液晶表示装置の駆動方法
【課題】色順次走査において、フリッカーの発生を低減させる。
【解決手段】フレーム期間をフィールド期間R-f、G-f、B-fに分けるとともに、さらに各フィールド期間を2つのサブフィールド期間に分ける。例えばフィールド期間R-fは、サブフィールド期間R-sf1、R-sf2に分ける。サブフィールド期間R-s f1では、光源による光の照射を停止させ、奇数行の走査線と、それに隣接する偶数行の走査線とを順番に選択するとともに、各選択時では、奇数行の走査線に対応し、かつ、R成分の階調に対応したデータ信号をデータ線に供給して、選択した2行に書き込み、サブフィールド期間R-sf2では、RのLED11Rを発光させ、偶数行の走査線を順番に選択するとともに、各選択時では、偶数行の走査線に対応し、かつ、R成分の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して選択した偶数行に書き込む。
【解決手段】フレーム期間をフィールド期間R-f、G-f、B-fに分けるとともに、さらに各フィールド期間を2つのサブフィールド期間に分ける。例えばフィールド期間R-fは、サブフィールド期間R-sf1、R-sf2に分ける。サブフィールド期間R-s f1では、光源による光の照射を停止させ、奇数行の走査線と、それに隣接する偶数行の走査線とを順番に選択するとともに、各選択時では、奇数行の走査線に対応し、かつ、R成分の階調に対応したデータ信号をデータ線に供給して、選択した2行に書き込み、サブフィールド期間R-sf2では、RのLED11Rを発光させ、偶数行の走査線を順番に選択するとともに、各選択時では、偶数行の走査線に対応し、かつ、R成分の階調に対応したデータ信号を、データ線を介して選択した偶数行に書き込む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる色順次走査の液晶表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、色順次走査では、1コマのカラー画像を形成するためのフレーム期間を、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの原色に対応するフィールド期間に分割し、各フィールド期間において、原色成分の階調(明るさ)に応じた情報(例えば電圧)を表示パネルの画素に書き込んで、当該原色の光を表示パネルに照射する構成となっている(特許文献1参照)。このような色順次走査では、表示素子にカラーフィルター等を設けなくて済むほか、1画素をR、G、Bのサブ画素に分割しなくて済むので、高精細化が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−237606号公報(段落0043、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、色順次走査では、フレーム期間をフィールド期間に分割するため、画素への書込期間が短くなる。このため、画素に液晶素子を用いる構成では、書込特性などがばらつきやすくなるので、フリッカーが発生する大きな要因となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、色順次走査において、フリッカーの発生を低減させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る液晶表示装置の駆動方法は、互いに異なる複数の色の光を色毎に照射することが可能な光源と、複数の走査線と複数のデータ線と、一の前記走査線と一の前記データ線との交点に対応して設けられたスイッチングトランジスタを介してデータ信号が供給される液晶素子と、を備えた液晶表示装置の駆動方法であって、フレーム期間を複数のフィールド期間に分けるとともに、該フィールド期間をさらに第1サブフィールド期間と第2サブフィールド期間とに分け、複数の前記走査線をN本(Nは2以上の整数)の走査線からなる複数の組に分けるとともに、該組毎に第1の走査線を定め、前記第1フィールド期間の前記第1サブフィールド期間では、前記光源の光照射を停止させ、複数の前記組を所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した組の走査線のうち前記第1の走査線に対応するデータ信号を、当該組の複数の走査線に対応する液晶素子に供給し、前記第1フィールド期間の前記第2サブフィールド期間では、前記光源が前記複数の色のうち前記第1フィールド期間に対応する第1の色の光を複数の前記液晶素子に照射するように制御し、複数の前記走査線のうち複数の前記組毎に定めた前記第1の走査線以外の走査線を、所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した走査線に対応するデータ信号を当該走査線に対応する液晶素子に供給し、前記データ信号の電圧は、予め定められた基準電圧に対して高位側の正極性または低位側の負極性のいずれかであって、一の前記フレーム期間において、一の前記組の走査線のうち一部の走査線に対応する前記液晶素子には、前記一部の走査線を選択するごとに正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とを交互に供給し、他の走査線に対応する前記液晶素子には、互いに同一極性の前記データ信号を少なくとも2回連続して供給することを特徴とする。本発明によれば、第1サブフィールド期間において同極性電圧がすでに書き込まれた後に、第2サブフィールド期間において書き込みが実行されるので、書込特性が向上する。このため、色順次走査においてフリッカーの発生を低減させることが可能となる。
【0006】
本発明において、前記組は、互いに隣り合う一対の奇数行の走査線と偶数行の走査線とからなり、一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記一対の走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、前記第1の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、前記第2の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、一の前記フィールド期間の前記第1サブフィールド期間にて前記第2の走査線に対応する前記液晶素子に供給したデータ信号と同一極性のデータ信号を、前記一のフィールド期間の前記第2サブフィールド期間にて当該液晶素子に供給しても良いし、一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、前記第1の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、前記第2の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、前記一の組の前記一対の走査線に対応する液晶素子に対し、互いに同一極性のデータ信号を、前記一のフレーム期間における複数の前記フィールド期間各々の前記第1サブフィールド期間に供給しても良い。
また、前記一の組において、連続する第1のフレーム期間および第2のフレーム期間のうち、前記第1のフレーム期間では、前記奇数行の走査線を前記第1の走査線とし、前記第2のフレーム期間では、前記偶数行の走査線を前記第1の走査線とすれば、奇数行および偶数行の表示品位を揃えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】液晶表示装置を適用したプロジェクターの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同液晶表示装置における画素の等価回路を示す図である。
【図4】同液晶表示装置における走査線駆動回路を示す図である。
【図5】同走査線駆動回路の動作を示す図である。
【図6】同液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】同液晶表示装置の画面を示す図である。
【図8】同実施形態に係る液晶表示装置の別動作を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る液晶表示装置の動作を示す図である。
【図10】同液晶表示装置の画面を示す図である。
【図11】同実施形態に係る液晶表示装置の別動作を示す図である。
【図12】比較例に係る液晶表示装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法について説明する。図1は、この液晶表示装置の駆動方法を適用したプロジェクターの光学的な構成を示す平面図である。
この図において、LED11Rは、ダイクロイックプリズム13の中心からみて12時の方向に位置し、図において下方に向けてR(赤)の光を放つ発光ダイオードである。LED11Rにより放たれたRの光は、コリメーターレンズ12Rによって、ほぼ平行な光束となる。同様に、LED11G、11Bは、それぞれ9時、6時の方向に位置し、図において右方、上方に向けてG(緑)、B(青)の光を放つ発光ダイオードである。LED11G、11Bにより放たれたG、Bの光についても、それぞれコリメーターレンズ12G、12Bによって、ほぼ平行な光束となる。
【0009】
ダイクロイックプリズム13は、互いに直交するダイクロイック面13R、13Bを有する。このうち、ダイクロイック面13Rは、12時の方向から入射したRの光を反射して3時の方向に出射し、ダイクロイック面13Bは、6時の方向から入射したBの光を反射して3時の方向に出射する。一方、9時の方向から入射したGの光は、ダイクロイック面13R、13Bを透過し、そのまま3時の方向に出射する。
【0010】
ダイクロイックプリズム13の出射面には、液晶表示パネル100が配置する。この液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス型の透過型であり、画素毎に透過率を変調した透過像を生成する。投射レンズ群14は、液晶表示パネル100による透過像をスクリーン200に拡大投射する光学系である。
【0011】
次に、プロジェクター1における液晶表示装置10について説明する。図2は、液晶表示装置10の電気的な構成を示すブロックである。
この図に示されるように、液晶表示装置10は、光源11、制御回路20、フレームメモリー30、光源駆動回路40および液晶表示パネル100により構成される。
この液晶表示装置10には、映像データVdが図示省略した上位装置から各種の同期信号Syncにしたがって供給される。詳細には、映像データVdは、表示画像の各画素におけるRGBの色成分の明るさ(階調)をそれぞれ指定するデジタルデータであり、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号、水平走査信号およびドットクロック信号(いずれも図示省略)にしたがって走査される画素の順で供給される。
【0012】
制御回路20は、上記同期信号Syncに基づいて各部を制御する。例えば、制御回路20は、同期信号Syncにしたがって供給される映像データVdを一旦フレームメモリー30に記憶した後、フィールド期間に対応する色成分のデータを、後述するように当該フレームメモリー30から読み出し、映像データVsとして出力させる。光源駆動回路40は、光源11を構成するLED11R、11G、11Bの各々を、それぞれ制御回路20による指示にしたがって点灯および消灯させるものである。
【0013】
液晶表示パネル100では、例えば480行の走査線112が図において横方向に延在し、また、640列のデータ線114が図において縦方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられるとともに、これらの走査線112とデータ線114との交点のそれぞれに対応して、画素110がそれぞれ配設されている。したがって、本実施形態において、画素110は、縦480行×横640列のマトリクス状に配列することになる。ここで、画素110の配列領域が表示領域100aである。
なお、便宜的に走査線112を区別するために、以下の説明では図において上から順に1、2、3、…、480行目という呼び方をする場合がある。同様に、データ線114を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、640列目という呼び方をする場合がある。
【0014】
走査線駆動回路130は、制御回路20による制御にしたがって1、2、3、…、480行目の走査線112に、選択電圧に相当するHレベル、または、非選択電圧に相当するLレベルのいずれかである走査信号G1、G2、G3、…、G480を供給するものであるが、詳細については後述する。また、走査線に供給される走査信号が選択電圧(Hレベル)となる状態を、当該走査線が選択された、と言う場合がある。
データ線駆動回路140は、フレームメモリー30から読み出された映像データVsを、制御回路20によって指定された書き込み極性のデータ信号に変換して、1〜640列のデータ線114にそれぞれ供給するものである。なお、1、2、3、…、640列目のデータ線114に供給されるデータ信号を、図2において、それぞれd1、d2、d3、…、d640と表記している。
【0015】
画素110について図3を参照して説明する。この図に示されるように、画素110においては、nチャネル型の薄膜トランジスター(thin film transistor:以下「TFT」と略称する)116のソース電極がデータ線114に接続されるとともに、ドレイン電極が画素電極118に接続される一方、ゲート電極が走査線112に接続されている。
画素電極118は、画素毎に設けられるのに対して、コモン電極108は、画素電極118のすべてに対向するように全画素に対して共通に設けられる。なお、このコモン電極108には、図示省略した電源回路によって電圧LCcomが印加される。
コモン電極108と画素電極118との間に液晶105が挟持され、これにより液晶素子120が構成される。このため、画素110毎に、画素電極118、コモン電極108および液晶105からなる液晶素子120が設けられることになる。
このような構成の液晶素子120は、コモン電極108および画素電極118の間で容量性によって電圧を保持するとともに、保持した電圧の実効値に応じた透過率となる。
【0016】
次に、液晶表示装置10におけるフレームの構成について図6を参照して説明する。
この図に示されるように、液晶表示装置10では、フレーム期間が、RGBのそれぞれに対応したフィールド期間R-f、G-f、B-fに3分割される。このうち、フィールド期間R-fは、さらに時間的に前のサブフィールド期間(第1サブフィールド期間)R-sf1と、時間的に後のサブフィールド期間(第2サブフィールド期間)R-sf2と、それ以外の帰線期間とに分けられる。同様に、フィールド期間G-f(B-f)についても、2つのサブフィールド期間G-sf1、G-sf2(B-sf1、B-sf2)と、それ以外の帰線期間とに、それぞれ分けられる。
【0017】
ここで、フレーム期間とは、液晶表示パネル100や光源11を駆動することによって、カラー画像の1コマ分を表示させるために要する期間をいい、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号の周波数が60Hzであれば、その逆数である16.7ミリ秒である。垂直走査信号で規定される垂直走査期間と、液晶表示パネル100を駆動するためのフレーム期間とは、期間長でみれば同一ある。ただし、本実施形態では、同期信号Syncに同期して供給される映像データVdを、一旦、フレームメモリー30に記憶した後に読み出すとともに、この読み出しに合わせて液晶表示パネル100等を駆動するので、ある画像の1コマ分を表示するためのフレーム期間は、当該画像を規定する映像データVdが供給される垂直走査期間よりも時間的に遅延した関係にある。
【0018】
なお、書き込み極性については、データ信号の電圧を、振幅中心である基準電圧に対して高位側とするときを正極性とし、低位側とするときを負極性としており、制御回路20がデータ線駆動回路140に対して極性指定信号Frpによって指定する。
本実施形態では、図6に示されるように、奇数フレーム期間のうち、フィールド期間R-f、B-fにて正極性が、フィールド期間G-fにて負極性が、それぞれ指定され、続く偶数フレーム期間のうち、フィールド期間G-fにて正極性が、フィールド期間R-f、B-fにて負極性が、それぞれ指定される。
電圧については、液晶素子において印加・保持される電圧を除き、図示省略した電源の接地電位を電圧ゼロの基準としている。また、コモン電極108に印加される電圧LCcomは、TFT116によるフィールドスルーを考慮して、データ信号の振幅中心である基準電圧に対して若干低位となるように設定してある。
【0019】
次に、このようなフレームの構成に合わせて走査線を走査する走査線駆動回路130の構成について図4を参照し説明する。
この図に示されるように、走査線駆動回路130は、シフトレジスタ131、奇数(1、3、5、…、479)行に対応するAND回路133および偶数(2、4、6、…、480)行に対応するAND回路134を有する。
このうち、シフトレジスタ131は、走査線数「480」の半分である240段の単位回路132を、ある段の単位回路からの出力信号を次段の単位回路の入力信号とするように縦続接続した構成としたものであるが、初段である1段目の単位回路132には、入力信号として、制御回路20からスタートパルスDyが供給される。
ここで、各段の単位回路132は、制御回路20から供給されるクロック信号Clyの半周期だけ入力信号を遅延させた信号と、当該入力信号と、の論理積信号を出力信号とするものである。
【0020】
各段の単位回路132による出力信号は、それぞれ2分岐されて、AND回路133の入力端の一方と偶数行に対応するAND回路134の入力端の一方とに供給される。AND回路133の他方の入力端には、それぞれ制御回路20からイネーブル信号Enb-1が供給され、AND回路134の他方の入力端には、それぞれ制御回路20からイネーブル信号Enb-2が供給される。そして、奇数の1、3、5、…、479行目のAND回路133による論理積信号が、それぞれ走査信号G1、G3、G5、…、G479として、また、偶数の2、4、6、…、480行目のAND回路134による論理積信号が、それぞれ走査信号G2、G4、G6、…、G480として、それぞれ走査線112に供給される。
【0021】
図5に示されるように、クロック信号Clyは、デューティ比が50%のパルス信号であって、1つのサブフィールド期間において、走査線数「480」の1/4である120周期となる信号である。また、スタートパルスDyは、クロック信号Clyの1周期分の幅を有し、同図に示されるように、サブフィールド期間が開始するタイミングよりもクロック信号Clyの半周期分だけ先んじたタイミングにて供給される。
1段目の単位回路132から出力される信号Sr1は、スタートパルスDyと当該スタートパルスDyをクロック信号Clyの半周期だけ遅延させた信号との論理積となるので、当該スタートパルスDyの後半部分となり、以下2、3、4、…、240段目の単位回路132から出力される信号Sr2、Sr3、Sr3、…、Sr240は、当該信号Sr1をクロック信号Clyの半周期ずつ順番に遅延させた関係となる。
【0022】
次に、液晶表示装置10における表示動作について図6を参照して説明する。
奇数フレーム期間におけるフィールド期間R-fのうち、1回目のサブフィールド期間R-sf1において、制御回路20は、次のように各部を制御する。
まず、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf1において、光源11に対し、すべてのLEDを消灯させるように光源駆動回路40に指示するとともに、極性指定信号Frpによって正極性を指定する。
また、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf1において、イネーブル信号Enb-1、Enb-2をともにHレベルとする。このため、シフトレジスタ131における各段の転送回路132の出力信号が、そのまま走査信号として出力される。詳細には、1段目の転送回路132の出力信号Sr1が走査信号G1、G2として、2段目の転送回路132の出力信号Sr2が走査信号G3、G4として、3段目の転送回路132の出力信号Sr3が走査信号G5、G6として、以下同様にして240段目の転送回路132の出力信号Sr240が走査信号G479、G480として、それぞれ出力される。このため、サブフィールド期間R-sf1においては、1・2行目、3・4行目、5・6行目、…、479・480行目というように、奇数行および当該奇数行に続く偶数行が2行ずつ順番に同時にHレベルとなる。
【0023】
一方、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf1において、フレームメモリー30およびデータ線駆動回路140を、次のように制御する。すなわち、制御回路20は、奇数行と偶数行との2行への走査信号が同時にHレベルとなる前に、当該2行のうち、奇数行の走査線112に位置する1〜640列のR成分の映像データVsをフレームメモリー30から読み出して、データ線駆動回路140に転送するとともに、データ線駆動回路140に対して、当該1〜640列のR成分の映像データVsを正極性のデータ信号に変換し、奇数行と偶数行との走査信号が同時にHレベルとなったときに、1〜640列のデータ線114に一斉に出力させるように制御する。
この制御により、データ線駆動回路140は、走査信号がHレベルとなる奇数行および偶数行のうち、奇数行に位置する画素行のデータ信号d1、d2、d3、…、d640(すなわち、R成分の階調に応じた正極性のデータ信号)を、1、2、3、…、640列目のデータ線114にそれぞれ出力する。
【0024】
奇数行および偶数行の走査信号が同時にHレベルとなったとき、当該2行の走査線112に位置する画素110のTFT116がオンするので、ある1列のデータ線114に着目したとき、映像データのうちのR成分に基づく正極性のデータ信号が、当該2行と着目列のデータ線114との交点に対応した2画素の画素電極118にそれぞれ印加されて、書き込まれる。
この動作は、1〜640列の液晶素子120にわたって実行され、さらに、1・2行目、3・4行目、5.6行目、…、479・480行目というように2行ずつ、順番で実行される。これにより、サブフィールド期間R-sf1の終了時では、奇数行と、この下方の偶数行とにおいて、列毎に、液晶素子が同じ透過率となる。
ただし、1回目のサブフィールド期間R-sf1では、光源11におけるすべてのLEDが消灯している。このため、サブフィールド期間R-sf1の書き込みによる表示状態が、サブフィールド期間R-sf1において観察者によって視認されることはない。
【0025】
次に、奇数フレーム期間におけるフィールド期間R-fのうち、2回目のサブフィールド期間R-sf2において、制御回路20は、次のように各部を制御する。
制御回路20は、サブフィールド期間R-sf2において、光源11に対し、RのLED11Rだけを点灯させるように光源駆動回路40に指示するとともに、極性指定信号Frpによる書き込み極性の指定を正極性に維持する。
また、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf2において、イネーブル信号Enb-1をLレベルに切り替えるが、イネーブル信号Enb-2についてはHレベルに維持する。このため、各段の転送回路132の出力信号は、偶数行については、そのまま走査信号として出力されるが、奇数行については、AND回路133によって強制的にLレベルに置換される。このため、サブフィールド期間R-sf2においては、2、4、6、…、480行目というように偶数行だけが順番にHレベルとなる。
【0026】
一方、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf2において、フレームメモリー30およびデータ線駆動回路140を、次のように制御する。すなわち、制御回路20は、偶数行の走査信号がHレベルとなる前に、その偶数行の走査線112に位置する1〜640列のR成分の映像データVsをフレームメモリー30から読み出して、データ線駆動回路140に転送するとともに、データ線駆動回路140に対して、当該1〜640列のR成分の映像データを正極性のデータ信号に変換し、偶数行への走査信号がHレベルとなったときに、1〜640列のデータ線114に一斉に出力させるように制御する。
これにより、データ線駆動回路140は、Hレベルとなる偶数行に位置する画素のデータ信号d1、d2、d3、…、d640を、すなわち、R成分の階調に応じた正極性のデータ信号を、対応するデータ線114にそれぞれ出力する。
【0027】
偶数行の走査線112への走査信号がHレベルとなったとき、ある1列のデータ線114に着目したとき、当該着目列のデータ信号の電圧が、当該偶数行と着目列との交点に対応した画素の画素電極118に印加されて、書き込まれる。この動作は、1〜640列の液晶素子120にわたって実行され、さらに、2、4、6、…、480行目というように順番に実行される。なお、2回目のサブフィールド期間R-sf2では、奇数行の液晶素子に対し書き込みが実行されないので、1回目のサブフィールド期間R-sf1で書き込まれた電圧に保持される。
したがって、Rのフィールド期間においてサブフィールド期間R-sf2の終了時では、奇数行では、サブフィールド期間R-sf1での書き込みによる階調に保持される一方、偶数行では、サブフィールド期間R-sf2による2回目の書き込みによる階調となる。
Rのフィールド期間R-fのうち、2回目のサブフィールド期間R-sf2が終了してから、次のGのフィールド期間G-fが開始するまでの帰線期間においても、制御回路20は、RのLED11Rを発光し続けるように制御する。
【0028】
2回目のサブフィールド期間R-sf2では、RのLED11Rが発光しているので、偶数行については、書き込みがなされるまでは、1回目のサブフィールド期間R-sf1での書き込みによる階調を保持し、2回目のサブフィールド期間R-sf2での書き込みによって本来の階調となる。このため、上の行ほど本来の階調で視認される時間的な割合が高くなり、下の行となるにつれて、本来の階調で視認される割合が低くなる。ただし、平均的にみれば、偶数行において本来の階調で視認される割合は、おおよそ半分となり、もともと奇数行では、1回目のサブフィールド期間R-sf1で書き込みが完了して、本来の階調で視認されるので、解像度の低下は余り問題とならない。
このようにして、サブフィールド期間R-sf2および直後の帰線期間にわたって、フルカラー画像のうち、R成分の画像が観察者に視認されることになる。
【0029】
次に、Gのフィールド期間G-fについて説明する。
Rのフィールド期間R-fは、R成分の映像データVsに基づくデータ信号を書き込む動作であったが、このGのフィールド期間G-fは、G成分の映像データVsに基づくデータ信号を書き込む動作であり、図6に示されるように書き込み極性が負極性に反転する点、および、光源11のうち、LED11Gが2回目のサブフィールド期間以降において発光する点以外、Rのフィールド期間R-fと同様な動作となる。
したがって、Gのフィールド期間G-fのうち、1回目のサブフィールド期間G-sf1では、すべてのLEDが消灯し、奇数および偶数行の走査線112への走査信号が2行ずつ上から順番にHレベルとなり、2行のうち、奇数行に位置する画素の映像データに基づいたG成分の階調に応じた負極性のデータ信号が当該奇数行および当該奇数行の下に隣接する偶数行の液晶素子に書き込まれ、続く、2回目のサブフィールド期間G-sf2では、GのLED11Gだけが発光するとともに、偶数行の走査線112への走査信号だけが上から順番にHレベルとなり、Hレベルとされた偶数行において、G成分の階調に応じた負極性のデータ信号が書き込まれる。
これにより、Gのサブフィールド期間G-sf2および直後の帰線期間にわたって、フルカラー画像のうち、G成分の画像が観察者に視認されることになる。
【0030】
続く、Bのフィールド期間B-fについては、B成分の映像データVsに基づくデータ信号を書き込む動作であり、図6に示されるように、書き込み極性が再び正極性となるので、光源11のうち、LED11Bが2回目のサブフィールド期間以降において発光する点以外、Rのフィールド期間R-fと同様な動作となる。
したがって、Bのフィールド期間B-fのうち、1回目のサブフィールド期間B-sf1では、すべてのLEDが消灯し、奇数および偶数行の走査線112への走査信号が2行ずつ上から順番にHレベルとなり、2行のうち、奇数行に位置する画素の映像データに基づいたB成分の階調に応じた正極性のデータ信号が当該奇数行および当該奇数行の下に隣接する偶数行の液晶素子に書き込まれ、続く、2回目のサブフィールド期間B-sf2では、BのLED11Bだけが発光するとともに、偶数行の走査線112への走査信号だけが上から順番にHレベルとなり、Hレベルとされた偶数行の画素行において、B成分の階調に応じた正極性のデータ信号が書き込まれる。
これにより、Bのサブフィールド期間B-sf2および直後の帰線期間にわたって、フルカラー画像のうち、B成分の画像が観察者に視認されることになる。
【0031】
このように、フィールド期間R-f、G-f、B-fで、それぞれR成分、G成分、B成分の原色画像が作成されるので、1フレーム期間でみれば、フルカラー画像に合成されて観察者に視認されることになる。
なお、偶数フレーム期間では、各フィールド期間において書き込み極性が反転する。詳細には、偶数フレーム期間のうち、フィールド期間R-f、B-fでは負極性に、フィールド期間G-fでは正極性に、それぞれ書き込み極性が反転する。これにより、奇数および偶数フレーム期間の2フレーム期間を単位としてみたときに、液晶素子120が交流駆動されるので、直流成分の印加が回避される。
【0032】
さらに、本実施形態では、各色のフィールド期間毎に書き込み極性が反転している。詳細には、奇数フレーム期間において、フィールド期間R-fで視認されるR成分の画像は、図7(a)に示されるように全画素正極性であり、次のフィールド期間G-fで視認されるG成分の画像は、図7(b)に示されるように全画素負極性であり、フィールド期間B-fで視認されるB成分の画像は、図7(a)に示されるように全画素正極性である。続く偶数フレーム期間において、フィールド期間R-fで視認されるR成分の画像は、図7(b)に示されるように全画素負極性であり、フィールド期間G-fでは、図7(a)に示されるように全画素正極性であり、フィールド期間B-fでは、図7(b)に示されるように全画素負極性である。そして以下、このような奇数フレーム期間と偶数フレーム期間との繰り返しである。このため、本実施形態では、ディスクリネーションの発生が抑えられて高品位な表示が可能となる。
【0033】
ところで、図12に示されるように、フレーム期間をフィールド期間R-f、G-f、B-fに分割するとともに、各フィールド期間において走査信号を1行ずつ順番にHレベルとすることによって、原色成分の画像を書き込む方法では、1〜480行目の走査線に対する書込期間が終了した後の帰線期間において、対応する色のLEDを発光させなければならないので、発光期間を長くすることができない。このため、画面の明るさを確保するためには、光源として高輝度タイプのLEDを採用する必要があり、高コスト化等を招く。
これに対して、本実施形態では、1回目のサブフィールド期間R-f、G-f、B-fにおいて走査線への走査信号を2行ずつ同時にHレベルとしているので、書き込みに要する書込期間を、1行ずつ走査線を選択する方式(図12参照)と比較すると、おおよそ半分に短縮化することができる。そして、この短縮により確保した2回目のサブフィールド期間以降において、対応する色のLEDを発光させているので、光源に高輝度タイプの用いなくても画面を明るくすることができるとともに、偶数行の書きこみをしているので、解像度の低下を認識させないで済ませることが可能となる。
【0034】
さらに、本実施形態では、偶数行において、本来の階調に応じた電圧が書き込まれる2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)の前に、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において、すでに同極性であって隣接する画素の電圧が書き込まれているので、液晶素子120に対する書き込み特性が向上する。このため、本実施形態では、書込特性のばらつきが抑制されるので、フリッカーの発生が抑えられるだけでなく、直流成分の印加が防止されて、液晶表示パネル100の長寿命化を図ることも可能となる。
なお、上記実施形態において奇数行・偶数行における書き込みの関係を、逆転させても良い。
【0035】
ところで、上述した第1実施形態では、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)おいて2行に書き込まれるデータ信号は、奇数行のものであり、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において、対応する色のLEDを発光させるとともに、順次Hレベルとする偶数行の画素に対して、同色成分のデータ信号を書き込む構成とした。この関係を固定化すると、常に、偶数行の画素は、奇数行の画素よりも品位が劣ってしまうことになる。
そこで、図8に示されるように、奇数フレーム期間では、図6に示した実施形態と同様とし、続く偶数フレーム期間では、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において2行に書き込まれるデータ信号を、偶数行のものとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において、奇数行だけを順番にHレベルとして、奇数行のデータ信号を書き込んでも良い。
そのために、制御回路20は、偶数フレーム期間において、イネーブル信号Enb-1についてはHレベルに維持する一方、イネーブル信号Enb-2については、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)においてHレベルとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)においてLレベルとする。これにより、走査線駆動回路130は、偶数フレーム期間において、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)おいて奇数行およびこれに続く偶数行の2行を順番にHレベルとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf 2、G-sf2、B-sf2)において、奇数行だけを順番にHレベルとするような走査信号G1〜G480を出力することになる。
【0036】
図8に示すような駆動方法によれば、図6に示した実施形態と比較して、奇数行と偶数行との表示品位に差がなくなるので、表示品位のさらなる向上が可能となる。また、書込特性が向上する画素行も奇数行に固定化されることなく、奇数行および偶数行で交互に切り替えられるので、フリッカーの発生が抑えられるだけでなく、液晶表示パネル100の全体の長寿命化を図ることも可能となる。
【0037】
次に、フリッカーのさらなる低減を図った第2実施形態について説明する。第2実施形態は、極性指定信号Frpによって指定される書き込み極性の反転周期を、図9に示されるように変更したものである。詳細には、同図に示されるように、奇数フレーム期間のうち、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において正極性を、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において負極性をそれぞれ指定し、偶数フレーム期間のうち、1回目のサブフィールド期間において負極性を、2回目のサブフィールド期間において正極性をそれぞれ指定するように変更したものである。
【0038】
このように書き込み極性を変更すると、奇数フレーム期間のうち、サブフィールド期間R-fでは、1回目のサブフィールド期間R-sf1において、奇数行と、当該奇数行と下方に隣接する偶数行との画素が正極性となるが、2回目のサブフィールド期間R-sf2において、偶数行だけが負極性に書き直される。このため、フィールド期間R-fで視認されるR成分の画像は、図10(a)に示されるように奇数行が正極性となり、偶数行が負極性となる。サブフィールド期間G-f(B-f)についても、サブフィールド期間R-fと同様であり、フィールド期間G-f(B-f)で視認されるG(B)成分の画像は、図10(a)に示されるように奇数行が正極性となり、偶数行が負極性となる。一方、偶数フレーム期間では、書き込み極性が反転して、サブフィールド期間R-f(G-f、B-f)では、1回目のサブフィールド期間R-sf1(G-sf1、B-sf1)において、奇数行と、当該奇数行と下方に隣接する偶数行との画素が負極性となるが、2回目のサブフィールド期間R-sf2(G-sf2、B-sf2)において、偶数行だけが正極性に書き直されるので、当該フィールド期間R-f(G-f、B-f)で視認されるR(G、B)成分の画像は、図10(b)に示されるように奇数行が負極性となり、偶数行が正極性となる。なお以下、このような奇数フレーム期間と偶数フレーム期間との繰り返しである。
【0039】
したがって、第2実施形態では、書き込み極性の異なる画素が時間的のみならず、空間的にも分散するので、フリッカーをさらに抑制することが可能となる。
また、第2実施形態では、サブフィールド期間R-sf1における奇数行、サブフィールド期間G-sf1(B-sf1)における奇数行では、電圧の書き込みの際に、それぞれ直前のサブフィールド期間において、すでに同極性の電圧が書き込まれているので、液晶素子120に対する書き込み特性が向上する。したがって、第2実施形態においても、書込特性のばらつきが抑制されるので、フリッカーの発生が抑えられるだけでなく、直流成分の印加が防止されて、液晶表示パネル100の長寿命化を図ることも可能となる。
【0040】
ところで、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において2行に書き込まれるデータ信号は、奇数行のものであり、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において偶数行が書き込まれるので、偶数行の画素は、奇数行の画素よりも品位が劣ってしまうことになる。
そこで、図11に示されるように、奇数フレーム期間では、図6に示した第1実施形態や図9に示した第2実施形態と同様とし、続く偶数フレーム期間では、図8に示した例のように1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において2行に書き込まれるデータ信号を偶数行のものとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sにおいて、図11に示されるように奇数行に対して書き込みをすれば良い。
このため、図11に示されるような駆動方法によれば、フリッカーをさらに抑制した上で、奇数行と偶数行との表示品位に差がなくなるので、表示品位のさらなる向上が可能となり、さらに、液晶表示パネル100の全体の長寿命化を図ることも可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態等では、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において、走査信号を2行ずつ同時にHレベルとしたが、3行以上同時にHレベルとし、Hレベルとした3行以上のうち、いずれかの1行のデータ信号を供給する構成としても良い。
例えば、1回目のサブフィールド期間において、走査信号を3行ずつ同時にHレベルとする場合、1・2・3、4・5・6、7・8・9、…、478・479・480行目というように、隣接する3行ずつ順番に同時にHレベルとして、1、4、7、…、478行のデータ信号を再度書き込み、2回目のサブフィールド期間において、2、5、8、…、479行を選択してデータ信号を書き込み、3回目のサブフィールド期間において、3、6、9、…、480行を選択してデータ信号を書き込めば良い。
【0042】
また、上述した実施形態では、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)に加えて、帰線期間においても、LEDを発光させたが、2回目のサブフィールド期間の発光だけで十分な明るさが得られるのであれば、帰線期間の全期間または一部期間において消灯させても良い。
【0043】
上述した実施形態では、用いる原色をR・G・Bの3色として、フレーム期間をこれらの色に対応して3つのフィールド期間に分けたが、原色を4つ以上とし、フレーム期間をこれら用いる原色に対応して4つ以上のフィールド期間に分けても良い。例えばR・G・Bのうち、Gを、短波長寄りのYG(黄緑)と、長波長寄りのEG(エメラルドグリーン)に分けて、これらの4色として、フレーム期間をこれらの色に対応して4つのフィールド期間に分けても良い。
原色を4つ以上とする場合、ダイクロイックプリズムが2以上必要となる。上述したR、YG、EG、Bを用いる場合であれば、例えば図1においてダイクロイックプリズム13の9時方向に、別のダイクロックプリズムを配置させて、このうち、2面でYG、EG光を入射して、ダイクロイックプリズム13に導く構成とすれば良い。
さらに、液晶表示パネル100の透過像を拡大投射する投射型ではなくて、バックライトの光源を原色毎に切り替える直視型にも適用可能である。また、画素110については透過型に限られず、反射型であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1…プロジェクター、10…液晶表示装置、11…光源、11R、11G、11B…LED、20…制御回路、40…光源駆動回路、100…液晶表示パネル、105…液晶、108…コモン電極、118…画素電極、120…液晶素子、130…走査線駆動回路、140…データ線駆動回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる色順次走査の液晶表示装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、色順次走査では、1コマのカラー画像を形成するためのフレーム期間を、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの原色に対応するフィールド期間に分割し、各フィールド期間において、原色成分の階調(明るさ)に応じた情報(例えば電圧)を表示パネルの画素に書き込んで、当該原色の光を表示パネルに照射する構成となっている(特許文献1参照)。このような色順次走査では、表示素子にカラーフィルター等を設けなくて済むほか、1画素をR、G、Bのサブ画素に分割しなくて済むので、高精細化が容易となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−237606号公報(段落0043、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、色順次走査では、フレーム期間をフィールド期間に分割するため、画素への書込期間が短くなる。このため、画素に液晶素子を用いる構成では、書込特性などがばらつきやすくなるので、フリッカーが発生する大きな要因となる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、色順次走査において、フリッカーの発生を低減させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る液晶表示装置の駆動方法は、互いに異なる複数の色の光を色毎に照射することが可能な光源と、複数の走査線と複数のデータ線と、一の前記走査線と一の前記データ線との交点に対応して設けられたスイッチングトランジスタを介してデータ信号が供給される液晶素子と、を備えた液晶表示装置の駆動方法であって、フレーム期間を複数のフィールド期間に分けるとともに、該フィールド期間をさらに第1サブフィールド期間と第2サブフィールド期間とに分け、複数の前記走査線をN本(Nは2以上の整数)の走査線からなる複数の組に分けるとともに、該組毎に第1の走査線を定め、前記第1フィールド期間の前記第1サブフィールド期間では、前記光源の光照射を停止させ、複数の前記組を所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した組の走査線のうち前記第1の走査線に対応するデータ信号を、当該組の複数の走査線に対応する液晶素子に供給し、前記第1フィールド期間の前記第2サブフィールド期間では、前記光源が前記複数の色のうち前記第1フィールド期間に対応する第1の色の光を複数の前記液晶素子に照射するように制御し、複数の前記走査線のうち複数の前記組毎に定めた前記第1の走査線以外の走査線を、所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した走査線に対応するデータ信号を当該走査線に対応する液晶素子に供給し、前記データ信号の電圧は、予め定められた基準電圧に対して高位側の正極性または低位側の負極性のいずれかであって、一の前記フレーム期間において、一の前記組の走査線のうち一部の走査線に対応する前記液晶素子には、前記一部の走査線を選択するごとに正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とを交互に供給し、他の走査線に対応する前記液晶素子には、互いに同一極性の前記データ信号を少なくとも2回連続して供給することを特徴とする。本発明によれば、第1サブフィールド期間において同極性電圧がすでに書き込まれた後に、第2サブフィールド期間において書き込みが実行されるので、書込特性が向上する。このため、色順次走査においてフリッカーの発生を低減させることが可能となる。
【0006】
本発明において、前記組は、互いに隣り合う一対の奇数行の走査線と偶数行の走査線とからなり、一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記一対の走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、前記第1の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、前記第2の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、一の前記フィールド期間の前記第1サブフィールド期間にて前記第2の走査線に対応する前記液晶素子に供給したデータ信号と同一極性のデータ信号を、前記一のフィールド期間の前記第2サブフィールド期間にて当該液晶素子に供給しても良いし、一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、前記第1の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、前記第2の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、前記一の組の前記一対の走査線に対応する液晶素子に対し、互いに同一極性のデータ信号を、前記一のフレーム期間における複数の前記フィールド期間各々の前記第1サブフィールド期間に供給しても良い。
また、前記一の組において、連続する第1のフレーム期間および第2のフレーム期間のうち、前記第1のフレーム期間では、前記奇数行の走査線を前記第1の走査線とし、前記第2のフレーム期間では、前記偶数行の走査線を前記第1の走査線とすれば、奇数行および偶数行の表示品位を揃えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】液晶表示装置を適用したプロジェクターの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る液晶表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】同液晶表示装置における画素の等価回路を示す図である。
【図4】同液晶表示装置における走査線駆動回路を示す図である。
【図5】同走査線駆動回路の動作を示す図である。
【図6】同液晶表示装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図7】同液晶表示装置の画面を示す図である。
【図8】同実施形態に係る液晶表示装置の別動作を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る液晶表示装置の動作を示す図である。
【図10】同液晶表示装置の画面を示す図である。
【図11】同実施形態に係る液晶表示装置の別動作を示す図である。
【図12】比較例に係る液晶表示装置の動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、第1実施形態に係る液晶表示装置の駆動方法について説明する。図1は、この液晶表示装置の駆動方法を適用したプロジェクターの光学的な構成を示す平面図である。
この図において、LED11Rは、ダイクロイックプリズム13の中心からみて12時の方向に位置し、図において下方に向けてR(赤)の光を放つ発光ダイオードである。LED11Rにより放たれたRの光は、コリメーターレンズ12Rによって、ほぼ平行な光束となる。同様に、LED11G、11Bは、それぞれ9時、6時の方向に位置し、図において右方、上方に向けてG(緑)、B(青)の光を放つ発光ダイオードである。LED11G、11Bにより放たれたG、Bの光についても、それぞれコリメーターレンズ12G、12Bによって、ほぼ平行な光束となる。
【0009】
ダイクロイックプリズム13は、互いに直交するダイクロイック面13R、13Bを有する。このうち、ダイクロイック面13Rは、12時の方向から入射したRの光を反射して3時の方向に出射し、ダイクロイック面13Bは、6時の方向から入射したBの光を反射して3時の方向に出射する。一方、9時の方向から入射したGの光は、ダイクロイック面13R、13Bを透過し、そのまま3時の方向に出射する。
【0010】
ダイクロイックプリズム13の出射面には、液晶表示パネル100が配置する。この液晶表示パネル100は、アクティブマトリクス型の透過型であり、画素毎に透過率を変調した透過像を生成する。投射レンズ群14は、液晶表示パネル100による透過像をスクリーン200に拡大投射する光学系である。
【0011】
次に、プロジェクター1における液晶表示装置10について説明する。図2は、液晶表示装置10の電気的な構成を示すブロックである。
この図に示されるように、液晶表示装置10は、光源11、制御回路20、フレームメモリー30、光源駆動回路40および液晶表示パネル100により構成される。
この液晶表示装置10には、映像データVdが図示省略した上位装置から各種の同期信号Syncにしたがって供給される。詳細には、映像データVdは、表示画像の各画素におけるRGBの色成分の明るさ(階調)をそれぞれ指定するデジタルデータであり、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号、水平走査信号およびドットクロック信号(いずれも図示省略)にしたがって走査される画素の順で供給される。
【0012】
制御回路20は、上記同期信号Syncに基づいて各部を制御する。例えば、制御回路20は、同期信号Syncにしたがって供給される映像データVdを一旦フレームメモリー30に記憶した後、フィールド期間に対応する色成分のデータを、後述するように当該フレームメモリー30から読み出し、映像データVsとして出力させる。光源駆動回路40は、光源11を構成するLED11R、11G、11Bの各々を、それぞれ制御回路20による指示にしたがって点灯および消灯させるものである。
【0013】
液晶表示パネル100では、例えば480行の走査線112が図において横方向に延在し、また、640列のデータ線114が図において縦方向に延在し、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられるとともに、これらの走査線112とデータ線114との交点のそれぞれに対応して、画素110がそれぞれ配設されている。したがって、本実施形態において、画素110は、縦480行×横640列のマトリクス状に配列することになる。ここで、画素110の配列領域が表示領域100aである。
なお、便宜的に走査線112を区別するために、以下の説明では図において上から順に1、2、3、…、480行目という呼び方をする場合がある。同様に、データ線114を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、640列目という呼び方をする場合がある。
【0014】
走査線駆動回路130は、制御回路20による制御にしたがって1、2、3、…、480行目の走査線112に、選択電圧に相当するHレベル、または、非選択電圧に相当するLレベルのいずれかである走査信号G1、G2、G3、…、G480を供給するものであるが、詳細については後述する。また、走査線に供給される走査信号が選択電圧(Hレベル)となる状態を、当該走査線が選択された、と言う場合がある。
データ線駆動回路140は、フレームメモリー30から読み出された映像データVsを、制御回路20によって指定された書き込み極性のデータ信号に変換して、1〜640列のデータ線114にそれぞれ供給するものである。なお、1、2、3、…、640列目のデータ線114に供給されるデータ信号を、図2において、それぞれd1、d2、d3、…、d640と表記している。
【0015】
画素110について図3を参照して説明する。この図に示されるように、画素110においては、nチャネル型の薄膜トランジスター(thin film transistor:以下「TFT」と略称する)116のソース電極がデータ線114に接続されるとともに、ドレイン電極が画素電極118に接続される一方、ゲート電極が走査線112に接続されている。
画素電極118は、画素毎に設けられるのに対して、コモン電極108は、画素電極118のすべてに対向するように全画素に対して共通に設けられる。なお、このコモン電極108には、図示省略した電源回路によって電圧LCcomが印加される。
コモン電極108と画素電極118との間に液晶105が挟持され、これにより液晶素子120が構成される。このため、画素110毎に、画素電極118、コモン電極108および液晶105からなる液晶素子120が設けられることになる。
このような構成の液晶素子120は、コモン電極108および画素電極118の間で容量性によって電圧を保持するとともに、保持した電圧の実効値に応じた透過率となる。
【0016】
次に、液晶表示装置10におけるフレームの構成について図6を参照して説明する。
この図に示されるように、液晶表示装置10では、フレーム期間が、RGBのそれぞれに対応したフィールド期間R-f、G-f、B-fに3分割される。このうち、フィールド期間R-fは、さらに時間的に前のサブフィールド期間(第1サブフィールド期間)R-sf1と、時間的に後のサブフィールド期間(第2サブフィールド期間)R-sf2と、それ以外の帰線期間とに分けられる。同様に、フィールド期間G-f(B-f)についても、2つのサブフィールド期間G-sf1、G-sf2(B-sf1、B-sf2)と、それ以外の帰線期間とに、それぞれ分けられる。
【0017】
ここで、フレーム期間とは、液晶表示パネル100や光源11を駆動することによって、カラー画像の1コマ分を表示させるために要する期間をいい、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号の周波数が60Hzであれば、その逆数である16.7ミリ秒である。垂直走査信号で規定される垂直走査期間と、液晶表示パネル100を駆動するためのフレーム期間とは、期間長でみれば同一ある。ただし、本実施形態では、同期信号Syncに同期して供給される映像データVdを、一旦、フレームメモリー30に記憶した後に読み出すとともに、この読み出しに合わせて液晶表示パネル100等を駆動するので、ある画像の1コマ分を表示するためのフレーム期間は、当該画像を規定する映像データVdが供給される垂直走査期間よりも時間的に遅延した関係にある。
【0018】
なお、書き込み極性については、データ信号の電圧を、振幅中心である基準電圧に対して高位側とするときを正極性とし、低位側とするときを負極性としており、制御回路20がデータ線駆動回路140に対して極性指定信号Frpによって指定する。
本実施形態では、図6に示されるように、奇数フレーム期間のうち、フィールド期間R-f、B-fにて正極性が、フィールド期間G-fにて負極性が、それぞれ指定され、続く偶数フレーム期間のうち、フィールド期間G-fにて正極性が、フィールド期間R-f、B-fにて負極性が、それぞれ指定される。
電圧については、液晶素子において印加・保持される電圧を除き、図示省略した電源の接地電位を電圧ゼロの基準としている。また、コモン電極108に印加される電圧LCcomは、TFT116によるフィールドスルーを考慮して、データ信号の振幅中心である基準電圧に対して若干低位となるように設定してある。
【0019】
次に、このようなフレームの構成に合わせて走査線を走査する走査線駆動回路130の構成について図4を参照し説明する。
この図に示されるように、走査線駆動回路130は、シフトレジスタ131、奇数(1、3、5、…、479)行に対応するAND回路133および偶数(2、4、6、…、480)行に対応するAND回路134を有する。
このうち、シフトレジスタ131は、走査線数「480」の半分である240段の単位回路132を、ある段の単位回路からの出力信号を次段の単位回路の入力信号とするように縦続接続した構成としたものであるが、初段である1段目の単位回路132には、入力信号として、制御回路20からスタートパルスDyが供給される。
ここで、各段の単位回路132は、制御回路20から供給されるクロック信号Clyの半周期だけ入力信号を遅延させた信号と、当該入力信号と、の論理積信号を出力信号とするものである。
【0020】
各段の単位回路132による出力信号は、それぞれ2分岐されて、AND回路133の入力端の一方と偶数行に対応するAND回路134の入力端の一方とに供給される。AND回路133の他方の入力端には、それぞれ制御回路20からイネーブル信号Enb-1が供給され、AND回路134の他方の入力端には、それぞれ制御回路20からイネーブル信号Enb-2が供給される。そして、奇数の1、3、5、…、479行目のAND回路133による論理積信号が、それぞれ走査信号G1、G3、G5、…、G479として、また、偶数の2、4、6、…、480行目のAND回路134による論理積信号が、それぞれ走査信号G2、G4、G6、…、G480として、それぞれ走査線112に供給される。
【0021】
図5に示されるように、クロック信号Clyは、デューティ比が50%のパルス信号であって、1つのサブフィールド期間において、走査線数「480」の1/4である120周期となる信号である。また、スタートパルスDyは、クロック信号Clyの1周期分の幅を有し、同図に示されるように、サブフィールド期間が開始するタイミングよりもクロック信号Clyの半周期分だけ先んじたタイミングにて供給される。
1段目の単位回路132から出力される信号Sr1は、スタートパルスDyと当該スタートパルスDyをクロック信号Clyの半周期だけ遅延させた信号との論理積となるので、当該スタートパルスDyの後半部分となり、以下2、3、4、…、240段目の単位回路132から出力される信号Sr2、Sr3、Sr3、…、Sr240は、当該信号Sr1をクロック信号Clyの半周期ずつ順番に遅延させた関係となる。
【0022】
次に、液晶表示装置10における表示動作について図6を参照して説明する。
奇数フレーム期間におけるフィールド期間R-fのうち、1回目のサブフィールド期間R-sf1において、制御回路20は、次のように各部を制御する。
まず、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf1において、光源11に対し、すべてのLEDを消灯させるように光源駆動回路40に指示するとともに、極性指定信号Frpによって正極性を指定する。
また、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf1において、イネーブル信号Enb-1、Enb-2をともにHレベルとする。このため、シフトレジスタ131における各段の転送回路132の出力信号が、そのまま走査信号として出力される。詳細には、1段目の転送回路132の出力信号Sr1が走査信号G1、G2として、2段目の転送回路132の出力信号Sr2が走査信号G3、G4として、3段目の転送回路132の出力信号Sr3が走査信号G5、G6として、以下同様にして240段目の転送回路132の出力信号Sr240が走査信号G479、G480として、それぞれ出力される。このため、サブフィールド期間R-sf1においては、1・2行目、3・4行目、5・6行目、…、479・480行目というように、奇数行および当該奇数行に続く偶数行が2行ずつ順番に同時にHレベルとなる。
【0023】
一方、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf1において、フレームメモリー30およびデータ線駆動回路140を、次のように制御する。すなわち、制御回路20は、奇数行と偶数行との2行への走査信号が同時にHレベルとなる前に、当該2行のうち、奇数行の走査線112に位置する1〜640列のR成分の映像データVsをフレームメモリー30から読み出して、データ線駆動回路140に転送するとともに、データ線駆動回路140に対して、当該1〜640列のR成分の映像データVsを正極性のデータ信号に変換し、奇数行と偶数行との走査信号が同時にHレベルとなったときに、1〜640列のデータ線114に一斉に出力させるように制御する。
この制御により、データ線駆動回路140は、走査信号がHレベルとなる奇数行および偶数行のうち、奇数行に位置する画素行のデータ信号d1、d2、d3、…、d640(すなわち、R成分の階調に応じた正極性のデータ信号)を、1、2、3、…、640列目のデータ線114にそれぞれ出力する。
【0024】
奇数行および偶数行の走査信号が同時にHレベルとなったとき、当該2行の走査線112に位置する画素110のTFT116がオンするので、ある1列のデータ線114に着目したとき、映像データのうちのR成分に基づく正極性のデータ信号が、当該2行と着目列のデータ線114との交点に対応した2画素の画素電極118にそれぞれ印加されて、書き込まれる。
この動作は、1〜640列の液晶素子120にわたって実行され、さらに、1・2行目、3・4行目、5.6行目、…、479・480行目というように2行ずつ、順番で実行される。これにより、サブフィールド期間R-sf1の終了時では、奇数行と、この下方の偶数行とにおいて、列毎に、液晶素子が同じ透過率となる。
ただし、1回目のサブフィールド期間R-sf1では、光源11におけるすべてのLEDが消灯している。このため、サブフィールド期間R-sf1の書き込みによる表示状態が、サブフィールド期間R-sf1において観察者によって視認されることはない。
【0025】
次に、奇数フレーム期間におけるフィールド期間R-fのうち、2回目のサブフィールド期間R-sf2において、制御回路20は、次のように各部を制御する。
制御回路20は、サブフィールド期間R-sf2において、光源11に対し、RのLED11Rだけを点灯させるように光源駆動回路40に指示するとともに、極性指定信号Frpによる書き込み極性の指定を正極性に維持する。
また、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf2において、イネーブル信号Enb-1をLレベルに切り替えるが、イネーブル信号Enb-2についてはHレベルに維持する。このため、各段の転送回路132の出力信号は、偶数行については、そのまま走査信号として出力されるが、奇数行については、AND回路133によって強制的にLレベルに置換される。このため、サブフィールド期間R-sf2においては、2、4、6、…、480行目というように偶数行だけが順番にHレベルとなる。
【0026】
一方、制御回路20は、サブフィールド期間R-sf2において、フレームメモリー30およびデータ線駆動回路140を、次のように制御する。すなわち、制御回路20は、偶数行の走査信号がHレベルとなる前に、その偶数行の走査線112に位置する1〜640列のR成分の映像データVsをフレームメモリー30から読み出して、データ線駆動回路140に転送するとともに、データ線駆動回路140に対して、当該1〜640列のR成分の映像データを正極性のデータ信号に変換し、偶数行への走査信号がHレベルとなったときに、1〜640列のデータ線114に一斉に出力させるように制御する。
これにより、データ線駆動回路140は、Hレベルとなる偶数行に位置する画素のデータ信号d1、d2、d3、…、d640を、すなわち、R成分の階調に応じた正極性のデータ信号を、対応するデータ線114にそれぞれ出力する。
【0027】
偶数行の走査線112への走査信号がHレベルとなったとき、ある1列のデータ線114に着目したとき、当該着目列のデータ信号の電圧が、当該偶数行と着目列との交点に対応した画素の画素電極118に印加されて、書き込まれる。この動作は、1〜640列の液晶素子120にわたって実行され、さらに、2、4、6、…、480行目というように順番に実行される。なお、2回目のサブフィールド期間R-sf2では、奇数行の液晶素子に対し書き込みが実行されないので、1回目のサブフィールド期間R-sf1で書き込まれた電圧に保持される。
したがって、Rのフィールド期間においてサブフィールド期間R-sf2の終了時では、奇数行では、サブフィールド期間R-sf1での書き込みによる階調に保持される一方、偶数行では、サブフィールド期間R-sf2による2回目の書き込みによる階調となる。
Rのフィールド期間R-fのうち、2回目のサブフィールド期間R-sf2が終了してから、次のGのフィールド期間G-fが開始するまでの帰線期間においても、制御回路20は、RのLED11Rを発光し続けるように制御する。
【0028】
2回目のサブフィールド期間R-sf2では、RのLED11Rが発光しているので、偶数行については、書き込みがなされるまでは、1回目のサブフィールド期間R-sf1での書き込みによる階調を保持し、2回目のサブフィールド期間R-sf2での書き込みによって本来の階調となる。このため、上の行ほど本来の階調で視認される時間的な割合が高くなり、下の行となるにつれて、本来の階調で視認される割合が低くなる。ただし、平均的にみれば、偶数行において本来の階調で視認される割合は、おおよそ半分となり、もともと奇数行では、1回目のサブフィールド期間R-sf1で書き込みが完了して、本来の階調で視認されるので、解像度の低下は余り問題とならない。
このようにして、サブフィールド期間R-sf2および直後の帰線期間にわたって、フルカラー画像のうち、R成分の画像が観察者に視認されることになる。
【0029】
次に、Gのフィールド期間G-fについて説明する。
Rのフィールド期間R-fは、R成分の映像データVsに基づくデータ信号を書き込む動作であったが、このGのフィールド期間G-fは、G成分の映像データVsに基づくデータ信号を書き込む動作であり、図6に示されるように書き込み極性が負極性に反転する点、および、光源11のうち、LED11Gが2回目のサブフィールド期間以降において発光する点以外、Rのフィールド期間R-fと同様な動作となる。
したがって、Gのフィールド期間G-fのうち、1回目のサブフィールド期間G-sf1では、すべてのLEDが消灯し、奇数および偶数行の走査線112への走査信号が2行ずつ上から順番にHレベルとなり、2行のうち、奇数行に位置する画素の映像データに基づいたG成分の階調に応じた負極性のデータ信号が当該奇数行および当該奇数行の下に隣接する偶数行の液晶素子に書き込まれ、続く、2回目のサブフィールド期間G-sf2では、GのLED11Gだけが発光するとともに、偶数行の走査線112への走査信号だけが上から順番にHレベルとなり、Hレベルとされた偶数行において、G成分の階調に応じた負極性のデータ信号が書き込まれる。
これにより、Gのサブフィールド期間G-sf2および直後の帰線期間にわたって、フルカラー画像のうち、G成分の画像が観察者に視認されることになる。
【0030】
続く、Bのフィールド期間B-fについては、B成分の映像データVsに基づくデータ信号を書き込む動作であり、図6に示されるように、書き込み極性が再び正極性となるので、光源11のうち、LED11Bが2回目のサブフィールド期間以降において発光する点以外、Rのフィールド期間R-fと同様な動作となる。
したがって、Bのフィールド期間B-fのうち、1回目のサブフィールド期間B-sf1では、すべてのLEDが消灯し、奇数および偶数行の走査線112への走査信号が2行ずつ上から順番にHレベルとなり、2行のうち、奇数行に位置する画素の映像データに基づいたB成分の階調に応じた正極性のデータ信号が当該奇数行および当該奇数行の下に隣接する偶数行の液晶素子に書き込まれ、続く、2回目のサブフィールド期間B-sf2では、BのLED11Bだけが発光するとともに、偶数行の走査線112への走査信号だけが上から順番にHレベルとなり、Hレベルとされた偶数行の画素行において、B成分の階調に応じた正極性のデータ信号が書き込まれる。
これにより、Bのサブフィールド期間B-sf2および直後の帰線期間にわたって、フルカラー画像のうち、B成分の画像が観察者に視認されることになる。
【0031】
このように、フィールド期間R-f、G-f、B-fで、それぞれR成分、G成分、B成分の原色画像が作成されるので、1フレーム期間でみれば、フルカラー画像に合成されて観察者に視認されることになる。
なお、偶数フレーム期間では、各フィールド期間において書き込み極性が反転する。詳細には、偶数フレーム期間のうち、フィールド期間R-f、B-fでは負極性に、フィールド期間G-fでは正極性に、それぞれ書き込み極性が反転する。これにより、奇数および偶数フレーム期間の2フレーム期間を単位としてみたときに、液晶素子120が交流駆動されるので、直流成分の印加が回避される。
【0032】
さらに、本実施形態では、各色のフィールド期間毎に書き込み極性が反転している。詳細には、奇数フレーム期間において、フィールド期間R-fで視認されるR成分の画像は、図7(a)に示されるように全画素正極性であり、次のフィールド期間G-fで視認されるG成分の画像は、図7(b)に示されるように全画素負極性であり、フィールド期間B-fで視認されるB成分の画像は、図7(a)に示されるように全画素正極性である。続く偶数フレーム期間において、フィールド期間R-fで視認されるR成分の画像は、図7(b)に示されるように全画素負極性であり、フィールド期間G-fでは、図7(a)に示されるように全画素正極性であり、フィールド期間B-fでは、図7(b)に示されるように全画素負極性である。そして以下、このような奇数フレーム期間と偶数フレーム期間との繰り返しである。このため、本実施形態では、ディスクリネーションの発生が抑えられて高品位な表示が可能となる。
【0033】
ところで、図12に示されるように、フレーム期間をフィールド期間R-f、G-f、B-fに分割するとともに、各フィールド期間において走査信号を1行ずつ順番にHレベルとすることによって、原色成分の画像を書き込む方法では、1〜480行目の走査線に対する書込期間が終了した後の帰線期間において、対応する色のLEDを発光させなければならないので、発光期間を長くすることができない。このため、画面の明るさを確保するためには、光源として高輝度タイプのLEDを採用する必要があり、高コスト化等を招く。
これに対して、本実施形態では、1回目のサブフィールド期間R-f、G-f、B-fにおいて走査線への走査信号を2行ずつ同時にHレベルとしているので、書き込みに要する書込期間を、1行ずつ走査線を選択する方式(図12参照)と比較すると、おおよそ半分に短縮化することができる。そして、この短縮により確保した2回目のサブフィールド期間以降において、対応する色のLEDを発光させているので、光源に高輝度タイプの用いなくても画面を明るくすることができるとともに、偶数行の書きこみをしているので、解像度の低下を認識させないで済ませることが可能となる。
【0034】
さらに、本実施形態では、偶数行において、本来の階調に応じた電圧が書き込まれる2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)の前に、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において、すでに同極性であって隣接する画素の電圧が書き込まれているので、液晶素子120に対する書き込み特性が向上する。このため、本実施形態では、書込特性のばらつきが抑制されるので、フリッカーの発生が抑えられるだけでなく、直流成分の印加が防止されて、液晶表示パネル100の長寿命化を図ることも可能となる。
なお、上記実施形態において奇数行・偶数行における書き込みの関係を、逆転させても良い。
【0035】
ところで、上述した第1実施形態では、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)おいて2行に書き込まれるデータ信号は、奇数行のものであり、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において、対応する色のLEDを発光させるとともに、順次Hレベルとする偶数行の画素に対して、同色成分のデータ信号を書き込む構成とした。この関係を固定化すると、常に、偶数行の画素は、奇数行の画素よりも品位が劣ってしまうことになる。
そこで、図8に示されるように、奇数フレーム期間では、図6に示した実施形態と同様とし、続く偶数フレーム期間では、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において2行に書き込まれるデータ信号を、偶数行のものとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において、奇数行だけを順番にHレベルとして、奇数行のデータ信号を書き込んでも良い。
そのために、制御回路20は、偶数フレーム期間において、イネーブル信号Enb-1についてはHレベルに維持する一方、イネーブル信号Enb-2については、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)においてHレベルとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)においてLレベルとする。これにより、走査線駆動回路130は、偶数フレーム期間において、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)おいて奇数行およびこれに続く偶数行の2行を順番にHレベルとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf 2、G-sf2、B-sf2)において、奇数行だけを順番にHレベルとするような走査信号G1〜G480を出力することになる。
【0036】
図8に示すような駆動方法によれば、図6に示した実施形態と比較して、奇数行と偶数行との表示品位に差がなくなるので、表示品位のさらなる向上が可能となる。また、書込特性が向上する画素行も奇数行に固定化されることなく、奇数行および偶数行で交互に切り替えられるので、フリッカーの発生が抑えられるだけでなく、液晶表示パネル100の全体の長寿命化を図ることも可能となる。
【0037】
次に、フリッカーのさらなる低減を図った第2実施形態について説明する。第2実施形態は、極性指定信号Frpによって指定される書き込み極性の反転周期を、図9に示されるように変更したものである。詳細には、同図に示されるように、奇数フレーム期間のうち、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において正極性を、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において負極性をそれぞれ指定し、偶数フレーム期間のうち、1回目のサブフィールド期間において負極性を、2回目のサブフィールド期間において正極性をそれぞれ指定するように変更したものである。
【0038】
このように書き込み極性を変更すると、奇数フレーム期間のうち、サブフィールド期間R-fでは、1回目のサブフィールド期間R-sf1において、奇数行と、当該奇数行と下方に隣接する偶数行との画素が正極性となるが、2回目のサブフィールド期間R-sf2において、偶数行だけが負極性に書き直される。このため、フィールド期間R-fで視認されるR成分の画像は、図10(a)に示されるように奇数行が正極性となり、偶数行が負極性となる。サブフィールド期間G-f(B-f)についても、サブフィールド期間R-fと同様であり、フィールド期間G-f(B-f)で視認されるG(B)成分の画像は、図10(a)に示されるように奇数行が正極性となり、偶数行が負極性となる。一方、偶数フレーム期間では、書き込み極性が反転して、サブフィールド期間R-f(G-f、B-f)では、1回目のサブフィールド期間R-sf1(G-sf1、B-sf1)において、奇数行と、当該奇数行と下方に隣接する偶数行との画素が負極性となるが、2回目のサブフィールド期間R-sf2(G-sf2、B-sf2)において、偶数行だけが正極性に書き直されるので、当該フィールド期間R-f(G-f、B-f)で視認されるR(G、B)成分の画像は、図10(b)に示されるように奇数行が負極性となり、偶数行が正極性となる。なお以下、このような奇数フレーム期間と偶数フレーム期間との繰り返しである。
【0039】
したがって、第2実施形態では、書き込み極性の異なる画素が時間的のみならず、空間的にも分散するので、フリッカーをさらに抑制することが可能となる。
また、第2実施形態では、サブフィールド期間R-sf1における奇数行、サブフィールド期間G-sf1(B-sf1)における奇数行では、電圧の書き込みの際に、それぞれ直前のサブフィールド期間において、すでに同極性の電圧が書き込まれているので、液晶素子120に対する書き込み特性が向上する。したがって、第2実施形態においても、書込特性のばらつきが抑制されるので、フリッカーの発生が抑えられるだけでなく、直流成分の印加が防止されて、液晶表示パネル100の長寿命化を図ることも可能となる。
【0040】
ところで、第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において2行に書き込まれるデータ信号は、奇数行のものであり、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)において偶数行が書き込まれるので、偶数行の画素は、奇数行の画素よりも品位が劣ってしまうことになる。
そこで、図11に示されるように、奇数フレーム期間では、図6に示した第1実施形態や図9に示した第2実施形態と同様とし、続く偶数フレーム期間では、図8に示した例のように1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において2行に書き込まれるデータ信号を偶数行のものとし、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sにおいて、図11に示されるように奇数行に対して書き込みをすれば良い。
このため、図11に示されるような駆動方法によれば、フリッカーをさらに抑制した上で、奇数行と偶数行との表示品位に差がなくなるので、表示品位のさらなる向上が可能となり、さらに、液晶表示パネル100の全体の長寿命化を図ることも可能となる。
【0041】
なお、上述した実施形態等では、1回目のサブフィールド期間(R-sf1、G-sf1、B-sf1)において、走査信号を2行ずつ同時にHレベルとしたが、3行以上同時にHレベルとし、Hレベルとした3行以上のうち、いずれかの1行のデータ信号を供給する構成としても良い。
例えば、1回目のサブフィールド期間において、走査信号を3行ずつ同時にHレベルとする場合、1・2・3、4・5・6、7・8・9、…、478・479・480行目というように、隣接する3行ずつ順番に同時にHレベルとして、1、4、7、…、478行のデータ信号を再度書き込み、2回目のサブフィールド期間において、2、5、8、…、479行を選択してデータ信号を書き込み、3回目のサブフィールド期間において、3、6、9、…、480行を選択してデータ信号を書き込めば良い。
【0042】
また、上述した実施形態では、2回目のサブフィールド期間(R-sf2、G-sf2、B-sf2)に加えて、帰線期間においても、LEDを発光させたが、2回目のサブフィールド期間の発光だけで十分な明るさが得られるのであれば、帰線期間の全期間または一部期間において消灯させても良い。
【0043】
上述した実施形態では、用いる原色をR・G・Bの3色として、フレーム期間をこれらの色に対応して3つのフィールド期間に分けたが、原色を4つ以上とし、フレーム期間をこれら用いる原色に対応して4つ以上のフィールド期間に分けても良い。例えばR・G・Bのうち、Gを、短波長寄りのYG(黄緑)と、長波長寄りのEG(エメラルドグリーン)に分けて、これらの4色として、フレーム期間をこれらの色に対応して4つのフィールド期間に分けても良い。
原色を4つ以上とする場合、ダイクロイックプリズムが2以上必要となる。上述したR、YG、EG、Bを用いる場合であれば、例えば図1においてダイクロイックプリズム13の9時方向に、別のダイクロックプリズムを配置させて、このうち、2面でYG、EG光を入射して、ダイクロイックプリズム13に導く構成とすれば良い。
さらに、液晶表示パネル100の透過像を拡大投射する投射型ではなくて、バックライトの光源を原色毎に切り替える直視型にも適用可能である。また、画素110については透過型に限られず、反射型であっても良い。
【符号の説明】
【0044】
1…プロジェクター、10…液晶表示装置、11…光源、11R、11G、11B…LED、20…制御回路、40…光源駆動回路、100…液晶表示パネル、105…液晶、108…コモン電極、118…画素電極、120…液晶素子、130…走査線駆動回路、140…データ線駆動回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる複数の色の光を色毎に照射することが可能な光源と、
複数の走査線と複数のデータ線と、
一の前記走査線と一の前記データ線との交点に対応して設けられたスイッチングトランジスタを介してデータ信号が供給される液晶素子と、を備えた液晶表示装置の駆動方法であって、
フレーム期間を複数のフィールド期間に分けるとともに、該フィールド期間をさらに第1サブフィールド期間と第2サブフィールド期間とに分け、
複数の前記走査線をN本(Nは2以上の整数)の走査線からなる複数の組に分けるとともに、該組毎に第1の走査線を定め、
前記第1フィールド期間の前記第1サブフィールド期間では、
前記光源の光照射を停止させ、複数の前記組を所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した組の走査線のうち前記第1の走査線に対応するデータ信号を、当該組の複数の走査線に対応する液晶素子に供給し、
前記第1フィールド期間の前記第2サブフィールド期間では、
前記光源が前記複数の色のうち前記第1フィールド期間に対応する第1の色の光を複数の前記液晶素子に照射するように制御し、複数の前記走査線のうち複数の前記組毎に定めた前記第1の走査線以外の走査線を、所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した走査線に対応するデータ信号を当該走査線に対応する液晶素子に供給し、
前記データ信号の電圧は、予め定められた基準電圧に対して高位側の正極性または低位側の負極性のいずれかであって、
一の前記フレーム期間において、一の前記組の走査線のうち一部の走査線に対応する前記液晶素子には、前記一部の走査線を選択するごとに正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とを交互に供給し、他の走査線に対応する前記液晶素子には、互いに同一極性の前記データ信号を少なくとも2回連続して供給する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記組は、互いに隣り合う一対の奇数行の走査線と偶数行の走査線とからなり、
一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記一対の走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、
前記第1の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、
前記第2の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、
一の前記フィールド期間の前記第1サブフィールド期間にて前記第2の走査線に対応する前記液晶素子に供給したデータ信号と同一極性のデータ信号を、前記一のフィールド期間の前記第2サブフィールド期間にて当該液晶素子に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記一の組において、
連続する第1のフレーム期間および第2のフレーム期間のうち、前記第1のフレーム期間では、前記奇数行の走査線を前記第1の走査線とし、
前記第2のフレーム期間では、前記偶数行の走査線を前記第1の走査線とする
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記組は、互いに隣り合う一対の奇数行の走査線と偶数行の走査線とからなり、
一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、
前記第1の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、
前記第2の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、
前記一の組の前記一対の走査線に対応する液晶素子に対し、互いに同一極性のデータ信号を、前記一のフレーム期間における複数の前記フィールド期間各々の前記第1サブフィールド期間に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記一の組において、
連続する第1のフレーム期間および第2のフレーム期間のうち、前記第1のフレーム期間では、前記奇数行の走査線を前記第1の走査線とし、
前記第2のフレーム期間では、前記偶数行の走査線を前記第1の走査線とする
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項1】
互いに異なる複数の色の光を色毎に照射することが可能な光源と、
複数の走査線と複数のデータ線と、
一の前記走査線と一の前記データ線との交点に対応して設けられたスイッチングトランジスタを介してデータ信号が供給される液晶素子と、を備えた液晶表示装置の駆動方法であって、
フレーム期間を複数のフィールド期間に分けるとともに、該フィールド期間をさらに第1サブフィールド期間と第2サブフィールド期間とに分け、
複数の前記走査線をN本(Nは2以上の整数)の走査線からなる複数の組に分けるとともに、該組毎に第1の走査線を定め、
前記第1フィールド期間の前記第1サブフィールド期間では、
前記光源の光照射を停止させ、複数の前記組を所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した組の走査線のうち前記第1の走査線に対応するデータ信号を、当該組の複数の走査線に対応する液晶素子に供給し、
前記第1フィールド期間の前記第2サブフィールド期間では、
前記光源が前記複数の色のうち前記第1フィールド期間に対応する第1の色の光を複数の前記液晶素子に照射するように制御し、複数の前記走査線のうち複数の前記組毎に定めた前記第1の走査線以外の走査線を、所定の順番で選択するとともに、各選択時では、選択した走査線に対応するデータ信号を当該走査線に対応する液晶素子に供給し、
前記データ信号の電圧は、予め定められた基準電圧に対して高位側の正極性または低位側の負極性のいずれかであって、
一の前記フレーム期間において、一の前記組の走査線のうち一部の走査線に対応する前記液晶素子には、前記一部の走査線を選択するごとに正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とを交互に供給し、他の走査線に対応する前記液晶素子には、互いに同一極性の前記データ信号を少なくとも2回連続して供給する
ことを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
【請求項2】
前記組は、互いに隣り合う一対の奇数行の走査線と偶数行の走査線とからなり、
一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記一対の走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、
前記第1の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、
前記第2の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、
一の前記フィールド期間の前記第1サブフィールド期間にて前記第2の走査線に対応する前記液晶素子に供給したデータ信号と同一極性のデータ信号を、前記一のフィールド期間の前記第2サブフィールド期間にて当該液晶素子に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項3】
前記一の組において、
連続する第1のフレーム期間および第2のフレーム期間のうち、前記第1のフレーム期間では、前記奇数行の走査線を前記第1の走査線とし、
前記第2のフレーム期間では、前記偶数行の走査線を前記第1の走査線とする
ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項4】
前記組は、互いに隣り合う一対の奇数行の走査線と偶数行の走査線とからなり、
一の前記フレームにおいて、一の前記組の前記走査線のうち一方を前記第1の走査線とし、他方を第2の走査線とし、
前記第1の走査線を、互いに同一極性の前記データ信号が少なくとも2回連続して供給される前記他の走査線とし、
前記第2の走査線を、正極性の前記データ信号と負極性の前記データ信号とが交互に供給される前記一部の走査線とし、
前記一の組の前記一対の走査線に対応する液晶素子に対し、互いに同一極性のデータ信号を、前記一のフレーム期間における複数の前記フィールド期間各々の前記第1サブフィールド期間に供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【請求項5】
前記一の組において、
連続する第1のフレーム期間および第2のフレーム期間のうち、前記第1のフレーム期間では、前記奇数行の走査線を前記第1の走査線とし、
前記第2のフレーム期間では、前記偶数行の走査線を前記第1の走査線とする
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の駆動方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−181452(P2010−181452A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22488(P2009−22488)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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