説明

液晶表示装置

【課題】液晶層の経年劣化に起因するムラが液晶パネルに生じたときでも、表示品位が低下するのを防ぐことができる液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶層4を有する液晶パネル2と、発光ダイオード(光源)20を具備するとともに、発光ダイオード20からの光を液晶パネル2に照射するバックライト装置(バックライト部)3と、発光ダイオードの駆動制御を行うバックライト制御部を備えた液晶表示装置1において、液晶パネル2を通過した光の光量を検出するための複数の光センサPDをバックライト装置3の異なる位置に設置する。そして、バックライト制御部が、複数の光センサPDの検出結果を使用して、発光ダイオード20の駆動制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルを備えた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置は、在来のブラウン管に比べて薄型、軽量などの特長を有するフラットパネルディスプレイとして、液晶テレビ、モニター、携帯電話などに幅広く利用されている。このような液晶表示装置には、光を発光するバックライト装置と、バックライト装置に設けられた光源からの光に対しシャッターの役割を果たすことで所望画像を表示する液晶パネルとが含まれている。
【0003】
また、従来の液晶表示装置には、例えば下記特許文献1に記載されているように、液晶パネルの液晶層を狭持するアレイ基板と対向基板のうち、アレイ基板に対して、外光照度を計測する第1の光センサと、バックグラウンド電流を計測する第2の光センサとを一体的に設けることが提案されている。そして、この従来の液晶表示装置では、第1及び第2の光センサの検出結果を用いて、外光照度を正確に計測して、バックライト装置からの光の光量を適正に制御することが可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−114315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来の液晶表示装置では、液晶層の経年劣化に起因するムラが液晶パネルに生じたときに、表示品位が低下するのを防ぐことができないという問題点があった。
【0006】
具体的にいえば、従来の液晶表示装置では、経年劣化(エージング)によって液晶層の内部で不純物等が任意の箇所(部分的)に集まることがあり、液晶パネルを動作したときに、その表示面上にムラとなって現れることがあった。この結果、従来の液晶表示装置では、表示品位が低下するという問題点を生じることがあった。
【0007】
上記の課題を鑑み、本発明は、液晶層の経年劣化に起因するムラが液晶パネルに生じたときでも、表示品位が低下するのを防ぐことができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明にかかる液晶表示装置は、液晶層を有する液晶パネルと、光源を具備するとともに、前記光源からの光を前記液晶パネルに照射するバックライト部と、前記光源の駆動制御を行うバックライト制御部を備えた液晶表示装置であって、
前記バックライト部の異なる位置に設置されるとともに、前記液晶パネルを通過した光の光量を検出するための複数の光センサを備え、
前記バックライト制御部は、前記複数の光センサの検出結果を使用して、前記光源の駆動制御を行うことを特徴とするものである。
【0009】
上記のように構成された液晶表示装置では、液晶パネルを通過した光の光量を検出するための複数の光センサがバックライト部の異なる位置に設置されている。また、バックライト制御部は、複数の光センサの検出結果を使用して、光源の駆動制御を行う。これにより、液晶層の経年劣化に起因するムラが液晶パネルに生じたときでも、バックライト制御部は、当該ムラを打ち消すように、光源を点灯させることができる。この結果、上記従来例と異なり、上記ムラが液晶パネルに生じたときでも、当該ムラの悪影響を排除して、表示品位が低下するのを防ぐことができる。
【0010】
また、上記液晶表示装置において、前記液晶パネルの駆動制御を行う液晶パネル制御部を備えるとともに、
前記複数の光センサが駆動されるときに、前記バックライト制御部は、前記光源を消灯させ、かつ、前記液晶パネル制御部は、前記液晶パネルの表示面に所定の検査画面を表示させることが好ましい。
【0011】
この場合、複数の各光センサの検出精度を向上させることが可能となり、バックライト制御部は上記ムラの悪影響の排除を容易に行うことができる。
【0012】
また、上記液晶表示装置において、前記液晶パネルの外部に設けられるとともに、外部から前記液晶パネルに入射される外光の光量を検出するための外光検出用光センサを備えるとともに、
前記バックライト制御部は、前記外光検出用光センサの検出結果を用いて、前記光源の駆動制御を行うことが好ましい。
【0013】
この場合、バックライト制御部は外光の影響を容易に排除することができ、上記ムラの悪影響の排除をより容易に行うことができる。
【0014】
また、上記液晶表示装置において、前記光源として、発光ダイオードが用いられてもよい。
【0015】
この場合、冷陰極蛍光管など線状光源を光源に用いた場合に比べて、バックライト制御部は上記光センサの検出結果に応じた光源の駆動制御の調整を容易に行うことができ、上記ムラの悪影響を容易に排除することができる。
【0016】
また、上記液晶表示装置において、前記バックライト部は、前記光源としての複数の発光ダイオードと、前記複数の各発光ダイオードが互いに所定の間隔をおいて設置された筐体とを備えるとともに、
前記光センサは、所定数の発光ダイオード毎に前記筐体に設置されていることが好ましい。
【0017】
この場合、上記ムラの悪影響の排除を高精度に行うことができ、表示品位の低下を確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、液晶層の経年劣化に起因するムラが液晶パネルに生じたときでも、表示品位が低下するのを防ぐことができる液晶表示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる液晶表示装置を説明する概略断面図である。
【図2】図1に示したバックライト装置の要部構成を示す平面図である。
【図3】図1に示した液晶表示装置の要部構成を説明する図である。
【図4】図3に示したバックライト制御部の構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施形態にかかる液晶表示装置を説明する概略断面図である。
【図6】図5に示した液晶表示装置でのバックライト制御部の構成例を示すブロック図である。
【図7】本発明の別の実施形態にかかる液晶表示装置を説明する概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の液晶表示装置の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、以下の説明では、本発明を直下型のバックライト装置を用いた液晶表示装置に適用した場合を例示して説明する。また、各図中の構成部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各構成部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
【0021】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態にかかる液晶表示装置を説明する概略断面図であり、図2は図1に示したバックライト装置の要部構成を示す平面図である。図1において、本実施形態の液晶表示装置1には、図1の上側が視認側(表示面側)として設置される表示部としての液晶パネル2と、液晶パネル2の非表示面側(図1の下側)に配置されて、当該液晶パネル2を照明する照明光を発生するバックライト部としてのバックライト装置3とが設けられている。
【0022】
液晶パネル2は、液晶層4と、液晶層4を狭持するアクティブマトリクス基板5及びカラーフィルタ基板6と、アクティブマトリクス基板5及びカラーフィルタ基板6の各外側表面上にそれぞれ設けられた偏光板7、8とを備えている。また、液晶パネル2には、当該液晶パネル2を駆動するためのドライバ装置9、及びフレキシブルプリント基板11を介してドライバ装置9に接続された駆動回路装置10が設けられており、液晶パネル2では、液晶層4を画素単位に駆動可能に構成されている。そして、液晶パネル2では、液晶層4によって偏光板7を介して入射された上記照明光の偏光状態が変調され、かつ、偏光板8を通過する光量が制御されることにより、所望画像が表示される。
【0023】
尚、液晶パネル2の液晶モードや画素構造は任意である。また、液晶パネル2の駆動モードも任意である。すなわち、液晶パネル2としては、情報を表示できる任意の液晶パネルを用いることができる。それ故、図1においては液晶パネル2の詳細な構造を図示せず、その説明も省略する。
【0024】
バックライト装置3には、図1の上側(液晶パネル2側)が開口した有底状のシャーシ12と、シャーシ12の液晶パネル2側に設置された枠状のフレーム13とが設けられている。また、シャーシ12及びフレーム13は、金属または合成樹脂によって構成されており、フレーム13の上方に液晶パネル2が設置された状態で、断面L字状のベゼル14にて狭持されている。これにより、バックライト装置3は、液晶パネル2に組み付けられて、当該バックライト装置3からの照明光が液晶パネル2に照射される透過型の液晶表示装置1として一体化されている。
【0025】
また、バックライト装置3は、シャーシ12の開口部を覆うように設置された拡散板15と、拡散板15の上方で液晶パネル2側に設置された光学シート17とを備えている。また、バックライト装置3では、光源としての発光ダイオード20が複数、筐体としてのシャーシ12の底面に設置されて液晶パネル2の下方側に設けられており、直下型のバックライト装置3を構成している。そして、バックライト装置3では、各発光ダイオード20からの光が液晶パネル2に対向配置されるバックライト装置3の発光面から上記照明光として出射されるようになっている。
【0026】
また、バックライト装置3では、シャーシ12の底面に複数の光センサPDが設置されており、液晶パネル2に生じた液晶層4の経年劣化に起因するムラを検出して、そのムラを打ち消すように発光ダイオード20の駆動制御が行われるようになっている(詳細は後述。)。
【0027】
拡散板15は、例えば厚さ2mm程度の長方形状の合成樹脂またはガラス材を用いて構成されており、発光ダイオード20からの光を拡散して、光学シート17側に出射する。また、拡散板15は、その四辺側がシャーシ12の上側に設けられた枠状の表面上に載置されており、弾性変形可能な押圧部材16を介在させてシャーシ12の当該表面とフレーム13の内面とで狭持された状態でバックライト装置3の内部に組み込まれている。さらに、拡散板15では、その略中央部がシャーシ12内部に設置された透明な支持部材(図示せず)にて支えられており、シャーシ12の内側に撓むのが防がれている。
【0028】
また、拡散板15は、シャーシ12と押圧部材16との間で移動可能に保持されており、発光ダイオード20の発熱やシャーシ12の内部の温度上昇などの熱の影響により、当該拡散板15に伸縮(塑性)変形が生じたときでも、押圧部材16が弾性変形することにて当該塑性変形が吸収されて、発光ダイオード20からの光の拡散性を極力低下しないようになっている。また、合成樹脂に比べて熱に強いガラス材の拡散板15を用いる場合の方が、上記熱の影響による反り、黄変、熱変形等が生じ難い点で好ましい。
【0029】
光学シート17には、例えば厚さ0.5mm程度の合成樹脂フィルムにより構成された集光シートが含まれており、液晶パネル2への上記照明光の輝度を上昇させるように構成されている。また、光学シート17には、液晶パネル2の表示面での表示品位の向上を行うためなどのプリズムシート、拡散シート、偏光シートなどの公知の光学シート材が必要に応じて適宜積層されるようになっている。そして、光学シート17は、拡散板15から出射された光を、所定の輝度(例えば、10000cd/m2)以上で、かつ、均一な輝度を有する面状光に変換し照明光として液晶パネル2側に入射させるように構成されている。なお、上記の説明以外に、例えば液晶パネル2の上方(表示面側)に当該液晶パネル2の視野角を調整するための拡散シート等の光学部材を適宜積層してもよい。
【0030】
また、光学シート17では、例えば液晶表示装置1の実使用時に上側となる、図1の左端辺側の中央部に、同図の左側に突出した突出部が形成されている。そして、光学シート17では、上記突出部だけが弾性材18を介在させてフレーム13の内面と押圧部材16とで狭持されており、当該光学シート17は、照明装置3の内部に伸縮可能な状態で組み込まれている。これにより、光学シート17では、発光ダイオード20の発熱などの上記の熱の影響により、伸縮(塑性)変形が生じたときでも、上記突出部を基準とした自由な伸縮変形が可能となり、シワや撓みなどが当該光学シート17に発生するのが極力防がれるように構成されている。この結果、液晶表示装置1では、光学シート17の撓み等に起因して、輝度ムラなどの表示品位の低下が液晶パネル2の表示面に発生するのを極力防止できるようになっている。
【0031】
また、バックライト装置3では、図2に例示するように、液晶パネル2の表示面での横方向及び縦方向にそれぞれ平行に設けられる10行及び5列、合計50個の発光ダイオード20が使用されている。また、これらの各発光ダイオード20は、互いに所定の間隔をおいてシャーシ12(筐体)に設置されている。また、バックライト装置3では、図2に例示するように、所定数(例えば、4個)の発光ダイオード20毎に、光センサPDが設けられており、合計40個の各光センサPDが互いに異なる位置でシャーシ12に設置されている。
【0032】
また、複数の各発光ダイオード20には、例えば赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)の光をそれぞれ発光する赤色、緑色、及び青色の発光ダイオード20r、20g、20bを一体的に構成した、いわゆるスリーインワン(3in1)タイプが使用されている。
【0033】
複数の各光センサPDは、液晶パネル2を透過した光の光量を検出するためのものであり、後に詳述するように、液晶パネル2の表示面に所定の検査画面が表示され、かつ、全ての発光ダイオード20が消灯された状態で、液晶パネル2を透過した光の光量を検出するようになっている。そして、バックライト装置3では、複数の光センサPDの検出結果を使用して、発光ダイオード20の駆動制御が行われるようになっている。
【0034】
次に、図3及び図4も参照して、本実施形態の液晶表示装置1の要部構成について具体的に説明する。
【0035】
図3は図1に示した液晶表示装置の要部構成を説明する図である。図4は図3に示したバックライト制御部の構成例を示すブロック図である。
【0036】
図3において、制御部21には、TV(受像機)あるいはPCなどの信号源(図示せず)を介して液晶表示装置1の外部から画像信号が入力されるようになっている。また、この制御部21は、駆動回路装置10(図1)に設けられたものであり、入力された画像信号を用いて、液晶パネル2の駆動制御を行うようになっている。さらに、制御部21には、上記照明光の輝度の変更を指示する調光指示信号がTVに設けられたリモートコントローラ等から入力されるようになっており、制御部21は、入力された調光指示信号を用いて、バックライト装置3の駆動制御も行うように構成されている。
【0037】
具体的にいえば、制御部21には、上記画像信号を用いて、液晶パネル2を画素単位に駆動制御する液晶パネル制御部としてのパネル制御部22、調光指示信号を用いて、バックライト装置3の各発光ダイオード20の駆動制御を行うバックライト制御部23、及び画像信号に含まれたフレーム単位の表示データを記憶可能に構成されたフレームメモリ24が設けられている。パネル制御部22及びバックライト制御部23には、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)が各々用いられており、これらパネル制御部22が、フレームメモリ24に逐次格納される上記表示データに対して、所定の演算処理を高速に行えるようになっている。また、このように、パネル制御部22及びバックライト制御部23が設けられているので、本実施形態の液晶表示装置1では、これらパネル制御部22及びバックライト制御部23がそれぞれ液晶パネル2及びバックライト装置(バックライト部)3を適切に駆動することが可能となり、高品位な表示を容易に行うことができるようになっている。
【0038】
パネル制御部22は、入力された画像信号に基づき、ソースドライバ25及びゲートドライバ26への各指示信号を生成して、これら指示信号を対応するソースドライバ25及びゲートドライバ26に出力するようになっている。
【0039】
ソースドライバ25及びゲートドライバ26は、液晶パネル2に設けられた複数の画素Pを画素単位に駆動する駆動回路であり、ソースドライバ25及びゲートドライバ26には、複数の信号線S1〜SM(Mは、2以上の整数)及び複数の制御線G1〜GN(Nは、2以上の整数)がそれぞれ接続されている。これらの信号線S1〜SM及び制御線G1〜GNは、マトリクス状に配列されており、当該マトリクス状に区画された各領域には、複数の各画素Pの領域が形成されている。これら複数の画素Pには、赤色、緑色、及び青色の画素が含まれている。また、これらの赤色、緑色、及び青色の画素は、例えばこの順番で、各制御線G1〜GNに平行に順次配設されている。
【0040】
また、各制御線G1〜GNには、画素P毎に設けられるとともに、例えば薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)を用いたスイッチング素子27のゲートが接続されている。一方、各信号線S1〜SMには、スイッチング素子27のソースが接続されている。また、各スイッチング素子27のドレインには、画素P毎に設けられた画素電極28が接続されている。また、各画素Pでは、共通電極29が液晶パネル2に設けられた液晶層4を間に挟んだ状態で画素電極28に対向するよう構成されている。
【0041】
バックライト制御部23には、図4に例示するように、複数の各発光ダイオード20の駆動制御を行うLED駆動部23aと、複数の各光センサPDの駆動制御を行う光センサ駆動部23bと、複数の各光センサPDでの検出結果を検出する光センサ検出部23cを備えている。
【0042】
LED駆動部23aは、調光指示信号に基づいて、複数の各発光ダイオード20の駆動制御を行う。また、このLED駆動部23aには、光センサ検出部23cから後述の判別結果が入力されるようになっており、LED駆動部23aは、入力された判別結果を使用して、各発光ダイオード20の駆動制御を行うよう構成されている。
【0043】
光センサ駆動部23bは、上述したように、液晶パネル2の表示面に所定の検査画面が表示され、かつ、全ての発光ダイオード20が消灯された状態で、複数の各光センサPDを駆動させる。すなわち、パネル制御部22がソースドライバ25に対して、所定の階調(例えば、中間調)での電圧信号を全ての信号線S1〜SMに出力するよう指示することによって、液晶パネル2の表示面では、所定の検査画面が表示される。また、LED駆動部23aが全ての発光ダイオード20に対して、電力供給を行わずに、消灯させる。そして、このように液晶パネル2及び発光ダイオード20の各駆動制御が行われているときに、光センサ駆動部23bは、全ての光センサPDを駆動させて、液晶パネル2を透過した光の光量を検出させる。
【0044】
光センサ検出部23cには、各光センサPDからの検出結果が入力されるようになっており、光センサ検出部23cは、入力された各光センサPDからの検出結果に基づいて、液晶パネル2に生じた液晶層4の経年劣化に起因するムラを判別するようになっている。すなわち、図2に例示したように、40個の光センサPDがシャーシ12の異なる位置に設置されており、光センサPDは対向する液晶パネル2の部分を透過した光の光量を検出するようになっている。このため、液晶パネル2に上記のようなムラが生じていると、各光センサPDの検出結果がムラに応じて異なるものとなり、光センサ検出部23cでは、40個の光センサPDの検出結果を基に当該ムラをはんべつするようになっている。そして、光センサ検出部23cは、判別したムラを、複数の光センサPDの検出結果に基づく判別結果として、LED駆動部23aに出力する。
【0045】
そして、LED駆動部23aは、光センサ検出部23cからの判別結果を用いて、各発光ダイオード20の駆動制御を行う。具体的には、LED駆動部23aは、例えばムラによって光が透過し難くなっている液晶パネル2の部分に対向する発光ダイオード20については、当該ムラが打ち消されるように、調光指示信号に基づいて決定される供給電力よりも大きい供給電力を決定して、その供給電力によって当該発光ダイオード20を点灯させる。
【0046】
尚、光センサPDの検出動作は、液晶パネルの工場出荷後、所定の時間を経過する毎に自動的に行われたり、ユーザなどの操作者の操作指示に応じて適宜行われたりするようになっている。
【0047】
以上のように構成された本実施形態の液晶表示装置1では、液晶パネル2を通過した光の光量を検出するための複数の光センサPDがバックライト装置(バックライト部)3のシャーシ(筐体)12の異なる位置に設置されている。また、バックライト制御部23は、複数の光センサPDの検出結果を使用して、発光ダイオード(光源)20の駆動制御を行う。これにより、本実施形態の液晶表示装置1では、液晶層4の経年劣化に起因するムラが液晶パネル2に生じたときでも、バックライト制御部23は、当該ムラを打ち消すように、発光ダイオード20を点灯させることができる。この結果、本実施形態の液晶表示装置1では、光センサを液晶層の内部側に設けた、上記従来例と異なり、上記ムラが液晶パネル2に生じたときでも、当該ムラの悪影響を排除して、表示品位が低下するのを防ぐことができる。
【0048】
また、本実施形態の液晶表示装置1では、複数の光センサPDが駆動されるときに、バックライト制御部23は発光ダイオード20を消灯させ、かつ、パネル制御部(液晶パネル制御部)22は液晶パネル2の表示面に所定の検査画面を表示させている。これにより、本実施形態の液晶表示装置1では、複数の各光センサPDの検出精度を向上させることが可能となり、バックライト制御部23は上記ムラの悪影響の排除を容易に行うことができる。
【0049】
また、本実施形態の液晶表示装置1では、バックライト装置3において、複数の各発光ダイオード20が互いに所定の間隔をおいてシャーシ(筐体)12に設置されるとともに、光センサPDが所定数の発光ダイオード20毎にシャーシ12に設置されている。これにより、本実施形態の液晶表示装置1では、上記ムラの悪影響の排除を高精度に行うことができ、表示品位の低下を確実に防ぐことができる。
【0050】
[第2の実施形態]
図5は本発明の第2の実施形態にかかる液晶表示装置を説明する概略断面図であり、図6は図5に示した液晶表示装置でのバックライト制御部の構成例を示すブロック図である。図において、本実施形態と上記第1の実施形態との主な相違点は、外光検出用光センサを設けるとともに、バックライト制御部がこの外光検出用光センサの検出結果も用いて、発光ダイオードの駆動制御を行う点である。なお、上記第1の実施形態と共通する要素については、同じ符号を付して、その重複した説明を省略する。
【0051】
すなわち、図5に示すように、本実施形態の液晶表示装置1では、外光検出用光センサPD’がベゼル14の外側表面上に設けられている。具体的にいえば、例えば4個の外光検出用光センサPD’が液晶パネル2の外部で、ベゼル14の四隅にそれぞれ設置されており、各外光検出用光センサPD’は、外部から液晶パネル2に入射される外光の光量を検出するようになっている。
【0052】
また、図6に例示するように、本実施形態のバックライト制御部23’には、複数の各発光ダイオード20の駆動制御を行うLED駆動部23a’と、複数の各光センサPDの駆動制御を行う光センサ駆動部23b’と、複数の各光センサPDでの検出結果を検出する光センサ検出部23c’に加えて、4個の各外光検出用光センサPD’の駆動制御を行う外光検出用光センサ駆動部23d’及び4個の各外光検出用光センサPD’での検出結果を検出する外光検出用光センサ検出部23e’が設けられている。
【0053】
LED駆動部23a’は、調光指示信号に基づいて、複数の各発光ダイオード20の駆動制御を行う。また、このLED駆動部23a’には、光センサ検出部23c’からの判別結果と、外光検出用光センサ検出部23e’からの後述の判別結果とが入力されるようになっており、LED駆動部23a’は、これら2つの判別結果を使用して、各発光ダイオード20の駆動制御を行うよう構成されている。
【0054】
光センサ駆動部23b’は、第1の実施形態のものと同様に、液晶パネル2の表示面に所定の検査画面が表示され、かつ、全ての発光ダイオード20が消灯された状態で、複数の各光センサPDを駆動させる。
【0055】
光センサ検出部23c’には、各光センサPDからの検出結果が入力されるようになっており、光センサ検出部23c’は、第1の実施形態のものと同様に、判別したムラを、複数の光センサPDの検出結果に基づく判別結果として、LED駆動部23a’に出力する。
【0056】
外光検出用光センサ駆動部23d’は、光センサ駆動部23b’が複数の各光センサPDを駆動させたときに、4個の外光検出用光センサPD’を駆動させるようになっている。
【0057】
外光検出用光センサ検出部23e’には、各外光検出用光センサPD’からの検出結果が入力されるようになっており、外光検出用光センサ検出部23e’は、入力された各外光検出用光センサPDからの検出結果に基づいて、液晶パネル2に入射される外光の大きさ(光量)を判別して、4個の外光検出用光センサPD’の検出結果に基づく判別結果として、LED駆動部23a’に出力する。
【0058】
そして、LED駆動部23a’は、光センサ検出部23c’からの判別結果及び外光検出用光センサ検出部23e’からの判別結果を用いて、各発光ダイオード20の駆動制御を行う。
【0059】
以上の構成により、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様な作用・効果を奏することができる。また、本実施形態では、外光検出用光センサPD’が設けられるとともに、バックライト制御部23’が当該外光検出用光センサPD’も用いて、発光ダイオード20の駆動制御を行っている。これにより、本実施形態では、バックライト制御部23’は外光の影響を容易に排除することができ、上記ムラの悪影響の排除をより容易に行うことができる。この結果、本実施形態では、上記ムラに起因する表示品位の低下をより確実に防ぐことができる。
【0060】
尚、上記の実施形態はすべて例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって規定され、そこに記載された構成と均等の範囲内のすべての変更も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0061】
例えば、上記の説明では、本発明を直下型のバックライト装置を有する液晶表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の液晶表示装置はこれに限定されるものではなく、エッジライト型やタンデム型などの他の形式のバックライト装置を有する液晶表示装置に適用することができる。
【0062】
また、上記の説明では、RGBの発光ダイオードを一体化した3in1タイプの発光ダイオードを光源として用いた場合について説明したが、本発明の光源はこれに限定されるものではなく、例えば互いに独立して構成されたRGBの三色の発光ダイオードやRGBWの発光ダイオードを一体化した、いわゆるフォーインワン(4in1)タイプの発光ダイオード、または冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管、キセノン管などの放電管からなる線状光源を用いることもできる。
【0063】
但し、上記の各実施形態のように、光源として発光ダイオードを使用する場合の方が、冷陰極蛍光管など線状光源を光源に用いた場合に比べて、バックライト制御部が光センサの検出結果に応じた光源の駆動制御の調整を容易に行うことができ、上記ムラの悪影響を容易に排除することができる点で好ましい。
【0064】
また、上記の第1の実施形態の説明では、バックライト制御部内に光センサ駆動部及び光センサ検出部を一体的に設けた場合について説明した。また、第2の実施形態の説明では、バックライト制御部内に光センサ駆動部、光センサ検出部、外光検出用光センサ駆動部、及び外光検出用光センサ検出部を一体的に設けた場合について説明した。しかしながら、本発明のバックライト制御部は、光源(発光ダイオード)の駆動制御を行う光源駆動部(LED駆動部)を有するものであればよく、例えば光センサ駆動部、光センサ検出部、外光検出用光センサ駆動部、及び外光検出用光センサ検出部の各々をバックライト制御部とは別個に構成してもよい。
【0065】
また、上記の説明では、バックライト装置に拡散板及び光学シートを設けた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図7に示すように、拡散板及び光学シートの設置が省略されたバックライト装置を用いることもできる。また、図7に例示するように、液晶パネル2と光センサPDとを直接的に対向して配置した場合では、当該光センサPDの検出精度を容易に向上させることが可能となり、上記バックライト制御部は液晶パネル2に生じたムラの悪影響の排除をより容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、液晶層の経年劣化に起因するムラが液晶パネルに生じたときでも、表示品位が低下するのを防ぐことができる液晶表示装置に対して有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 液晶表示装置(表示装置)
2 液晶パネル
3 バックライト装置(バックライト部)
4 液晶層
12 シャーシ(筐体)
20 発光ダイオード(光源)
22 パネル制御部(液晶パネル制御部)
23、23’ バックライト制御部
PD 光センサ
PD’ 外光検出用光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶層を有する液晶パネルと、光源を具備するとともに、前記光源からの光を前記液晶パネルに照射するバックライト部と、前記光源の駆動制御を行うバックライト制御部を備えた液晶表示装置であって、
前記バックライト部の異なる位置に設置されるとともに、前記液晶パネルを通過した光の光量を検出するための複数の光センサを備え、
前記バックライト制御部は、前記複数の光センサの検出結果を使用して、前記光源の駆動制御を行う、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記液晶パネルの駆動制御を行う液晶パネル制御部を備えるとともに、
前記複数の光センサが駆動されるときに、前記バックライト制御部は、前記光源を消灯させ、かつ、前記液晶パネル制御部は、前記液晶パネルの表示面に所定の検査画面を表示させる請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルの外部に設けられるとともに、外部から前記液晶パネルに入射される外光の光量を検出するための外光検出用光センサを備えるとともに、
前記バックライト制御部は、前記外光検出用光センサの検出結果を用いて、前記光源の駆動制御を行う請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記光源として、発光ダイオードが用いられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記バックライト部は、前記光源としての複数の発光ダイオードと、前記複数の各発光ダイオードが互いに所定の間隔をおいて設置された筐体とを備えるとともに、
前記光センサは、所定数の発光ダイオード毎に前記筐体に設置されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−191286(P2010−191286A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−36819(P2009−36819)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】