として、D−BEFを、下側基板50bと中央偏光板54iとの間に挿入した。
【0145】
第4の実施例による液晶表示素子は、まず、偏光分離透過・反射板67として、D−BEFではなく広帯域コレステリックフィルムを、表示用液晶セル76の下側基板50bと中央偏光板54iとの間に配置した点において、第1の実施例による液晶表示素子と異なる。
【0146】
また、第1の実施例による液晶表示素子においては、上側及び中央偏光板54a、54iとして直線偏光板を用いたが、第4の実施例による液晶表示素子においては、上側偏光板54aとしては、上側直線偏光板54eと上側1/4波長板54gとを組み合わせた、上方からの光に対する円偏光板を採用し、中央偏光板54iとしては、中央直線偏光板54fと中央1/4波長板54hとを組み合わせた、下方からの光に対する円偏光板を採用した。なお、上側及び中央偏光板54a、54iは、ともに表示用液晶セル76側に1/4波長板を配置して形成し、直線偏光板の透過軸と、1/4波長板の遅相軸とのなす角は±45°とした。上側及び中央直線偏光板54e、54fの透過軸は互いに直交させた。ただし、上側及び中央直線偏光板54e、54fの透過軸の方位は、上側及び下側基板50a、50bに対しては任意でよい。
【0147】
また、1/4波長板54g、54hの機能は、複数の波長板の組み合わせ(たとえば1/4波長板と1/2波長板との組み合わせ)を用いて実現してもよい。
【0148】
なお、下側偏光板54bには直線偏光板を用い、中央及び下側直線偏光板54f、54bの透過軸は互いに平行とした。
【0149】
第4の実施例による液晶表示素子においては、上側偏光板54aを右円偏光板とし、中央偏光板54iを左円偏光板とした。また、広帯域コレステリックフィルム73は、右円偏光を反射し、左円偏光を透過するものとした。
【0150】
以下、x成分がy成分に対して遅相となる円偏光を右円偏光、進相となる円偏光を左円偏光とする。
【0151】
これとは逆に、上側偏光板54aを左円偏光板、中央偏光板54iを右円偏光板、広帯域コレステリックフィルム73を、左円偏光を反射し、右円偏光を透過するものとしてもよい。上側偏光板54aと中央偏光板54iの円偏光方向を逆向きとし、広帯域コレステリックフィルム73が透過する円偏光方向と、中央偏光板54iの円偏光方向とを一致させる。
【0152】
なお、広帯域コレステリックフィルムと円偏光板を貼り合わせた構成を採用する、(株)日東電工製NIPOCSや(株)メルク製TRANSMAXは、通常、バックライト上、または液晶セルの下側に貼り合わせられて使用される。この場合、広帯域コレステリックフィルムがライト側(液晶セルと反対側)に配置される。本実施例においては、広帯域コレステリックフィルムが液晶セル側に配置される点において、これと異なる。
【0153】
表示用液晶セル76の液晶層55は、負の誘電率異方性(Δε<0)をもつ液晶材料を用いて形成し、垂直配向型の液晶セルとした。本図には、電圧無印加時の液晶分子の配向状態を示した。また、電圧印加時の液晶層55のリタデーションは1/2波長(たとえば、x成分が1/2波長遅相)とした。
【0154】
マルチカラーフロントライト66から出射した光は、上側直線偏光板54eの透過軸方向に偏光する光となって上側1/4波長板54gに入射し、x成分が1/4波長だけ遅相を受けて右円偏光となる。
【0155】
表示用液晶セル76への電圧無印加時には、表示用液晶セル76の液晶層55に入射した光は偏光状態を変化させず液晶層55を出射する。マルチカラーフロントライト66から発せられ、上側1/4波長板54gを出射した右円偏光は、右円偏光のまま液晶層55を出射し、広帯域コレステリックフィルム73で反射される。反射光は右円偏光のまま表示用液晶セル76の液晶層55を透過し、上側1/4波長板54gでy成分が1/4波長遅相を受ける。このため、入射光と同じ偏光成分の直線偏光となり、上側直線偏光板54eで透過され、観察者に視認される。逆に、マルチカラーバックライト56から出射し、エリア分割用液晶セル77でエリアごとに分割されて中央直線偏光板54fを透過した光は、中央1/4波長板54hでx成分が1/4波長進相を受け、左円偏光のまま液晶層を透過し、上側1/4波長板54gで1/4波長遅相を受けるので、中央偏光板の偏光軸を90°回転した直線偏光となり、上側直線偏光板54eで遮光され、観察者に視認されない。
【0156】
表示用液晶セル76への電圧印加時には、表示用液晶セル76の液晶層55の液晶分子の配向状態が変化するため、表示領域の液晶層55に入射した右円偏光は左円偏光となって液晶層55を出射する。また、左円偏光は右円偏光となって液晶層55を出射する。
【0157】
マルチカラーフロントライト66から出射された光は、非表示領域においては、表示用液晶セル76への電圧無印加時と同様に観察者に視認される。表示領域においては、x成分が1/4波長遅相、1/2波長遅相され、左円偏光となって広帯域コレステリックフィルム73を透過し、下側1/4波長板54hで1/4波長進相を受け、下側直線偏光板54fを透過するため、観察者に視認されない。
【0158】
一方、マルチカラーバックライト56から出射し、エリア分割用液晶セル77でエリアごとに分割されて中央直線偏光板54fを透過した光は、中央1/4波長板54h、液晶層55、上側1/4波長板54gで、それぞれ1/4波長進相、1/2波長遅相、1/4波長遅相を受けて、上側直線偏光板54eに入射するため、これを透過し、観察者に視認される。
【0159】
表示用液晶セル76、上側及び中央偏光板54a、54i、広帯域コレステリックフィルム73で構成される液晶素子は、マルチカラーバックライト56から発光される光に対して、ノーマリブラックタイプの液晶素子である。なお、表示用液晶セル76と上側または中央偏光板54a、54iとの間には、視角補償板等の位相差板(位相差フィルム)は使用しなかったが、必要に応じて適宜使用することも可能である。
【0160】
第4の実施例による液晶表示素子の動作は、第1の実施例による液晶表示素子の動作と同様である。したがって、表示用液晶セル76への電圧無印加時においては、表示部の全領域において、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、表示用液晶セル76への電圧印加時には、非表示領域においては、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、表示領域においては、マルチカラーバックライト56から発せられた光が観察者に視認されうることになる。
【0161】
第4の実施例による液晶表示素子も、第1の実施例による液晶表示素子と同様の効果を奏することができる。
【0162】
図7は、第5の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。第4の実施例においては、表示用液晶セル76として垂直配向型の液晶セルを用いた。第5の実施例においては、上側及び中央偏光板54a、54i側にそれぞれ配置したツイストネマチック補償セル(上側セル)70及びツイストネマチック駆動セル(下側セル)71を含んで構成される2層構造のツイストネマチック液晶セルを用いた点において、第4の実施例による液晶表示素子と異なっている。
【0163】
補償セル70及び駆動セル71の液晶層55は、ともに正の誘電率異方性(Δε>0)をもつ同じ液晶材料を用いて形成し、各セル70、71をそれぞれ、左ねじれ角90°、右ねじれ角90°の水平配向型液晶表示素子とした。各セル70、71の液晶層55の厚さ方向の中央における液晶分子配向方向は互いに直交するようにし、また、両セル70、71の液晶層55の厚さは等しくした。本図には、電圧無印加時の液晶分子の配向状態を示してある。両セル70、71の液晶層55のリタデーションは、ともに1波長とした。
【0164】
表示用液晶セル76の表示動作は、駆動セル(下側セル)71への電圧印加のみで行い、補償セル(上側セル)70への通電は行わなかった。
【0165】
補償セル70、駆動セル71、上側及び中央偏光板54a、54i、広帯域コレステリックフィルム73で構成される液晶素子は、マルチカラーバックライト56から発光される光に対して、ノーマリブラックタイプの液晶素子である。
【0166】
第5の実施例による液晶表示素子の動作を説明する。前述のように、補償セル70には通電を行わないため、補償セル70は偏光回転子として機能する。したがって、補償セル70に入射した右円偏光は左円偏光となって補償セル70を出射する。また、左円偏光は右円偏光となって補償セル70を出射する。
【0167】
駆動セル71は、電圧無印加時においては、補償セルと逆の回転方向を示す偏光回転子として機能する。また、電圧印加時においても、非表示領域ではそれと同様である。しかし、表示領域においては電圧無印加時から駆動セル71の液晶分子の配向状態が変化(上側及び下側基板50a、50bにほぼ垂直に配向)し、駆動セル71に入射した光は、偏光状態を変化させることなく駆動セル71から出射する。
【0168】
したがって、駆動セル71への電圧無印加時、及び電圧印加時であっても非表示領域においては、2層構造の液晶セル(補償セル70及び駆動セル71)に入射した光は、右円偏光ならば右円偏光のまま、左円偏光ならば左円偏光のまま、2層構造の液晶セルを出射する。一方、電圧印加時、表示領域においては、右円偏光は左円偏光となって、左円偏光は右円偏光となって、2層構造の液晶セルから出射する。
【0169】
したがって、第5の実施例による液晶表示素子は、第4の実施例による液晶表示素子と同様に動作し、駆動セル71への電圧無印加時においては、表示部の全領域において、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、駆動セル71への電圧印加時には、非表示領域においては、マルチカラーフロントライト66から発せられた光が観察者に視認され、表示領域においては、マルチカラーバックライト56から発せられた光が観察者に視認されうることになる。
【0170】
本願発明者が、様々なねじれ角の液晶セルを検討した結果、補償セル70及び駆動セル71のねじれ角が70°〜240°のとき、第5の実施例による液晶表示素子は、実用上有効に作用することがわかった。
【0171】
なお、補償セル(上側セル)70を、これと同等の光学的機能を有する液晶性ポリマ配向位相差板である(株)ポラテクノ社製のTwistarに置き換えても同様の効果が得られた。
【0172】
以上、実施例に沿って説明したが、本願発明に係る液晶表示素子はこれらの実施例に限定されるものではない。たとえば図4及び図7には、補償セル70の上側及び下側基板50a、50bがそれぞれ上側及び下側透明電極52a、52bを備える液晶表示素子を図示したが、補償セル70に電圧を印加しない場合は、これらは必要ではない。また、実施例においては、補償セル70を上方に、駆動セル71を下方に配置したが、これらの配置は逆でもよい。
【0173】
また、実施例においては、セグメント表示とドット表示をともに行うことのできる液晶表示素子について説明したが、セグメントタイプの液晶表示素子や、フルドットタイプの液晶表示素子であってもよい。
【0174】
また、位相差板(位相差フィルム)は、上側基板50aと上側偏光板54aとの間、下側基板50bと中央偏光板54iとの間の一方または双方に挿入することが可能である。
【0175】
図8(A)及び(B)を参照して、実施例による液晶表示素子の駆動方法について説明する。駆動する液晶表示素子は、たとえば図2〜図7を参照して説明した液晶表示素子である。これらの液晶表示素子は、図2(B)に示すような表示部を備えている。また、分割用液晶セルの上側基板側に、図2(C)に示すようなエリアが画定されている。
【0176】
実施例による駆動方法においては、1フレームを16.7msとし、それぞれ5.57msである3つのSB(SB1〜SB3)に分けた。各SBの最初の3msをブランク期間とし、残りの2.57msを発光期間とした。
【0177】
図8(A)は、表示用液晶セル(表示用液晶セルが2層構造である場合は、駆動セル)の電極への電圧の印加/無印加を示す表である。図2(B)に示すドット88a〜88u及びセグメント89に対応する電極ごとのそれらを示した。図中の「ON」は、SB1〜SB3を通じて電圧を印加したことを示し、「OFF」は、SB1〜SB3を通じて電圧を印加しなかったことを示す。
【0178】
ドット88a〜88uの20個のドットに対応する電極のうち、電圧を印加したのは、ドット88a〜88e、88j、88p、及び88uの8個のドットに対応する電極で、電圧を印加した電極に対応するドットを連ねると「L」字形となる。また、「ST」を表示するセグメント89に対応する電極にも電圧を印加した。「L」字形を形成するドットと、「ST」のセグメントが表示領域となり、残りの表示領域ではないドットと背景領域とが非表示領域となる。
【0179】
図8(B)は、エリア分割用液晶セルへの電圧の印加/無印加、マルチカラーフロントライトの点消灯、及び、マルチカラーバックライトの点消灯についてまとめた表である。
【0180】
エリア分割用液晶セルへの電圧の印加/無印加については、図2(C)に示したエリア86及び87に対応する電極ごとに示した。「エリア分割用液晶セル」の列について「ON」は、該当するSBで対応する電極に電圧を印加したことを示し、「OFF」は、該当するSBで対応する電極に電圧を印加しなかったことを示す。
【0181】
また、マルチカラーフロントライト及びマルチカラーバックライトの列について、「ON」は点灯を示し、「OFF」は消灯を示す。「ON」の隣に点灯色を括弧書きした。また、両ライトの同時点灯は行わなかった。
【0182】
なお、マルチカラーフロントライト、マルチカラーバックライト、及びエリア分割用液晶セルの液晶層のスイッチングは、同期回路を用いて同期させた。これにより、表示部における照明光の混色を避けることができる。
【0183】
SB1の行を参照する。SB1においては、マルチカラーフロントライトから青色の光を出射した。また、マルチカラーバックライトはOFFとし、発光を行わなかった。エリア分割用液晶セルは、エリア86、87の双方について電圧を無印加とした。
【0184】
エリア分割用液晶セルのエリア86、87から光が出射されないため、表示用液晶セルの「L」字形を形成するドット、及び「ST」を表示するセグメントに対応する電極に電圧が印加されていても、それらの部分(表示領域)の表示は行われない。
【0185】
一方、非表示領域には、マルチカラーフロントライトからの青色の光が入射する。
【0186】
SB2の行を参照する。SB2においては、マルチカラーフロントライトはOFFとし、発光を行わなかった。また、マルチカラーバックライトから赤色の光を出射した。エリア分割用液晶セルは、エリア86に対応する電極には電圧を印加し、エリア87については電圧を無印加とした。
【0187】
エリア分割用液晶セルのエリア86からは赤色の光が出射されるが、エリア87からは光が出射されない。また、エリア86は、ドット88a〜88uに対応する電極の形成位置に対応して画定されており、エリア86を出射した光は、ドット88a〜88uの表示に用いられる。このため、電圧の印加されている表示用液晶セルの「L」字形を形成するドットが、エリア86を出射した赤色の光によって表示される。
【0188】
SB3の行を参照する。SB3においては、マルチカラーフロントライトはOFFとし、発光を行わなかった。また、マルチカラーバックライトから黄色の光を出射した。エリア分割用液晶セルは、エリア86に対応する電極には電圧を印加せず、エリア87については電圧を印加した。
【0189】
エリア分割用液晶セルのエリア87からは黄色の光が出射されるが、エリア86からは光が出射されない。また、エリア87は、セグメント89に対応する電極の形成位置に対応して画定されており、エリア87を出射した光は、セグメント89の表示に用いられる。このため、電圧の印加されている表示用液晶セルの「ST」のセグメントが、エリア87を出射した黄色の光によって表示される。
【0190】
本願発明者が、図8(A)及び(B)に示す駆動方法で実施例による各液晶表示素子を駆動したところ、図2(B)に示すような表示部において、ドットによる「L」が赤色で、セグメントによる「ST」が黄色で、またそれ以外の部分(非表示領域)が青色で表示された。
【0191】
実施例による液晶表示素子の駆動方法においては、SB1において、マルチカラーフロントライトを点灯し、非表示領域の表現を行った。また、SB2及びSB3において、マルチカラーバックライト56を点灯し、表示領域の表現を行った。SB1、SB2、及びSB3の点灯色を、それぞれ青、赤、及び黄としたため、非表示領域は青で、表示領域は赤及び黄で表現された。
【0192】
マルチカラーフロントライト及びマルチカラーバックライトからは、任意の色の光を出射することができるため、表示領域、非表示領域ともに、多様な色表示が可能である。また、実施例に見るように、表示領域については、複数色による表示が可能である。たとえば表示領域表現用のSBを3つ設け、各SBでマルチカラーバックライトから異なる色の光を出射すれば、表示領域を3色で表示することができる。したがって表示単位の数によっては、表示単位ごとに異なる色での表示も可能である。
【0193】
なお、表示用液晶セルがノーマリブラックであるため、すべてのSBを通じてマルチカラーフロントライトを消灯することにより背景領域を黒色で表示することができる。また、ある表示単位(たとえばある1つのドット)について、すべてのSBを通じて照明光での表示を行わないように、同期回路を用いて制御することにより、その表示単位を黒色で表示することができる。このため、非表示領域表現用のSBも含め、1フレームをn個のSBに分けたとき、非表示領域色も含め、n+1色での表示が可能である。
【0194】
更に、各表示単位及び背景領域は、高々1つのSBにおいてのみライトからの光で表示が行われるため、カラーブレークを防止することができる。
【0195】
また、図8(A)及び(B)を参照して説明した駆動方法からも理解されるように、表示用液晶セルには、必ずしもライトの発光に高速応答する液晶セルを用いることを要しない。したがってたとえば、単純マトリクス駆動のドット表示セルを採用することができるので、製造コストを低減することができる。
【0196】
一方、エリア分割用液晶セルは、高速応答が求められるため、低デューティであること、特にスタティック駆動を行うことが好ましい。エリア分割用液晶セルは、表示用液晶セルに比べると画素数が少なく構成されるため、スタティック駆動セルとすることは容易である。
【0197】
更に、表示用液晶セル、エリア分割用液晶セル、マルチカラーフロントライト、及び、マルチカラーバックライトがすべて同期していることは必須ではない。
【0198】
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。
【産業上の利用可能性】
【0199】
セグメントタイプ、フルドットタイプ、セグメント表示とドット表示の複合タイプの液晶表示素子、及びその駆動方法として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0200】
【図1】(A)〜(C)は、特願2004−118870号に係る液晶表示装置に関して簡単に説明するための図である。
【図2】(A)〜(C)は、図3〜図7を参照して詳説する実施例による液晶表示素子の概略を説明するための図である。
【図3】第1の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【図4】第2の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【図5】第3の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【図6】第4の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【図7】第5の実施例による液晶表示素子を示す概略的な分解斜視図である。
【図8】(A)及び(B)は、実施例による液晶表示素子の駆動方法について説明するための図である。
【図9】(A)〜(C)は、非表示領域の色調を調整することの可能な液晶表示素子の内部構成例を示す概略的な分解斜視図である。
【図10】(A)及び(B)は、ドット部またはセグメント部の色調を調整することの可能な液晶表示素子の内部構成例を示す概略的な分解斜視図である。
【図11】(A)は、FS駆動を行うことの可能な液晶表示素子の内部構成例を示す概略的な分解斜視図であり、(B)は、液晶表示素子の表示部を示す平面図である。
【図12】FS駆動方式を用いた液晶表示素子における表示制御の一例を示すタイミングチャートである。
【図13】先の提案による液晶駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0201】
30 表示部
31〜37 表示単位
38 背景領域
50a 上側基板
50b 下側基板
51a 上側ガラス基板
51b 下側ガラス基板
52a 上側透明電極
52b 下側透明電極
53a 上側配向膜
53b 下側配向膜
54a 上側偏光板
54b 下側偏光板
54c 上側カラー偏光板
54d 下側カラー偏光板
54e 上側直線偏光板
54f 中央直線偏光板
54g 上側1/4波長板
54h 中央1/4波長板
54i 中央偏光板
55 液晶層
56 マルチカラーバックライト
57 白色バックライト
58 位相差板
59 ブラックマスク
60 エリアカラーフィルタ
60r 赤色部
60g 緑色部
60b 青色部
60w 白色部
66 マルチカラーフロントライト
67 偏光分離透過・反射板
68 電圧印加手段
69 D−BEF
70 補償セル
71 駆動セル
72 位相差板
73 広帯域コレステリックフィルム
75 バックライト同期駆動回路
76 表示用液晶セル
77 エリア分割用液晶セル
78同期回路
81〜87 エリア
88a〜88u ドット
89 セグメント
90 背景領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定形状の第1の電極を備えた第1の基板と、
前記第1の基板と略平行に配置された、所定形状の第2の電極を備えた第2の基板であって、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向する位置に表示を行う、第1及び第2の表示単位を含む複数の表示単位が画定され、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向しない位置に背景領域が画定される第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することで、配向状態を切り替えることのできる液晶層と、
前記第1の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された第1の偏光板と、
前記第1の偏光板の前記第1の基板が配置された側とは反対側に配置された第1の光源と、
前記第2の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された、偏光状態にしたがって入射光を透過させ、または反射する透過・反射板と、
前記透過・反射板の前記第2の基板が配置された側とは反対側に配置された第2の偏光板と、
前記第2の偏光板の前記透過・反射板が配置された側とは反対側に配置され、出射した光でそれぞれ前記第1及び第2の表示単位の表示を行うことのできる第1及び第2の出射口を備える第2の光源と、
前記第1の電極と前記第2の電極間に電圧を印加することのできる電圧印加手段と、
1つの画像を表示する期間を1フレームとするとき、1フレームを複数のサブフレームに時分割し、各サブフレーム内で前記第1または第2の光源を発光させることのできる制御回路と
を有し、
前記透過・反射板は、前記第1の偏光板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過する偏光状態の光を反射し、前記第2の偏光板を透過する偏光状態の光を透過させ、
前記第2の偏光板、前記透過・反射板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過した光は、前記第1の偏光板で遮光される、前記第2の光源から出射される光に対してノーマリブラックタイプの液晶表示素子。
【請求項2】
前記第1または第2の光源は、複数色の光を選択的に出射することができる請求項1に記載の液晶表示素子。
【請求項3】
前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板が、それぞれ第1の方向、及び、前記第1の方向と直交する第2の方向に透過軸を有する直線偏光板である請求項1または2に記載の液晶表示素子。
【請求項4】
前記透過・反射板の反射軸の方向と前記第1の方向とが平行な方向である請求項3に記載の液晶表示素子。
【請求項5】
前記第1の偏光板が右円偏光を透過する円偏光板であり、前記第2の偏光板が左円偏光を透過する円偏光板である、または、前記第1の偏光板が左円偏光を透過する円偏光板であり、前記第2の偏光板が右円偏光を透過する円偏光板である請求項1または2に記載の液晶表示素子。
【請求項6】
前記第1及び第2の偏光板が、それぞれ直線偏光板と1/4波長板を含んで構成される請求項5に記載の液晶表示素子。
【請求項7】
前記液晶層は、電圧無印加状態で前記第1の基板と前記第2の基板との間に垂直配向して挟持される請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
【請求項8】
更に、前記第2の基板と前記透過・反射板との間、または前記第1の基板と前記第1の偏光板との間に配置された補償液晶層を含み、
前記液晶層及び前記補償液晶層は、電圧無印加状態で相互に逆方向にねじれ水平配向する液晶分子を含み、
前記液晶層の厚さ方向の中央に位置する液晶分子の配向方向と、前記補償液晶層の厚さ方向の中央に位置する液晶分子の配向方向とが直交し、
前記液晶層と前記補償液晶層とのリタデーションが等しい
請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
【請求項9】
前記液晶層と前記補償液晶層の液晶分子のねじれ角が70°〜240°である請求項8に記載の液晶表示素子。
【請求項10】
更に、前記第1の基板と前記第1の偏光板との間、または、前記第2の基板と前記第2の偏光板との間に配置された位相差板を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
【請求項11】
前記第2の光源は、発光装置と、前記発光装置で発光された光が入射する液晶セルを含み、
前記液晶セルは、
所定形状の第3の電極を備えた第3の基板と、
前記第3の基板と略平行に配置された、所定形状の第4の電極を備えた第4の基板であって、前記第3の電極と前記第4の電極とが対向する位置に前記第1の出射口及び第2の出射口を含む出射口が画定される第4の基板と、
前記第3の基板と前記第4の基板との間に挟持された液晶層と
を含んで構成される請求項1〜10のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
【請求項12】
前記制御回路が、前記発光装置の発光と、前記第3及び第4の基板間の前記液晶層の配向状態の切り替えとを同期させる請求項11に記載の液晶表示素子。
【請求項13】
前記制御回路が、あるサブフレームにおいて、前記第1の光源から出射された光で表示を行い、他のサブフレームにおいて、前記第2の光源から出射された光で表示を行い、かつ、前記表示単位の各々は、1フレームでは高々1つのサブフレームにおいて、前記第1または第2の光源から出射された光で表示が行われるように、前記第1の光源の発光、及び、前記第2の光源の発光を制御する請求項1〜12のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
【請求項14】
前記制御回路が、前記第1または第2の光源が、1フレーム中のすべてのサブフレームにおいて、相互に異なる色の光を発光するように制御する請求項1〜13のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
【請求項15】
所定形状の第1の電極を備えた第1の基板と、前記第1の基板と略平行に配置された、所定形状の第2の電極を備えた第2の基板であって、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向する位置に表示を行う、第1及び第2の表示単位を含む複数の表示単位が画定され、前記第1の電極と前記第2の電極とが対向しない位置に背景領域が画定される第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置され、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することで、配向状態を切り替えることのできる液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された第1の偏光板と、前記第1の偏光板の前記第1の基板が配置された側とは反対側に配置された第1の光源と、前記第2の基板の前記液晶層が配置された側とは反対側に配置された、偏光状態にしたがって入射光を透過させ、または反射する透過・反射板と、前記透過・反射板の前記第2の基板が配置された側とは反対側に配置された第2の偏光板と、前記第2の偏光板の前記透過・反射板が配置された側とは反対側に配置され、出射した光でそれぞれ前記第1及び第2の表示単位の表示を行うことのできる第1及び第2の出射口を備える第2の光源と、前記第1の電極と前記第2の電極間に電圧を印加することのできる電圧印加手段と、1つの画像を表示する期間を1フレームとするとき、1フレームを複数のサブフレームに時分割し、各サブフレーム内で前記第1または第2の光源を発光させることのできる制御回路とを有し、 前記透過・反射板は、前記第1の偏光板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過する偏光状態の光を反射し、前記第2の偏光板を透過する偏光状態の光を透過させ、前記第2の偏光板、前記透過・反射板、及び電圧無印加時の前記液晶層を透過した光は、前記第1の偏光板で遮光される、前記第2の光源から出射される光に対してノーマリブラックタイプの液晶表示素子の駆動方法であって、
あるサブフレームにおいて、前記第1の光源から出射された光で表示を行う工程と、
他のサブフレームにおいて、前記第2の光源から出射された光で表示を行う工程と
を含み、前記表示単位の各々は、1フレームでは高々1つのサブフレームにおいて、前記第1または第2の光源から出射された光で表示が行われる液晶表示素子の駆動方法。
【請求項16】
前記制御回路が、前記第1または第2の光源が、1フレーム中のすべてのサブフレームにおいて、相互に異なる色の光を発光するように制御する請求項15に記載の液晶表示素子の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−199158(P2007−199158A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−14928(P2006−14928)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】