説明

液晶表示装置

【課題】開口率の低下を招くことなく、広い視野角特性及び高いコントラスト比を有する表示品位の良好な画像を表示することができる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】マトリクス状の各画素PXに配置された画素電極EP、画素の行方向に延出した走査線Y、及び、走査線Yと層間絶縁膜を介して交差するように画素の列方向に延出した信号線Xを備えたアレイ基板ARにおいて、
走査線Yは、各画素PXにおいて互いに離間した第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2を有し、
さらに、配向制御手段ALCと対向するとともに第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2を電気的に接続する接続部CN1を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置に係り、特に、垂直配向(VA)モードを利用した液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を生かして、パーソナルコンピュータなどのOA機器やテレビなどの表示装置として各種分野で利用されている。近年では、液晶表示装置は、携帯電話などの携帯端末機器や、カーナビゲーション装置、ゲーム機などの表示装置としても利用されている。
【0003】
このような液晶表示装置において、例えば特許文献1によれば、液晶表示装置を構成する基板の帯電による素子(例えば薄膜トランジスタ)の静電破壊を抑制するために、電極配線を分断し、電極配線とは異なる層の導電部により電極配線の分断部間を電気的に接続する構造が開示されている。特に、ここでは、ゲート電極配線を画素毎に分断部にて分断し、分断したゲート電極配線の端部間を層間絶縁膜上の信号電極配線と同一材料の導電膜にて電気的に接続することが開示されている。
【0004】
一方で、液晶表示装置においては、視野角の拡大、コントラスト比の向上といった表示品位の向上が求められている。1画素内に配向方向が異なる複数のドメインを有するマルチドメイン型VA(Multi−domain Vertical Alignment;MVA)モードの液晶表示装置は、複数のドメインによって視野角が補償され、しかも、垂直配向処理の採用により配向膜表面付近の液晶分子が基板主面に対して略垂直に配向し液晶層の複屈折率がほぼ0となるため十分な黒が表示でき高いコントラスト比が得られるといった特性を有している(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−134446号公報
【特許文献2】特開2008−197493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、表示装置に適用される電極配線は、低抵抗化が要求されるため、アルミニウム、モリブデン、タングステンなどの導電材料によって形成される。しかしながら、これらの電極配線を形成するための導電材料は、光透過性を有していない。このため、過疎内において、電極配線が配置された部分は遮光され、表示に寄与しない。
【0006】
特許文献1に開示された技術によれば、ゲート電極配線は、画素を横切るように一直線上に配置され、画素内に分断部を有している。このような分断部間を接続するための導電膜は、通常、合わせずれなどのマージンを考慮してゲート電極配線よりも幅広に形成される。このため、導電膜の設置面積に応じて遮光される部分の面積が拡大し、実質的に表示に寄与する開口率の低下を招く。
【0007】
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、開口率の低下を招くことなく、広い視野角特性及び高いコントラスト比を有する表示品位の良好な画像を表示可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の第1態様による液晶表示装置は、
マトリクス状の各画素に配置された画素電極、画素の一方向に延出した走査線、及び、前記走査線と層間絶縁膜を介して前記一方向と直交する方向に延出した信号線を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向配置され、複数の画素に共通の対向電極を備えた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に保持され、前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成されていない状態では基板主面に対して略垂直に配向する液晶分子を含む液晶層と、
前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成された状態で前記液晶分子の配向を制御する配向制御手段と、
を備え、
前記走査線は、各画素において互いに離間した第1セグメント及び第2セグメントを有し、
前記アレイ基板は、前記配向制御手段と対向するとともに前記第1セグメント及び前記第2セグメントを電気的に接続する接続部を備えたことを特徴とする。
【0009】
この発明の第2態様による液晶表示装置は、
マトリクス状の各画素に配置された画素電極及びスイッチング素子、画素の一方向に延出した走査線及び補助容量線、及び、前記走査線及び前記補助容量線と層間絶縁膜を介して前記一方向と直交する方向に延出した信号線を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向配置され、複数の画素に共通の対向電極を備えた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に保持され、前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成されていない状態では基板主面に対して略垂直に配向する液晶分子を含む液晶層と、
前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成された状態で前記液晶分子の配向を制御する配向制御手段と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記走査線とゲート絶縁膜を介して交差する第1セグメント、及び、前記第1セグメントから離間し前記補助容量線と前記ゲート絶縁膜を介して交差する第2セグメントを有する半導体層を備え、
前記アレイ基板は、前記配向制御手段と対向するとともに前記第1セグメント及び前記第2セグメントを電気的に接続する接続部を備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明の第3態様による液晶表示装置は、
マトリクス状の各画素に配置された画素電極、画素の一方向に延出した走査線及び補助容量線、及び、前記走査線及び補助容量線と層間絶縁膜を介して前記一方向と直交する方向に延出した信号線を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向配置され、複数の画素に共通の対向電極を備えた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に保持され、前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成されていない状態では基板主面に対して略垂直に配向する液晶分子を含む液晶層と、
前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成された状態で前記液晶分子の配向を制御する配向制御手段と、
を備え、
前記補助容量線は、互いに離間した第1セグメント及び第2セグメントを有し、
前記アレイ基板は、前記第1セグメント及び前記第2セグメントを電気的に接続する接続部を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、開口率の低下を招くことなく、広い視野角特性及び高いコントラスト比を有する表示品位の良好な画像を表示する液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、この発明の一実施の形態に係る液晶表示装置について図面を参照して説明する。ここでは、各画素の少なくとも一部がバックライト光を選択的に透過して画像を表示する透過表示部として構成された液晶表示装置を例に説明する。
【0013】
図1及び図2に示すように、液晶表示装置は、アクティブマトリクスタイプの液晶表示装置であって、液晶表示パネルLPNを備えている。この液晶表示パネルLPNは、一対の基板、すなわちアレイ基板(第1基板)ARと、アレイ基板ARに対向して配置された対向基板(第2基板)CTと、を備えている。また、液晶表示パネルLPNは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQを備えている。
【0014】
このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示する表示エリア(アクティブエリア)DSPを備えている。この表示エリアDSPは、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。
【0015】
また、この液晶表示装置は、液晶表示パネルLPNの一方の外面(すなわち、アレイ基板ARの液晶層LQと接触する面とは反対側の面)に設けられた第1光学素子OD1、及び、液晶表示パネルLPNの他方の外面(すなわち、対向基板CTの液晶層LQと接触する面とは反対側の面)に設けられた第2光学素子OD2を備えている。
【0016】
さらに、この液晶表示装置は、第1光学素子OD1側から液晶表示パネルLPNを照明するバックライトユニットBLを備えている。
【0017】
アレイ基板ARは、ガラス板や石英板などの光透過性を有する絶縁基板10を用いて形成されている。すなわち、このアレイ基板ARは、表示エリアDSPにおいて、絶縁基板10の一方の主面(つまり、液晶層LQと対向する面)に、各画素PXに配置されたm×n個の画素電極EP、各画素PXの一方向である行方向に沿って延出するようにそれぞれ配置されたn本の走査線Y(Y1〜Yn)、上述の一方向に延出する走査線Yと直交する方向である各画素PXの列方向に沿って延出するようにそれぞれ配置されたm本の信号線X(X1〜Xm)、各画素PXにおいて走査線Yと信号線Xとの交差部を含む領域に配置されたm×n個のスイッチング素子W、走査線Yと同様に行方向に沿って延出するようにそれぞれ配置され液晶容量CLCと並列に補助容量CSを構成するよう画素電極EPに容量結合する補助容量線AYなどを備えている。
【0018】
走査線Y及び補助容量線AYは、略平行に配置され、同一材料によって形成可能である。また、補助容量線AYは、層間絶縁膜16などの絶縁膜を介して画素電極EPと対向するように配置されている。信号線Xは、層間絶縁膜16を介して走査線Y及び補助容量線AYと略直交するように配置されている。これらの信号線X、走査線Y、及び、補助容量線AYは、アルミニウム、モリブデン、タングステン、チタンなどの導電材料によって形成されている。
【0019】
各スイッチング素子Wは、例えば、nチャネル薄膜トランジスタによって構成されている。このスイッチング素子Wは、絶縁基板10の上に配置された半導体層12を備えている。この半導体層12は、例えば、ポリシリコンやアモルファスシリコンなどによって形成可能であり、ここではポリシリコンによって形成されている。半導体層12は、チャネル領域12Cを挟んだ両側にそれぞれソース領域12S及びドレイン領域12Dを有している。この半導体層12は、ゲート絶縁膜14によって覆われている。
【0020】
スイッチング素子Wのゲート電極WGは、ゲート絶縁膜14を介して半導体層12のチャネル領域12Cと対向している。このゲート電極WGは、走査線Yに接続され(あるいは、走査線Yと一体的に形成され)、走査線Y及び補助容量線AYとともにゲート絶縁膜14上に配置されている。これらのゲート電極WG、走査線Y、及び、補助容量線AYは、例えば、同一材料を用いて同一工程で形成可能であり、層間絶縁膜16によって覆われている。ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16は、例えば、酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜などの無機系材料によって形成されている。
【0021】
スイッチング素子Wのソース電極WS及びドレイン電極WDは、層間絶縁膜16の上においてゲート電極WGの両側に配置されている。すなわち、ソース電極WSは、信号線Xに接続される(あるいは、信号線Xと一体に形成される)とともに、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールを介して半導体層12のソース領域12Sにコンタクトしている。ドレイン電極WDは、画素電極EPに接続される(あるいは画素電極EPと一体に形成される)とともに、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールを介して半導体層12のドレイン領域12Dにコンタクトしている。これらのソース電極WS、ドレイン電極WD、及び、信号線Xは、例えば、同一材料を用いて同一工程で形成可能であり、絶縁膜18によって覆われている。この絶縁膜18は、例えば、有機系材料によって形成されている。
【0022】
画素電極EPは、絶縁膜18の上に配置され、絶縁膜18に形成されたコンタクトホールを介してドレイン電極WDと電気的に接続されている。この画素電極EPは、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの光透過性を有する導電材料によって形成されている。
【0023】
アレイ基板ARの液晶層LQに接する面は、第1配向膜20によって覆われている。
【0024】
一方、対向基板CTは、ガラス板や石英板などの光透過性を有する絶縁基板30を用いて形成されている。すなわち、この対向基板CTは、表示エリアDSPにおいて、絶縁基板30の一方の主面(つまり、液晶層LQと対向する面)に、対向電極ETなどを備えている。
【0025】
対向電極ETは、複数の画素PXに対応した画素電極EPに対向するように配置されている。この対向電極ETは、ITOなどの光透過性を有する導電材料によって形成されている。
【0026】
カラー表示タイプの液晶表示装置は、各画素PXに対応して液晶表示パネルLPNの内面に設けられたカラーフィルタ層34を備えている。図2に示した例では、カラーフィルタ層34は、対向基板CTに設けられている。カラーフィルタ層34は、互いに異なる複数の色、例えば赤色、青色、緑色といった3原色にそれぞれ着色された着色樹脂によって形成されている。赤色着色樹脂、青色着色樹脂、及び緑色着色樹脂は、それぞれ赤色画素PXR、青色画素PXB、及び緑色画素PXGに対応して配置されている。
【0027】
なお、図2に示したカラー表示タイプの液晶表示装置の例では、カラーフィルタ層34は、対向基板CT側に配置されているが、アレイ基板AR側に配置しても良い。この場合、アレイ基板ARにおける絶縁膜18をカラーフィルタ層34に置き換えることが可能である。
【0028】
また、各画素PXは、図示しないブラックマトリクスによって区画されている。このブラックマトリクスは、黒色着色樹脂などによって形成され、アレイ基板ARに設けられた走査線Yや信号線X、スイッチング素子Wなどの配線部に対向するように配置されている。また、対向基板CTには、カラーフィルタ層34の表面の凹凸の影響を緩和するために、カラーフィルタ層34と対向電極ETとの間に、オーバーコート層を配置しても良い。
【0029】
対向基板CTの液晶層LQに接する面は、第2配向膜36によって覆われている。
【0030】
上述したようなアレイ基板ARと対向基板CTとは、それぞれの第1配向膜20及び第2配向膜36が対向するように配置されている。このとき、アレイ基板ARと対向基板CTとの間には、図示しないスペーサ(例えば、樹脂材料によって一方の基板と一体的に形成された柱状スペーサ)が配置され、これにより、所定のギャップが形成される。アレイ基板ARと対向基板CTとは、所定のギャップが形成された状態でシール材によって貼り合わせられている。
【0031】
液晶層LQは、これらのアレイ基板ARの第1配向膜20と対向基板CTの第2配向膜36との間に形成されたギャップに封入された液晶分子40を含む液晶組成物によって構成されている。この液晶分子40は、例えば、負の誘電率異方性を有している。
【0032】
第1配向膜20及び第2配向膜36は、画素電極EPと対向電極ETとの間に電位差が形成されていない状態、つまり、画素電極EPと対向電極との間に電界が形成されていない無電界時には、それぞれ液晶分子40を絶縁基板10(あるいは、アレイ基板AR)の主面及び絶縁基板30(あるいは、対向基板CT)の主面に対して略垂直に配向する特性を有している。このような第1配向膜20及び第2配向膜36を形成するための材料としては、基本的には垂直配向性を示す光透過性を有する薄膜であれば特に限定されない。
【0033】
また、液晶表示装置は、n本の走査線Yに接続された走査線ドライバYDを構成する少なくとも一部、及び、m本の信号線Xに接続された信号線ドライバXDを構成する少なくとも一部を備えていても良い。特に、スイッチング素子Wがポリシリコンからなる半導体層12を備えた構成を適用した場合、走査線ドライバYD及び信号線ドライバXDの少なくとも一部は、アレイ基板ARに一体的に形成可能であり、スイッチング素子Wと同様にポリシリコン半導体層を備えた薄膜トランジスタを含んで構成可能である。
【0034】
走査線ドライバYDは、コントローラCNTによる制御に基づいてn本の走査線Yに順次走査信号(駆動信号)を供給する。また、信号線ドライバXDは、コントローラCNTによる制御に基づいて各行のスイッチング素子Wが走査信号によってオンするタイミングでm本の信号線Xに映像信号(駆動信号)を供給する。これにより、各行の画素電極EPは、対応するスイッチング素子Wを介して供給される映像信号に応じた画素電位にそれぞれ設定される。
【0035】
第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、それぞれ少なくとも偏光板を含んでいる。これらの偏光板は、例えばそれぞれの吸収軸が互いに直交するように配置されている。また、これらの第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、透過光に対して適当な位相差を付与する位相差板を含んでいてもよい。
【0036】
この実施の形態では、液晶層LQに含まれる液晶分子40は、無電界時には、第1配向膜20及び第2配向膜36による配向制御によって、その長軸が基板主面に対して略垂直な方向(あるいは、液晶表示パネルLPNの法線方向)に略平行に配向している。このような状態においては、第1光学素子OD1を透過したバックライト光は、液晶層LQを透過した後、第2光学素子OD2に吸収される。したがって、液晶表示パネルLPNの透過率が最低となる(つまり、黒色画面が表示される)。
【0037】
一方、画素電極EPと対向電極ETとの間に電界が形成された状態では、誘電率異方性が負の液晶分子40は、電界に対して略直交する方向に配向する。基板主面の法線に対して傾斜した電界に対しては、液晶分子40は、その長軸が基板主面に対して略平行な方向あるいは傾斜した方向に配向している。
【0038】
このような状態においては、第1光学素子OD1を透過したバックライト光は、液晶層LQを透過した際に適当な位相差が賦与された後、少なくとも一部が第2光学素子OD2を透過可能となる。したがって、白色画面が表示される。
【0039】
このようにして、ノーマリーブラックモードの垂直配向モードが実現される。
【0040】
ところで、この実施の形態においては、液晶表示パネルLPNは、視野角補償が可能なマルチドメイン構造を構成している。より具体的には、液晶表示装置は、画素電極EPと対向電極ETとの間に電界が形成された状態で液晶分子の配向を制御する配向制御手段を備えている。この配向制御手段について、図3乃至図5を参照して具体的に説明する。なお、図3乃至図5においては、説明に必要な構成のみを図示している。
【0041】
図3に示した例では、配向制御手段ALCは、対向基板CT側に設けられ、対向電極ETに形成されたスリットSLによって構成されている。このスリットSLは、画素電極EPに対向し、例えば画素PXのほぼ中央を横切るように一直線状に形成されている。
【0042】
図4に示した例では、配向制御手段ALCは、対向基板CTのアレイ基板ARと対向する面、より具体的には対向電極ETの上に配置された突起CPによって構成されている。この突起CPは、画素電極EPに対向し、例えば画素PXのほぼ中央を横切るように一直線状に形成されている。
【0043】
図5に示した例では、配向制御手段ALCは、アレイ基板ARの対向基板CTと対向する面、より具体的には画素電極EPの上に配置された突起CPによって構成されている。この突起CPは、例えば画素PXのほぼ中央を横切るように一直線状に形成されている。
【0044】
この配向制御手段ALCとして突起CPを適用する場合には、突起CPは、絶縁膜によって形成される。絶縁膜としては、例えばSiO、SiN、Alなどの無機系材料、ポリイミド、フォトレジスト樹脂、高分子液晶など有機系材料などを用いることができる。突起CPが無機系材料の場合には、蒸着法、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、あるいは溶液塗布法などによって形成可能である。また、突起CPが有機系材料の場合には、有機物質を溶かした溶液またはその前駆体溶液を用いて、スピンナー塗布法、スクリーン印刷塗布法、ロール塗布法などで塗布し、所定の硬化条件(加熱、光照射など)で硬化させ形成する方法、あるいは蒸着法、スパッタ法、CVD法、LB(Langumuir−Blodgett)法などによって形成可能である。
【0045】
特に、突起CPを有機系材料によって形成する場合には、液晶層LQのギャップを保持する柱状スペーサと同一材料により同時に形成可能である。当然のことながら、このような場合には、突起CP及び柱状スペーサは、同一基板に形成される。
【0046】
このような配向制御手段ALCを設けた構成においては、画素電極EPと対向電極ETとの間の電界は、これらの配向制御手段ALCを避けるように形成される。このため、配向制御手段ALCの周辺では、画素電極EPと対向電極ETとの間に基板主面PLの法線に対して傾斜した電界が形成可能となる。このため、配向制御手段ALCの周辺の液晶分子40は、このような傾斜電界によって所定の方向に配向する。
【0047】
つまり、配向制御手段ALCを挟んで隣接する領域において、配向制御手段ALCについて互いに逆方向に傾斜した電界が形成されるため、それぞれの画素の液晶分子40も互いに逆方向に配向する。これにより、視野角補償がなされ、視野角を拡大することが可能となるとともに、ノーマリーブラックモードの採用によりコントラスト比を向上することが可能となり、表示品位の良好な画像を表示することが可能となる。
【0048】
以下に、この発明の実施の形態に係る具体的な画素構造について説明する。
【0049】
《第1構成例》
図6には、行方向に隣接する2つの画素を図示している。
【0050】
図6及び図7に示すように、半導体層12は、行方向Hに沿って延出した走査線Y及び補助容量線AYに対してゲート絶縁膜14を介して対向している。また、半導体層12は、列方向Vに沿って延出した信号線Xに対してゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を介して対向している。ここでは、特に、半導体層12は、走査線Yとは交差するとともに、補助容量線AY及び信号線Xとは平行に延出している。画素電極EPは、補助容量線AYに対して層間絶縁膜16及び絶縁膜18を介して対向している。
【0051】
半導体層12と信号線X(あるいはドレイン電極WD)とは、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCHSを介して電気的に接続されている。補助容量線AYの一部には切欠部が形成され、ゲート絶縁膜14を介して半導体層12の一部を露出し、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCHDが形成されている。半導体層12とドレイン電極WDとは、このコンタクトホールCHDを介して電気的に接続されている。ドレイン電極WDと画素電極EPとは、絶縁膜18を貫通するコンタクトホールCHEを介して電気的に接続されている。
【0052】
特に、この第1構成例においては、図6及び図8に示すように、走査線Yは、画素PXのほぼ中央を通り、行方向Hに沿って延出している。この走査線Yは、画素PX内において互いに離間した第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2を有している。これらの第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2は、ともにゲート絶縁膜14の上に配置され、同一材料を用いて同一工程で形成されている。このような第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2は、第1接続部CN1を介して電気的に接続されている。
【0053】
一方で、各画素PXには、配向制御手段ALCが設けられている。図8には、配向制御手段ALCとして、対向電極ETにスリットSLを形成した例が示されている。第1接続部CN1は、配向制御手段ALCと対向する位置に形成されている。すなわち、走査線Yは、配向制御手段ALCと対向する位置で分断され、第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2のそれぞれの端部YE1及びYE2が第1接続部CN1によって電気的に接続されている。
【0054】
このような構成によれば、比較的配線容量の大きな走査線Yを複数のセグメントに分断したことにより、電荷の局所的な集中を抑制することができ、電圧上昇による静電破壊を抑制することが可能となる。
【0055】
また、このような構成によれば、もともと表示に寄与しない配向制御手段ALCと対向する位置(つまり、バックライト光が透過しない領域)で走査線Yを繋ぎ替えた構造を適用することにより、実質的に表示に寄与する開口率を低下することなく、静電気対策を施すことが可能となる。
【0056】
なお、配向制御手段ALCに重ならない領域では、走査線Yの各セグメントYSは、開口率が低下しないように、直線状に形成されることが望ましい。
【0057】
上述した第1接続部CN1は、画素内の表示に寄与しない領域に配置されるため、第1接続部CN1を形成するために選択される材料の自由度を向上できる。特に、ここでは、第1接続部CN1は、信号線Xと同一材料によって形成可能である。すなわち、分断した走査線Yを再接続する際には、配線抵抗が増大するような構成は望ましくない。このため、比較的低抵抗な材料によって形成される信号線Xと同一材料により第1接続部CN1を形成することにより、配線抵抗を増大することなく、確実な電気的な接続が可能となる。また、信号線Xが光透過性を有していない材料であっても、第1接続部CN1によって開口率の低減を招くことはない。
【0058】
この場合、第1接続部CN1は、層間絶縁膜16の上に配置され、層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCHYを介して、第1セグメントYS1の端部YE1及び第2セグメントYS2の端部YE2にコンタクトし、両者を電気的に接続している。当然のことながら、この場合の第1接続部CN1は、信号線Xと同一工程で形成可能である。このため、第1接続部CN1を形成するために別途の製造工程を追加する必要はない。
【0059】
また、第1接続部CN1について、配向制御手段ALCと対向する領域の範囲内でセグメントYSの端部YEより幅広に形成しても良い。これにより、走査線Yとのあわせずれなどのマージンを考慮しつつ、開口率の低減を招くことなく確実な電気的な接続が可能となる。
【0060】
上述した第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2は、互いに平行に一方向である行方向Hに沿って延出しているとともに、この一方向と直交する方向である列方向Vにずれて配置されている。つまり、第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2は、同一直線上に並んでいない。各セグメントYSの端部YE1及びYE2は、配向制御手段ALCと対向する領域内で列方向Vに並んでいる。
【0061】
特に、図6に示した例では、第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2は、向かい合う先端部分が互いに逆向きに屈曲し、それぞれの端部YE1及びYE2を形成している。また、各画素PXにおいて、第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2は、段違いに配置されるとともに、隣接する2画素1組で繰り返されるパターンを形成している。
【0062】
このため、第1セグメントYS1と第2セグメントYS2との間において、放電を抑制するのに十分な間隔を確保することが可能となる。また、各端部YE1及びYE2の間隔は、配向制御手段ALCと対向する領域内において、自由に設定可能であり、レイアウト上の自由度を向上できる。
【0063】
また、配向制御手段ALCと対向する領域内において、第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2の一部を屈曲させることにより、第1接続部CN1と接続される端部YE1及びYE2を幅広に形成することが可能である。このため、第1接続部CN1との接続面積を拡大することが可能となる。
【0064】
さらに、第1接続部CN1が各セグメントの端部YE1及びYE2とコンタクトするコンタクトホールの数も自由に設定できる。図6には、各端部YE1及びYE2について、2個のコンタクトホールCHYを設けた例を図示しているが、3個以上設けることも可能である。
【0065】
すなわち、配向制御手段ALCと対向する領域内において、各端部YE1及びYE2の面積及び第1接続部CN1の面積を拡大することにより、各端部YE1及びYE2についてさらに多くのコンタクトホールCHYを設けることが可能である。
【0066】
これにより、画素PXの開口率に影響を及ぼすことなく、コンタクトホールCHYの数を増やすことができ、走査線Yの低抵抗化を図ることが可能となる。また、あるコンタクトホールがパターニング不良などによって貫通しなかった場合でも、他のコンタクトホールを介した電気的な接続が可能であり、冗長性を持たせることができる。
【0067】
発明者の検証によれば、分断していない走査線の配線抵抗と比較して、1画素当たり1箇所で分断し各セグメントをそれぞれ1個のコンタクトホールを介して第1接続部により接続した場合の配線抵抗は増大する傾向にあるものの、走査信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間が許容範囲内であることが確認された。また、1画素当たり1箇所で分断し各セグメントをそれぞれ2個のコンタクトホールを介して第1接続部により接続した場合、配線抵抗の増大が抑制され、走査信号の立ち上がり時間及び立ち下がり時間の設定力のマージンが拡大できることが確認された。
【0068】
上述したように、配向制御手段ALCと対向する領域内において、各種要求に応じて自由なレイアウトで走査線Yを分断−再接続することが可能となる。
【0069】
配向制御手段ALCの延出方向と、第1接続部CN1の延出方向とは互いに平行であることが望ましい。
【0070】
図6に示した例では、配向制御手段ALCは、列方向Vに沿って延出している。また、第1接続部CN1も、列方向Vに並んだ各セグメントの端部YE1及びYE2に対応して、列方向Vに沿って延出している。このような構成によれば、端部YE1と端部YE2との間隔を自由に設定することができ、また、これらを接続する第1接続部CN1の幅も十分に確保できる。
【0071】
なお、セグメント間を電気的に接続する構造は、図6に示した例に限らない。すなわち、配向制御手段ALCに対向する領域内であれば、第1接続部CN1はどのように配置しても良い。
【0072】
例えば、図9に示して例では、配向制御手段ALCは、列方向Vに沿って延出している。このとき、第1接続部CN1は、行方向Hに沿って一直線上に延出した第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2に対応して、行方向Hに沿って延出している。つまり、配向制御手段ALCの延出方向と、第1接続部CN1との延出方向とは互いに直交している。
【0073】
また、図10に示した例では、配向制御手段ALCは、行方向Hに沿って延出している。このとき、第1接続部CN1は、列方向Vに並んだ各セグメントの端部YE1及びYE2に対応して、列方向Vに沿って延出している。つまり、配向制御手段ALCの延出方向と、第1接続部CN1との延出方向とは互いに直交している。
【0074】
また、図11に示した例では、配向制御手段ALCは、行方向Hに沿って延出している。このとき、第1接続部CN1は、行方向Hに沿って一直線上に延出した第1セグメントYS1及び第2セグメントYS2に対応して、行方向Hに沿って延出している。つまり、配向制御手段ALCの延出方向と、第1接続部CN1との延出方向とは互いに平行である。
【0075】
《第2構成例》
次に、第2構成例について説明する。この第2構成例の主旨は、走査線Yと補助容量線AYとに共通に対向する半導体層12を複数のセグメントに分断し、走査線側を分離するとともに、補助容量線AYからの影響を除去するものである。ここでは、上述した第1構成例と組み合わせた例について説明する。すなわち、基本的な構成については、図6及び図7を参照して説明した通りである。
【0076】
この第2構成例においては、図12及び図13に示すように、半導体層12は、走査線Yとゲート絶縁膜14を介して交差する第1セグメントS1、及び、第1セグメントS1から離間し補助容量線AYとゲート絶縁膜14を介して交差する第2セグメントS2を有している。
【0077】
すなわち、第1セグメントS1は、信号線Xに対してゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を介して対向するとともに、画素PX内に向かって延出し、画素電極EPと対向している。第2セグメントS2は、補助容量線AYに対してゲート絶縁膜14を介して対向するとともに、画素PX内に向かって延出し、画素電極EPと対向している。
【0078】
これらの第1セグメントS1及び第2セグメントS2は、ともに絶縁基板10の上に配置され、同一材料を用いて同一工程で形成されている。このような第1セグメントS1及び第2セグメントS2は、第2接続部CN2を介して電気的に接続されている。
【0079】
一方で、各画素PXには、配向制御手段ALC(例えば、スリットSL)が設けられている。第2接続部CN2は、配向制御手段ALCと対向する位置に形成されている。すなわち、半導体層12は、配向制御手段ALCと対向する位置で分断され、第1セグメントS1及び第2セグメントS2のそれぞれの端部E1及びE2が第2接続部CN2によって電気的に接続されている。
【0080】
このような構成によれば、半導体層12は、走査線Yと対向する第1セグメントS1と、補助容量線AYと対向する第2セグメントS2とに分断したことにより、走査線Y及び補助容量線AYの相互の影響を除去することができ、走査線Yまたは補助容量線AYの電圧上昇による静電破壊を抑制することが可能となる。
【0081】
また、このような構成によれば、もともと表示に寄与しない配向制御手段ALCと対向する位置(つまり、バックライト光が透過しない領域)で半導体層12を繋ぎ替えた構造を適用することにより、実質的に表示に寄与する開口率を低下することなく、静電気対策を施すことが可能となる。
【0082】
上述した第2接続部CN2は、画素内の表示に寄与しない領域に配置されるため、第2接続部CN2を形成するために選択される材料の自由度を向上できる。特に、ここでは、第2接続部CN2は、信号線Xと同一材料によって形成可能である。
【0083】
この場合、第2接続部CN2は、層間絶縁膜16の上に配置され、ゲート絶縁膜14及び層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCHSCを介して、第1セグメントS1の端部E1及び第2セグメントS2の端部E2にコンタクトし、両者を電気的に接続している。当然のことながら、この場合の第2接続部CN2は、信号線Xと同一工程で形成可能である。
【0084】
また、上述した第1構成例と同様に、配向制御手段ALCと対向する領域内において、各種要求に応じて自由なレイアウトで半導体層12を分断−再接続することが可能となる。つまり、第1セグメントS1の端部E1及び第2セグメントS2の端部E2の形状や両者の間隔、第2接続部CN2の形状、コンタクトホールCHSCの数などは、配向制御手段ALCと対向する領域内で適宜自由に変更可能である。
【0085】
配向制御手段ALCの延出方向と、第2接続部CN2の延出方向とは互いに平行であることが望ましい。特に、第1構成例と第2構成例とを組み合わせた場合、第1接続部CN1及び第2接続部CN2は、配向制御手段ALCの延出方向に沿って並んでいることが望ましく、さらに、第1接続部CN1及び第2接続部CN2の延出方向は互いに平行であって、且つ、配向制御手段ALCの延出方向と平行であることが望ましい。これにより、配向制御手段ALCと対向する限られた領域内で、走査線Yとの分断−再接続、及び、半導体層12の分断−再接続を行うことが可能となる。
【0086】
《第3構成例》
次に、第3構成例について説明する。この第3構成例の主旨は、補助容量線AYを複数のセグメントに分断し、補助容量線AYにおける帯電量を分散し、局所的な電荷の集中を抑制するものである。ここでは、上述した第1構成例及び第2と組み合わせた例について説明する。すなわち、基本的な構成については、図6及び図7を参照して説明した通りである。
【0087】
この第3構成例においては、図14及び図15に示すように、補助容量線AYは、互いに離間した第1セグメントAS1、及び、第1セグメントAS1から離間した第2セグメントAS2を有している。これらの第1セグメントAS1及び第2セグメントAS2は、画素PXの周縁に沿って行方向Hに沿って一直線状に延出しており、層間絶縁膜16及び絶縁膜18を介して画素電極EPの周縁部と対向している。
【0088】
これらの第1セグメントAS1及び第2セグメントAS2は、ともにゲート絶縁膜14の上に配置され、同一材料を用いて同一工程で形成されている。このような第1セグメントAS1及び第2セグメントAS2は、第3接続部CN3を介して電気的に接続されている。
【0089】
このような構成によれば、比較的配線容量の大きな補助容量線AYを複数のセグメントに分断したことにより、電荷の局所的な集中を抑制することができ、電圧上昇による静電破壊を抑制することが可能となる。
【0090】
上述した第3接続部CN3は、層間絶縁膜16の上に配置され、層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールCHAYを介して、第1セグメントAS1の端部AE1及び第2セグメントAS2の端部AE2にコンタクトし、両者を電気的に接続している。当然のことながら、この場合の第3接続部CN3は、信号線Xと同一工程で形成可能である。
【0091】
上述したような補助容量線AYは、各画素PXにおいて分断してそれぞれ第3接続部CN3を介して接続しても良いが、複数画素毎に分断してもよい。この場合、第3接続部CN3は、複数画素毎に配置される。これにより、配線抵抗の増加、あるいは、走査信号の波形の劣化を抑制することができる。
【0092】
発明者の検証によれば、1行あたり480画素(但し、各画素は赤色、緑色、青色の3つのサブピクセルを有する。つまり、(480×3)画素)が接続された液晶表示パネルにおいて、補助容量線AYを24画素毎に分断したときに表示画像に影響を与えないことが確認された。
【0093】
また、このように、複数画素毎に補助容量線AYを分断する構成においては、各画素PXにおいて、図16に示すように、補助容量線AYと層間絶縁膜16を貫通するコンタクトホールを介してコンタクトしたダミー接続部CNDを備えていることが望ましい。
【0094】
つまり、このダミー接続部CNDは、第1セグメントと第2セグメントとにコンタクトして両者を電気的に接続するものではなく、第1セグメントAS1のみ、あるいは、第2セグメントAS2のみにコンタクトしている。このダミー接続部CNDについては、実質的に第3接続部CN3と同一構造であることが望ましいため、第3接続部CN3と同数のコンタクトホールCHAYを介して補助容量線AYとコンタクトしている。これにより、全ての画素PXが実質的に同様の構造となり、画素間での表示特性の差を低減することが可能である。
【0095】
さらに、複数画素毎に補助容量線AYを分断する構成においては、分断する位置は、できるだけランダムな位置とすることが望ましく、各補助容量線AYの分断する位置が列方向に並ばないことが望ましい。これにより、分断位置が表示ムラとして視認されにくくなる。
【0096】
また、各画素PXが複数のサブピクセルを有する構成においては、第3接続部CN3は、最も比視感度の低い色を表示するサブピクセルに配置されることが望ましい。例えば、各画素PXが赤色、緑色、青色の各サブピクセルを有する場合、補助容量線AYは、最も比視感度の低い青色サブピクセルにおいて分断し、第3接続部CN3を介して電気的に接続されることが望ましい。これにより、たとえ表示特性に差が生じたとしても、表示ムラとして視認されにくくなる。また、補助容量線AYの分断位置において、たとえ光漏れが生じても、視認されにくいといった利点もある。
【0097】
以上説明したように、この実施の形態によれば、開口率の低下を招くことなく、広い視野角特性及び高いコントラスト比を有する表示品位の良好な画像を表示可能な液晶表示装置を提供できる。
【0098】
なお、この発明は、上記実施形態そのものに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】図1は、この発明の一実施の形態に係る横電界を利用した液晶モードの液晶表示装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、図1に示した液晶表示装置に適用されるアレイ基板及び対向基板の構造を概略的に示す断面図である。
【図3】図3は、本実施の形態における配向制御手段の構成例を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、本実施の形態における配向制御手段の他の構成例を概略的に示す断面図である。
【図5】図5は、本実施の形態における配向制御手段の他の構成例を概略的に示す断面図である。
【図6】図6は、この発明の一実施形態に係る第1構成例の画素構造を概略的に示す平面図である。
【図7】図7は、図6に示した平面図においてA−A線で切断したときの液晶表示パネルの構造を概略的に示す断面図である。
【図8】図8は、図6に示した平面図においてB−B線で切断したときの液晶表示パネルの構造を概略的に示す断面図である。
【図9】図9は、セグメント間の電気的な接続構造の他の例を概略的に示す平面図である。
【図10】図10は、セグメント間の電気的な接続構造の他の例を概略的に示す平面図である。
【図11】図11は、セグメント間の電気的な接続構造の他の例を概略的に示す平面図である。
【図12】図12は、この発明の一実施形態に係る第2構成例の画素構造を概略的に示す平面図である。
【図13】図13は、図12に示した平面図においてC−C線で切断したときの液晶表示パネルの構造を概略的に示す断面図である。
【図14】図14は、この発明の一実施形態に係る第3構成例の画素構造を概略的に示す平面図である。
【図15】図15は、図14に示した平面図においてD−D線で切断したときの液晶表示パネルの構造を概略的に示す断面図である。
【図16】図16は、第3構成例において適用可能なダミー接続部の構造を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0100】
LPN…液晶表示パネル AR…アレイ基板 CT…対向基板 LQ…液晶層
DSP…表示エリア PX…画素 EP…画素電極
Y…走査線(YS1…第1セグメント YS2…第2セグメント)
X…信号線 W…スイッチング素子
12…半導体層(S1…第1セグメント S2…第2セグメント)
AY…補助容量線(AS1…第1セグメント AS2…第2セグメント)
ET…対向電極
ALC…配向制御手段(SL…スリット CP…突起)
CH(CHS、CHD、CHE、CHY、CHSC、CHAY)…コンタクトホール
CN1…第1接続部 CN2…第2接続部 CN3…第3接続部
CND…ダミー接続部
10…絶縁基板 14…ゲート絶縁膜 16…層間絶縁膜 18…絶縁膜
30…絶縁基板 40…液晶分子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マトリクス状の各画素に配置された画素電極、画素の一方向に延出した走査線、及び、前記走査線と層間絶縁膜を介して前記一方向と直交する方向に延出した信号線を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向配置され、複数の画素に共通の対向電極を備えた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に保持され、前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成されていない状態では基板主面に対して略垂直に配向する液晶分子を含む液晶層と、
前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成された状態で前記液晶分子の配向を制御する配向制御手段と、
を備え、
前記走査線は、各画素において互いに離間した第1セグメント及び第2セグメントを有し、
前記アレイ基板は、前記配向制御手段と対向するとともに前記第1セグメント及び前記第2セグメントを電気的に接続する接続部を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記接続部は、前記信号線と同一材料によって形成され、前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して前記第1セグメント及び前記第2セグメントにコンタクトすることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1セグメント及び前記第2セグメントは、互いに平行に一方向に延出するとともに、前記一方向と直交する方向にずれていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記配向制御手段は、前記接続部と平行な方向に延出していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記配向制御手段及び前記接続部は、前記一方向と直交する方向に延出していることを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
マトリクス状の各画素に配置された画素電極及びスイッチング素子、画素の一方向に延出した走査線及び補助容量線、及び、前記走査線及び前記補助容量線と層間絶縁膜を介して前記一方向と直交する方向に延出した信号線を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向配置され、複数の画素に共通の対向電極を備えた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に保持され、前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成されていない状態では基板主面に対して略垂直に配向する液晶分子を含む液晶層と、
前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成された状態で前記液晶分子の配向を制御する配向制御手段と、
を備え、
前記スイッチング素子は、前記走査線とゲート絶縁膜を介して交差する第1セグメント、及び、前記第1セグメントから離間し前記補助容量線と前記ゲート絶縁膜を介して交差する第2セグメントを有する半導体層を備え、
前記アレイ基板は、前記配向制御手段と対向するとともに前記第1セグメント及び前記第2セグメントを電気的に接続する接続部を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
前記接続部は、前記信号線と同一材料によって形成され、前記ゲート絶縁膜及び前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して前記第1セグメント及び前記第2セグメントにコンタクトすることを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
マトリクス状の各画素に配置された画素電極、画素の一方向に延出した走査線及び補助容量線、及び、前記走査線及び補助容量線と層間絶縁膜を介して前記一方向と直交する方向に延出した信号線を備えたアレイ基板と、
前記アレイ基板に対向配置され、複数の画素に共通の対向電極を備えた対向基板と、
前記アレイ基板と前記対向基板との間に保持され、前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成されていない状態では基板主面に対して略垂直に配向する液晶分子を含む液晶層と、
前記画素電極と前記対向電極との間に電界が形成された状態で前記液晶分子の配向を制御する配向制御手段と、
を備え、
前記補助容量線は、互いに離間した第1セグメント及び第2セグメントを有し、
前記アレイ基板は、前記第1セグメント及び前記第2セグメントを電気的に接続する接続部を備えたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項9】
前記接続部は、前記信号線と同一材料によって形成され、前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介して前記第1セグメント及び前記第2セグメントにコンタクトすることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記接続部は、複数画素毎に配置されたことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記アレイ基板は、各画素において前記第1セグメントまたは前記第2セグメントに前記層間絶縁膜を貫通するコンタクトホールを介してコンタクトしたダミー接続部を備えたことを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記画素は、互いに異なる色を表示する複数のサブピクセルを有し、
前記接続部は、最も比視感度の低い色を表示するサブピクセルに配置されたことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記配向制御手段は、前記対向電極に形成されたスリット、前記対向基板の前記アレイ基板と対向する面に配置された突起、または、前記アレイ基板の前記対向基板と対向する面に配置された突起のいずれかであることを特徴とする請求項1、6、8のいずれか1項に記載の液晶表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2010−60996(P2010−60996A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228298(P2008−228298)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(302020207)東芝モバイルディスプレイ株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】